JP4453194B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、吹出モードを自動制御することが可能な車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、冬場において、車両のエンジン起動時には、車両用空調装置のヒータコア(暖房用熱交換器)内を流れる温水温度が低いため、車室内を充分に暖房することができない。このため、エンジン起動後に温水温度が徐々に上昇していき、乗員にとって暖房感が得られる程度の温水温度(例えば35℃)まで上昇すると、送風機を起動するようにしている。そして、温水温度がさらに上昇していくと、温水温度に合わせて、空調風の送風量が決定されるようになっている。このように、暖房始動後、空調風の吹出温度が上昇する過程の空調制御をウォームアップ制御という。
【0003】
そして、上述のウォームアップ制御時における暖房感の向上を目的として、特開平11−157324号公報では、吹出モードを次のように自動制御する車両用空調装置が提案されている。
【0004】
すなわち、上記ウォームアップ制御時において、その制御初期時には空調風の吹出温度が非常に低いので、乗員の上半身に向けて空調風を送風すると、寒さを感じる。そのため、上記従来装置では、ウォームアップ制御の初期時は乗員の上半身に向けて空調風を送風しないフットモードとし、その後、空調風の吹出温度の上昇に伴って吹出モードをバイレベルモードへ切り替えることにより、できるだけ早く乗員の手を温めるようにしている。
【0005】
そして、空調風の吹出温度が更に上昇すると、バイレベルモードから再度、フットモードに切り替えることにより、フェイス吹出口から車室内上方側への温風吹出を停止するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ウォームアップ制御時にバイレベルモードを採用すると、フェイス吹出口から車室内上方側への温風吹出が発生するので、どうしても乗員顔部の火照り感による不快感が発生しやすい。そこで、上記従来装置では、吹出モードをバイレベルモードから再度、フットモードに切り替える時期を、空調風の吹出温度と相関関係がある温水温度の他に、日射量、内気温、外気温等の環境条件をも考慮して決定することにより、火照り感による不快感の抑制を図っている。
【0007】
しかし、本発明者の実験検討によると、上記環境条件は乗員の温感を間接的に表す情報であるので、上記環境条件の検出結果に基づいてバイレベルモードからフットモードへの切替時期を決定すると、その切替時期が乗員の温感に適合せず、空調フィーリングを悪化させる場合がある。
【0008】
例えば、日射センサの検出日射量が同一であっても、乗員に日射が直接到達している場合と、乗員に日射が直接到達していない場合とでは、乗員の温感が大きく変動するので、日射センサの検出日射量が所定量になったときに、上記吹出モードの切替を行うと、乗員への直接到達日射の有無により乗員が暑く感じたり、寒く感じたりし、空調フィーリングの悪化を招く。
【0009】
本発明は上記点に鑑みて、バイレベルモード等の上半身吹出モードから下半身吹出モードへの切替を乗員の温感に、より一層適合した時期に行うことができるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車室内への吹出モードとして、少なくとも乗員上半身に向けて空調風を吹き出す上半身吹出モードと、乗員上半身への空調風の吹出を遮断し、少なくとも乗員下半身に向けて空調風を吹き出す下半身吹出モードとを自動的に切替可能になっている車両用空調装置において、
乗員表面温度を検出する温度検出手段(39)と、温度検出手段(39)の検出信号が入力され、乗員表面温度に基づいて両吹出モードを切り替える吹出モード切替手段(S94)とを備え、
車室内の暖房始動後、空調風の吹出温度が上昇する過程であるウォームアップ制御時に、乗員表面温度が所定温度(Tir2)より低いときは上半身吹出モードを選択し、乗員表面温度が所定温度(Tir2)より高くなると、下半身吹出モードを選択することを特徴とする。
【0011】
ところで、乗員表面温度は乗員への直接到達日射の有無にもよく対応した、乗員の温感との相関性の高い情報である。請求項1に記載の発明では、この点に着目して乗員表面温度に基づいて上半身吹出モードと下半身吹出モードとの切替を行うから、乗員の温感に対応した適切な時期に両吹出モードを切り替えることができる。
【0013】
しかも、請求項1に記載の発明では、車室内の暖房始動後、空調風の吹出温度が上昇する過程であるウォームアップ制御時に、乗員表面温度が所定温度(Tir2)より低いときは上半身吹出モードを選択するから、乗員表面温度が低い暖房始動時に上半身吹出モードにより手等を素早く暖房できるという上半身側の暖房促進効果を確保できる。
一方、ウォームアップ制御時に乗員表面温度が所定温度(Tir2)より高くなると、下半身吹出モードを選択するから、乗員上半身側への温風吹き出しを停止できる。このため、車室内の暖房が進行して乗員表面温度が高くなったときに、上半身吹出モードによる火照り感(暖房感の悪化)が発生することを確実に回避できる。
【0014】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の車両用空調装置において、ウォームアップ制御時において、空調風の吹出温度に関連する温度(Tw)が所定温度(Two)より低いときは下半身吹出モードを選択し、ウォームアップ制御時において、空調風の吹出温度に関連する温度(Tw)が所定温度(Two)より高くなったときに、乗員表面温度に基づく両吹出モードの切替を行うことを特徴とする。
