JP4425544B2 - 電池用集電材及びこれを用いた電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電池用集電材及びこれを用いた電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、電池用の集電材として、カード法により積層した繊維ウエブから製造した不織布にメッキ等により金属被覆したものが知られている(特許文献1)。しかしながら、このような集電材は孔径にバラツキがあり、活物質と集電材との接触が十分ではない部分が存在するため、集電性の点で十分ではなかった。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−275084号公報(段落番号0006、実施例など)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を改善するためになされたもので、集電材全体にわたって活物質と集電材との接触が十分で、集電性の優れる集電材、及びこれを用いた電池を提供することを目的とする。
【0005】
本発明の請求項1にかかる発明は、「繊維配向が相違する湿式繊維ウエブを2枚以上積層して製造した積層湿式不織布を基材とし、前記積層湿式不織布構成繊維の表面が銅で被覆されていることを特徴とする電池用集電材」である。このように積層構造であることによって、孔径が小さく、かつ孔の大きさが均一であることができるため、活物質と集電材との接触が十分で、集電性の優れる集電材であることができる。更に、繊維配向が相違する湿式繊維ウエブを積層しているため、孔径をより小さく、かつ孔の大きさをより均一にできる。
【0006】
本発明の請求項2にかかる発明は、「前記積層湿式不織布は実質的に融着のみによって形態を維持していることを特徴とする請求項1記載の電池用集電材」である。そのため、地合いに優れており、繊維同士の交点で強固に融着しているため、薄いにもかかわらず、優れた強度を有する。
【0007】
本発明の請求項3にかかる発明は、「前記電池用集電材の空隙率が50〜90%であることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の電池用集電材」である。このような空隙率であると、活物質と集電材との接触が十分であると同時に、活物質の充填を充分に行うことができる。
【0008】
本発明の請求項4にかかる発明は、「前記電池用集電材の平均孔径が5〜80μmであることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電池用集電材」である。このような平均孔径であると、活物質同士の接触に比べ、活物質と集電材との接触点が多く、また、充填した活物質の脱離も生じにくい。
【0009】
本発明の請求項5にかかる発明は、「前記積層湿式不織布を構成する繊維の繊維径が1〜50μmであることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電池用集電材」である。このような繊維径の繊維から構成されていると、表面積が広く、活物質と集電材との接触面積が広いため、集電性に優れている。
【0010】
本発明の請求項6にかかる発明は、「請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電池用集電材を用いた負極を備えていることを特徴とする電池」である。したがって、集電性に優れ、容量維持率の高い高率放電性能に優れた電池である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の電池用集電材(以下、単に「集電材」という)は、孔径が小さく、かつ孔の大きさが均一で、活物質と集電材との接触が十分で、集電性の優れる集電材であることができるように、集電材の基材として積層湿式不織布を用いている。
【0012】
この積層湿式不織布は湿式繊維ウエブを2枚以上積層して製造したものであるが、湿式繊維ウエブは単体でも目付及び厚さのばらつきが小さいため、積層することによって、更に目付及び厚さのばらつきのない集電材とすることができる。そのため、本発明の集電材を使用すると、集電性の均一な電極を形成でき、その電極を使用することによって、充放電特性に優れた電池を得ることができる。
【0013】
なお、積層湿式不織布は湿式繊維ウエブが2枚以上積層されていれば、孔径が小さく、かつ孔の大きさが均一であるため、積層枚数は特に限定されない。
