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JP3348617B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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Publication number
JP3348617B2
JP3348617B2 JP04226297A JP4226297A JP3348617B2 JP 3348617 B2 JP3348617 B2 JP 3348617B2 JP 04226297 A JP04226297 A JP 04226297A JP 4226297 A JP4226297 A JP 4226297A JP 3348617 B2 JP3348617 B2 JP 3348617B2
Authority
JP
Japan
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pressure
friction element
transmission
torque
release
Prior art date
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Application number
JP04226297A
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English (en)
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JPH10238620A (ja
Inventor
元治 西尾
卓 村杉
弘正 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP04226297A priority Critical patent/JP3348617B2/ja
Publication of JPH10238620A publication Critical patent/JPH10238620A/ja
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Publication of JP3348617B2 publication Critical patent/JP3348617B2/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect

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  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動変速機の変速制
御装置、特に、パワーオン走行からパワーオフ走行への
切換えに伴うアップシフト時における変速を適切に行う
ための変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動変速機は、複数のクラッチや、ブレ
ーキ等の変速用摩擦要素を選択的に、作動液圧の上昇に
より締結させたり、作動液圧の低下により解放させるこ
とにより歯車伝動系の動力伝達経路(変速段)を決定
し、作動する摩擦要素を切り換えることにより他の変速
段への変速を行うよう構成する。従って自動変速機に
は、締結状態の摩擦要素を作動液圧の低下で解放させる
と同時に、解放状態の摩擦要素を作動液圧の上昇で締結
させる、所謂摩擦要素の掛け換えにより行う変速が存在
する。
【0003】なお以下では、当該変速に際し締結状態か
ら解放状態に切り換えるべき摩擦要素を解放側摩擦要
素、その作動液圧を解放側作動液圧と称し、また、解放
状態から締結状態に切り換えるべき摩擦要素を締結側摩
擦要素、その作動液圧を締結側作動液圧と称する。
【0004】かかる変速に際しては、解放側摩擦要素と
締結側摩擦要素の適切なタイミングによる掛け換えが要
求されることから、変速ショックが大きくなり易く、従
って上記摩擦要素の掛け換えをきめ細かな制御下で行う
必要がある。そこで従来、例えば特開平5−33244
0号公報に記載されているように、変速に当たって解放
側摩擦要素の作動液圧を入力軸回転変化率が目標値にな
るようフィードバック制御することが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで従来は、入力
軸回転変化率をモニタしながらの解放側作動液圧制御で
あったために、上記摩擦要素の掛け換えによる変速が、
図18に例示するようにアクセルペダル踏み込み状態か
らその踏み込み量を減じた(同図のスロットル開度TV
Oの経時変化を参照)結果、パワーオン走行からパワー
オフ走行へ移行したことに伴うアップシフト変速である
場合、以下に説明するような問題を生ずる。
【0006】つまり、かかるアップシフト変速中は変速
機出力軸トルクがパワーオフ走行故に、エンジン側から
車輪側に伝わる正トルクから、逆に車輪側からエンジン
側へ伝わる(エンジンブレーキ状態を生起する)負トル
クに切り換わる。ところで、図18に2点鎖線で示す変
速機出力軸トルク変化から明らかなように、変速機入出
力回転比で表されるギヤ比gr が変速前値から変速後値
へと変化しているイナーシャフェーズ中は、パワーオフ
走行であっても回転イナーシャ分のエネルギーで変速機
出力軸トルクが一時的に負トルクから正トルクに突出す
ることがある。
【0007】この場合、変速機出力軸トルクが負トルク
から正トルクに極性変化する時や、逆に正トルクから負
トルクに戻る時のトルク方向の逆転により、歯車打音が
発生したり、前後加速度が発生し、変速品質の低下を招
く。従来は、入力軸回転変化率をモニタしながら解放側
作動液圧を制御することから、いかにしてもこれらの問
題解決を実現することができなかった。
【0008】請求項1に記載の第1発明は、上記の問題
を解決可能な自動変速機の変速制御装置を提案すること
を目的とする。
【0009】請求項2に記載の第2発明乃至請求項6に
