JP4487644B2 - 高圧放電ランプ点灯装置およびプロジェクター装置 - Google Patents
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Description
液晶パネルを使う方式は、1枚式と3枚式があるがいずれの方式であっても、光源からの放射光を3色(RGB)に分離して、液晶パネルにおいて画像情報に対応させた光を透過調整して、その後、パネルを透過した3色を合成させてスクリーン上に投射させる方式である。
一方、DLPを使う方式にも、1枚式と3枚式があるが1枚式の場合は、光源からの放射光をRGBの領域が分割形成された回転フィルターを介して空間変調素子(光変調デバイスともいい、具体的にはDMD素子などをいう)などを時分割で照射し、このDMD素子で特定の光を反射させてスクリーンに照射するものである。DMD素子とは、1画素ごとに小さな鏡を数百万個敷き詰めたものであって、一つ一つの小さな鏡の向きを制御することで光の投射が制御される。
DLP1枚方式は、液晶方式に比較して、光学系が簡易であるとともに3枚もの液晶パネルを使う必要がないことから装置全体が小型簡易化するメリットがある。
これらプロジェクター装置の光源は、高圧放電ランプ、特に超高圧水銀ランプがよく使われる。
回路の構成は、直流電源VDCと、スイッチング素子Qxを有する降圧チョッパー回路1と、スイッチング素子Q1〜Q4からなるフルブリッジ回路2と、点灯始動用スタータ回路3からなる。
回路の動作は、直流電源VDCからフルブリッジ回路2に電圧、電流を供給しながら、フルブリッジ回路2のスイッチング素子Q1,Q4、スイッチング素子Q2,Q3を交互にオンして、放電ランプ10に交流矩形波電圧を供給し、高圧放電ランプを点灯させる。また、放電ランプ10の始動時には、スタータ回路3から放電ランプ10に高電圧パルスが印加されて放電ランプ10を始動させる。
このランプ電流のなだらかな立ち上がりは、ランプ電流がゼロではないまでも、不十分な供給量となるため、放電ランプの光出力を低下させる大きな要因となる。
しかしながら、DMD素子を使い、回転カラーフィルタなどを用いた色順次式プロジェクター装置では致命的な問題になる。これはDMD素子や回転フィルターを使う場合は、数10μ秒レベルにおける光出力の変動が投射画像の精度に大きな影響を及ぼすからである。
さらに、放電ランプに供給する交流のランプ電流に対して、周期的にパルスを重畳させることで、放電ランプの点灯が安定にできることが知られている。
本発明は、上記インダクタンスを規定することで、放電ランプの極性切替に伴う光出力の落ち込みを実用上問題とならない程度まで減少できたという発明に基いて、上記周期的なパルスを放電ランプの極性切替とは無関係に、すなわち同期させることなく(非同期)重畳できるという構成を見出したわけである。これにより、放電ランプの極性切替と、パルスの重畳のタイミングを制御することが必要なくなるので、給電装置全体の制御は極めて簡素化できる。
点灯装置は放電ランプ10と給電装置から構成される。給電装置は直流電圧が供給されるチョッパー回路1と、チョッパー回路1の出力側に接続され直流電圧を極性切替を伴う交流電圧に変化させて高圧放電ランプ10(以下、「放電ランプ」ともいう)に供給するフルブリッジ型インバータ回路2(以下、単に「インバータ回路」ともいう)と、放電ランプ10に直列接続されたインダクタンスL1、コンデンサC1と、スタータ回路3と、チョッパー回路1およびインバータ回路2を駆動する制御部4から構成される。
本発明では、チョッパー回路1、インバータ回路2、制御部4により給電装置を構成し、放電ランプ10を含めて点灯装置が構成される。スタータ回路3は給電装置に含めており、通常は設けられるが、不可欠な構成要素というわけではない。
駆動回路G1〜G4も制御部4からの信号で駆動する。なお、スイッチング素子Q1〜Q4には、各々に並列にダイオードが逆並列に接続されることもあるが、この実施例においてダイオードは省略している。
電力検算器41は、抵抗RX1、Rx2によって検出された電圧信号SVLと、抵抗RX3に検出された電流信号SVIを受信して、電圧信号SVLと電流信号SVIから電力値を算出する。
比較器(オペアンプ)42は、電力演算器41の出力と基準電力値を比較するもので、その出力をパルス幅変調回路(PWM回路)43に入力する。パルス幅変調回路43の出力はチョッパー回路1の駆動回路Gxに入力される。
