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JP4463575B2 - 複写防止媒体及び複写防止媒体用ラベル - Google Patents

複写防止媒体及び複写防止媒体用ラベル Download PDF

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JP4463575B2 JP2004020089A JP2004020089A JP4463575B2 JP 4463575 B2 JP4463575 B2 JP 4463575B2 JP 2004020089 A JP2004020089 A JP 2004020089A JP 2004020089 A JP2004020089 A JP 2004020089A JP 4463575 B2 JP4463575 B2 JP 4463575B2
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Description

本発明は、印刷等によって表示された所定の情報を、複写機によって複写することを困難にする複写防止媒体及び複写防止媒体用ラベルに関するものである。
複写防止媒体とは、例えば、機密事項や個人情報等のように、不特定の第三者に漏洩することを防止すべき情報が、印刷等によって表示された文書やカード等の媒体において、これらの情報の複写機による複写を防止可能なものをいう。
従来、複写を防止する技術として、特許文献1には、紙の基材上に、例えば、「VOID」の文字等の警告マークを、ファインスクリーンを用いて設け、この警告マークが通常は目視できないように、このファインスクリーンよりも大きい背景トーンスクリーン(カムフラージュスクリーン)を警告マークの上方から基材の全面に形成することが記載されている。そして、情報は、このようにして形成された原紙の表面に印刷等によって表示される。
これによれば、複写像には、情報に相当する画像に重畳して警告マークが表示されることになる。
しかし、この場合、予め警告マーク等の複写防止処理を施した紙基材を印刷用原紙として形成し、その後、この原紙に、例えば、書類の内容や金券の表示といった情報を印刷、印字等しているから、複写した際に複写を防止すべき情報を含めた全ての情報が複写再生されてしまう。
また、複写防止を必要とする所定の情報の表示部を警告マークと適宜重畳させて位置決めすることは煩雑であるから、複写時にこの表示部の情報を欠落させることが困難であった。
更に、情報の表示部が多数ある場合には、複写像上に出現する警告マークを識別しにくくなることがあった。
同じく複写を防止する技術として、可視光によっては透視が困難であるが、紫外線によれば容易に透視可能なシート(ブラックシートとも称される。)を、複写を防止すべき情報の表示部に添付する技術が公知となっている。この技術によれば、複写機によるこの情報の複写は困難となり、複写防止を図ることができる。また、特定情報の表示部にこのシートを添付する簡単な工程によって複写防止を図ることができる。
しかし、この場合は、原紙にシートを添付後、原本の特定情報を目視によって再度確認するためには紫外線照射装置等を使用しなければならず、煩雑である。
なお、複写防止媒体に関するものではないが、本発明に関連する技術として、特許文献2には、液晶表示装置(LCD)の背面光源に用いる光拡散シートの製造方法が記載されている。しかし、この技術を複写防止媒体に適用することは記載されておらず、また、これを示唆する記載もない。
特開昭53−142237号公報 特開平 5−169015号公報
本発明の課題は、所定の情報の複写を防止し、かつこの情報を目視によって容易に視認できる複写防止媒体及び複写防止媒体用ラベルを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態及び実施例に対応する符号を付して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
請求項1の発明は、複写から保護すべき情報(3)を表示する情報表示層と、多角形柱状に形成され、その側面のうち、第1の面(10)及び第2の面(11)を前記情報表示層に対向させて設けられた複数のプリズム(7)を配列してなるプリズム層と、前記プリズム(7)の第1の面(10)及び第2の面(11)にそれぞれ接し、このプリズム(7)よりも低い屈折率を有する低屈折率層(8)とを有し、所定の範囲の角度から前記プリズム(7)に入射する複写機の原稿照射光がこのプリズム(7)内を通過して前記第1の面(10)に入射する入射角が、この第1の面(10)における臨界角よりも大きくなるように第1の面(10)を配置し、前記情報は、複写から保護すべき情報(3)と、複写から保護不要な情報(5)とを含むものであり、前記複写から保護不要な情報(5)に相当する範囲において、前記プリズム(7)の第1の面(10)と、このプリズム(7)と隣接する他のプリズム(7)の第2の面(11)との間に、前記低屈折率層(8)よりも屈折率が大きい透明又は着色透明の充填材料(9)を充填したことを特徴とする複写防止媒体である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の複写防止媒体において、前記第1の面(10)で全反射し、前記プリズム(7)内を通過して前記第2の面(11)に入射する前記原稿照射光の入射角が、この第2の面(11)における臨界角よりも大きくなるように、前記第1の面(10)及び第2の面(11)を配置したことを特徴とする複写防止媒体である。
請求項の発明は、請求項1又は請求項2に記載の複写防止媒体において、前記充填材料(9)の屈折率は、前記プリズム(7)の材料の屈折率に対し、±0.2以内であることを特徴とする複写防止媒体である。
請求項の発明は、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の複写防止媒体において、前記プリズム(7)の前記第1の面(10)と第2の面(11)とがなす角度が、80°から100°であることを特徴とする複写防止媒体である。
請求項の発明は、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の複写防止媒体において、前記複写から保護すべき情報(3)は、この情報の表示色と背景色とが略同等の反射率を有することを特徴とする複写防止媒体である。
