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JP4508568B2 - 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 Download PDF

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JP4508568B2 JP2003281196A JP2003281196A JP4508568B2 JP 4508568 B2 JP4508568 B2 JP 4508568B2 JP 2003281196 A JP2003281196 A JP 2003281196A JP 2003281196 A JP2003281196 A JP 2003281196A JP 4508568 B2 JP4508568 B2 JP 4508568B2
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Description

本発明は溶融安定性に優れると共に電気的特性に優れる強化材および/または充填材を含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、並びに、前記特性に加えて臭素系難燃剤あるいはリン系難燃剤を使用することなく高度な難燃性を有する強化材および/または充填材を含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に関する。
芳香族ポリカーボネートは耐衝撃性などの機械的特性に優れ、しかも耐熱性にも優れた樹脂材料であることから、コンピューター、ノートブックパソコン、プリンター、携帯電話、コピー機などのハウジング材料やシャーシ材料、あるいは電気・電子部品材料として広く利用されている。
近年、芳香族ポリカーボネート材料に対して、軽量化を目的とした製品の薄肉化が強く求められている。薄肉の成形体とした場合、外部応力による変形や、製品自重による変形が起こりやすいため、芳香族ポリカーボネート材料に対して高い剛性と寸法精度が要求される。
また、電気・電子部品材料として使用される場合は優れた電気絶縁特性が要求される。
芳香族ポリカーボネートの剛性や寸法精度、さらには電気絶縁特性を改良する方法として、ガラス繊維、炭素繊維、タルク、マイカ等の強化材および/または充填材をポリカーボネートに配合する方法が広く用いられている。
しかしながら、強化材および/または充填材を含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物では、強化材および/または充填材により、ベース樹脂である芳香族ポリカーボネートの分解劣化が促進されやすいために、樹脂組成物の溶融安定性が低下するという問題がある。特に、タルクやマイカなどの塩基性の無機化合物を使用する場合において、芳香族ポリカーボネートの溶融安定性が著しく低下し、材料の物性を大きく損なうという問題があった。
この問題に対して、特開平2−283760号公報では無機充填材とリン化合物を併用する方法、特開平3−21664号公報ではタルクと有機酸を併用する方法、更には、特開平10−60248号公報では、スルホン酸ホスホニウム塩化合物を無機化合物充填材と併用することによって芳香族ポリカーボネートの分子量の低下を抑制する方法が提案されているが、これらの方法では樹脂組成物の溶融安定性の改善効果が見られるものの、高い溶融樹脂温度で成形を行う場合においては芳香族ポリカーボネートの溶融安定性が不十分であるという問題があった。
また、OA機器や電気・電子機器用として使用される芳香族ポリカーボネート樹脂組成物では高度な難燃性が同時に求められることが多く、特に最近では、環境に対する配慮から、臭素系難燃剤あるいはリン系難燃剤を使用しない難燃性の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が求められている。
しかしながら、強化材および/または充填材を含む芳香族ポリカーボネートに対して、臭素系あるいはリン系の難燃剤を使用することなく、薄肉の成形体とした場合でも高度な難燃性を有する材料は得られていないのが現状である。
特開平2−283760号公報 特開平3−21664号公報 特開平10−60248号公報
本発明の課題は、溶融安定性に優れると共に電気的特性に優れる強化材および/または充填材を含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、並びに、前記特性に加えて臭素系難燃剤あるいはリン系難燃剤を使用することなく高度な難燃性を有する強化材および/または充填材を含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討した結果、強化材および/または充填材を含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を得るにあたって、有機酸性化合物および/または有機酸性化合物誘導体を特定の使用量で配合し、溶融混練を行うことにより、樹脂組成物の溶融安定性が飛躍的に向上し、かつ電気的絶縁特性が向上することを見出すと共に、該組成物に対して、更に有機アルカリ金属塩および有機アルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の金属塩とフルオロポリマーを配合することにより、前記特性に加えて、卓越した難燃性が得られるという驚くべき事実を見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、下記[1]〜[]である。
