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JP4444648B2 - 定着ベルト - Google Patents

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Description

本発明は、ファクシミリ、レーザビームプリンター等の画像形成装置の定着部で使用される、ニッケル電鋳製の無端状ベルト基体を備えた定着ベルトに関する。
ファクシミリ、レーザビームプリンター等の画像形成装置には、小型化、省エネルギー化、印字・複写の高速化等の要求に応えるために、定着ローラの代わりに無端状の定着ベルトを使用したベルト定着方式が採用されるようになってきている。定着ベルトは、厚さが薄いために、全体が迅速に加熱され、電源投入後の待機時間を大幅に短縮することができるという利点もある。
定着ベルトのベルト基体として、電鋳法により形成されたいわゆるニッケル電鋳製の無端状ニッケルベルト基体を用いることは、例えば特許文献1により公知である。電鋳法では、母型(電型、鋳型)、例えばステンレス製の円筒状母型を陰極とし、その表面にニッケルメッキ浴を用いて電気メッキを施すことによりニッケルメッキ膜を形成し、このメッキ膜を母型から剥離(脱型)して製品とする。
特許文献1には、電鋳により炭素含有量が0.01〜0.1質量%の無端状ニッケルベルトを形成することが記載されている。また、特許文献2には、ハロゲンランプを熱源として用いたベルト定着方式について記載されている。
特開2002−148975号公報 特開2003−57981号公報
しかしながら、ニッケル電鋳をベルト基体として有する従来の定着ベルトは、高温下での耐熱疲労強度が十分でなく、耐久性に乏しい。すなわち、従来のニッケル電鋳製定着ベルト基体は、高温下での繰り返しの使用により、クラックが発生し、ベルト基体が破断してしまうという問題があった。
従って、本発明は、高温下での耐熱疲労特性を改善した高耐久性の定着ベルトを提供することを目的とする。
本発明者らは、高温下で使用した定着ベルトのニッケル電鋳製ベルト基体について結晶学的研究を重ねたところ、破断したベルト基体には、ニッケル電鋳を構成する結晶子のうち、ある特定の結晶面に配向する結晶子、例えば裏面における(111)面に配向する結晶子が、高温下での加熱により、比較的大きく成長し、それが高温下でのベルト基体の破断の要因となることを究明した。そこで、本発明者らは、以下に述べる手法を採用することにより、ベルト基体の耐熱疲労強度を向上させ、もって高温下でのベルト基体の耐熱疲労特性を改善した定着ベルトを得ることに成功した。
すなわち、本発明の第1の側面によれば、転写材上のトナー像を定着するための定着ベルトであって、ニッケル電鋳製無端状ベルト基体を備え、前記ベルト基体は、結晶成長抑制剤として、リンを0.04〜0.38質量%の含有率で含むか、またはホウ素を0.006〜0.016質量%の含有率で含み、かつその加熱による結晶子の粒径の変化量が大きい結晶配向面に配向する結晶子について、加熱前の平均粒径に対する250℃で2時間加熱した後の平均粒径の変化率が110%以下であることを特徴とする特徴とする定着ベルトが提供される。
本発明の第2の側面によれば、転写材上のトナー像を定着するための定着ベルトであって、ニッケル電鋳製無端状ベルト基体を備え、前記ベルト基体は、結晶成長抑制剤として、リンを0.04〜0.38質量%の含有率で含むか、またはホウ素を0.006〜0.016質量%の含有率で含み、かつその加熱による結晶子の粒径の変化量が大きい結晶配向面に配向する結晶子について、250℃で2時間加熱した後の平均粒径と加熱前の平均粒径との差が220Å以下に抑制されていることを特徴とする特徴とする定着ベルトが提供される。
本発明において、ベルト基体について、裏面とはベルト基体の内周面を意味し、表面とはベルト基体の外周面を意味する。
