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JP4433691B2 - フェノール系縮合物の製造方法 - Google Patents

フェノール系縮合物の製造方法 Download PDF

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JP4433691B2
JP4433691B2 JP2003154748A JP2003154748A JP4433691B2 JP 4433691 B2 JP4433691 B2 JP 4433691B2 JP 2003154748 A JP2003154748 A JP 2003154748A JP 2003154748 A JP2003154748 A JP 2003154748A JP 4433691 B2 JP4433691 B2 JP 4433691B2
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英一 小竹
雅明 窪田
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はフェノール系縮合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フェノール系縮合物は、形式的には、2個以上のフェノール系化合物それぞれから水素原子を取り除き、互いに結合させて生じる脱水素縮合物であり、その製造方法として、フェノール系化合物を錯体および酸素の存在下酸化縮合させる方法が知られている。
例えば、2,6-ジ置換フェノール化合物を銅錯体および用いて酸素の存在下酸化縮合させると、パラ位炭素原子と酸素原子が結合し、ポリ(2,6-ジ置換-1,4-フェニレンオキサイド)が得られることが知られている。
一方、少なくとも1つのオルト位に置換基のないフェノール系化合物を酸化縮合させてフェノール系縮合物を製造する場合には、フェノール系化合物の水酸基に対して、パラ位炭素だけでなく、オルト位での結合も起こった縮合物が生成することが問題であった。
本発明者らは、少なくとも1つのオルト位に置換基のないフェノール系化合物である4―フェノキシフェノールを
下式の銅錯体
Figure 0004433691
(式中、Rは、n-ブチル基、イソプロピル基またはシクロヘキシル基を表す。)および酸素の存在下で酸化縮合させるフェノール系縮合物の製造方法を報告している(非特許文献1)がパラ位置での縮合物の収率が未だ不十分であった。
【0003】
【非特許文献1】
Macromolecules 33, 1986 (2000)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、少なくとも1つのオルト位に置換基のないフェノール系化合物を酸化縮合させてフェノール系縮合物を製造する方法であって、パラ位置での縮合物の収率に優れた製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本研究者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、配位子として、配位原子が窒素原子であり、配座数が2〜4の配位子を有し、中心金属が、銅イオン、ニッケルイオン、コバルトイオン、鉄イオン、マンガンイオン、クロムイオンまたはバナジルイオンであり、かつ分子軌道法によって求められた反応活性及び反応選択性に関するパラメーターがそれぞれある値以上であるという錯体を用いる方法でフェノール系縮合物を製造すると、パラ位置での縮合物の収率に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、下記一般式(I)
Figure 0004433691
(式中、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基置換炭化水素オキシ基またはハロゲン原子を表し、RとRは一緒になって環を形成してもよい。Rは水素原子またはフェノキシ基を表す。)
で表されるフェノール系化合物を、
下記一般式(II)
Figure 0004433691
(式中、Lは配位原子が窒素原子であり、配座数が2〜4の配位子を表す。Mは銅イオン、ニッケルイオン、コバルトイオン、鉄イオン、マンガンイオン、クロムイオンまたはバナジルイオンを表す。Xはカウンターイオンを表す。nはXの個数であり、L、MおよびXの価数により適宜決定される。)
で表され、
下記式(A)で定義される活性パラメーターEact.(kcal/mol)が-21.1以下であり、かつ下記式(B)で定義される選択性パラメーターEselect.(kcal/mol)が-1.7以下である錯体および酸素の存在下で酸化縮合させることを特徴とするフェノール系縮合物の製造方法を提供するものである。
