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JP4421125B2 - 樹脂組成物、ソルダーレジスト樹脂組成物及びこれらの硬化物 - Google Patents

樹脂組成物、ソルダーレジスト樹脂組成物及びこれらの硬化物 Download PDF

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JP4421125B2
JP4421125B2 JP2001047727A JP2001047727A JP4421125B2 JP 4421125 B2 JP4421125 B2 JP 4421125B2 JP 2001047727 A JP2001047727 A JP 2001047727A JP 2001047727 A JP2001047727 A JP 2001047727A JP 4421125 B2 JP4421125 B2 JP 4421125B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂組成物及びその硬化物に関し、特にリジッド及びフレキシブルプリント基板、あるいはボールグリッドアレイ(以下BGA)、チップサイズパッケージング(以下CSPという)、テープキャリアパッケージ(以下TCPという)等の半導体パッケージの製造に使用されるソルダーレジスト、あるいは層間絶縁膜として有用なアルカリ水溶液又は有機溶剤で現像可能な樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ソルダーレジストは、プリント基板製造において使用されているが、近年BGAやCSPとよばれる新しいパッケージにおいても使用されるようになっている。このレジストは、メッキまたはソルダリング工程において、ニッケル、金、はんだ等が不必要な部分に付着するのを防ぐ保護膜として必要不可欠な材料である。
従来、熱硬化性インキ又は光硬化性インキを用い、スクリーン印刷することによりソルダーレジストを形成する方法が広く用いられてきた。しかしこの方法を用いた場合、印刷時のブリード、滲み、ダレ等の現象により、得られるレジストパターンの精度が減少し、最近のプリント基板の微細化、高密度化、高機能化に対応できなくなってきている。このような回路配線の高密度化に伴い、写真法にてパターンを形成するフォトソルダーレジストが盛んに用いられるようになってきている。この中でも、アルカリ水溶液で現像可能な材料が作業環境面、地球環境面から特に主流になってきており例えば、特開昭64−62375号公報、特開平3−253093号公報、特公平1−54390号公報には、フェノール性又はO−クレゾール性ノボラック型エポキシ樹脂と不飽和−塩基酸を反応させ、更に飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られた樹脂を用いたレジスト組成物が開示されている。
特開平3−289656号公報にはグリシジル(メタ)アクリレート等を構成成分として共重合し、前述の樹脂と同様にエポキシ基を変性した樹脂を用いた組成物が、また特開平2−97513号公報にはフェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応物を、多塩基性カルボン酸又はその無水物と反応させてなるエチレン性不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂を用いた組成物が開示されている。
【0003】
最近では、電気・電子部品製造用途やプリント基板製造用途等、広い工業分野で使用され、ますますその応用範囲が広がりつつあることは良く知られている。この応用分野の拡大に伴ってレジスト組成物にますます高い機能と新しい機能の付加が要求されるようになり、電気・電子部品製造用途やプリント基板製造用途を中心に種々のレジスト組成物の開発が積極的に進められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高性能・高機能を有する樹脂組成物、とりわけ剛直性及び耐熱性とフレキシブル性を併せ持つ樹脂組成物並びにその硬化物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前述の課題を解決するため鋭意研究の結果、希アルカリ水溶液又は有機溶剤での現像が可能であり、硬化収縮が小さく、その硬化皮膜も密着性、耐薬品性、耐熱性等に優れたプリント配線基板用レジスト組成物を見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、
(1)不飽和基含有樹脂及び/又は不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)、希釈剤(B)及び分子中に2個のエポキシ基を有しかつ液晶性を示すエポキシ化合物(C)を含有することを特徴とする樹脂組成物、
(2)不飽和基含有樹脂及び/又は不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)が1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(a)とエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸(b)と任意成分として二塩基酸無水物(c)との反応物である(1)に記載の樹脂組成物、
(3)1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(a)が式(1)
【0006】
【化4】
Figure 0004421125
(式(1)中、Xは−CH−又は−C(CH−であり、nは1以上の整数であり、Mは水素原子又は下記(G)を示す。
【化5】
Figure 0004421125
【0007】
