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JP2005139298A - 異方性エポキシ樹脂硬化物及びその製造方法 - Google Patents

異方性エポキシ樹脂硬化物及びその製造方法 Download PDF

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JP2005139298A
JP2005139298A JP2003377110A JP2003377110A JP2005139298A JP 2005139298 A JP2005139298 A JP 2005139298A JP 2003377110 A JP2003377110 A JP 2003377110A JP 2003377110 A JP2003377110 A JP 2003377110A JP 2005139298 A JP2005139298 A JP 2005139298A
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mesogenic
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JP2003377110A
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Masayuki Hida
雅之 飛田
Toru Kimura
木村  亨
Naoyuki Shimoyama
直之 下山
Tsukasa Ishigaki
司 石垣
Hisashi Aoki
恒 青木
Naoyuki Koide
直之 小出
Takashi Mihara
隆志 三原
Naohisa Tokushige
直久 徳重
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Polymatech Co Ltd
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Polymatech Co Ltd
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Abstract

【課題】 一定方向において高い熱伝導率と低い熱膨張係数とを有するエポキシ樹脂硬化物を提供する。
【解決手段】 本発明の異方性エポキシ樹脂硬化物は、分子鎖内にメソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂と、光重合開始剤とを含むエポキシ樹脂組成物から形成される。異方性エポキシ樹脂硬化物中において、メソゲン基は一定の方向に配向されている。異方性エポキシ樹脂硬化物は、メソゲン基が配向されている方向において、0.4〜30W/(m・K)の熱伝導率と、−10×10-6〜50×10-6[/K]の熱膨張係数とを有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電子部品等から発生する熱を伝導し、かつ熱応力による不具合を低減した、熱伝導性の異方性エポキシ樹脂硬化物及びその製造方法に関する。
近年、電子機器においては高性能化、小型化、軽量化等に伴って半導体パッケージの高密度実装化、LSIの高集積化及び高速化等が行われている。これらに伴って、各種の電子部品において発生する熱が増大するため、電子部品から熱を効果的に外部へ放散させる放熱対策が非常に重要な課題になっている。このような放熱対策として、プリント配線基板、半導体パッケージ、筐体、ヒートパイプ、放熱板、熱拡散板等の放熱部材には、金属、セラミックス、高分子鎖組成物等の放熱材料からなる熱伝導性成形体が適用されている。
これらの放熱部材の中でも、エポキシ樹脂からなる熱伝導性エポキシ樹脂硬化物は、電気絶縁性、機械的性質、耐熱性、耐薬品性、接着性、低密度等に優れているため、注型品、積層板、封止材、接着剤等として電気電子分野を中心に幅広く使用されている。
熱伝導性エポキシ樹脂硬化物を構成するエポキシ樹脂組成物には、エポキシ樹脂中に熱伝導率の高い熱伝導性充填剤を配合したものが知られている。
さらに高い熱伝導性が要求される場合には、エポキシ樹脂に特殊な熱伝導性充填剤を配合した熱伝導性エポキシ樹脂組成物や熱伝導性エポキシ樹脂成形体が提唱されている。この種の熱伝導性充填剤としては表面改質酸化アルミニウム、球状クリストバライト、特定粒度の無機フィラー等が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)。また、メソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂等を重合することにより、熱伝導性を向上させた絶縁組成物が知られている(例えば、特許文献4参照)。この絶縁組成物は熱伝導性充填剤を配合しなくても0.4W/(m・K)以上の高い熱伝導率が得られることが特徴である。
