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JP4436561B2 - 光学素子の製造方法 - Google Patents

光学素子の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光軸対称の屈折率分布を有する光学素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高精度な画質が要求される光学製品のニーズが高まるとともに、レンズ単体の精度も高品質なものが要求されており、形状精度はもとより、レンズの均質性(屈折率分布)については、当然成形による均質性の低下が許容できない状態となっている。
【0003】
この問題の解決策として、特開平7−267658号公報に開示された技術(従来技術1)と特開平9−286626号公報に開示された技術(従来技術2)とが提示されている。従来技術1および2では、レンズの形状精度および均質性の規格をクリアするために、成形時の冷却速度を非常に遅くしたり、一定時間保持したりする温度制御が行われている。また、均質性(一様な屈折率分布)を確保するために、ファインアニールの技術が有効であるとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記従来技術には、つぎのような問題点があった。すなわち、レンズの均質性を確認するための温度制御やファインアニールは、成形時または成形後のサイクルタイムが長くなり、しかも、装置に高精度なものが必要となり、大きな投資を必要としていた。また、ファインアニールは、発明者等の実験では、大口径や凹形状の光学素子の場合は、形状変化を伴い、成形で得た高精度な転写精度を確保することが困難であった。
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、請求項1に係る発明の課題は、成形された光学素子の屈折率分布を除去するのではなく、転写精度を確保するとともに、屈折率分布を安定化して非球面効果として利用し、サイクルタイムの短縮と、型寿命の向上を実現し、生産性の高い光学素子の製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、ガラス素材を一対の成形型と同時または個別に加熱、軟化または溶融して変形可能にし、前記成形型内で押圧して光学素子を得る光学素子の製造方法において、一様な屈折率分布が確保されたものとして第1の光学素子を設計し、前記第1の光学素子の光軸対称の屈折率分布を推測し、推測された屈折率分布を多項式で近似し、前記多項式を非球面形状として換算し、第2の光学素子を設計し、前記第2の光学素子の形状を反転して光軸対称の屈折率分布を見込んだ前記成形型を形成し、前記成形型を用いて、前記ガラス素材を押圧して変形させた後、前記成形型の外周または中心から輪帯状に均等に冷却しつつ押圧成形することを特徴とする。
【0009】
請求項1に係る発明の光学素子の製造方法では、ガラス素材を押圧して変形させた後、成形型の外周または中心から輪帯状に均等に冷却しつつ押圧成形することにより、押圧成形されたガラス素材は外周または中心から輪帯状に冷却され、先に冷却されたガラス素材の外周または中心付近は先に固化し、他の中心または外周付近は遅れて固化する。遅れて固化した部分は収縮時に内部密度が高まるため、屈折率が大きくなる方向に変化し、成形された光学素子は光軸対称の屈折率分布を形成する。
【0010】
また本発明の光学素子の製造方法では、上記作用に加え、光学素子が所望する転写精度と屈折率分布とを得るように、押圧力、冷却速度および成形型温度を制御することにより、冷却過程における押圧力、冷却速度および成形型温度の制御により、ガラス素材は成形型に密着し、内部密度を高め、屈折率分布が制御される。
【0011】
さらに本発明の光学素子の製造方法では、上記作用に加え、光学素子が有する屈折率分布を光学素子の非球面効果として換算し、成形型の形状を反転して、予め光軸対称の屈折率分布を見込んだ成形型を光学素子の製造方法に用いることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
具体的な実施の形態の説明に先立ち、本発明の概要について説明する。本発明は、成形加工の冷却工程において、冷却速度を緩和することなく、短時間で押圧冷却するものである。成形された光学素子の形状精度は、押圧によって規制されることにより、非常に高精度な値が得られる。冷却工程では、光軸から輪帯状に均等に強制冷却を実施することにより光軸対称の冷却速度差が発生する。先に固化する部分は、急冷効果と押圧時の上下成形型の押圧力を受けて固定されることにより、内部密度が高まらないが、遅れて固化する部分は収縮時に内部密度が高まるため、屈折率が大きくなる方向に変化し、光軸対称の屈折率分布を保有した光学素子を得ることができる。一般的には、こうして発生する屈折率分布を、悪影響として排除するが、本発明ではこの屈折率分布を、押圧力、冷却速度等の条件を制御して安定させることにより、非球面効果として換算し、利用するものである。屈折率分布に応じて成形型を設計し、その成形型を用いて成形することにより、光学素子の面形状に反映させたり、屈折率分布を有する球面レンズに利用したりするものである。以下、具体的な実施の形態について説明する。