【0015】
これにより、空調風の吹出温度が低いウォームアップ制御の初期には必ず、下半身吹出モードを選択して乗員上半身への空調風の吹出を遮断するから、乗員上半身への低温空調風の吹出による寒さ感を防止できる。
【0016】
請求項3に記載の発明では、車室内への吹出モードとして、少なくとも乗員上半身に向けて空調風を吹き出す上半身吹出モードと、乗員上半身への空調風の吹出を遮断し、少なくとも乗員下半身に向けて空調風を吹き出す下半身吹出モードとを自動的に切替可能になっている車両用空調装置において、
前記両吹出モードを少なくとも含む複数の吹出モードを空調条件に応じて切り替える第1吹出モード切替手段(S91)と、乗員表面温度を検出する温度検出手段(39)と、温度検出手段(39)の検出信号が入力され、乗員表面温度に基づいて前記両吹出モードを切り替える第2吹出モード切替手段(S94)とを備え、
空調定常時には第1吹出モード切替手段(S91)による複数の吹出モードの切替を行い、車室内の暖房始動後、空調風の吹出温度が上昇する過程であるウォームアップ制御時には第2吹出モード切替手段(S94)による前記両吹出モードの切替を行うことを特徴とする。
【0017】
これにより、空調定常時には所定の空調条件に応じて複数の吹出モードを切り替える一方、ウォームアップ制御時には乗員表面温度に応じて乗員の温感に適切に対応して、上半身吹出モードと下半身吹出モードとを自動切替することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明では、車室内への吹出モードとして、少なくとも乗員上半身に向けて空調風を吹き出す上半身吹出モードと、乗員上半身への空調風の吹出を遮断し、少なくとも乗員下半身に向けて空調風を吹き出す下半身吹出モードとを自動的に切替可能になっている車両用空調装置において、
車室内へ吹き出す空調風の目標吹出温度(Tao)を算出する算出手段(S4)と、目標吹出温度(Tao)に基づいて前記両吹出モードを少なくとも含む複数の吹出モードを切り替える第1吹出モード切替手段(S91)と、乗員表面温度を検出する温度検出手段(39)と、温度検出手段(39)の検出信号が入力され、乗員表面温度に基づいて前記両吹出モードを切り替える第2吹出モード切替手段(S94)と、車室内の暖房始動後、空調風の吹出温度が上昇する過程であるウォームアップ制御時を判定する判定手段(S92)とを備え、
この判定手段(S92)によりウォームアップ制御時が判定されたときは、第2吹出モード切替手段(S94)により乗員表面温度に基づいて両吹出モードの切替を行い、判定手段(S92)によりウォームアップ制御時が判定されないときは、第1吹出モード切替手段(S91)により目標吹出温度(Tao)に基づいて複数の吹出モードの切替を行うことを特徴とする。
【0019】
これにより、ウォームアップ制御時でないときは目標吹出温度(Tao)に基づく複数の吹出モードの切替を行う一方、ウォームアップ制御時には乗員表面温度に応じて乗員の温感に適切に対応して、上半身吹出モードと下半身吹出モードとを自動切替することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明のように、請求項4に記載の車両用空調装置において、目標吹出温度(Tao)が所定温度(Tao5)より高いときをウォームアップ制御時であると判定することができる。
【0021】
請求項6に記載の発明では、請求項3ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、ウォームアップ制御時において、空調風の吹出温度に関連する温度(Tw)が所定温度(Two)より低いときは下半身吹出モードを選択し、ウォームアップ制御時において、空調風の吹出温度に関連する温度(Tw)が所定温度(Two)より高くなったときに、乗員表面温度に基づく両吹出モードの切替を行うことを特徴とする。
【0022】
これにより、請求項3ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調装置においても、請求項2と同様に、ウォームアップ制御の初期に、乗員上半身への低温空調風の吹出による寒さ感を防止できる。
【0023】
請求項7に記載の発明のように、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、上半身吹出モードは、具体的にはフェイス吹出口(12)及びフット吹出口(13)の両方から空調風を車室内へ吹き出すバイレベルモードにすることができる。
【0024】
請求項8に記載の発明のように、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、上半身吹出モードは、具体的にはフェイス吹出口(12)、フット吹出口(13)及びデフロスタ吹出口(11)から同時に空調風を車室内へ吹き出すマルチ吹出モードにしてもよい。
【0025】
これによると、ウォームアップ制御時に窓ガラスの曇り止め効果をも同時に発揮できる。
【0026】
請求項9に記載の発明のように、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、下半身吹出モードは、具体的には、少なくともフット吹出口(13)から空調風を車室内へ吹き出すフットモードである。
【0027】
請求項10に記載の発明のように、請求項2または6に記載の車両用空調装置において、空調風を温水を熱源として加熱する暖房用熱交換器(27)を有し、空調風の吹出温度に関連する温度として温水の温度を検出するようにしてもよい。
