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JP2005089790A - シームレスベルト基体、その製造方法及び加熱定着用シームレスベルト - Google Patents

シームレスベルト基体、その製造方法及び加熱定着用シームレスベルト Download PDF

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JP2005089790A JP2003322118A JP2003322118A JP2005089790A JP 2005089790 A JP2005089790 A JP 2005089790A JP 2003322118 A JP2003322118 A JP 2003322118A JP 2003322118 A JP2003322118 A JP 2003322118A JP 2005089790 A JP2005089790 A JP 2005089790A
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Shinji Ueda
信二 植田
Shoji Ishiwatari
正二 石渡
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

【課題】 本発明は、耐熱性に優れ、高耐久性で、屈曲に対して耐性のある薄い膜でもキンク等の発生を防止することができると共に、安価且つ簡便なシームレスベルト基体、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明のシームレスベルト基体においては、基体材質の主成分がコバルト5重量%以上を含有するニッケル金属であり、硬度Hvが450〜550であり、圧縮応力が電着応力0〜−5kg/mmとなるように形成され、両端部が対向するローラー刃周縁で切断されており、その切断段差が0.05mm以下である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、画像形成装置で使用される加熱定着用のシームレスベルト基体、該基体の製造方法及びシームレスベルトに関する。
電子写真方式や静電記録方式の複写機、ファクシミリ、レーザービームプリンタなどの画像形成装置においては、一般に、(1)感光体表面を一様かつ均一に帯電する工程、(2)像露光を行って、感光体表面に静電潜像を形成する工程、(3)静電潜像にトナーを付着させて、トナー像を形成する工程、(4)感光体上のトナー像を転写紙やOHPシートなどの転写材上に転写する工程、(5)転写材上のトナー像を加熱定着する工程を含む一連の工程によって、画像が形成される。トナーとしては、結着樹脂と着色剤とを含有する着色粒子が用いられている。トナー像の定着は、通常、転写材上のトナー像を加熱加圧して、トナーを溶融または軟化させて転写材上に固着させることにより行われている。
近年、装置の小型化、省エネルギー化、印字・複写の高速化などの要求に応えるために、従来使用されてきたローラ部材に代えて、無端状ベルト部材(エンドレスベルト)を用いることが行なわれている。従来の定着ローラでは、電源を投入した後、定着ローラ内に内蔵する加熱手段により、その表面を定着温度にまで加熱するのに比較的長時間を必要とするため、複写機などの画像形成装置の使用に待ち時間が生じるという問題があった。これに対して、無端状ベルト部材からなる定着ベルトには、その内面に接触する加熱手段を配置することにより、薄い定着ベルトを介するだけで、転写材上のトナー像をほぼ直接的に加熱して定着させることができるため、電源投入後の待ち時間をなくすことができるという利点がある。また無端状金属ベルト基材を用いた定着ベルトでは、電磁誘導加熱方式を適用することもできる。
このような定着ベルトとして、ふっ素樹脂の離型層が形成されたシームレスベルトが加熱定着用に使用されている。このシームレスベルトの基体として電気鋳造製のものが使用されるが、画像形成装置内で160〜180℃の加熱温度で定着プロセスが繰り返されて使用されると亀裂を起こして破断するという欠点を有している。
この亀裂、破断の原因としては、電気鋳造液組成中に硫黄が数%含まれ、電析されるニッケル膜中にも硫黄が0.01〜0.04%程度含有されるため、230℃の熱が連続して加わると脆くなり易くなる硫黄脆性を生じることが挙げられる。さらに、シームレスベルト基体上に形成されるふっ素樹脂の離型層を形成する際の焼成条件が340〜360℃の高温下で、保持時間15〜20分であるため硫黄脆性を生じることが挙げられる。
次に、この繰り返し使用により、亀裂、破断が起こること、及びふっ素樹脂の離型層が形成されたシームレスベルトが加熱定着用に使用されるようになったことについて、図1に基づいて具体的に説明する。
図1は、画像形成装置に組込まれる加熱定着ユニットの構成の一例を示す図面である。