一方、半導体パッケージやプリント回路基板等の電子部品は、樹脂、金属、セラミックス等の様々な異種材料が接合又は隣接されて一体に構成されている。これらの電子部品等では、周囲の環境温度が変化すると、各材料や材料界面において熱応力が発生する。一般に、電子部品の配線材料に使用される銅等の金属の熱膨張係数は小さく、エポキシ樹脂硬化物の熱膨張係数は大きい。そのため、熱膨張率が異なることにより、エポキシ樹脂で構成される例えばプリント基板のような電子部品において、発生する熱応力によって、亀裂、異素材部材との界面における剥離、配線の断線、ショート等の不具合が生じて問題となっている。
ところが、最近の電子部品はその高性能化に伴って発熱量が増大しているため、上記背景技術に記載されている組成物から得られるエポキシ樹脂硬化物では熱伝導性が不十分となっている。
また、特許文献4に記載の液晶性エポキシ樹脂からなる組成物を硬化して得る硬化物は、エポキシ樹脂組成物を熱硬化して得たものであり、硬化反応の進行速度を制御することが困難である。
さらに、エポキシ樹脂硬化物を形成するエポキシ樹脂組成物を接着剤や封止材として用いるためには、該組成物の熱硬化を達成させるために、素子や基板などの電子部品を加熱
する必要があり、熱により変質や分解が生じる材料や熱応力が大きい材料を使用している電子部品では、不具合が生じる可能性がある。
特公平6−51778号公報(表1) 特開2001−172472号公報(表2) 特開2001−348488号公報(表1) 特開平11−323162号公報(請求項1等)
本発明は、上記のような背景技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、優れた熱伝導性を発揮するとともに、熱応力の不具合を低減した異方性エポキシ樹脂硬化物を提供することにある。
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明の異方性エポキシ樹脂硬化物では、エポキシ樹脂組成物から形成されるエポキシ樹脂硬化物において、前記エポキシ樹脂組成物は、分子鎖内にメソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂と、光重合開始剤とを含み、該硬化物中において、前記メソゲン基が一定の方向に配向されていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明の異方性エポキシ樹脂硬化物では、請求項1に記載の発明において、メソゲン基が配向されている方向における熱伝導率が、0.4〜30W/(m・K)であることを要旨とする。
請求項3に記載の発明の異方性エポキシ樹脂硬化物では、請求項1に記載の発明において、メソゲン基が配向されている方向における熱膨張係数が、−10×10-6〜50×10-6[/K]であることを要旨とする。
請求項4に記載の発明の異方性エポキシ樹脂硬化物では、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、シート形状を有し、その厚さ方向に沿うようにメソゲン基が配向されていることを要旨とする。
請求項5に記載の発明の異方性エポキシ樹脂硬化物の製造方法では、分子鎖内にメソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂および光重合開始剤を含むエポキシ樹脂組成物から形成されるエポキシ樹脂硬化物の製造方法において、硬化物中において前記メソゲン基は一定の方向に配向されており、前記製造方法は、エポキシ樹脂組成物を調製する工程と、エポキシ樹脂組成物中に含まれるエポキシ樹脂のメソゲン基を一定方向に配向させる工程と、メソゲン基を配向させた状態を維持したまま、エポキシ樹脂組成物を光重合させる工程とからなることを要旨とする。
この発明は、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の異方性エポキシ樹脂硬化物によれば、メソゲン基が一定方向に配向されているため、その方向において非常に高い熱伝導率と非常に小さい熱膨張係数とを有することができる。
請求項2に記載の発明の異方性エポキシ樹脂硬化物によれば、その特定方向における熱伝導率が0.4〜30W/(m・K)となるため、より効果的に熱を伝導あるいは放散させることが可能となる。
請求項3に記載の発明の異方性エポキシ樹脂硬化物によれば、その特定方向における熱
膨張係数が、50×10−6/K以下となるため、電子部品の配線材料に使用される銅等の金属の熱膨張係数と該エポキシ樹脂硬化物の熱膨張係数との差が小さくなり、熱応力による問題を低減することが可能となる。
請求項4に記載の発明の異方性エポキシ樹脂硬化物によれば、シート状であってその厚さ方向に優れた熱伝導性や低い熱膨張性が要求される用途に適用することができる。
請求項5に記載の発明の異方性エポキシ樹脂硬化物の製造方法によれば、エポキシ樹脂組成物中のメソゲン基を一定方向に配向させた状態で、エポキシ樹脂組成物を光重合により硬化させるので、比較的低温で硬化させることができる。また、エポキシ樹脂組成物を光重合によって硬化させる際に、光をエポキシ樹脂組成物に対して位置選択的に照射し、その光を照射した部分のみを硬化させることにより、所望の形状の異方性エポキシ樹脂硬化物を得ることができる。
以下、本発明を実施する最良の形態について詳細に説明する。
本発明による異方性エポキシ樹脂硬化物は、分子鎖内にメソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂、及び光重合開始剤を含むエポキシ樹脂組成物からなり、メソゲン基が一定方向に配向されていることを特徴とする。
図1に、本発明の異方性エポキシ樹脂硬化物を異方性エポキシ樹脂シート1として具体化した実施形態を示す。本実施形態においては、エポキシ樹脂シート1は、分子鎖内にメソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂、及び光重合開始剤を含むエポキシ樹脂組成物をシート形状に硬化させることによって得られる。本実施形態においては、液晶性エポキシ樹脂の分子鎖内に含まれるメソゲン基は、その長軸方向がエポキシ樹脂シート1の厚さ方向(図1のZ軸方向)に沿うように配向されている。それにより、エポキシ樹脂シート1は、その厚さ方向において優れた熱伝導性を発揮するとともに、厚さ方向の熱膨張が低減されたものとなる。
次に、エポキシ樹脂組成物について説明する。本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、トリフェノールアルカン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、これらのハロゲン化物、これらの水素添加物等が挙げられる。さらに、前記エポキシ樹脂の少なくとも一部は、分子鎖内にメソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂であることが必須である。エポキシ樹脂組成物中においてメソゲン基を一定の方向に配向させることにより、得られる異方性エポキシ樹脂硬化物の前記方向における熱伝導性を向上し、かつ熱膨張係数を低減することができる。一般に、高分子材料のような絶縁体における熱伝導はフォノンの散乱により起こり、このフォノンは分子鎖方向に沿って散乱し易いと考えらている。上述したように、エポキシ樹脂中のメソゲン基の長軸が一定方向に沿うように配向されることにより、エポキシ樹脂全体の分子鎖も一定方向に配向され、その結果、その方向における熱伝導性が向上するものと考えられる。また、メソゲン基は剛直で直線性が高い。エポキシ樹脂硬化物中において、このような剛直なメソゲン基が一定方向に整列されることにより、該硬化物は、その方向において伸び難くなり、熱膨張が抑えられるものと考えられる。
メソゲン基とは液晶性を示す官能基を指し、具体的には、ビフェニル、シアノビフェニル、ターフェニル、シアノターフェニル、フェニルベンゾエート、アゾベンゼン、アゾメチン、アゾキシベンゼン、スチルベン、フェニルシクロヘキシル、ビフェニルシクロヘキシル、フェノキシフェニル、ベンジリデンアニリン、ベンジルベンゾエート、フェニルピリミジン、フェニルジオキサン、ベンゾイルアニリン、トラン及びこれらの誘導体が挙げられる。本発明に用いられる液晶性エポキシ樹脂は、1分子鎖内に、少なくとも1つのメ
ソゲン基を有していればよく、2つ以上のメソゲン基を有していてもよい。また、複数のメソゲン基の連結部分および末端部分は、屈曲鎖(スペーサー)と呼ばれる柔軟構造部によって構成される。この柔軟構造部としては、脂肪族炭化水素基、脂肪族エーテル基、脂肪族エステル基、シロキサン結合等が挙げられる。