Eact.=E(a)-E(c)-E(d) (A)
Eselect.={E(a)-E(d)}-{E(b)-E(e)} (B)
〔式中、E(a)〜E(e)は、それぞれ下記構造式(a)〜(e)
を半経験的分子軌道法AM1によって構造最適化したときの生成熱(kcal/mol)を表す。
Figure 0004433691
(式中、R、R、R3およびR4は上記一般式(I)と同じ意味を表し、L、Xおよびnは上記一般式(II)と同じ意味を表し、M' は、Mが銅イオンである場合には、1価の銅イオンを、Mがニッケルイオンである場合には、2価のニッケルイオンを、Mがコバルトイオンである場合には、2価のコバルトイオンを、Mが鉄イオンである場合には、2価の鉄イオンを、Mがマンガンイオンである場合には2価のマンガンイオンを、Mがクロムイオンである場合には、2価のクロムイオンを、Mがバナジルイオンである場合には、2価のバナジルイオンをそれぞれ表す。)〕
【0006】
【発明の実施の形態】
上記一般式(I)におけるR、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基またはハロゲン原子を表し、R とR は一緒になって環を形成してもよい。
【0007】
上記一般式(I)のR、RおよびRにおける炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ドコシル基等の炭素原子数1〜50程度の非環状飽和炭化水素基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロノニル基、シクロドデシル基、ノルボニル基、アダマンチル基、シクロヘキシルメチル基等の環状構造をもつ炭素原子数3〜50程度の飽和炭化水素基;エテニル基、プロペ1−ニル基、プロペ2−ニル基、プロペ3−ニル基、3−ブテ1−ニル基、2−ブテ1−ニル基、2−ペンテ1−ニル基、2−ヘキセ1−ニル基、2−ノネ1−ニル基、2−ドデセ1−ニル基等の炭素原子数2〜50程度のアルケニル基;エチニル基、プロピ1−ニル基、プロピ2−ニル基、3−ブチ1−ニル基、2−ブチ1−ニル基、2−ペンチ1−ニル基、2−ヘキシ1−ニル基、2−ノニ1−ニル基、2−ドデシ1−ニル基等の炭素原子数2〜50程度のアルキニル基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−アダマンチルフェニル基、4−フェニルフェニル基等の炭素原子数6〜50程度のアリール基;フェニルメチル基、1−フェニレンエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニル1−プロピル基、1−フェニル2−プロピル基、2−フェニル2−プロピル基、1−フェニル3−プロピル基、1−フェニル4−ブチル基、1−フェニル5−ペンチル基、1−フェニル6−ヘキシル基等の炭素原子数7〜50程度のアラルキル基があげられる。該炭化水素基として、好ましくは炭素原子数1〜30の炭化水素基であり、より好ましくは炭素原子数1〜16の炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素原子数1〜6の炭化水素基である。
【0008】
上記一般式(I)のR、RおよびRにおける置換炭化水素基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、ニトロ基、トリアルキルシリル基等で置換された前記の炭化水素基が挙げられる。該置換炭化水素基として、好ましくは炭素原子数1〜40の置換炭化水素基であり、より好ましくは炭素原子数1〜20の置換炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素原子数1〜8の炭化水素基である。
【0009】
上記一般式(I)のR、RおよびRにおける炭化水素オキシ基としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ドデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ドコシルオキシ基等の炭素原子数1〜50程度の非環状飽和炭化水素オキシ基;シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、シクロノルボニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、シクロヘキシルメチルオキシ基等の炭素原子数3〜50程度の環状構造をもつ飽和炭化水素オキシ基;エテニルオキシ基、プロペ1−ニルオキシ基、プロペ2−ニルオキシ基、プロペ3−ニルオキシ基、3−ブテ1−ニルオキシ基、2−ブテ1−ニルオキシ基、2−ペンテ1−ニルオキシ基、2−ヘキセ1−ニルオキシ基、2−ノネ1−ニルオキシ基、2−ドデセ1−ニルオキシ基等の炭素原子数2〜50程度のアルケニルオキシ基;プロピ2−ニルオキシ基、ブチ2−ニルオキシ基、ペンチ2−ニルオキシ基、ヘキシ2−ニルオキシ基、ノニ2−ニルオキシ基、ドデシ2−ニルオキシ基等の炭素原子数2〜50程度のアルキニルオキシ基;フェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、3−メチルフェニルオキシ基、4−メチルフェニルオキシ基、4−エチルフェニルオキシ基、4−プロピルフェニルオキシ基、4−イソプロピルフェニルオキシ基、4−ブチルフェニルオキシ基、4−t−ブチルフェニルオキシ基、4−ヘキシルフェニルオキシ基、4−シクロヘキシルフェニルオキシ基、4−アダマンチルフェニルオキシ基、4−フェニルフェニルオキシ基等の炭素原子数6〜50程度のアリールオキシ基;フェニルメチルオキシ基、1−フェニレンエチルオキシ基、2−フェニルエチルオキシ基、1−フェニル1−プロピルオキシ基、1−フェニル2−プロピルオキシ基、2−フェニル2−プロピルオキシ基、1−フェニル3−プロピルオキシ基、1−フェニル4−ブチルオキシ基、1−フェニル5−ペンチルオキシ基、1−フェニル6−ヘキシルオキシ基等の炭素原子数7〜50程度のアラルキルオキシ基があげられる。該炭化水素オキシ基として、好ましくは炭素原子数1〜30の炭化水素オキシ基であり、より好ましくは炭素原子数1〜16の炭化水素オキシ基であり、さらに好ましくは炭素原子数1〜6の炭化水素オキシ基である。
【0010】
上記一般式(I)のR、RおよびRにおける置換炭化水素オキシ基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、ニトロ基、トリアルキルシリル基等で置換された前記の炭化水素オキシ基が挙げられる。該置換炭化水素オキシ基として、好ましくは炭素原子数1〜40の置換炭化水素オキシ基であり、より好ましくは炭素原子数1〜20の置換炭化水素オキシ基であり、さらに好ましくは炭素原子数1〜8の炭化水素オキシ基である。
【0011】
上記一般式(I)のR、RおよびRにおけるハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。該ハロゲン原子として、好ましくはフッ素原子、塩素原子または臭素原子であり、より好ましくはフッ素原子または塩素原子であり、さらに好ましくはフッ素原子である。
【0012】
上記一般式(I)の、R とR が一緒になって環を形成している場合としては、例えば、―CHCHCH−基、−CHCHCHCH−基、−CH=CH−CH=CH−基である場合が挙げられる。
【0013】
上記一般式(I)のR、RおよびRとして、好ましくは水素原子、炭化水素基、炭化水素オキシ基またはハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子または炭化水素基であり、さらに好ましくは水素原子または炭素原子数1〜4の炭化水素基であり、特に好ましくは水素原子またはメチル基である。
【0014】
上記一般式(I)のRは水素原子またはフェノキシ基を表す。
【0015】
フェノール系化合物の代表例としては、フェノール、2−メチルフェノール、3−メチルフェノール、2,3−ジメチルフェノール、2,5−フェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2−エチルフェノール、2−プロピルフェノール、2−イソプロピルフェノール、2−ブチルフェノール、2−イソブチルフェノール、2−t−ブチルフェノール、2−ペンチルフェノール、2−ヘキシルフェノール、2−ノニルフェノール、2−ドデシルフェノール、2−ペンタデシルフェノール、2−オクタデシルフェノール、2−ドコシルフェノール、2−シクロペンチルフェノール、2−シクロへキシルフェノール、2−アダマンチルフェノール、2−エテニルフェノール、2−プロペ1−ニルフェノール、2−プロペ2−ニルフェノール、2−プロペ3−ニルフェノール、2−エチニルフェノール、2−フェニルフェノール、2−(1−ナフチル)フェノール、2−(2−ナフチル)フェノール、2−(4−t−ブチルフェニル)フェノール、4−シクロヘキシルフェニル)フェノール、2−(4−アダマンチルフェニル)フェノール、2−(4−フェニルフェニル)フェノール、2−フェニルメチルフェノール、2−(2−フェニルエチル)フェノール、2−トリメチルシリルエテニルフェノール、2−メトキシフェノール、2−フェノキシフェノール、4−フェノール、2−フルオロフェノール等が挙げられる。
【0016】
本発明においては、出発原料として上記フェノール系化合物を単独でまたは混合して使用することができる。
【0017】
本発明で使用する錯体は、下記一般式(II)
Figure 0004433691