請求項の発明は、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の複写防止媒体において、前記複写から保護すべき情報(3)は、黒色系の表示色によって、赤褐色又は茶褐色系の色を背景色として表示されることを特徴とする複写防止媒体である。
請求項7の発明は、複写から保護すべき情報(3)を表示する情報表示層と、多角形柱状に形成され、その側面のうち、第1の面(10)及び第2の面(11)を前記情報表示層に対向させて設けられた複数のプリズム(7)を配列してなるプリズム層と、前記プリズム(7)の第1の面(10)及び第2の面(11)にそれぞれ接し、このプリズム(7)よりも低い屈折率を有する低屈折率層(8)とを有し、所定の範囲の角度から前記プリズム(7)に入射する複写機の原稿照射光がこのプリズム(7)内を通過して前記第1の面(10)に入射する入射角が、この第1の面(10)における臨界角よりも大きくなるように第1の面(10)を配置し、前記複写から保護すべき情報(3)は、この情報の表示色と背景色とが略同等の反射率を有することを特徴とする複写防止媒体である。
請求項8の発明は、剥離性処理が施された保護シート(14)と、多角形柱状に形成され、その側面のうち、第1の面(10)及び第2の面(11)を前記保護シート(14)に対向させて設けられた複数のプリズム(7)を配列してなるプリズム層と、前記プリズム(7)の第1の面(10)及び第2の面(11)にそれぞれ接し、このプリズム(7)よりも低い屈折率を有する低屈折率層(8)とを有し、所定の範囲の角度から前記プリズム(7)に入射する複写機の原稿照射光がこのプリズム(7)内を通過して前記第1の面(10)に入射する入射角が、この第1の面(10)における臨界角よりも大きくなるように第1の面を配置し、前記プリズム層の一部の範囲において、前記プリズム(7)の第1の面(10)と、このプリズム(7)と隣接する他のプリズム(7)の第2の面(11)との間に、前記低屈折率層(8)よりも屈折率が大きい透明又は着色透明の充填材料(9)を充填したことを特徴とする複写防止媒体用ラベルである。
請求項9の発明は、請求項8に記載の複写防止媒体用ラベルにおいて、前記第1の面(10)で全反射し、前記プリズム(7)内を通過して前記第2の面(11)に入射する前記原稿照射光の入射角が、この第2の面(11)における臨界角よりも大きくなるように、前記第1の面(10)及び第2の面(11)を配置したことを特徴とする複写防止媒体である。
請求項10の発明は、請求項8又は請求項9に記載の複写防止媒体用ラベルにおいて、前記充填材料(9)の屈折率は、前記プリズム(7)の材料に対し、±0.2以内であることを特徴とする複写防止媒体用ラベルである。
請求項11の発明は、請求項8から請求項10までのいずれか1項に記載の複写防止媒体用ラベルにおいて、前記プリズム(7)の前記第1の面(10)と第2の面(11)とがなす角度が、80°から100°であることを特徴とする複写防止媒体用ラベルである。
なお、請求項8から請求項11の各複写防止媒体用ラベルは、保護シートを除去し、保護すべき情報が表示された添付対象物に貼着することによって、それぞれ請求項1から請求項にそれぞれ相当する複写防止媒体を得ることができるものである。
以上説明したように、本発明によれば、以下のような効果がある。
(1) 所定の範囲からプリズムに入射する原稿照射光が第1の面に入射する入射角が臨界角よりも大きいから、複写機の読取ヘッドから照射される照射光のうち、所定の入射角の成分は、プリズムの第1の面において全反射する。そして、この全反射光の少なくとも一部は第2の面において反射し、複写機の読取ヘッドに入射して情報の複写像を判読困難とし、複写を防止できる効果がある。一方、前記所定の範囲以外の視角から複写防止媒体を見た場合には、プリズム層は透明に見えるので、情報を容易に目視することができる効果がある。
(2) 第1の面において全反射した複写光の全てが、第2の面においても全反射して複写機の読取ヘッドに照射されることによって、情報の複写像をより判読困難とし、より効果的に複写を防止できる効果がある。
(3) 複写から保護不要な情報に相当する範囲において、プリズムの第1の面と、隣接する他のプリズムの第2の面との間に、低屈折率層よりも屈折率が大きい透明又は着色透明の充填材料を充填したから、これらの第1の面及び第2の面においては、臨界角が大きくなり、全反射が生じにくくなる。したがって、複写から保護不要な情報に対しては、上述した複写防止効果は生じず、必要箇所のみ複写防止機能を持たせることができる。
本発明は、所定の情報の複写を防止しかつこの情報を可視光によって容易に目視することができる複写防止媒体等を提供するという目的を、複写から保護すべき情報を表示する表示層を備える、例えば、紙、フィルム、カード等の表示体と、側面のうち第1の面及び第2の面を表示体に対向させて設けられた複数の三角柱状プリズムを配列したプリズムシートと、三角柱状プリズムの第1の面及び第2の面にそれぞれ接する空気層とを有し、所定の範囲の角度から三角柱状プリズムに入射する複写機の原稿照射光がこの三角柱状プリズム内を通過して第1の面に入射する入射角がこの第1の面における臨界角よりも大きくなるように第1の面を配置することによって実現した。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態をあげて、更に詳しく説明する。
なお、本明細書において、複写防止媒体とは、プリズムシートを被保護情報が表示された表示体に適用した状態のものをいい、複写防止媒体用ラベルとは媒体に貼着する前の状態であって、ラベルの粘着剤又は接着剤が塗布された面が、剥離性加工を施した保護紙やフィルム等のシートによって被覆されている状態のものをいうものとする。
このような複写防止媒体としては、例えば、機密情報や個人情報といった、複写されて第三者に漏洩することを防止すべき情報が表示された文書等や、カード等をあげることができる。
<各実施例に共通する実施形態について>
図1は、本発明を適用した複写防止媒体の一実施形態の要部斜視断面図である。
この実施形態の複写防止媒体は、表面に文字や写真等の画像情報が印刷等によって表示された複写防止媒体である表示体1と、この表示体1の表示面上に添付されるプリズムシート2とを有して構成されている。