【0014】
また、積層する湿式繊維ウエブは構成繊維、抄紙機、目付、及び/又は繊維配向の点で、全てが同じ湿式繊維ウエブを積層しても良いし、前記の少なくとも1点が相違する湿式繊維ウエブを積層しても良い。
【0015】
後者のように、構成繊維、抄紙機、目付及び/又は繊維配向の点における少なくとも1点が相違する湿式繊維ウエブを積層した方が、孔径をより小さく、かつ孔の大きさをより均一にできるため、好適である。より具体的には、異なる種類の抄紙機(例えば、短網抄紙機と円網抄紙機との組み合わせ、長網抄紙機と円網抄紙機との組み合わせなど)によって抄造した湿式繊維ウエブの積層、繊維配向が一方向の湿式繊維ウエブと繊維配向がランダムな湿式繊維ウエブとの積層、などを挙げることができる。
【0016】
なお、湿式繊維ウエブを3枚以上積層する場合、隣接する湿式繊維ウエブが構成繊維、抄紙機、目付及び/又は繊維配向の点で相違しているのが好ましい。例えば、ある繊維配向の湿式繊維ウエブ(A)2枚と、それとは異なる繊維配向の湿式繊維ウエブ(B)1枚とを、A−B−A、A−A−B、又はA−B−Bの順に積層することができるが、A−B−Aの順に積層するのが好ましい。
【0017】
また、湿式繊維ウエブは湿潤状態で積層しても良いし、乾燥した後に積層しても良い。
【0018】
このような湿式繊維ウエブを2枚以上積層した後、例えば、ヤンキードライヤー、キャンドライヤー、熱風循環式ドライヤーなどを用いて、積層湿式不織布を製造できる。なお、優れた機械的強度を有する集電材であることができるように、湿式繊維ウエブを構成する繊維の一部を融着させるのが好ましい。或いは、湿式繊維ウエブを構成する繊維の一部を圧着させるのが好ましい。
【0019】
本発明の積層湿式不織布は実質的に融着のみによってその形態を維持しているのが好ましい。このように実質的に融着のみによって形態を維持していると、厚さが薄くても、孔径が小さく、かつ孔の大きさが均一であることができるためである。例えば、融着以外に絡合によっても固定されていると、絡合させるための作用(例えば、水流などの流体流)によって、積層湿式不織布の表面から裏面への貫通孔が形成されてしまい、孔が大きく、しかも孔の大きさが不均一になる傾向があるが、融着のみによって形態を維持していると、融着の際に繊維の配置が乱れないため、孔径が小さく、かつ孔の大きさが均一であることができる。
【0020】
なお、絡合処理を実施しなくても湿式繊維ウエブを形成した場合に、繊維同士が絡むことがある。つまり、湿式繊維ウエブであってもその形態をある程度保つことができる。このことは、多かれ少なかれ繊維同士が絡合した状態にあることを示している。しかしながら、この絡合は、前述の流体流絡合のように、繊維の配置を乱す絡合ではないため、実質的に絡合していないものとみなす。このように、「実質的に融着のみ」とは、湿式繊維ウエブを形成した後における繊維同士の固定が融着のみによってなされていることをいう。
【0021】
なお、本発明の湿式繊維ウエブを構成する繊維は特に限定されるものではなく、例えば、熱可塑性樹脂(例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、又はポリアミド系樹脂など)などからなる合成繊維を挙げることができる。また、合成繊維は1種類の熱可塑性樹脂からなる合成繊維であっても、異なる2種類以上の熱可塑性樹脂が複合または混合された繊維であっても良い。
【0022】
熱可塑性樹脂が複合された複合繊維は、融着しても繊維形態を維持できるように、融点の異なる2種類以上の熱可塑性樹脂から構成されているのが好ましく、例えば、共重合ポリプロピレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリアミド、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエステル、ポリエチレン/ポリエステルなどの熱可塑性樹脂の組み合わせからなる複合繊維を挙げることができる。
【0023】
なお、芯に高融点の熱可塑性樹脂を有し、鞘に低融点の熱可塑性樹脂を有する芯鞘型複合繊維であると、鞘成分が融着することによって積層湿式不織布の形態を維持することができるため好適である。
【0024】
