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JP4431018B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等に用いられる自動変速機の制御装置に関し、特に、結合側の摩擦要素の油圧制御における学習機能に関する。
自動車用自動変速機(A/T)では、一般にプラネタリギヤによる変速機構が用いられ、油圧式の湿式多板クラッチ等の油圧摩擦要素を係合(又は結合)あるいは解放させることによりサンギヤやプラネタリキャリヤ等の連結あるいは固定を行って所望の変速段を得るようにしている。
また、エンジン(内燃機関)と変速機構との間には流体継手であるトルクコンバータが介装されている。このトルクコンバータは入力側のポンプと出力側のタービンとからなり、発進時等にはエンジンのトルクを増大させて変速機構に伝達し、変速時や急加減速時等には伝達トルクの変動によるショックを吸収するようになっている。
近年の自動変速機の変速機構では、ECU(電子制御ユニット)により油圧制御用のソレノイド弁をデューティ駆動制御するようにして、油圧摩擦係合要素(以下、単に摩擦要素という)の解放と結合とを行う電子制御式のものが多くなっている。このような自動変速機は、一般に、変速制御はスロットル開度と車速とをパラメータとするシフトマップに基づいて行われる。すなわち、運転状態がシフトマップ上のダウンシフトタイミングやアップシフトタイミングとなった時点で変速指令が出力され、この変速指令に応じて結合側摩擦要素に供給される作動油圧、あるいは解放側摩擦要素から排出される作動油圧を制御してギヤの掴み換えを行うようにする。
この変速制御では、結合側摩擦要素に供給する作動油圧の初期値、すなわち開始供給油圧をエンジントルクから求められるタービントルク(TT )に応じて設定するようにしており、変速中にはデューティ駆動するソレノイド弁のデューティ率を最適値にフィードバック制御するようにし、速やかにその変速が達成されるよう作動油圧の適正化が図られている。
このフィードバック制御では、予め設定された所定の変速時間と、予想されるタービン回転速度差とに基づいて目標タービン回転速度変化率を求め、実測により求まる実タービン回転速度変化率がこの目標タービン回転速度変化率に近づくように作動油圧を増減させるようにしている。これにより、結合側と解放側の摩擦要素が同時に結合したり同時に解放されたりすることなく良好に変速が達成される。
また、このような変速制御のうち、アクセル踏み込みによるアップシフト(オンアップシフト)、アクセル踏み込みによるダウンシフト(キックダウンシフト)、停止前のダウンシフト及びドライバの変速操作によるシフト(エンゲージシフト)ではシフトクォリティを安定させるために学習機能が確立されており、変速機の個体差があっても最適な変速制御が実行されるようになっている。
また、例えば特許文献1にはドライバのアクセル解放によるアップシフト(リフトフット(LF)アップシフト又は足離しシフト)時の変速制御に関する技術が開示されている。
特開2002−39346号公報
しかしながら、従来はLFアップシフト時の変速制御においては学習機能が設けられていないため、車両や変速機自体のばらつきを吸収することができず、結合側摩擦要素が同期する前に係合して、いわゆる突き出し感を招いたり、逆に同期を過ぎても結合側摩擦要素の係合遅れ(レスポンス遅れ)が生じ、車両にブレーキ感が生じるという課題があった。
また、上記特許文献1にはアンダーシュートを基本とした学習方法が開示されているが、この特許文献1に開示された技術では、初期同期点を検出するシステムではなく、初期同期点以降の再同期点を基本とした制御であるためLFアップシフトのレスポンスが低下するという課題がある。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、LFアップシフト時の係合のバラツキを学習制御により吸収し、安定したシフトクォリティを得られるようにした、自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る本発明の自動変速機の制御装置は、スロットル開度が所定開度以下でのアップシフトを判定する変速判定手段と、変速判定時の入力軸回転速度に基づいて、該変速後の入力軸の同期回転速度と、該入力軸の同期回転速度よりも所定回転速度だけ高い同期判定時の入力軸回転速度とを算出する入力軸回転速度推定手段と、該変速判定後、解放側の摩擦要素の油圧を低下させる解放側摩擦要素制御手段と、該変速判定後、結合側の摩擦要素の油圧が容量を持たない初期油圧から所定の勾配で増加させ、同期回転到達後に油圧を上昇させて結合を完了させる結合側摩擦要素制御手段とを備えた自動変速機の制御装置において、該結合側の摩擦要素の該初期油圧を、前回の変速結果に基づいて補正を行う初期油圧学習制御手段を備え、該初期油圧学習制御手段は、同期判定時における入力軸回転速度の変化率が所定値よりも小さいか否かを判定する第1判定手段と、該同期判定時から所定時間が経過した後に該入力軸回転速度変化率が増加したか、又は該入力軸回転速度変化率が正の値であるか否かを判定する第2判定手段と、該同期判定後に該入力軸回転速度が、前記入力軸回転速度推定手段によって算出された該変速後の入力軸の同期回転速度以上の所定範囲内に収まっているか否かを判定する第3判定手段と、該第1判定手段によって該入力軸回転速度変化率が所定値よりも小さいと判定されると次回変速時における前記初期油圧が低下するよう初期油圧を補正する第1学習補正手段と、該第2判定手段によって該同期判定時から所定時間が経過した後に該入力軸回転速度変化率が増加した、又は該入力軸回転速度変化率が正の値であると判定されると次回変速時における該初期油圧が増加するよう該初期油圧を補正する第2学習補正手段と、該第3判定手段によって該入力軸回転速度が該入力軸回転速度推定手段で算出された変速後の入力軸の同期回転速度以上の前記所定範囲内に収まっていないと判定されると、次回変速時における該初期油圧が増加し、今回の変速時に前記所定範囲内に収まらずに前記入力軸の同期回転速度以下にアンダーシュートした前記入力軸回転速度の当該アンダーシュートが、次回変速時に減少するよう初期油圧を補正する第3学習補正手段とを有していることを特徴としている。
なお、入力軸回転速度変化率が負の場合は、変化率の変化方向がゼロに近づく方向を増加方向とし、ゼロから遠ざかる方向を減少方向とする。
また、請求項2に係る本発明の自動変速機の制御装置は、請求項1記載の自動変速機の制御装置において、前記第2学習補正手段による初期油圧に対する補正量(γ)を、前記第3学習補正手段による初期油圧に対する補正量(β)よりも大きな値に設定したことを特徴としている。
また、請求項記載に係る本発明の自動変速機の制御装置は、高速側変速段及び低速側変速段をそれぞれ確立させる高速側摩擦要素及び低速側摩擦要素を備え、該低速側摩擦要素の係合の解除後に該高速側摩擦要素を係合させて、該低速側変速段から該高速側変速段へのアップシフトが実行される自動変速機の変速制御装置において、アクセルペダルの開放によりアップシフトが実行されると該高速側の摩擦要素の該初期油圧を、前回の変速結果に基づいて補正を行う初期油圧学習制御手段を備え、該初期油圧学習制御手段が、該アップシフトの同期判定時から所定時間が経過した後に該変速機の入力軸回転速度の変化率が増加したか、又は該入力軸回転速度の変化率が正の値であることを判定すると、次回変速時における該初期油圧が増加するよう該初期油圧を補正することを特徴としている。