図1に示す加熱定着ユニット1においては、感光体を使用した画像形成装置の画像形成部2でトナー画像が記録紙3に形成され、転写ベルト4上を搬送されてシリコンゴム被覆製の加熱ローラー5とシリコンゴム被覆製の定着ローラー6で張られた定着ベルト7にシリコンゴム被覆製の加圧ローラー8が押圧され、5〜8mm幅に形成されるニップ部9を通過する際、加圧加熱されてトナー画像が定着され、排紙ローラー10で外部トレイに搬送され分配収納される。
ここで、記録紙3に未定着トナー画像を定着させるには少なくとも150〜160℃が必要である。更に、ニップ部9を幅5〜8mmにし、記録紙上のトナーを加圧加熱し溶融浸透させることにより、トナー画像の定着が行なわれる。その際、使用される記録紙3の厚みにより熱容量が異なることから、170〜180℃に定着温度が設定される。定着に必要な熱の供給は、加熱ローラー5のハロゲンヒーター12より熱供給され、加熱温度はニップ部9の進入部の温度センサー11で検出される。尚、定着ローラー6と加圧ローラー8にも予熱用にハロゲンヒーターを備えて熱供給し、定着ベルト7の温度の立ち上がり時間を短くして効率良く定着する機種もある。
定着ベルト7へのハロゲンヒーター12による熱供給は、加熱ローラー5のアルミ基体13の表面に被覆された0.1〜0.2mmのシリコンゴム層14を通して供給され、シームレスベルト基体15を加熱し、その上層に被覆された0.05〜0.1mmのシリコンゴム層16及び10〜15μmのフッ素樹脂層17を加熱することにより、170〜180℃の定着温度に設定される。
しかし、170〜180℃という定着温度は定常時のもので、画像形成装置の立上げ時には200℃以上にもなることがあるので、電気鋳造で形成されたニッケル単体を基体とする定着ベルトでは、耐久性において硫黄脆性を伴うような脆さが発生し易く、亀裂となって破損し易いため加熱定着用には不向きであると考えられていた。ところが、画像形成装置のカラー化に伴いトナーの発色性などから定着加熱温度や加圧力が低減されると共に、ベルト部材を用いてニップ部9の幅を多く取れることから、ニッケルを基体とするシームレスベルトを用いた定着方法が要求されるようになり、ニッケルを主成分とするシームレスベルト基体の改良が試みられてきた。即ち、熱定着用シームレスベルトの基体として、ニッケルを主成分とする電気鋳造製の基体を用いる場合は、ニッケルを合金化して電着し、耐熱性の向上、屈曲に対して耐性のある薄い膜でもキンク等の発生を防止することが試みられてきた。
これらの問題を解決するための基体として、例えば、特開平09−34286号公報(特許文献1)、特開2001−225134号公報(特許文献2)、特開2002−206188号公報(特許文献3)、特開2002−241984号公報(特許文献4)、特開2002−258648号公報(特許文献5)に開示された電気鋳造製の基体がある。
特許文献1には、記録媒体上の未定着トナー画像を圧熱定着するためのニップ部を加圧部材との間に形成して循環周回することが可能な定着ベルトであって、マンガン0.05〜0.6重量%を含むニッケル・マンガン合金からなるマイクロビッカース硬度が450〜650の無端状電鑄シートを基体として形成された電子写真装置用無端定着ベルトが開示されている。特許文献1の無端定着ベルトは、高熱伝導性、高剛性を備え、耐熱性、耐疲労性にも優れた長寿命の金属性電子写真装置用定着ベルト、並びにかかる定着ベルトを利用し、これを組み込んだ定着装置であって耐久性が高いという利点を有する。
しかし、特許文献1の無端定着ベルトには、電気鋳造方法によりニッケル金属を主体として合金を形成する場合に、標準電極電位(イオン化列を定量化したもの)が、マンガン−1.18V、ニッケル−0.25Vであり、両者の電位差が0.93と大きく、マンガンが電着し易い傾向が強く、このため通常のニッケル電鋳の電流密度4〜5A/dmより大きく電流密度を7A/dmにする必要がある。その結果、形成される電析膜の表面に突起欠陥が発生し成長し易く、また、連続的に生産する電解浴では液組成の管理がし難いという欠点がある。
特許文献2には、感光体及び定着用金属円筒材質として熱伝導性や耐久性の高い金属材料を用い、更にこの金属材料を回転塑性加工法であるスピニング加工法により、ベルトあるいはスリーブとして使用可能な肉厚0.03乃至0.09mmの金属円筒に加工することが開示されている。特許文献2によれば、電子写真方式のプリンター及び複写機において、より小型化が可能であり、トナーの定着に必要な時間を短縮でき、電力消費が少なく、かつ、スイッチを入れて瞬時に複写がスタートできる感光体及び定着用金属円筒を提供できるという利点がある。
しかし、特許文献2の定着用金属円筒は、ニッケル電鋳して得る薄膜の加工方法をスピニング加工方法で形成し、ニッケル電鋳薄膜のもつ材料組織の欠点を加工形成方法で替えるので、塑性加工による加工硬化や歪取りのため焼鈍を施さなければならず、加熱定着用シームレスベルトとなる20〜30μmの薄い基体を取り扱う際の僅かな折れ曲がりによるキンク等が発生し易く、取扱いが困難で生産性に欠けるという欠点がある。