このような湿式繊維ウエブを構成する繊維、つまり積層湿式不織布を構成する繊維は、繊維表面積が広く、活物質との接触性に優れているように、繊維径が50μm以下であるのが好ましく、30μm以下であるのがより好ましい。なお、ある程度の機械的強度に優れているように、繊維径は1μm以上であるのが好ましく、2μm以上であるのがより好ましい。この「繊維径」は、繊維の横断面形状が円形である場合はその直径をいい、円形以外の場合はその横断面積と同じ面積をもつ円の直径を繊維径とみなす。
【0025】
また、湿式繊維ウエブを構成する繊維、つまり積層湿式不織布を構成する繊維の横断面形状は、特に限定されるものではないが、例えば、円形であることもできるし、非円形(例えば、長円、楕円、星型、各種のアルファベット文字型(例えば、Y字型又はX字型など)、又はプラス(+)型)などであることもできる。
【0026】
また、湿式繊維ウエブを構成する繊維、つまり積層湿式不織布を構成する繊維の繊維長も特に限定するものではないが、繊維の均一分散性に優れ、均一な孔径の積層湿式不織布を形成しやすいように、繊維長1〜25mmであることが好ましく、3〜20mmであることがより好ましい。本発明における「繊維長」とは、JIS L 1015のB法(補正ステープルダイヤグラム法)により得られる長さを意味する。
【0027】
本発明の上述のような積層湿式不織布を基材とし、この積層湿式不織布構成繊維の表面が銅で被覆されていることによって、活物質から電気を集めることができる。
【0028】
この銅による被覆は、例えば、金属メッキ、蒸着処理、スパッタリング処理、イオンプレーティング、金属溶射等を挙げることができる。これらの中でも、金属メッキにより被覆すると、膜厚を均一にしかも厚くすることができ、また比較的安価であるため好適である。なお、好適である金属メッキは、例えば、常法の無電解メッキ法を挙げることができ、必要により電解メッキ法を併用することができる。
【0029】
なお、銅による被覆量は特に限定するものではないが、集電材1m2あたり2〜400g量の銅が繊維表面を被覆しているのが好ましい。銅の量が2g未満であると、抵抗が高く、導電性が不十分である傾向があるためで、15g以上であるのがより好ましい。他方、銅の量が400gを超えると、被覆が厚いために孔径が小さくなり過ぎて、活物質の充填性が悪くなる傾向があるためで、200g以下であるのがより好ましい。
【0030】
このような本発明の集電材は空隙率が50〜90%であるのが好ましい。空隙率が50%未満であると、活物質の充填量が少なくなり、低容量となる傾向があるためで、60%以上であるのがより好ましい。他方、空隙率が90%を超えると、活物質と集電材との接触が充分に得られず、また集電材の機械的強度も低下する傾向があるためで、80%以下であるのがより好ましい。
【0031】
この「空隙率(P)」は次の式により得られる値をいう。
空隙率(P)={1−W/(T×d)}×100
ここで、Wは集電材の目付(g/m2)を意味し、Tは集電材の厚さ(μm)を意味し、dは集電材を構成する樹脂と銅の質量平均密度(g/cm3)を意味する。なお、「目付」はJIS P 8124(紙及び板紙−坪量測定法)に規定されている方法に基づいて得られる坪量を意味し、「厚さ」は、JIS B 7502:1994に規定されている外側マイクロメーター(0〜25mm)を用いて、JIS C2111 5。1(1)の測定法で測定した値を意味する。また、平均密度は、例えば、密度d1の樹脂Aがa(mass%)と、密度d2の樹脂Bがb(mass%)と、密度d3の銅がc(mass%)とから集電材が構成されている場合、平均密度は次の式により得られる値をいう。
d=d1×a/100+d2×b/100+d3×c/100
【0032】
本発明の集電材の平均孔径は5〜80μmであるのが好ましい。平均孔径が5μm未満であると、活物質の充填が困難になる傾向があるためで、10μm以上であるのがより好ましい。他方、平均孔径が80μmを超えると、活物質同士の接触が増え、活物質と集電体との接触が少なく、集電性能が不十分である傾向があり、また、集電体の機械的強度の点で不十分な場合があるためで、より好ましくは50μm以下である。この「平均孔径」は、ポロメータ(Polometer、コールター(Coulter)社製)を用いたバブルポイント法により測定される値をいう。
【0033】
本発明の電池は前述のような集電材を用いた負極を備えているため、集電性に優れ、容量維持率の高い高率放電性能に優れた電池である。つまり、活物質と集電材との接触点が多いため、集電性に優れ、容量維持率の高い高率放電性能に優れた電池である。また、充填した活物質の脱離も生じにくい電池である。