本発明によれば、使用環境下での熱劣化を抑制し、高温下での耐疲労特性を改善した高耐久性の定着ベルトを得ることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の種々の態様を説明する。
図1は、本発明の1つの態様に係る定着ベルトの概略正面図であり、図2は、図1のII−IIに沿う断面部分を示す図である。
定着ベルト10は、ニッケル電鋳により無端状に形成されたベルト基体101を備える。通常、ベルト基体101の表面(外周面)101aには、直接またはシリコーンゴムなどの弾性層102を介してフッ素樹脂等からなる離型層103が被覆形成される。また、ベルト基体101の裏面(内周面)101bには、必要に応じて、摺動性を向上させるための摺動層104が形成される。ベルト基体101と弾性層102との間、弾性層102と離型層103との間、あるいはベルト基体101と摺動層104との間に、接着のためにプライマー層(図示せず)を設けてもよい。
ベルト基体101の厚さは、電磁誘導加熱方式を用いる場合は、次式:
σ=503×(ρ/fμ)1/2
(ここで、σは、表皮深さ(m)、fは、励磁回路の周波数(Hz)、μは、透磁率、ρは、固有抵抗(Ωm))で表される表皮深さより厚く、特に1μm以上100μm以下にすることが好ましい。この表皮深さは、電磁誘導加熱に使用される電磁波の吸収の深さを示しており、これより深いところでは電磁波の強度は1/e以下になり、ほとんどのエネルギーはこの深さまでで吸収される。ベルト基体の厚さが1μmを下回ると、ベルト基体101がほとんどの電磁エネルギーを吸収しきれなくなり、効率が低下してくることがあるので好ましくない。一方、ベルト基体101の厚さが100μmを上回ると、剛性が大きくなり、柔軟性が低下し、屈曲性が損なわれて定着ベルトとして使用しにくくなる傾向にある。
一方、ハロゲンヒータを熱源として用いたベルト定着方式に用いる場合は、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、ベルト基体101の厚さは、通常10〜100μm、好ましくは15〜80μm、より好ましくは20〜60μm程度である。熱容量、熱伝導性、機械的強度、可撓性などのバランスの観点から、30〜50μm程度の厚さであることが最も好ましい。電子写真複写機の定着ベルトに適用する場合には、幅を転写紙などの転写材の幅に応じて適宜定めることができる。
さて、本発明において、ニッケル電鋳製ベルト基体101は、その加熱による結晶子の粒径の変化量が大きい結晶配向面に配向する結晶子について、加熱前の平均粒径に対する250℃で2時間加熱した後の平均粒径の変化率(すなわち、[(加熱後の平均粒径−加熱前の平均粒径)/加熱前の平均粒径]×100)が110%以下である。
また、本発明において、ニッケル電鋳製ベルト基体101は、ベルト基体101を構成する結晶子の平均粒径の変化量の観点からすると、その加熱による結晶子の粒径の変化量が大きい結晶配向面に配向する結晶子について、250℃で2時間加熱した後の平均粒径と該加熱前の平均粒径との差、すなわち加熱による変化量が220Å以下に抑制されている。
本発明において、未加熱(状態)あるいは加熱前とは、ベルト基体が周囲温度の下に置かれていた状態を指す。周囲温度には、ベルト基体を電鋳法により製造した後、そのベルト基体を用いて定着ベルトを製造するまでの間にベルト基体が置かれる温度が含まれる。通常、この周囲温度は、せいぜい100℃までの温度である。
通常、本発明において、ニッケル電鋳製ベルト基体101は、未加熱状態で130Å〜250Åの平均粒径を有する結晶子から構成され得る。
