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JP4467535B2 - 回路基板の製法 - Google Patents

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Description

本発明は回路基板の製法に関し、例えば、マイクロ波帯での比誘電率が高く、かつ高Q値を有する絶縁層と、比誘電率が低い絶縁層とを同時焼成一体化してなり、共振器、コンデンサ、インダクタ等の機能素子を内蔵する回路基板の製法に関するものである。
従来、強度の弱い絶縁層を強度の強い絶縁層で補強するためや、回路基板中に容量値の高いキャパシタを内蔵するために、絶縁層と、この絶縁層とは異なる材料からなる異種材料絶縁層を積層した回路基板が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような回路基板は、絶縁層と異種材料絶縁層が、セラミックフィラーとガラスからなるガラスセラミックで形成されており、セラミックフィラーやガラス材料を制御することにより、焼成収縮率および熱膨張係数を近づけ、クラックやデラミネーション、及び反りを抑制していた。
そして、このような回路基板では、電極としてAgまたはCuを用いることができるように低温焼成化するため、絶縁層および異種材料絶縁層がガラス主成分であり、ガラスとフィラー成分がほとんど反応することがなく、焼成収縮挙動は、主にガラス成分の高温粘度変化による流動と、フィラーとの濡れ性によって支配されていた。
また、近年では、共振器、コンデンサ、インダクタ等の機能素子を内蔵した回路基板が、携帯電話をはじめとする各種電子機器に組み込まれている。回路基板は主にマイクロ波帯で用いられ、近年の携帯電話をはじめ電子機器からは小型化、高性能化の要求が高い。
例えば共振器の小型化には絶縁層の比誘電率が高いことが望まれ、低損失化には高い材料Q値が望まれる。また、インピーダンスマッチングや回路間の不要な干渉の抑制には絶縁層の比誘電率が低いことが望まれる。従って回路基板はこのような要求を満足する2種類以上の絶縁層で形成することにより、回路設計上の制約を無くすことができる。
特開昭59−194493号公報
しかしながら、従来の方法では異種材料間の焼成収縮挙動を、完全には一致させることが不可能であったため、クラックやデラミネーションは抑制できたとしても、基板の反りを無くすためには、反りを相殺するような異種材料の絶縁層の組み合わせ、例えば、基板の厚み方向の中央部を中心に、絶縁層および異種材料絶縁層を対称にして積層する等、の対策を必要とし、異種材料の絶縁層を積層する場合の積層の順番(層構成)に多くの制約が生じていた。
従って、回路設計においても、限定された層構成の中で行うことを余儀無くされ、小型薄型化、多機能化においての異種材料を使用することのメリットが最大限に生かされてはいないのが現状であった。
本発明は、異種材料の同時焼成に際して、焼成収縮挙動を高レベルで合致させることにより、クラックやデラミネーション、反りを抑制できるとともに、従来では不可能であった層構成の自由度を飛躍的に向上させることができる回路基板の製法を提供することを目的とする。
本発明の回路基板の製法は、主結晶相が異なる第1絶縁層成形体および第2絶縁層成形体が積層された積層成形体を作製し、該積層成形体を焼成し、第1絶縁層および第2絶縁層が積層された回路基板を作製する回路基板の製法において、焼成することにより、前記第1絶縁層および第2絶縁層に、少なくとも1種以上の共通する共通結晶相を生成せしめ、前記第1絶縁層中に前記第1絶縁層成形体の主結晶相と同一の成形体結晶相を存在させ、前記第1絶縁層中の共通結晶相のX線回折測定におけるメインピーク強度I と、前記第1絶縁層中の成形体結晶相のX線回折測定におけるメインピーク強度I との強度比(I /I )を0.5以上とし、かつ、前記第2絶縁層中に前記第2絶縁層成形体の主結晶相と同一の成形体結晶相を存在させ、前記第2絶縁層中の共通結晶相のX線回折測定におけるメインピーク強度I と、前記第2絶縁層中の成形体結晶相のX線回折測定におけるメインピーク強度I との強度比(I /I )を0.5以上とする方法である。