このような電力演算器41、比較器42、パルス幅変調回路43によるフィードバック制御によって、放電ランプ10の点灯電力は一定値に維持される。
入力端子T4は給電装置外部からパルス重畳のタイミング信号を入力するもので、具体的には回転フィルターや空間変調素子(DMD素子)のタイミング信号が入力する。
タイマー回路45は、入力端子T4からの信号を受けて、設定された所定時間だけオン信号を出力する。
パルス重畳回路46は、スイッチ素子QY、抵抗RY1、抵抗RY2、抵抗RY3から構成される。スイッチ素子QYがタイマー回路45からのオン信号を受信すると、スイッチ素子QYはオフ状態となり、比較器42に対する基準値を変化させる。つまり、入力端子T4がパルス重畳に関する信号を受信すると、チョッパー回路1のスイッチング素子Qxは所定時間だけ比較器42の高い電力基準値に対応した出力をすることとなり、結果として後段の放電ランプに対して高電力を供給することとなる。
この内容こそが本願発明の大きな特徴であって、後述するインダクタンスL1の数値規定と相俟って構成される内容である。
周波数設定回路44が、パルス重畳信号の入力と同期することなく駆動できることは制御回路の簡素化という利点はもとより、放電ランプのみを対象として制御できる点にも大きな利点がある。この点については後で詳述する。
スイッチ素子Q5はSCRサイリスタなどから構成される。スイッチ素子Q5が駆動回路G5によって導通すると、コンデンサC2の充電電圧が高電圧トランスT2の一次巻線に発生して、ニ次巻線にも絶縁破壊用トリガ電圧が発生する。
(a)において、電流波形I1はスイッチング素子Q1、Q4をオンしたときに流れる電流波形であり、波形I2はスイッチング素子Q2,Q3をオンしたときに流れる電流波形を示す。両波形の間に形成される電流量ゼロの期間Tdは、いわゆるデッドタイムを示す。
いま電流波形I1に着目したとき、デッドタイムTdの後に立ち上がり期間T1が存在する。この立ち上がり期間T1が放電ランプの光出力を低下させて投射画像の精度に影響を及ぼす原因となっている。
ここで、インダクタンスとは、厳密にはコイルL1のみではなく、放電ランプ10の定常点灯時に形成される電流ループにおけるインダクタンスの総和でなければならない。しかし、代表的には、コイルL1のインダクタンスによって決定されるため、本発明においては、コイルL1のインダクタンスに着目して数値規定している。従って、インダクタンスの数値規定は、より好ましくは、定常点灯時における電流ループ、すなわち、コンデンサCx、フルブリッジ回路2、コイルL1、放電ランプ10、フルブリッジ回路2、コンデンサCxにおけるインダクタンスの総和であるが、実用的な効果という観点からコイルL1を数値規定することとしている。
なお、インダクタンスL1、コンデンサC1は、ランプの定常点灯時においてはノイズ防止のために必要であり、具体的には、インダクタンスL1は0.15μH以上、コンデンサC1は1000pF以上存在することが望ましい。
(a)はパルス重畳に関する外部信号を示し、図1の入力端子T4に入力する信号である。
(b)はパルス重畳に関する外部信号を受けて、制御部4内で発生するパルス重畳指示信号を示す。図1のタイマー回路45の出力である。
(c)はチョッパー回路1の出力電流を示す。一定の電流値に対してパルスが重畳していることが示される。なお、この出力電流は、実際には脈流成分を含んでいるが、図においては便宜上、パルス成分を除いて完全に平滑された直流電流を表している。
(d)は放電ランプに供給される電流波形を示す。
(d)に示す放電ランプの電流波形では、概略矩形状であって周期的に反転(極性切替)していることがわかる。そして、パルスは電流波形の極性切替のタイミングとは無関係に重畳していることがわかる。これが本願発明の特徴であり、パルスを極性切替とは無関係(同期させることなく)に重畳できることによって、回路構成が簡略するだけでなく、放電ランプを対象として点灯周波数を設定することができる。そして、後述するように、放電ランプの点灯周波数をパルス重畳の制約を受けることなく変化することも可能となる。
ランプ電流にパルスを重畳させることは、突起を高温で溶融させることができ、これにより電極先端のほぼ中心位置に発生、成長できるからである。
なお、突起の発生、成長については、段落[0043]でも詳述する。