(式中、Lは配位原子が窒素原子であり、配座数が2〜4の配位子を表す。Mは銅イオン、ニッケルイオン、コバルトイオン、鉄イオン、マンガンイオン、クロムイオンまたはバナジルイオンを表す。Xはカウンターイオンを表す。nはXの個数であり、L、MおよびXの価数により適宜決定される。)
で表され、
上記式(A)で定義される活性パラメーターEact.(kcal/mol)が-21.1以下であり、かつ上記式(B)で定義される選択性パラメーターEselect.(kcal/mol)が-1.7以下であることを要する。
【0018】
Lとしては、配位原子が窒素原子であり、配座数が2〜4の配位子であれば特に限定されないが、配座数が2または3のものが好ましく、配座数が3のものがより好ましい。
本発明において配位子とは、化学大辞典(第1版、東京化学同人、1989年)に記載の通り、ある原子に配位結合で結合している分子またはイオンを指す。結合に直接かかわっている原子を配位原子という。
【0019】
配座数が2のものとしては、特開2001−302788号公報に例示されている。具体的には、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,2−フェニレンジアミン、2,2’−ビピリジル、2,3−ブタンジオキシム、2,4−ペンタンジオキシム、2,3−ビス(N−メチルイミノ)−ブタン、2,3−ビス(N−フェニルイミノ)ブタン、1,3−ビス(N−メチルイミノ)−ブタン、2,4−ビス(N−メチルイミノ)−ペンタン等あるいは、それらの誘導体等である。
【0020】
配座数が4のものとしては、特開平9−324042号公報に例示されている。具体的には、トリス(2−ピリジルメチル)アミン、トリス(2−イミダゾリルメチル)アミン、トリス(2−ベンズオキサゾリルメチル)アミン、トリス(2−ベンズチアゾリルメチル)アミン、トリス(1−ピラゾリルメチル)アミン、トリス(2−ピリジル−2−エチル)アミン、トリエチレンテトラミン、N,N’−ビス(2−ピリジルメチル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(2−アミノ−3−ベンジリデン)エチレンジアミン、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン、ポルフィリン、フタロシアニン等、あるいは、それらの誘導体等である。
【0021】
配座数が3のものとしては、特開平10−145899号公報、特開平10−45901号公報、特開平10−45900号公報、特開2000−226449号公報、特開平10−168180号公報、特開2002−80568号公報、特開2002−80569号公報、特開2002−80586号公報、特開平9−324040号公報、特開平9−324041号公報または特開平10−45904号公報に例示されている。具体例を挙げれば、ジエチレントリアミン、ビス(2−ピリジルメチル)アミン、ビス(2−ピリジルエチル)アミン、ビス(2−イミダゾリルメチル)アミン、ビス(2−オキサゾリルメチル)アミン、ビス(2−チアゾリルメチル)アミン、N−(2−ピリジルメチリデン)−N−(2−ピリジルメチル)アミン、2,2':6',2'' −ターピリジン、3−(2−ピリジルメチルイミノ)−2−ブタノンオキシム、トリス(2−ピリジル)メタン、トリス(2−イミダゾリル)メタン、トリス(1−ピラゾリル)メタン、トリス(1−ピラゾリル)ホスフェイト、トリス(1−ピラゾリル)ボーレート、1,4,7−トリアザシクロノナン等、あるいは、それらの誘導体等である。
【0022】
Mは銅イオン、ニッケルイオン、コバルトイオン、鉄イオン、マンガンイオン、クロムイオンまたはバナジルイオンを表し、銅イオン、コバルトイオン、鉄イオン、マンガンイオンまたはバナジルイオンが好ましく、銅イオン、コバルトイオンまたはバナジルイオンがより好ましく、銅イオンである場合がさらに好ましい。
Mが銅イオンである場合、その価数は1または2価であり、
ニッケルイオンである場合、その価数は2または3価であり、
コバルトイオンである場合、その価数は2または3価であり、
鉄イオンである場合、その価数は2〜5価であり、
マンガンイオンである場合、その価数は2〜4価であり、
クロムイオンである場合、その価数は2または3価であり、
バナジルイオンである場合、その価数は3〜5価である。
【0023】
本発明に用いる錯体は、配位子(L)と原子(M)以外の配位子等を有していてもよい。このような配位子等としては、触媒能を失活させないならば特に限定されるものではなく、例えば、錯体の原料、合成過程および/または酸化縮合過程で用いる溶媒などあげられる。
【0024】