[1]芳香族ポリカーボネート(A)100重量部に対して、強化材および/または充填材(B)1〜200重量部、芳香族スルホン酸化合物および/または芳香族スルホン酸
化合物誘導体(C)を含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物であって、該成分(C)の配合量が、該成分(B)と該成分(C)の混合物をJIS K5101に基づいてpH値
を測定したときに、該混合物のpH値が6.0〜8.0の範囲となる重量部数であることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
[2]該芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が、更に、有機アルカリ金属塩および有機アルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の金属塩(D)0.001〜10重量部、フルオロポリマー(E)0.01〜10重量部を含むことを特徴とする前記[1]に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
[3]該強化材および/または充填材(B)が、タルク、マイカ、ガラス繊維、ガラスフレーク、炭素繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、(1)溶融安定性に優れるので高い溶融樹脂温度での成形が可能であり成形加工性に優れる、(2)芳香族ポリカーボネートが本来有する耐熱性や機械的特性が維持されている、(3)電気的絶縁特性に優れる、更にはこれらの特性に加えて(4)臭素系難燃剤あるいはリン系難燃剤を使用することなく、薄肉の成形体においても卓越した難燃性を発現する、等の優れた特長を同時に得ることができる樹脂組成物であり、工業的に極めて有用である。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明において成分(A)は、芳香族ポリカーボネートまたは芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂である。
ここで、芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂とは、成分(A)の総量を100重量部とした場合に、成分(A)の50重量部を超える成分が芳香族ポリカーボネートであり、残りの樹脂成分が芳香族ポリカーボネート以外の熱可塑性樹脂であるものを表す。
本発明の成分(A)として好ましく用いられる芳香族ポリカーボネートは、芳香族ジヒドロキシ化合物より誘導される芳香族ポリカーボネートであり、芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルエーテル等のジヒドロキシアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルスルフィド等のジヒドロキシアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルスルホキシド等のジヒドロキシアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルスルホン等のジヒドロキシアリールスルホン類、等を挙げることができる。
これらの中で、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称、ビスフェノールA)が特に好ましい。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の成分(A)として用いられる芳香族ポリカーボネートは、公知の方法で製造したものを使用することができる。具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを反応せしめる公知の方法、例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(例えばホスゲン)を水酸化ナトリウム水溶液及び塩化メチレン溶媒の存在下に反応させる界面重合法(例えばホスゲン法)、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル(例えばジフェニルカーボネート)などを反応させるエステル交換法(溶融法)、ホスゲン法または溶融法で得られた結晶化カーボネートプレポリマーを固相重合する方法(特開平1−158033(米国特許第4,948,871号に対応)、特開平1−271426、特開平3−68627(米国特許第5,204,377号に対応))などの方法により製造されたものを用いることができる。
本発明の成分(A)として使用される芳香族ポリカーボネートとして特に好ましいものは、二価フェノール(芳香族ジヒドロキシ化合物)と炭酸ジエステルとからエステル交換法にて製造された実質的に塩素原子を含まない芳香族ポリカーボネートである。