このように、本願発明では、パルス重畳のタイミングがランプ電流の極性切替のタイミングに同期する必要はない。従って、ランプ電流の半周期にパルス重畳が存在しない場合や、2回発生する場合があってもかまわない。しかし、突起の成長という観点から考えると、パルス重畳の発生周波数はランプ電流の半周期毎に概ね生じるような周波数が好ましい。具体的には、前記のように放電ランプの点灯周波数が60〜1000Hzの場合はパルス重畳の周波数は120〜2000Hzぐらいに設定することが望ましい。
(a)はパルス重畳指示信号であって、図3(b)と同一の波形を示す。(b−1)〜(b−3)はランプ電流波形を示す。
図より明らかなように、パルスはランプ電流波形の半周期にほぼ1つ発生し、0〜2個の範囲で発生している状態が示される。
スタータ回路3の高電圧トランスT2の二次巻線の一端は、トリガ電極Etとして放電ランプ10の外表面に配設される。一方、ニ次巻線の他端は放電ランプ10の一方の電極と電気的に接続される。
この回路構成により、放電ランプ10の点灯始動時にトリガ電圧を発生させると、トリガ電極Etと放電容器内の電極との間で、石英ガラス(放電容器の構成材料)を介在させた、いわゆる誘電体バリア放電を発生する。この誘電体バリア放電により、放電容器内にプラズマが発生すると、このプラズマを種として、放電容器内の第一の電極と第ニの電極の間で予め印加された無負荷開放電圧により放電が発生する。
トリガ電圧は5kv〜20kvであり、例えば13kvである。また、無負荷開放伝電圧は250v〜400vであり、例えば350vである。
この回路構成は、点灯始動時のみ必要となる高電圧発生用インダクタンス(高電圧発生用トランスのニ次巻線)が、点灯始動後において電流供給経路に存在しないという点で、インダクタンスを小さくさせる目的から極めて有利である。
本発明は、このニ次巻線こそが、前記した電流立上がり期間T1の長期化の原因になることを突き止めて、当該インダクタンス成分を外すことで放電ランプの光出力の低下防止と投射画像の精度低下防止を達成している。
なお、図9に示す回路において、切替スイッチなどを用いて点灯始動後は二次巻線を電流供給経路に用いない回路構成も理論的には可能であるが部品点数が増し、回路構成が複雑、大型化することから望ましいことでない。特に、プロジェクター装置は小型化が著しいため回路構成の簡素化が強く求められるからである。
放電ランプ10は、石英ガラスからなる放電容器によって形成された概略球形の発光部11を有し、この発光部11には、一対の電極20が互いに対向して配置する。また、発光部11の両端部から伸びるよう封止部12が形成され、これらの封止部12内には、通常モリブデンよりなる導電用金属箔13が、例えばシュリンクシールにより気密に埋設されている。一対の電極20は軸部が、金属箔13に溶接されて電気的に接続され、また、金属箔13の他端には、外部に突出する外部リード14が溶接されている。
水銀は、必要な可視光波長、例えば、波長400〜700nmという放射光を得るためのもので、0.15mg/mm3以上封入されている。この封入量は、温度条件によっても異なるが、点灯時150気圧以上で極めて高い蒸気圧となる。また、水銀をより多く封入することで点灯時の水銀蒸気圧200気圧以上、300気圧以上という高い水銀蒸気圧の放電ランプを作ることができ、水銀蒸気圧が高くなるほどプロジェクター装置に適した光源を実現することができる。
希ガスは、例えば、アルゴンガスが約13kPa封入され、点灯始動性を改善するためのものである。
ハロゲンは、沃素、臭素、塩素などが水銀その他の金属との化合物の形態で封入され、ハロゲンの封入量は、10−6〜10−2μmol/mm3の範囲から選択される。その機能はハロゲンサイクルを利用した長寿命化も存在するが、本発明の放電ランプのように極めて小型で高い内圧を有するものは、このようなハロゲンを封入することが放電容器の失透防止を主目的としている。
また、この種の放電ランプは、小型化するプロジェクター装置に内蔵されるものであり、装置の全体寸法が極めて小型化される一方で高い光量が要求されることから、発光管部内の熱的影響は極めて厳しいものとなり、ランプの管壁負荷値は0.8〜2.0W/mm2、具体的には1.3W/mm2となる。
このような高い水銀蒸気圧や管壁負荷値を有することがプロジェクター装置やオーバーヘッドプロジェクターのようなプレゼンテーション用機器に搭載された場合に、演色性の良い放射光を提供することができる。
光源装置100、回転フィルター200、ロッドインテグレータレンズ300、レンズ400、空間変調素子500(以下、DMD素子ともいう)、レンズ600より構成される。光源装置100は放電ランプ10と凹面反射鏡30より構成される。