また、請求項記載に係る本発明の自動変速機の制御装置は、高速側変速段及び低速側変速段をそれぞれ確立させる高速側摩擦要素及び低速側摩擦要素を備え、該低速側摩擦要素の係合の解除後に該高速側摩擦要素を係合させて、該低速側変速段から該高速側変速段へのアップシフトが実行される自動変速機の変速制御装置において、アクセルペダルの開放によりアップシフトが実行されると該高速側の摩擦要素の該初期油圧を、前回の変速結果に基づいて補正を行う初期油圧学習制御手段を備え、該初期油圧学習制御手段が、該アップシフトの同期判定後、該変速機の入力軸の回転速度が所定範囲内に収まっていないと判定すると、次回変速時における該初期油圧が増加し、今回の変速時に前記所定範囲内に収まらずに前記入力軸の同期回転速度以下にアンダーシュートした前記入力軸回転速度の当該アンダーシュートが、次回変速時に減少するよう初期油圧を補正することを特徴としている。
また、請求項記載に係る本発明の自動変速機の制御装置は、請求項記載の自動変速機の制御装置において、該所定範囲が、少なくとも該変速後の入力軸の同期回転速度以上の回転速度に設定されていることを特徴としている。
本発明の自動変速機の制御装置によれば、第1判定手段及び第1学習補正手段によって、同期判断点前に入力軸変化率の絶対値が目標値よりも高い場合、つまり初期油圧が高いために同期判断前に結合側摩擦要素が容量を持つような場合には、次回変速時の初期油圧が低下するような補正が行われることとなるので、同期前に結合側の摩擦要素の油圧が容量を持つことがなくなる。したがって、初期油圧が高すぎて同期回転速度に到達する前の摩擦要素の結合による変速ショックの発生を防止できる。
第2判定手段及び第2学習補正手段によって、同期回転速度から所定の期間を越えてから、入力軸変化率が増加した(入力回転軸変化率がプラス方向に変化した)又は実入力軸回転変化率が正値に転じるような場合、つまり初期油圧が低いために同期回転を判定して油圧の上昇指示を出しても実際の油圧が上昇しないような場合には、完全な同期遅れと判定して、次回変速時の初期油圧が増加するような補正を行なうので、結合遅れによる変速ショックを防止できる。
一方、入力回転軸変化率がプラス方向に変化しても、入力軸回転速度変化率が正値にならない限り、入力軸回転速度は低下しつづける。したがって、所定期間内に入力軸回転速度変化率の変化率が正の値に変化しても、ばらつきなどによる油圧の応答性が悪化している場合には、入力軸回転速度が変速後の入力軸回転速度よりも低下する恐れがある。そこで、第2判定手段で入力軸回転速度変化率の変化率がプラス方向に変化したと判定されても、第3判定手段によって、前記入力軸回転速度推定手段で算出された同期回転速度以上の所定範囲内に収まっていないと判定された場合には、第3学習補正手段により次回変速時における初期油圧が増加するよう初期油圧を補正されることで、応答性悪化によるアンダーシュートが防止されて、アンダーシュートによる変速ショックが防止される。
そして、上記第1〜3学習補正手段を備えることで、学習収束後には、アンダーシュートが発生しなくなるとともに、同期判定後はステップ状に油圧を上昇させることで、変速時期間を短縮化できる。
また、前記第2学習補正手段による初期油圧に対する補正量(γ)は、前記第3学習補正手段による初期油圧に対する補正量(β)よりも大きな値に設定したことにより、LFアップシフト(足離しアップシフト)時に、完全な同期遅れである場合には大きな補正量で補正され、一方、初期油圧はほぼ適正な油圧で保持されていながらも油圧の応答性が低いことによるアンダーシュート発生時には比較的小さな補正量で補正が行われるので、過剰な補正が行われないため学習制御の収束を早めることができる。
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図14は本発明の一実施形態としての自動車用自動変速機の制御装置を示すものである。
図1は、本発明に係る制御装置を適用した乗用車のパワープラントの概略構成を示す図であり、図1に示すように、エンジン1の後端には自動変速機2が接続されており、エンジン(内燃機関)1の駆動力は自動変速機2を介して駆動輪(図示せず)に伝達される。自動変速機2は、トルクコンバータ3、変速機本体4、油圧コントローラ5から構成されており、車室内等に設置された自動変速機制御用のECU(電子制御ユニット;制御手段)6により駆動制御される。変速機本体4は複数組のプラネタリギヤの他、油圧クラッチや油圧ブレーキ等の摩擦要素を内蔵している。また、油圧コントローラ5には、一体に形成された油圧回路の他、ECU6によってデューティ駆動される複数のソレノイド弁(後述の図4には第2ソレノイド弁71だけを例示する)が収納されている。なお、このソレノイド弁は、後述する複数の摩擦要素毎にそれぞれ設けられている。
また、自動変速機2には運転モードを切り替える切替レバー(図示せず)が装着されており、運転者がこの切替レバーを操作することにより、パーキングレンジ、走行レンジ(例えば、1速段〜4速段)、ニュートラルレンジ及び後退レンジ等の変速レンジの選択を手動で行えるようになっている。この走行レンジには自動変速モードと手動変速モード(マニュアルシフトモード)の2つの変速モードがあり、自動変速モードが選択された場合には、変速(変速段切替)は、エンジン回転速度(例えばトルクコンバータ3のタービン30のタービン回転速度NT )とエンジン負荷(例えばスロットル開度θTH)とに基づき予め設定されたシフトマップに従って自動的に実施される一方、マニュアルシフトモードが選択された場合には、変速段はこのシフトマップにかかわらず選択された変速段に固定されるか、又は、選択された変速段領域内に限定してシフトマップに従って自動的に実施される。
ECU6は、図示しない入出力装置、多数の制御プログラムを内蔵した記憶装置(不揮発性RAM,ROM,等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えており、その入力側には、トルクコンバータ3のタービン30のタービン回転速度NTを検出するNT センサ7、車速Vを検出する車速センサ8、図示しないスロットルバルブの開度θTHを検出するスロットルセンサ9、エンジン1の吸入空気量を検出するエアフローセンサ9a、フライホイールのリングギヤ38の回転からエンジン回転速度NEを検出する電磁ピックアップ式のNE センサ39等が接続されている。一方、出力側には、前述の油圧コントローラ5に収納された複数のソレノイド弁が接続されている。なお、ECU6にはこれらのセンサの他、変速レンジの切替位置を検出するインヒビタスイッチ、スロットルバルブの閉鎖状態を検出するアイドルスイッチ等、種々のセンサやスイッチ類が接続されている。
トルクコンバータ3は、ハウジング37、ケーシング34、ポンプ31、ステータ32、タービン30等を含む流体継手から構成されており、ポンプ31はケーシング34を介してエンジン駆動軸36に連結されている。また、ステータ32はワンウェイクラッチ33を介してハウジング37に連結され、タービン30は出力軸たる変速機本体4のインプットシャフト(タービン軸)11に連結されている。更に、トルクコンバータ3内には、ケーシング34とタービン30との間に湿式単板型のダンパクラッチ(ロックアップクラッチ)35が介装され、このダンパクラッチ35の係合により駆動軸36とタービン軸11とが直結可能となっている。ダンパクラッチ35は、油路65、66を介して、油圧コントローラ5内のダンパクラッチ油圧制御回路40から供給される作動油により駆動される。