本発明に用いる錯体には、電気的中性を保たせるようなカウンターイオン(X)が必要な場合がある。カウンターイオンのなかで、カウンターアニオンとしては、通常ブレンステッド酸の共役塩基が使用され、具体例としては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボーレートイオン、ヘキサフルオロホスフェイトイオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酸イオン、安息香酸イオン、水酸化物イオン、酸化物イオン、メトキサイドイオン、エトキサイドイオン等が挙げられる。カウンターアニオンとして、好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、水酸化物イオンまたはメトキサイドイオンであり、さらに好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオンまたは硝酸イオンである。またカウンターカチオンとしては、アルカリ金属やアルカリ土類金属等のカチオンを適宜用いることができる。
【0025】
本発明に用いる錯体は、上記式(II)で表されるとともに、
上記式(A)で定義される活性パラメーターEact.(kcal/mol)が-21.1以下であり、かつ上記式(B)で定義される選択性パラメーターEselect.(kcal/mol)が-1.7以下であることを要する。
【0026】
上記に定義される活性パラメーターEact.(kcal/mol)が-21.1より大きい場合は活性が十分でなく、選択性パラメーターEselect.(kcal/mol)が-1.7より大きい場合は選択性が十分でない。
本発明の活性パラメーターEact.(kcal/mol)は、好ましくは-21.1以下であり、より好ましくは-21.2以下であり、さらに好ましくは-21.3以下であり、特に好ましくは-21.4以下である。
【0027】
本発明の選択性パラメーターEselect.(kcal/mol)は、好ましくは-1.8以下であり、より好ましくは-2.0以下であり、さらに好ましくは-2.2以下であり、特に好ましくは-2.4以下である。
【0028】
本発明に用いる錯体は、例えばLに対応する配位子化合物とMに対応する金属化合物とを適当な溶媒中で混合する方法等により合成することができる。金属化合物としては、金属のブレンステッド酸塩等が適宜用いられる。配位子化合物としては、市販品を適宜用いることができるが、J. Chem. Soc. Dalton Trans., 83 (1993) や J. Am. Chem. Soc., 8865, 117(1995)等を参考に合成することも可能である。
該錯体は、あらかじめ合成された錯体を用いることができるが、反応系中で錯体を形成させてもよい。
【0029】
本発明においては、該錯体を単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
本発明においては、該錯体は任意の量で用いることができるが、一般的にはフェノール系化合物に対する該錯体の量として0.001〜50モル%が好ましく、0.01〜10モル%がより好ましい。
【0030】
本発明に用いる錯体として、好ましくは下記一般式(III)で表される銅錯体が挙げられる。
Figure 0004433691
(式中、Rは水素原子、環状飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基、置換環状飽和炭化水素基または置換芳香族炭化水素基を表し、すべてのRは同一でも異なっていてもよい。Rは直接結合、二価の炭化水素基または置換炭化水素基を表し、すべてのRは同一でも異なっていてもよい。Rは二価の炭化水素基または置換炭化水素基を表し、すべてのRは同一でも異なっていてもよい。Cu、Xおよびnは上記一般式(II)と同じ意味を表す。)
【0031】
上記一般式(III)のRにおける環状飽和炭化水素基としては、一つの環状構造から成る単環式飽和炭化水素基と二つ以上の環状構造から成る多環式飽和炭化水素基がある。
上記一般式(III)のRの環状飽和炭化水素基における単環式飽和炭化水素基とは、下記一般式(IV)で表される基である。
Figure 0004433691
(式中、R8は水素原子またはアルキル基を表し、mは2以上の整数である。すべてのR8は同一であっても異なっていてもよい。)
【0032】
上記一般式(IV)のRのアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基、ドデシル基等が挙げられる。上記一般式(I)のRとして、好ましくは水素原子または炭素原子数1〜20のアルキル基であり、より好ましくは水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基である。
上記一般式(IV)のmとして、好ましくは2〜20の整数であり、より好ましくは3〜11の整数であり、さらに好ましくは4〜7の整数である。
【0033】