但し、nが1の場合Mは式(G)を示し、nが1より大きい場合、Mの少なくとも1個は式(G)を示し残りは水素原子を示す。)で表されるエポキシ樹脂(a)である(1)または(2)に記載の樹脂組成物、
(4)分子中に2個のエポキシ基を有しかつ液晶性を示すエポキシ化合物(C)が、式(2)
【0008】
【化6】
Figure 0004421125
【0009】
(式(2)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す)で表されるエポキシ化合物である(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の樹脂組成物、
(5)光重合開始剤(D)を含有する(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の樹脂組成物、
(6)プリント配線板のソルダーレジスト用または層間絶縁層用である(1)ないし(5)のいずれか1項に記載の樹脂組成物、
(7)(1)ないし(6)のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物、
(8)(7)に記載の硬化物の層を有する物品、
(9)プリント配線板である(8)に記載の物品、
に関する。
【0010】
本発明に用いられる不飽和基含有樹脂及び/又は不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)の具体例としては、例えば、1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(a)とエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸(b)の反応物(I)、反応物(I)と二塩基酸無水物(c)の反応物(II)、1分子中に2つのエポキシ基を有するエポキシ樹脂(a−1)とエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸(b)の反応物(I−▲1▼)と分子中に2個の無水物基を有する多塩基酸無水物(c−1)の反応物(III)等を挙げることができる。
【0011】
1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(a)の具体例としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSおよびテトラブロムビスフェノールAなどのビスフェノール類とエピクロルヒドリンおよび/またはメチルエピクロルヒドリンとを反応させて得られるものや、ビスフェノールAやビスフェノールFのジグリシジルエーテルと前記ビスフェノール類の縮合物とエピクロルヒドリンおよび/またはメチルエピクロルヒドリンとを反応させ得られるもの等。市販品としては、エピコートシリーズ(エピコート1009、1031:油化シェルエポキシ(株)製)、エピクロンシリーズ(エピクロンN−3050、N−7050:大日本インキ化学工業(株)製)、DERシリーズ(DER−642U、DER−673MF;ダウケミカル(株)製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、YDFシリーズ(YDF−2004、2007:東都化成(株)製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂等)等である1分子中に2ヶのエポキシ基を有するエポキシ樹脂(a−1)、ノボラック型エポキシ樹脂(例えば、フェノール、クレゾール、ハロゲン化フェノールおよびアルキルフェノールなどのフェノール類とホルムアルデヒドとを酸性触媒下で反応して得られるノボラック類とエピクロルヒドリンおよび/またはメチルエピクロルヒドリンとを反応させて得られるもの等。市販品としては、日本化薬(株)製、EOCN−102S、103S,104S、EOCN−1020、EPPN−201、BREN−S;ダウ・ケミカル社製、DEN−431、DEN−439;大日本インキ化学工業(株)製、N−730、N−770、N−865、N−665、N−673、VH−4150等。)、ノボラック型エポキシ樹脂とジメチロールプロピオン酸との反応物、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(例えば、トリスフェノールメタン、トリスクレゾールメタン等とエピクロルヒドリンおよび/またはメチルエピクロルヒドリンとを反応させて得られるもの等。市販品としては、日本化薬(株)製、EPPN−501、EPPN−502H等。)、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、その他、三井石油化学工業(株)製、エポミックVG−3101;油化シェルエポキシ(株)製、E−1031S;日本曹達(株)製、EPB−13、EPB−27等の脂環式、共重合型エポキシ樹脂(例えば、グリシジルメタクリレートとスチレンの共重合体、グリシジルメタクリレートとスチレンとメチルメタクリレートの共重合体である日本油脂(株)製、CP−50M、CP−50S、あるいは、グリシジルメタクリレートとシクロヘキシルマレイミドなどとの共重合体等)、一般式(1)で示されるエポキシ樹脂(一般式(1)において、Mが水素原子である原料エポキシ化合物のアルコール性水酸基とエピクロルヒドリン等のエピハロヒドリンを反応させることにより得られることができる。原料エポキシ化合物は市販されており、例えばエピコートシリーズ(エピコート1002、1004、1009、1031;油化シェルエポキシ(株)製)、エピクロンシリーズ(エピクロンN−3050、N−7050:大日本インキ化学工業(株)製、DERシリーズ(DER−642U、DER−673MF:ダウケミカル(株)製等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、YDFシリーズ(YDF−2004、2007:東都化成(株))等のビスフェノールF型エポキシ樹脂等が挙げられる。)等を挙げることができる。特に好ましくは、例えば一般式(1)で表されるエポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0012】