表示体1の表示面には、複写を防止することが要求される被保護情報3が所定の箇所に印刷されており、これらの情報が表示される範囲以外の範囲には、複写を防止することが要求されない保護不要情報5が印刷されている。
被保護情報3、保護不要情報5は、例えば、凸版印刷、オフセット印刷の印刷機による印刷のほか、熱転写プリンタ、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ等による印刷によって表示される。また、印刷以外の方法でもよく、手書きや、写真を添付するようにしてもよい。
また、被保護情報3は、例えば、機密事項に属する文書、氏名、名称、住所、カード番号、暗証番号等の文字情報の他、図面、絵柄、写真等の画像情報であってもよい。
なお、被保護情報3が文字情報である場合には、文字情報の表示色(フォント色)と、その背景色とが略同等の反射率を有することが好ましい。このような色の組み合わせの一例として、例えば、表示色を黒系の色とし、背景色を赤褐色又は茶褐色系の色にするとよい。
一方、プリズム層であるプリズムシート2は、透明な材料によって形成された平坦膜状の基材フィルム6(図2参照)と、この基材フィルムの表示体1側の面に沿って並列に設けられた多角形柱状プリズムの一例である複数の三角柱状プリズム7とを有する。なお、本明細書において、多角形柱状のプリズムとは、その長手方向に直交する横断面が多角形となっているプリズムをいうものとする。
図2は、被保護情報3の表示範囲上における、本実施形態の複写防止媒体の拡大断面図である。図2に示すように、三角柱状プリズム7の横断面形状は、例えば、略直角二等辺三角形状である。そして、三角柱状プリズム7の、横断面形状のうち直角二等辺三角形の底辺に相当する側面は基材フィルム6の表示体1側の面に接し、他の2つの側面は、表示体1の表面に対して、例えば、それぞれ約45°傾斜して対向している。
ここで、基材フィルム6の材料としては、特に制約はないが、加工性が優れていることから、高分子フィルムを用いることが好ましい。このような高分子フィルムの素材のプラスチックとしては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂等を使用することができる。また、液晶材料を使用することもできる。
この基材フィルム6は、ある程度の厚さを有するほうが加工時の取り扱いが容易になる反面、厚みが大きすぎると表示体1に印刷等された情報の視認性が低下する。そこで、基材フィルム6の厚みは、例えば、12μmから100μm程度の範囲内であることが好ましく、更には、例えば、15μmから50μm程度の範囲内であるとより好ましい。
三角柱状プリズム7は、本実施形態の場合には、直線状に形成されている。そして、三角柱状プリズム7は、基材フィルム6の全面にわたって複数設けられ、これらは相互に隣接するか、又は微小な間隔を有して略平行に配列されている。
三角柱状プリズム7の材料としては、特に制約はないが、加工性に優れていることから、樹脂材料を用いることが好ましく、また、プリズムとして機能する光学特性を備えるため、透明又は着色透明であり、後述する低屈折率層よりも大きい屈折率を有することが要求される。なお、本実施形態のプリズムシート2の製造方法については後に詳述するが、この方法を適用する場合には、三角柱状プリズム7の材料は、紫外線硬化型の電離放射線硬化性樹脂液を硬化させたものを使用することが好ましい。
このような樹脂として、例えば、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー又は単量体を、単独又は混合して用いることができる。
このようなプレポリマー、オリゴマーとしては、例えば、不飽和ジカルボン酸と多値アルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、エポキシ樹脂、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート類等が挙げられる。
また、単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシメチル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル等の不飽和の置換アミノアルコールエステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等の多官能性化合物、ビニルピロリドン又は分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコール等が挙げられる。
特に、三角柱状プリズム7を、紫外線硬化型樹脂液に紫外線を照射し、硬化させて形成する場合には、上述した電離放射線硬化性樹脂である紫外線硬化型樹脂液に光重合開始剤を添加してもよく、また光増感剤を添加してもよい。
光重合開始剤として、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラ−ベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルメウラムモノサルファイド、チオキサントン類を用いることができる。
また、光増感剤として、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を混合して用いることができる。
また、後述する製造方法によって三角柱状プリズム7を形成する場合には、その材料である電離放射線硬化性樹脂液の粘度は、5000cps以下にすることが好ましく、特に1000cps以下とするとより好ましい。また、三角柱状プリズム7を着色透明にする場合には、電離放射線硬化性樹脂液の硬化を阻害しない染料を添加してもよい。
また、三角柱状プリズム7の基材フィルム6表面からの高さは、例えば、1μmから100μm程度にすることが好ましく、5μmから25μm程度にすることがより好ましい。この高さが、1μm以下では、回折現象が生じて複写防止効果が損なわれ、また、100μm以上であると、表示体に貼着して複写防止媒体としたときに厚みが大きくなりすぎるからである。
そして、三角柱状プリズム7の側面と、隣接する他の三角柱状プリズム7の側面との間は、表示体1の被保護情報3に相当する範囲においては、空間部が形成され、この空間部内が三角柱状プリズム7の材料よりも屈折率が低い低屈折率層としての空気層8となっている。