記載の第6発明はそれぞれ、一層簡単な変速制御で上記
の問題解決を実現することを目的とする。
【0010】請求項7に記載の第7発明は、本発明が解
決しようとする課題を生じない条件のもとでは無駄に上
記の変速制御がなされないようにすることを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的のため第1発
明による自動変速機の変速制御装置は、締結状態の摩擦
要素を作動液圧の低下で解放させると同時に、解放状態
の摩擦要素を作動液圧の上昇で締結させることにより行
うアップシフト変速が存在する自動変速機において、パ
ワーオン走行からパワーオフ走行への切換えに伴う前記
アップシフト変速のイナーシャフェーズ中、変速機通過
トルクが車輪側からエンジン側へ伝わる負極性であれ
ば、変速機通過トルクが逆にエンジン側から車輪側へ伝
わる正極性へと極性変化することのないよう、前記解放
すべき解放側摩擦要素の作動液圧を制御し、変速機通過
トルクが前記正極性であれば前記解放側摩擦要素の作動
液圧を、変速機通過トルクが前記負極性である時の液圧
値よりも低くする構成にしたことを特徴とするものであ
る。
【0012】第2発明による自動変速機の変速制御装置
は、上記第1発明において、変速機通過トルクが前記負
極性である間前記解放側摩擦要素の作動液圧を、該解放
側摩擦要素のスリップ開始を生起させるに要するリター
ンスプリング相当圧と、所定圧との加算により求められ
た値にするよう構成したものである。
【0013】第3発明による自動変速機の変速制御装置
は、上記第2発明において、上記所定圧を、変速機入力
トルクに係数を掛けて演算により求めるよう構成したも
のである。
【0014】第4発明による自動変速機の変速制御装置
は、上記第3発明において、前記解放側摩擦要素が湿式
多板クラッチである場合、クラッチ板の摩擦係数μ、ク
ラッチ板の枚数n、作動液圧の受圧面積Ap 、有効半径
m 、および変速機入力トルクTi を用いて、前記係数
αを、 α∝Ti /2・μ・n・Ap ・Rm により定めるよう構成したものである。
【0015】第5発明による自動変速機の変速制御装置
は、上記第3発明において、前記解放側摩擦要素がバン
ドブレーキであり、該バンドブレーキが前記アップシフ
ト変速時にリーディング方向にブレーキ作用を行う場
合、バンドの摩擦係数μ、バンドの巻き付け角θ、バン
ドの巻き径R、作動液圧の受圧面積AS 、自然対数の底
e、および変速機入力トルクTi を用いて、前記係数α
を、
【数3】 により定めるよう構成したものである。
【0016】第6発明による自動変速機の変速制御装置
は、上記第3発明において、前記解放側摩擦要素がバン
ドブレーキであり、該バンドブレーキが前記アップシフ
ト変速時にトレリーング方向にブレーキ作用を行う場
合、バンドの摩擦係数μ、バンドの巻き付け角θ、バン
ドの巻き径R、作動液圧の受圧面積AS 、自然対数の底
e、および変速機入力トルクTi を用いて、前記係数α
を、
【数4】 により定めるよう構成したものである。
【0017】第7発明による自動変速機の変速制御装置
は、第1発明乃至第6発明にいずれか1項において、前
記アップシフト変速のイナーシャフェーズ中、変速機出
力トルクが正極性になる時、前記解放側摩擦要素の作動
液圧を最低圧まで低下させて完全に解放させるよう構成
したことを特徴とするものである。
【0018】
【発明の効果】第1発明において自動変速機は、締結状
態の摩擦要素を作動液圧の低下で解放させると同時に、
解放状態の摩擦要素を作動液圧の上昇で締結させること
により対応するアップシフト変速を行う。
【0019】このアップシフト変速が、パワーオン走行
からパワーオフ走行への切換えに伴うものである場合、
当該アップシフト変速のイナーシャフェーズ中、解放側
摩擦要素の作動液圧を、変速機通過トルクが車輪側から
エンジン側へ伝わる負極性から、逆にエンジン側から車
輪側へ伝わる正極性へと極性変化することのないよう制
御する。一方で、上記アップシフト変速のイナーシャフ
ェーズ中、変速機通過トルクが正極性であれば、上記解
放側摩擦要素の作動液圧を、変速機通過トルクが負極性
である時の液圧値よりも低くする。
【0020】第1発明によれば、変速機通過トルクが負
極性から正極性へと極性変化することのないよう解放側
摩擦要素の作動液圧を制御する前者の構成よって、上記
パワーオン走行からパワーオフ走行への切換えに伴うア
ップシフト変速のイナーシャフェーズ中において、回転
イナーシャ分のエネルギーで変速機出力軸トルクが一時
的に負トルクから正トルクに突出するような事態を確実
に防止することができ、このイナーシャフェーズ中に変
速機出力軸トルクの方向が切り換わって、歯車打音が発
生したり、前後加速度が発生するなど、変速品質の低下
を招くような現象を完全になくすことができる。また、
変速機通過トルクが正極性であれば解放側摩擦要素の作
動液圧を、変速機通過トルクが負極性である時の液圧値
よりも低くするという第1発明における後者の構成によ
って、以下の作用効果が奏し得られる。つまりアクセル
ペダルを戻してパワーオン走行からパワーオフ走行に移
行した時に変速機通過トルクが正極性である場合は、回
転イナーシャ分のエネルギーで変速機通過トルクが変動
することがあっても問題となるようなショックを発生す
ることがなく、変速機通過トルクが負極性である時のご
とき上記のような解放側摩擦要素の作動液圧制御は不要
であり、かかる作動液圧制御を止めて変速を早期に終了
させるのが良い。変速機通過トルクが正極性なら解放側
摩擦要素の作動液圧を、変速機通過トルクが負極性であ
る時の液圧値よりも低くする第1発明の構成によれば、
回転イナーシャ分で変速機通過トルクが変動してもショ
ックが問題とならない条件下では変速を早期に終了させ
るという上記の要求を満足させることができる。
【0021】第2発明においては、変速機通過トルクが
負極性である間における解放側摩擦要素の作動液圧を、
第1発明の前者の目的が達成されるよう決定するに際し
て、当該解放側摩擦要素のスリップ開始を生起させるに