前記芳香族ポリカーボネートの重量平均分子量(Mw)は、通常、5,000〜500,000であり、好ましくは10,000〜100,000であり、より好ましくは13,000〜50,000、更に好ましくは14,000〜30,000であり、特に好ましくは15,000〜25,000であり、最も好ましくは16,000〜23,000である。
本発明において、芳香族ポリカーボネートの重量平均分子量(Mw)の測定は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて行うことができ、測定条件は以下の通りである。すなわち、テトラヒドロフランを溶媒として、ポリスチレンゲルを使用し、標準単分散ポリスチレンの構成曲線から下式による換算分子量較正曲線を用いて求められる。
PC=0.3591MPS 1.0388
(MPCは芳香族ポリカーボネートの分子量、MPSはポリスチレンの分子量)
また、本発明の(A)として使用される芳香族ポリカーボネートは、分子量が異なる2種以上の芳香族ポリカーボネートを組み合わせて使用することも好ましい実施態様である。例えば、Mwが通常14,000〜16,000の範囲にある光学ディスク用材料の芳香族ポリカーボネートと、Mwが通常20,000〜50,000の範囲にある射出成形用あるいは押出成形用の芳香族ポリカーボネートを組み合わせて使用することもできる。
前記芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂において、好ましく使用することができる芳香族ポリカーボネート以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル・スチレン樹脂(AS樹脂)、ブチルアクリレート・アクリロニトリル・スチレン樹脂(BAAS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン樹脂(MBS樹脂)、ブチルアクリレート・アクリロニトリル・スチレン樹脂(AAS樹脂)、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアリレート、等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。特にAS樹脂、BAAS樹脂は流動性を向上させるのに好ましく、ABS樹脂、MBS樹脂は耐衝撃性を向上させるのに好ましく、また、ポリエステル樹脂は耐薬品性を向上させるのに好ましい。
前記ポリカーボネートを主体とする樹脂において、芳香族ポリカーボネート以外の熱可塑性樹脂の使用量は、成分(A)の総量100重量部に対して、0.1〜30重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜20重量部、さらに好ましくは1〜15重量部である。
本発明で用いられる成分(B)は、強化材および/または充填材である。
成分(B)により、組成物の、剛性や強度の向上(強化材としての機能)、あるいは寸法精度の向上(充填材としての機能)、さらには優れた電気的絶縁特性の向上を達成することができる。
本発明の成分(B)に用いられる強化材および/または充填材は、「繊維状」、「板状」、「球状・粒状」など、様々な形状のものを使用することができる。
成分(B)に用いられる「繊維状」の強化材および/または充填材としては、ガラス繊維、炭素繊維、ホウ酸アルミニウムウィスカー、チタン酸カルウムウィスカー、ロックウール、窒化ケイ素ウィスカー、ボロン繊維、テトラポット状酸化亜鉛ウィスカー、ワラストナイト、等を挙げることができ、繊維直径は20μm以下が好ましく、より好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。
また、成分(B)に用いられる「板状」の強化材および/または充填材としては、タルク、マイカ、パールマイカ、ガラスフレーク、カオリン、等を挙げることができ、平均粒径が500μm〜0.1μmであるものが好ましく、より好ましくは300μm〜1μm、さらに好ましくは100μm〜3μm、特に好ましくは50μm〜5μmである。尚、ここでいう平均粒子径は、島津製作所製SALD−2000を使用してレーザー回折法により求められる平均粒子径である。
また、成分(B)に用いられる「球状・粒状」の強化材および/または充填材としては、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスバルーン、カーボンブラック、ガラスパウダー、シリカ粉、等を挙げることができ、平均粒径が500μm以下であるものが好ましく、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは20μm以下、特に好ましくは10μm以下である。尚、ここでいう平均粒子径は、島津製作所製SALD−2000を使用してレーザー回折法により求められる平均粒子径である。
本発明では、上記の中でも、成分(B)に用いられる強化材および/または充填材として、タルク、マイカ、ガラス繊維、ガラスフレーク、炭素繊維、が好ましく、特に好ましいのはタルク、マイカである。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物における成分(B)の使用量は、成分(A)100重量部に対して、1〜200重量部の範囲であり、好ましくは2〜100重量部、より好ましくは3〜50重量部、更に好ましくは5〜30重量部、最も好ましくは5〜15重量部である。