このような製法を採用することにより、第1絶縁層成形体および第2絶縁層成形体の同時焼成時に共通する共通結晶相が生成するため、第1絶縁層成形体および第2絶縁層成形体が強固に接合されるとともに、同一の共通結晶相を含有するため、第1絶縁層と第2絶縁層の熱膨張係数が近づくとともに、焼成収縮開始温度、収縮終了温度を含む収縮挙動が近づき、結果的に第1絶縁層および第2絶縁層を同時焼成一体化しても、反りやデラミネーションを低減できる。
本発明の回路基板の製法では、第1絶縁層および第2絶縁層中に、共通結晶相が存在するため、第1絶縁層と第2絶縁層の熱膨張係数が近づくとともに、焼成収縮開始温度、収縮終了温度を含む収縮挙動が異種材料間で近づき、結果的に第1絶縁層および第2絶縁層を同時焼成一体化しても、反りやデラミネーションを低減できるとともに、高い自由度の層構成を実現できる。
図1は本発明の製法により得られた回路基板の一例を示すもので、図1において、回路基板は、基板1と、この基板1の表面に形成された表面導体2、基板1の内部に形成された内層導体3、ビアホール導体4、及び表面導体2の一部を被覆する絶縁膜5から成されている。
基板1は、7層の絶縁体層1a〜1gからなり、その絶縁層1a〜1g間には内層導体3が形成されている。また絶縁体層1a〜1gにはその厚み方向に内層導体3間を接続するため、また内層導体3と表面導体2とを接続するためのビアホール導体4が形成されている。
基板1は、7層の絶縁層1a〜1gからなり、第2絶縁層1b〜1fからなる積層体の上下面に、接地導体6を挟むようにして、第2絶縁層1b〜1fとは異種の材料からなる第1絶縁層1a、1gが積層されている。尚、第2絶縁層1b〜1fと、第1絶縁層1a、1gの間に接地導体6を形成しなくても良い。また、基板1の第2絶縁層1fには、内層導体3とビアホール導体4からなるλ/4ストリップライン共振器7が形成されている。ここで、異種材料とは、成分、組成が異なる材料からなるものをいう。
また、基板1は、低誘電率の第1絶縁層1a、1gと、高誘電率で高Q値の第2絶縁層1b〜1fとから構成されており、これらの第1絶縁層1a、1gおよび第2絶縁層1b〜1fには、共通する共通結晶相が存在しており、第1絶縁層1a、1gおよび第2絶縁層1b〜1f中のガラス量がそれぞれ20重量%以下とされている。ガラス量は、特に、Q値の向上と焼結性という理由から、3〜12重量%が望ましい。ここで、ガラスは、焼結助剤(B、LiO)を含むホウケイ酸アルカリ土類系ガラスが望ましい。
第1絶縁層1a、1gおよび第2絶縁層1b〜1fには、(Mg,Ti)(BO)Oが共通する共通結晶相として存在している。この(Mg,Ti)(BO)OはCuのKα線を用いたX線回折測定において2θ=35度近辺に存在する。
第1絶縁層1a、1gおよび第2絶縁層1b〜1fは、RTiO、BaTi、MgSiO、RZrO、Al、SnTiOおよびZrTiOのうち少なくとも一種(但し、Rはアルカリ土類金属元素)を主成分とし、第2成分として、B、LiO、ROのうち少なくとも一種(但し、Rはアルカリ土類元素)を含有して構成されており、第1絶縁層1a、1gは誘電率10以下とされ、第2絶縁層1b〜1fは誘電率15以上とされている。
第1絶縁層1a、1gとしては、MgSiO−MgTiO主成分とし、第2成分として、B、LiO、SiO、CaO、BaOを含有させたものが望ましい。このような組成では第1絶縁層1a、1gは誘電率10以下とできる。