要するリターンスプリング相当圧と、所定圧との加算に
より求められた圧力をもって解放側摩擦要素の作動液圧
とする。
【0022】よって第2発明によれば、イナーシャフェ
ーズ中に解放側摩擦要素の作動液圧を微妙に制御しなく
ても、上記所定圧の加算だけで一層簡単に上記第1発明
の作用効果を達成することができる。
【0023】第3発明においては、上記第2発明におけ
る所定圧を、変速機入力トルクに係数を掛けて演算によ
り求めることから、更に簡単に上記第1発明の作用効果
を達成することができる。
【0024】第4発明においては、上記第3発明におけ
る係数αを、解放側摩擦要素が湿式多板クラッチである
場合、クラッチ板の摩擦係数μ、クラッチ板の枚数n、
作動液圧の受圧面積Ap 、有効半径Rm 、および変速機
入力トルクTi を用いて、 α∝Ti /2・μ・n・Ap ・Rm により定めることから、解放側摩擦要素が湿式多板クラ
ッチである場合に、第3発明における係数α、従って第
2発明における所定圧を演算により求めることができ、
上記第1発明の作用効果を簡単に達成することができ
る。
【0025】第5発明においては、上記第3発明におけ
る係数αを、解放側摩擦要素がバンドブレーキであり、
該バンドブレーキが前記アップシフト変速時にリーディ
ング方向にブレーキ作用を行う場合、バンドの摩擦係数
μ、バンドの巻き付け角θ、バンドの巻き径R、作動液
圧の受圧面積AS 、自然対数の底e、および変速機入力
トルクTi を用いて、前記係数αを、
【数5】 により定めることから、解放側摩擦要素がバンドブレー
キであり、これが上記アップシフト変速時にリーディン
グ方向にブレーキ作用を行う場合においても、第3発明
における係数α、従って第2発明における所定圧を演算
により求めることができ、上記第1発明の作用効果を簡
単に達成することができる。
【0026】第6発明においては、上記第3発明におけ
る係数αを、解放側摩擦要素がバンドブレーキであり、
これが前記アップシフト変速時にトレリーング方向にブ
レーキ作用を行う場合、バンドの摩擦係数μ、バンドの
巻き付け角θ、バンドの巻き径R、作動液圧の受圧面積
S 、自然対数の底e、および変速機入力トルクTi
用いて、前記係数αを、
【数6】 により定めることから、解放側摩擦要素がバンドブレー
キであり、これが上記アップシフト変速時にトレリーン
グ方向にブレーキ作用を行う場合においても、第3発明
における係数α、従って第2発明における所定圧を演算
により求めることができ、上記第1発明の作用効果を簡
単に達成することができる。
【0027】第7発明においては、前記アップシフト変
速のイナーシャフェーズ中、変速機出力トルクが正極性
になる時、解放側摩擦要素の作動液圧を最低圧まで低下
させて完全に解放させることから、本発明が解決しよう
とする課題を生じない条件であるにもかかわらず、無駄
に上記の変速制御がなされてしまう不都合を回避するこ
とができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明一実施の形態
になる変速制御装置を具えた自動変速機の制御システム
を示し、1はエンジン、2はトルクコンバータ、3は自
動変速機であり、エンジン回転はトルクコンバータ2を
経て自動変速機の入力軸4に伝達するものとする。
【0029】自動変速機3は、基本的には日産自動車
(株)発行「RE4R01A型オートマチックトランス
ミッション整備要領書」(A261C07)に記載され
たと同様なものとし、同軸突き合わせ関係に配置した入
出力軸4,5上にフロントプラネタリギヤ組6およびリ
ヤプラネタリギヤ組7を載置して具える。
【0030】そして、摩擦要素としてフォワードクラッ
チF/C、ハイクラッチH/C、バンドブレーキB/
B、ローリバースブレーキLR/B、ローワンウエイク
ラッチL/OWC、およびリバースクラッチR/Cを具
え、これらを選択的に図2に○で示すように締結させる
ことにより前進第1速〜第4速と、後退の変速段を選択
し得るものとする。なお、ロークリバースブレーキLR
/Bに関する(○)は、第1速でエンジンブレーキが必
要な時に締結させることを示す。
【0031】また上記摩擦要素の選択的作動(締結)を
実行するために、自動変速機3のコントロールバルブ8
には、フォワードクラッチF/C用のデューティソレノ
イド9、ハイクラッチH/C用のデューティソレノイド
10、バンドブレーキB/B用のデューティソレノイド
11、ローリバースブレーキLR/B用のデューティソ
レノイド12、およびリバースクラッチR/C用のデュ
ーティソレノイド13を設け、これらにより対応する摩
擦要素の作動油圧を個々にデューティ制御することで図
2の締結論理を実現すると共に、摩擦要素の作動油圧を
変速制御中において個々に過渡制御する。
【0032】ソレノイド9〜13のデューティ制御はコ
ントローラ14によりこれを行い、該コントローラに
は、エンジン1のスロットル開度TVOを検出するスロ
ットル開度センサ16からの信号と、エンジン回転数N
e を検出するエンジン回転センサ17からの信号と、ト
ルクコンバータ2から自動変速機3への入力回転数Ni
を検出する入力回転センサ18からの信号と、変速機出
力回転数No を検出する出力回転センサ19からの信号
と、変速機作動油温TOIL を検出する油温センサ20か
らの信号とを入力する。
【0033】ここで本実施の形態においては、解放状態
のバンドブレーキB/Bを作動液圧の上昇で締結させる
と同時に、締結状態のフォワードクラッチF/Cを作動
液圧の低下により解放させて行う第3速から第4速への
アップシフト変速に本発明の着想を適用することとし、
これがため特に、図1から抽出して図3および図4にそ
れぞれ示すフォワードクラッチF/Cおよびバンドブレ
ーキB/Bの作動液圧制御部分を以下に詳述する。
【0034】図3は、上記第3速から第4速へのアップ
シフト変速に際して締結状態から解放状態にされるべき
解放側摩擦要素であるフォワードクラッチF/Cの作動
液圧制御回路部を示し、フォワードクラッチF/Cの作
