JP3934841B2 - 多層基板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は多層基板に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、強度の弱い絶縁層を強度の強い絶縁層で補強するためや回路基板の中に容量値の高いキャパシタを内蔵するために、絶縁層と、この絶縁層とは異なる材料からなる異種材料絶縁層を積層した回路基板が知られている(例えば、特開昭59−194493号公報参照)。このような回路基板では、磁器のクラックやデラミネーションを防止するために、絶縁層と異種材料絶縁層とは、焼成収縮率および熱膨張係数を一致させるように材料を決定していた。
【0003】
しかしながら、このような回路基板においては、クラックやデラミネーションを防止できるものの、焼成収縮率が大きいため、回路基板内に形成された電極のx−y方向における寸法精度が低くなるという問題があった。特に、近年においては、回路基板の小型薄型化のため、ますます電極のx−y方向における寸法精度が要求されている。
【0004】
そこで、近年においては、回路基板の積層成形体をAl2 O3 基板等で挟持して焼成する加圧焼成法(特開昭62−260777号公報参照)、回路基板の積層成形体の表面に、この積層成形体の焼成温度では焼結しないグリーンシートを積層し、焼成後にそれを削り取る方法(特開平4−243978号公報参照)が開示されている。
【0005】
しかしながら、上記した加圧焼成法では、Al2 O3 基板等により加圧する必要があり、そのための設備やAl2 O3 基板等が必要であった。また、未焼結グリーンシートを除去する方法では、製造工程が増加し、しかも、除去したグリーンシートは廃棄しなければならず、原料が無駄であった。
【0006】
この課題に対し、焼結開始温度或いは焼結終了温度が異なる2種以上のグリーンシートを積層・焼成することにより解決する方法(特開平10−308584号公報参照)が開示されている。本方法は、双方のグリーンシートが互いに他方のx−y方向の焼成収縮挙動を拘束するため、焼成中の基板の反り、クラック或いは歪みに関しては有効であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特開平10−308584号公報に開示された多層基板では、他の絶縁層と異種材料絶縁層に形成されたビアホール導体に関しては、他の絶縁層中の導体材料と、異種材料絶縁層中の導体材料は同一材料を用いていた。
【0008】
しかしながら、x−y方向の焼成収縮挙動を拘束するということは、z方向の焼成収縮挙動に収縮挙動を集約すること、即ち、他の絶縁層、異種材料絶縁層がz方向にそれぞれ大きく収縮することであり、同一材料の導体ではそもそもグリーンシートの収縮差があることに伴うビアホール導体の突出或いは凹み、更にはそれに伴う導通不良等が発生するという問題があった。例えば、内部配線とビアホール導体とが接続不良となったり、ビアホール導体が突出し、その突出量が大きい場合には、クラックやデラミネーションが発生するという問題があった。
【0009】
そして、複数の絶縁層の積層方向に連続してビアホール導体が形成されている場合には、上記のようなビアホール導体の突出或いは凹みが助長されるという問題があった。
【0010】
本発明は、このような課題を鑑み、異種材料の同時焼成に際して、クラックやデラミネーションを防止できるとともに、x−y方向における収縮率を容易にかつ安価に小さくでき、さらには、ビアホール導体の突出或いは凹み、それに伴う導通不良を抑制できる多層基板を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の多層基板は、複数の絶縁層を積層してなり、該複数の絶縁層のうち少なくとも1層が、他の絶縁層と異なる異種材料絶縁層であり、前記他の絶縁層と前記異種材料絶縁層とにそれぞれ金属とガラスとを含むビアホール導体を備え、前記他の絶縁層におけるビアホール導体のガラスと、前記異種材料絶縁層におけるビアホール導体のガラスとは異なるガラスであって、前記異種材料絶縁層におけるビアホール導体中のガラスは前記異種材料絶縁層の焼成収縮開始温度よりも低い軟化点を有し、前記他の絶縁層におけるビアホール導体中のガラスは前記他の絶縁層の焼成収縮開始温度よりも低い軟化点を有するとともに、前記異種材料絶縁層、前記他の絶縁層、前記異種材料絶縁層におけるビアホール導体および前記他の絶縁層におけるビアホール導体を同時焼成してあるものである。
【0012】