ニッケル電鋳法により形成されたベルト基体101は、その表面および裏面において、特定の複数の結晶配向面に配向する結晶子を有する。例えば、表面において(111)面に配向する結晶子(以下、「表面(111)結晶子」という。)、裏面において(111)面に配向する結晶子(以下、「裏面(111)結晶子」という。)、表面において(200)面に配向する結晶子(以下、「表面(200)結晶子」という。)および裏面において(200)面に配向する結晶子(以下、「裏面(200)結晶子」という。)から主として構成され得る。本発明において、ニッケル電鋳製ベルト基体を構成する結晶子のうち、加熱(例えば、250℃で2時間の加熱)による結晶子の平均粒径の変化量あるいは変化率が最も大きい結晶配向面に配向する結晶子の加熱による粒子成長が抑制されていれば、ベルト基体101の耐熱疲労特性が有意に向上すること、すなわち以下の耐熱疲労試験において、30万回以上、好ましくは50万回以上、さらに好ましくは100万回以上の繰り返し回数を達成し、実用的に十分な耐熱疲労特性を示すことがわかった。上記加熱による結晶子の平均粒径の変化率は、60%以下であることが好ましい。また、上記加熱による結晶子の平均粒径の変化量は、200Å以下であることがより好ましく、110Å以下であることがさらに好ましい。
いうまでもなく、各結晶配向面に配向する結晶子の平均粒径は、X線回折装置を用いて測定することができる。結晶子の平均粒径は、市販の解析ソフトにより求めることができる。
上記加熱による結晶子の粒径の変化量あるいは変化率が最も大きい結晶配向面に配向する結晶子は、表面(111)結晶子、裏面(111)結晶子、表面(200)結晶子および裏面(200)結晶子から構成されるベルト基体においては、裏面(111)結晶子である。この加熱による結晶子の変化量あるいは変化率が最も大きい結晶配向面に配向する結晶子の選択は、他の結晶配向面を有するニッケル電鋳製ベルト基体にも適用することができることはいうまでもない。
本発明のベルト基体が耐熱疲労特性の向上する詳細は詳らかではないが、本発明のベルト基体は、炭素を0.05〜0.08質量%の含有率で含有することができる。本発明のベルト基体は、硫黄を0.003〜0.008質量%の含有率で含有することができる。
このようなベルト基体101は、一般に、硫酸ニッケルや塩化ニッケルを主成分とするワット浴やスルファミン酸ニッケルを主成分とするスルファミン酸浴等のニッケルメッキ浴を用いて、電鋳法により形成することができる。電鋳法は、母型の表面に厚メッキを行ない、これを母型から剥離して製品を得る方法である。すなわち、ベルト基体101の裏面(内周面)101bは、母型と接触する側の面である。
ベルト基体101を得るには、ステンレス鋼、黄銅、アルミニウム等からなる円筒を母型とし、その表面にニッケルメッキ浴を用いてニッケルメッキ膜を形成することができる。母型がシリコーン樹脂や石膏などの不導体である場合には、黒鉛、銅粉、銀鏡、スパッタリングなどにより、導電性処理を行う。金属母型への電鋳では、ニッケルメッキ膜の剥離を容易にするために、母型の表面に酸化膜、化合物膜、黒鉛粉塗布膜などの剥離膜を形成するなどの剥離処理を行うことが好ましい。
ニッケルメッキ浴は、ニッケルイオン源、アノード溶解剤、pH緩衝剤、その他の添加剤を含む。ニッケルイオン源としては、スルファミン酸ニッケル、硫酸ニッケル、塩化ニッケルを例示することができる。アノード溶解剤としては、ワット浴の場合、塩化ニッケルがこの役割を果たしており、他のニッケル浴では、塩化アンモニウム、臭化ニッケルなどが用いられている。ニッケルメッキは、一般に、pH3.0〜6.2の範囲で行なわれるが、この間の望ましい範囲に調整するために、ホウ酸、ギ酸、酢酸ニッケルなどのpH緩衝剤が用いられる。その他の添加剤としては、平滑化、ピット防止、結晶微細化、残留応力の低減などを目的として、例えば、光沢剤、ピット防止剤、内部応力減少剤などが用いられる。
ニッケルメッキ浴としては、スルファミン酸浴が好ましい。スルファミン酸浴の組成としては、スルファミン酸ニッケル四水塩300〜600g/L、塩化ニッケル0〜30g/L、ホウ酸20〜40g/L、適量の界面活性剤、適量の光沢剤(一次光沢剤、二次光沢剤)等を含有するものを挙げることができる。一次光沢剤としては、ニッケル電鋳中への硫黄供給源ともなるナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム等を例示することができ、二次光沢剤としては、ニッケル電鋳中への炭素供給源ともなる2−ブチン−1,4−ジオールを例示することができる。スルファミン酸浴のpHは、好ましくは3.5〜4.5である。浴温は好ましくは40〜60℃である。電鋳の際の電流密度は、好ましくは、0.5〜15A/dm2の範囲とし、高濃度浴の場合には、3〜40A/dm2の範囲とすることが好ましい。
