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JP4476595B2 - 真空吸着用治具 - Google Patents

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本発明は、例えばラップなどの湿式加工を行う際、被加工物(被吸着物)である半導体ウエハやガラス基板などを吸着保持するのに用いられる真空吸着用治具に関するものである。
たとえば半導体装置の製造過程において、半導体ウエハを搬送したり、加工したり、あるいは検査したりする際には、真空吸着力を利用して半導体ウエハを保持する治具が用いられている。こうした真空吸着用治具としては、被吸着物である半導体ウエハが載置される吸着面に多数の開口を、また、内部にこの開口各々から続く多数の貫通孔を形成したものが一般的である。使用時には、治具に接続された真空ポンプの作用で貫通孔内が真空状態となり、その結果、吸着面の開口を閉塞するよう載置される半導体ウエハは治具に吸着保持される。
しかしながら、この真空吸着用治具には次のような問題点がある。すなわち、上記開口はある一定の間隔で治具吸着面に形成されているわけであるが、真空吸着力は実際のところ局所的にしか、つまりこの開口が存在する地点にしか働かない。したがって、吸着力は均一なものとはならず、安定した吸着保持状態を実現するのは困難である。そして当然のことながら、このような状態では、半導体ウエハの加工精度が低下するなど、さまざまな不具合が生じやすい。
こうした問題点に鑑みて、被吸着物が載置される部位を、多孔質体から構成してなる治具が提案されている(たとえば特許文献1参照)。さらに具体的に言うと、この改良型の真空吸着用治具は、表面および内部に互いに連通した無数の気孔が存在する多孔質体からなる載置部材と、非多孔質体からなる支持部材とを主要構成要素として具備する。支持部材は載置部材全体を収容する凹部を有しており、したがって両者は、密封層となる板ガラス、もしくは、板ガラスとガラス粉末を間に挟んで、載置部材が支持部材に嵌合収容された状態となるよう、まず組み合わされる。改良型の真空吸着用治具は、さらに所定の温度で熱処理を行い、支持部材と載置部材とを接合し、一体化することによってできあがっている。
特開昭53−90871号公報
上記提案に係る真空吸着用治具を用いれば、半導体ウエハなどの被吸着物を、吸着面全域において均一な力で吸着することができる。すなわち、安定した吸着保持状態を容易に実現することが可能で、加工精度の低下といった不具合は生じにくい。ところが、その一方で次のような問題を抱えている。吸着保持した被吸着物を加工する際、たとえば研削加工する際には、研削屑や脱落砥粒(研削砥石の自生作用による脱落した砥粒)などの汚染物質が発生する。こうした環境下で、多孔質体からなる載置部材を備えた真空吸着用治具を使用した場合、汚染物質は不可避的に載置部材内部に吸い込まれてしまう。
載置部材の内部に汚染物質が侵入した状態(目詰り状態)で真空吸着用治具を使い続けると、汚染物質が半導体ウエハの裏面に転移するおそれがある。このため真空吸着用治具、特にその載置部材は定期的に洗浄しなければならない。ところで洗浄作業は、治具の内部に、支持部材裏面の吸引口から洗浄液を圧入することによって行われる。だが、従来型の真空吸着用治具では、こうした洗浄処理を施しても載置部材と支持部材との境界部分から洗浄液が漏れだしてしまい、汚染物質による載置部材の目詰りを完全に解消できないことが多かった。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、洗浄時に載置部材と支持部材との境界部分から洗浄液が漏れ出さないようにし、載置部材の内部に侵入した汚染物質が被吸着面に転移し、それを汚染してしまうといった問題が起きないようにすることである。さらには、洗浄処理によって載置部材の目詰りを完全に解消して、真空吸着用治具を長期間の使用に耐えられるようにすることである。