光源装置100は、放電ランプ10のアーク輝点と凹面反射鏡30の第一焦点が一致している。凹面反射鏡30の第二焦点はロッドインテグレータレンズ300の入射端に位置しており、凹面反射鏡30からの反射光は回転フィルター200を介してロッドインテグレータレンズ300に入射する。放電ランプ10は給電装置110により給電制御が行なわれる。フィルター200はフィルター制御装置210により回転制御されて、DMD素子500は制御装置510で制御される。
なお、放電ランプ10は、例えば、定格電力120W、定格電流1.6Aで点灯する。凹面反射鏡30の前面開口には光透過性のガラス部材31が装着している。
回転フィルターは、カラーホイールとも呼ばれ、円盤状のガラスから構成される。フィルターには赤(R)、緑(G)、青(B)の領域がそれぞれ扇型に形成されている。
光源装置100からの反射光は、回転フィルター200上に形成される光透過領域201を透過する。フィルター200が回転することにより、光透過領域201に対応する色が順次、後段のロッドレンズに導かれることとなる。従って、赤(R)、緑(G)、青(B)が時間分割的に投影されるため、瞬間的にはいずれかの色しか投影されないが、人間の視覚的にはこれらの色あるいはその混合色が画像として認識される。なお、赤(R)、緑(G)、青(B)以外に、白(W)を設ける場合もある。白(W)は画像を全体に明るくするためのものであるが、この実施例では便宜上省略する。
ここで、フィルター200は、例えば、180Hzで回転(毎秒180回転)するため、1秒間に赤、緑、青が180回投影されることとなる。
ここで、本発明の高圧放電ランプ点灯装置においては、放電ランプの点灯周波数(すなわち、極性切替のタイミング)は、空間変調素子の駆動周波数や回転フィルタの色変化の周波数に同期する必要はなく、さらに、パルス重畳のタイミングと同期を図る必要もない。
このため、点灯周波数を空間変調素子の駆動周波数に同期させて、放電ランプの極性切替のタイミングが空間変調素子の駆動との関係で影響のないようにしなければならなかった。例えば、映像信号がPAL信号であり空間変調素子の駆動周波数が50Hzの場合は、放電ランプは50Hzに同期させて150Hzあるいは200Hzで点灯制御することになる。また、映像信号がNTSC信号でありDMD素子の駆動周波数が60Hzの場合は、放電ランプは60Hzに同期させて180HZで点灯制御することになる。
このため、放電ランプの給電装置は、空間変調素子と同期を図るために同期端子や同期制御回路、さらには空間変調素子の駆動周波数に応じて周波数を変化させる周波数選択回路などが必要になる。
このため、給電装置は回転フィルターの色変化の周波数と同期するために、同様に同期制御に関する回路が必要となっていた。
パルス重畳との同期については、前記したとおりである。
このため、放電ランプの点灯周波数は、空間変調素子の駆動周波数、回転フィルタの色変化の周波数、パルス重畳の周波数と同期を図る必要はなく、独立かつ非同期で駆動制御できるわけである。この点は本発明の高圧放電ランプ点灯装置を使ったプロジェクター装置の大きな特徴であるといえる。
すなわち、ランプ点灯中に電極先端付近の高温部から蒸発したタングステンは、発光管内に存在するハロゲンや残留酸素と結合して、例えばハロゲンとして臭素(Br)が封入される場合は、WBr、WBr2、WO、WO2、WO2Br、WO2Br2などのタングステン化合物として存在する。
これら化合物は電極先端付近の起相中の高温部においては分解してタングステン原子または陽イオンとなる。そして、温度拡散(気相中の高温部=アーク中心から、低温部=電極先端近傍に向かうタングステン原子の拡散)および、アーク中でタングステン原子が電離して陽イオンになり、陰極動作しているときに電解によって陰極方向に引き寄せられる(ドリフト)ことによって、電極先端付近における気相中のタングステン蒸気密度が高くなり、電極先端に析出して突起を形成するものと考えられる。
一対の電極20はそれぞれ球部20aと軸部20bから構成され、球部20aの先端に突起21が形成している。なお、ランプ点灯開始時に突起が存在しない場合、その後の点灯により、図示するように突起21が生成して、この突起20によってアーク放電Aが生じている。
すなわち、点灯周波数が低いほど太く短い突起が形成され、点灯周波数が高いほど細く長い突起が形成される。例えば、定格電圧75V、定格電力120Wのランプの場合。周波数90Hzで点灯すれば、直径0.4mm、高さ0.1mm程度の突起が形成されるのに対し、周波数150Hzで点灯すれば、直径0.2mm、高さ0.2mm程度の突起が形成される。