本発明の多層基板では、複数の絶縁層を積層してなり、該複数の絶縁層のうち少なくとも1層が、他の絶縁層と異なる異種材料絶縁層であるため、焼成収縮開始温度が他の絶縁層と異種材料絶縁層とでは異なり、例えば、異種材料絶縁層が収縮を開始する際には、他の絶縁層によりx−y方向における収縮が妨げられ、異種材料絶縁層が収縮を完了すると、この異種材料絶縁層により他の絶縁層のx−y方向における収縮が妨げられ、結果的に、焼成中におけるx−y方向の焼成収縮を抑制できる。
【0013】
また、他の絶縁層におけるビアホール導体と異種材料絶縁層におけるビアホール導体とを異なる材料で形成し、異種材料絶縁層におけるビアホール導体のガラスの軟化点を、異種材料絶縁層の焼成収縮開始温度よりも低温とし、他の絶縁層におけるビアホール導体のガラスの軟化点を、他の絶縁層の焼成収縮開始温度よりも低温とする等により、収縮挙動の不適合から起こるビアホール導体の突出等の不具合を解消できる。
【0014】
また、異種材料絶縁層、他の絶縁層のそれぞれの熱膨張係数と、異種材料絶縁層、他の絶縁層にそれぞれ形成されたビアホール導体の熱膨張係数差を11×10-6/℃以下、特に5×10-6/℃以下とすることにより、焼成温度からの冷却時におけるビアホール導体の突出等の不具合や、ビアホール導体近傍の異種材料絶縁層、他の絶縁層におけるクラックや、ビアホール導体と異種材料絶縁層、他の絶縁層との界面剥離を防止できる。
【0015】
即ち、先述の通り、x−y方向の焼成収縮挙動を拘束するということは、z方向の焼成収縮挙動に収縮挙動を集約することである。理想的には、異種材料絶縁層、他の絶縁層におけるz方向の収縮率を合わせられたらよいが、絶縁層は、その誘電特性、例えば誘電率、Q等に特徴を持たせる必要があり、且つ他の絶縁層と異種材料絶縁層とは熱膨張率が合致することが望ましい。そのような課題がある中で、焼成収縮挙動まで合致させることは困難である。その結果、基板焼成後にビアホール導体の突出或いは凹み、更にはそれに伴う導通不良等の問題が発生することになる。
【0016】
これを回避するために、他の絶縁層或いは異種材料絶縁層の各々と収縮挙動を合わせた別々の導体材料を適用する。ここでいう導体材料は、例えば、銅、銀或いはそれらを主成分とする合金(例えばAg−Pt)を金属成分とし、焼成収縮挙動及び熱膨張率を各々の絶縁体と合わせるために無機酸化物を添加したものである。
【0017】
各々の導体材料の収縮率を合わせる一般的方法として、(1)固形分比率を調整する、(2)金属粉末を調整する、(3)添加する無機酸化物の組成及び/又は配合量を調整する、の3通りが考えられるが、(1)は過度に溶剤量を増やすとグリーンシートに溶剤が浸透し、グリーンシートが破れる、(2)は粒径等を変更すれば充填性等、他の特性が劣化する、組成を変更(例えばAg−PtのPt比率を上げる)すれば導電率が低下する、といった問題があり、(3)の添加する無機酸化物の組成及び/又は配合量を調整することが最も好ましい方法である。
【0018】
一般に、銀や銅の熱膨張率はセラミック多層基板のそれに比べ大きいため、添加される無機酸化物として、熱膨張率の小さい金属酸化物が選択される。その際、焼成収縮挙動を合わせるためには、高温で流動性をもつガラスが好ましい。更に好ましくは、導体が接している他の絶縁層又は異種材料絶縁層の焼成収縮開始温度よりもガラスの軟化点は低温であることが好ましい。もし、本軟化点が低温で無ければ、基板が焼成収縮を開始した際に、まだ本ガラスは焼結抑制材としての機能しか果たせず、収縮挙動が合わないために前述の突起を発生させやすくなる。
【0019】
また、ガラスの酸塩基度は0.504以上が好ましい。酸塩基度の定義に関しては、特開平6−12911号公報に詳細が述べられているが、この発明で示されている導電性組成物は、配線パターン等に利用されるものであり、ビアホール導体に関しては特に説明されていない。ところが、本発明の様に複数の絶縁層を複合化する際には、ビアホール導体中に含有されるガラスも酸塩基度を配慮しなければ、変色等の問題をかかえてしまう。
【0020】
本発明の多層基板は、複数の絶縁層を積層してなり、該複数の絶縁層のうち少なくとも1層が、他の絶縁層と焼成収縮開始温度が異なる異種材料絶縁層であり、他の絶縁層が、MgTiO3 またはMgTiO3 −CaTiO3 を主成分とし、B、アルカリ金属、Si、アルカリ土類金属を含有するものが好ましい。
【0021】
ここで、異種材料絶縁層は、他の絶縁層と比誘電率が異なる材料からなり、かつ、アルミナ、シリカ、MgTiO3 、MgTiO3 −CaTiO3 から選ばれる1種と、結晶性ガラスとを含有することが望ましい。
【0022】