【0028】
請求項11に記載の発明のように、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、温度検出手段(39)は具体的には、乗員の上半身の表面温度を主に検出する非接触赤外線センサである。
【0029】
これによると、非接触赤外線センサの使用により乗員に煩雑感を与えることなく、乗員表面温度を検出できる。また、乗員の温感はその上半身側で敏感であるから、乗員の上半身の表面温度を検出することにより、一層、乗員の温感に適合した吹出モード切替を実行できる。
【0030】
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1ないし図8は本発明の第1実施形態を示し、図1は車両用空調装置全体の概略構成を示した図である。
【0032】
車両用空調装置1は、車室内に向かって空気が流れる空気通路を構成するケース2、このケース2内において車室内に向かう空気流を発生させる送風機3、ケース2内を流れる空気を冷却する蒸発器4、車室内に吹き出す空気の温度を調節するエアミックス方式の吹出温度調節装置5、および各空調機器を制御する制御装置6を備える。
【0033】
ケース2は車室内の前方側の計器盤内側部に配設され、ケース2の上流側には、内気導入口7および外気導入口8の2つの導入口が設けられている。内気導入口7および外気導入口8の内側には内外気切替ドア9が回動自在に配置されている。内外気切替ドア9はサーボモータ10によって駆動されるもので、内気導入口7より車室内空気(内気)を導入する内気循環モードと外気導入口8より車室外空気(外気)を導入する外気導入モードとを切り替える。
【0034】
ケース2の下流側には、車両の窓ガラス(主にフロントガラス)に向けて空調風を吹き出すためのデフロスト吹出口11、乗員上半身に向けて空調風を吹き出すためのフェイス吹出口12、および乗員下半身に向けて空調風を吹き出すためのフット吹出口13の3種類の吹出口が設けられている。
【0035】
これら吹出口11〜13の上流部にはデフロストドア14、フェイスドア15およびフットドア16が回動自在に配置されている。これらのデフロストドア14、フェイスドア15およびフットドア16は、図示しないリンク機構を介して共通のサーボモータ17によって駆動される。
【0036】
送風機3は、送風機駆動回路20により印加電圧が制御される送風機モータ21によって回転速度が制御され、内気導入口7または外気導入口8から空気を吸入してケース2を介して車室内へ送風する。
【0037】
蒸発器4は、送風機3の下流側のケース2内に配設され、送風機3により送られてくる空気を冷却する冷房用熱交換器で、冷凍サイクル22を構成する要素のひとつである。
【0038】
なお、冷凍サイクル22は、圧縮機23から、凝縮器24、レシーバ25および膨張弁26を介して蒸発器4に冷媒が循環するように形成された周知のものである。圧縮機23は、電磁クラッチ23aを介して車両エンジン(図示せず)の回転動力が伝達されることにより回転駆動される。
【0039】
なお、冷凍サイクル22は、圧縮機23の作動(オン)により蒸発器4による空気冷却機能を得、圧縮機23の作動停止(オフ)により蒸発器4による空気冷却機能が停止する。
【0040】
吹出温度調節装置5は、本例ではヒータコア27およびエアミックスドア28等より構成されている。ヒータコア27は車両エンジンの冷却水(以下、温水)を熱源として空気を加熱する暖房用熱交換器であって、蒸発器4の空気流れ下流側に配置され、蒸発器4通過後の冷風を加熱する。
【0041】
エアミックスドア28は、ヒータコア27の空気流れ上流側に回動自在に配置されており、サーボモータ29により設定される開度に応じて、ヒータコア27を通る空気量(温風量)とヒータコア27を迂回してバイパス通路30を通る空気量(冷風量)とを調節する。
【0042】
制御装置6は、CPU31、ROM32およびRAM33等を含んで構成されるもので、予めROM32内に車室内の空調制御のための制御プログラムを記憶しており、その制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行う。
【0043】
制御装置6の出力側には、それぞれ上記サーボモータ10、29、17、および送風機駆動回路20が接続され、送風機モータ21の回転数は送風機駆動回路20により制御される。なお、サーボモータ29には、エアミックスドア28の開度θを検出するエアミックスドア開度センサ34が設けられ、このセンサ34は制御装置6の入力側に接続される。
【0044】
また、圧縮機23の電磁クラッチ23aは圧縮機駆動回路23bを介して制御装置6の出力側に接続されており、この電磁クラッチ23aのコイルに通電することにより電磁クラッチ23aが接続状態となる。これにより、エンジンの回転力を圧縮機23に伝達して圧縮機23を回転駆動する。
【0045】
制御装置6の入力側には、車室内の運転席前方の計器盤(図示せず)に設けられた空調操作パネル50に設置された内外気切替スイッチ36、温度設定スイッチ37およびデフロストモード設定スイッチ38等が接続されている。更に、非接触温度センサ39、外気センサ40、水温センサ41、日射センサ42および蒸発器温度センサ43が制御装置6の入力側に接続されている。
【0046】
非接触温度センサ39は、車室内乗員(具体的には運転者)の表面温度Tirを非接触で検出して制御装置6に入力するものである。この非接触温度センサ39は具体的には赤外線センサから構成され、例えば、運転席前方の計器盤部に位置する空調操作パネル50内、又はその近傍位置に配置される。この赤外線センサは、乗員表面温度、主に乗員上半身の表面温度の変化に伴う赤外線量の変化を非接触で検出するものであって、赤外線量の変化に対応した起電力変化を生じるサーモパイル型検出素子を用いている。