一方、三角柱状プリズム7の側面と、隣接する他の三角柱状プリズム7の側面との間は、表示体1の保護不要情報5に相当する範囲においては、透明又は半透明の充填材料が充填された充填樹脂層9が形成されている。図3は、被保護情報3の表示範囲と、保護不要情報5に相当する範囲との境界部における複写防止媒体の拡大断面図である。
ここで、充填樹脂層9の材料は、透明又は着色透明であって、少なくとも低屈折率層(本実施形態の場合には空気層8)よりも屈折率が高く、好ましくは三角柱状プリズム7との屈折率の差が±0.2以内、より好ましくは±0.1以内であるとよい。特に、三角柱状プリズム7の材料と略同じ屈折率を有することが好ましい。充填樹脂層9と三角柱状プリズム7との界面における屈折が小さくなり、違和感なく透視することができるからである。
例えば、充填樹脂層の材料として、屈折率が略1.4〜1.6程度となる各種高分子樹脂を用いることができる。例えば、ポリブチルアクリレート(屈折率1.44)、ポリエチルアクリレート(屈折率1.47)、ポリメチルアクリレート(屈折率1.47)、ポリn−ブチルメタクリレート(屈折率1.48)、ポリメチルメタクリレート(屈折率1.49)、ポリ酢酸ビニル(屈折率1.47)、ポリプロピレン(屈折率1.49〜1.50)、ポリエチレン(屈折率1.5〜1.55)、ポリカーボネート(屈折率1.58)、ポリスチレン(屈折率1.59〜1.60)、ポリエチレンテレフタレート(屈折率1.64)、ポリ塩化ビニル(屈折率1.54)、ポリ塩化ビニリデン(屈折率1.60〜1.63)等を単独で、あるいは混合して、充填樹脂層9の材料として用いることができる。
このような高分子樹脂を、印刷法によって充填する場合は、顔料又は染料等の着色剤をほとんど又は全く含まないビヒクルのみからなるメジュームインキを用いて印刷することができる。また、この高分子樹脂を着色する場合は、適宜染料又は顔料を使用するとよい。印刷方法として、例えば、シルクスクリーン印刷又はグラビア印刷を用いることができる。充填は、三角柱状プリズム7の間に形成される谷部を、三角柱状プリズム7の基材フィルム6からの高さが最大となる稜線まで満たされるように、均一に充填することが好ましいが、多少空気等の異物が残留していても、本発明の効果は発揮することができる。
そして、この印刷のときに、プリズムシート2上において、樹脂を充填する範囲と、充填しない範囲とのパターンが形成される。
そして、上述したプリズムシート2を、例えば、粘着剤又は接着剤によって、表示体1に貼着することによって、複写防止媒体が完成する。
また、プリズムシート2に、透明又は着色透明の粘着剤又は接着剤を塗布し、その塗布面に粘着剤等の乾燥、化学変化又は汚染等を防止するための保護シートを貼着することによって、複写防止媒体用のラベルが完成する。
このようなラベルを用いると、保護シートを除去し、複写から保護すべき情報が表示された所望の表示体に貼着することによって、複写防止媒体を得ることができる。なお、プリズムシート2と表示体1、又はプリズムシート2と保護シートとの貼着方法については、後述する実施例において詳しく説明する。
このような粘着剤又は接着剤として、例えば、天然ゴム、再生ゴム、SBR等のエラストマー及び低分子量あるいは中程度の分子量の粘着付与剤、酸化防止剤などの混合物を溶剤で希釈し、溶液溶剤として用いることができる。
また、熱可塑性エラストマーを用いる場合は、加熱して溶融した状態でプリズムシートに塗布することができる。
さらに、光及び酸化に対する抵抗性が必要な場合は、例えば、アクリレートコポリマーやポリイソブチレン等の材料を使用することができる。
さらにまた、粘着剤又は接着剤として、ホットメルト型のヒートシール剤を用いてもよい。なお、これらを印刷法によって塗布する場合は、特に印刷適性を考慮する必要がある。
なお、これらの粘着剤又は接着剤を塗工する厚さは、例えば、1μmから50μm程度である。
<プリズムシートの製造方法及び製造装置について>
次に、上述した複写防止媒体及び複写防止媒体用ラベルに用いられるプリズムシート2の製造方法及び製造装置について説明する。
この製造方法は、充填工程と、接触工程と、硬化工程と、密着工程と、剥離工程とを有して構成されている。
充填工程は、円筒状のロール凹版の表面に形成され、三角柱状プリズム7の雌型として機能する凹部に、三角柱状プリズム7の材料である電離放射線硬化性樹脂液を充填する工程である。
接触工程は、凹部に電離放射線硬化性樹脂液が充填されたロール凹版の表面に、基材フィルム6を供給し、基材フィルム6をロール凹版上に巻きつけることによって、基材フィルム6と、電離放射線硬化性樹脂液とを接触させる工程である。
硬化工程は、基材フィルム6と接触した電離放射線硬化性樹脂液を、電離放射線を照射することによって硬化させ、半硬化物とする工程である。
密着工程は、基材フィルム6と電離放射線硬化性樹脂液又はこれが硬化した樹脂とを、押圧することによって密着させる工程である。なお、この工程は上述した硬化工程と同時に行われる場合がある。この点については後に詳述する。
剥離工程は、基材フィルム6及びこれに密着して形成された硬化済みの電離放射線硬化性樹脂(三角柱状プリズム7)を、凹版ロールから剥離させる工程である。
次に、上述した各工程に用いられるプリズムシートの製造装置について説明するとともに、各工程についてより詳細に説明する。図4は、プリズムシート2の製造装置の構成を示す図である。図4に示すように、この製造装置は、ロール凹版101と、塗工装置102と、溶剤乾燥装置103と、押圧ロール104と、硬化装置105と、送りロール106と、送りロール107と、硬化装置108とを有して構成されている。以下、各部について詳述する。
ロール凹版101は、円柱状又は円筒状に形成され、その外周面に、三角柱状プリズム7を成型するための雌型として機能する凹部109が形成されている。凹部109は、ロール凹版101の軸方向に沿って延在するV字型断面の溝であって、ロール凹版101の外周面の全面に分布して形成されている。この凹部は、例えば、ロール凹版101の外周面に備えられた版材を、旋盤等の機械加工装置によって切削加工したり、又は電鋳法を用いて型づけしたりすることによって形成される。なお、本実施形態においては、凹部109は、ロール凹版101の軸方向に沿って延在しているが、これに限らず、ロール凹版101の周方向に沿って延在するようにしてもよく、また、ロール凹版101の周方向に対して斜行するようにしてもよい。