特許文献3は、加熱処理や高温条件下での硬度及び強度の低下が極めて小さく、耐久性が顕著に優れた電鋳ニッケルベルトを提供すること、また、電鋳ニッケルベルトを基材とする耐熱性及び耐久性に優れた被覆ニッケルベルト及びその製造方法を提供するもので、X線回折により測定した(111)面でのピーク強度に対する(200)面でのピーク強度の比で表される結晶配向面の強度比が0.6以上である電鋳ニッケルベルト、並びに電鋳ニッケルベルトを金属ベルト基材とする被覆ニッケルベルトとその製造方法が開示されている。
特許文献3の被覆ニッケルベルトには、耐熱性を有する電鋳ニッケルベルトを形成する際に、X線回折でのピーク強度を解析して(111)面でのピーク強度が大きくなると結晶構造がランダムとなり、(200)面でのピーク強度が大きくなるほど層状配向を示す傾向を利用することから、電鋳ニッケルベルトの耐屈曲性が向上し、耐熱性も良好となり、高度の耐久性を達成できるという利点がある。
しかし、特許文献3の被覆ニッケルベルトには、層状配向の電析膜の形成が低電流領域で、膜厚の析出が0.4〜0.6μm/分で行なわれるため、画像形成装置内でニッケルベルトとして通常使用される膜厚30〜35μmを得るためには50分以上の電鋳時間が必要なので、析出膜厚0.8〜1.0μm/分の場合と比べ、高精度で高価格な電鋳金属母型の製作数、設備スペース、設備コスト、ユーティリティ等の増大の増大を招くという欠点がある。
特許文献4には、周期表の2族、3族、4族及び5族に属する少なくとも一種の金属元素を質量分率で10〜1万ppmの割合で含有させた電鋳ニッケルベルト、さらにマンガンを0.01〜0.50質量%含有させた電鋳ニッケルベルト、さらに硫黄含有量が0.05質量%以下の電鋳ニッケルベルト、さらに結晶転移温度が340℃以上の電鋳ニッケルベルト、さらにX線回折により測定した(111)面でのピーク強度に対する(200)面でのピーク強度の比で表される結晶配向面の強度比が0.6以上の電鋳ニッケルベルト、さらにビカース硬度が300〜480であって、230℃で2日間の熱老化試験後のビカース硬度変化率が絶対値で10%以下である電鋳ニッケルベルトが開示されている。特許文献4の電鋳ニッケルベルトには、加熱処理や高温条件下での硬度及び強度の低下が極めて小さく、耐久性が顕著に優れているという利点がある。
しかし、特許文献4の電鋳ニッケルベルトには、特許文献3の被覆ニッケルベルトと同様に、高精度で高価格な電鋳金属母型の製作数、設備スペース、設備コスト、ユーティリティ等の増大の増大を招くという欠点がある。
特許文献5には、離型層とニッケル電鋳の金属層とを有し、ニッケル電鋳が、結晶配向比I(200)/I(111)3以上の(200)面優先成長の結晶配向性を有し、マイクロビッカース硬度280〜450の定着ベルトが開示されている。特許文献5の定着ベルトは高耐久性であり、このベルトを用いると、小熱容量の加熱体を利用した低エネルギー加熱が可能な像加熱装置、高耐久性で信頼性の高い像加熱装置を提供することができる。
しかし、特許文献5の定着ベルトには、特許文献3、4の被覆ニッケルベルトと同様に、高精度で高価格な電鋳金属母型の製作数、設備スペース、設備コスト、ユーティリティ等の増大の増大を招くという欠点がある。
このように、従来のシームレスベルト基体は、高温下での耐久性が改良された場合であっても、安価且つ簡便に製造するこという点において、未だ充分なものではなかった。従って、高温下での耐久性に優れると共に、安価且つ簡便に製造できるシームレスベルト基体を提供することが期待されている。具体的には、ニッケルを合金化して電着し、耐熱性の向上、屈曲に対して耐性のある薄い膜でもキンク等が発生しないシームレスベルト基体が要求され、更に、電鋳液の組成管理の容易な液を用いて電析膜の離型を容易とすることや、キンク等の発生を防止するために金属母型の外径を使用してシームレスベルト基体を生産することが要求されている。
特開平09−34286号公報 特開2001−225134号公報 特開2002−206188号公報 特開2002−241984号公報 特開2002−258648号公報
本発明は、前記従来の問題を解決し、耐熱性に優れ、高耐久性で、屈曲に対して耐性のある薄い膜でもキンク等の発生を防止することができると共に、安価且つ簡便に製造することができるシームレスベルト基体、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、以下に示すシームレスベルト基体、シームレスベルト基体の製造方法、加熱定着用シームレスベルトが提供される。
〔1〕基体材質の主成分がコバルト5重量%以上を含有するニッケル金属であり、硬度Hvが450〜550であり、電着応力が0〜−5kg/mmの圧縮応力となるように形成され、両端部が対向するローラー刃周縁で切断されており、その切断段差が0.05mm以下であることを特徴とするニッケルコバルト合金からなるシームレスベルト基体。
〔2〕膜厚が25〜30μmであることを特徴とする前記〔1〕に記載のシームレスベルト基体。