本発明で用いられる成分(C)は、有機酸性化合物および/または有機酸性化合物誘導体であり、本発明では成分(C)を使用することにより、樹脂組成物の溶融安定性を飛躍的に向上させることができる。
前記「有機酸性化合物」とは、−SOH基、−COOH基、−POH基、−SH基、−OH基からなる群から選ばれる基を分子構造中に少なくとも1つ含む有機化合物であり、これらの中でも、−SOH基、−COOH基、−POH基からなる群から選ばれる基を分子構造中に少なくとも1つ含む有機化合物が好ましく、−SOH基、−COOH基からなる群から選ばれる基を分子構造中に少なくとも1つ含む有機化合物がより好ましく、−SOH基を分子構造中に少なくとも1つ含む有機化合物が特に好ましい。
また、前記「有機酸性化合物誘導体」とは、前記有機酸性化合物から誘導される、エステル類、酸無水物類、等を表す。
前記「有機酸性化合物および/または有機酸性化合物誘導体」は、低分子化合物のみならず、オリゴマー状あるいはポリマー状のものを使用することができる。
本発明の成分(C)として、特に好ましく使用することができる有機酸性化合物および/または有機酸性化合物誘導体は、有機スルホン酸化合物(分子構造中に−SOH基を少なくとも1つ含む有機化合物)、および/または有機スルホン酸化合物誘導体(分子構造中に−SOH基を少なくとも1つ含む有機化合物の誘導体)である。
該有機スルホン酸化合物として特に好ましく使用できるものとして、例えば、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸、ジイソブチルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、等の芳香族スルホン酸、メチルスルホン酸、エチルスルホン酸、プロピルスルホン酸等のアルキルスルホン酸、スルホン化ポリスチレン、アクリル酸メチル・スルホン化スチレン共重合体等のポリマーまたはオリゴマー状の有機スルホン酸、等を挙げることができる。
また、該有機スルホン酸化合物誘導体として特に好ましく使用できるものとして、例えば、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸プロピル、ベンゼンスルホン酸ブチル、トルエンスルホン酸メチル、トルエンスルホン酸エチル、トルエンスルホン酸プロピル、トルエンスルホン酸ブチル、ナフタレンスルホン酸メチル、ナフタレンスルホン酸エチル、ナフタレンスルホン酸プロピル、ナフタレンスルホン酸ブチル、等の芳香族スルホン酸と炭素数1〜4の低級アルコールエステル類を挙げることができる。
また、前記「有機スルホン酸化合物」は分子構造中に−SOH基の他に、−OH基、−NH基、−COOH基、ハロゲン基、等を含む有機スルホン酸化合物であってもよく、例えば、ナフトールスルホン酸、スルファミル酸、ナフチルアミンスルホン酸、スルホ安息香酸、全置換もしくは部分置換のクロル基含有有機スルホン酸、全置換もしくは部分置換のフルオロ基含有有機スルホン酸、等を挙げることができる。
前記、列挙した成分(C)の中で、芳香族スルホン酸化合物を特に好ましく使用することができ、例えば、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、等は特に好ましい。
本発明において成分(C)の使用量は、前記成分(B)と該成分(C)の混合物をJIS K5101に基づいてpH値を測定したときに、該混合物のpH値が6.0〜8.0の範囲となる重量部数である。
すなわち、成分(C)の使用量は、成分(B)の種類や量、あるいは成分(C)の種類や量によって変化する。
成分(C)の使用量は、成分(B)と成分(C)の混合物をJIS K5101に基づいてpH値を測定したときに、該混合物のpH値が6.2〜7.8の範囲となる重量部数である場合が好ましく、該混合物のpH値が6.5〜7.5の範囲となる重量部数である場合が更に好ましい。
本発明では更に、下記の成分(D)、並びに成分(E)を配合することにより、樹脂組成物の難燃性を顕著に高めることが可能となる。
本発明で使用することができる成分(D)は、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の金属塩であり、本発明では、特に有機スルホン酸の金属塩、および/または、硫酸エステルの金属塩が好ましく使用できる。また、これらは単独の使用だけでなく2種以上を混合して使用することも可能である。尚、本発明のアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられ、アルカリ土類金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムが挙げられ、特に好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウムである。
本発明で好ましく使用することができる上記有機スルホン酸の金属塩としては、 脂肪族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩、芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩、等が挙げられる。尚、本明細書中で「アルカリ(土類)金属塩」の表記は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩のいずれも含む意味で使用する。