上記一般式(IV)の環状飽和炭化水素基における多環式飽和炭化水素基としては、以下のような構造を有する飽和炭化水素基が挙げられる。
Figure 0004433691
【0034】
上記一般式(IV)の環状飽和炭化水素基における多環式飽和炭化水素基として、好ましくはo〜yの構造をもつ炭素原子数6〜50の飽和炭化水素基であり、より好ましくはo〜yの構造をもつ炭素原子数6〜30の飽和炭化水素基であり、さらに好ましくはo〜yの構造をもつ炭素原子数6〜20の飽和炭化水素基である。
【0035】
上記一般式(III)のRにおける芳香族炭化水素基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラニル基、9−アントラニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−フェニルフェニル基等が挙げられる。
【0036】
上記一般式(III)のRにおける芳香族炭化水素基として、好ましくは炭素原子数6〜50の芳香族炭化水素基であり、より好ましくは炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基である。
【0037】
上記一般式(III)のR における置換環状飽和炭化水素基および置換芳香族炭化水素基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基等で置換された前記の環状飽和炭化水素基および芳香族炭化水素基が挙げられる。
【0038】
上記一般式(III)のR としては、環状飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基および置換芳香族炭化水素基が好ましく、環状飽和炭化水素基および芳香族炭化水素基がより好ましく、環状飽和炭化水素基がさらに好ましい。
【0039】
上記一般式(III)のRおよびR における二価の炭化水素基としては、炭素原子数1〜20のアルキレン基、炭素原子数3〜20のシクロアルキレン基または炭素原子数6〜20のアリーレン基が好ましく、具体例としては、メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、2,4−ブチレン基、2,4−ジメチル−2,4−ブチレン基、1,2−ジフェニル−1,2−エチレン、1,2−シクロペンチレン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,2−フェニレン基等を挙げることができる。
【0040】
上記一般式(III)のRおよび における二価の置換炭化水素基は、ハロゲン原子、アルコキシ基等で置換された前記の二価の炭化水素基である。
【0041】
上記一般式(III)におけるR としては、好ましくは直接結合、メチレン基、エチレン基、フッ素置換メチレン基およびフッ素置換エチレン基であり、より好ましくは直接結合、メチレン基、1,2−エチレン基、ジフルオロメチレン基、ジフルオロ−1,2−エチレン基およびテトラフルオロ−1,2−エチレン基であり、さらに好ましくは直接結合、メチレン基およびジフルオロメチレン基であり、特に好ましくは直接結合、メチレン基である。
上記一般式(III)におけるR としては、好ましくは炭素原子数2〜6のアルキレン基であり、より好ましくは炭素原子数2〜4のアルキレン基であり、さらに好ましくは1,2−エチレン基、1,2−プロピレン基、2,3−ブチレン基、2,3−ジメチル−2,3−ブチレン基であり、特に好ましくは1,2−エチレン基である。
【0042】
上記一般式(III)において、Cuは、1価または2価の銅イオンを表し、Xおよびnは上記一般式(II)と同じ意味を表し、具体例及び好ましい例も同様である。
【0043】
本発明に用いる銅錯体の銅の価数が2価であり、かつカウンターイオンとしてフェノールよりも強い酸の共役塩基を有する場合には、該銅錯体を不活性化しない塩基を、該カウンターイオンと1/4当量以上、重合時に共存させることが好ましい。かかる塩基の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化カルシウム、ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイド等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、アルコキサイド類;メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ピリジン、2−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,6−ジフェニルピリジン等のピリジン類が挙げられる。アルコキサイド類、アミン類またはピリジン類をカウンターイオンと1/4当量以上共存させることがより好ましく、置換ピリジン類を1/2当量以上共存させることがさらに好ましい。