【0014】
(実施の形態1)
図1〜図4は実施の形態1を示し、図1は光学素子の製造方法に用いる成形装置の構成図、図2は光学素子成形方法のフローチャート、図3は押圧力と屈折率分布との関係を示す図表、図4はブロー量と屈折率分布との関係を示す図表である。
【0015】
まず、光学素子の製造方法に用いる成形装置について説明する。図1において、成形装置は、成形室13内に、一対の成形型の一方としての上型1と他方としての下型2とが同軸上に配設され、その周囲にそれぞれ上ヒータ3と下ヒータ4とが付設されて、上型1と下型2とをそれぞれ独立して加熱できるように構成されている。型温度は上センサ5と下センサ6とでそれぞれ検知し、温度制御を行っている。ガラス素材11は、成形室13に隣接した加熱炉7で予め加熱軟化されるようになっており、搬送具8を介して搬送アーム9によって加熱炉7と上型1、下型2の間とに進退自在に搬送され、押圧されるようになっている。ガラス素材11の押圧は、図示しないサーボモータに連結された下型2が上下動して行われる。冷却機構として、環状の窒素噴出ノズル10が、成形された光学素子が光軸対称に輪帯状に均等に冷却されるように、下型2の周囲に配設されている。また、上型1の周囲には、成形した光学素子が貼り付いた際に、離型できるように、上下動可能な離型アーム12が配設されている。
【0016】
つぎに、上記構成の成形装置を用いた光学素子の製造方法について説明する。光学素子の製造方法の概略の過程は、図2に示すレンズ成形のフローチャートにより行われる。本実施の形態では、光学素子として、La系の凹レンズの成形に適用した場合を説明する。凹レンズの形状は、直径18mm、厚さ2mmで、中心曲率半径は約20mmの凹非球面と、曲率半径150mmの凹球面で構成された片面凹非球面レンズである。この片面凹非球面レンズにおいては、成形過程で発生する径方向の屈折率分布差は、温度シミュレーションと、これまで蓄積してある成形データから条件を仮定して推測することにより、中心より外周側が1×10−3程度の屈折率が低下する分布になることが予想される。この分布を多項式近似してレンズ形状を再設計し、その形状で凹非球面を反転した上型1(図1参照)を作製する。
【0017】
つぎに、成形工程を説明する。図1において、ガラス素材11は、平面レンズを用い、搬送具8を介して搬送アーム9に載置し、加熱炉7内に搬送して加熱する。ガラス粘度で10〜10ポアズ相当に加熱した後、予めガラス粘度で1013〜1014ポアズ付近に加熱されている上型1と下型2との間に搬送して、下型2をサーボモータで上昇させて押圧する。押圧力は、300×9.8Nを作用させ、瞬時にガラス素材11を変形させる。変形後、窒素噴射ノズル10より、30リットル/分の窒素を噴射して、上型1、下型2および押圧中のガラス素材11を冷却する。窒素噴射ノズル10は、ガラス素材11に対して輪体状に均等に窒素が吹き付けられるように、均等に12ヶ所の吹き出し口を有している。約15秒間の冷却で、ガラス素材11がガラス粘度で1013〜1014ポアズ程度に冷却されて固化し、転写精度が得られる。押圧完了後、下型2を下降させて、離型アーム12を上下動させ、搬送アーム9で成形された片面凹非球面レンズを取り出して、短時間で成形工程を完了する。
【0018】
つぎに、成形された片面凹非球面レンズについて説明する。上記成形方法の冷却速度は5〜10℃/秒程度となり、冷却時には片面凹非球面レンズに光軸対称の温度分布が発生する。そのため、収縮差を発生して成形面の転写精度が劣化することにつながるため、押圧力を大きくして転写精度の劣化を防止している。成形面の形状は、型の形状と比較して、相似的にみると0.1μm以下の誤差で成形されている。このような成形条件にすることにより非常に短時間での成形が可能となり、コスト、リードタイム等の面で得られるメリットは大きい。しかし、このような成形では、急冷される部分のガラス密度は小さくなり、本実施の形態においては、中心部ほど冷却速度が遅くなり、ガラス密度が大きくなるため、中心部ほど屈折率が大きく、外周に向かって屈折率が下がる傾向の屈折率分布が得られる。
【0019】
このような屈折率分布では、一般的にレンズに非球面効果を与える。成形後にレンズの屈折率分布を測定したところ、中心と外周部(直径16mmの位置)との差は、ほぼ予測通り1×10−3程度の大きさで外周部が低い状態となった。なお、屈折率分布の測定は、オイルオンプレート法で行った。通常、この屈折率分布をもつレンズが得られた場合は、光学特性が満足できずに不良品となるか、アニール処理が実施されるが、本実施の形態では、この屈折率分布を予め非球面形状として換算し(本実施の形態では15μmに相当)、成形型に反映させているため、光学性能は良好なものが得られている。この屈折率分布は、押圧力、冷却速度でほぼ決まり、これらの条件のバラツキを管理して成形することにより、バラツキおよび分布曲線を管理することができる。そのため、屈折率分布の影響は、そのバラツキの範囲である5×10−5程度に低減することができ、生産においても、光学特性にとくに悪影響を及ぼすことはない。