脂肪族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩としては、炭素数1〜8のアルカンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩、またはかかるアルカンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩のアルキル基の一部がフッ素原子で置換したスルホン酸アルカリ(土類)金属塩、さらには炭素数1〜8のパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩を好ましく使用することができ、特に好ましい具体例として、パーフルオロエタンスルホン酸ナトリウム塩、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩、を挙げることができる。
また、芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩としては、芳香族スルホン酸として、モノマー状またはポリマー状の芳香族サルファイドのスルホン酸、芳香族カルボン酸およびエステルのスルホン酸、モノマー状またはポリマー状の芳香族エーテルのスルホン酸、芳香族スルホネートのスルホン酸、モノマー状またはポリマー状の芳香族スルホン酸、モノマー状またはポリマー状の芳香族スルホンスルホン酸、芳香族ケトンのスルホン酸、複素環式スルホン酸、芳香族スルホキサイドのスルホン酸、芳香族スルホン酸のメチレン型結合による縮合体、からなる群から選ばれる少なくとも1種を芳香族スルホン酸とする芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩を挙げることができる。
上記、モノマー状またはポリマー状の芳香族サルファイドのスルホン酸アルカリ(土類)金属塩は、その好ましい例として、ジフェニルサルファイド−4,4’−ジスルホン酸ジナトリウム、ジフェニルサルファイド−4,4’−ジスルホン酸ジカリウムを挙げることができる。
また、上記芳香族カルボン酸およびエステルのスルホン酸アルカリ(土類)金属塩は、その好ましい例として、5−スルホイソフタル酸カリウム、5−スルホイソフタル酸ナトリウム、ポリエチレンテレフタル酸ポリスルホン酸ポリナトリウムを挙げることができる。
また、上記モノマー状またはポリマー状の芳香族エーテルのスルホン酸アルカリ(土類)金属塩は、その好ましい例として、1−メトキシナフタレン−4−スルホン酸カルシウム、4−ドデシルフェニルエーテルジスルホン酸ジナトリウム、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリナトリウム、ポリ(1,3−フェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリナトリウム、ポリ(1, 4−フェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリナトリウム、ポリ(2,6−ジフェニルフェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリカリウム、ポリ(2−フルオロ−6−ブチルフェニレンオキシド)ポリスルホン酸リチウムを挙げることができる。
また、上記芳香族スルホネートのスルホン酸アルカリ(土類)金属塩は、その好ましい例として、ベンゼンスルホネートのスルホン酸カリウムを挙げることができる。
また、上記モノマー状またはポリマー状の芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩は、その好ましい例として、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸カリウム、ベンゼンスルホン酸ストロンチウム、ベンゼンスルホン酸マグネシウム、p−ベンゼンジスルホン酸ジカリウム、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸ジカリウム、ビフェニル−3,3’−ジスルホン酸カルシウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、キシレンスルホン酸カリウムを挙げることができる。
また、上記モノマー状またはポリマー状の芳香族スルホンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩は、その好ましい例として、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸ナトリウム、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム、ジフェニルスルホン−3,4’−ジスルホン酸ジカリウムを挙げることができる。
上記芳香族ケトンのスルホン酸アルカリ(土類)金属塩は、その好ましい例として、α,α,α−トリフルオロアセトフェノン−4−スルホン酸ナトリウム、ベンゾフェノン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウムを挙げることができる。