【0044】
本発明において酸化剤は、酸素であり、不活性ガスとの混合物であってもよく、空気でもよい。酸素の使用量は、フェノール系化合物に対して通常、当量以上大過剰に使用する。
【0045】
本発明の反応は、反応溶媒の不在下でも実施することは可能であるが、一般には溶媒を用いることが望ましい。溶媒はフェノール系化合物に対し不活性でかつ反応温度において液体であれば、特に限定されるものではない。好ましい溶媒の例を示すならば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘプタン、シクロヘキサン等の鎖状及び環状の脂肪族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール等のアルコール類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物類;水等が挙げられる。芳香族炭化水素系、鎖状及び環状の脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ニトリル類、エーテル類またはニトロ化合物類がより好ましく、芳香族炭化水素系またはハロゲン化炭化水素がさらに好ましい。これらは単独あるいは混合物として使用される。
該溶媒を用いる場合は、フェノール系化合物の濃度が好ましくは0.5〜50重量%、より好ましくは1〜30重量%になるような割合で使用される。
【0046】
本発明を実施する反応温度は、反応媒体が液状を保つ範囲であれば特に制限はない。溶媒を用いない場合は通常はフェノール系化合物の融点以上の温度である。好ましい温度範囲は0℃〜200℃であり、より好ましくは0℃〜150℃である、さらに好ましくは0℃〜100℃である。反応時間は、反応温度などの反応条件で変わるが、通常1分間〜18000分間である。
【0047】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を限定されるものではない。
【0048】
参考例1
活性パラメーターEact.(kcal/mol)および選択性パラメーターEselect.(kcal/mol)の計算:
フェノール系化合物が4-フェノキシフェノール、銅錯体が
Figure 0004433691
(Rは、シクロヘキシルメチル基、n-ブチル基、イソプロピル基またはシクロヘキシル基)である場合の各パラメーターを計算する例を示す。以下、Rがシクロヘキシルメチル基の上記構造の銅錯体をCu(cHexMe3tacn)と、n-ブチル基のものをCu(nBu3tacn)と、イソプロピル基のものをCu(iPr3tacn)と、シクロヘキシル基のものをCu(cHex3tacn)と略すことがある。
下記構造式(a')〜(e')につき、WinMOPAC3.0(富士通社)にMOPAC遷移金属パラメータ1、Cu、VO1(富士通社)を組み合わせて、キーワードとしてEF、AM1、MMOK、GNORM=0.10、CHARGE=1を指定し、構造最適化を行った。最適構造が複数ある場合は、生成熱の最低のものを選んだ。(a')〜(e')の生成熱をそれぞれE(a)〜E(e)(kcal/mol)とし、Eact.=E(a)-E(c)-E(d)(kcal/mol)であり、Eselect.={E(a)-E(d)}-{E(b)-E(e)}(kcal/mol)として求めた。結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0004433691
Figure 0004433691
【0049】
参考例2
1,4,7-トリス(シクロヘキシルメチル)-1,4,7-トリアザシクロノナンの合成:
トリアザシクロノナン1.0g(7.8mmol)を還流冷却管が取り付けた50mL二口フラスコに入れ、メシチレン16.7mLを加え、シクロヘキシルメチルブロマイド4.8g(27mmol)と水酸化カリウム2.2g(39mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下100℃で72時間撹拌した。反応終了後、塩をろ過除去し、ろ液を濃縮した。これを減圧蒸留にて分離・精製した。(収量2.7g、収率83%)
1H-NMR(クロロホルム-d,ppm):0.75〜1.90(m,33H)、2.23(d,6H)、2.68(s,12H)
13C-NMR(クロロホルム-d,ppm):26.6、27.3、32,3、36.9、57.0、67.0
IR(KBr 法,cm-1):2919、2849、2788、1448、1357、1314、1263、1161、1113、1033、997、965、892、843、792、728
元素分析/計算値:C(77.63%)、H(12.31%)、N(10.06%) /測定値:C(78.02%)、H(12.43%)、N(9.89%)