本発明の1つの態様において、上記ニッケルメッキ浴、特にスルファミン酸ニッケル浴にリンまたはホウ素の供給源を添加して上記条件で電鋳を行うことにより、硫黄や炭素の含有率のいかんに拘わらず、結晶子の加熱による粒子成長をより一層効果的に抑制することができることがわかった。すなわち、リンまたはホウ素は、結晶子の結晶成長抑制剤として作用する。リンまたはホウ素を含有するニッケルメッキ浴、特にスルファミン酸浴を用いて電鋳を行うと、その詳細な機構は明らかではないが、特にニッケル電鋳製ベルト基体の裏面において、母型表面上に初めに析出するニッケル皮膜にリン、ホウ素が多く取り込まれ、その後に析出するニッケル皮膜ではリン、ホウ素の量が相対的に少なくなる。その結果、得られるベルト基体は、その裏面において特に(111)面に配向する結晶子の粒子成長が抑制され、耐熱疲労特性が改善される。
リンは、例えば次亜リン酸ナトリウム一水和物のような水溶性リン含有酸の塩の形態でニッケルメッキ浴に添加することによりニッケルと共析させることができる。ホウ素は、例えばトリメチルアミンボランのような水溶性有機ホウ素化合物の形態でニッケルメッキ浴に添加することによりニッケルと共析させることができる。なお、ホウ酸は、ニッケル電鋳中へのホウ素の供給源とはならない。本発明のニッケル電鋳製ベルト基体は、リンについては、0.04〜0.38質量%の含有率でリンを含有する。また、本発明のニッケル電鋳製ベルト基体は、ホウ素については、0.006〜0.016質量%の含有率でホウ素を含有する。
定着ベルトは200℃あるいはそれ以上に加熱されることがある。本発明で考慮されている250℃の加熱温度は、上記200℃の温度に対し余裕度を見込んだ温度である。
なお、本発明により、加熱による結晶子の粒径の変化量が大きい結晶配向面に配向する結晶子について、加熱前の平均粒径に対する250℃で2時間加熱した後の平均粒径の変化率が110%以下であると、ニッケル電鋳製ベルト基体の耐熱疲労特性が大幅に向上することが見いだされたので、ニッケル電鋳製ベルト基体を製造した後、加熱前後の平均粒径の変化率を測定し、その変化率が110%以下のものを製品化することにより耐熱疲労特性に優れた定着ベルトを安定に製造することができるともいえる。同様に、ニッケル電鋳製ベルト基体を製造した後、加熱による結晶子の粒径の変化量が大きい結晶配向面に配向する結晶子について加熱前後の平均粒径の変化量を算出し、その変化量が220Å以下であるものを製品化することにより耐熱疲労特性に優れた定着ベルトを安定に製造することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明を限定するものではない。
例1
スルファミン酸ニッケル四水塩を500g/Lおよびホウ酸を35g/Lの割合で含有する水溶液を作り、活性炭を充填した容器で0.5μmのフィルターを用いてろ過しながら、低電流で電解精製を行った。次に、活性炭を取り出し、必要量のピット防止剤を加えた後、一次光沢剤としてナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウムを0.1g/L、二次光沢剤として2−ブチン−1,4−ジオールを25mg/Lの割合となるように添加して所望のスルファミン酸浴(電解浴)を調製した(下記表1参照)。
この電解浴を用い、外径34mmのステンレス鋼製の円筒状母型を陰極として、電流密度10.5A/dm2の下、所定の浴温度で電鋳を行ない、母型の外周面に電析体を50μmの厚さに形成した。この電析体を純水で洗浄した後、母型から取り外し、内径34mm、厚さ50μmのニッケル電鋳製ベルト基体を得た。
例2〜10