【0034】
この負極は前述のような集電材を用いること以外は、常法と全く同様にして製造することができる。例えば、金属リチウム又は金属リチウム合金、炭素材料および酸化錫などからなる負極活物質と、公知の導電剤や結着剤を加えた混合物を調製し、この混合物を公知の塗布又は含浸等の方法で前述のような集電材に充填し、乾燥し、加圧加工によって厚さを調整して、負極を作成することができる。
【0035】
本発明の電池は上述のような負極を備えていること以外は、従来と全く同様の電池であることができ、一次電池、二次電池のいずれであることもでき、例えば、リチウム電池、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池などの電池であることができる。
【0036】
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0037】
【実施例】
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート繊維(繊維径:3μm、繊維長:3mm、横断面形状:円形)90mass%と、共重合ポリエステル融着鞘成分(融点:130℃)とポリエチレンテレフタレート非融着芯成分(融点:260℃)からなる芯鞘型ポリエステル系熱融着性繊維(繊維径:11μm、繊維長:3mm、横断面形状:円形)10mass%とを配合したスラリーを調製した。
【0038】
次いで、前記調製したスラリーを短網及び円網を備えた抄紙機に供給することにより、短網により抄き上げた湿式繊維ウエブ(ランダムに配向、目付:3g/m2)と、円網により抄き上げた湿式繊維ウエブ(一方向に配向、目付:3g/m2)とを湿潤状態で抄き合わせて積層湿式繊維ウエブを形成した後、この積層湿式繊維ウエブを温度135℃に設定した熱風循環式ドライヤーへ供給し、共重合ポリエステル融着鞘成分のみを融着させ、積層湿式融着不織布を形成した。
【0039】
次いで、この積層湿式融着不織布を温度60℃のロールプレス機で厚さを調整し、目付が6g/m2で、厚さが16μmの2層構造からなる基材を製造した。この基材は実質的に共重合ポリエステル融着鞘成分の融着のみによって形態を維持していた。
【0040】
次いで、この基材に精錬剤を循環させた後に水洗いし、次に、塩化第1スズ10g/リットル、塩酸20ml/リットルを含んだ水溶液を循環させ、水洗した後、塩化パラジウム1g/リットル、塩酸20ml/リットルを含む水溶液を循環させて触媒化を行った。
【0041】
その後、更に水洗を行い、ロッシェル塩14g/リットル、水酸化ナトリウム6g/リットル、硫酸銅4g/リットルを溶かしたA液と、ホルマリン200ml/リットルのB液の混合液(A液:B液=5:1(体積比)で使用前に混合)からなる無電解銅めっき液を、常温で循環させた。
【0042】
前記無電解銅めっき液を1時間循環させた後、めっきした基材を取り出し、水洗し、更に乾燥して、本発明の集電材を製造した。この集電材の銅めっき量は35g/m2であった。なお、集電材の空隙率は70%で、平均孔径は20μmであった。
【0043】
(実施例2)
ポリエチレンテレフタレート繊維(繊維径:9μm、繊維長:3mm、横断面形状:円形)90mass%と、共重合ポリエステル融着鞘成分(融点:130℃)とポリエチレンテレフタレート非融着芯成分(融点:260℃)からなる芯鞘型ポリエステル系熱融着性繊維(繊維径:11μm、繊維長:3mm、横断面形状:円形)10mass%とを配合したスラリーを調製した。
【0044】
次いで、前記調製したスラリーを、円網を備えた抄紙機へ供給することにより、円網により抄き上げた湿式繊維ウエブ(一方向に配向、目付:5g/m2)を2枚形成し、湿潤状態で積層して、積層湿式繊維ウエブを形成した後、この積層湿式繊維ウエブを温度135℃に設定した熱風循環式ドライヤーへ供給し、共重合ポリエステル融着鞘成分のみを融着させ、積層湿式融着不織布を形成した。
【0045】
次いで、積層湿式融着不織布を温度60℃のロールプレス機で厚さを調整し、目付が10g/m2で、厚さが28μmの2層構造からなる基材を製造した。この基材は実質的に共重合ポリエステル融着鞘成分の融着のみによって形態を維持していた。
【0046】