【0050】
Cu(cHexMe3tacn)の合成:
1,4,7-トリス(シクロヘキシルメチル)-1,4,7-トリアザシクロノナン0.36g(0.86mmol)に塩化メチレン/メタノール10mLを入れて均一にした後、塩化第二銅・2水和物0.15g(0.88mmol)を含む塩化メチレン/メタノール溶液5mLを入れて、室温で1時間撹拌した。反応終了後、溶媒を真空留去し、塩化メチレン/メタノールから再結晶した。(収量0.28g、収率59%)
IR(KBr 法,cm-1):2929、2922、2916、2849、1496、1447、1106、1008
元素分析/計算値:C(58.74%)、H(9.31%)、N(7.61%)/測定値:C(58.35%)、H(9.25%)、N(7.58%)
【0051】
実施例1
電磁撹拌機を備えた50mL二つ口丸底フラスコ内を酸素に置換し、これに、Cu(cHeMe3tacn) 0.15mmolを入れ、4-フェノキシフェノール3.0mmolと、塩基として2,6-ジフェニルピリジン1.5mmolをトルエン6gに溶解したものを加えた。酸素雰囲気下、内容物を攪拌しながら、フラスコを40℃のオイルバスで保温した。
縮合初期段階において、反応混合物15mgをサンプリングし、濃塩酸を若干量加えて酸性とし、メタノール2gを加え、測定サンプルとした。このサンプルを、高速液体クロマトグラフィー(ポンプ:東ソー社製SC8020システム、検出器:東ソー社製UV−8020、検出波長:278nm、カラム:YMC社製ODS−AM304、展開溶媒:メタノール/水)により分析した。4-フェノキシフェノール転化率を時間に対してプロットして、その傾きから反応速度(%/h)を求めた。また、4種類のダイマー類、4-[4-(4-phenoxyphenoxy)phenoxy]phenol (p-4)、2-(4-phenoxyphenoxy)-4-phenoxyphenol (o-4)、4,4'-diphenoxy-2,2'-diphenol (o-22)、4-(4-phenoxyphenoxy)-2,2'-diphenol (oo-13) を定量し、p-4生成量/(o-4生成量+oo-22生成量+oo-13生成量)をp/o選択性とした。反応速度の値とp/o選択性の値を乗じた値を速度・選択性(この値が大きい方が、一定時間あたりのパラ縮合物の収率が高くなる)として、反応速度とp/o選択性のバランスを評価した。結果を表1に示す。
【0052】
比較例1−3
実施例1の触媒をCu(nBu3tacn)(比較例1)に、Cu(iPr3tacn)(比較例2)に、Cu(cHex3tacn)(比較例3)に変えた以外は、実施例1と全く同じ組成で同様に行った。結果を表2に示す。
【表2】
Figure 0004433691
【0053】
【発明の効果】
本発明のフェノール系縮合物の製造方法によれば、少なくとも1つのオルト位に置換基のないフェノール系化合物を酸化縮合させて、パラ位置での縮合物を優れた収率で製造することができる。

Claims (1)

  1. 下記一般式(I)
    Figure 0004433691
    (式中、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基またはハロゲン原子を表し、RとRは一緒になって環を形成してもよい。Rは水素原子またはフェノキシ基を表す。)
    で表されるフェノール系化合物を、
    下記一般式(III)
    Figure 0004433691
    (式中、R は環状飽和炭化水素基または芳香族炭化水素基を表し、すべてのR は同一でも異なっていてもよい。R はメチレン基を表す。R は1,2−エチレン基を表す。Cuは1価または2価の銅イオンを表し、Xはカウンターイオンを表す。nはXの個数である。)
    で表され、
    下記式(A)で定義される活性パラメーターEact.(kcal/mol)が-21.1以下であり、かつ下記式(B)で定義される選択性パラメーターEselect.(kcal/mol)が-1.7以下である錯体および酸素の存在下で酸化縮合させることを特徴とするフェノール系縮合物の製造方法。
    Eact.=E(a)-E(c)-E(d) (A)
    Eselect.={E(a)-E(d)}-{E(b)-E(e)} (B)
    〔式中、E(a)〜E(e)は、それぞれ下記構造式(a)〜(e)を半経験的分子軌道法AM1によって構造最適化したときの生成熱(kcal/mol)を表す。
    Figure 0004433691
    (式中、R、R、R3およびR4は上記一般式(I)と同じ意味を表し、Lは配位原子が窒素原子であり、配座数が2〜4の配位子を表し、M' は、1価の銅イオンを表す。)〕
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