また、本発明の多層基板は、複数の絶縁層を積層してなり、該複数の絶縁層のうち少なくとも1層が、他の絶縁層と焼成収縮開始温度が異なり、かつ比誘電率が略同一の異種材料絶縁層であり、該異種材料絶縁層と前記他の絶縁層が、アルミナ、シリカ、MgTiO3 、MgTiO3 −CaTiO3 から選ばれる1種と、結晶性ガラスとを含有することによっても、上記したように、焼成中におけるx−y方向の焼成収縮を抑制できる。異種材料絶縁層の焼成収縮開始温度と、他の絶縁層の焼成収縮開始温度との差は20〜90℃であることが望ましい。
【0023】
また、他の絶縁層は、金属元素として少なくともMgおよびTiを含有し、これらのモル比による組成式を、
(1−x)MgTiO3 ・xCaTiO3
と表した時、前記xが0≦x≦0.2を満足する主成分と、該主成分100重量部に対して、BをB2 O3 換算で3〜20重量部、アルカリ金属をアルカリ金属炭酸塩換算で1〜10重量部、SiをSiO2 換算で0.01〜5重量部、アルカリ土類金属をアルカリ土類金属酸化物換算で0.1〜5重量部含有することが望ましい。
【0024】
他の絶縁層が、上記のように、MgTiO3 またはMgTiO3 −CaTiO3 を主成分とし、B、アルカリ金属、Si、アルカリ土類金属を含有する場合、特に、モル比による組成式を、(1−x)MgTiO3 ・xCaTiO3 と表した時、xが0≦x≦0.2を満足する主成分と、該主成分100重量部に対して、B、アルカリ金属、Si、アルカリ土類金属を所定量含有する場合には、他の絶縁層のQf値をそれほど低下させることなく、920℃以下の焼成温度で焼成できるとともに、焼成収縮開始温度を830℃以下にでき、Ag、Cu等の内部導体と同時焼成しても変形することがなく、さらに、Q値とその測定周波数との積で表される磁器のQf値を20000GHz以上、比誘電率を18以上とでき、このような他の絶縁層に共振回路等の高周波回路を形成することにより、優れた特性の回路を得ることができる。
【0025】
さらに、他の絶縁層と異種材料絶縁層の熱膨張係数差を小さくすることにより、特に2×10-6/℃以下とすることにより、ピーク焼成温度からの冷却時における材料の熱収縮挙動を一致させ、収縮のミスマッチをなくすことができ、クラックあるいはデラミネーションの発生を防止できる。
【0026】
さらに、複数の絶縁層からなる積層体の上下面に、該積層体を構成する他の絶縁層よりも比誘電率が低い材料から構成される異種材料絶縁層を形成することにより、異種材料絶縁層を挟む電極間に形成される容量が、他の絶縁層を挟む電極間に形成される容量よりも小さいため、異種材料絶縁層成形体に形成されたビアホール導体および配線導体と、接地導体等の導体の間における浮遊容量を抑制できる。
【0027】
異種材料絶縁層は、例えば、結晶性ガラス70〜100重量%と、アルミナ、シリカ、MgTiO3 、MgTiO3 −CaTiO3 から選ばれる1種0〜30重量%からなり、前記結晶性ガラスが、SiO2 40〜70重量%、CaO20〜35重量%、MgO11〜30重量%、Al2 O3 0.5〜10重量%、SrO0〜10重量%、ZnO0〜10重量%、TiO2 0〜10重量%、Na2 O0〜3重量%であることが望ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は本発明における多層基板の例を示すもので、この多層基板は、基板11と、この基板11の上下両表面に形成された表面導体12と、基板11の内部に形成された接地導体13と、内部導体15と、表面導体12と内部導体15を接続するビアホール導体14とから構成されている。
【0029】
基板11は、5層の絶縁層11a〜11eからなり、他の絶縁層11b、11c、11dを形成する材料の焼成収縮開始温度が、異種材料絶縁層11a、11eを形成する材料の焼成収縮開始温度と異なっている。
【0030】
図1の多層基板において、他の絶縁層11b〜11dは、MgTiO3 またはMgTiO3 −CaTiO3 を主成分とし、B、アルカリ金属、Si、アルカリ土類金属を含有するものであり、異種材料絶縁層11a、11eは、他の絶縁層11b〜11dよりも比誘電率が小さい材料からなるもので、アルミナ、シリカ、MgTiO3 、MgTiO3 −CaTiO3 から選ばれる1種と、結晶性ガラスとから形成されている。
【0031】
このように、他の絶縁層11b〜11dを、MgTiO3 またはMgTiO3 −CaTiO3 を主成分とし、B、アルカリ金属、Si、アルカリ土類金属を所定量含有する磁器とすることにより、Qf値が20000GHz以上で、920℃以下の焼成温度で焼成できるとともに、焼成収縮開始温度を830℃以下にでき、Ag、Cu等の内部導体と同時焼成しても変形することがなく、またビアホール導体の突出等の外観上の不具合もなく、比誘電率を18以上とできる。
【0032】