ダンパクラッチ油圧制御回路40の中心をなすダンパクラッチコントロールバルブ41は、ダンパクラッチ35への供給油圧を制御するスプール弁43、該スプール弁43の両端に位置する左端室44と右端室45、両室44、45にパイロット圧を導入する油路46、47、スプール弁43を図中右方向に付勢するスプリング48及び常閉型のダンパクラッチソレノイド弁42等から構成されている。左端室44側への油路46は分岐油路49を介してソレノイド弁42に接続されており、ソレノイド弁42が閉鎖状態(すなわちOFF位置)の場合には、左端室44と右端室45とのパイロット圧が均衡して、スプリング48に付勢されたスプール弁43が図中右方向に移動する。また、ソレノイド弁42が開放状態(すなわちON位置)の場合には、左端室44内のパイロット圧が抜かれ、右端室45側のパイロット圧に付勢されることによりスプール弁43が図中左方向に移動する。尚、油路46、分岐油路49にはそれぞれオリフィス46a、49aが形成されており、パイロット圧の急激な変動が防止される。
スプール弁43が右方向に移動すると、油路65を介してケーシング34とダンパクラッチ35との間にトルクコンバータ潤滑油圧(リリース圧)が供給され、同時に油路66を介してケーシング34から作動油が排出され、ダンパクラッチ35が解放状態(非直結状態)となり、駆動軸36の回転はポンプ31の吐出圧でタービン30が回転させられることによってタービン軸11に伝達される。一方、スプール弁43が左方向に移動すると、油路65を介してケーシング34とダンパクラッチ35との間の作動油が排出され、同時に油路66を介してケーシング34内にコントロールバルブ41の調圧に基づくアプライ圧が供給され、ダンパクラッチ35が結合状態(完全直結状態)となり、駆動軸36の回転は直接タービン軸11に伝達されるようになる。
このように、ダンパクラッチ35の断接は、スプール弁43の位置すなわち左端室44と右端室45とに供給されるパイロット圧の圧力差より決定され、この圧力差はソレノイド弁42をデューティ駆動することにより制御される。例えば、ECU6がソレノイド弁42を100%のデューティ率で駆動すると、左端室44内のパイロット圧が分岐油路49、ソレノイド弁42を介してほぼ完全に排出され、スプール弁43は左端に移動し、上述したアプライ圧の作用によりダンパクラッチ35が完全直結状態となる。また、ソレノイド弁42を0%のデューティ率で駆動すると(すなわち、全く駆動させなければ)、左端室44内と右端室45内とのパイロット圧が均衡するためスプリング48に付勢されてスプール43は右端に移動し、上述したリリース圧の作用によりダンパクラッチ35が非直結状態となる。そして、所定のデューティ率(例えば、25〜35%)で駆動すれば、低いアプライ圧状態を作り出すことができ、ダンパクラッチ35は半クラッチ状態となる。尚、コントロールバルブ41の出力圧であるリリース圧及びアプライ圧の入力圧には、後述するレギュレータ弁により調圧されたライン圧が使用される。
通常、ECU6は変速制御中である場合を除き、図2に示すマップに基づいて、ダンパクラッチ35の駆動制御を行う。このマップにおいて、横軸はタービン回転速度NT であり、縦軸はスロットル開度θTHである。図2に示すように、タービン回転速度NT が比較的高く、かつスロットル開度θTHがパワーオンラインLPOよりも大きいパワーオン状態の場合は、殆どの領域が完全直結域となり、ダンパクラッチ35は完全直結制御される。すなわち、前述したようにコントロールバルブ41からケーシング34内にアプライ圧が供給される一方、ダンパクラッチ35とケーシング34との間からリリース圧が排出され、ダンパクラッチ35が結合する。なお、パワーオンラインLPO上では、理論的にはエンジン回転速度NE とタービン回転速度NT とが一致し、加速も減速も行われない。但し、実際にはエンジン出力のばらつきにより、若干は加速されたり、減速されたりすることがある。
また、スロットル開度θTHがパワーオンラインLPOよりも小さいパワーオフ状態の場合は、タービン回転速度NTがアイドル回転速度より若干高い領域(本実施形態では、1200rpm)以上で全て減速直結域となる。減速直結域においては、ダンパクラッチ35には必要最小限のアプライ圧が供給され半クラッチ状態となり、エンジン1と変速機本体4とが所定のスリップ量をもってダンパクラッチ35を介して直結される。そして、急制動時等にはダンパクラッチ35がすばやく解除されエンジンストールが回避できる。なお、この減速直結時には、エンジン1の回転を維持しながら燃料供給を停止することもできるため、燃費の向上には多大な効果を奏する。
図3は、前進4段、後進1段が達成可能な自動変速機本体4内のギヤトレーンを示した概略図である。図3に示すように、タービン30にはタービン軸11が接続されており、このタービン軸11には、変速機構10として、第1、第2プラネタリギヤ12、13の他、第1プラネタリギヤ12のサンギヤ14をタービン軸11に結合する第1クラッチ15、第2プラネタリギヤ13のピニオンキャリア16をタービン軸11に結合する第2クラッチ17、第2プラネタリギヤ13のサンギヤ18をタービン軸11に結合する第3クラッチ19が保持されている。また、変速機本体4のケーシング20には、第1プラネタリギヤ12のインターナルギヤ21を固定し、反力要素となる第1ブレーキ22と、第2プラネタリギヤ13のサンギヤ18を固定し、反力要素となる第2ブレーキ23とが取り付けられている。タービン軸11の回転は、第1プラネタリギヤ12のピニオンキャリア24、ピニオンキャリア24に連結されたドライブギヤ26及びドリブンギヤ27を介してカウンターシャフト28に伝達され、更にデファレンシャルキャリア29に伝達される。
なお、第1プラネタリギヤ12のインターナルギヤ21と第2プラネタリギヤ13のピニオンキャリア16、第1プラネタリギヤ12のピニオンキャリア24と第2プラネタリギヤ13のインターナルギヤ25はそれぞれ結合されており、それらは一体に回転する。
図4は摩擦要素の油圧制御回路の一部を示し、該油圧回路は、摩擦要素、例えば第2クラッチ17への油圧の給排を制御するソレノイド弁、例えば第2ソレノイド弁71を備えている。この第2ソレノイド弁71は、常閉型の2位置切替弁で、3箇所にポート71a、71b、71cを有している。
第1ポート71aには、オイルパン68から作動油を汲み上げるオイルポンプ69に延びる第1油路60が接続されており、この第1油路60には、調圧弁(レギュレータ弁)70が介在され、所定圧に調圧された作動油圧(ライン圧)がソレノイド弁や前述したコントロールバルブ41等に供給されている。また、第2ポート71bには、第2クラッチ17に延びる第2油路61が、第3ポート71cには、オイルパン68へ作動油を排出する第3油路62がそれぞれ接続されており、第2油路61には、アキュムレータ73が介在されている。