特に、第1絶縁層1a、1gとしては、(1−x)MgSiO・xMgTiOと表した時、xが、0≦x≦0.8を満足する主成分と、該主成分100重量部に対して、BをB換算で3〜20重量部、LiをLiCO換算で1〜10重量部、SiをSiO換算で0〜30重量部、アルカリ土類金属を酸化物換算で1〜5重量部含有するものが望ましい。この場合には、主結晶相としてMgSiOが生成するとともに、LiTiSiO、(Mg,Ti)(BO)Oが生成し、その他に、MgTiO、TiO、SiO等が生成する場合もある。
ここで、MgSiOとMgTiOのモル比xを、0≦x≦0.8としたのは、xが0.8を越える場合には、高誘電率のMgTiOの割合が増加するため、比誘電率が大きくなるからである。とりわけ誘電体磁器の比誘電率を小さくするという点からxは0≦x≦0.5が好ましい。さらに、例えば、本発明の第1絶縁体層とMgTiO−CaTiO系の第2絶縁体層との積層体を作製する場合には、焼成収縮挙動を近くするという点からxは0<x≦0.5が望ましい。
また、主成分100重量部に対してBをB換算で3〜20重量部含有したのは、B換算量が3重量部未満の場合には低温焼成が困難となってAgまたはCuを主成分とする導体と同時焼成が困難となり、逆に20重量部を越える場合には、焼結体中のガラス相の割合が増加して、Q値が低下するからである。よって、焼結性を維持し、高いQ値を得るという観点からBはB換算で5〜15重量部含有することが望ましい。硼素含有化合物としては、金属硼素、B、コレマイト、CaB、ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸アルカリガラス、ホウケイ酸アルカリ土類ガラス等がある。
またLiをLiCO換算で1〜10重量部含有したのは、LiCO換算量が1重量部未満の場合には低温焼成が困難となってAgまたはCuを主成分とする導体と同時焼成が困難となり、逆に10重量部を越える場合には、Q値が低下するからである。焼結性とQ値の観点からLiのLiCO換算量は4〜9重量部が望ましい。
さらにSiをSiO換算で0〜30重量部添加したのは、SiO換算量が30重量部を越えると、ガラス相の割合が減少してQ値が低下するからである。Q値の観点からは、SiのSiO換算量は10重量部以下含有することが望ましい。
また、主成分100重量部に対して、アルカリ土類金属(Mg、Ca、Sr、Ba)の少なくとも一種を酸化物換算で1〜5重量部含有したのは、これらが酸化物換算で1重量部未満の場合には、焼結過程における収縮開始温度が約870℃と高く、添加効果が得られない。一方、5重量部を越えると、Q値が低下する。とりわけ焼結性とQ値の観点からはアルカリ土類金属は酸化物(MgO,CaO,SrO,BaO)換算で合計1.5〜3.5重量部含有することが好ましい。アルカリ土類金属はBa、Caが高Q値となるという点から望ましい。
さらに、焼結性を改善する点から、主成分100重量部に対して、さらにMnをMnO換算で0.1〜15重量部含有することが望ましい。MnをMnO換算で0.1〜15重量部含有せしめたのは、0.1重量部よりも少ない場合にはその添加効果が小さく、さらに15重量部よりも多い場合には誘電特性が悪化するからである。MnはMnO換算で1.2〜7重量部含有することが望ましい。
このような第1絶縁層では、焼成温度が920℃以下、比誘電率が9.1以下、Qf値が5000以上とできる。
第2絶縁層1b〜1fは、MgTiO−CaTiOを主成分とし、第2成分として、B、LiO、SiO、CaO、BaOを含有させたものが望ましい。
特に、第2絶縁層1b〜1fとしては、金属元素として少なくともMgおよびTiを含有し、これらのモル比による組成式を、(1−x)MgTiO・xCaTiOと表した時、前記xが0≦x≦0.2を満足する主成分と、該主成分100重量部に対して、BをB換算で3〜20重量部、アルカリ金属をアルカリ金属炭酸塩換算で1〜10重量部、SiをSiO換算で0.01〜5重量部、アルカリ土類金属をアルカリ土類金属酸化物換算で0.1〜5重量部含有するものが望ましい。この場合には、第2絶縁層1b〜1f中に、主結晶相として、MgTiOが生成するとともに、(Mg,Ti)(BO)Oが生成する。第1絶縁層1a、1gと共通する共通結晶相は(Mg,Ti)(BO)Oとなる。