〔3〕前記〔1〕又は〔2〕に記載のシームレスベルト基体を、スルファミン酸ニッケル・コバルト浴電気鋳造法で形成する特徴とするシームレスベルト基体の製造方法。
〔4〕該スルファミン酸ニッケル・コバルト浴電気鋳造法において、スルファミン酸ニッケル450〜550g/lの液中にスルファミン酸コバルト10〜15g/lを含む電解液を用いて、4〜5A/dmの電解電流密度で基体を作製することを特徴とする前記〔3〕に記載のシームレスベルト基体の製造方法。
〔5〕該電解液に、析出膜の圧縮応力調整剤としてサッカリン50〜100ppmを添加することを特徴とする前記〔4〕に記載のシームレスベルト基体の製造方法。
〔6〕電解液中へのニッケル及びコバルトイオンの供給に可溶性陽極を用い、該可溶性陽極のニッケル陽極板に電流密度4〜5A/dmの電解電流を連続供給し、該可溶性陽極のコバルト陽極板に電界液中のコバルトイオンの組成比に対応して電解電流を調整供給することを特徴とする前記〔1〕又は〔5〕に記載のシームレスベルト基体の製造方法。
〔7〕該可溶性陽極が、7〜10mmのペレット状活性陽極を用いて形成されるニッケルコバルト合金からなることを特徴とする前記〔6〕に記載のシームレスベルト基体の製造方法。
〔8〕外径表面粗さがRz0.1μm以下、外径真直度10μm以下に鏡面加工された金属母型の外径面を使用してシームレスベルト基体を形成することを特徴とする前記〔3〕〜〔7〕のいずれかに記載のシームレスベルト基体の製造方法。
〔9〕該金属母型に、シームレスベルト幅となる範囲が膜厚3μm以下となるよう両端の電析膜を切り落とす切断部を設けることを特徴とする前記〔8〕に記載のシームレスベルト基体の製造方法。
〔10〕前記〔1〕又は〔2〕に記載のシームレスベルト基体又は前記〔3〕〜〔9〕のいずれかに記載の製造方法により製造されたシームレスベルト基体上に、シリコンゴム及びフッ素ゴムを順じ被覆焼成して形成されたことを特徴とする加熱定着用シームレスベルト。
〔11〕画像形成装置で使用される部材幅となる両端が、対向するローラー刃周縁で切断段差0.05mm以下に切断加工されていることを特徴とする前記〔9〕に記載の加熱定着用シームレスベルト。
請求項1に係わる発明によれば、画像形成装置の加熱定着用シームレスベルト基体材質の主成分となるニッケル金属中に耐熱性を向上させるコバルト5重量%以上を含有させて、ニッケル単体より硬度をHv450〜550の範囲に硬化させ、電着応力は0〜−5kg/mm範囲の圧縮応力で形成し、基体の両端部を対向するローラー刃周縁で切断して段差を0.05mm以下に形成することで、焼成温度340〜360℃、焼成時間20分の条件下で、機能性皮膜としてフッ素樹脂製の離型層を形成する際の耐熱性が向上し、画像形成装置内での加熱定着時に繰り返される160〜180℃の熱ストレスにも耐熱性が向上し、シームレスベルト基体の硬度Hv450〜550の範囲では、加熱定着装置で形成される定着ニップを所定幅に確保でき、基体の耐久性において発生する端部からの亀裂損傷は基体の両端部を対向するローラー刃周縁で切断して切断段差0.05mm以下とすることで亀裂開始のきっかけ、及び、切断時の加工熱による熱的脆性が低減されて耐久性が確保される。また、電着応力を0〜−5kg/mm範囲の圧縮応力で形成することにより、金属母型の外径を使用して容易に離型生産する事が出来る。
請求項2に係わる発明によれば、膜厚をニッケル単体からなる基体より薄めに形成することにより、硬化させた分の柔軟性を持たせ、膜の表と裏での屈曲負荷を軽減して耐久性を確保できる。
請求項3に係わる発明によれば、シームレスベルト基体をスルファミン酸ニッケル・コバルト浴電気鋳造法で形成することにより、3μm以内の均一な膜厚分布のシームレスベルト基体を得る事ができ、加熱定着用に必要な可撓性のある硬度Hv450〜550、ニッケル単体より膜厚を薄めに形成しても取扱い時にキンク等の折れ曲りの発生し難い硬度を持った25〜30μmの膜厚の耐熱性に優れるシームレスベルト基体を得ることができる。
請求項4に係わる発明によれば、電気鋳造液の組成をスルファミン酸ニッケル450〜550g/lの液中にスルファミン酸コバルト10〜15g/lを含む電鋳液で、電解電流密度4〜5A/dmで電析することにより、膜厚析出量が0.8〜1.0μm/分となり、シームレスベルト基体を得るために30分程度の製造時間で処理でき、高精度で高価格な電鋳金属母型の製作数、設備スペース、設備コスト、ユーティリティ等を増大させることなく生産できる。
また、ニッケル金属中にコバルト5重量%以上を含有する電析膜となるので、膜の硬度を上げて薄めに形成することができ、屈曲性が確保できて耐熱性の向上したニッケル・コバルト合金からなるシームレスベルト基体を得ることができる。
請求項5に係わる発明によれば、応力調整剤としてサッカリン50〜100ppmを添加したスルファミン酸ニッケル・コバルト電気鋳造液からニッケル・コバルト合金シームレスベルト基体を形成することにより、電析膜に電着応力0〜−5kg/mm範囲の圧縮応力が容易に働き、膜中への硫黄含有量が少量となる。