前記、エチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸(b)の具体例としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸の2量体、メタクリル酸、β−スチリルアクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、クロトン酸、α−シアノ桂皮酸、桂皮酸および飽和又は不飽和二塩基酸無水物と1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート類、あるいは飽和または不飽和二塩基酸と不飽和基含有モノグリシジル化合物との反応物である半エステル類、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の飽和および不飽和二塩基酸無水物とヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート等の1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート類を等モルで反応させて得られた半エステルあるいは、飽和または不飽和二塩基酸(例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、イタコン酸、フマル酸等。)と不飽和基含有モノグリシジル化合物(例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、
【0013】
【化7】
Figure 0004421125
【0014】
【化8】
Figure 0004421125
【0015】
等。)を等モル比で反応させて得られる半エステル等などを単独または混合して用いることができる。特に好ましくは、アクリル酸等である。
【0016】
反応物(I)は、前記、エポキシ樹脂(a)とエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸(b)を反応させることにより得ることができる。(a)成分のエポキシ基の1当量に対して(b)成分を0.8〜1.3モルとなる比で反応させる。特に好ましくは約0.9〜1.1モルとなる比で反応させる。
【0017】
反応時に、希釈剤として、エチルメチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテルなどのグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチロセルソルブアセテート、カルビトールアセテートなどのエステル類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤等の有機溶剤類又は、カルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサ(メタ)アクリレート、等の反応性単量体類を使用するのが好ましい。更に、反応を促進させるために触媒(例えば、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルフォスフィン、トリフェニルスチビン、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム等)を使用することが好ましく、該触媒の使用量は、反応原料混合物に対して好ましくは0.1〜10重量%である。反応中の重合を防止するために、重合防止剤(例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール等)を使用するのが好ましく、その使用量は、反応原料混合物に対して、好ましくは0.01〜1重量%である。反応温度は、好ましくは60〜150℃である。又、反応時間は好ましくは5〜60時間である。このようにして反応物を得ることができる。
【0018】
反応物(II)は、前記、反応物(I)と二塩基酸無水物(c)を反応させることにより得ることができる。二塩基酸無水物(c)の具体例としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、等を挙げることができる。特に好ましくは、例えば、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸等を挙げることができる。
【0019】
反応物(I)の水酸基1当量あたり、前記、二塩基酸無水物(c)の無水物基0.1〜0.9当量反応させるのが好ましく、反応温度は60〜150℃が好ましく、反応時間は、1〜10時間が好ましい。
【0020】
反応物(II)の好ましい酸価(mgKOH/g)は、50〜300であり、特に好ましくは、70〜100である。
【0021】
反応物(III)は、前記、エポキシ樹脂(a−1)とエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸(b)の反応物(I−▲1▼)と分子中に2個の無水物基を有する多塩基酸無水物(c−1)を反応させることにより得ることができる。
【0022】
多塩基酸無水物(c−1)の具体例としては、例えば、一般式(3)
【0023】
【化9】
Figure 0004421125
【0024】
(式(3)中、Rは炭素原子数が2〜30の4価の有機性基を示す。)で表されるテトラカルボン酸二無水物又はその誘導体を挙げることができる。
【0025】