【0047】
なお、非接触温度センサ39は直接的には乗員表面温度を検出するものであるが、乗員表面温度は車室内の内気温の影響を受けるので、内気温変化を包含する情報であると言うことができる。そのため、本例では内気温センサを省略している。
【0048】
外気温センサ40は車室外温度を検出し、その検出温度に応じた外気温信号Tamを制御装置6に入力する。水温センサ41および蒸発器温度センサ43は、温水の温度および蒸発器4の吹出空気温度を検出し、その検出温度に応じた水温信号Twおよび蒸発器温度信号Teを制御装置6に入力する。日射センサ42は、車室内に入射した日射量を検出し、その検出した日射量に応じた日射量信号Tsを検出して制御装置6に入力するものである。
【0049】
次に、上記構成において第1実施形態の作動を図2のフローチャートに従って説明する。
【0050】
制御装置6は、電源が投入されると制御プログラムをスタートし、図2のフローチャートにしたがって演算、処理を実行する。
【0051】
先ず、ステップS1にて各種タイマーや制御フラグ等を初期化する。次に、ステップS2にて温度設定スイッチ37から設定温度信号Tset を読み込み、RAM33に記憶する。
【0052】
続いて、ステップS3にて車室内の空調状態に影響を及ぼす車両環境状態を検出するために各種センサから入力信号を読み込む。すなわち、非接触温度センサ39からの乗員表面温度信号Tir、外気温センサ40からの外気温信号Tam、水温センサ41からの水温信号Tw、日射センサ42からの日射量信号Tsおよび蒸発器温度センサ43からの蒸発器温度信号Teを読み込んで、RAM33に記憶する。
【0053】
次に、ステップS4にて車室内に吹き出す空気の目標吹出温度Taoを下記数式1に基づいて算出する。この目標吹出温度Taoは、車両環境条件(空調熱負荷条件)の変動にかかわらず、車室温度を設定温度Tsetに維持するために必要な目標温度である。
【0054】
【数1】
Tao=Kset ・Tset −Kir・Tir−Kam・Tam−Ks・Ts+C
但し、Kset は温度設定ゲイン、Tset は温度設定スイッチ37の設定温度信号、Kirは乗員表面温ゲイン、Tirは非接触温度センサ39の乗員表面温信号、Kamは外気温ゲイン、Tamは外気温センサ40の外気温信号、Ksは日射ゲイン、Tsは日射センサ42の日射量信号、Cは補正定数である。
【0055】
続いて、ステップS5において、上述の目標吹出温度Tao等に基づいて、送風機3の風量を設定する。具体的には、送風機駆動回路20を介して送風機モータ21に印加する送風機電圧BLWを決定する。この送風機電圧BLWの具体的決定方法は後述する。
【0056】
次に、ステップS6において、エアミックスドア28の目標開度θ0 を次の数式2によって算出する。
【0057】
【数2】
θ0 ={(Tao−Te)/(Tw−Te)}×100(%)
なお、Teは蒸発器温度センサ43の蒸発器温度信号、Twは水温センサ41の水温信号である。
【0058】
次に、ステップS7において目標吹出温度Taoに基づいて、内気導入口7より車室内空気(内気)を導入する内気循環モードを行うか、あるいは外気導入口8より車室外空気(外気)を導入する外気導入モードを行うかを決定する。
【0059】
具体的には、目標吹出温度Taoが所定温度以下となる領域(最大冷房域)では、内外気切替ドア9により内気導入口7を全開し、外気導入口8を全閉する内気循環モードを選択し、目標吹出温度Taoが所定温度より高くなると、内外気切替ドア9により外気導入口8を全開し、内気導入口7を全閉する外気循環モードを選択する。
【0060】
なお、内気循環モードと外気循環モードとの間に、内気と外気を同時に導入する内外気併用モードを設定してもよい。
【0061】
次に、ステップS8において、圧縮機23の作動の断続制御を電磁クラッチ23aのコイルへの通電オン、オフにより決定する。具体的には、蒸発器温度の目標温度TEOと実際の蒸発器温度Teとを比較して、TeがTEOより高いと、電磁クラッチ23aの通電をオンして圧縮機23を作動させ、これに反し、TeがTEOより低くなると、電磁クラッチ23aの通電をオフして圧縮機23の作動を停止させる。このような圧縮機作動の断続制御により、実際の蒸発器温度Teを目標温度TEOに維持する。
【0062】
続いて、ステップS9では吹出モードを決定する。この吹出モード決定の具体例は図3により後述する。そして、ステップS10において、前述のステップS5〜S9で決定した制御信号を送風機駆動回路20、サーボモータ10、17、29および圧縮機駆動回路23b等に出力して送風機3、内外気切替ドア9、吹出モードドア14〜16、エアミックスドア28および圧縮機23の作動を制御する。
【0063】
次のステップS11において、ステップS10の処理を実行してから制御周期時間τが経過しているか否かを判断し、この判断結果がNOの場合には制御周期時間τの経過を待つ。また、その判断結果がYESの場合にはステップS2の処理へ戻り、上述の演算、処理が繰り返される。このような演算、処理の繰り返しによって車両用空調装置1の作動が自動制御される。
【0064】