異種材料絶縁層11a、11eの焼成収縮開始温度と、他の絶縁層11b〜11dの焼成収縮開始温度との差は20〜90℃であることが望ましい。これは、焼成収縮開始温度差が20℃より小さくなると焼成における収縮挙動が一致するため、基板のx−y方向における収縮率が大きくなり、配線導体の寸法精度が悪くなるからであり、逆に90℃を超えると焼成収縮時において、他の絶縁層11b〜11dと異種材料絶縁層11a、11eの界面に応力歪みを生じ、基板が反る、歪む、あるいは界面で剥離する等の問題が生じ易くなるからである。とりわけ、収縮率低減と基板の反り、歪みの観点から、焼成収縮開始温度差は30〜60℃であることが望ましい。
【0033】
また、他の絶縁層11b〜11dと異種材料絶縁層11a、11eの熱膨張係数の差は2×10-6/℃以下であることが望ましい。これは、2×10-6/℃よりも大きくなると、焼成ピーク温度からの冷却時において熱収縮率の差が生じ、他の絶縁層11b〜11dと異種材料絶縁層11a、11eの界面に、クラックやデラミネーションを生じ易いからである。とりわけ、クラックやデラミネーションの観点から、熱膨張係数の差は1×10-6/℃以下が望ましい。
【0034】
そして、本発明の多層基板では、図1に示したように、ビアホール導体14は他の絶縁層11bにおけるビアホール導体14aと、異種材料絶縁層11aにおけるビアホール導体14bとから構成されている。
【0035】
また、ビアホール導体14a、14bは銀を主成分とし、収縮及び熱膨張率を基板と合わせるためにガラスを添加しているが、そのガラスの組成は異なる。
【0036】
ビアホール導体組成は、上記他の絶縁層11b〜11dと異種材料絶縁層11a、11eの焼成収縮開始温度及び熱膨張率と焼成時の収縮量を考慮して決定される。熱膨張率に関しては、使用される金属とガラスの体積分率で計算すればよい。ビアホール導体とそのビアホール導体が主に接している絶縁層との熱膨張係数差は11×10-6/℃以下であることが望ましい。即ち、ビアホール導体14bの熱膨張係数は、異種材料絶縁層11aの熱膨張係数よりも高いが、その差を11×10-6/℃以下とし、ビアホール導体14aの熱膨張係数は、他の絶縁層11bの熱膨張係数よりも高いが、その差を11×10-6/℃以下とすることが望ましい。この熱膨張係数は、5×10-6/℃以下であることが望ましい。
【0037】
これは、熱膨張係数差が11×10-6/℃よりも大きくなると焼成ピーク温度からの冷却時において熱収縮率の差が生じ、ビアホール導体近傍の絶縁層にクラックを生じ易いからである。また、ビアホール導体と絶縁層の界面剥離も生じ易いが、これは、界面接合に効果のある、例えばV2 O5 を添加することにより改善することができる。さらに、ビアホール導体14が凹み、内部導体15または表面導体12との接着不良となり易いからである。
【0038】
異種材料絶縁層11a、11eにおけるビアホール導体14b中のガラスの軟化点は、異種材料絶縁層11a、11eの焼成収縮開始温度よりも低温であり、他の絶縁層11b〜11dにおけるビアホール導体14a中のガラスの軟化点は、他の絶縁層11b〜11dの焼成収縮開始温度よりも低温とされている。
【0039】
収縮挙動の整合に関しては、添加するガラスの軟化点で制御する。上述の如く、異種材料絶縁層11a、11eの焼成収縮開始温度と、他の絶縁層11b〜11dの焼成収縮開始温度との差は20〜90℃であるため、その温度差程度の差をもつガラスをもちいればよい。
【0040】
即ち、異種材料絶縁層11a、11eの焼成収縮開始温度と、他の絶縁層11b〜11dの焼成収縮開始温度との差に、ビアホール導体14aとビアホール導体14b中のガラスの軟化点の差を近づけるように、例えば、ガラスの組成を設定する。
【0041】
ビアホール導体14は、例えば、Agおよび/またはCuを主成分とし、ガラスは、基板材料との収縮挙動を合わせ、見かけ上の熱膨張係数を合わせ、かつ導電率が低下しないようにするという理由から5〜25重量%を含有するものである。
【0042】
ガラスとしては、B2 O3 、Al2 O3 、SiO2 、ZnO、MgOを含むガラスや、BaO、CaO、B2 O3 、SiO2 を含む硼珪酸アルカリ土類金属塩ガラス等がある。
【0043】
また、他の絶縁層11b〜11dは、モル比による組成式を、(1−x)MgTiO3 ・xCaTiO3 と表した時、xが0≦x≦0.2を満足する主成分と、該主成分100重量部に対して、BをB2 O3 換算で3〜20重量部、アルカリ金属をアルカリ金属炭酸塩換算で1〜10重量部、SiをSiO2 換算で0.01〜5重量部、アルカリ土類金属をアルカリ土類金属酸化物換算で0.1〜5重量部含有するものが望ましい。
【0044】