ここで、xを0≦x≦0.2としたのは、xが0.2モルを越える場合には共振周波数の温度係数τfがプラス側に大きくなりすぎてしまうからである。とりわけ誘電体磁器の共振周波数の温度係数τfの観点からはxは0.03≦x≦0.13が好ましい。
また、主成分100重量部に対して、BをB換算で3〜20重量部含有したのは、BがB換算で3重量部未満の場合には低温焼成が困難となってAgまたはCuを主成分とする導体と同時焼成が困難となり、逆に20重量部を越える場合には焼結体中のガラス相の割合が増加してQ値が低下するからである。よって、焼結性を維持し、高いQ値を得るという観点からBがB換算で5〜15重量部含有することが望ましい。B含有化合物としては、金属硼素、B、コレマイト、CaB、ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸アルカリガラス、ホウケイ酸アルカリ土類ガラス等がある。
また、アルカリ金属をアルカリ金属炭酸塩換算で1〜10重量部含有したのは、1重量部未満の場合には低温焼成が困難となってAgまたはCuを主成分とする導体と同時焼成が困難となり、逆に10重量部を越える場合には結晶相が変化してQ値が低下するからである。Q値向上の観点から4〜9重量部が望ましい。アルカリ金属としてはLi、Na、Kを例示することができ、この中でもLiが特に望ましい。アルカリ金属含有化合物としては、上記アルカリ金属の炭酸塩、酸化物等を例示することができる。
さらに、SiをSiO換算で0.01〜5重量部含有したのは、含有量が0.01重量部未満の場合には、焼結過程における収縮開始温度が約840℃と高く、添加効果が得られないからである。一方、5重量部を越えると比誘電率εrあるいはQ値が低下するからである。誘電体磁器の比誘電率εrあるいはQ値の観点から0.5〜3重量部が望ましい。Si含有化合物としてはSiO、MgSiO等がある。
また、アルカリ土類金属をアルカリ土類金属酸化物換算で0.1〜5重量部含有するものである。これらが0.1重量部未満の場合には焼結過程における収縮開始温度が830℃よりも高く、添加効果が得られない。一方、5重量部を越えると共振周波数の温度係数τfがプラス側に大きくなりすぎてしまう。とりわけ焼結性と共振周波数の温度係数τfの観点からは合計0.5〜3.5重量部が好ましい。アルカリ土類金属としては、Mg、Ca、Sr、Baがあり、このなかでもBaが望ましい。アルカリ土類金属含有化合物としては、上記アルカリ金属の炭酸塩、酸化物等を例示することができる。
さらに、焼結性を改善する点から、主成分100重量部に対して、MnをMnO換算で0.1〜3重量部含有することが望ましい。MnをMnO換算で0.1〜3重量部含有せしめたのは、0.1重量部よりも少ない場合にはその添加効果がなく、さらに3重量部よりも多い場合には誘電特性が悪化するからである。MnはMnO換算で1.2〜1.8重量部含有することが望ましい。
このような第2絶縁体層は、焼成温度920℃以下、比誘電率が18以上、Qf値が20000以上とできる。
以上のように構成された回路基板は、異なる材料からなる第1絶縁層成形体および第2絶縁層成形体が積層された積層成形体を作製し、該積層成形体を焼成し、第1絶縁層および第2絶縁層が積層された回路基板の製法において、焼成することにより、第1絶縁層および第2絶縁層に、少なくとも1種以上の共通する共通結晶相を生成せしめることにより得られる。特に、共通結晶相が(Mg,Ti)(BO)Oからなる共通結晶相を生成することが望ましい。
第1絶縁層および第2絶縁層は、結晶粒子同士の固相焼結、ガラスによる液相焼結、さらには、共通結晶相の析出による反応焼結により焼結し、第1絶縁体層と第2絶縁体層は、共通結晶相による拡散接合により接合することになる。