前記一般式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物としては特に制限は無く、例えばピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4、4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、m−ターフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス〔4’−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔4’−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸、1,2,7,8−フェナンスレンテトラカルボン酸、4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルメタンエチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)等の芳香族テトラカルボン酸の二無水物、下記一般式(4)
【0026】
【化10】
Figure 0004421125
【0027】
(式中、R及びR6は一価の炭化水素基、好ましくは炭素数1〜10の炭化水素基、より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基(フェニル基、トリル基、ナフチル基)を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよく、lは1以上の整数である)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物、シクロブテンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペソレンテトラカルボン酸等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物などが挙げられ、これらは単独又は2種以上の組み合わせで使用される。
【0028】
多塩基酸無水物(c−1)の無水物基1当量に対して反応物(I−▲1▼)の水酸基1.1〜2.0当量を反応させるのが好ましい。反応温度は、60〜150℃が好ましく、反応時間は、1〜10時間である。特に好ましい(A)成分としては、前記、反応物(I)や反応物(II)等を挙げることができる。
【0029】
本発明に用いる希釈剤(B)の具体例としては、例えば、有機溶剤および/または光重合性モノマーが使用できる。有機溶剤の代表的なものとしては、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエステル類、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等を挙げることができる。
【0030】
一方、光重合性モノマーの代表的なものとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート類、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート類、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の多価アルコール又は、これらのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物の多価(メタ)アクリレート類、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのポリエトキシジ(メタ)アクリレート等のフェノール類のエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート類、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート類、及びメラミン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0031】
前記の希釈剤(B)は、単独または2種以上の混合物として用いられる。
【0032】
本発明では、分子中に2個のエポキシ基を有しかつ液晶性を示すエポキシ化合物(C)を使用する。分子中に2個のエポキシ基を有しかつ液晶性を示すエポキシ化合物(C)は、全て用いることができるが、前記式(2)の化合物が特に好ましい。前記式(2)の化合物を得る方法としては、例えば、Macromol.Chem.Phys.195,279〜287(1994)に記載されているように、P−ヒドロキシベンズアルデヒド誘導体、P−ヒドロキシアセトフェノン誘導体及びヒドラジンを反応させ得られた多価フェノール化合物をエピハロヒドリン類と反応させるグリシジル化反応により得ることができる。得られた化合物は、結晶構造が崩れることに起因する吸熱ピークとその後の液晶状態で維持されていた配列が乱れ等方状態転移することにより起因する吸熱ピークの2つが観察され、液晶性を有する化合物に特有の性質を示す。(C)成分は、使用にさいして、3〜10μmに粉するのが好ましい。
【0033】
本発明では、光重合開始剤(D)を使用しても良い。光重合開始剤(D)としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルメチルケタール等のケタール類、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等があり、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。さらに、係る光重合開始剤(D)は、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、等の三級アミン類の様な光増感剤を単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0034】