ここで、xを0≦x≦0.2としたのは、xが0.2モルを越える場合には共振周波数の温度係数τfがプラス側に大きくなりすぎてしまうからである。とりわけ誘電体磁器の共振周波数の温度係数τfの観点からはxは0.03≦x≦0.13が好ましい。
【0045】
また、主成分100重量部に対して、BをB2 O3 換算で3〜20重量部含有したのは、Bが3重量部未満の場合には1100℃でも焼結せず、AgまたはCuを主成分とする導体と同時焼成ができなくなり、逆に20重量部を越える場合には焼結体中のガラス相の割合が増加してQ値が低下するからである。よって、焼結性を維持し、高いQ値を得るという観点からB2 O3 換算で5〜15重量部含有することが望ましい。B含有化合物としては、金属硼素、B2 O3 、コレマイト、CaB2 O4 、ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸アルカリガラス、ホウケイ酸アルカリ土類ガラス等がある。
【0046】
また、アルカリ金属をアルカリ金属炭酸塩換算で1〜10重量部含有したのは、1重量部未満の場合には1100℃でも焼結せず、AgまたはCuを主成分とする導体と同時焼成ができなくなり、逆に10重量部を越える場合には結晶相が変化してQ値が低下するからである。誘電体磁器のQ値の観点から4〜9重量部が望ましい。アルカリ金属としてはLi、Na、Kを例示することができ、この中でもLiが特に望ましい。アルカリ金属含有化合物としては、上記アルカリ金属の炭酸塩、酸化物等を例示することができる。
【0047】
さらに、SiをSiO2 換算で0.01〜5重量部含有したのは、含有量が0.01重量部未満の場合には、誘電体磁器の焼結過程における焼成収縮開始温度が約840℃と高く、添加効果が得られないからである。一方、5重量部を越えると比誘電率εrあるいはQ値が低下するからである。誘電体磁器の比誘電率εrあるいはQ値の観点から0.5〜3重量部が望ましい。Si含有化合物としてはSiO2 、MgSiO3 等がある。
【0048】
また、アルカリ土類金属をアルカリ土類金属酸化物換算で0.1〜5重量部含有するものである。これらが0.1重量部未満の場合には誘電体磁器の焼結過程における焼成収縮開始温度が830℃よりも高く、添加効果が得られない。一方、5重量部を越えると誘電体磁器の共振周波数の温度係数τfがプラス側に大きくなりすぎてしまう。とりわけ誘電体磁器の焼結性と共振周波数の温度係数τfの観点からは0.5〜3.5重量部が好ましい。アルカリ土類金属としては、Mg、Ca、Sr、Baがあり、このなかでもBaが望ましい。アルカリ土類金属含有化合物としては、上記アルカリ金属の炭酸塩、酸化物等を例示することができる。
【0049】
さらに、焼結性を改善する点から、主成分100重量部に対して、MnをMnO2 換算で0.1〜3重量部含有することが望ましい。MnをMnO2 換算で0.1〜3重量部含有せしめたのは、0.1重量部よりも少ない場合にはその添加効果がなく、さらに3重量部よりも多い場合には誘電特性が悪化するからである。MnはMnO2 換算で1.2〜1.8重量部含有することが望ましい。
【0050】
異種材料絶縁層は、結晶性ガラス70〜100重量%と、セラミック粒子0〜30重量%とからなり、結晶性ガラスがSiO2 40〜70重量%、CaO20〜35重量%、MgO11〜30重量%、Al2 O3 0.5〜10重量%、SrO0〜10重量%、ZnO0〜10重量%、TiO2 0〜10重量%、Na2 O0〜3重量%を含有し、セラミック粒子がアルミナ、シリカ、MgTiO3 、MgTiO3 −CaTiO3 から選ばれる1種以上からなることが望ましい。この異種材料絶縁層の比誘電率は6〜8である。
【0051】
異種材料絶縁層を上記のような組成とすることにより、MgTiO3 またはMgTiO3 −CaTiO3 を主成分とし、B、アルカリ金属、Si、アルカリ土類金属を含有する他の絶縁層との間の焼成収縮開始温度差を20〜90℃の範囲内とすることができる。
【0052】
以上のように構成された多層基板は、例えば、先ず、複数の絶縁層成形体を積層した積層成形体を作製する。この積層成形体を構成する複数の絶縁層成形体のうち少なくとも1層については、他の絶縁層成形体との焼成収縮開始温度の差が20〜90℃異なる異種材料絶縁層成形体とする。
【0053】
積層成形体は、ドクターブレード法等により作製されたグリーンシートを積層することにより作製したり、また、セラミックペーストを順次塗布することにより作製したり、さらに、セラミックペーストを塗布、光硬化、現像等を繰り返すいわゆるフォトリソグラフィー技術を用いて作製したりすることができる。
【0054】