塗工装置102は、三角柱状プリズム7の材料である電離放射線硬化性樹脂液110をロール凹版101の外周面に塗布し、凹部109内に充填する機能を有するものである。塗工装置102は、ロール凹版101の外周面に対向して設けられ、具体的には、例えば、ノズル塗工装置として構成される。ノズル塗工装置は、Tダイ状に構成され、所定方向の長方形又は線状の吐出口を備える。そして、この吐出口の長手方向は、ロール凹版101の軸方向と略平行に配置されている。この塗工装置は、ロール凹版101の表面の軸方向幅のうち、所定の幅部分かつ、ロール凹版101の周上所定の位相上の表面にのみ、電離放射線硬化性樹脂液110を吐出するようになっている。なお、この電離放射線硬化性樹脂液110の塗工厚さは、後述する密着工程において基材フィルム6をロール凹版110に押圧したときに、凹部109内に電離放射線硬化性樹脂液110が十分に充填されかつ余剰とならないように設定される。
溶剤乾燥装置103は、ロール凹版101の外周面に塗布された電離放射線硬化性樹脂液110が含有する溶剤を揮発させるための装置である。具体的には、溶剤乾燥装置103として、温風ヒータや、赤外線ヒータ等を用いることができる。この溶剤乾燥装置103を設けることによって、溶剤型の電離放射線硬化性樹脂液110を用いることができ、使用する樹脂の選択の幅を広げることができる。また、溶剤型の電離放射線硬化性樹脂液を用いると、樹脂を希釈する溶剤の量によって、樹脂液の流動性を調整することができる。なお、電離放射線硬化性樹脂液110として、無溶剤型のものを用いる場合には、この溶剤乾燥装置103は不要となる。
押圧ロール104は、円筒状又は円柱状に形成されたローラであって、その軸方向をロール凹版101と平行に配置されている。押圧ロール104は、ロール凹版101が自転したときに、押圧ロール104の表面の速度がロール凹版101の表面の速度と略同じになるように同期して回転するようになっている。そして、プリズムシート2の基材フィルム6は、図示しない供給装置から押圧ロール104に供給され、押圧ロール104の自転に従動してロール凹版101の表面に接し、その後押圧ロール104から離脱してロール凹版101の表面に沿い、その自転に従動して走行する。
硬化装置105は、基材フィルム6と接触し、ロール凹版101に随伴して走行する電離放射線硬化性樹脂液に対し、電離放射線を照射する電離放射線源を有する。
ここで、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子のうち、分子を重合又は架橋することができるエネルギー粒子を有するものをいう。この電離放射線として、例えば、紫外線又は電子線等を用いることができる。紫外線を用いる場合には、電離放射線源として、例えば、超高圧水銀灯、ブラックライトランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ等の光源を用いることができる。
なお、本実施形態の場合には、硬化装置105のほかに、基材フィルム6の走行方向前方側にも、後述する別の硬化装置108が設けられている。そして、硬化工程を多段化して硬化物の歪みや、基材フィルム6のカールを防止するため、硬化装置105は、電離放射線硬化性樹脂液110を完全に硬化させず、いわゆる半硬化物110aとするに留め、硬化装置108によって完全に硬化させるようにしている。したがって、硬化装置105においては、少なくとも電離放射線硬化性樹脂液110の流動性を失わせ、かつ、基材フィルム6との密着性を生じさせる程度に硬化させれば足りる。
また、本実施形態の場合には、硬化装置はロール凹版101の外部に設けられているが、ロール凹版を、例えば、石英、ガラス等の電離放射線の透過性がよい材質によって円筒状に形成した場合には、ロール凹版の内径側に硬化装置を設けてもよい。
送りロール106は、ロール凹版101と軸方向を平行させて設けられた円筒状又は円柱状のローラであり、その外周面の一部をロール凹版101に当接させて設けられている。
硬化装置105による電離放射線の照射される範囲を通過し、ロール凹版101に随伴して走行してきた基材フィルム6及び半硬化物110aは、ここでロール凹版101から剥離され、送りロール106の周上の一部に沿って走行後、後述する別の送りロール107までの間、平面状に走行する。
送りロール107は、送りロール106に対して離間しかつ軸方向を平行に配列された円筒状又は円柱状のロールである。送りロール107は、その外周面を送りロール106から離れて平面状に走行してくる基材フィルム6の、半硬化物110aが付着していない側の面に当接し、基材フィルム6の走行方向を転換させる。
硬化装置108は、上述した硬化装置105と同様な電離放射線源を備え、送りロール107の表面に沿って走行している基材フィルム6上に形成された半硬化物110aに対し、電離放射線を照射し、半硬化物110aを十分に硬化させ、三角柱状プリズム7を完成させる。なお、この硬化装置108によって半硬化物110aを硬化させる間、基材フィルムは硬化装置105を通過するときとは逆の方向にカールしている。このため、各硬化装置105、108を通過する際にそれぞれ基材フィルム6につけられる「巻き癖」が相殺され、完成品であるプリズムシート2のカールが防止される。
次に、本実施形態の複写防止媒体における複写防止の原理について説明する。図5は、本実施形態の複写防止媒体の三角柱状プリズム7であって、表示体1側の2面の側面がそれぞれ低屈折率層としての空気層8に接しているものに対し、複写機の読取ヘッドから照射される照射光が、複写防止媒体の法線方向から入射した場合の光線の軌跡を示す図である。
図5に示すように、プリズムシート2の基材フィルム6側の表面から入射し、基材フィルム6及び三角柱状プリズム7内を伝播して、三角柱状プリズム7の側面のうち、表示体1に対向する第1の面10に入射する入射角をθ1とする。なお、入射角とは、媒質の境界面(この場合には、三角柱状プリズム7と空気層8との界面)の法線方向と、光線の入ってくる方向とのなす角度をいう。そして、この入射角θ1が、第1の面10における臨界角θtよりも大きい場合には、照射光はこの第1の面において全反射し、空気層8には入射しない。なお、臨界角θtは、低屈折率としての空気層8の屈折率をa、三角柱状プリズム7の屈折率をbとすると、θt=arcsin(a/b)として表される。