第2ソレノイド弁71は、ECU6に電気的に接続されており、ECU6からの駆動信号により、デューティ制御が実行される。そして、ソレノイド71eが消勢されている場合には、弁体71fは、リターンスプリング71gに押圧されて第1ポート71aと第2ポート71bの連通を遮断するとともに、第2ポート71bと第3ポート71cを連通させる。一方、ソレノイド71eが付勢されている場合には、弁体71fは、リターンスプリング71gに抗してリフトし、第1ポート71aと第2ポート71bを連通させるとともに、第2ポート71bと第3ポート71cとの連通を遮断する。
ECU6からソレノイド弁、例えば第2ソレノイド弁71に供給されるデューティ率が100%の場合には、摩擦要素、例えば第2クラッチ17に供給される作動油圧は調圧弁70により調圧されたライン圧となる。一方、デューティ率の減少に応じて第2クラッチ17に供給される油圧は小になり、デューティ率0%の場合には、弁体71fはリターンスプリング71gにより第1ポート71aと第2ポート71bとの連通を遮断するとともに、第2ポート71bと第3ポート71cとを連通させ、第2クラッチ17から作動油を排出することになる。
図5は、第2クラッチ17の断面詳細図である。図5に示すように、この第2クラッチ17は、多数の摩擦係合板50を備えている。これら摩擦係合板50は、タービン軸11と一体に回転するクラッチプレート50aと、ピニオンキャリア16と一体に回転するクラッチディスク50bとから構成されている。この第2クラッチ17の結合時には、第2ソレノイド弁71によって油圧制御された作動油が、第1油路61からポート51を介して第2クラッチ17に供給され、ピストン52が往動して各摩擦係合板50のクラッチプレート50aとクラッチディスク50bとが結合する。一方、解放時には、リターンスプリング53によりピストン52が押し戻されることにより、作動油がポート51、第一油路61、第2ソレノイド弁71、第2油路62を介して排出され、クラッチプレート50aとクラッチディスク50bとの摩擦係合は解放される。
この第2クラッチ17のクラッチプレート50aとクラッチディスク50bとの間には、解放時において引きずり現象が発生することなく、完全に解放状態になるように、充分なクリアランス(ガタ)が設けられている。従って、結合時にあっては、クラッチプレート50aとクラッチディスク50bとが結合状態に入る前に、先ず、該クリアランス(ガタ)を略ゼロにし、無効ストロークを解消するための所謂ガタ詰め操作が実施される。
なお、第1クラッチ15、第2ブレーキ23等については、第2クラッチ17と略同一の構成であるから、それらの説明は省略する。
以上のような構成の変速機本体4を持つ自動変速機2では、切替レバーが走行レンジの自動変速モードに選択されて走行しているとき、前述したように車速センサ7で検出される車速V及びスロットルセンサ8で検出されるスロットル開度θTHに応じて上述の第1〜第3クラッチ15、17、19及び第1〜第2ブレーキ22、23等の摩擦要素が、各々に設定されたソレノイド弁によってデューティ駆動制御され、表1に示すような結合あるいは解放の組み合わせにより、自動的に各変速段が確立されるようになっている。表1の○が各クラッチあるいは各ブレーキの結合を示している。
Figure 0004431018
変速時においては、所定のデューティ率に設定された駆動信号が所定の出力パターンで油圧コントローラ5の各ソレノイド弁に供給され、シフトフィーリングの良い最適な変速制御が実行される。
ところで、ドライバがアクセルペダルから足を離した状況、即ち、コースティング状態でのアップシフト切替(リフトフット(LF)アップシフト)時には、低速側の摩擦要素係合の解除後に高速側の摩擦要素を係合させて、低速側変速段から高速側変速段へのアップンシフトが実行される。
そして、ECU6には、このようなLFアップシフト時の油圧制御を学習するべく、スロットル開度が所定開度以下であって略ゼロのアップシフト(LFアップシフト)を判定する変速判定手段301と、LFアップシフトの判定時のタービン回転速度(入力軸回転速度)NT に基づいて、変速後のタービン回転速度(同期回転速度)NTJと、上記同期回転速度NTJよりも所定回転速度だけ高い同期判定時のタービン回転速度とを算出する入力軸回転速度推定手段302と、LFアップシフトの変速判定後、解放側の摩擦要素の油圧を低下させる解放側摩擦要素制御手段303と、上記変速判定後、結合側の摩擦要素の油圧が容量をもたない初期油圧から所定の勾配で増加させ、同期回転到達後に油圧を上昇させて結合を完了させる結合側摩擦要素制御手段304と、上記結合側の摩擦要素の前記初期油圧を、前回の変速結果に基づいて補正を行う初期油圧学習制御手段305とを備えている。
また、図示するように、初期油圧学習制御手段305には第1〜第3判定手段101〜103や第1〜第3学習補正手段が設けられている。なお、これらの手段の詳細な機能については後述する。
図7〜図9は、このようなLFアップシフト時にECU6が実行するアップシフト変速制御を示すフローチャートであり、また、図10は、これらのフローチャートの解放側制御及び結合側制御に基づく、タービン回転速度NT、解放側摩擦要素のソレノイド弁への供給信号デューティ率DR 、結合側摩擦要素のソレノイド弁への供給信号デューティ率DC及び解放側と結合側の摩擦要素に供給される油圧の時間変化を示したグラフであり、以下LFアップシフト変速制御を図7〜図9に基づいて説明する。
なお、アップシフト時の高速側摩擦要素(結合側摩擦要素)とは、表1から明らかなように、1速段から2速段への1−2アップシフトに関しては第2ブレーキ23を、2速段から3速段への2−3アップシフトに関しては第2クラッチ17を、3速段から4速段への3−4アップシフトに関しては第2ブレーキ23をそれぞれ示し、低速側摩擦要素(解放側摩擦要素)とは、1−2アップシフトに関しては第1ブレーキ22を、2−3アップシフトに関しては第2ブレーキ23を、3−4アップシフトに関しては第1クラッチ15をそれぞれ示す。
図7は、例えば2速段(第一変速段)から3速段(第二変速段)へのLFアップシフト時の主制御であるLFアップシフト制御ルーチンを示しており、以下この2−3アップシフトを例に説明する。
まず、ステップS14において、摩擦要素の解放側のデューティ率DR を制御する解放側制御を実施する。この解放側制御では、図10に示すように、制御開始指令と共にデューティ率DR を100%から0%に切り替え、第2ブレーキ23から油圧の解放を行う。
次に、ステップS16に進み、摩擦要素の結合側のデューティ率DR を制御する結合側制御を実施する。以下ステップS16における結合側摩擦要素の制御(ステップS16のサブルーチン)を図8を用いて説明する。
この結合側制御では、図10に示すように変速制御開始時点(SS時点)でECU6から変速指令(SS)が出力されると、図8に示すように、先ず、ステップS40で、クラッチプレート50aとクラッチディスク50b間のクリアランス(ガタ)を詰めるために、前述したように所定のガタ詰め時間tF だけガタ詰め操作を行う。このガタ詰め操作は、第2クラッチ17の無効ストロークを解消するためのものであることから、図10(c)に示すようにその動作が最も速くなるようデューティ率DC は100%に設定され、第2クラッチ17には、ライン圧の作動油が供給される。これにより、結合側の油圧は、図10(d)の油圧線図(結合側エレメントの曲線を参照)に示すように徐々に増加することになる。このガタ詰め時間tF は、学習によって補正されるものであり、ガタ詰め時間tF が経過したら、次にステップS42を実行する。