具体的には、先ず、例えば、他の絶縁層と異種材料絶縁層となるグリーンシートを作製する。例えばグリーンシートは、所定のセラミック粉末(ガラス−セラミック粉末)と有機バインダーと有機溶剤及び必要に応じて可塑剤とを混合し、スラリー化する。このスラリーを用いてドクターブレード法などによりテープ成形を行い、所定寸法に切断しグリーンシートを作製する。
【0055】
次に、内部導体と表面導体間、あるいは内部導体間を接続するビアホール導体となる貫通孔をグリーンシートの所定の位置にパンチング等により作製する。
【0056】
ビアホール用導電性ペーストは金属粉末、ガラス、有機ビヒクル及び有機溶剤を混合し、ペースト化する。この際、ビアホール用導電性ペーストは他の絶縁層と異種材料絶縁層それぞれに対して準備する。
【0057】
本導電性ペーストを内部側の他の絶縁層となるグリーンシートの貫通孔に充填するとともに、そのグリーンシート上に所定形状の内部導体となる導体膜を印刷形成する。
【0058】
次に異なる導電性ペーストを用いて、表層の異種材料絶縁層となるグリーンシートの貫通孔に充填するとともに、そのグリーンシート上に所定形状の表面導体となる導体膜を印刷形成する。
【0059】
このようにして得られたグリーンシートを積層順序に応じて積層し、積層成形体を形成して、一体的に焼成する。以上の製造工程によって多層基板は製造される。
【0060】
以上のように構成された多層基板では、焼成収縮開始温度が異なる他の絶縁層11b〜11dと異種材料絶縁層11a、11eを同時焼成するため、焼成収縮開始温度が低い異種材料絶縁層11a、11eが収縮を開始する際には、他の絶縁層11b〜11dによりx−y方向における収縮が妨げられ、異種材料絶縁層11a、11eが収縮を完了すると、この異種材料絶縁層11a、11eにより他の絶縁層11b〜11dのx−y方向における収縮が妨げられ、結果的に、焼成中におけるx−y方向の焼成収縮を抑制でき、内部導体15の寸法精度を向上できる。
【0061】
さらに、図1の多層基板では、他の絶縁層11b〜11dの比誘電率を、上下の異種材料絶縁層11a、11eの比誘電率よりも高くできるため、容量値の大きなキャパシタを形成することができ、低誘電率の異種材料絶縁層11a、11eを形成することにより、表面導体12やビアホール導体14と接地導体13の間に生じる浮遊容量を軽減することができる。
【0062】
また、他の絶縁層11b〜11dにおけるビアホール導体14aと異種材料絶縁層11a、11eにおけるビアホール導体14bとを異なる材料で形成することにより、収縮挙動の不適合から起こるビアホール導体14の突出等の不具合を解消できる。
【0063】
また、異種材料絶縁層11a、11e、他の絶縁層11b〜11dのそれぞれの熱膨張係数と、これらの異種材料絶縁層11a、11eおよび他の絶縁層11b〜11dにそれぞれ形成されたビアホール導体14a、14bの熱膨張係数差を11×10-6/℃以下とすることにより、焼成温度からの冷却時におけるビアホール導体14の突出等の不具合や、ビアホール導体14近傍の異種材料絶縁層11a、11e、他の絶縁層11b〜11dにおけるクラックや、ビアホール導体14a、14bと異種材料絶縁層11a、11e、他の絶縁層11b〜11dとの界面剥離を防止できる。
【0064】
また、本発明の多層基板では、複数の絶縁層を積層してなり、該複数の絶縁層のうち少なくとも1層が、他の絶縁層と焼成収縮開始温度が異なり、かつ比誘電率が略同一の異種材料絶縁層であり、該異種材料絶縁層と他の絶縁層が、アルミナ、シリカ、MgTiO3 、MgTiO3 −CaTiO3 から選ばれる1種以上と、結晶性ガラスとを含有して構成されていても良い。
【0065】
【実施例】
先ず、MgTiO3 またはMgTiO3 −CaTiO3 を主成分とし、B、アルカリ金属、Si、アルカリ土類金属を含有する磁器について検討した。
【0066】
原料として純度99%以上の、MgTiO3 粉末、CaTiO3 粉末とを、モル比による(1−x)MgTiO3 ・xCaTiO3 においてxが表1の値を満足するように秤量し、また、B2 O3 粉末、アルカリ金属炭酸塩粉末(Li2 CO3 、Na2 CO3 、K2 CO3 )、SiO2 粉末、MnO2 粉末、さらにアルカリ土類酸化物粉末(MgO、CaO、SrO、BaO)を、表1に示す割合となるように秤量し、純水を媒体とし、ZrO2 ボールを用いたボールミルにて20時間湿式混合した。次にこの混合物を乾燥(脱水)し、800℃で1時間仮焼した。
【0067】
この仮焼物を、粉砕粒径が1.0μm以下になるように粉砕し、誘電特性評価用の試料として直径10mm、高さ8mmの円柱状に1ton/cm2 の圧力でプレス成形し、これを表2に示す温度で3時間焼成し、直径8mm、高さ6mmの円柱状の試料を得た。
【0068】