したがって、三角柱状プリズム7の材料及びその第1の面が表示体1の表面に対してなす角度は、上述した全反射を生じさせることを考慮して設定される。例えば、三角柱状プリズム7を屈折率1.5の材料によって形成した場合、空気層の屈折率は1であるから、臨界角θt=41.8°となる。本実施形態の場合、例えば、複写防止媒体の法線方向から入射する複写機の照射光の第1の面への入射角は略45°であるから、この照射光は第1の面10において全反射し、その反射光は表示体1の表面と略平行に第2の面11に向かって三角柱状プリズム7内を伝播する。
そして、第1の面10において全反射した反射光の第2の面11への入射角も略45°となる。この入射角もまた上述した臨界角よりも大きいため、第2の面11においても全反射が生じ、この反射光は、複写防止媒体の略法線方向に反射される。
以上のように、本実施形態によれば、複写機から照射される照射光のうち所定の方向の成分は、第1の面及び第2の面においてそれぞれ全反射し、表示体1の、被保護情報3の表示面に到達することなく複写機の読取ヘッドに入射されるから、複写機による表示体1上の被保護情報3の複写を防止することができるという利点がある。このとき、複写像は、鏡面を複写した場合と同様となり、例えば、モノクロ複写機の場合には黒色化する。
なお、複写機の照射光は通常散乱光であり、複写防止媒体へ入射する照射光は様々な方向の成分が含まれており、その一部は第1の面において全反射を生ずることなく、プリズムシート2を透過して表示体1の表面に達することがあり得る。そして、表示体1の表面における反射光もまた散乱光である場合には、表示体1の表面からの反射光が読取ヘッドに入射し得るから、被保護情報3であっても複写像が形成されることはあり得る。しかし、上述した全反射光が同時に読取ヘッドに入射することによって、複写像は極めて判読し難いものとなる。
また、図5においては、複写機から入射した光線が第1の面及び第2の面においてそれぞれ全反射する場合について示したが、少なくとも第1の面において全反射が生ずれば、第2の面では全反射ではなく、一部が反射し、他部が表示体1側に透過する場合であっても、この反射光が読み取りヘッドに入射することによって、複写の防止を図ることができる利点がある。
一方、表示体1上の保護不要情報5に相当する範囲においては、充填樹脂層9が三角柱状プリズム7の第1の面10及び第2の面11に接していることによって、上述した全反射が防止され、複写機から照射された照射光は、第1の面10を透過して充填樹脂層9内を伝播し、表示体1の表面に到達する。表示体1の表面に到達した照射光は、散乱光として反射し、その一部が複写機の読取ヘッドに入射する。これによって、保護不要情報5は、複写機によって正常に複写される。また、同一の表示体上に複写から保護すべき情報と保護不要な情報とが混在する場合であっても、必要箇所についてのみ複写防止を図ることができるという利点がある。また、このような範囲においては、あらゆる視角から、情報を視認することができる。
また、表示体1に表示された被保護情報3を目視によって確認する場合、その視角が第1の面における臨界角θtよりも小さくなる角度範囲から目視すれば、上述した全反射は生じず、容易に目視することができるという利点がある。
更に、文字情報の表示色と背景色とが略同等の反射率を有するようにしたから、モノクロ複写機において、仮にプリズムシート2によって複写防止効果が十分に得られなかった場合であっても、複写像において文字情報が背景に隠滅しやすく、複写防止の万全を図ることができる。特に、表示色を黒色系、背景色を赤褐色又は茶褐色系の色とした場合には、複写像が黒色化しやすくなり、高い複写防止効果が得られる。
次に、上述した本発明の実施形態における、より詳細な実施例について説明する。
図6は、本発明の複写防止媒体の実施形態における実施例1に係るIDカードの外観斜視図である。図6に示すように、表示層を備えた表示体であるカード1aは、略矩形のプレート上に形成されている。カード1aの表示層には、複写から防止することを要求される被保護文字情報3aと、被保護者画像情報3bとが印刷によって表示されている。そして、これらの情報以外の範囲に、保護不要情報5が表示されている。そして、プリズムシート2は、カード1aの全面にわたって設けられ、その被保護文字情報3a及び被保護画像情報3b以外の範囲全体にわたって、充填樹脂層9が形成されている。
図7は、図6のIDカードの拡大断面図である。また、図7は、図6のIDカードに用いられる複写防止媒体用ラベルの拡大断面図である。本実施例においては、基材フィルム6として、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用い、ウレタンアクリレート系の紫外線硬化型樹脂液を、上述した製造方法によって成型し、硬化させることによって、第1の面10と第2の面11とがなす角度(頂角)が90°かつ、基材フィルム上からの高さが25μmの、直角二等辺三角形状断面を有する三角柱状プリズム7を形成してプリズムシート2とした。
次に、カード1上の保護不要情報5に相当する範囲に対応する三角柱状プリズム7間の谷部(凹部)を埋めるように、シルクスクリーン印刷法を用いて、充填樹脂層9として透明なアクリル系インキ(東洋インキ株式会社製「SS8−800メジューム」)の充填を行った。
次に、プリズムシート2の支持体として機能する厚さ25μmのPETフィルム12に、粘着剤であるポリエステル系のヒートシール剤13を、厚さ5μmの層状に塗布した。そして、上述したアクリル系インキを印刷済みのプリズムシート2の、三角柱状プリズム7が形成された側の面と、ヒートシール剤13を塗布されたPETフィルム12の面とを、ラミネート加工によって貼着した。ラミネートは、ロール温度150℃、速度0.8m/minの条件で行った。更に、紙の表面にシリコーン加工による剥離処理を施した保護シートである保護紙14に粘着剤15を塗布して、図8に示すように、上述したPETフィルム12の、プリズムシート2とは反対側の面に貼着し、複写防止媒体用ラベルを作製した。
そして、この複写防止媒体用ラベルから保護紙を除去し、カード1の、個人名を含む被保護文字情報3a及び被保護画像情報3bが表示されている箇所を、プリズムシート2の充填樹脂層9がない範囲によって覆うように貼着し、複写防止媒体であるIDカードとした。
このIDカードを、目視によって観察すると、IDカードの正面(法線方向)及び、三角柱状プリズム7の長手方向に直交する軸を中心として視角を傾けた状態においては、IDカードの表面は鏡面のように見え、個人名を目視することはできなかった。