次いで、この基材を実施例1と同様にして銅めっきを行い、本発明の集電材を製造した。この集電材の銅めっき量は32g/m2であった。なお、集電材の空隙率は72%で、平均孔径は32μmであった。
【0047】
(比較例1)
実施例1と同様のスラリーを調製した。次いで、このスラリーを、円網を備えた抄紙機へ供給することにより、円網により抄き上げた単層の湿式繊維ウエブを形成し、続いて、この単層湿式繊維ウエブを温度135℃に設定した熱風循環式ドライヤーへ供給し、共重合ポリエステル融着鞘成分のみを融着させ、単層湿式融着不織布を形成した。
【0048】
次いで、単層湿式融着不織布を実施例1と同様に厚さ調整をして、目付が6g/m2で、厚さが16μmの単層構造からなる基材を製造した。この基材は実質的に共重合ポリエステル融着鞘成分の融着のみによって形態を維持していた。
【0049】
次いで、この基材を実施例1と同様にして銅めっきを行い、比較用の集電材を製造した。この集電材の銅めっき量は33g/m2であった。なお、集電材の空隙率は70%で、平均孔径は38μmであった。
【0050】
(比較例2)
厚さ14μmの銅箔を比較用集電材とした。
【0051】
(電池の作製)
負極として、メソフェーズ小球体を黒鉛化したものと、Pvdf−NMP(ポリフッ化ビニリデン−N−メチルピロリドン:13重量%)溶液を、固形分の質量比で90:10で混合したペーストを、前記実施例1〜2及び比較例1〜2の集電材に充填(比較例2に関しては塗布)し、乾燥した後にロールプレス機により圧延したものを用意した。
【0052】
また、正極として、LiCoO2:アセチレンブラック:Pvdf−NMP溶液(12重量%)を、固形分の質量比で85:5:10で混合したペーストをアルミ箔にコーティングし、乾燥した後にロールプレスで圧延したものを用意した。
【0053】
次いで、これらの電極を使用し、厚さが25μmのポリプロピレンン製微孔膜セパレータを介して渦巻状に巻回し、直径12mm、高さ48mmの電池ケースに収納した。次いで、電解液として、エチレンカーボネート/ジエチルカーボネートを体積比で1:1で混合した溶媒に、1mol/LのLiPF6を溶解させたものを前記電池ケースへ注液した。そして、電池ケースを封口して、リチウムイオン電池を作製した。
【0054】
(容量維持率の測定)
作製したリチウムイオン電池を、定電流−定電圧(400mA、3時間)で充電し、放電終止電圧3.0Vで定電流放電を行った。40mA放電時の容量を求め電池容量とし、電池容量に対する400mA放電時の容量維持率を求めた。この結果は表1に示す通りであった。
【0055】
【表1】
【0056】
表1から明らかなように、本発明の集電材(実施例1、2)を使用したリチウムイオン電池は、高い容量維持率を示し、高率放電性能に優れるものであった。このことから、本発明の集電材は集電性に優れていることが推測できた。
【0057】
【発明の効果】
本発明の集電材は、積層構造であることによって、孔径が小さく、かつ孔の大きさが均一であることができるため、活物質と集電材との接触が十分で、集電性の優れる集電材である。
【0058】
本発明の電池は集電性に優れ、容量維持率の高い高率放電性能に優れた電池である。
Claims (6)
- 繊維配向が相違する湿式繊維ウエブを2枚以上積層して製造した積層湿式不織布を基材とし、前記積層湿式不織布構成繊維の表面が銅で被覆されていることを特徴とする電池用集電材。
- 前記積層湿式不織布は実質的に融着のみによって形態を維持していることを特徴とする請求項1記載の電池用集電材。
- 前記電池用集電材の空隙率が50〜90%であることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の電池用集電材。
- 前記電池用集電材の平均孔径が5〜80μmであることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電池用集電材。
- 前記積層湿式不織布を構成する繊維の繊維径が1〜50μmであることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電池用集電材。
- 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電池用集電材を用いた負極を備えていることを特徴とする電池。
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