誘電特性の評価は、前記試料を用いて誘電体円柱共振器法にて周波数8GHzにおける比誘電率とQ値を測定した。Q値と測定周波数fとの積で表されるQf値を表2に記載した。さらに、−40〜+85℃の温度範囲における共振周波数の温度係数τf〔ppm/℃〕を測定した。その結果を表2に記載した。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
これらの表1、2から、比誘電率が18〜20、Qf値が20000GHz以上、かつ、共振周波数の温度係数τfが±40ppm/℃以内の優れた誘電特性を有するとともに、760〜830℃で焼結収縮が開始し、920℃以下で焼成が可能な優れた焼結性を有していることが判る。
【0072】
尚、表1のアルカリの欄において、Li、Na、Kと記載したが、これはLi2 CO3 、Na2 CO3 、K2 CO3 の意味であり、また、アルカリ土類の欄において、Mg、Ca、Sr、Baと記載したが、これは、MgO、CaO、SrO、BaOの意味である。さらに、表1の試料No.4、5については、Mg/Ti、Ca/Ti比がそれぞれ1.1、0.9の原料粉末を用いた。
【0073】
次に、本発明者等は、他の絶縁層として、上記表1の試料を用い、また、異種材料絶縁層として、SiO2 52重量%、CaO25重量%、MgO18重量%、Al2 O3 5重量%からなる結晶性ガラスと、SiO2 からなるセラミック粒子の重量比を変えることにより、焼成収縮開始温度の異なる材料を得た。
【0074】
他の絶縁層原料粉末、異種材料絶縁層原料粉末に、それぞれに有機バインダー、有機溶剤を添加したスラリーをドクターブレード法により薄層化し、グリーンシートを作製し、他の絶縁層成形体、異種材料絶縁層成形体を作製した。
【0075】
この後、ビアホール導体を作製するための貫通孔を他の絶縁層成形体、異種材料絶縁層成形体の所定の位置にパンチング等により0.2mm径の孔を穿孔し、これらの貫通孔にAgとガラスからなる導電性ペーストを貫通孔に充填した。Agとガラスの重量比は、Ag80重量%、ガラス20重量%とし、ガラスをB2 O3 、Al2 O3 、SiO2 、ZnO、MgOから構成し、表3に示すようにガラスの組成を変化させ、ガラスの軟化点、熱膨張係数を変化させた。次に、絶縁層成形体、異種材料絶縁層成形体に、所定形状の内部導体となる導体膜を印刷形成した。
【0076】
一方、最上層、最下層となる異種材料絶縁層成形体に、表面導体となるAgからなる導電性ペーストを用いて所定形状の導体膜を印刷形成し、乾燥させた。
【0077】
導電性ペーストが充填され、所定形状の導体膜が形成された絶縁層成形体を複数積層するとともに、最上層および最下層に表面導体となる導体膜を形成した異種材料絶縁層成形体を積層した積層成形体を作製した。
【0078】
この後、大気中400℃で脱バインダー処理し、さらに表2に示す温度で焼成し、図1に示すような多層基板を作製した。尚、絶縁層11a〜11eの厚みは0.15mmであり、回路基板の大きさは、縦10mm、横10mm、厚み0.75mmであった。
【0079】
尚、積層成形体と焼成後の多層基板に対して、所定のポイント間の長さを測定することにより、基板の収縮率を測定した。また、基板におけるクラック、デラミネーションの有無を基板を研磨して、金属顕微鏡で観察することにより評価した。さらに、基板を断面を金属顕微鏡で観察し、測微計で計測することにより、表面電極12の突出量を測定し、ビアホール導体14の突出量とした。
【0080】
また、他の絶縁層と異種材料絶縁層を形成する材料にワックスを添加し、10ton/cm2 プレスすることにより圧粉体を形成し、熱機械分析(TMA)により材料の焼成収縮開始温度、熱膨張係数を評価した。その結果を表4、5に記載した。
【0081】
【表3】
【0082】
【表4】
【0083】
【表5】
【0084】
表3〜5から、本発明の多層基板は収縮率が0.3〜7.0と小さく、焼成におけるクラックやデラミネーションの発生しないことがわかる。また、ビアホール導体の突出量も0.025mm以下であり、問題ないことが判る。一方、他の絶縁層と異種材料絶縁層におけるビアホール導体を同一材料から形成した試料No.11では、デラミネーションが発生することが判る。
【0085】
【発明の効果】
本発明の多層基板では、複数の絶縁層と焼成収縮開始温度の異なる異種材料絶縁層を一体焼成することにより、基板の収縮率を低減できる。また、前記絶縁層と異種材料絶縁層の間の熱膨張係数差を小さくすることにより、クラックやデラミネーションの生じない基板を得ることができる。さらに、絶縁層の比誘電率を異種材料絶縁層の比誘電率よりも高くすることにより、基板に内蔵する回路の小型化ができ、かつ、電極間に生じる浮遊容量が小さい多層基板を得ることができる。
【0086】