また、圧縮応力で膜を形成するため、金属母型の外径表面の使用と、膜厚分布の幅を小さくして製造が可能な電極となる陽極板を金属母型の外周に配置することにより、25〜30μmで、膜厚分布3μm以下の一定の膜厚を得る為の装置構成上のレイアウトが容易となる。また、電析膜を金属母型から圧縮応力を利用して容易に離型する事ができる。
請求項6に係わる発明によれば、ニッケル金属中にコバルト5重量%以上を含有させる為の液組成を、スルファミン酸ニッケルとスルファミン酸コバルトの比が30/1〜40/1の範囲となるように調整して電解することにより、生産と伴に比較的電着し易いコバルト成分の消耗が速いため、電解液中にニッケル陽極板及びコバルト陽極板を配置し、ニッケル陽極板には電析膜の膜厚25〜30μmを得るための主電解電流となる電流密度4〜5A/dmを連続して供給することにより、電析膜厚の形成を確保し、コバルト陽極板には消耗するコバルトイオン補給のため電界液中のコバルトイオンの組成比に対応して電流密度を調整して供給することにより、生産に伴うコバルト成分の補給が安定して供給することができ、液組成が大きく変動することを抑制でき、液の分析管理の回数が軽減され、容易な液組成の管理の下でニッケル・コバルト合金からなるシームレスベルト基体を得ることができる。
請求項7に係わる発明によれば、電析膜の形成及びイオン補給の陽極板に、活性陽極としてφ7〜10mmのペレットを使用することにより、活性陽極表面積を大きく取れ、溶解速度が電析電流に追従して安定となり、また、電気鋳造液中の陽極溶解促進剤として臭化ニッケル等のハロゲン化物添加量を低減でき、シームレスベルト基体を電析形成するための金属母型の表面に腐食による微細な孔食が発生するのを抑制でき、金属母型の長期使用を可能としてニッケル・コバルト合金からなるシームレスベルト基体を得ることができる。
請求項8に係わる発明によれば、電析膜に電着応力0〜−5kg/mm範囲の圧縮応力を持たせ、外径表面粗さがRz0.1μm以下、外径真直度10μm以下に鏡面加工された金属母型の外径面を使用して生産することにより、φ50mm以上の内径を持つ電析膜の離型が容易になり、耐熱性が向上したニッケルコバルト合金からなるシームレスベルト基体の生産が可能となる。
請求項8に係わる発明によれば、金属母型のシームレスベルト基体幅となる両端の膜厚分布3μ以上となる範囲の電析膜を切り落とす切断部を設けることにより、ローラー刃周縁を使用した切断工程でシームレスベルト幅に切断する際に、シームレスベルトの切り始めと、きり終わりの片寄りが少なくなり、使用時の切断段差からのひび割れを抑制できる切断段差を0.05mm以下とすることができる。また、金属母型外径表面と切り落とされて残った電析膜とに圧縮応力に基づく隙間が形成され圧縮空気を吹付けての離型を容易にすることができる。
請求項10に係わる発明によれば、コバルト5重量%以上を含むシームレスベルト基体に、シリコンゴム層を被覆し、その上層にフッ素樹脂層を温度340〜360℃、時間20分で焼成して形成しても繰返し使用時のヒビ割れが生じ難くなり、また、画像形成装置での定着加熱用シームレスベルトとして定着加熱温度を通常160〜180℃、または、使用する記録用紙の厚みによっては180〜200℃に加熱温度で使用されても、ニッケル単体より耐熱性があり、優れた耐久性を示す。
請求項11に係わる発明によれば、コバルト5重量%以上を含むニッケル・コバルト合金からなるシームレスベルト基体を、機能性皮膜形成前、または、シリコンゴム層を被覆後に、その上層にフッ素樹脂層を焼成して形成した定着加熱用シームレスベルトとしてから画像形成装置で使用される部材幅となる両端を対向するローラー刃周縁で切断し、切断段差0.05mm以下とすることにより、繰返し使用時の亀裂の発生を防ぎ、切断加工で発熱が非常に少ないことから熱脆性を生じる温度と成らないため、耐久性における問題が生じ難くなる。
本発明のシームレスベルト基体においては、基体材質の主成分がコバルト5重量%以上を含有するニッケル金属であり、硬度Hvが450〜550であり、電着応力が0〜−5kg/mmの圧縮応力となるように形成され、両端部が対向するローラー刃周縁で切断されており、その切断段差が0.05mm以下である。本発明のシームレスベルト基体は、基体材質の主成分となるニッケル金属中にコバルト5重量%以上を含有するので耐熱性が向上し、フッ素樹脂製の離型層を形成する際の耐熱性が向上し、画像形成装置内での加熱定着時に繰り返される160〜180℃の熱ストレスにも耐熱性が向上する。また、シームレスベルト基体の硬度Hvが450〜550の範囲内なので、加熱定着装置で形成される定着ニップを所定幅に確保できる。また、基体の両端部が対向するローラー刃周縁で切断して切断段差0.05mm以下に形成されているので、亀裂開始のきっかけとなる端部からの亀裂損傷が発生しにくく、耐久性にすぐれており、切断時の加工熱による熱的脆性が低減されて耐久性が確保される。また、電着応力が0〜−5kg/mm範囲となるような圧縮応力で形成されているので、金属母型の外径を使用して容易に離型生産する事が出来る。