上記の課題を解決するべく鋭意研究を推し進めた結果、本発明は、洗浄時に、載置部材と支持部材との境界部分から洗浄液が漏れ出す原因を突き止めた。すなわち従来の真空吸着用治具は、上述したように、多孔質体からなる載置部材を、接着層となるガラス粉末を挟んで支持部材の凹部に収容し、さらに熱処理を施すことにより製造されている。つまり、溶融したガラスが載置部材と支持部材とを一体化させ、この結果、真空吸着用治具ができあがるわけである。
こうした手法により載置部材を支持部材に接合した場合、両者の接合面、さらに詳しくは載置部材と接着層との境界面には、微細な空隙が生じやすい。これは、溶融したガラスの一部が、載置部材の表層部分に浸透するからであると考えられる。さて、真空吸着用治具の内部に洗浄液を圧入した場合、その全量が載置部材の内部を経て、表面(吸着面)から排出されるのが理想である。ところが、載置部材と接着層との境界域に微細な空隙が生じた真空吸着用治具では、その内部に圧入した洗浄液の大半が、この空隙を通過して、載置部材と支持部材の境界部分、正確には載置部材の局面と支持部材の凹部周壁面との間の空隙から外に排出されてしまう。こうした理由で、従来は載置部材の内部を十分に洗浄することができなかった。
そこで本発明者は、載置部材と接着層との境界域に生じる微細な空隙を経て、載置部材の周面と支持部材の凹部周壁面との間の空隙に向かう洗浄液の無用な流れを遮断できるよう治具の内部構造を工夫すれば、上記の課題を解決できるであろうと考えた。こうした技術的思想に基づき。さらに研究を進めた結果、支持部材の凹部底面上に、この凹部の周壁面に沿って載置部材と接着層との境界域を取り囲むよう、環状の板ガラス、もしくは環状の板ガラスの表面に少なくとも有機系接着剤を含むガラス粉末を溶融し、固化させて得た環状の密封層を設ければよいことを見出した。
すなわち、環状の板ガラス、もしくは、環状の板ガラスの表面に塗布される有機系接着剤を含むガラス粉末は、熱処理を行った際、板ガラスは部分的に溶融し、さらに、有機系接着剤から発生するガスが溶融したガラスを発泡させ、最終的に、十分な液密性を有する閉気孔層つまり密封層となる。そして、上記のごとく配置されたこの密封層は、載置部材と接着層との境界域に生じる微細な空隙を経て、載置部材の周面と支持部材の凹部周壁面との間の空隙に向かう洗浄液の流れは、環状の密封層の存在によって完全に遮断される。したがって、真空吸着用治具の内部に圧入した洗浄液は、その全量が載置部材の内部を経て、表面(吸着面)から排出されるようになる。
本発明は、こうした新知見に基づいてなされたものであり、上記の課題を解決するため、被吸着物が載置される、多孔質体から構成された載置部材と、一主面側に、この載置部材を収容するための凹部が形成されてなるとともに、載置部材をこの凹部に収容した状態で支持する支持部材と、載置部材における被吸着物とを接する上面に対抗する下面と、支持部材における凹部の底面との間に介在させた、載置部材と支持部材とを接合する接着層と、を具備してなる真空吸着用治具について、支持部材における凹部の底面上に、この凹部の周壁面に沿って載置部材と接着層の境界域を取り囲むよう、環状の板ガラス、もしくは、環状の板ガラスの表面に少なくとも有機系接着剤を含むガラス粉末を塗布したものを設置後に熱処理して溶融し、固化させて得た環状の密封層を設けたことを特徴とする。ここで、「載置部材と接着層との境界域を取り囲む」とは、密封層が、載置部材および接着層の両方にまたがり、かつ、それらに接した状態で存在していることを意味する。
なお、上記密封層を形成する環状の板ガラスとしては、900℃程度の温度で部分的に溶融する、市販の普通板ガラスを使用することができる。また、この環状の板ガラス表面に塗布する上記密封層を形成する混合物が含有する混合物としては、市販の有機系接着剤としては、たとえばエポキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。また、密封層を形成する混合物には、さらにアルミナ(Al2O3)粉末などを混合してもよく、この場合に、アルミナ粉末はフィラーとして機能することとなる。