次に、ステップS9による吹出モード決定の具体例を図3に基づいて詳述すると、ステップS91では図4に示すように目標吹出温度Taoに基づいて空調定常時の吹出モードを算出する。図4は予めROM32に記憶されている吹出モード決定の特性図(制御マップ)であって、本例では、目標吹出温度Taoが上昇するにつれて吹出モードをフェイス(FACE)モード→バイレベル(B/L)モード→フット(FOOT)モードと順次自動的に切り替えるようになっている。
【0065】
なお、図4において、Tao0は例えば、25℃、、Tao1は例えば、30℃、Tao2は例えば、35℃、Tao3は例えば、40℃である。
【0066】
ここで、フェイスモードは、フェイスドア15にてフェイス吹出口12を開口し、フットドア16にてフット吹出口13を閉塞し、デフロストドア14にてデフロスト吹出口11を閉塞する。これにより、フェイス吹出口12のみから空調風が車室内の乗員上半身側へ吹き出す。
【0067】
バイレベルモード(上半身モード)は、フェイスドア15にてフェイス吹出口12を開口し、フットドア16にてフット吹出口13を開口し、デフロストドア14にてデフロスト吹出口11を閉塞する。これにより、空調風は、フェイス吹出口12およびフット吹出口13の両方から車室内の乗員上半身側および乗員下半身側へ同時に吹き出す。
【0068】
フットモード(下半身モード)は、フェイスドア15にてフェイス吹出口12を閉塞し、フットドア16にてフット吹出口13を全開し、デフロストドア14にてデフロスト吹出口11を小開度だけ開口する。これにより、フェイス吹出口12から乗員上半身側への空調風の吹出が遮断され、フット吹出口13から主に空調風が車室内の乗員下半身側へ吹き出すと同時に、デフロスト吹出口11から少量の空調風が車室内の窓ガラス内面側へ吹き出す。
【0069】
次のステップS92では、空調作動条件がウォームアップ制御条件にあるかどうかを判定する。このウォームアップ制御条件の判定は、本例では、図5に示すように目標吹出温度Taoに基づいて行う。図5は予めROM32に記憶されている吹出モード決定の特性図(制御マップ)であって、Taoは冬期の低外気温時の暖房始動時のような環境条件(暖房熱負荷の高い条件)では所定温度Tao5より高い温度として算出される。そして、暖房始動後、時間が経過して車室内温度が上昇し、非接触温度センサ39により検出される乗員表面温度Tirが上昇すると、Taoの値が次第に低下していく。
【0070】
このようにTaoの値が暖房始動後の時間経過とともに低下する傾向にあることに着目して、ステップS92では、Taoが所定温度Tao5より高いときはウォームアップ制御条件にあると判定し、Taoが所定温度Tao4(Tao4<Tao5)より低いときはウォームアップ制御条件に該当しない、すなわち、定常時であると判定する。この空調定常時はステップS91で算出した吹出モードをそのまま最終決定する。なお、Tao4は例えば、25℃で、Tao5は例えば、30℃である。
【0071】
そして、ウォームアップ制御時には次のステップS93で水温Twが所定温度Two(例えば、60℃)以上か判定する。ウォームアップ制御時の初期には空調風の吹出温度が低いので、フェイス吹出口12から乗員上半身側へ空調風を吹き出すと、乗員に低温空調風が当たり、空調フィーリングを悪化させる。そこで、ステップS93では、ウォームアップ制御の初期における空調風の吹出温度の低いときに該当するか否かを水温Twにより判定する。
【0072】
具体的には、水温Twが所定温度Two未満であるときはウォームアップ制御の初期に該当すると判定し、ステップS91で算出した吹出モードをそのまま最終決定する。水温Twが所定温度Two未満である条件では、図4において、目標吹出温度Taoが所定温度Tao3より高くなるので、フットモードが選択され、フェイス吹出口12からの冷風吹出による空調フィーリングの悪化を回避する。
【0073】
これに反し、水温Twが所定温度Two以上であるときは、ステップS94に進み、乗員表面温度Tirに基づいて吹出モードを決定する。すなわち、ステップS94では乗員表面温度Tirが所定温度Tir2より低いときはバイレベル(B/L)モードを選択し、そして、乗員表面温度Tirが所定温度Tir2より高くなると、フットモードを選択する。なお、所定温度Tir2は例えば、20℃で、所定温度Tir1は例えば、15℃である。
【0074】
このように、非接触センサ39により検出される乗員表面温度Tirを単独で用いて、この乗員表面温度Tirの高低によりウォームアップ制御条件におけるバイレベルモード(上半身吹出モード)とフットモード(下半身吹出モード)との切替を直接行うため、実用上、次のごとき利点がある。
【0075】
第1に、乗員表面温度Tirは乗員の温感との相関性の高い情報であるから、乗員の温感に良く適合した適切な時期にウォームアップ制御条件におけるバイレベルモードとフットモードとの切替を行うことができる。
【0076】
つまり、乗員表面温度Tirが所定温度Tir2より低いときは乗員がまだ十分な暖房感を味わっていない、涼しい状態である。このため、バイレベルモードによるフェイス吹出口12からの温風吹出を実行して運転者の手等を素早く暖めることができ、暖房感を向上できる。
【0077】
そして、乗員表面温度Tirが所定温度Tir2より高くなると、フェイス吹出口12からの温風吹出に起因する火照り感(暑さ)を感じるようになるので、Tir>Tir2の時点でバイレベルモードからフットモードに切り替える。これにより、乗員が火照り感を感じる前の適切な時期にフェイス吹出口12からの温風吹出を停止して、暖房感の悪化を事前に抑制できる。従って、ウォームアップ制御の初期から定常時に移行するまで、その全体にわたって、快適な暖房感を乗員に与えることができる。
【0078】