ステップS42では、エンジン1からタービン30に伝達されるタービントルクTT の演算を行う(出力トルク検出)。このタービントルクTTを求めることにより、ガタ詰め時間tF 経過後において結合側の第2クラッチ17に供給すべき油圧を設定することができる。このタービントルクTTの演算では、図9のフローチャートで示すサブルーチンを実行する。
図9のステップS90では、先ず、現在のA/N(一吸気行程当たりの吸気量)を読み込む。このA/Nは、エアフローセンサ9aからの入力情報に基づいて算出される。そして、次のステップS92において、現在のタービン回転速度NT とエンジン回転速度NE とをそれぞれNT センサ7とNE センサ39とらの入力情報に基づいて読み込む。
テップS94では、ステップS90で読み込んだ現在のA/Nからエンジン1が出力するエンジントルクTE を算出する。このエンジントルクTEは次式(A1)で示すようにA/Nの関数で表される。
E=f(A/N)・・・(A1)
なお、ここでは、エンジントルクTE を求めるためにA/Nを用いるようにしたが、A/Nの代わりにスロットルセンサ9によって検出されるスロットル開度θTHとエンジン回転速度NE 等を用い、これらの値に基づいてエンジントルクTE を求めるようにしてもよい。
次のステップS96では、ステップS92で読み込んだ現在のタービン回転速度NT とエンジン回転速度NE とからスリップ率eを次式(A2)から算出する。
e=NT /NE ・・・(A2)
そして、次のステップS98において、このスリップ率eに基づき、次式(A3)からエンジントルクTE とタービントルクTT とのトルク比tを算出する。
t=f(e)・・・(A3)
最後に、ステップS100において、トルク比tとエンジントルクTE とに基づいて次式(A4)からタービントルクTT を算出する。
T =t×TE ・・・(A4)
以上のようにしてタービントルクTT を求めたら、次に図8のステップS50に進む。
ステップS50では、基準デューティ率DA2を設定する。この基準デューティ率DA2は、実験等により決定され予めECU6に記憶された、タービントルクTT と基準デューティ率DA2との関係を示すマップ(図示せず)に基づいて設定される。
このマップにより基準デューティ率DA2が設定されたら、次にステップS51に進み、変速開始時のタービン回転速度NT と変速後の3速段でのタービンの同期回転速度NTJとの回転速度差(NT −NTJ)に基づいてデューティ率補正量ΔDA を設定する。このデューティ率補正量ΔDAは、図6に実線又は2点鎖線で示すようなマップに基づいて設定する。
図6に実線又は2点鎖線で示すように、デューティ率補正量ΔDA は、回転速度差(NT −NTJ)が小さい領域では大きく、回転速度差(NT −NTJ)が所定値NX 以上になると、回転速度差(NT −NTJ)が大きくなるほど小さくなるように設定されている。これは、一般に、車速が高いほど、即ち、回転速度差(NT −NTJ)が大きいほど、摩擦要素の結合に時間がかかる傾向にあり、逆にいえば、車速が低く回転速度差(NT−NTJ)が小さいほど、摩擦要素の結合に要する時間が短くてすむ傾向にあるためである。
また、この補正量ΔDAは、後述のように、基準デューティ率DA2に加算補正されるが、基準デューティ率DA2の設定によっては、補正量ΔDA が常に0以上の値を取るように設定されたり(図6の実線参照)、或いは、負の値を取るように設定されたりする(図6の2点鎖線参照)。
補正量ΔDA を設定したら、次にステップS52に進む。
ステップS52では、基準デューティ率DA2とデューティ率学習値DALと補正量ΔDAとに基づき、デューティ率DU1を次式(B1)から算出する。なお、デューティ率DU1の初期値(図10に示すIF点での値)を特に初期係合油圧(初期油圧)DAという。
U1=DA2+DAL+ΔDA +DAS・・・(B1)
ここで、デューティ率学習値DALはフィードバック制御開始時における基準デューティ率DA2を適正値に補正する値であり、後述するように、前回の変速結果に基づいて学習により設定補正される。
また、DASはデューティ勾配項であって、デューティ率をdDA の勾配で増大させる項である。DAS は初期値は0(%/s)であって、その後ガタ詰め完了からの経過時間に基づいて設定されるようになっている。
次のステップS62以降は、結合側摩擦要素の変速制御を実施するステップであり、先ず、ステップS62では、結合側のデューティ率DC を改めてデューティ率DU1に設定する。
そして、ステップS66において、目標タービン回転速度変化率dNTを設定する。なお、本実施形態では、この目標タービン回転速度変化率dNTは、車速Vに係らず一定の値に設定されている。これはLFアップシフト変速制御では、タービン回転速度変化率はエンジン回転速度変化率に依存しており、このエンジン速度変化率は通常アップシフトのようにクラッチの容量によって無理やり低下させるものではなく、スロットル開度が略ゼロであることによる自然低下であるためであって、このように車速に係らず一定値としても何ら問題を生じない。
このLFアップシフトにおける目標タービン回転速度変化率dNTは、予め実験等により求め、ECU6にマップとして記憶されている。
従って、ここでは、このマップからLFアップシフトにおける目標タービン回転速度変化率dNTを読み取る。また、アップシフト時においては、目標タービン回転速度変化率dNTは負の値で示されている。
次のステップS68は、変速が終了に近づいたか否かを判別するステップであり、タービン回転速度NT と変速後の3速段での同期回転速度NTJとの差(NT −NTJ)が所定値ΔNC 以下であるか否かが判別される。判別結果がNo(否定)の場合には、未だ変速は終了に近づいていないと判定でき、この場合には、再びステップS42に戻り、デューティ率DC に、修正したデューティ率DU1を再設定する。このDU1の再設定は、ステップS68での判別結果がNo(否定)でタービン回転速度NT と変速後の3速段での同期回転速度NTJとの差(NT −NTJ)が所定値ΔNC より大きい値である限り繰り返し実施される。
なお、LFアップシフト変速が進行中の場合、エンジン回転速度Neとタービン回転速度NTとは略一定となるためタービントルクTTは一定となる。したがって、修正したデューティ率DU1とは、実質的には、DALの項やDA2の項は変化せずに、デューティ勾配項DASのみ、ガタ詰め完了からの経過時間に基づいて修正されたものとなることを意味している。
変速が進行し、ステップS68の判別結果がYes(肯定)でタービン回転速度NT と変速後の3速段でのタービン回転速度NTJとの差(NT −NTJ)が所定値ΔNC 以下となったら、変速が終了に近づいたと判定でき、この場合には、次にステップS80に進む。なお、このタービン回転速度NT と変速後の3速段でのタービン回転速度NTJとの差(NT −NTJ)が所定値ΔNDE以下となった時点を同期判断点又は同期判定点といい、この点を図10に示すようにFF時点とする。
ステップS80では、結合側のデューティ率DC を所定時間tE1に亘りデューティ率DE とする。このデューティ率DE は、フィードバック制御デューティ率DU1よりも適当に高いデューティ率である。