これに対し、IDカードの法線方向から、三角柱状プリズム7の長手方向と平行する軸を中心として視角を徐々に傾けつつ観察すると、当初は鏡面のように見えるが、ある視角を境にして個人名を視認できるようになった。
そして、このIDカードの個人名が表示されている箇所を複写機によって複写を試みたところ、プリズムシート2において、充填樹脂層がない範囲に相当する箇所は複写像上で黒色化しており、個人名を視認することはできなかった。
図9は、本発明の複写防止媒体の実施形態における実施例2に係るIDカードの拡大断面図である。また、図10は、本実施例の複写防止媒体に用いられる複写防止媒体用ラベルの拡大断面図である。なお、以下説明する各実施例においては、上述した実施例1と共通する箇所については同じ参照番号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
本実施例においては、三角柱状プリズム7の、基材フィルム6の表面からの最大高さを15μmとした。そして、プリズムシート2の外縁部における三角柱状プリズム7間の谷部に、実施例1の透明なアクリル系インキに代えて、透明なポリエステル系ホットメルトインキ(試作インキ)をグラビア印刷法によって充填し、これを充填樹脂層9とした。この際、ホットメルトインキのインキパンを加熱して、インキが溶融状態を保つようにした。
この充填樹脂層9に、支持体として、厚さ25μmのPETフィルム12を直接ラミネート加工によって貼着した。したがって、本実施例の場合には、実施例1におけるヒートシール剤13に相当する層は存在しない。なお、本実施例のように、充填樹脂層9の材料が粘着財又は接着剤を兼ねる場合には、その材料には、充填樹脂層として要求される屈折率及び、所望の粘着力又は接着力を具備する必要がある。
そして、図10に示すように、保護紙14に粘着剤15を塗布して、このPETフィルム12の、プリズムシート2とは反対側の面に貼着し、複写防止媒体用ラベルを作製した。
そして、この複写防止媒体用ラベルから保護紙を除去し、カード1aの表面にプリズムシート2を貼着し、IDカードとした。
このIDカードを、実施例1と同様に目視し、また複写を試みたところ、実施例1と同様の結果が得られた。
以上のように、本実施例によれば、充填樹脂層9に充填された接着剤又は粘着剤によってPETフィルム12とプリズムシート2とを貼着しているので、上述した実施例1に対し、構成が簡単化される利点がある。
図11は、本発明の複写防止媒体の実施形態における実施例3に係るIDカードの拡大断面図である。
図11に示すように、本実施例においては、充填樹脂層9の材料として、実施例2と同様に、粘着剤又は接着剤を用い、かつその塗工厚さを、塗工範囲における三角柱状プリズム7の間の谷部を充填し、更にその上に所定の厚さの粘着剤又は接着剤層16が形成されるようにしたことを特徴とする。
そして、本実施例の複写防止媒体に用いられる複写防止媒体用ラベルは、図示はしないが、粘着剤又は接着剤層16の表面に保護紙を貼着して構成されている。また、本実施例のIDカードは、図10に示すように、粘着剤又は接着剤層16の表面に、直接カード1aを貼着して構成されている。したがって、本実施例に使用する粘着剤又は接着剤は、充填樹脂層の材料に要求される屈折率を具備し、かつ塗布後所定の時間にわたって粘着性又は接着性を維持するものが要求される。
以上のように、本実施例によれば、実施例1と同様の効果を奏することに加え、支持体としてのPETフィルム12及び、カード1aとPETフィルム12とを貼着するための粘着剤又は接着剤が不要となるので、構成がより簡単化される利点がある。
図12は、本発明の複写防止媒体の実施形態における実施例4に係るIDカードの拡大断面図である。図12に示すように、本実施例は、実施例1と同様にして充填樹脂層9を形成済みのプリズムシート2を準備し、粘着剤又は接着剤層17をプリズムシート2の三角柱状プリズム7側の面の全面にわたって設けたことを特徴とする。この場合、例えば、保護紙14側に粘着剤又は接着剤を塗布してからプリズムシート2に貼着してもよいし、また、プリズムシート2側に粘着剤又は接着剤を塗布してから、保護紙14に貼着してもよい。これによって、本実施例の複写防止媒体用ラベルが形成される。そして、上述した各実施例と同様に、保護紙14を除去し、粘着剤又は接着剤層17をカード1aの表面に貼着することによって、本実施例のIDカードが形成される。本実施例においても、実施例1と同様の効果を奏することができる。
なお、上述した実施例においては、三角柱状プリズム7の断面形状は略二等辺三角形であるが、これに限らず、他の形状であってもよい。例えば、単なる二等辺三角形や、直角三角形、これらいずれにも該当しない三角形であっても、所定の入射角からの複写機の照射光を全反射する条件さえ満たしていれば、本発明の効果を奏することができる。
例えば、図13に示すように、三角柱状プリズムの断面形状を二等辺ではない直角三角形状とし、その斜辺が基材フィルムに接するようにしてもよい。この場合、全反射を生じる光線の入射角の範囲は上述した実施例から変化する。しかし、通常複写機の照射光は拡散光であるから様々な方向の成分を有し、所定の角度から入射した照射光の成分は全反射を生じるから、複写防止が図られる。また、三角形以外の断面形状を有する多角形柱状プリズムを用いてもよい。また、上述した各実施例においては、三角柱状プリズム7は直線状に形成されているが、湾曲した形状であってもよい。
また、上述した実施例においては、低屈折率層を空気層としたが、空気以外の気体や、液体、個体の材料であっても、透明性を有しかつその屈折率が、プリズムの材料に対し、上述した全反射を生じさせる条件を満たす程度に低いものであれば、低屈折率層として用いることができる。また、低屈折率層内を真空としてもよい。
なお、本発明の複写防止媒体及び複写防止媒体用ラベルは、特定の視角からのみ目視可能という特性を有するから、複写防止用途に限らず、横からの覗き見防止、標識、広告等に用いることもできる。この場合、充填樹脂層を、例えば、ロゴや絵柄上に形成すると、所定の視角からのみこれらのロゴ等が見えるようになり、意匠効果も奏することができる。