下記表1に示す組成のスルファミン酸浴を用いた以外は、例1と同様にしてニッケル電鋳製ベルト基体をそれぞれ製造した。
例1〜10で得たニッケル電鋳製ベルト基体について、硫黄および炭素の含有率(質量%)を燃焼−赤外線吸収法を用いて分析した。結果を表1に併記する。
例11〜20
下記表2に示すようにスルファミン酸ニッケル四水塩を500g/L、ホウ酸を35g/L、例1で用いた一次光沢剤を0.3g/L、例1で用いた二次光沢剤を140mg/Lの割合で含有し、かつリン源として次亜リン酸ナトリウム一水和物(例11〜14)、ホウ素源としてトリメチルアミンボラン(例15〜17)、またはマンガン源としてスルファミン酸マンガン四水和物(例18〜20)を添加したスルファミン酸浴を用いた以外は、例1と同様にして、ニッケル電鋳製ベルト基体をそれぞれ製造した。
例11〜20で得たニッケル電鋳製ベルト基体について、リンおよびホウ素の含有率(質量%)をICP発光分析装置を用いて分析し、マンガンの含有率(質量%)を原子吸光分光光度計を用いて分析した。なお、念のため、例11〜20で得たニッケル電鋳製ベルト基体の硫黄および炭素の含有率(質量%)も併せて測定しておいた。結果を表2に併記する。
Figure 0004444648
Figure 0004444648
次に、例1〜20で得たベルト基体について、それぞれ、裏面(111)結晶子、表面(111)結晶子、裏面(200)結晶子、および表面(200)結晶子の加熱前の平均粒径、250℃で2時間加熱後の平均粒径、および300℃で2時間加熱後の平均粒径をX線回折装置(理学電気(株)製RINT−2100)を用い、回折データを解析ソフト(JADE(登録標章))により求めるとともに、平均粒径の変化量および変化率を算出した。結果を下記表3〜表10に示す。
Figure 0004444648
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表3〜表10に示す結果からもわかるように、例1〜例20で得たニッケル電鋳製ベルト基体を構成する結晶子は、加熱前に130〜250Åの平均粒径を有する。そして、これらニッケル電鋳製ベルト基体を構成する結晶子、すなわち裏面(111)結晶子、表面(111)結晶子、裏面(200)結晶子、および表面(200)結晶子のうち、加熱前後の平均粒径の変化量および変化率の最も大きい結晶子は、裏面(111)結晶子であることがわかる。
<熱疲労試験>
例1〜20で得たベルト基体からJISZ2201に規定された13B号試験片形状を切り出し、INSTRON社製INSTRON8871システムを用いて熱疲労試験を以下の条件で行った。
繰り返し最大張力:550N/mm2;繰り返し最小張力:約80N/mm2
雰囲気温度:250℃;繰り返し周期:15Hz。
この熱疲労試験は、試験片が破断するまで行い、そのときの繰り返し回数を記録した。なお、繰り返し回数は、上限を100万回に設定した。この熱疲労試験で、繰り返し回数が30万回未満のものを「×」とし、30万回以上のものを「○」とし、繰り返し回数が100万回に達しても破壊しなかったものを「◎」として評価した。結果を下記表11に示す。
「◎」の評価を受けたベルト基体のうち、例6、例9のベルト基体、および結晶成長抑制剤を含有するベルト基体の代表として、リンを含有する例11、例13および例14のベルト基体について、繰り返し最大張力を650N/mm2に変更して同様に熱疲労試験を行った。結果と評価を表11に併記する。
Figure 0004444648
表11に示す最大張力550N/mm2での結果からわかるように、裏面(111)結晶子において250℃で2時間加熱後の平均粒径の変化率が110%以下である結晶子(加熱前後の平均粒径の変化量が220Å以下、特に200Å以下の結晶子でもある)を有する例6〜例20のベルト基体は、繰り返し回数が30万回を優に超え、50万回以上にも達し、そのほとんどは100万回の繰り返し回数でも破断していない。ここで、100万回の繰り返し回数でも破断しない結晶成長抑制剤を含有する例11〜20のベルト基体についてみると、裏面(111)結晶子の250℃加熱前後の平均粒径の変化率は、いずれも、60%以下であり、加熱前後の平均粒径の変化量は、いずれも、110Å以下である(表4)。