そして、所定時間tE1が経過したら、ステップS82に進み、その後の所定時間tE2は、次式(C2)のように結合側のデューティ率DC を所定の勾配κで上昇させる。
C =DE +κ・tt・・・(B2)
なお、ttは、FF時点から所定時間tE1だけ経過した時点を基点とした経過時間を示す。
さらに、この所定時間tE2が経過したら、最後にステップS84においてデューティ率DC を100%にする。
このように、変速の終了間際において、結合側のデューティ率DC を所定時間tE1に亘ってフィードバック制御デューティ率DU1よりも適当に高いデューティ率DE とし(ステップS80)、その後、さらに、結合側のデューティ率DC を所定の勾配κで上昇させた(ステップS82)うえで、デューティ率DC を100%にする(ステップS84)ので、デューティ率DC を100%にしたときに発生するシフトショックを削減することができる。
そして、変速終了時点(SF時点)となったら、第2クラッチ17は完全に係合することになり、一連の2−3アップシフトは終了する。
結合側制御を実行したら、図7のLFアップシフト制御のルーチンに戻り、ステップS17を実行する。ステップS17では、アップシフトが終了したか否か(タービン回転速度NT が3速段での同期回転速度NTJに到達したか否か)を判別する。判別結果がNo(否定)でアップシフトが未だ終了していない場合には解放側制御及び結合側制御を継続する。一方、判別結果がYes(肯定)でアップシフトが終了したと判定された場合には、次にステップS18に進む。
ステップS18〜ステップS24は各種の学習、つまりガタ詰め時間tF 、油圧解放時間tR 及びデューティ率学習値DALの学習を行うステップである。このうち、ガタ詰め時間tF ,及び油圧解放時間tR の学習については、公知の技術で実施することができる。
次に、本発明の要部としてのデューティ率学習値DALの学習制御の内容について説明すると、上述したように、本実施形態に係る自動変速機の制御装置では、ECU6に結合側の摩擦要素の初期油圧を前回の変速結果に基づいて補正を行う初期油圧学習制御手段305が設けられている。
図11に示すように、この初期油圧学習制御手段305は、判定手段100と初期油圧学習制御手段200とから構成されており、このうち判定手段100は、同期回転判定時におけるタービン回転速度変化率(入力軸変化率)dNT が所定値よりも大きいか否かを判定する第1判定手段101と、上記同期判定後、所定期間T経過以降に入力軸変化率dNT が増加したか、又は入力軸変化率dNT >0となったか否かを判定する第2判定手段102と、同期判定後に入力軸回転速度NT が、変速後の入力軸回転速度(同期回転速度)NTJ以上の所定範囲ΔNF 内に収まっているか否かを判定する第3判定手段103とを有している。
また、初期油圧学習制御手段200は、第1判定手段101によって、入力軸変化率dNTが所定値よりも大きいと判定されたときには、次回変速時における前記初期油圧が低下するよう初期油圧をα%だけ低減することで補正する第1学習補正手段201と、第2判定手段202によって、入力軸変化率dNT が増加した(すなわち、変化率が負の場合、今回の入力軸変化率dNT(n)>前回の入力軸変化率dNT(n-1)が成立した場合、換言すると、入力軸変化率dNT の変化率>0となった場合)、或いは入力軸変化率dNT >0となったと判定された場合には、次回変速時における前記初期油圧が増加するよう初期油圧を+γ%だけ増大させることで補正する第2学習補正手段202と、第3判定手段103によって、入力軸回転速度NT が、入力軸回転速度推定手段302によって算出された変速後の入力軸回転速度NTJ以上の前記所定範囲内に収まっていないときには、次回変速時における前記初期油圧が増加するよう初期油圧を+β%だけ増大するよう初期油圧を補正する第3学習補正手段103とを有している。
なお、入力軸回転速度変化率が負の場合は、変化率の変化方向がゼロに近づく方向を増加方向とし、ゼロから遠ざかる方向を減少方向とする。
次に、図7のステップS22のサブルーチンとしてのデューティ率学習値DALの学習制御について、図12に示すフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS201において、LFアップシフトが成立したか否かを、変速判定手段301からの情報に基づいて判定する。そして、LFアップシフトが成立ていなければステップS208に進み、特にデューティ率学習値DALについては学習補正を行うことなくリターンする。
一方、ステップS201において、LFアップシフトが成立したと判定されると、次にステップS202に進み、同期判断点(FF点)以前に、実タービン回転速度変化率(実dNT )が目標タービン回転速度変化率(目標dNT )に所定の係数k(例えばk=1.1)を掛けた値よりも小さいか否かが第1判定手段101により判定される。なお、ここでは、実dNT 及び目標dNT はともに負の値であるので、ステップS202は、|実dNT|>|目標dNT|×kが成立しているか否かを判定しているということもできる。
そして、|実dNT|>|目標dNT|×kであれば、ステップS203に進み、第1学習補正手段201により、デューティ率学習値DALが所定量(α%)だけ低減される。
つまり、図14にも示すように、同期点(FF点)に向けてタービン回転速度が低下しているときにタービン回転速度NTが急激に低下した場合には、結合側摩擦要素の油圧制御がオーバシュート気味の場合であって、このようなオーバシュートは、結合側の摩擦要素のピストンストロークが早く完了しすぎることに起因していると考えることができる。そこで、この場合には、実タービン回転速度変化率(実dNT )が閾値又は目標値(=目標dNT×k)を下回ったことを条件に、次回変速時における初期係合油圧(初期油圧)DA を低下させるべく、デューティ率学習値DALを所定量(α%)だけ低減させて、次回の変速制御時のショックを抑制するのである。
このように、同期判断点前に入力軸変化率dNT が目標値よりも低い場合(入力軸変化率の絶対値が目標値よりも高い場合)、つまり初期油圧が高いために同期判断点前に結合側摩擦要素が容量を持つような場合には、次回変速時の初期油圧が低下するような補正が行われることとなるので、同期前に結合側の摩擦要素の油圧が容量を持つことがなくなり、油圧が高すぎて同期回転速度に到達する前に摩擦要素が結合することに起因する変速ショックを防止することができる。
一方、ステップS202において、|実dNT|>|目標dNT|×kが不成立の場合にはステップS204に進み、第2判定手段102により、同期判定点(FF点)から所定時間T経過以降にタービン回転速度変化率dNTが増加した、又はタービン回転速度変化率dNTが正となったと判定された場合には、ステップS205に進み、そうでない場合にはステップS206に進む。
そして、ステップS205に進んだ場合には、第2学習補正手段202により次回変速時における初期係合油圧DAが増加するようデューティ率学習値DALが所定量(γ%)だけ増大補正される。
すなわち、図15に示すように、このようなアップシフトでは同期判定と同時に結合側摩擦要素のデューティ率が入力トルクに応じた油圧までステップ的に高められるが、初期係合油圧DA が必要以上に低かった場合には、摩擦要素のピストンストロークが同期判定時点では終了しておらず、係合(容量持ち始め)が大幅に遅れてしまい、アンダーシュート気味になる。