上記複素環式スルホン酸アルカリ(土類)金属塩は、その好ましい例として、チオフェン−2,5−ジスルホン酸ジナトリウム、チオフェン−2,5−ジスルホン酸ジカリウム、チオフェン−2,5−ジスルホン酸カルシウム、ベンゾチオフェンスルホン酸ナトリウムを挙げることができる。
上記芳香族スルホキサイドのスルホン酸アルカリ(土類)金属塩は、その好ましい例として、ジフェニルスルホキサイド−4−スルホン酸カリウムを挙げることができる。
上記芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩のメチレン型結合による縮合体は、その好ましい例として、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、アントラセンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物を挙げることができる。
一方、硫酸エステルのアルカリ(土類)金属塩としては、本発明では一価および/または多価アルコール類の硫酸エステルのアルカリ(土類)金属塩を好ましく使用することができ、かかる一価および/または多価アルコール類の硫酸エステルとしては、メチル硫酸エステル、エチル硫酸エステル、ラウリル硫酸エステル、ヘキサデシル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル、ペンタエリスリトールのモノ、ジ、トリ、テトラ硫酸エステル、ラウリン酸モノグリセライドの硫酸エステル、パルミチン酸モノグリセライドの硫酸エステル、ステアリン酸モノグリセライドの硫酸エステルなどを挙げることができる。これらの硫酸エステルのアルカリ(土類)金属塩として、特に好ましいものとして、ラウリル硫酸エステルのアルカリ(土類)金属塩を挙げることができる。
また、その他のアルカリ(土類)金属塩としては、芳香族スルホンアミドのアルカリ(土類)金属塩を挙げることができ、例えばサッカリン、N−(p−トリルスルホニル)−p−トルエンスルホイミド、N−(N’−ベンジルアミノカルボニル)スルファニルイミド、およびN−(フェニルカルボキシル)スルファニルイミドのアルカリ(土類)金属塩などが挙げられる。
上記に挙げた成分(D)の中で、より好ましいアルカリ(土類)金属塩として、芳香族スルホン酸のアルカリ(土類)金属塩およびパーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ(土類)金属塩を挙げることができる。
本発明において、成分(D)を用いる場合、その使用量は通常、成分(A)100重量部に対して0.001〜10重量部であり、0.005〜5重量部が好ましく、0.01〜1重量部がより好ましく、0.03〜0.5重量部が更に好ましく、0.05〜0.3重量部が特に好ましく、0.06〜0.15重量部が最も好ましい。
本発明で使用することができる成分(E)はフルオロポリマーであり、燃焼物の滴下を防止する目的で使用される。本発明では、フィブリル形成能力を有するフルオロポリマーとして、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・プロピレン共重合体等のテトラフルオロエチレンポリマー、を好ましく使用することができ、特に好ましくはポリテトラフルオロエチレンである。
成分(E)は、ファインパウダー状のフルオロポリマー、フルオロポリマーの水性ディスパージョン、ASやPMMA等の第2の樹脂との粉体状混合物等、様々な形態のフルオロポリマーを使用することができる。
本発明で好ましく使用できるフルオロポリマーの水性ディスパージョンとして、三井デュポンフロロケミカル(株)製「テフロン(登録商標)30J」、ダイキン工業(株)製「ポリフロンD−1」、「ポリフロンD−2」、「ポリフロンD−2C」、「ポリフロンD−2CE」を例示することができる。
また、本発明では成分(E)として、ASやPMMA等の第2の樹脂との粉体状混合物としたフルオロポリマーも好適に使用することができるが、これら第2の樹脂との粉体状混合物としたフルオロポリマーに関する技術は、特開平9−95583号公報、特開平11−49912号公報、特開2000−143966号公報、特開2000−297189号公報等に開示されている。本発明において好ましく使用できる、これら第2の樹脂との粉体状混合物としたフルオロポリマーとして、GEスペシャリティケミカルズ社製「Blendex 449」、三菱レーヨン(株)製「メタブレンA−3800」を例示することができる。
本発明において、成分(E)を使用する場合、その配合量は、通常、成分(A)100重量部に対して0.01〜10重量部であり、0.03〜5重量部が好ましく、0.05〜1重量部がより好ましく、0.1〜0.5重量部が更に好ましく、0.2〜0.4重量部が特に好ましい。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物では、必要に応じて、さらに、着色剤、滑剤、離型剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤などを添加することもできる。
次に、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法について説明する。