そして、本発明の多層基板では、異種材料絶縁層、他の絶縁層、異種材料絶縁層におけるビアホール導体および他の絶縁層におけるビアホール導体を同時焼成し、他の絶縁層におけるビアホール導体のガラスと異種材料絶縁層におけるビアホール導体のガラスとを異なるガラスにするとともに、異種材料絶縁層におけるビアホール導体中のガラスを異種材料絶縁層の焼成収縮開始温度よりも低い軟化点を有するものにし、他の絶縁層におけるビアホール導体中のガラスを他の絶縁層の焼成収縮開始温度よりも低い軟化点を有するものにすることより、収縮挙動の不適合から起こるビアホール導体の突出等の不具合を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層基板の断面図を示す。
【符号の説明】
11b〜11d・・・他の絶縁層
11a、11e・・・異種材料絶縁層
Claims (9)
- 複数の絶縁層を積層してなり、該複数の絶縁層のうち少なくとも1層が、他の絶縁層と異なる異種材料絶縁層であり、前記他の絶縁層と前記異種材料絶縁層とにそれぞれ金属とガラスとを含むビアホール導体を備え、前記他の絶縁層におけるビアホール導体のガラスと、前記異種材料絶縁層におけるビアホール導体のガラスとは異なるガラスであって、前記異種材料絶縁層におけるビアホール導体中のガラスは前記異種材料絶縁層の焼成収縮開始温度よりも低い軟化点を有し、前記他の絶縁層におけるビアホール導体中のガラスは前記他の絶縁層の焼成収縮開始温度よりも低い軟化点を有するとともに、前記異種材料絶縁層、前記他の絶縁層、前記異種材料絶縁層におけるビアホール導体および前記他の絶縁層におけるビアホール導体を同時焼成してあることを特徴とする多層基板。
- 前記異種材料絶縁層の焼成収縮開始温度と、前記他の絶縁層の焼成収縮開始温度との差が20〜90℃であり、前記他の絶縁層の焼成収縮開始温度が前記異種材料絶縁層の焼成収縮開始温度より高いことを特徴とする請求項1記載の多層基板。
- ビアホール導体は複数の絶縁層の積層方向に連続して形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の多層基板。
- 前記異種材料絶縁層におけるビアホール導体中のガラスの軟化点と、前記他の絶縁層におけるビアホール導体中のガラスの軟化点との差が20〜90℃であり、前記他の絶縁層におけるビアホール導体中のガラスの軟化点が前記異種材料絶縁層におけるビアホール導体中のガラスの軟化点より高いことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の多層基板。
- 前記異種材料絶縁層、前記他の絶縁層のそれぞれの熱膨張係数と、前記異種材料絶縁層、前記他の絶縁層にそれぞれ形成されたビアホール導体の熱膨張係数との差が11×10−6/℃以下であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれかに記載の多層基板。
- 前記他の絶縁層が、MgTiO3またはMgTiO3−CaTiO3を主成分とし、B、アルカリ金属、Si、アルカリ土類金属を含有することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれかに記載の多層基板。
- 前記異種材料絶縁層は、前記他の絶縁層と比誘電率が異なる材料からなり、かつ、アルミナ、シリカ、MgTiO3、MgTiO3−CaTiO3から選ばれる1種以上と、結晶性ガラスとを含有することを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれかに記載の多層基板。
- 前記他の絶縁層が、金属元素として少なくともMgおよびTiを含有し、これらのモル比による組成式を、
(1−x)MgTiO3・xCaTiO3
と表した時、前記xが0≦x≦0.2を満足する主成分と、該主成分100重量部に対して、BをB2O3換算で3〜20重量部、アルカリ金属をアルカリ金属炭酸塩換算で1〜10重量部、SiをSiO2換算で0.01〜5重量部、アルカリ土類金属をアルカリ土類金属酸化物換算で0.1〜5重量部含有する原料を焼成したものであることを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれかに記載の多層基板。 - 前記異種材料絶縁層におけるビアホール導体および前記他の絶縁層におけるビアホール導体の少なくとも一方にさらにV 2 O 5 が含まれていることを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれかに記載の多層基板。
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