そこで、この場合には、同期判断点から所定時間T以降に、タービン回転速度変化率dNTが増大した(つまり、タービン回転速度変化率dNTの減少度合い小さくなった)又はタービン回転速度変化率dNTが正(つまり、タービン回転速度が上昇した)ことが検出されると、デューティ率学習値DALを所定量(γ%)だけ増大補正するようにしているのである。
つまり、初期係合油圧DAが低いために、同期回転を判定して油圧の上昇指示を出しても実際の油圧が上昇しない、或いは不足するような場合には、完全な同期遅れと判定して、次回変速時の初期係合油圧が増加するような補正を行なうことで、次回以降のLFアップシフト変速時に結合遅れによる変速ショックを防止できる。
一方、ステップS204からステップS206に進んだ場合には、第3判定手段103により、タービン軸回転速度NTが入力軸回転速度推定手段302によって算出された変速後のタービン軸11の同期回転速度NTJ以上の前記所定範囲ΔNF(図13及び図14参照)内に収まっているか否かが判定され、この所定範囲ΔNF内に収まっていないと判定されるとステップS207に進み、そうでない場合にはステップS208に進む。なお、この所定範囲ΔNFは、本実施形態では、上述した同期判断点の根拠となるΔNDEが適用されている。すなわち、ΔNF=ΔNDEである。
そして、ステップS207に進んだ場合には、第3学習補正手段303により次回変速時における初期係合油圧DAが増加するようデューティ率学習値DALが所定量(β%)だけ増大補正される。なお、第3学習補正手段303で学習補正される補正量βは、第2学習補正手段302で学習補正される補正量γよりも小さい値に設定されている。
ここで、タービン回転軸変化率dNTの変化率が正の値に変化しても、入力軸回転速度変化率が正値にならない限り、入力軸回転速度は低下しつづける。したがって、所定期間T内にタービン軸回転速度変化率の変化率が正方向に変化しても、ばらつきなどによる油圧の応答性が悪化している場合には、タービン軸回転速度NTが同期回転速度NTJよりも低下する恐れがある。そこで、第2判定手段でタービン軸回転速度変化率の変化率がプラス方向に変化したと判定されても、第3判定手段103及び第3学習補正手段203によって、前記入力軸回転速度推定手段で算出された同期回転速度NTJ以上の所定範囲ΔNF内に収まっていないような場合には、次回変速時における初期油圧DAが増加するよう初期油圧を補正することで、応答性低下によるアンダーシュートを防止して、アンダーシュートによる変速ショックを防止しているのである。
また、ステップS208に進んだ場合、すなわちLFアップシフトが成立していない場合や、LFアップシフトが成立していても、|実dNT|>|目標dNT|×kが不成立であって(ステップS202参照)、且つ、タービン回転速度変化率dNTが増大、又はタービン回転速度変化率dNT>0のいずれもが不成立であって(ステップS204参照)、且つ、タービン軸回転速度NTが同期回転速度NTJ以上の所定範囲ΔNF内に収まっている場合(ステップS207参照)には、何ら補正を行うことなくリターンする。
なお、この場合は、初期係合油圧DAが過不足なく供給され、図13に示すように、オーバシュートもアンダーシュートも発生せずに係合が完了した場合であるので、当該制御周期時におけるデューティ率学習値DALを保持したままリターンする。
そして、このような第1〜第3学習補正手段によりデューティ率学習値DALの学習を終えたら、一連の2−3アップシフト制御を終了する。
以上のような構成により、本発明の一実施形態に係る変速機の制御装置によれば、LFアップシフトの結合側摩擦要素の油圧制御がオーバシュート気味の場合には、デューティ率学習値DALを所定量(α%)だけ低減させることで、次回の変速制御時のショックを抑制することができる。
また、このようなLFアップシフトの結合側摩擦要素の油圧制御がアンダーシュート気味の場合には、同期判断点から所定時間T以降に、タービン回転速度変化率dNTの変化率が正、又はタービン回転速度変化率dNTが正を検出すると、完全な同期遅れと判定してデューティ率学習値DALを所定量(γ%)だけ増大補正することで、次回以降のLFアップシフト変速時に結合遅れによる変速ショックを確実に防止することができる。
また、第2学習補正手段202による初期油圧に対する補正量γが、第3学習補正手段103による初期油圧に対する補正量βよりも大きな値に設定されているので、LFアップシフト時に、完全な同期遅れである場合には大きな補正量で補正され、一方、初期油圧はほぼ適正な油圧で保持されていながらも油圧の応答性が低いことによるアンダーシュート発生時には比較的小さな補正量で補正が行われるので、過剰な補正が行われないため学習制御の収束を早めることができる。
また、上記の「タービン回転速度変化率dNTが増大した、又はタービン回転速度変化率dNTが正」という条件が成立しない場合であっても、タービン軸回転速度NTが同期回転速度NTJ以上の所定範囲ΔNF 内に収まっていなければ、上述したほどの同期遅れではないもの、同期がやや遅れ気味であると判定して、デューティ率学習値DALが上記γよりも小さい値の所定量(β%)だけ補正されるので、変速機自体の個体差或いはばらつきなどによる油圧の応答性低下を防止して、アンダーシュートによる変速ショックを防止することができる。
したがって、LFアップシフト時の係合のバラツキが学習制御により吸収され、LFアップシフト時に突き出し感やブレーキ感等を防止することができ、常に安定したシフトクォリティを得ることができる利点がある。
また、結合側の摩擦要素、つまり第2クラッチ17に供給する作動油圧のデューティ率DCを回転速度差(NT−NTJ)に応じたデューティ率補正量ΔDにより補正処理したうえで設定するので、第二摩擦要素を係合させるタイミングを、回転速度差(NT−NTJ)、即ち、車速に応じて最適なものに設定できる。
つまり、出力トルクが所定値以下の状況でのアップシフト切替(リフトフットアップシフト)の場合、変速前と変速後とのタービン側の回転速度差(NT−NTJ)は、車速に応じて異なり、この回転速度差(NT−NTJ)に応じて、摩擦要素を係合させる最適タイミングも異なる。
これに対し、本装置では、供給油圧設定手段では、デューティ率補正量ΔDにより補正処理した上でデューティ率DCを設定するので、前記第二摩擦要素を係合させるタイミングを、車速に応じて最適なものに設定でき、第二摩擦要素の係合タイミングが早すぎる場合における駆動系のショックや、第二摩擦要素の係合タイミングが遅すぎる場合における駆動系のショック及び車両の突き出し感などの発生を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上記実施形態では、2−3アップシフト変速制御について例示したが、1−2アップシフト、3−4アップシフト等についても上記変速制御は同様に実行される。
また、上記実施形態では、前進4段が達成可能な自動変速機2について説明したが、上記各制御は少なくとも前進2段以上の変速段を有する自動変速機であれば同様に適用することが可能である。