動圧回路21に調圧弁22を具え、この調圧弁22は、
ライン圧PL を元圧とし、室22a内における制御圧の
上昇に応じてフォワードクラッチF/Cの作動油圧Po
を0から上昇させるものとする。
【0035】調圧弁22の室22a内における制御圧
は、対応する前記ソレノイド9により決定するもので、
該ソレノイド9は、ライン圧PL を減圧して作りだした
一定のパイロット圧Pp を元圧とし、ソレノイド9の駆
動デューティに応じた制御圧を室22aに供給するもの
とする。
【0036】図4は、同じ第3速から第4速へのアップ
シフト変速に際して解放状態から締結状態にされるべき
締結側摩擦要素であるバンドブレーキB/Bの作動液圧
制御回路部を示し、バンドブレーキB/Bの作動圧回路
23に調圧弁24を具え、この調圧弁24は、ライン圧
L を元圧とし、室24a内における制御圧の上昇に応
じてバンドブレーキB/Bの作動液圧Pc を0から上昇
させるものとする。
【0037】調圧弁24の室24a内における制御圧
は、対応する前記ソレノイド11により決定するもの
で、該ソレノイド11は、ライン圧PL を減圧して作り
だした一定のパイロット圧Pp を元圧とし、ソレノイド
11の駆動デューティに応じた制御圧を室24aに供給
するものとする。
【0038】図1におけるコントローラ14は、上記の
入力情報をもとに図5に示す制御プログラムを実行し、
特に第3速から第4速へのアップシフト変速については
これを図18のタイムチャートに沿って遂行する。図5
のステップ31においては、センサ16で検出したエン
ジンスロットル開度TVOと、センサ19で検出した変
速機出力回転数No (車速)とから、予定の変速マップ
をもとに、当該走行条件のもとで望ましい好適変速段を
検索し、現在の選択変速段がこの好適変速段と同じなら
変速不要であることから、そのまま制御を終了し、現在
の選択変速段がこの好適変速段と違う場合、ステップ3
2において当該好適変速段への変速を遂行する。
【0039】ステップ32での変速は、アクセルペダル
の踏み込みでエンジンから車輪側に動力伝達がなされて
いるパワーオン走行(変速機出力トルクが正の状態)か
ら、アクセルペダルの戻し操作でスロットル開度TVO
が図18のように低下して、逆に車輪側からエンジン側
に動力伝達がなされる(変速機出力トルクが負でエンジ
ンブレーキが効く状態)パワーオフ走行への移行に伴う
第3速から第4速へのアップシフト変速(足放し3→4
アップシフト変速)の場合、図6乃至図16に示すごと
きものである。
【0040】先ず、図6は図18における第1ステージ
での処理を示し、同図のステップ41において、当該
足放し3→4アップシフト変速指令が発せられて1回目
であるか否かを判定する。1回目である場合ステップ4
2において、第1ステージで用いる制御データをセッ
トする。
【0041】ステップ42における制御データのセット
は、図7に示すごときもので、ステップ51において、
第1ステージで締結側摩擦要素(バンドブレーキB/
B)に与えるべきプリチャージ圧Pprと、第1ステージ
制御時間t1 (図18参照)と、第1ステージ後に引き
続いて低下させる解放側摩擦要素(フォワードクラッチ
F/C)の作動油圧Po に関するランプ制御時間t
2 (図18参照)を読み込む。
【0042】ここで、第1ステージの制御時間t
1 は、プリチャージ指令圧Pprのもとで締結側摩擦要素
のロスストロークが完了するに要する時間とし、例えば
変速機作動油温TOIL ごとに予め定めておく。また、解
放側摩擦要素の作動油圧Po を第1ステージ以後も当
該第1ステージと同じ勾配で低下させるための時間t2
は、解放側摩擦要素の作動油圧Po を低下させるに当た
って、第1ステージ制御時間t1 のような短時間で当該
低下を完了させようとすると、解放側作動液圧Poの低
下が急速に過ぎ、制御の終了時にアンダーシュートを生
ずることから、第1ステージ制御時間t1 に付加するア
ンダーシュート防止用の時間として予め定めておく。
【0043】次いでステップ52において、変速機入力
トルクTi を算出する。この算出に際しては、図8に示
すように先ずステップ61において、エンジン回転数N
e (トルクコンバータ入力回転数)および変速機入力軸
回転数(トルクコンバータの出力回転数)Ni からトル
クコンバータの速度比et (et =Ni /Ne )を求
め、次いでステップ62において、この速度比et から
図17に例示するトルクコンバータ性能線図を基に、ト
ルクコンバータのトルク比tおよびトルク容量係数τを
求め、ステップ63で、これらを用いてタービントルク
(変速機入力トルク)Ti をTi =τ・t・Ne 2 の演
算により算出する。
【0044】図7のステップ53においては、上記入力
トルクTi のもとで解放側摩擦要素(フォワードクラッ
チF/C)をスリップしないぎりぎり状態にしておくた
めの解放側必要油圧Pomin(図18参照)を図9のよう
に、Pomin=Ti ・k/2nμAp m (但し、k:フ
ォワードクラッチF/Cのトルク分担率、n:クラッチ
板の枚数、μ:クラッチ板の摩擦係数、Ap :解放側作
動圧Po の受圧面積、Rm :クラッチ板の有効半径)に
より算出する。
【0045】図7のステップ54においては、解放側作
動圧Po をライン圧PL 相当値から、図18に示すごと
く解放側必要油圧Pominに前記アンダーシュート防止用
の液圧dを加えた圧力値(Pomin+d)まで低下させる
のに必要な、当該解放側作動圧Po の第1ランプ勾配Δ
o1を ΔPo1=〔PL −(Pomin+d)〕/(t1 +t2 )・・・(1) により算出する。
【0046】図6のステップ43においては、ステップ
42で上記のごとくにセットしたデータを基に、第1ス
テージでの締結側作動油圧Pc および解放側作動油圧
oの制御を以下の如くに行う。つまり、締結側作動油
圧Pc についてはこれを、図18にも示すがプリチャー
ジ圧Pprにするようソレノイド11に指令して、締結側
摩擦要素(バンドブレーキB/B)のロスストロークを
速やかに完了させ、解放側作動油圧Po についてはこれ