本発明のシームレスベルト基体の膜厚は25〜30μmが好ましい。このように、膜厚がニッケル単体からなる基体より薄めに形成されていると、硬化させても柔軟性が保たれ、膜の表と裏での屈曲負荷が軽減されて耐久性が確保される。
本発明のシームレスベルト基体はスルファミン酸ニッケル・コバルト浴電気鋳造法で形成することが好ましい。次に、図2に基づいて、スルファミン酸ニッケル・コバルト浴電気鋳造法について具体的に説明する。なお図2は、5重量%以上のコバルトを含むニッケル・コバルト製シームレスベルト基体の形成及び、その基体上への機能性皮膜の被覆と画像形成装置に必要な部材幅に切断する製造工程を表したものである。
図2に示すスルファミン酸ニッケル・コバルト電気鋳造工程18では、キャリヤ19に着脱可能に取付された円筒状金属母型20を待機位置21に搬送し、工程Aで円筒状金属母型20の表面を研摩布22で研摩洗浄して電析膜を電着させるために表面を活性化する。
次いで、工程Bで純水とスポンジ23による洗浄と、円筒状金属母型20を搬送時に表面が乾燥しないように、40℃まで電鋳工程前加温を行なう。
次いで、工程Cで、スルファミン酸ニッケル450〜550g/lの液中にスルファミン酸コバルト10〜15g/lと、析出膜の圧縮応力調整剤としてサッカリン50〜100ppmが添加された液温55〜60℃の電解液を用い、電解液のエアー攪拌の効果を高め、また、電解液中の異物から電析膜表面に突起等の発生を防止するためのイオン透過性の隔膜カソードケース24を用い、隔膜カソードケース24の中芯で円筒状金属母型20を6〜10rpmで回転させ、4〜5A/dmの電解電流密度の電流を供給し、約1μm/分の電析時間で25〜30μmの膜厚を作製する。
こうして得られた膜厚はニッケル単体のものより4〜5μm薄く形成される。繰返しの屈曲性に対して柔軟性を持たせるためである。繰返し行なわれる電鋳による金属イオンの補給は、可溶性陽極の活性ニッケルペレットをアノードバック25に投入し、同じく可溶性陽極の活性コバルトペレットをアノードバック26に投入して、活性ニッケルペレットの投入されたアノードバック25に膜厚形成のため4〜5A/dmの電解電流密度となる電流を円筒状金属母型20との間に供給することにより行なわれる。活性コバルトペレットの投入されたアノードバック26には、電解液の組成比に応じた電流として1/30〜1/40の電解電流を供給することで、スルファミン酸コバルト塩をコバルト金属イオンとして補給する回数を軽減でき、管理が容易となり、電解液のコバルト金属イオンの変動を抑制することができる。
次いで、工程Dで円筒状金属母型20と電析膜に付着した電解液を洗浄除去し、工程Eでは円筒状金属母型20の表面に形成された電析膜の純水洗浄と乾燥のため60〜70℃の加温を行ない、引き上げ時にエアーナイフ等で洗浄水を切ってシミの無いよう乾燥させる。
次いで、工程Fで円筒状金属母型20の3μm以上の膜厚分布となった電析膜の両端の外径表面に離型用治具27を取付けてクランプし、円筒状金属母型20の両端部に形成された20〜30mm幅の電析膜の膜厚増大部28を、周囲を絶縁した尖状形状の剥離開始部29から円周方向に手作業により矢印方向に引き剥がして切り落とし、離型用治具27を開放して高圧のエアーを切り離された両端部の円筒状金属母型20と電析膜との間に吹付けて除ゞに剥離し、全体を離型し、受け治具30のクッションスポンジ31上に落下させて取り出す。
上記工程A〜Fを経ることによりシームレスベルト基体を製造すれば、膜厚25〜30μmの基体が形成される。この基体はニッケル単体のものより4〜5μm薄く、繰返しの屈曲性に対して柔軟性を有し、5重量%以上のコバルトを含むニッケル・コバルト合金製のシームレスベルト基体の場合において問題となるキンク等の微小な折れ曲りを発生させることがないを耐久性に優れるものである。本発明によれば、かかる基体を生産性良く製造することができる。
次いで、受け治具30に落下させて取り出された電析膜32は、画像形成装置のシームレスベルト基体として、感光体としての感光層の塗布、加熱定着用シームレスベルトとしてシリコンゴム層及びシリコンゴム層形成後ふっ素樹脂層等の機能性皮膜を被覆され、画像形成装置に必要な幅に切断工程33で切断される。また、機能性皮膜に押出し成形のチューブを用いて被覆形成する場合は切断工程33に先に送られ、所定の画像形成部材幅とし、切断段差0.05mm以下としてから機能性皮膜が被覆形成される。
切断工程33では、上下に対向する超硬性の金属ローラーを用い、機能性皮膜の形成されたシームレスベルト34を、下ローラー35に挿入して乗せ、待機していた上ローラー36を下ローラー35上に移動させて、対向するローラー刃周縁でシームレスベルト34の両端を回転させながら全周を切断する。切り終わり部37は加熱定着用シームレスベルト及びその基体では段差を0.05mm以下にして形成し、裏側に寄り止めガイド等を必要に応じ形成される。