このような液晶性エポキシ樹脂は、ある温度範囲において、メソゲン基が規則的に配列する液晶状態となる性質を有している。この液晶性は、直交偏光子を利用した偏光検査法によって確認することができ、液晶状態にある液晶性エポキシ樹脂は、固有の強い複屈折性を発現する。液晶状態の種類としては、ネマティック相、スメクティック相、コレステリック相、ディスコティック相等が挙げられる。なかでも、本発明に用いられる液晶性エポキシ樹脂の液晶状態としては、分子鎖の長軸が一定方向に配向したネマティック相およびスメクティック相が特に好ましいが、これらに限定されるものではない。ネマティック相とは、液晶分子の重心位置に秩序は無いが、その長軸方向が一定の方向に向かって並んでいる液晶状態を指す。また、スメクティック相とは、液晶分子の長軸方向が一定の方向に向かって並んでおり、さらに液晶分子が層状に配置されている液晶状態を指す。このような液晶構造の規則性が高いほど熱伝導性が高くなることが期待される。
さらに、本発明に使用する液晶性エポキシ樹脂として、所定の温度範囲において、そのメソゲン基が、本実施形態においてはエポキシ樹脂シート1の表面に対して垂直に配向するホメオトロピック配向性を有するエポキシ樹脂を用いてもよい。そのような自己配向性を有するエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物を、その配向状態を維持したまま硬化させることによって得られる異方性エポキシ樹脂硬化物は、配向方向において高い熱伝導性を示す。
なお、エポキシ樹脂組成物は、上記液晶性エポキシ樹脂に加えて、メソゲン基を分子鎖内に含まないエポキシ樹脂を含有してもかまわない。
さらに、エポキシ樹脂組成物には、上述のエポキシ樹脂を反応硬化させる目的で、光重合開始剤が配合されている。用いる光重合開始剤の種類及び量、光硬化条件等については限定されるものではない。また、光重合開始剤と併せて、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、潜在性硬化剤、ポリメルカプタン系硬化剤、ポリアミノアミド系硬化剤、イソシアネート類、ブロックイソシアネート等の硬化剤を1種、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
一般に、エポキシ樹脂組成物を光重合させる場合の光重合開始剤の配合量は、アミン硬化剤などの硬化剤を使用する場合と比較して、非常に少量であるため、エポキシ樹脂組成物におけるメソゲン基の割合を増大させることが可能となる。従って、エポキシ樹脂組成物を光重合によって硬化させた場合、得られるエポキシ樹脂硬化物中において、より多数のメソゲン基が一定方向に配向されることとなり、その配向方向においてより高い熱伝導性を発揮することが可能となる。また、硬化方法として光重合を用いるため、エポキシ樹脂組成物を比較的低温で硬化させることができる。それにより、例えば、エポキシ樹脂組成物を接着剤や封止剤として用いた場合、適用対象となる電子部品を不具合の原因となる高熱に長時間にわたって晒すことを回避できる。
また、エポキシ樹脂組成物を硬化させる際の光重合の種類については、特に限定されるものではないが、特に好ましいのは光カチオン重合である。
本発明で用いられる光重合開始剤として特に好ましいのは、光などのエネルギー線を受けることによって、エポキシ樹脂の光重合を開始させる物質を放出することができる化合物である。ここで、光などのエネルギー線とは可視光、紫外光、赤外光、X線、α線、β線、γ線などを含む。特に好ましい光重合開始剤としては、下記一般式(1)で表される構造を有するオニウム塩を挙げることができる。
[R2 a3 b4 c5 dQ]+m[MXn+m -m (1)
上記式中、カチオンはオニウムイオンであり、QはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O,I、Br、Clまたは−N=Nであり、R2 、R3 、R4 およびR5 は同一または異なる有機基であり、a、b、cおよびdは各々0〜3の整数であって、(a+b+c+d)はQの価数に等しい。Mはハロゲン化物錯体[MXn+m ]の中心原子を構成する金属またはメタロイドであり、例えばB、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Coなどである。Xは、例えばF、Cl、Brなどのハロゲン原子であり、mはハロゲン化物錯体イオンの正味の電荷であり、nはMの原子価である。
このオニウム塩は、光を受けることによりルイス酸を放出する化合物である。
上記一般式(1)中におけるアニオン[MXn+m ]の具体例としては、テトラフルオロボレート(BF4 -)、ヘキサフルオロホスフェート(PF6 -)、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF6 -)、ヘキサフルオロアルセネート(AsF6 -)、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl6 -)が挙げられる。