を、図18に示すが第1ランプ勾配ΔPo1づつ低下させ
るようソレノイド9に指令する。
【0047】ステップ43の処理は、ステップ44でΔ
tづつインクリメントされるタイマTMがステップ47
で第1ステージ制御時間t1 を示すようになったと判定
するまで継続し、よって図18に示すように、足放し3
→4アップシフト変速指令から第1ステージ制御時間t
1 中、解放側作動液圧指令値Po はΔPo1のランプ勾配
で低下され、締結側作動液圧指令値PC はプリチャージ
指令圧Pprに保たれて、締結側摩擦要素のロスストロー
クを理論上、第1ステージ制御時間t1 の終了瞬時に完
遂させ得る。
【0048】この間にステップ45で解放側作動油圧P
o が必要油圧Pominまで低下したと判定する時は、ステ
ップ46で解放側作動油圧Po を必要油圧Pominに保持
し、解放側作動油圧Po が必要油圧Pominよりも低下す
ることのないようにする。なお、ステップ47でタイマ
TMが第1ステージ制御時間t1 を示すようになったと
判定する時、ステップ48でタイマTMを0にリセット
して以後の使用に供し得るようにすると共に、ステップ
49で制御を図18の第2ステージに進める。
【0049】第2ステージの制御は図10に示すごと
きもので、第2ステージへの移行後にステップ71で
ΔtづつインクリメントされるタイマTMが、ステップ
81で第2ステージ制御時間t3 を示すようになったと
判定するまでの間、ステップ72〜80において、図1
8に示すごとき以下の変速制御を行うものである。
【0050】ステップ72において、第2ステージへ
の移行後1回目であると判定する時に選択されるステッ
プ73では、第2ステージでの制御に用いるデータを
図11のように設定する。先ずステップ91において、
締結側摩擦要素(バンドブレーキB/B)のリターンス
プリング相当圧Pcrtn、第2ステージ制御時間t3 (図
18参照)、締結側摩擦要素(バンドブレーキB/B)
の作動油圧Pc をリターンスプリング相当圧Pcrtnにし
ておくためのリターンスプリング相当圧制御時間t4
既に前記したがプリチャージ以後における解放側摩擦要
素作動油圧Po の第1ランプ制御時間t2 、同じく前記
した解放側摩擦要素作動油圧Po の第1ランプ勾配ΔP
o1、これよりゆるやかな勾配に設定した解放側摩擦要素
作動油圧Po の第2ランプ勾配ΔPo2をそれぞれ読み込
む。
【0051】図11のステップ92では、当該第2ステ
ージに入った時の変速機入力トルクTi を図8につき
前述したと同じようにして算出し、次のステップ93で
は、図9につき前述したと同様にして当該変速機入力ト
ルクTi のもとで、解放側摩擦要素(フォワードクラッ
チF/C)をスリップしないぎりぎりの状態に維持して
おくための解放側必要油圧Pominを算出する。
【0052】以上のようにして設定した制御データに基
づき、第2ステージ用の変速制御が図10のステップ
74以降において次のように実行される。ステップ7
4,75においては、ステップ74においてタイマTM
が第2ステージへの移行からリターンスプリング相当
圧制御時間t4 の経過を示すようになったと判定するま
での間、ステップ75で締結側摩擦要素の作動油圧Pc
をリターンスプリング相当圧Pcrtnにするようソレノイ
ド11に指令し、ステップ74でタイマTMが第2ステ
ージへの移行からリターンスプリング相当圧制御時間
4 の経過を示すようになったと判定した後は、ステッ
プ75をスキップして締結側摩擦要素の作動油圧Pc
図18に示すようにリターンスプリング相当圧Pcrtn
保持するソレノイド11に指令する。
【0053】ステップ76〜78においては、ステップ
76においてタイマTMが第2ステージへの移行から
解放側摩擦要素用第1ランプ制御時間t2 の経過を示す
ようになったと判定するまでの間、ステップ77で解放
側摩擦要素の作動油圧Po を第1ランプ勾配ΔPo1で低
下するようソレノイド9に指令し、ステップ76でタイ
マTMが第2ステージへの移行から解放側摩擦要素用
第1ランプ制御時間t 2 の経過を示すようになったと判
定した後は、ステップ78において解放側摩擦要素の作
動油圧Po を図18に示すように第2のランプ勾配ΔP
o2で低下させるようソレノイドソレノイド9に指令す
る。
【0054】この間にステップ79で解放側作動油圧P
o が、図11のステップ93で求めた第2ステージへ
の移行瞬時における変速機入力トルクTi に対応する必
要油圧Pominまで低下したと判定する時は、ステップ8
0で解放側作動油圧Po を当該必要油圧Pominに保持
し、解放側作動油圧Po が必要油圧Pominよりも低下す
ることのないようにする。
【0055】図10のステップ81においてタイマTM
が第2ステージへの移行から第2ステージ制御時間t
3 の経過を示すようになったと判定した時は、制御をス
テップ82に進め、ここで上記のタイマTMを0にリセ
ットして次回に備えた後、ステップ83において第3ス
テージの処理に入る。
【0056】第3ステージの処理は図12に示すごと
きもので、ステップ111においてタイマTMをインク
リメントすることにより、第3ステージに入ってから
の経過時間を計測する。第3ステージに入ってから1
回だけステップ112によって選択されるステップ12
3においては、図13に示すように当該ステージで用い
る制御データ、つまり、第3ステージ制御時間t5 (図
18参照)と、解放側摩擦要素(フォワードクラッチF
/C)の作動油圧Po をフィードバック(PID)制御
する時に用いる比例制御定数Kp 、積分制御定数Ki
および微分制御定数Kd と、締結側摩擦要素(バンドブ
レーキB/B)の作動油圧Pc を上昇制御する時に用い
る第1ランプ勾配ΔPc1、イナーシャフェーズ開始の判
定に用いる第1参照ギヤ比gr1と、締結側摩擦要素(バ
ンドブレーキB/B)をスリップしないぎりぎりの状態
にしておくための締結側制限圧PcLimと、解放側摩擦要
素(フォワードクラッチF/C)をスリップさせ始める