第2には、ウォームアップ制御条件におけるバイレベルモードとフットモードの切替を適切に行うための電気制御の構成を乗員表面温度Tirの検出により簡素化できる点である。
【0079】
つまり、上記モード切替の適切化に直接影響する要素(乗員の温感への影響度が大きい要素)としては、空調風の吹出温度と乗員への直接到達日射の有無であり、これらの要素を検出するセンサを追加設置し、これらセンサの検出信号を判定して上記モード切替の時期を決定することも考えられるが、これによると、センサ設置数の増加によりコストアップを招く。
【0080】
これに反し、本第1実施形態によると、乗員表面温度Tirが乗員の温感との相関性が高いことに着目して、乗員表面温度Tirを検出する1個の非接触温度センサ39を用いることにより、上記モード切替を乗員の温感との関係から見て適切に行うことができるので、センサ設置数が増加せず、電気制御部を簡素な低コストの構成にすることができる。
【0081】
なお、図3の制御フローによると、ウォームアップ制御の初期にはステップS91で算出されたフットモードが吹出モードとして選択され、フットモードからバイレベルモードへの切替を、乗員表面温度Tirでなく、水温Twに基づいて行っているが、これは次の理由のためである。
【0082】
すなわち、乗員が暖房された高温の室内に入っていて、その直後に車両に搭乗する場合等には搭乗後も高温の室内温度の影響で乗員表面温度Tirが高くなっている。このような場合には、フットモードからバイレベルモードへの切替をもし乗員表面温度Tirに基づいて行うと、、本来、フットモードを選択すべき条件においても、バイレベルモードを選択してしまい、乗員に低温空調風の吹出による不快感を与えることになるが、図3の制御フローのごとく、ウォームアップ制御の初期におけるフットモードからバイレベルモードへの切替を空調風の吹出温度と相関のある水温Twに基づいて行うことにより、上記不快感の発生を回避できる。
【0083】
次に、前述の図2のステップS5における送風機電圧BLWの具体的決定方法について説明する。
【0084】
空調風の風量、つまり送風機モータ21への送風機印加電圧(BLWN)は、ステップS4にて算出された目標吹出温度Taoに基づいて、予めROM内に記憶された図6の制御マップに従って決定される。しかし、図6のマップは、温水温度(水温信号Tw)が充分に上昇してヒータコア27での加熱能力が充分にある定常時の状態を想定して決定されている。
【0085】
このため、冬場において、温水温度が低いときに車両用空調装置1を起動し、車室内を急速に暖房する場合(ウォームアップ時)に、図6のマップにて風量を決定すると、上記目標吹出温度Taoが所定温度Tao6(例えば、70℃)より高い高温域にあるので、空調風の風量が大風量となってしまう。しかし、このような大風量となると、温水温度Twが低いために、空調風はヒータコア27を通過しても、ほとんど温度上昇しない。このため、乗員にとって冷たい冷風が吹き出して不快感を与える。
【0086】
そこで、本例では空調風の風量制御を行うに当たり、図7に示すようにウォームアップ制御を考慮した風量制御を行う。すなわち、ステップS51では、先ず、温水温度Twに応じて空調風の風量を増加させて、車室内を急速に暖房するウォームアップ制御時か否かを判定する。ステップS51の判定は、前述の図5と同じ方法であり、上記目標吹出温度Taoが所定値Tao5以上であれば、ウォームアップ時と判定する。
【0087】
ステップS51にてウォームアップ制御時と判定されると、ステップS52に進み、予めROM内に記憶された図8のマップに従って、送風機電圧BLWWを決定する。図8のマップは、温水温度Twが所定温度Tw1に上昇するまではBLWW=0として送風機モータ21を停止し、温水温度Twが所定温度Tw1と所定温度Tw2(Tw2>Tw1)との間にあるときは、温水温度Twが高くなるにつれて送風機電圧BLWWが大きくなり、温水温度Twが所定温度Tw2まで上昇すると、送風機電圧BLWWが最大値Vmaxとなる。なお、所定温度Tw1は例えば、50℃で、所定温度Tw2は例えば、80℃である。
【0088】
一方、ステップS51にてNOと判定されると、ステップS53に進み、送風機電圧BLWを最大値Vmaxに設定する。
【0089】
そして、ステップS54では、ウォームアップ時か否かに係わらず、定常時における送風機電圧BLWNを図6のマップから決定する。その後、ステップS55では、上記ステップS52〜54で決定されたウォームアップ時送風機電圧BLWWおよび定常時送風機電圧BLWNのうち、小さい方を最終の送風機電圧BLWとして決定する。以上のようにしてウォームアップ制御時および定常時の空調風の風量が決定される。
【0090】
(第2実施形態)
第1実施形態では、空調風の吹出温度を検出する吹出温度センサを設けない場合について説明したが、第2実施形態では、この吹出温度センサを追加設置し、空調風の吹出温度を直接検出することにより、乗員の温感により一層適合した吹出モード切替を行う。
【0091】
吹出温度センサは、図1において、ヒータコア27を通過した温風とバイパス通路30を通過する冷風とが混合する混合部から各吹出口11から13への分岐部までの間に設置され、空調風の吹出温度を検出する。
【0092】
第1実施形態では、図3のステップS93において、水温Twから空調風の吹出温度を推定して、フットモードからバイレベルモードへの切替時期を決定しているが、第2実施形態によると、吹出温度センサより空調風の吹出温度を直接検出しているから、図3のステップS93の判定を空調風の吹出温度に直接基づいて行うことができる。
【0093】