また、一般式[MXn (OH)- ]で表されるアニオンを有するオニウム塩を使用することもできる。さらに、過塩素酸イオン(ClO4 -)、トリフルオロメタンスルフォン酸イオン(CF3 SO3 -)、フルオロスルフォン酸イオン(FSO3 -)、トルエンスルフォン酸イオン、トリニトロベンゼンスルフォン酸アニオン、トリニトロトルエンスルフォン酸アニオンなどの他のアニオンを有するオニウム塩を使用することもできる。このようなオニウム塩のうち、光重合開始剤として特に有効なオニウム塩は、芳香族オニウム塩である。
上記の光重合開始剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。また、上記の光重合開始剤と併せて、光などのエネルギー線を受けることにより分解し、ラジカルを発生する、ラジカル性光重合開始剤を使用してもよい。
異方性エポキシ樹脂硬化物の熱伝導性をさらに向上させるために、エポキシ樹脂組成物に、熱伝導性充填剤を適量配合することも可能である。熱伝導性充填剤としては、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物、金属被覆樹脂、炭素繊維、ガラス繊維、黒鉛化炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛、球状黒鉛粒子、メソカーボンマイクロビーズ、ウィスカー状カーボン、マイクロコイル状カーボン、ナノコイル状カーボン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等が挙げられる。金属としては、銀、銅、金、白金、ジルコン等があり、金属酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等がある。また、金属窒化物としては窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等があり、金属炭化物としては炭化ケイ素等、金属水酸化物としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
さらに、そのような熱伝導性充填剤とエポキシ樹脂との濡れ性の改善や、熱伝導性充填剤とエポキシ樹脂との界面の補強、エポキシ樹脂組成物中における分散性を促進する目的で、熱伝導性充填剤に通常のカップリング剤処理を施してもよい。
これらの熱伝導性充填剤の配合量については特定するものではないが、エポキシ樹脂100重量部に対して、好ましくは100重量部未満、より好ましくは50重量部未満、さらに好ましくは10重量部未満が好ましい。この配合量がエポキシ樹脂100重量部に対して100重量部以上であると、異方性エポキシ樹脂硬化物の光重合による硬化性や成形性が悪化したり、エポキシ樹脂組成物に熱伝導性充填剤を混合する際に気泡が混入するおそれがある。また、軽量化が要求される用途においては、エポキシ樹脂組成物は熱伝導性
充填剤を実質的に含有しないことが好ましい。熱伝導性充填剤を実質的に含有しないとは、エポキシ樹脂100重量部に対して、好ましくは5重量部以下、より好ましくは1重量部以下の量の熱伝導性充填剤を含むか、さらに好ましくは熱伝導性充填剤を全く含有しないことを意味する。
また、エポキシ樹脂組成物には必要に応じて硬化剤、硬化促進剤、硬化遅延剤、光重合開始助剤、光増感剤、補強材、ゴムまたはエラストマー等の低応力化剤、顔料、染料、蛍光増白剤、分散剤、安定剤、紫外線吸収剤、エネルギー消光剤、帯電防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、反応性希釈剤、可塑剤、溶剤等を添加することも可能である。
次に、異方性エポキシ樹脂硬化物について詳述する。
分子鎖内にメソゲン基を有するエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物を硬化することにより得られる異方性エポキシ樹脂硬化物は、硬化状態において、少なくとも部分的にメソゲン基が一定方向に配向されて液晶相が固定されている状態であることが好ましい。エポキシ樹脂組成物の硬化開始時にメソゲン基が少なくとも部分的に配向して液晶状態になるように、必要に応じて加熱することがより好ましい。
さらに、分子鎖内にメソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂を含む異方性エポキシ樹脂硬化物の熱伝導率λは、メソゲン基の長軸が一定方向に配向されることにより、その方向に極めて高くなる。本発明の異方性エポキシ樹脂硬化物は、少なくともその一方向において、0.4〜30W/(m・K)、好ましくは0.6〜20W/(m・K)、さらに好ましくは0.7〜10W/(m・K)の熱伝導率λを有する。この熱伝導率λが0.4W/(m・K)未満であると、電子部品から発生する熱を効果的に外部へ伝えることが困難になるおそれがある。一方、熱伝導率λが30W/(m・K)を超える異方性エポキシ樹脂硬化物を得るのはエポキシ樹脂の物性を考慮すると困難である。