また、表11に示す最大張力650N/mm2での結果からわかるように、結晶成長抑制剤を含有するニッケル電鋳製ベルト基体は、結晶成長抑制剤を含有しないニッケル電鋳製ベルト基体に比べて耐熱疲労特性が大幅に向上していることがわかる。
以上本発明を種々の態様に関して詳しく説明したが、本発明は、上記態様そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記態様に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、上記態様に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更には、異なる態様に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
本発明に係る定着ベルトの正面図。 図1のII−II線に沿う断面の一部を拡大して示す図。
符号の説明
10…定着ベルト
101…ベルト基体
101a…ベルト基体の表面
101b…ベルト基体の裏面
102…弾性層
103…離型層
104…摺動層。

Claims (8)

  1. 転写材上のトナー像を定着するための定着ベルトであって、ニッケル電鋳製無端状ベルト基体を備え、前記ベルト基体は、結晶成長抑制剤として、リンを0.04〜0.38質量%の含有率で含むか、またはホウ素を0.006〜0.016質量%の含有率で含み、かつその加熱による結晶子の粒径の変化量が大きい結晶配向面に配向する結晶子について、加熱前の平均粒径に対する250℃で2時間加熱した後の平均粒径の変化率が110%以下であることを特徴とする特徴とする定着ベルト。
  2. 前記変化量が大きい結晶配向面に配向する結晶子は、加熱前の平均粒径に対する250℃で2時間加熱した後の平均粒径の変化率が60%以下であることを特徴とする請求項1に記載の定着ベルト。
  3. 前記変化量が大きい結晶配向面に配向する結晶子は、250℃で2時間加熱した後の平均粒径と加熱前の平均粒径との差が220Å以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の定着ベルト。
  4. 転写材上のトナー像を定着するための定着ベルトであって、ニッケル電鋳製無端状ベルト基体を備え、前記ベルト基体は、結晶成長抑制剤として、リンを0.04〜0.38質量%の含有率で含むか、またはホウ素を0.006〜0.016質量%の含有率で含み、かつその加熱による結晶子の粒径の変化量が大きい結晶配向面に配向する結晶子について、250℃で2時間加熱した後の平均粒径と加熱前の平均粒径との差が220Å以下に抑制されていることを特徴とする特徴とする定着ベルト。
  5. 前記変化量が大きい結晶配向面に配向する結晶子は、250℃で2時間加熱した後の平均粒径と加熱前の平均粒径との差が200Å以下であることを特徴とする請求項4に記載の定着ベルト。
  6. 前記変化量が大きい結晶配向面に配向する結晶子は、250℃で2時間加熱した後の平均粒径と加熱前の平均粒径との差が110Å以下であることを特徴とする請求項4に記載の定着ベルト。
  7. 前記変化量が大きい結晶配向面に配向する結晶子は、前記ベルト基体の裏面における(111)面に配向する結晶子からなることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の定着ベルト。
  8. 前記ベルト基体は、未加熱状態で130Å〜250Åの平均粒径を有する結晶子から構成されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の定着ベルト。
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