ための解放側リターンスプリング相当圧Por tnとをセッ
トする。
【0057】ここで締結側制限圧PcLimは、図8のよう
にして求めた第3ステージ開始時における変速機入力ト
ルクTi のもとで、これをぎりぎり伝達可能な締結側摩
擦要素(バンドブレーキB/B)の作動圧に安全率
(1.2程度)を掛けて求め、また解放側リターンスプ
リング相当圧Portnも、第3ステージ開始時における変
速機入力トルクTi から解放側摩擦要素(フォワードク
ラッチF/C)をスリップさせ始めるための作動圧とし
て求める。
【0058】図12のステップ114においては、変速
機入出力回転比Ni /No であるギヤ比gr を算出し、
ステップ115において当該ギヤ比gr が第1参照ギヤ
比g r1まで低下したと判定するか、若しくは、ステップ
116において、タイマTMが第3ステージに入って
から第3ステージ制御時間t5 の経過を示すと判定する
までは、ステップ117において締結側摩擦要素(バン
ドブレーキB/B)の作動圧Pc を図18に示すように
第1ランプ勾配ΔPc1で上昇させる。
【0059】ところでステップ118において、この間
に締結側摩擦要素(バンドブレーキB/B)の作動圧P
c が制限圧PcLimを越えたと判定する時は、ステップ1
19において締結側作動圧Pc を制限圧PcLimを指令
し、締結側作動圧Pc が制限圧PcLimを越えることのな
いようにする。
【0060】一方、解放側摩擦要素(フォワードクラッ
チF/C)の作動圧Po に関しては、これを以下のよう
に制御する。先ずステップ120においては目標ギヤ比
r0を読み込み、次いでステップ121において、上記
締結側作動油圧Pc のランプ上昇中この目標ギヤ比gr0
が達成されるよう解放側作動油圧Po を、今回のギヤ比
r 、1回前のギヤ比gr-1 、2回前のギヤ比gr-2
および目標ギヤ比gr0を用い、更に前記の制御定数
p ,Ki ,Kd を用いて Po =Po +Kp (gr −gr-1 )+Ki (gr0
r )+Kd (gr −2gr-1 +gr-2 ) により演算し、これをソレノイド9に指令する。
【0061】そして、ステップ122において解放側作
動油圧Po がリターンスプリング相当圧Portnより高い
と判断する限り、制御をステップ111に戻して上記の
ループを繰り返し、ステップ122において解放側作動
油圧Po がリターンスプリング相当圧Portn より低い
と判断した場合は、ステップ123で解放側作動油圧P
o がリターンスプリング相当圧Portnより低くならない
ようにした後に制御をステップ111に戻して上記のル
ープを繰り返す。
【0062】以上の制御により、ステップ115におい
てギヤ比gr が第1参照ギヤ比gr1まで低下した(イナ
ーシャフェーズ開始)と判定するか、若しくは、ステッ
プ116において、タイマTMが第3ステージに入っ
てから第3ステージ制御時間t5 の経過を示すと判定し
た時に、制御をステップ124,125に進めて、タイ
マTMを0にリセットすると共に、第4ステージへと
制御を進める。
【0063】第4ステージは図14に示すごときもの
で、ステップ131においてタイマTMをインクリメン
トすることにより、第4ステージに入ってからの経過
時間を計測する。第4ステージに入ってから1回だけ
ステップ132によって選択されるステップ133にお
いては、当該ステージで用いる制御データを図15に示
すようにセットする。
【0064】先ず、締結側摩擦要素(バンドブレーキB
/B)の作動油圧Pc をフィードバック(PID)制御
する時に用いる比例制御定数Kp 、積分制御定数Ki
および微分制御定数Kd を読み込み、次いで第4ステー
ジの制御時間t6 (図18参照)を読み込み、順次小
さくなる第2参照ギヤ比gr2〜第4参照ギヤ比gr4を読
み込み、締結側摩擦要素(バンドブレーキB/B)の作
動油圧Pc を上昇制御する時に用いる第2ランプ勾配Δ
c2を読み込み、解放側摩擦要素(フォワードクラッチ
F/C)のリターンスプリング相当圧Portnを算出し、
本発明の目的を達成するよう解放側リターンスプリング
相当圧Portnに加算すべき所定圧ΔPを算出する。な
お、ここにおける解放側リターンスプリング相当圧P
ortnも、図8と同様にして求めた、第4ステージに入っ
た時の変速機入力トルクをもとに決定することは言うま
でもない。
【0065】そして解放側リターンスプリング相当圧P
ortnに加算すべき所定圧ΔPの算出は、図16のように
行う。つまり、ステップ141においてエンジン回転数
eおよび変速機入力回転数Ni を読み込み、次いでス
テップ142において、これらを基に図8の演算によ
り、第4ステージに入った時の変速機入力トルクTi
を算出する。
【0066】ステップ143では、この変速機入力トル
クTi と、解放側摩擦要素(フォワードクラッチF/
C)に係わるクラッチ板の摩擦係数μと、クラッチ板の
枚数nと、作動液圧Po の受圧面積Ap と、有効半径R
m とを用いて、(Ti /2・μ・n・Ap ・Rm )を求
め、これに比例定数を掛けて、所定圧ΔPを求めるため
の係数αを求める。つまり、係数αをα∝Ti /2・μ
・n・Ap ・Rm のように定める。そしてステップ14
4において、この変速機入力トルクTi に係数αを掛け
ることにより所定圧ΔPを算出する。
【0067】図14のステップ134においては、変速
機入出力回転数の比(Ni /No )であるギヤ比gr
算出し、ステップ135,136において、このギヤ比
rが第3参照ギヤ比gr3よりも大きく、第2参照ギヤ
比gr2よりも大きいと判定する間はステップ137にお
いて、締結側摩擦要素(バンドブレーキB/B)の作動
油圧Pc を図18に示すように第2ランプ勾配ΔPc2
上昇させる。しかしこの間ステップ138,129にお
いて、締結側摩擦要素(バンドブレーキB/B)の作動
油圧Pc が図13で求めた制限圧PcLimを越えることの
ないようにする。
【0068】ステップ136でギヤ比gr が第2参照ギ
ヤ比gr2まで低下したと判定した後は、制御をステップ