好ましい組合せは、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティーケミカルス(株)製、イルガキュアー907)と2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬(株)製、カヤキュアーDETX−S)や2−イソプロピルチオキサントン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイドとの組合せ等である。
【0035】
本発明の樹脂組成物を構成する(A)、(B)、(C)及び(D)成分の使用割合は、(A)+(B)+(C)+(D)の総量を100重量部とした場合、(A)成分は、組成物中、10〜80重量%が好ましく、特に15〜60重量%が好ましい。(B)成分は、5〜80重量%が好ましく、特に10〜70重量%が好ましい。(C)成分は、1〜50重量%が好ましく、特に10〜70重量%が好ましい。(D)成分は、0〜20重量%が好ましく、特に1〜10重量%が好ましい。
【0036】
本発明の組成物は、更に、密着性、硬度などの特性を向上する目的で必要に応じて、(C)成分以外のエポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、無機充填剤、着色剤、重合禁止剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤等を用いることができる。
【0037】
(C)成分以外のエポキシ樹脂の具体例としては、例えば、油化シェルエポキシ(株)製、エピコート1002、1004、1009、1031、大日本インキ化学工業(株)製、エピクロンN−3050、N−1050、ダウケミカル社製、DER−642U、DER−673MF等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、東都化成(株)製、ST−2004、ST−2007等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、東都化成(株)製、YDF−2004、YDF−2007等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、坂本薬品工業(株)製、SR−BBS、SR−TBA−400、東都化成(株)製、YDB−600、YDB−715等の臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、日本化薬(株)製、EPPN−201、EOCN−103、EOCN−1020、BREN等のノボラック型エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ(株)製、YL−931、YL−933等のアミノ基含有エポキシ樹脂、大日本インキ化学工業(株)製、エピクロンTSR−601等のゴム変性エポキシ樹脂、大日本インキ化学工業(株)製、エピクロンEXA−1514等のビスフェノールS型エポキシ樹脂、日本油脂(株)製、ブレンマーDGT等のジグリシジルテレフタレート、日産化学(株)製、TEPIC等のトリグリシジルイソシアヌレート、油化シェルエポキシ(株)製、YX−4000等のビキシレノール型エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ(株)製、YL−6056等のビフェノール型エポキシ樹脂、ダイセル化学工業(株)製、セロキサイド2021等の脂環式エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0038】
エポキシ樹脂硬化剤の具体例としては、例えば、四国化成工業(株)製、2MZ、2E4MZ、C11Z、C17Z、2PZ、1B2MZ、2MZ−CN、2E4MZ−CN、C11Z−CN、2PZ−CN、2PHZ−CN、2MZ−CNS、2E4MZ−CNS、2PZ−CNS、2MZ−AZINE、2E4MZ−AZINE、C11Z−AZINE、2MA−OK、2P4MHZ、2PHZ、2P4BHZ等のイミダゾール誘導体:アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類:ジアナミンジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、m−キシレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジシアンジアミド、尿素、尿素誘導体、メラミン、多塩基ヒドラジド等のポリアミン類:これらの有機酸塩および/またはエポキシアダクト:三フッ化ホウ素のアミン錯体:エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン等のトリアジン誘導体類:トリメチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N−ベンジルジメチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、ヘキサ(N−メチル)メラミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノール)、テトラメチルグアニジン、m−アミノフェノール等の三級アミン類:ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノール臭素化物、フェノール・ノボラック、アルキルフェノール・ノボラック等のポリフェノール類:トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス−2−シアノエチルホスフィン等の有機ホスフィン類:トリ−n−ブチル(2,5−ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩類:ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類:前記多塩基酸無水物:ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムテトラキスパーフルオロフェニルボレート、旭電化(株)製、オプトマーSP−170等の光カチオン重合触媒等を挙げることができる。