特に、上記密封層を形成する環状の板ガラス表面に塗布する混合物として、ガラス粉末、エポキシ樹脂、そしてアルミナ粉末の3成分からなるものを用いる場合、ガラス粉末の比率は50〜80重量%、エポキシ樹脂の比率は10〜20重量%、そしてアルミナ粉末の比率は10〜30重量%に設定されることが好ましい。ただし、言うまでもなく、ガラス粉末の比率α、エポキシ樹脂の比率β、そして、アルミナ粉末の比率γは、これらの総和すなわちα+β+γが100%となるように相互に調整される。
真空吸着用治具を上記のごとく構成する場合、まず、有機系接着剤の存在により、常温において、環状の板ガラスを介して、載置部材と支持部材とを接着(仮止め)することが可能となり、この結果、治具製造時の作業性が大幅に向上する。次に、熱処理を行った際には、上述したとおり環状の板ガラスの一部および有機系接着剤を含むガラス粉末が発泡溶融して環状の密封層となり、これが、載置部材と接着層との境界域に生じる微細な空隙を経て、載置部材の周面と支持部材の凹部周壁面との空隙に向かう洗浄液の流れを完全に遮断する。よって、真空吸着用治具の内部に圧入した洗浄液が、載置部材と支持部材との境界部分から外に漏れ出すことはなく、その全てが載置部材の内部を経て、吸着面全域から排出されるようになる。
したがって、本発明に係る真空吸着用治具は、載置部材の内部を十分に洗浄することが可能である。すなわち治具をある一定期間にわたって継続使用することで、載置部材の内部に汚染物質が侵入してしまっても、洗浄作業を実施すれば、それを速やかに取り除くことができる。また、定期的に洗浄作業を実施することで、載置部材の内部に侵入した汚染物質が被吸着面に転移し、それを汚染してしまうという問題は解消される。さらに、本発明に係る真空吸着用治具は、洗浄処理によって載置部材の目詰りを解消することができるため、良好な吸着性能を維持したまま、長期間の使用にも十分に耐える。ゆえに、耐用年数を延ばすことができ、経済性にも優れる。
以下、図1及び図2を用いて、本発明の一実施形態を具体的に説明する。ここで、図1は本実施形態に係る真空吸着用治具(以下、本治具とも言う)の平面図、図2は図1におけるX−X線での本治具の断面図である。さて、本治具は、例えば半導体ウエハなどの吸着保持に使用されるものである。すなわち、半導体ウエハなどの被吸着物は、本治具によって吸着保持された状態で搬送され、また、同状態で加工や検査などが実施されることになる。
本治具は円盤状の外形を有しており、その上面(吸着面)には、図2に一点鎖線で示すように半導体ウエハ(被吸着物)Fは治具上面に吸着保持される。すなわち、図示していない真空ポンプを作動させると、それに接続された本治具の内部空間は真空状態となり、その結果生じる真空吸着力が半導体ウエハFを吸着面上に拘束する。
さて、本治具は、主要構成要素として、載置部材1及び支持部材2を具備している。このうち載置部材1は多孔質体から構成されており、その上には被吸着物である半導体ウエハFが直に載置される。さらに詳しく言うと、載置部材1はアルミナなどのセラミックスから構成されたものであり、研磨加工によって、その上面(吸着面)は十分に平坦化されている。また、この載置部材1の周面には封孔処理が施されている。すなわち、周面をガラスコーティングすることで気孔の開口を閉塞し、周面からは吸引がなされないようにした。さらに、載置部材1の下面側周縁部には、環状に切欠きを設けている。つまり、載置部材1の下面側周縁部は、その上面にわたって段部を形成した。これは、後述の密封層を配置するスペースを確保するためである。
なお、本実施形態では、まず載置部材1の周面にガラスペーストを塗布し、その後、約1000℃にて焼成することでガラスコーティング層(図示せず)を形成している。しかしながら、封孔方法はこれに限定されるわけではない。他にも、載置部材1の材質などを考慮して、樹脂の塗布、溶射、めっきなど、さまざまな手法を採用できる。
また、載置部材1を構成する多孔質体の材質も、本実施形態のものに限定されない。それ以外にもたとえば、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素などのセラミックス材、あるいは銅やアルミニウム、ステンレスといった金属材、さらにはフッ素樹脂などの樹脂材を用いて、載置部材1を得ることができる。ちなみに、載置部材1を構成する多孔質体としては、気孔の平均径が10〜100μm程度で、かつ、気孔率が20〜40%のものが好ましい。