積層成形体は、ドクターブレード法等により作製されたグリーンシートを積層することにより作製したり、また、セラミックペーストを順次塗布することにより作製したり、さらに、セラミックペーストを塗布、光硬化、現像等を繰り返すいわゆるフォトリソグラフィー技術を用いて作製したりすることができる。
具体的には、例えば、第1絶縁層成形体と第2絶縁層成形体となるグリーンシートを作製する。グリーンシートは、所定のセラミック粉末と有機バインダーと有機溶剤及び必要に応じて可塑剤とを混合し、スラリー化する。このスラリーを用いてドクターブレード法などによりテープ成形を行い、所定寸法に切断しグリーンシートを作製する。
次に、内部導体間を接続するビアホール導体となる貫通孔をグリーンシートの所定の位置にパンチング等により作製する。導電性ペーストをグリーンシートの貫通孔に充填するとともに、そのグリーンシート上に所定形状の内部導体となる導体膜を印刷形成する。
次に導電性ペーストを用いて、表層の第1絶縁層成形体となるグリーンシート上に所定形状の表面導体となる導体膜を印刷形成する。
このようにして得られたグリーンシートを積層順序に応じて積層し、積層成形体を形成して、一体的に焼成する。以上の製造工程によって回路基板は製造される。
そして、第1絶縁層および第2絶縁層中に、第1絶縁層成形体および第2絶縁層成形体中のそれぞれの主結晶相と同一の成形体結晶相が存在するとともに、第1絶縁層および第2絶縁層中のそれぞれの共通結晶相のX線回折測定におけるメインピーク強度I、Iと、第1絶縁層および第2絶縁層中のそれぞれの成形体結晶相のX線回折測定におけるメインピーク強度I、Iとの強度比(I/I、I/I)が0.5以上である。
即ち、第1絶縁層1a、1g中の共通結晶相のX線回折測定におけるメインピーク強度Iと、第1絶縁層中の成形体結晶相のメインピーク強度Iの強度比(I/I)が0.5以上であり、しかも、第2絶縁層1b〜1f中の共通結晶相のX線回折測定におけるメインピーク強度Iと、第2絶縁層中の成形体結晶相のメインピーク強度Iの強度比(I/I)が0.5以上とされている。
これは、強度比(I/I、I/I)を0.5以上とすることにより、クラックやデラミネーションをさらに抑制できるからである。
一方、強度比(I/I、I/I)が0.5未満になると同時焼成後の異種材料間の境界面に中間層が形成され易く、異種材料間の焼成収縮挙動にミスマッチが生じやすくなるためである。とりわけ、中間層を形成させず異種材料間の焼成収縮挙動を厳密に合わせるためには高誘電率の第2絶縁体層の強度比(I/I)は0.7以上、低誘電率の第1絶縁層の強度比(I/I)は1.5以上であることが望ましい。
例えば、上記したように、第1絶縁層1a、1gとして、MgSiO−MgTiO主成分とし、第2成分として、B、LiO、SiO、CaO、BaOを含有させたものを用い、第2絶縁体層1b〜1fとして、MgTiO−CaTiOを主成分とし、第2成分として、B、LiO、SiO、CaO、BaOを含有させたものを用いた場合には、第1絶縁層成形体の主結晶相はMgSiOであるため、成形体結晶相はMgSiOであり、第2絶縁層成形体の主結晶相はMgTiOであるため、成形体結晶相はMgTiOとなり、第1絶縁層1a、1gと第2絶縁層1b〜1f中の共通結晶相としては、上記したように(Mg,Ti)(BO)Oとなる。
以上のような回路基板の製法では、互いに共通する共通結晶相を形成する第2絶縁層1b〜1fと第1絶縁層1a、1gを同時焼成するため、焼成収縮挙動、熱膨張係数を近づけることができ、自由度の高い層構成を採用することができ、反り、クラック、デラミネーションを抑制できる。
さらに、図1の回路基板では、第2絶縁層1b〜1fの比誘電率を、上下の第1絶縁層1a、1gの比誘電率よりも高くできるため、高誘電率の第2絶縁層1b〜1fにλ/4ストリップライン共振器7を形成することにより、該共振器7の構成部分であるラインを短縮して共振器を小型化できるとともに、接地導体6と表面導体2の間に低誘電率の第1絶縁層1a、1gを配置することにより、接地導体6と表面導体2の間に生じる浮遊容量を軽減することができる。