【0039】
無機充填剤の具体例としては、例えば、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉状酸化ケイ素、無定形シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、雲母粉等を挙げることができる。
【0040】
着色剤の具体例としては、例えば、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等を挙げることができる。
【0041】
重合禁止剤の具体例としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジン等を挙げることができる。
【0042】
増粘剤や消泡剤としては、一般的なものを用いることができる。また、レベリング剤の具体例としては、例えば、シリコーン系、フッ素系、高分子系等を挙げることができる。
【0043】
増感剤の具体例としては、例えば、オルベン、ベントン、モンモリロナイト等を挙げることができる。
【0044】
密着性付与剤の具体例としては、例えば、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等を挙げることができる。
【0045】
本発明の樹脂組成物は、(A)、(B)、(C)成分、また必要に応じて(D)成分及び前述した充填剤もしくは添加剤等を、好ましくは前記の割合で配合し、ロールミル等で均一に混合、溶解、分散等することにより得ることができる。また、主に粘度調整のため、所望により溶剤を併用しても良い。この溶剤は配合成分製造時の溶剤でも良い。溶剤としては、例えばアセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテルなどのグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、グルタル酸ジアルキル、コハク酸ジアルキル、アジピン酸ジアルキルなどのエステル類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤、γ−ブチロラクトン等の有機溶剤類が挙げられる。
【0046】
本発明の光硬化型樹脂組成物は、プリント基板用の液状レジストインキとして有用である他、ポリエチレンテレフタレートのような支持フィルム上に上記の塗布方法を用いて本発明の組成物を塗布、乾燥させ塗膜を得、ポリエチレンフィルムのような保護フィルムを施したドライフィルムレジスト、塗料、コーティング剤、接着剤等としても使用できる。
【0047】
本発明の硬化物は、可視光線、紫外線、X線、電子線等のエネルギー線照射により上記の本発明の樹脂組成物を硬化させたものである。可視光線、紫外線、X線、電子線等のエネルギー線照射による硬化は常法により行うことができる。例えば紫外線を照射する場合、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、紫外線発光レーザー(例えばエキシマーレーザー)等の紫外線発生機を用いればよい。本発明の樹脂組成物の硬化物は、柔軟性を有しており、例えば永久レジストとしてスルホールを有するプリント基板のような電気・電子部品に利用される。
【0048】
本発明の基材は、上記の樹脂組成物の硬化物層を有する。この硬化物層の膜厚は5〜160μm程度で、10〜100μm程度が好ましい。本発明の基材は、例えば次のようにして得ることができる。液状の樹脂組成物を使用する場合、プリント基板のような基材に、直接スクリーン印刷法、スプレー法、ロールコート法、静電塗装法、カーテンコート法等の方法により5〜160μmの膜厚で本発明の組成物を塗布し、60〜110℃で乾燥させ、塗膜を得る。その後、ネガフィルムを通して可視光線、紫外線、X線、電子線等のエネルギー線を照射し、必要に応じて露光後ベークを行った後、未露光部分を後述する希アルカリ水溶液を用いて、例えばスプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッビング等により除去後、必要に応じてエネルギー線を照射し、次いで100〜200℃で加熱処理をすることにより諸特性を満足する永久保護膜を有するプリント基板が得られる。
【0049】
現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウムのような無機塩の水溶液や、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノメタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンのような有機アミン水溶液、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイドのようなアンモニウムハイドロオキサイド等が挙げられる。又は、希釈剤(B)で例として挙げた有機溶剤等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。また、その温度は、15〜45℃の間で任意に調節することができる。この現像液中に界面活性剤、消泡剤などを少量混入させてもよい。
【0050】
【実施例】
以下、本発明の実施例により更に具体的に説明する。なお、合成例及び実施例中の部は、重量部である。
【0051】
合成例1
(液晶性を示すエポキシ化合物(C)の合成例)