【0020】
図3および図4は、本実施の形態の光学素子の製造方法における実験例として、片面凹非球面レンズのデータを採取して図表に表したものである。図3は屈折率分布と押圧力との関係を示すもの、図4は屈折率分布と冷却ブロー量との関係を示すものである。押圧力を大きくする程、冷却ブローを増やす程、屈折率分布が大きくなることが相関をもって確認されている。これは、収縮を強制規制することや、冷却速度差が大きくなる等で、片面凹非球面レンズの内部が不均質になりやすくなるためである。また、屈折率分布のパターンとしては、本実施の形態のように、外周から強制冷却を続けると、外周部が急冷されて、中心の屈折率が高く、外周部が低い状況になるが、強制冷却を弱くすると、成形型と接触している内部の方が冷却が速くなって外周の屈折率が高くなり、中心の屈折率が小さくなるものである。また、本実施の形態では、加熱したガラス素材を成形型間に搬送して成形するため、型温度がガラス素材の冷却速度に大きく影響を及ぼし、屈折率分布が影響を受けることが分かっている。
【0021】
屈折率分布を成形条件で対応した実験においては、サイクルタイムを変えずに生産性を維持したままでは、型温度の上昇(ガラス粘度で1012ポアズ程度)、冷却速度緩和のため、ブロー量の低下、押圧力の低下が必要であり、面形状の劣化や焼き付きが発生して安定した成形ができる状況ではなかった。冷却速度を極端に遅くすれば(時間にして数分間)、良好な成形品が得られるが、生産性を確保することはできなくなる。また、通常、アニール等をすれば、均質性を確保できるが、非常に時間がかかり、生産性を確保することが困難となる。さらにアニールでは、アニール炉の設備等が必要であり、生産数が多くなると対応が困難になってきたり、若干の表面形状の変化が懸念される状況であった。
【0022】
なお、上述の通り、屈折率分布の量は、押圧力を高く、冷却速度を速く(窒素ブロー量を増やす、型温度を下げる等)すれば、分布は大きくなる特性が把握されているので、成形型の面形状に反映させる屈折率分布の見込み量への対応は、条件管理できるため、成形型を作り直しする手間は基本的には必要がない。但し、設計上、分布曲線形状の正確な予測が必要な場合や、大口径等の困難な形状の場合は、図2に示すように、成形で得られた値を一度フィードバックして成形型に反映することが有効である。形状を見込む成形型は、本実施の形態では非球面型で実施したが、設計の都合で上下の成形型に分担したり、球面型に見込んでも何ら問題はない。
【0023】
本実施の形態によれば、成形された光学素子の屈折率分布を除去するのではなく、転写精度を確保するとともに、屈折率分布を安定化して非球面効果として利用し、ある一定の屈折率分布量を保有した成形条件で成形可能であるため、サイクルタイムの大幅な短縮と、型温度の低下による型寿命の向上を実現し、生産性の高い光学素子の成形方法を提供することができる。また、本実施の形態の光学素子の成形方法によって成形された光軸対称の非球面光学素子は、光学素子が有する屈折率分布を、光学素子の非球面効果として換算し、光学系の設計に利用することができる。
【0024】
なお、本実施の形態では、ガラス素材と成形型を個別に加熱する方法を示したが、同時に加熱したり、溶融ガラスを供給して成形する場合にも同様な効果を得ることができる。また、非球面効果の大きい凹レンズを例として説明したが、凸レンズやメニスカスレンズ等の場合にも同様に適用できるものである。冷却の方法に関しては、本実施の形態のように、外周窒素ブローに限らず成形型内部にブローをしたりしてもよく、光軸対称に冷却されていればよい。
【0025】
(実施の形態2)
図5は実施の形態2を示し、光学素子の製造方法に用いる成形装置の構成図である。本実施の形態は、実施の形態1と成形装置と成形される光学素子とが異なり、他の部分は同様のため、異なる部分のみ説明し、同一の部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0026】
まず、光学素子の製造方法に用いる成形装置について説明する。図5において、成形装置は、成形室13内に、一対の成形型の一方としての上型21と他方としての下型22とが同軸上に配設され、その周囲にそれぞれ上ヒータ3と下ヒータ4とが付設されて、上型21と下型22とをそれぞれ独立して加熱できるように構成されている。型温度は上センサ25と下センサ26とでそれぞれ検知し、温度制御を行っている。冷却機構として、上型21の内部に穴21a、下型22の内部に穴22aがそれぞれ穿設され、この穴21a、22aにそれぞれ窒素噴出ノズル24が配設され、その先端から窒素ガスが噴出し、上型21と下型22とを中心から輪帯状に均等に冷却するように構成されている。その他の構成は実施の形態1の成形装置と同様である。