そのため、ウォームアップ制御の初期に見られる、低温空調風の吹出状態を確実に判定して、この時期の吹出モードを確実にフットモードとすることができる。そのため、ウォームアップ制御時に、フェイス吹出口12から低温空調風が吹き出して不快感が生じることをより確実に防止できる。
【0094】
(第3実施形態)
図9は第3実施形態による全体構成図であり、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、第1実施形態との相違点のみを以下説明する。
【0095】
第3実施形態では、蒸発器4直後の冷風を直接フェイス吹出口12側に導入する冷風バイパス通路60を設けるととともに、この冷風バイパス通路60を通過する冷風量を調整する冷風バイパスドア61を設けている。この冷風バイパスドア61の開度はサーボモータ62により制御される。
【0096】
複数(図示の例では5個)のフェイス吹出口12の入口通路部63内にフェイス吹出空気温を検出するフェイス吹出温度センサ64が設置してあり、また、内気温Trを検出する内気温センサ65を備えている。これらの温度センサ64、65の検出信号を制御装置6に入力してサーボモータ62の制御のために使用する。
【0097】
なお、第3実施形態では2枚のエアミックスドア28を連動操作して吹出温度を調整する構成になっている。また、フェイス吹出口12とデフロスタ吹出口11とを1枚のフェイスドア15により切替開閉する構成になっている。
【0098】
第3実施形態によると、バイレベルモード時に、冷風バイパスドア61の開度制御によりバイパス冷風量を調整することにより、フェイス吹出温度をフット吹出温度とは別に独立に制御できる。つまり、上方のフェイス吹出温度と下方のフット吹出温度を独立に制御できるようになっている。
【0099】
図10は第3実施形態の空調制御のフローチャートであり、ステップS1〜S4は第1実施形態と同じであり、次のステップS45でバイレベルモード時おけるフェイス吹出目標温度Tavを、Tav =Tset−αの式により求める。
【0100】
ここで、Tsetは温度設定スイッチ37の設定温度、αは温度補正量である。このαは例えば、次のようにして求める。
【0101】
先ず、設定温度Tsetと車室内温度Trとの偏差(Tset−Tr)を求め、この偏差がマイナス側となるほど、増加する日射係数GWを求め、この日射係数GWと車室内への日射量Tsとの積から補正日射量Ts’を求め、この補正日射量Ts’と温度補正量αとの関係を予め定めた制御マップからαを求める。この制御マップでは、補正日射量Ts’の増加によりαが増加するようになっている。従って、補正日射量Ts’の増加によりフェイス吹出目標温度Tavが低下するようになっている。
【0102】
ステップS5、S6は第1実施形態と同じであり、次のステップS65で冷風バイパスドア61の駆動用サーボモータ62の目標駆動時間(目標通電時間)TABを算出する。なお、本第3実施形態では、駆動用サーボモータ62の駆動時間の調節により冷風バイパスドア61の開度を調節するようになっている。
【0103】
目標駆動時間TABの算出は具体的には例えば次のように行う。先ず、フェイス吹出温度センサ64により検出される実際のフェイス吹出空気温Tfと、ステップS45で算出されたフェイス吹出目標温度Tavとの偏差Enf(Tf−Tav)を求め、この偏差Enfと、ステップS6のエアミックスドア目標開度θoによる補正量とに基づいて偏差制御値EnBを算出する。
【0104】
次に、偏差制御値EnBを所定の演算周期(例えば4秒)により比例演算処理して、目標駆動時間TABを算出する。
【0105】
そして、TAB>0の時は駆動用サーボモータ62により冷風バイパスドア61を開度増加側に駆動し、TAB<0の時は駆動用サーボモータ62により冷風バイパスドア61を開度減少側に駆動し、TAB=0の時はサーボモータ62に通電せず、冷風バイパスドア61を開度一定のまま保持する。
【0106】
(他の実施形態)
上記の各実施形態では、ウォームアップ制御時における上半身吹出モードとしてバイレベルモードを設定する場合について説明したが、ウォームアップ制御時における上半身吹出モードとして、フェイス吹出口12、フット吹出口13及びデフロスタ吹出口11の全吹出口を同時に開口する全吹出口開口モード(マルチ吹出モード)を設定しても良い。
【0107】
これによると、ウォームアップ制御時に、乗員足元部の暖房効果及び乗員の手などの上半身側の暖房効果を発揮すると同時に、窓ガラス曇り止め効果をも発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による車両用空調装置の全体構成図である。
【図2】第1実施形態による空調制御全体の概要を示すフローチャートである。
【図3】第1実施形態による吹出モード決定の具体例を示すフローチャートである。
【図4】第1実施形態における吹出モードと目標吹出温度との関係を示す特性図である。
【図5】第1実施形態における目標吹出温度とウォームアップ制御との関係を示す特性図である。
【図6】第1実施形態における目標吹出温度と送風機電圧との関係を示す特性図である。
【図7】第1実施形態による送風機電圧決定の具体例を示すフローチャートである。
【図8】第1実施形態における温水温度と送風機電圧との関係を示す特性図である。
【図9】第3実施形態による車両用空調装置の全体構成図である。
【図10】第3実施形態による空調制御全体の概要を示すフローチャートである。
【符号の説明】
6…制御装置、12…フェイス吹出口、13…フット吹出口、
39…非接触温度センサ、41…水温センサ。
Claims (11)