139に進め、以後は図18に示すように締結側摩擦要
素(バンドブレーキB/B)の作動油圧Pc を制限圧P
cLimに維持する。そしてステップ135でギヤ比gr
第3参照ギヤ比gr3に低下したと判定すると、制御はス
テップ140に進み、ここでギヤ比gr を図18に示す
ごとく滑らかに低下させるための時々刻々の目標ギヤ比
r0を読み込む。
【0069】次いでステップ141において、この目標
ギヤ比gr0が達成されるよう締結側作動油圧Pc を、今
回のギヤ比gr 、1回前のギヤ比gr-1 、2回前のギヤ
比g r-2 、および目標ギヤ比gr0を用い、更に前記の制
御定数Kp ,Ki ,Kd を用いて Pc =Pc +Kp (gr −gr-1 )+Ki (gr0
r )+Kd (gr −2gr-1 +gr-2 ) により演算し、これをソレノイド11に指令する。
【0070】以上のように締結側作動油圧Pc を制御す
る間に、ステップ142〜144においては解放側作動
油圧Po を以下の如くに制御する。つまり、ステップ1
42において変速機入力トルクTi (変速機出力トルク
も同じ)が、車輪側からエンジン側へ伝わる(エンジン
ブレーキ状態を生起する)負極性のものか、逆にエンジ
ン側から車輪側へ伝わる正極性のものかを判定する。負
極性トルクである場合ステップ143において、そして
図18に示すように、解放側作動油圧Po を前記のリタ
ーンスプリング相当圧Portnと所定圧ΔPとの和値(P
ortn+ΔP)にするようソレノイド9に指令する。
【0071】かかるイナーシャフェーズ中における解放
側作動油圧Po の制御によれば、所定圧ΔPを前記のよ
うに定めることから、変速機出力トルクが図18に実線
で示すように負極性のままに維持され、負極性から正極
性へと極性変化することがない。従って、当該パワーオ
ン走行からパワーオフ走行への切換えに伴うアップシフ
ト変速のトルクフェーズ中において、回転イナーシャ分
のエネルギーで変速機出力軸トルクが一時的に負トルク
から正トルクに突出するような事態を確実に防止するこ
とができ、このトルクフェーズ中に変速機出力軸トルク
の方向が切り換わって、歯車打音が発生したり、前後加
速度が発生するなど、変速品質の低下を招くような現象
を完全になくすことができる。
【0072】しかしてステップ142において変速機入
力トルクTi (変速機出力トルクも同じで、これらを変
速機通過トルクとも言う)が正極性であると判定した場
合、本発明が解決しようとする課題を生じない条件であ
ることから、ステップ144において解放側作動油圧P
o をドレンして0にし、解放側摩擦要素(フォワードク
ラッチF/C)を完全に解放させることで変速を早期に
終了させる。よって、本発明が解決しようとする課題を
生じない条件であるにもかかわらず、無駄に上記の解放
側作動圧制御がなされて変速の終了が不用に遅れるとい
う不都合を回避することができる。
【0073】図14のステップ145においてギヤ比g
r が第4参照ギヤ比gr4まで低下したと判定するまでは
上記のループを繰り返すが、ギヤ比gr が第4参照ギヤ
比g r4まで低下した後は、ステップ146において、そ
して図18に示すように、解放側作動油圧Po をドレン
して0にすると共に、締結側作動油圧Pc を最高値であ
るライン圧PL と同じ値にする。ステップ146の処理
は、ステップ147においてタイマTMが第4ステージ
に入ってから第4ステージ制御時間t6 を示すように
なったと判定するまで繰り返し、第4ステージ制御時間
6 が経過したところでステップ148においてタイマ
TMを0にリセットし、変速を終了する。
【0074】なお、上記の実施形態では解放側摩擦要素
がフォワードクラッチF/Cである場合について説明し
たが、解放側摩擦要素がバンドブレーキB/Bであり、
このバンドブレーキがリーディング方向にブレーキ作用
を行うような足放しアップシフト変速時は前記の係数α
を、バンドの摩擦係数μ、バンドの巻き付け角θ、バン
ドの巻き径R、作動液圧の受圧面積AS 、自然対数の底
e、および変速機入力トルクTi を用いて、
【数7】 で表されるようなものとし、前記の所定圧ΔPをΔP=
α・Ti により算出することによって同様の作用効果を
達成することができる。
【0075】更に、解放側摩擦要素がバンドブレーキB
/Bであり、このバンドブレーキがトレリーング方向に
ブレーキ作用を行うような足放しアップシフト変速時は
前記の係数αを、
【数8】 で表されるようなものとし、前記の所定圧ΔPをΔP=
α・Ti により算出することによって同様の作用効果を
達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施の形態になる変速制御装置を具え
た自動変速機の制御システム図である。
【図2】同自動変速機における摩擦要素の締結論理と選
択変速段との関係を示す図面である。
【図3】同自動変速機の第3速から第4速へのアップシ
フト変速に際して解放側摩擦要素となるフォワードクラ
ッチの作動圧制御回路を示す回路図である。
【図4】同自動変速機の第3速から第4速へのアップシ
フト変速に際して締結側摩擦要素となるバンドブレーキ
の作動圧制御回路を示す回路図である。
【図5】同実施の形態においてコントローラが実行すべ
き変速判断プログラムのメインルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図6】同変速判断で3→4アップシフト変速指令が出
された場合に実行すべき変速制御の第1ステージに係わ
るサブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】同第1ステージで用いる制御データの設定ルー
チンを示すフローチャートである。
【図8】同第1ステージで用いる制御データのうち、変
速機入力トルクを算出するためのサブルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図9】同第1ステージで用いる制御データのうち、解
放側締結必要油圧を算出するためのサブルーチンを示す