例えば、定格電圧75V、定格電力120Wのランプの場合、180Hz(約5.6ms間隔)、高さ2A、幅400μ秒の電流パルスに対して、点灯周波数を150Hzに選定した場合が最も安定した放電が得られた。
このように、点灯周波数は、回転フィルターの動作やパルスとは独立に、突起の形成の観点からのみ設定するのが望ましい。
実験は、図1に示す給電装置と図6に示すプロジェクター装置を使い、インダクタンスL1の値を変化させて、光出力の落ち込み状態を検討した。放電ランプは定格電力120W、点灯周波数150Hzで点灯させた。
具体的には、ランプ点灯始動後、定常点灯に移行した状態において、インダクタンスL1(図1に示す)を可変させながら、各インダクタンスL1において、概ね1分程度、スクリーンに投射された映像を見ながら映像のちらつきを判断した。なお、空間変調素子や回転フィルターと、放電ランプの極性切替のタイミングは同期させていない。さらに、各インダクタンス値における極性切替に伴う電力波形の落ち込み(図2(b)に相当する)を測定した。この電力波形の落ち込み幅は半値幅で測定した。
各インダクタンス値(例えば、0μH、10.1μH、20.5μH・・・)における電力波形の落ち込み幅、映像ちらつきの状態、判定をそれぞれ示している。
この実験の結果、インダクタンス値が76.1μH以下の場合は映像ちらつきがほとんど発生しておらず、インダクタンス値が85.6μHから206.0μHの場合は映像ちらつきがわずかにあるが実用上問題ないことが確認された。一方、インダクタンス値が216.1μHの場合に、映像ちらつきが実用上問題となることが示される。
従って、インダクタンス値が210μH以下(実験値は206.0μHであるが測定誤差などを考慮して)であれば、極性切替に伴う光出力の落ち込みと、それに伴う映像チラツキは問題ないレベルであり、結果として、空間変調素子や回転フィルターと同期を図らなくても使用できることが分かる。また、インダクタンス値が80.0μH以下(実験値は76.1μHであるが測定誤差などを考慮して)であれば、映像の美しさという点でより好ましい投射ができることがわかる。
2 インバータ回路
3 スタータ回路
4 制御部
10 放電ランプ
20 電極
30 凹面反射鏡
Claims (2)
- 石英ガラスからなる放電容器の内部に一対の電極が対向配置する高圧放電ランプと、この高圧放電ランプに交流の放電電流を供給する給電装置とから構成される高圧放電ランプ点灯装置であって、
前記給電装置は、チョッパー回路と、このチョッパー回路の後段に接続されて少なくとも2個のスイッチング素子により放電ランプの極性切替を制御するインバータ回路と、外部からパルス重畳タイミング信号を受信する入力端子と、前記チョッパー回路および前記インバータ回路に対する制御部を有し、
前記インバータ回路と前記放電ランプの間に接続されるコイルのインダクタンスが210μH以下であり、
前記制御部は、前記パルス重畳タイミング信号に基く当該パルス重畳の周期を放電ランプの極性切替の周期と関連させることなく、当該放電ランプに対してパルスを周期的に重畳させることを特徴とする高圧放電ランプ点灯装置。 - 少なくともRGBの色領域が形成された回転フィルターと、この回転フィルターの回転駆動手段と、この回転フィルターを通過した光を受光する空間変調素子と、高圧放電ランプ点灯装置からなるプロジェクター装置において、
前記点灯装置は、石英ガラスからなる放電容器の内部に一対の電極が対向配置する高圧放電ランプと、この高圧放電ランプに交流の放電電流を供給する給電装置からなり、
前記給電装置は、チョッパー回路と、このチョッパー回路の後段に接続されてスイッチング素子により放電ランプの極性切替を制御するインバータ回路と、外部からパルス重畳タイミング信号を受信する入力端子と、前記チョッパー回路および前記インバータ回路に対する制御部を有し、
前記インバータ回路と放電ランプの間に接続されるコイルのインダクタンスが210μH以下であり、
前記制御部は、前記パルス重畳タイミング信号に基く当該パルス重畳の周期を放電ランプの極性切替の周期と関連させることなく、当該放電ランプに対してパルスを周期的に重畳させることを特徴とするプロジェクター装置。
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