次に、支持部材2についてであるが、この支持部材2も、たとえばアルミナなどのセラミックスから構成されている。しかしながら、支持部材2を構成するセラミックスは、載置部材1とは異なり、緻密な非多孔質体である。なお、支持部材2の材質についても、本実施形態のものに限定されるわけではなく、それ以外にもたとえば、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素などのセラミックス材、あるいはアルミニウムなどの金属材を用いて構成できる。
支持部材2の上面側(一主面側)には、載置部材1の外形とほとんど同じ大きさの円形の凹部(大径凹部)2aが形成されており、載置部材1はこの凹部2aに完全に収まった状態で、支持部材2と一体化している。言い換えれば、支持部材2は、載置部材1を収容するための凹部2aを有しており、載置部材1をこの凹部2aに嵌合収容した状態で支持する役割を果たす。支持部材2の内部には、さらに、載置部材1が収まる凹部2aよりも内径の小さな凹部(小径凹部)2bが形成されている。この凹部2bの開放面は、凹部2aの底面と同じ高さにあり、また、その底面は、支持部材2の下面に設けた吸気口2cとつながっている。したがって、載置部材1と支持部材2とが一体化された状態、つまり載置部材1によって凹部2bの開放面が閉塞された状態で、吸気口2cに接続した真空ポンプを作動させると、凹部2bの内部が真空となる。
続いて、載置部材1と支持部材2との接合部分の構造について、さらに詳しく説明する。本治具は、載置部材1と支持部材2とを接合する接着層3を具備する。すなわち、載置部材1における半導体ウエハFと接する上面に対向する下面と、支持部材2における凹部2aの底面との間には、厚みの小さな接着層3が介在させられている。この接着層3は、熱処理によってガラス粉末(たとえば上記封孔処理に用いられるガラスよりも軟化温度の低いもの)を溶融し、固化させて得たものである。
本治具は、上記接着層3に加えて、さらに環状の密封層4を具備する。この密封層4は、支持部材2における凹部2aの底面上に、この凹部2aの周壁面に沿って、載置部材1と接着層3との境界域を取り囲むように設けられている。言い換えれば、本実施形態では、載置部材1と接着層3との境界面が、環状の密封層4で囲まれた開放空間内に完全に収まった状態となるようにしている。密封層4は、環状の板ガラス、もしくは、環状の板ガラスの表面に少なくとも有機系接着剤を含むガラス粉末を塗布したものを設置後に熱処理によって溶融し、固化させて得たものである。
本治具のおおよその製造手順(載置部材1と支持部材2との接合手順)は次のようになる。本治具を得るには、まず、支持部材2における凹部2aの底面上に、特にその周壁面に沿って、環状の板ガラス、もしくは、環状の板ガラスの表面に少なくとも有機系接着剤を含むガラス粉末(以下、密封層を形成する混合物と言う)を塗布したものを環状に設置する。ただし、この密封層を形成する混合物は、載置部材1側、特にその段部に配置してもよい。また、これに加えて支持部材2における凹部2aの底面上には、接着層3となるガラス粉末を適量散布しておく。
こうして接合準備が整ったならば、続いては、支持部材2の凹部2a内に、周面の封孔処理が済んだ載置部材1を収容する。この際、密封層を形成する混合物が有する接着作用により、常温にもかかわらず、載置部材1は支持部材2に簡単に仮止めされる。載置部材1を支持部材2に組み付けた後は、たとえば900℃程度で熱処理を行い、これによって形成される接着層3及び密封層4の作用で、両者を完全に一体化する。最後に、半導体ウエハFが載置される面(吸着面)をダイヤモンド砥石などを用いて研磨すれば、図2に示すような断面を有する真空吸着用治具が完成となる。