本発明の樹脂組成物は前記の成分(A)、(B)、(C)、必要に応じて、(D)、(E)およびその他の成分を本明細書記載の組成割合で配合し、押出機等の溶融混練装置を用いて溶融混練することにより得ることが出来る。このときの各構成成分の配合及び溶融混練は一般に使用されている装置、例えば、タンブラー、リボンブレンダー等の予備混合装置、単軸押出機や二軸押出機、コニーダー等の溶融混練装置を使用することが出来る。また、溶融混練装置への原材料の供給は、予め各成分を予備混合した後に、供給することも可能であるが、それぞれの成分を独立して溶融混練装置に供給することも可能である。
溶融混練装置として通常は押出機、好ましくは2軸押出機が使用される。成分(B)は押出機の途中からサイドフィードすることもできる。溶融混練は通常、押出機のシリンダー設定温度を200〜300℃、好ましくは220〜270℃とし、押出機スクリュー回転数100〜700rpm、好ましくは200〜500rpmの範囲で適宜選択して行うことができるが、溶融混練に際し、過剰の発熱を与えないように配慮する。さらに、必要に応じて、押出機の後段部分に開口部(ベント口)を設けて開放脱揮、あるいは減圧脱揮を行うことも有効である。また、原料樹脂の押出機内滞留時間は通常、10〜60秒の範囲で適宜選択される。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品を得るための成形方法は特に限定されないが、例えば、射出成形、ガスアシスト成形、押出成形、圧縮成形等が挙げられるが、中でも射出成形と押出成形が好ましく使用され、射出成形が特に好ましく使用される。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を用いた成形品の例としては、コンピューター、ノート型パソコン、複写機、プリンター、電気・電子機器、携帯電話、携帯情報端末、家電製品などのハウジング材料、液晶バックライト用のフレーム用部材、複写機内部部品などの部品材料、抵抗器、端子、テレビ用偏向ヨーク等の電気・電子部品材料、照明用部品材料、電子・情報機器用の難燃性シート(絶縁シート)、等が挙げられる。
以下、実施例、及び比較例により本発明を更に詳細に説明する。
実施例あるいは比較例においては、以下の成分(A)、(B)、(C)、場合により、(D)、(E)を使用し、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を製造した。
1.成分(A):芳香族ポリカーボネート
(A−1)
ビスフェノールAとジフェニルカーボネートから、溶融エステル交換法により製造された、ビスフェノールA系ポリカーボネートであり、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを300ppm、および、ホスファイト系熱安定剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを150ppm含むもの。
重量平均分子量(Mw)=16,800
フェノール性末端基比率(フェノール性末端基が全末端基数に占める割合)=40モル%
2.成分(B):強化材および/または充填材
(B−1)
日本タルク(株) 商標名「マイクロエースP3」、平均粒径5μm、嵩比容積2.3cm/g、水分0.2wt%、pH9.0。
(B−2)
株式会社クラレ製 商標名「クラライト・マイカ 200−D」、重量平均フレーク径90μm、重量平均アスペクト比50、嵩比重0.27g/cm
3.成分(C):有機酸性化合物および/または有機酸性化合物誘導体
(C−1)
パラトルエンスルホン酸(和光純薬工業株式会社製)
4.成分(D):有機アルカリ金属塩および有機アルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の金属塩
(D−1)
パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩(三菱マテリアル(株)製 商品名「エフトップKFBS」)
5.成分(E):フルロポリマー
(E−1)
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS)の50/50(重量比)粉体状混合物(GEスペシャリティケミカルズ社製 商品名「Blendex449」)
6.その他の成分
(離型剤)
ペンタエリスリトールテトラステアレート(日本油脂(株)製 商品名「ユニスターH476」)
[実施例1、2、及び、比較例1〜4]
成分(A)、(B)、(C)、及び、その他の成分を表1に示す量(単位は重量部)で二軸押出機を用いて溶融混練してポリカーボネート難燃樹脂組成物を得た。
成分(C)の配合量は、予め成分(B)と成分(C)の混合物のpH値をJIS K5101に準拠して測定した結果、表1に記載する値となった。
溶融混練装置として2軸押出機(ZSK−25、L/D=37、Werner & Pfleiderer社製)を使用して、シリンダー設定温度250℃、スクリュー回転数250rpm、混練樹脂の吐出速度15kg/Hrの条件で溶融混練を行った。
溶融混練中に、押出機ダイ部で熱電対により測定した溶融樹脂の温度は260〜270℃であった。
2軸押出機への原材料の投入は、成分(A)、(B)、(C)、およびその他の成分を予め10分間タンブラーで予備ブレンドしたものをフィーダーにより投入した。また、押出機の後段部分にベント口を設けて大気開放脱揮を行った。