この切り終わり部37に0.1mm以上の段差を生じたままの加熱定着用のふっ素樹脂被覆シームレスベルトとして画像形成装置で使用すると、繰り返しの屈曲負荷により、段差部が亀裂の起点となって疲労破断し易くなり耐久性を低下させるものとなる。
この切断工程を経た加熱定着用シームレスベルトは、切断時に両切断面が特に硫黄脆性等の脆さを発現する高温とは成らないため、耐久性を低下させることがなく作製される。
尚、画像形成装置における記録紙の耐刷性は通常4〜5万枚の範囲になっているため、シームレスベルト基体としては1〜2倍の寿命が必要である。構造上破損しても安全であれば機能性被膜寿命と同等の寿命であってもかまわないが、金属膜を使用したシームレスベルトでは、破損すると破断面が鋭く、思わぬ障害を起こすのでシームレスベルト基体の耐久性を上げておく必要がある。
実施例1、2
前述した方法により、ニッケルとコバルトを含むスルファミン酸電鋳液から形成された膜厚25〜30μm、硬度HV450〜550で、電着応力0〜−5kg/mmの範囲の圧縮応力を持つコバルト5重量%以上を含むニッケル・コバルトシームレスベルト基体を作製した。次いで、前述した方法により、該基体上に、シリコンゴム0.05〜0.1mmを被覆し、その上に材質がPFAふっ素樹脂より低温焼成可能なFEPふっ素樹脂10〜15μmを温度340、360℃各20分で焼成被覆し、両端部を画像形成装置に必要な幅300mmに切断工程33の上下対向ローラー刃周縁で切断し、両端部の切断段差が0.05mm以下の加熱定着用シームレスベルトを2種類、実施例1、実施例2として作製した。
得られたシームレスベルトを、図3に示す画像形成装置と同じニップ幅を形成したレイアウトの耐久テスト機38に組み込み、外径25mmのシリコンゴム被覆の定着ローラー39、外径25mmのシリコンゴム被覆の加熱ローラー40、外径30mmのシリコンゴム被覆の定着加圧ローラー41により加圧力10〜15kgfを与え、600Wハロゲンヒーター42により加熱定着用シームレスベルト43の基体温度をサーミスタ44により検出調整し、160〜180℃の温度に加熱し、定着加圧ローラー41の表面温度を400Wハロゲンヒーター45によりサーミスタ46を用いて検出調整し100〜120℃に加熱し、加熱定着用シームレスベルト43を線速100mm/秒で、A4耐刷枚数5万枚相当を回転駆動させた。
5万枚相当の耐刷枚数で、2種類のシームレスベルトとも、亀裂のきっかけとなる基体の両端部の段差からは図4(a)に示すような亀裂の発生はなく、5万枚相当の耐刷数でも画像形成幅内の離型層に亀裂は発生せず、加熱定着用ふっ素樹脂被覆シームレスベルトとしての基体の機能としてA4耐刷枚数5万枚相当以上を満足するものであった。
比較例1、2
コバルトを含まないスルファミン酸ニッケル電鋳液を用いたこと以外は、実施例と同様に、膜厚30〜35μm、硬度HV450〜500で、電着応力0〜−5kg/mmの範囲の圧縮応力を持つコバルトを含むシームレスベルト基体を作製した。次いで、該基体上に、シリコンゴム0.05〜0.1mmを被覆し、その上に材質がPFAより低温焼成可能なFEPふっ素樹脂10〜15μmを焼成温度340、360℃各20分で焼成被覆し、両端部を画像形成装置に必要な幅300mmに切断工程33の上下対向ローラー刃周縁で切断し、両端部の切断段差を0.05mm以下とした加熱定着用シームレスベルトを2種類、比較例1、比較例2として作製した。
得られたシームレスベルトを、実施例と同様に、図3に示す画像形成装置と同じニップ幅を形成したレイアウトの耐久テスト機38に組み込み、外径25mmのシリコンゴム被覆の定着ローラー39、外径25mmのシリコンゴム被覆の加熱ローラー40、外径30mmのシリコンゴム被覆の定着加圧ローラー41により加圧力10〜15kgfを与え、600Wハロゲンヒーター42により加熱定着用シームレスベルト43の基体温度をサーミスタ44により検出調整し、160〜180℃の温度に加熱し、定着加圧ローラー41の表面温度を400Wハロゲンヒーター45によりサーミスタ46を用いて検出調整し100〜120℃に加熱し、加熱定着用シームレスベルト43を線速100mm/秒で、A4耐刷枚数5万枚相当を回転駆動させた。
2種類のシームレスベルトとも基体の両端部の段差からは、図4(a)に示すような亀裂の発生はないが、3〜4万枚相当の耐刷数で、基体の側面部に図4(b)に示すような亀裂状のスジが2種類とも発生し始め、4.5万枚相当の耐刷数でスジが拡大し、スジ部内が切断された状態となった。
亀裂のきっかけとなり易い基体両端部の段差が0.05mm以下に加工処理がなされていても、加熱定着用ふっ素樹脂被覆シームレスベルトとして加工形成されると、ニッケル単独の電鋳製基体では、A4耐刷枚数5万枚相当以上は満足出来することができないと判断される。
実施例と比較例の差異をまとめて表1に示す。
Figure 2005089790
<実施例の電気鋳造液組成>
スルファミン酸ニッケル:450〜550g/l
スルファミン酸コバルト:10〜15g/l
液温:55〜60℃
pH:3〜4(ホウ酸40g/l添加)
圧縮応力調整剤:サッカリン(スルフォベンズイミドナトリウム)50〜100ppm