尚、図2は回路基板の層構成の例を示すもので、(a)は、5層の第2絶縁層が積層されたものの上下に1層ずつ第1絶縁層を形成した状態、(b)は、1層の第2絶縁層の上下に第1絶縁層を2層ずつ積層した状態、(c)は、2層の第2絶縁層が積層されたものの上面に2層の第1絶縁層を、下面に1層の第1絶縁層を形成した状態、(d)は、2層の第2絶縁層の間に第1絶縁層が形成されたものの上下に第1絶縁層を1層ずつ積層した状態、(e)は、2層の第2絶縁層が積層されたものの上面に2層の第1絶縁層を積層した状態、(f)は、3層の第2絶縁層が積層されたものの上下に第1絶縁層を1層ずつ積層した状態、(g)は、5層の第1絶縁層が積層されたものの上下に1層ずつ第2絶縁層を形成した状態、(h)は、1層の第1絶縁層の上下に、第2絶縁層を2層ずつ積層した状態、(i)は、2層の第1絶縁層が積層されたものの上面に2層の第2絶縁層を積層し、下面に1層の第2絶縁層を積層した状態、(j)は、第1絶縁層と第2絶縁層を交互に積層した状態、(k)は、3層の第1絶縁層の上下に、第2絶縁層を1層ずつ積層した状態を示す。
粉末、LiCO粉末、SiO粉末、アルカリ土類酸化物(MgO,CaO,SrO,BaO)粉末を表1に示すような組成で添加し、これを用いて作製されたガラスフリットと、原料として純度99%以上のMgSiO、MgTiO粉末を、(1−x)MgSiO・xMgTiOにおいてxが表1の値を満足するように秤量し、有機バインダー、有機溶剤を添加したスラリーをドクターブレード法により薄層化し、グリーンシートを作製し、第1絶縁層成形体を作製した。一方、表1の組成物を所定形状に成形し、表1に示す温度で焼成し、比誘電率およびQf値を測定した。
また、純度99%以上のMgTiO粉末と、CaTiO粉末とを、モル比による(1−x)MgTiO・xCaTiOにおいてxが表2の値を満足するように秤量し、B粉末、アルカリ金属炭酸塩粉末(LiCO、NaCO、KCO)、SiO粉末、MnO粉末、さらにアルカリ土類酸化物粉末(MgO、CaO、SrO、BaO)を、表2に示す割合となるように秤量し、純水を媒体とし、ZrOボールを用いたボールミルにて20時間湿式混合した。
次にこの混合物を乾燥し、800℃で1時間仮焼し、この仮焼物を、粉砕粒径が1μm以下になるように粉砕した。この粉末とバインダー等を混練したスラリーをドクターブレード法にてグリーンシートを作製し、第2絶縁層成形体を作製した。一方、表2の組成物を所定形状に成形し、表2に示す温度で焼成し、比誘電率およびQf値を測定した。
この後、上記グリーンシートにビアホール導体を作製するための貫通孔を、上記第1、第2絶縁層成形体の所定の位置にパンチング等により作製し、Agを主成分とする導電性ペーストを貫通孔に充填し、所定形状の内部導体となる導体膜を印刷形成した。一方、最上層、最下層となる第1絶縁層成形体に、Agを主成分とする導電性ペーストを用いて、表面導体となる所定形状の導体膜を印刷形成し、乾燥させた。
最下層の第1絶縁層成形体の上面に、導電性ペーストが充填され、所定形状の導体膜が形成された第2絶縁層成形体を複数積層し、この後、最上層の第1絶縁層成形体を積層し、積層成形体を作製した。
この後、大気中400℃で脱バインダー処理し、さらに910℃で焼成し、図1に示すような回路基板を作製した。尚、絶縁層1a〜1gの厚みは0.15mmであり、回路基板の大きさは、縦10mm、横10mm、厚み1.2mmであった。
第1絶縁層、第2絶縁層に形成される共通結晶相(Mg,Ti)(BO)O(XRDパターンの主ピークは(201))と、それぞれの第1絶縁層、第2絶縁層に調合時から焼結後においても存在している成形体結晶相とのCuのKα線を用いたX線回折測定(XRD)による主ピーク強度比を測定した。尚、第1絶縁層中の結晶相は、主に、MgSiO、(Mg,Ti)(BO)O、MgTiOであり、第2絶縁層中の結晶相は、主に、MgTiO、(Mg,Ti)(BO)Oであった。