得られたペレットを120℃で5時間乾燥し、射出成形機(オートショット50D、ファナック社製)で成形し、以下の各試験を実施した。
(1)成形機内滞留後のメルトインデックス(MI)増大率測定
シリンダー温度を300℃に設定した射出成形機(オートショット50D、ファナック社製)により、1/8インチ厚短冊片を成形し、得られた短冊片を切り出してJIS K7210に準じて、炉体温度300℃、荷重1.2kgにてMI値を測定した。(MI
別途、シリンダー内部で樹脂組成物を20分溶融滞留させた後に成形した以外は全く上記と同じ方法で1/8インチ厚短冊片を成形し、得られた短冊片を切り出してMI値を測定した。(MI
MI及びMIの値より、MI増大率を下記式に従って算出した。
MI増大率=(MI−MI)/MI×100
(2)絶縁破壊強さ測定
シリンダー温度を300℃に設定した射出成形機(オートショット100D、ファナック社製)を用いて、150mm×150mm×2mm(t)の平板を成形し、ASTM D149に準じて、23℃の油中で、耐電圧試験機(多摩電測(株)製 TH−7050AP)を使用して絶縁破壊強さ測定を行った。試験用電極は25mm径の円柱電極とし、5回の測定での平均値を測定値とした。(単位:MV/m)
(3)大電流アーク発火性(High Current Arc Ignition(HAI))測定
シリンダー温度を280℃に設定した射出成形機(オートショット100D、ファナック社製)を用いて、127mm×12.7mm×2mm(t)の短冊片を成形し、UL746Aの大電流アーク発火性(High Current Arc Ignition(HAI))測定方法に準じて測定した。電極をサンプル表面に垂直に対して45度の角度で1分間に40回接触させ、そのときのアーク(240V、32.5A)でサンプルが発火するまでのアーク数を測定した。(単位:回)
結果を表1に示す。
Figure 0004508568
[実施例3〜5、及び、比較例5、6]
成分(A)、(B)、(C)、(D)、及び、その他の成分を表2に示す量(単位は重量部)で2軸押出機を用いて溶融混練して実施例1と同様にポリカーボネート難燃樹脂組成物を得た。
2軸押出機への原材料の投入は、成分(A)、(B)、(C)、(D)、及び、その他の成分を予め20分間タンブラーで予備ブレンドしたものをフィーダーにより投入した。また、押出機の後段部分では大気開放脱揮を行った。
得られたペレットを120℃で5時間乾燥し、射出成形機(オートショット50D、ファナック社製)で成形し、実施例1で行った評価と同様の評価を行い、更に以下(4)の難燃性試験を実施した。
(4)難燃性
燃焼試験用の短冊形状成形体(厚さ1.0mm)を射出成形機(オートショット50D、ファナック社製)により、シリンダー設定温度300℃、金型設定温度80℃の条件で成形し、温度23℃、湿度50%の環境下に2日保持した後、UL−94規格に準じて20mm垂直燃焼試験を行いV−0、V−1またはV−2に分類した。
結果を表2に示す。
Figure 0004508568
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、溶融安定性に優れると共に電気的特性に優れる強化材および/または充填材を含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、並びに、前記特性に加えて臭素系難燃剤あるいはリン系難燃剤を使用することなく高度な難燃性を有する強化材および/または充填材を含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物であり、広い範囲の用途向けの成形用材料として工業的に極めて有用である。

Claims (3)

  1. 芳香族ポリカーボネート(A)100重量部に対して、強化材および/または充填材(B)1〜200重量部、芳香族スルホン酸化合物および/または芳香族スルホン酸化合物誘導体(C)を含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物であって、該成分(C)の配合量が、該成分(B)と該成分(C)の混合物をJIS K5101に基づいてpH値を測定したときに、該混合物のpH値が6.0〜8.0の範囲となる重量部数であることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 該芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が、更に、有機アルカリ金属塩および有機アルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の金属塩(D)0.001〜10重量部、フルオロポリマー(E)0.01〜10重量部を含むことを特徴とする請求項1に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 該強化材および/または充填材(B)が、タルク、マイカ、ガラス繊維、ガラスフレーク、炭素繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
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