本発明による複写防止媒体の一実施形態の拡大斜視断面図である。 図1の複写防止媒体の、被保護情報の表示範囲上における拡大断面図である。 図1の複写防止媒体の、被保護情報の表示範囲と保護不要情報の表示範囲との境界部における拡大断面図である。 本実施形態のプリズムシートの製造装置の構成を示す図である。 本実施形態における複写防止の原理を示す図である。 実施例1のIDカードの外観斜視図である。 図6のIDカードの拡大断面図である。 図6のIDカードに用いられる複写防止媒体用ラベルの拡大断面図である。 本発明による複写防止媒体の実施例2に係るIDカードの拡大断面図である。 図9のIDカードに用いられる複写防止媒体用ラベルの拡大断面図である。 本発明による複写防止媒体の実施例3に係るIDカードの拡大断面図である。 本発明による複写防止媒体の実施例4に係るIDカードの拡大断面図である。 本発明による複写防止媒体の他の実施形態であって、三角柱状プリズムの断面形状を二等辺ではない直角三角形状としたものの拡大断面図である。
符号の説明
1 表示体
1a カード
2 プリズムシート
3 被保護情報
3a 被保護文字情報
3b 被保護者写真情報
5 保護不要情報
6 基材フィルム
7 三角柱状プリズム
8 空気層
9 充填樹脂層
10 第1の面
11 第2の面
12 PETフィルム
13 ヒートシール剤
14 保護紙
15 粘着剤
16 粘着剤又は接着剤層
101 ロール凹版
102 塗工装置
103 溶剤乾燥装置
104 押圧ロール
105 硬化装置
106 送りロール
107 送りロール
108 硬化装置
109 凹部
110 電離放射線硬化性樹脂液
110a 半硬化物

Claims (11)

  1. 複写から保護すべき情報を表示する情報表示層と、
    多角形柱状に形成され、その側面のうち、第1の面及び第2の面を前記情報表示層に対向させて設けられた複数のプリズムを配列してなるプリズム層と、
    前記プリズムの第1の面及び第2の面にそれぞれ接し、このプリズムよりも低い屈折率を有する低屈折率層とを有し、
    所定の範囲の角度から前記プリズムに入射する複写機の原稿照射光がこのプリズム内を通過して前記第1の面に入射する入射角が、この第1の面における臨界角よりも大きくなるように第1の面を配置し
    前記情報は、複写から保護すべき情報と、複写から保護不要な情報とを含むものであり、
    前記複写から保護不要な情報に相当する範囲において、前記プリズムの第1の面と、このプリズムと隣接する他のプリズムの第2の面との間に、前記低屈折率層よりも屈折率が大きい透明又は着色透明の充填材料を充填したこと
    を特徴とする複写防止媒体。
  2. 請求項1に記載の複写防止媒体において、
    前記第1の面で全反射し、前記プリズム内を通過して前記第2の面に入射する前記原稿照射光の入射角が、この第2の面における臨界角よりも大きくなるように、前記第1の面及び第2の面を配置したこと
    を特徴とする複写防止媒体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の複写防止媒体において、
    前記充填材料の屈折率は、前記プリズムの材料の屈折率に対し、±0.2以内であること
    を特徴とする複写防止媒体。
  4. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の複写防止媒体において、
    前記プリズムの前記第1の面と第2の面とがなす角度が、80°から100°であること
    を特徴とする複写防止媒体。
  5. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の複写防止媒体において、
    前記複写から保護すべき情報は、この情報の表示色と背景色とが略同等の反射率を有すること
    を特徴とする複写防止媒体。
  6. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の複写防止媒体において、
    前記複写から保護すべき情報は、黒色系の表示色によって、赤褐色又は茶褐色系の色を背景色として表示されること
    を特徴とする複写防止媒体。
  7. 複写から保護すべき情報を表示する情報表示層と、
    多角形柱状に形成され、その側面のうち、第1の面及び第2の面を前記情報表示層に対向させて設けられた複数のプリズムを配列してなるプリズム層と、
    前記プリズムの第1の面及び第2の面にそれぞれ接し、このプリズムよりも低い屈折率を有する低屈折率層とを有し、
    所定の範囲の角度から前記プリズムに入射する複写機の原稿照射光がこのプリズム内を通過して前記第1の面に入射する入射角が、この第1の面における臨界角よりも大きくなるように第1の面を配置し、
    前記複写から保護すべき情報は、この情報の表示色と背景色とが略同等の反射率を有すること
    を特徴とする複写防止媒体。
  8. 剥離性処理が施された保護シートと、
    多角形柱状に形成され、その側面のうち、第1の面及び第2の面を前記保護シートに対向させて設けられた複数のプリズムを配列してなるプリズム層と、
    前記プリズムの第1の面及び第2の面にそれぞれ接し、このプリズムよりも低い屈折率を有する低屈折率層とを有し、
    所定の範囲の角度から前記プリズムに入射する複写機の原稿照射光がこのプリズム内を通過して前記第1の面に入射する入射角が、この第1の面における臨界角よりも大きくなるように第1の面を配置し
    前記プリズム層の一部の範囲において、前記プリズムの第1の面と、このプリズムと隣接する他のプリズムの第2の面との間に、前記低屈折率層よりも屈折率が大きい透明又は着色透明の充填材料を充填したこと
    を特徴とする複写防止媒体用ラベル。
  9. 請求項8に記載の複写防止媒体用ラベルにおいて、
    前記第1の面で全反射し、前記プリズム内を通過して前記第2の面に入射する前記原稿照射光の入射角が、この第2の面における臨界角よりも大きくなるように、前記第1の面及び第2の面を配置したこと
    を特徴とする複写防止媒体用ラベル。
  10. 請求項8又は請求項9に記載の複写防止媒体用ラベルにおいて、
    前記充填材料の屈折率は、前記プリズムの材料の屈折率に対し、±0.2以内であること
    を特徴とする複写防止媒体用ラベル。
  11. 請求項8から請求項10までのいずれか1項に記載の複写防止媒体用ラベルにおいて、
    前記プリズムの前記第1の面と第2の面とがなす角度が、80°から100°であること
    を特徴とする複写防止媒体用ラベル。
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