ここで、第2絶縁層の成形体結晶相はMgTiO(XRDパターンの主ピークは(104))、第1絶縁層の成形体結晶相はMgSiO(XRDパターンの主ピークは(211))である。
そして、第1絶縁層、第2絶縁層に形成される共通結晶相(Mg,Ti)(BO)Oの主ピーク強度I、Iと、第1絶縁層の成形体結晶相の主ピーク強度I、第2絶縁層の成形体結晶相の主ピーク強度Iとの強度比(I/I)、(I/I)を求め、表3に記載した。なお、表3の試料No.6、7は参考試料である。
また、作製された基板における反り、クラック、デラミネーション及び境界面での中間層の有無を、基板を研磨して金属顕微鏡及び走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより評価した。
尚、試料No.8では、第1絶縁層として、SiO70重量%とMgTiO30重量%からなるセラミックフィラーと、該セラミックフィラー100重量部に対して、Bを12重量部、LiCOを6重量部含有するガラス成分を添加して構成した。
Figure 0004467535
Figure 0004467535
Figure 0004467535
これらの表1〜3から、本発明の試料では、第1絶縁層では比誘電率が14以下で、10以下の試料(No.2、4〜7)もあり、しかもQf値が10000以上であり、第2絶縁層では比誘電率が19以上で、Qf値が22000以上であり、このような第1絶縁層と第2絶縁層とを同時焼成しても、反り、クラック、デラミネーションが発生していないことが判る。
これに対して、試料No.8では、第1絶縁層と第2絶縁層とに共通する共通結晶相が生成しておらず、これにより、同時焼成は可能であるものの、第1絶縁層と第2絶縁層との間に剥がれが発生した。
図3に、試料No.2における第1絶縁層と第2絶縁層のX線回折測定結果を記載した。この図3から明らかなように、第1絶縁層と第2絶縁層に共通結晶相である(Mg,Ti)(BO)Oが析出するとともに、第1絶縁層に、成形体結晶相としてMgSiOが、第2絶縁層に、成形体結晶相としてMgTiOが析出しており、I/Iが1.5、I/Iが0.7であることがわかる。共通結晶相である(Mg,Ti)(BO)Oは低温焼成可能であり、また、高いQ値を有するため、AgやAg合金、Cuを主成分とする導体と同時焼成でき、第1絶縁層および第2絶縁層の高Q値化を図ることができる。
セラミック回路基板の断面図を示す。 セラミック回路基板の層構成の例を示す説明図である。 試料No.2の第1絶縁層、第2絶縁層のX線回折結果を示す図である。
符号の説明
1a、1g・・・第1絶縁層
1b〜1f・・・第2絶縁層

Claims (1)

  1. 主結晶相が異なる第1絶縁層成形体および第2絶縁層成形体が積層された積層成形体を作製し、該積層成形体を焼成し、第1絶縁層および第2絶縁層が積層された回路基板を作製する回路基板の製法において、焼成することにより、前記第1絶縁層および第2絶縁層に、少なくとも1種以上の共通する共通結晶相を生成せしめ、前記第1絶縁層中に前記第1絶縁層成形体の主結晶相と同一の成形体結晶相を存在させ、前記第1絶縁層中の共通結晶相のX線回折測定におけるメインピーク強度I と、前記第1絶縁層中の成形体結晶相のX線回折測定におけるメインピーク強度I との強度比(I /I )を0.5以上とし、かつ、前記第2絶縁層中に前記第2絶縁層成形体の主結晶相と同一の成形体結晶相を存在させ、前記第2絶縁層中の共通結晶相のX線回折測定におけるメインピーク強度I と、前記第2絶縁層中の成形体結晶相のX線回折測定におけるメインピーク強度I との強度比(I /I )を0.5以上とすることを特徴とする回路基板の製法。
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