さて、真空吸着用治具を上記のごとく構成する場合、熱処理を行った際に、環状の板ガラスの一部および有機系接着剤を含むガラス粉末が発泡溶融して環状の密封層4となる。そしてこれが、載置部材1と接着層3との境界域に生じる微細な空隙を経て、載置部材1の周面と支持部材2における凹部2aの周壁面との間の空隙に向かう洗浄液の流れを完全に遮断する。よって、真空吸着用治具の内部に圧入した洗浄液の一部が、載置部材1と支持部材2との境界部分から外に漏れ出すことはなく、その全量が載置部材1の内部を経て、吸着面全域から排出される。
したがって本治具は、載置部材1の内部を十分に洗浄することが可能である。すなわち、本治具をある一定期間にわたって継続使用することで、載置部材1の内部に汚染物質が侵入してしまっても、洗浄作業を実施すれば、それを速やかに取り除くことができる。また、載置部材1の内部に侵入した汚染物質が半導体ウエハFの裏面に転移し、それを汚染させてしまうといった問題も起きなくなる。さらに本治具は、洗浄処理によって載置部材1の目詰りを容易に解消することができるため、良好な吸着性能を維持したままで長期間の使用にも十分に耐える。ゆえに、耐用年数を延ばすことができ、経済性にも優れる。
本実施形態に係る真空吸着用治具を、環状の板ガラス及びその表面に塗布して密封層を形成する混合物として、環状の板ガラス(製品名:フロート板ガラス 旭硝子社製)、ガラス粉末(製品名:ASF−100 旭硝子社製)、エポキシ樹脂(製品名:XNR−3305 スリーボンド社製)、そしてアルミナ粉末(WA♯200)からなるものを用いて、計4種類製作した。以下、実施例1〜5は、上記3成分の、質量%で表した混合比率が互いに異なっている。すなわち実施例1は、環状の板ガラスのみで構成されており、実施例2では、ガラス粉末、エポキシ樹脂、アルミナ粉末の配率が60:20:20である。実施例3の配合比率は80:10:10であり、また実施例4及び実施例5の配合比率はそれぞれ50:30:20および40:40:20である。また、比較のために、環状の密封層を持たない従来型の真空吸着用治具も用意した(以下、比較例と言う。他の条件については実施例1〜5と同じ)。
実施例1〜5および比較例について洗浄試験を行い、洗浄液の漏出の有無を調べた。洗浄液の圧力は、400kPa(約4気圧)である。結果は、以下の表1に示すとおりのものとなった。次に、実施例1〜5および比較例について、使用開始時の吸着性能、および使用と洗浄処理とを交互に100回繰り返した後(100サイクル後)の吸着性能を調べた。すなわち、被吸着物として半導体ウエハを用い、各治具の吸着能力を、◎(極めて良好)、○(良好)、×(吸着力不足)の3段階で評価した。この結果も表1に併せて示す。
Figure 0004476595
表1の結果より、本発明の真空吸着用治具は、洗浄液の漏出は無く、使用と洗浄処理とを交互に100回繰り返した後(100サイクル後)の吸着性能は良好であった。
一方比較例では、洗浄液の漏出が見られ、また、吸着性能の低下も顕著であった。さらには、被吸着物の汚染の程度が著しく増加した。
本発明の実施形態に係る真空吸着用治具の平面図である。 図1におけるX-X線での、本発明の実施形態に係る真空吸着用治具の断面図である。
符号の説明
1 載置部材
2 支持部材
2a 支持部材の凹部(大径凹部)
2b 支持部材の凹部(小径凹部)
2c 支持部材の吸気口
3 接着層
4 密封層
F 半導体ウエハ(被吸着物)

Claims (1)

  1. 被吸着物が載置される、多孔質体から構成された載置部材と、一主面側に、この載置部材を収容するための凹部が形成されてなるとともに、載置部材をこの凹部に収容した状態で支持する支持部材と、載置部材における被吸着物とを接する上面に対抗する下面と、支持部材における凹部の底面との間に介在させた、載置部材と支持部材とを接合する接着層と、を具備してなる真空吸着用治具であって、支持部材における凹部の底面上に、この凹部の周壁面に沿って載置部材と接着層の境界域を取り囲むよう、環状の板ガラス表面に少なくとも有機系接着剤を含むガラス粉末を塗布したものを設置後に熱処理して得た環状の密封層を設けたことを特徴とする真空吸着用治具。
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