【0027】
つぎに、上記構成の成形装置を用いた光学素子の製造方法について説明する。光学素子成形方法の概略の過程は、図2に示すレンズ成形のフローチャートにより行われる。本実施の形態では、光学素子として、クラウン系の凸レンズの成形に適用した場合を説明する。凸レンズの形状は、直径16mm、厚さ3mmで、両凸球面レンズである。この両凸球面レンズにおいては、成形過程で発生する径方向の屈折率分布は、温度シミュレーションと、これまで蓄積してある成形データから条件を過程して推測することにより、中心より外周部の屈折率が高くなる分布となり、外周部に近づくに従いその変化が緩やかになることを予測して、光学系の設計を実施している。すなわち、両凸球面レンズの作製で、非球面効果が得られることを狙っている。
【0028】
つぎに、成形工程を説明する。図5において、ガラス素材11を加熱して上型21と下型22との間に搬送し、その後ガラス素材を押圧し変形させるまでは、実施の形態1と同様のため説明を省略する。その後の冷却工程では、上型21内部の穴21aと下型22の穴22aとに、窒素噴出ノズル24より窒素を噴出し冷却を行った。冷却速度、押圧力等の条件の制御で、狙いの屈折率分布を与え両凸球面レンズを得た。本実施の形態では、中心部を先に冷却しているので、狙い通りに中心部の屈折率が低い状態となり、その差は、直径15mmの位置の外周部で中心部との屈折率の差は7×10−4程度となり、外周にいくにつれて2次曲線的な変化になっている。これにより、数μmの非球面効果が得られた。すなわち、本実施の形態の両凸球面レンズにおいては、非球面の収差除去の効果を得ることができた。
【0029】
本実施の形態によれば、成形された光学素子の屈折率分布を除去するのではなく、転写精度を確保するとともに、屈折率分布を安定化して非球面効果として利用し、ある一定の屈折率分布量を保有した成形条件で成形可能であるため、サイクルタイムの大幅な短縮と、型温度の低下による型寿命の向上を実現し、生産性の高い光学素子の製造方法を提供することができる。また、成形に用いる上下型は、非球面加工が不要となり、成形型の製作コストを安価することができる。さらに、本実施の形態においては、光学系の設計、分布曲線の形状によって大きな非球面効果が得られる範囲は制限されるものであるが、組み合わせは無限にあり、今後、球面レンズをこれまでの研磨工程のみで作製することに対して、押圧成形で作製することに大きな可能性が見込まれる。
【0030】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、押圧成形されたガラス素材は外周または中心から輪帯状に冷却され、先に冷却されたガラス素材の外周または中心付近は先に固化し、他の中心または外周付近は遅れて固化し、遅れて固化した部分は収縮時に内部密度が高まるため、屈折率が大きくなる方向に変化し、成形された光学素子は光軸対称の屈折率分布を形成するので、転写精度を確保するとともに、屈折率分布を安定化して非球面効果として利用し、サイクルタイムの短縮と、型寿命の向上を実現し、生産性の高い光学素子の成形方法を提供することができる。
【0031】
また本発明によれば、上記効果に加え、冷却過程における押圧力、冷却速度および成形型温度の制御により、ガラス素材は成形型に密着し、内部密度を高め、屈折率分布が制御されるようにしたので、成形された光学素子の屈折率分布を所望の値に形成させることができる。
【0032】
さらに本発明によれば、上記効果に加え、予め光軸対称の屈折率分布を見込んだ成形型を光学素子成形方法に用いるようにしたので、所望の非球面効果を有する光学素子を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の光学素子の製造方法に用いる成形装置の構成図である。
【図2】実施の形態1の光学素子の製造方法のフローチャートである。
【図3】実施の形態1の押圧力と屈折率分布との関係を示す図表である。
【図4】実施の形態1のブロー量と屈折率分布との関係を示す図表である。
【図5】実施の形態2の光学素子の製造方法に用いる成形装置の構成図である。

Claims (1)

  1. ガラス素材を一対の成形型と同時または個別に加熱、軟化または溶融して変形可能にし、前記成形型内で押圧して光学素子を得る光学素子の製造方法において、
    一様な屈折率分布が確保されたものとして第1の光学素子を設計し、
    前記第1の光学素子の光軸対称の屈折率分布を推測し、
    推測された屈折率分布を多項式で近似し、
    前記多項式を非球面形状として換算し、第2の光学素子を設計し、
    前記第2の光学素子の形状を反転して光軸対称の屈折率分布を見込んだ前記成形型を形成し、
    前記成形型を用いて、前記ガラス素材を押圧して変形させた後、前記成形型の外周または中心から輪帯状に均等に冷却しつつ押圧成形することを特徴とする光学素子の製造方法。
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