P−ヒドロキシベンズアルデヒド305g、ヒドラジンヒドラート(純度80%)81g、エタノール800g、ジメチルスルホキシド500g、酢酸8gを仕込み、攪拌しながら70℃まで昇温させ、原料を溶解させた後、75℃の温度で4時間反応させた。冷却後、析出物をロ過しエタノールで洗浄後、乾燥させた。得られた化合物240gにエピクロルヒドリン1110g、ジメチルスルホキシド278gを加えて溶解後、45℃に加熱しこの溶液にフレーク状水酸化ナトリウム(純度99%)85gを、90分かけて徐々に添加した。その後45℃で2時間、70℃で3時間反応させ冷却させた。析出した結晶及び無機塩をロ過し、水洗後、得られた結晶を真空乾燥させた。熱示差分析の結果、162℃及び179℃の2つにおいて吸熱ピークが現れ、液晶性を示した。またエポキシ当量は177g/当量であった。
【0052】
合成例2
(不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)の合成例)
前記、一般式(1)においてXが−CH−、Mが水素原子、平均の重合度がnが6.2であるビスフェノールF型エポキシ化合物(エポキシ当量950g/eq、軟化点85℃)380gとエピクロルヒドリン925gをジメチルスルホキシド462.5gに溶解させた後、撹拌下で70℃で98.5%NaOH60.9g(1.5モル)を100分かけて添加した。添加後さらに70℃で3時間反応を行った。反応終了後、水250gを加え水洗を行った。油水分離後、油層よりジメチルスルホキシドの大半及び過剰の未反応エピクロルヒドリンを減圧下に蒸留回収し、次いでジメチルスルホキシドを留去し、副生塩を含む反応生成物をメチルイソブチルケトン750gに溶融させ、更に30%NaOH10部を加え、70℃で1時間反応させた。反応終了後、水200gで2回水洗を行った。油水分離後、油層よりメチルイソブチルケトンを蒸留回収して、エポキシ当量310g/eq、軟化点69℃のエポキシ樹脂(a)を得た。得られたエポキシ樹脂(a)は、エポキシ当量から計算すると、前記出発物質ビスフェノールF型エポキシ化合物におけるアルコール性水酸基6.2個のうち約5個がエポキシ化されたものであった。このエポキシ樹脂(a)310g及びカルビトールアセテート206.7gを仕込み、90℃に加熱撹拌し、溶解した。得られた溶液を60℃まで冷却し、アクリル酸70.6g、メチルハイドロキノン0.8g、トリフェニルホスフィン2.5gを加え、80℃で加温溶解し、98℃で35時間反応させ、酸価が0.5mgKOH/g、固形分が65%であるエポキシアクリレートを得た。次いで、このエポキシアクリレート590.6g、テトラヒドロ無水フタル酸133g、カルビトールアセテート54gを仕込み、90℃で6時間反応し、固形分酸価が95mgKOH/g、固形分が65%である不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A−1)
【0053】
実施例1、2(樹脂組成物)
表1に示す配合組成(数値は重量部である)に従って各成分を配合し、3本ロールミルで混練し、本発明の樹脂組成物を調製した。これをスクリーン印刷法により、100メッシュのスクリーンを用いて20μmの厚さになるようにパターン形成されている銅張ガラスエポキシ基板(厚さ約0.8mm)に全面塗布し、塗膜を80℃の熱風乾燥器で30分乾燥させた。次いで、レジストパターンを有するネガフィルムを塗膜に密着させ紫外線露光装置((株)オーク製作所、型式HMW−680GW)を用いて、紫外線を照射した(露光量500mJ/cm)。次に1%の炭酸ナトリウム水溶液で60秒間、2.0kg/cmのスプレー圧で現像し、未露光部分を溶解除去した。得られたものについて、後述のとおり現像性、解像性、光感度、表面光沢の評価を行った。その後、150℃の熱風乾燥器で60分加熱硬化を行ない、得られた硬化膜を有する試験片について、後述のとおり基板そり、密着性、鉛筆硬度、耐溶剤性、耐酸性、耐熱性、耐金メッキ性、耐PCT性、耐熱衝撃性の試験を行なった。それらの結果を表2に示す。なお、試験方法及び評価方法は次のとおりである。
【0054】
(現像性)下記の評価基準を使用した。
○・・・・現像時、完全にインキが除去され、現像できた。
×・・・・現像時、現像されない部分がある。
【0055】
(解像性)乾燥後の塗膜に、50μmのネガパターンを密着させ積算光量200mJ/cmの紫外線を照射露光する。次に1%の炭酸ナトリウム水溶液で60秒間、2.0kg/cmのスプレー圧で現像し、転写パターンを顕微鏡にて観察する。下記の基準を使用した。
○・・・・パターンエッジが直線で、解像されている。
×・・・・剥離もしくはパターンエッジがぎざぎざである。
【0056】
(光感度)乾燥後の塗膜に、ステップタブレット21段(コダック社製)を密着させ積算光量500mJ/cmの紫外線を照射露光する。次に1%の炭酸ナトリウム水溶液で60秒間、2.0kg/cmのスプレー圧で現像し、現像されずに残った塗膜の段数を確認する。
【0057】
(表面光沢)乾燥後の塗膜に、500mJ/cmの紫外線を照射露光する。次に1%の炭酸ナトリウム水溶液で60秒間、2.0kg/cmのスプレー圧で現像し、乾燥後の硬化膜を観察する。下記の基準を使用した。
○・・・・曇りが全く見られない
×・・・・若干の曇りが見られる
【0058】
(基板そり)下記の基準を使用した。
○・・・・基板にそりは見られない
×・・・・基板のそりが見られる
【0059】
(密着性)JIS K5400に準じて、試験片に1mmのごばん目を100個作りセロテープによりピーリング試験を行った。ごばん目の剥離状態を観察し、次の基準で評価した。
○・・・・剥れのないもの
×・・・・剥離するもの
【0060】
(鉛筆硬度)JIS K5400に準じて評価を行った。
【0061】
(耐溶剤性)試験片をイソプロピルアルコールに室温で30分間浸漬する。外観に異常がないか確認した後、セロテープによるピーリング試験を行い、次の基準で評価した。
○・・・・塗膜外観に異常がなく、フクレや剥離のないもの