臭化ニッケル:1〜2g/l
界面活性剤:0.1g/l(アルキルベンゼンスルフォン酸塩)
<比較例の電気鋳造液組成>
スルファミン酸ニッケル:450〜550g/l
液温:55〜60℃
pH:3〜4(ホウ酸40g/l添加)
圧縮応力調整剤:サッカリン(スルフォベンズイミドナトリウム)50〜100ppm
ナフタレントリスルフォン酸ナトリウム:1200〜1500ppm
臭化ニッケル:1〜2g/l
界面活性剤:0.1g/l(アルキルベンゼンスルフォン酸塩)
画像形成装置に組込まれる加熱定着ユニットの構成の一例を示す図面である。 5重量%以上のコバルトを含むニッケル・コバルト製シームレスベルト基体の形成及び、その基体上への機能性皮膜の被覆と画像形成装置に必要な部材幅に切断する製造工程の説明図である。 耐久テスト機の説明図である。 (a)基体の両端部の段差に発生した亀裂の説明図である。(b)基体の側面部に発生した亀裂の説明図である。
符号の説明
1 加熱定着ユニット 21 待機位置
2 画像形成部 22 研摩布
3 記録紙 23 スポンジ
4 転写ベルト 24 隔膜カソードケース
5 加熱ローラー 25 活性ニッケルペレット入りアノードバッグ
6 定着ローラー 26 活性コバルトペレット入りアノードバッグ
7 定着ベルト 27 離型用治具
8 加圧ローラー 28 膜厚増大部
9 ニップ部 29 剥離開始部
10 排紙ローラー 30 受け治具
11 温度センサー 31 クッションスポンジ
12 ハロゲンヒーター 32 電析膜
13 アルミ基体 33 切断工程
14 シリコンゴム層 34 シームレスベルト
15 シームレスベルト基体 35 下ローラー
16 シリコンゴム層(16) 36 上ローラー
17 フッ素樹脂層 37 切り終わり部
18 電気鋳造工程 38 耐久テスト機
19 キャリヤ 39 シリコンゴム被覆定着ローラー
20 円筒状金属母型 40 シリコンゴム被覆加熱ローラー
41 シリコンゴム被覆定着加圧ローラー
42 600Wハロゲンヒーター
43 加熱定着用シームレスベルト
44 サーミスタ
45 400Wハロゲンヒーター
46 サーミスタ

Claims (11)

  1. 基体材質の主成分がコバルト5重量%以上を含有するニッケル金属であり、硬度Hvが450〜550であり、電着応力が0〜−5kg/mmの圧縮応力となるように形成され、両端部が対向するローラー刃周縁で切断されており、その切断段差が0.05mm以下であることを特徴とするニッケルコバルト合金からなるシームレスベルト基体。
  2. 膜厚が25〜30μmであることを特徴とする請求項1に記載のシームレスベルト基体。
  3. 請求項1又は2に記載のシームレスベルト基体を、スルファミン酸ニッケル・コバルト浴電気鋳造法で形成する特徴とするシームレスベルト基体の製造方法。
  4. 該スルファミン酸ニッケル・コバルト浴電気鋳造法において、スルファミン酸ニッケル450〜550g/lの液中にスルファミン酸コバルト10〜15g/lを含む電解液を用いて、4〜5A/dmの電解電流密度で基体を作製することを特徴とする請求項3に記載のシームレスベルト基体の製造方法。
  5. 該電解液に、析出膜の圧縮応力調整剤としてサッカリン50〜100ppmを添加することを特徴とする請求項4に記載のシームレスベルト基体の製造方法。
  6. 電解液中へのニッケル及びコバルトイオンの供給に可溶性陽極を用い、該可溶性陽極のニッケル陽極板に電流密度4〜5A/dmの電解電流を連続供給し、該可溶性陽極のコバルト陽極板に電界液中のコバルトイオンの組成比に対応して電解電流を調整供給することを特徴とする請求項4又は5に記載のシームレスベルト基体の製造方法。
  7. 該可溶性陽極が、7〜10mmのペレット状活性陽極を用いて形成されるニッケルコバルト合金からなることを特徴とする請求項6に記載のシームレスベルト基体の製造方法。
  8. 外径表面粗さがRz0.1μm以下、外径真直度10μm以下に鏡面加工された金属母型の外径面を使用してシームレスベルト基体を形成することを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載のシームレスベルト基体の製造方法。
  9. 該金属母型に、シームレスベルト幅となる範囲が膜厚3μm以下となるよう両端の電析膜を切り落とす切断部を設けることを特徴とする請求項8に記載のシームレスベルト基体の製造方法。
  10. 請求項1又は2に記載のシームレスベルト基体又は請求項3〜9のいずれかに記載の製造方法により製造されたシームレスベルト基体上に、シリコンゴム及びフッ素ゴムを順じ被覆焼成して形成されたことを特徴とする加熱定着用シームレスベルト。
  11. 画像形成装置で使用される部材幅となる両端が、対向するローラー刃周縁で切断段差0.05mm以下に切断加工されていることを特徴とする請求項9に記載の加熱定着用シームレスベルト。
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