また、上述したデューティ率学習値DALの補正量(α,β,γ)は、変速機やエンジンの特性や諸元に応じて適宜設定すればよく、何ら数値限定されるものではない。また、第3判定手段103で用いられる所定範囲ΔNF を本実施形態ではΔNDEと等しい値に設定したが、これよりも小さい値にしてもよいし大きい値にしてもよい。なお、所定範囲ΔNF=ΔNDEとした場合には、所定範囲が同期したとみなせる範囲と等価となるので、制御上好ましいといえる。
本発明の一実施形態に係る自動変速機の制御装置が適用されるパワープラント及びトルクコンバータの油圧制御回路の概略構成図である。 ダンパクラッチの制御領域を示したマップである。 図1の変速機本体内のギヤトレーンの概略構成図である。 図3のギヤトレーンの摩擦要素の油圧制御回路の概略構成図である。 図3のギヤトレーンの摩擦要素であるクラッチまたはブレーキを示す断面図である。 本発明の一実施形態における第二摩擦要素に供給する開始供給油圧の補正項の特性を説明する図(マップ)である。 図1のECU(電子制御ユニット)が実行するリフトフットアップシフト制御ルーチンを示すフローチャートである。 図7に示す結合側制御のサブルーチンを示すフローチャートである。 図8に示すタービントルクTT演算のサブルーチンを示すフローチャートである。 タービン回転速度NT 、解放側ソレノイド弁のデューティ率DR 、結合側ソレノイド弁のデューティ率DC 及び解放側と結合側のそれぞれの摩擦要素に供給される油圧の時間的変化を示す図である。 本発明の一実施形態における要部構成を示す模式図である。 図7に示すデューティ率学習値DALのサブルーチンを示すフローチャートである。 結合側の摩擦要素の係合が正常に行われた場合のタイムチャートである。 結合側の摩擦要素の係合がオーバシュートした場合のタイムチャートである。 結合側の摩擦要素の係合がアンダシュートした場合のタイムチャートである。
符号の説明
1 エンジン
2 自動変速機
3 トルクコンバータ(流体継手)
4 変速機本体
5 油圧コントローラ
6 ECU(電子制御ユニット)
7 NTセンサ
8 車速センサ
9 スロットルセンサ
9a エアフローセンサ
10 変速機構
11 タービン軸
15 第1クラッチ(摩擦要素)
17 第2クラッチ(摩擦要素)
19 第3クラッチ(摩擦要素)
22 第1ブレーキ(摩擦要素)
23 第2ブレーキ(摩擦要素)
30 タービン
35 ダンパクラッチ(ロックアップクラッチ)
41 ダンパクラッチコントロールバルブ
42 ダンパクラッチソレノイド弁
101〜103 第1〜第3判定手段
201〜203 第1〜第3学習補正手段
301 変速判定手段
302 入力軸回転速度推定手段
303 解放側摩擦要素制御手段
304 結合側摩擦要素制御手段
305 初期油圧学習制御手段

Claims (5)

  1. スロットル開度が所定開度以下でのアップシフトを判定する変速判定手段と、
    変速判定時の入力軸回転速度に基づいて、該変速後の入力軸の同期回転速度と、該入力軸の同期回転速度よりも所定回転速度だけ高い同期判定時の入力軸回転速度とを算出する入力軸回転速度推定手段と、
    該変速判定後、解放側の摩擦要素の油圧を低下させる解放側摩擦要素制御手段と、
    該変速判定後、結合側の摩擦要素の油圧が容量を持たない初期油圧から所定の勾配で増加させ、同期回転到達後に油圧を上昇させて結合を完了させる結合側摩擦要素制御手段とを備えた自動変速機の制御装置において、
    該結合側の摩擦要素の該初期油圧を、前回の変速結果に基づいて補正を行う初期油圧学習制御手段を備え、
    該初期油圧学習制御手段は、
    同期判定時における入力軸回転速度の変化率が所定値よりも小さいか否かを判定する第1判定手段と、
    該同期判定時から所定時間が経過した後に該入力軸回転速度変化率が増加したか、又は該入力軸回転速度変化率が正の値であるか否かを判定する第2判定手段と、
    該同期判定後に該入力軸回転速度が、前記入力軸回転速度推定手段によって算出された該変速後の入力軸の同期回転速度以上の所定範囲内に収まっているか否かを判定する第3判定手段と、
    該第1判定手段によって該入力軸回転速度変化率が所定値よりも小さいと判定されると次回変速時における前記初期油圧が低下するよう初期油圧を補正する第1学習補正手段と、
    該第2判定手段によって該同期判定時から所定時間が経過した後に該入力軸回転速度変化率が増加した、又は該入力軸回転速度変化率が正の値であると判定されると次回変速時における該初期油圧が増加するよう該初期油圧を補正する第2学習補正手段と、
    該第3判定手段によって該入力軸回転速度が該入力軸回転速度推定手段で算出された変速後の入力軸の同期回転速度以上の前記所定範囲内に収まっていないと判定されると、次回変速時における該初期油圧が増加し、今回の変速時に前記所定範囲内に収まらずに前記入力軸の同期回転速度以下にアンダーシュートした前記入力軸回転速度の当該アンダーシュートが、次回変速時に減少するよう初期油圧を補正する第3学習補正手段とを有している
    ことを特徴とする、自動変速機の制御装置。
  2. 前記第2学習補正手段による初期油圧に対する補正量を、前記第3学習補正手段による初期油圧に対する補正量よりも大きな値に設定した
    ことを特徴とする、請求項1記載の自動変速機の制御装置。
  3. 高速側変速段及び低速側変速段をそれぞれ確立させる高速側摩擦要素及び低速側摩擦要素を備え、
    該低速側摩擦要素の係合の解除後に該高速側摩擦要素を係合させて、該低速側変速段から該高速側変速段へのアップシフトが実行される自動変速機の変速制御装置において、
    アクセルペダルの開放によりアップシフトが実行されると該高速側の摩擦要素の該初期油圧を、前回の変速結果に基づいて補正を行う初期油圧学習制御手段を備え、
    該初期油圧学習制御手段が、
    該アップシフトの同期判定時から所定時間が経過した後に該変速機の入力軸回転速度の変化率が増加したか、又は該入力軸回転速度の変化率が正の値であることを判定すると、次回変速時における該初期油圧が増加するよう該初期油圧を補正する
    ことを特徴とする、自動変速機の制御装置。
  4. 高速側変速段及び低速側変速段をそれぞれ確立させる高速側摩擦要素及び低速側摩擦要素を備え、
    該低速側摩擦要素の係合の解除後に該高速側摩擦要素を係合させて、該低速側変速段から該高速側変速段へのアップシフトが実行される自動変速機の変速制御装置において、
    アクセルペダルの開放によりアップシフトが実行されると該高速側の摩擦要素の該初期油圧を、前回の変速結果に基づいて補正を行う初期油圧学習制御手段を備え、
    該初期油圧学習制御手段が、
    該アップシフトの同期判定後、該変速機の入力軸の回転速度が所定範囲内に収まっていないと判定すると、次回変速時における該初期油圧が増加し、今回の変速時に前記所定範囲内に収まらずに前記入力軸の同期回転速度以下にアンダーシュートした前記入力軸回転速度の当該アンダーシュートが、次回変速時に減少するよう初期油圧を補正する
    ことを特徴とする、自動変速機の制御装置。
  5. 該所定範囲が、少なくとも該変速後の入力軸の同期回転速度以上の回転速度に設定されている
    ことを特徴とする、請求項4記載の自動変速機の制御装置。
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