×・・・・塗膜にフクレや剥離のあるもの
【0062】
(耐酸性)試験片を10%塩酸水溶液に室温で30分浸漬する。外観に異常がないか確認した後、セロテープによるピーリング試験を行い、次の基準で評価した。
○・・・・塗膜外観に異常がなく、フクレや剥離のないもの
×・・・・塗膜にフクレや剥離があるもの
【0063】
(耐熱性)試験片にロジン系プラックスを塗布し260℃の半田槽に5秒間浸漬した。これを1サイクルとし、3サイクル繰り返した。室温まで放冷した後、セロテープによるピーリング試験を行い、次の基準で評価した。
○・・・・塗膜外観に異常がなく、フクレや剥離のないもの
×・・・・塗膜にフクレや剥離のあるもの
【0064】
(耐金メッキ性)試験基板を、30℃の酸性脱脂液(日本マクダーミット製、Metex L−5Bの20vol%水溶液)に3分間浸漬した後、水洗し、次いで、14.4wt%過硫酸アンモン水溶液に室温で3分間浸漬した後、水洗し、更に10vol%硫酸水溶液に室温で試験基板を1分間浸漬した後水洗した。次に、この基板を30℃の触媒液(メルテックス製、メタルプレートアクチベーター350の10vol%水溶液)に7分間浸漬し、水洗し、85℃のニッケルメッキ液(メルテックス製、メルプレートNi−865Mの20vol%水溶液、pH4.6)に20分間浸漬し、ニッケルメッキを行った後、10vol%硫酸水溶液に室温で1分間浸漬し、水洗した。次いで、試験基板を95℃の金メッキ液(メルテックス製、オウロレクトロレスUP15vol%とシアン化金カリウム3vol%の水溶液、pH6)に10分間浸漬し、無電解金メッキを行った後、水洗し、更に60℃の温水で3分間浸漬し、水洗し、乾燥した。得られた無電解金メッキ評価基板にセロハン粘着テープを付着し、剥離したときの状態を観察した。
○:全く異常が無いもの。
×:若干剥がれが観られたもの。
【0065】
(耐PCT性)試験基板を121℃、2気圧の水中で96時間放置後、外観に異常がないか確認した後、セロテープによるピーリング試験を行い、次の基準で評価した。
○・・・・塗膜外観に異常がなく、フクレや剥離のないもの
×・・・・塗膜にフクレや剥離があるもの
【0066】
(耐熱衝撃性)試験片を、−55℃/30分、125℃/30分を1サイクルとして熱履歴を加え、1000サイクル経過後、試験片を顕微鏡観察し、次の基準で評価した。
○・・・・塗膜にクラックの発生のないもの
×・・・・塗膜にクラックが発生したもの
【0067】
Figure 0004421125
Figure 0004421125
【0068】
注)
*1 カヤラッド DPCA−60:日本化薬(株)製、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールポリアクリレート。
*2 イルガキュアー907:チバ・スペシャリティーケミカルズ製、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン。
*3 カヤキュアーDETX−S:日本化薬(株)製、2,4−ジエチルチオキサントン。
*4 BYK−354:ビックケミー製、レベリング剤。
*5 KS−66:信越化学製、消泡剤。
【0069】
Figure 0004421125
【0070】
これらの評価から明らかなように、本発明の樹脂組成物及びその硬化物は、現像性、感光性、表面硬化性に優れ、その硬化物は、耐熱性、耐溶剤性、耐酸性、耐金メッキ性、耐PCT性、耐熱衝撃性等に優れている。
【0071】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、パターンを形成したフィルムを通して可視光線、紫外線、X線、電子線等のエネルギー線を照射後、未露光部分を現像する際、現像性、感光性、表面硬化性が良好で、得られた硬化物は、耐屈曲性、耐折性、密着性、耐溶剤性、耐酸性、耐熱性等も十分に満足するものであり、特にプリント配線板用液状ソルダーレジストインキ組成物に適している。

Claims (5)

  1. 式(1)
    Figure 0004421125
    (式(1)中、Xは−CH −又は−C(CH −であり、nは1以上の整数であり、Mは水素原子又は下記(G)を示す。
    Figure 0004421125
    但し、nが1の場合Mは式(G)を示し、nが1より大きい場合、Mの少なくとも1個は式(G)を示し残りは水素原子を示す。)で表されるエポキシ樹脂(a)とエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸(b)と任意成分として二塩基酸無水物(c)との反応物である不飽和基含有樹脂及び/又は不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)、希釈剤(B)分子中に2個のエポキシ基を有しかつ液晶性を示すエポキシ化合物(C)としての式(2)
    Figure 0004421125
    (式中、Rは水素原子を示す)で表されるエポキシ化合物及び光重合開始剤(D)を含有する樹脂組成物であって、該樹脂組成物を構成する(A)、(B)、(C)及び(D)成分の使用割合が、(A)+(B)+(C)+(D)の総量を100重量部とした場合、(A)成分が10〜80重量%、(B)成分が5〜80重量%、(C)成分が1〜50重量%、(D)成分が0〜20重量%であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. プリント配線板のソルダーレジスト用または層間絶縁層用である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の樹脂組成物の硬化物。
  4. 請求項に記載の硬化物の層を有する物品。
  5. プリント配線板である請求項に記載の物品。
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