- 車室内への吹出モードとして、少なくとも乗員上半身に向けて空調風を吹き出す上半身吹出モードと、前記乗員上半身への空調風の吹出を遮断し、少なくとも前記乗員下半身に向けて空調風を吹き出す下半身吹出モードとを自動的に切替可能になっている車両用空調装置であって、
乗員表面温度を検出する温度検出手段(39)と、
前記温度検出手段(39)の検出信号が入力され、前記乗員表面温度に基づいて前記両吹出モードを切り替える吹出モード切替手段(S94)とを備え、
車室内の暖房始動後、前記空調風の吹出温度が上昇する過程であるウォームアップ制御時に、前記乗員表面温度が所定温度(Tir2)より低いときは前記上半身吹出モードを選択し、前記乗員表面温度が前記所定温度(Tir2)より高くなると、前記下半身吹出モードを選択することを特徴とする車両用空調装置。 - 前記ウォームアップ制御時において、前記空調風の吹出温度に関連する温度(Tw)が所定温度(Two)より低いときは前記下半身吹出モードを選択し、
前記ウォームアップ制御時において、前記空調風の吹出温度に関連する温度(Tw)が所定温度(Two)より高くなったときに、前記乗員表面温度に基づく前記両吹出モードの切替を行うことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。 - 車室内への吹出モードとして、少なくとも乗員上半身に向けて空調風を吹き出す上半身吹出モードと、前記乗員上半身への空調風の吹出を遮断し、少なくとも前記乗員下半身に向けて空調風を吹き出す下半身吹出モードとを自動的に切替可能になっている車両用空調装置であって、
前記両吹出モードを少なくとも含む複数の吹出モードを空調条件に応じて切り替える第1吹出モード切替手段(S91)と、
乗員表面温度を検出する温度検出手段(39)と、
前記温度検出手段(39)の検出信号が入力され、前記乗員表面温度に基づいて前記両吹出モードを切り替える第2吹出モード切替手段(S94)とを備え、
空調定常時には前記第1吹出モード切替手段(S91)による前記複数の吹出モードの切替を行い、
車室内の暖房始動後、前記空調風の吹出温度が上昇する過程であるウォームアップ制御時には前記第2吹出モード切替手段(S94)による前記両吹出モードの切替を行うことを特徴とする車両用空調装置。 - 車室内への吹出モードとして、少なくとも乗員上半身に向けて空調風を吹き出す上半身吹出モードと、前記乗員上半身への空調風の吹出を遮断し、少なくとも前記乗員下半身に向けて空調風を吹き出す下半身吹出モードとを自動的に切替可能になっている車両用空調装置であって、
車室内へ吹き出す空調風の目標吹出温度(Tao)を算出する算出手段(S4)と、
前記目標吹出温度(Tao)に基づいて前記両吹出モードを少なくとも含む複数の吹出モードを切り替える第1吹出モード切替手段(S91)と、
乗員表面温度を検出する温度検出手段(39)と、
前記温度検出手段(39)の検出信号が入力され、前記乗員表面温度に基づいて前記両吹出モードを切り替える第2吹出モード切替手段(S94)と、
車室内の暖房始動後、前記空調風の吹出温度が上昇する過程であるウォームアップ制御時を判定する判定手段(S92)とを備え、
前記判定手段(S92)により前記ウォームアップ制御時が判定されたときは、前記第2吹出モード切替手段(S94)により前記乗員表面温度に基づいて前記両吹出モードの切替を行い、
前記判定手段(S92)により前記ウォームアップ制御時が判定されないときは、前記第1吹出モード切替手段(S91)により前記目標吹出温度(Tao)に基づいて前記複数の吹出モードの切替を行うことを特徴とする車両用空調装置。 - 前記目標吹出温度(Tao)が所定温度(Tao5)より高いときを前記ウォームアップ制御時であると判定することを特徴とする請求項4に記載の車両用空調装置。
- 前記ウォームアップ制御時において、前記空調風の吹出温度に関連する温度(Tw)が所定温度(Two)より低いときは前記下半身吹出モードを選択し、
前記ウォームアップ制御時において、前記空調風の吹出温度に関連する温度(Tw)が所定温度(Two)より高くなったときに、前記乗員表面温度に基づく前記両吹出モードの切替を行うことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調装置。 - 前記上半身吹出モードは、フェイス吹出口(12)及びフット吹出口(13)の両方から空調風を車室内へ吹き出すバイレベルモードであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
- 前記上半身吹出モードは、フェイス吹出口(12)、フット吹出口(13)及びデフロスタ吹出口(11)から同時に空調風を車室内へ吹き出すマルチ吹出モードであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
- 前記下半身吹出モードは、少なくともフット吹出口(13)から空調風を車室内へ吹き出すフットモードであることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
- 前記空調風を温水を熱源として加熱する暖房用熱交換器(27)を有し、
前記空調風の吹出温度に関連する温度として前記温水の温度を検出することを特徴とする請求項2または6に記載の車両用空調装置。 - 前記温度検出手段(39)は乗員の上半身の表面温度を主に検出する非接触赤外線センサであることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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