フローチャートである。
【図10】同3→4アップシフト変速指令が出された場
合に実行すべき変速制御の第2ステージに係わるサブル
ーチンを示すフローチャートである。
【図11】同第2ステージで用いる制御データの設定ル
ーチンを示すフローチャートである。
【図12】同3→4アップシフト変速指令が出された場
合に実行すべき変速制御の第3ステージに係わるサブル
ーチンを示すフローチャートである。
【図13】第3ステージで用いる制御データの設定ルー
チンを示すフローチャートである。
【図14】同3→4アップシフト変速指令が出された場
合に実行すべき変速制御の第4ステージに係わるサブル
ーチンを示すフローチャートである。
【図15】第4ステージで用いる制御データの設定ルー
チンを示すフローチャートである。
【図16】第4ステージで用いる制御データのうち、解
放側リターンスプリング相当圧に加算すべき所定圧を算
出するためのフローチャートである。
【図17】変速機入力トルクを算出する時に用いるトル
クコンバータの性能線図である。
【図18】図6〜図16による足放し3→4アップシフ
ト変速制御の動作タイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン 2 トルクコンバータ 3 自動変速機 4 入力軸 5 出力軸 6 フロントプラネタリギヤ組 7 リヤプラネタリギヤ組 8 コントロールバルブ 9 デューティソレノイド 10 デューティソレノイド 11 デューティソレノイド 12 デューティソレノイド 13 デューティソレノイド 14 コントローラ 16 スロットル開度センサ 17 エンジン回転センサ 18 入力回転センサ 19 出力回転センサ 20 油温センサ 22 調圧弁 24 調圧弁 F/C フォワードクラッチ(解放側摩擦要素) B/B バンドブレーキ(締結側摩擦要素) H/C ハイクラッチ LR/B ローリバースブレーキ R/C リバースクラッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−332440(JP,A) 特開 平9−177960(JP,A) 特開 平2−229960(JP,A) 特開 平6−280979(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 締結状態の摩擦要素を作動液圧の低下で
    解放させると同時に、解放状態の摩擦要素を作動液圧の
    上昇で締結させることにより行うアップシフト変速が存
    在する自動変速機において、 パワーオン走行からパワーオフ走行への切換えに伴う前
    記アップシフト変速のイナーシャフェーズ中、変速機
    トルクが車輪側からエンジン側へ伝わる負極性であれ
    ば、変速機通過トルクが逆にエンジン側から車輪側へ伝
    わる正極性へと極性変化することのないよう、前記解放
    すべき解放側摩擦要素の作動液圧を制御し、変速機通過
    トルクが前記正極性であれば前記解放側摩擦要素の作動
    液圧を、変速機通過トルクが前記負極性である時の液圧
    値よりも低くする構成にしたことを特徴とする自動変速
    機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、変速機通過トルクが
    前記負極性である間前記解放側摩擦要素の作動液圧を、
    該解放側摩擦要素のスリップ開始を生起させるに要する
    リターンスプリング相当圧と、所定圧との加算により求
    められた値にするよう構成したことを特徴とする自動変
    速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記所定圧を、変速
    機入力トルクに係数を掛けて演算により求めるよう構成
    したことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記解放側摩擦要素
    が湿式多板クラッチである場合、クラッチ板の摩擦係数
    μ、クラッチ板の枚数n、作動液圧の受圧面積Ap 、有
    効半径Rm 、および変速機入力トルクTi を用いて、前
    記係数αを、 α∝Ti /2・μ・n・Ap ・Rm により定めるよう構成したことを特徴とする自動変速機
    の変速制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項3において、前記解放側摩擦要素
    がバンドブレーキであり、該バンドブレーキが前記アッ
    プシフト変速時にリーディング方向にブレーキ作用を行
    う場合、バンドの摩擦係数μ、バンドの巻き付け角θ、
    バンドの巻き径R、作動液圧の受圧面積AS 、自然対数
    の底e、および変速機入力トルクTiを用いて、前記係
    数αを、 【数1】 により定めるよう構成したことを特徴とする自動変速機
    の変速制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項3において、前記解放側摩擦要素
    がバンドブレーキであり、該バンドブレーキが前記アッ
    プシフト変速時にトレリーング方向にブレーキ作用を行
    う場合、バンドの摩擦係数μ、バンドの巻き付け角θ、
    バンドの巻き径R、作動液圧の受圧面積AS 、自然対数
    の底e、および変速機入力トルクTiを用いて、前記係
    数αを、 【数2】 により定めるよう構成したことを特徴とする自動変速機
    の変速制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1項におい
    て、前記アップシフト変速のイナーシャフェーズ中、変
    速機出力トルクが正極性になる時、前記解放側摩擦要素
    の作動液圧を最低圧まで低下させて完全に解放させるよ
    う構成したことを特徴とする自動変速機の変速制御装
    置。
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