また、分子鎖内にメソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂を含む異方性エポキシ樹脂硬化物の熱膨張係数は、メソゲン基の長軸が一定方向に配向されることによって、その方向(本実施形態におけるエポキシ樹脂の分子鎖鎖方向)において極めて小さくなる。本発明の異方性エポキシ樹脂硬化物は、少なくとも一方向において、好ましくは−10×10-6〜50×10-6[/K]、さらに好ましくは−5×10-6〜40×10-6[/K]の熱膨張係数を有する。この熱膨張係数が50×10-6[/K]以上であると、電子部品等において生じる熱応力を低減させることが困難となるおそれがある。一方、−10×10-6[/K]よりも小さい熱膨張係数を有する異方性エポキシ樹脂成形体を得ることはエポキシ樹脂の物性を考慮すると困難である。
上記のように、本発明の異方性エポキシ樹脂硬化物は、特定方向に高い熱伝導性と非常に小さい熱膨張係数を示すという、熱伝導性および熱膨張係数に関する異方性を有するものとなる。そのため、熱伝導性および低熱膨張性が要求される電子機器内のプリント配線基板、半導体パッケージ、筐体、ヒートパイプ、放熱板、熱拡散板、封止材、および接着剤等において有用である。
本発明の異方性エポキシ樹脂硬化物は、エポキシ樹脂組成物から、シート状、フィルム状、ブロック状、粒状、繊維状等の様々な形状に形成され得る。また、エポキシ樹脂硬化物を、封止材または接着剤として使用することもできる。その場合には、硬化前のエポキシ樹脂組成物を適用対象に塗布し、該組成物中のメソゲン基を一定方向に配向させた後、紫外線を照射することにより、該組成物を硬化させて、封止材または接着剤として機能させることができる。
異方性エポキシ樹脂硬化物が、図1に示す実施形態のようにシート形状に形成される場
合、メソゲン基の長軸方向がシートの厚み方向と一致するように配向させることにより、厚さ方向における熱伝導率を向上することができる。これにより、シート状で厚み方向の熱伝導性が要求される回路基板材料、放熱シート、半導体パッケージ、放熱板、熱拡散板、接着シート等への応用が可能になる。
また、異方性エポキシ樹脂硬化物をシート状に成形する場合、その厚さは好ましくは0.005〜5mm、さらに好ましくは0.05〜3mm、最も好ましくは0.1〜1mmである。この厚さが0.005mm未満であると、発熱体のような適用対象に適用する際の作業性が悪化するおそれがある。一方、厚さが5mmを超えると、紫外線照射による光重合が困難であるだけでなく、熱伝導性が悪化するおそれがある。
次に、異方性エポキシ樹脂硬化物の製造方法について説明する。本発明の異方性エポキシ樹脂硬化物の製造方法は、上記したエポキシ樹脂組成物を調製する工程と、その組成物中のメソゲン基を一定方向に配向させる工程と、そのメソゲン基の配向を維持したまま、前記組成物を紫外線などによって光重合させる工程とを含む。
分子鎖内にメソゲン基を有するエポキシ樹脂のメソゲン基を配向させて異方性を発現させる方法としては、配向膜にラビングより微細な傷を設け、その傷に沿って液晶分子が並ぶ性質を利用する方法や配向膜に界面活性剤などを塗布して液晶分子を配向させる方法などがある。また、流動場、せん断場、磁場もしくは電場などの外力によりメソゲン基を配向させる方法も可能である。これらの配向方法の中でも、配向方向を容易に制御できることから、磁場による配向方法が好ましい。また、必要に応じてこれらの配向方法を併用することもできる。例えば、磁場の適用と配向膜の使用を併用することにより、配向の効果をより高めたり、得られるエポキシ樹脂硬化物の表面および内部における配向の方向や度合いを制御することもできる。
メソゲン基を磁場によって配向させる場合、異方性エポキシ樹脂硬化物の製造方法において、前記組成物中のメソゲン基を一定方向に配向させる工程は、エポキシ樹脂組成物に磁場発生装置によって一定方向の磁場を印加する工程を含む。分子鎖内にメソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物に対して、磁場発生装置によって一定方向の磁場を印加することにより、エポキシ樹脂の分子鎖内に有するメソゲン基を磁力線と平行方向または垂直方向に配向させることが可能である。
磁場発生装置としては、永久磁石、電磁石、超電導磁石、コイル等が挙げられる。これらの磁場発生装置の中でも、実用的な磁束密度を有する磁場を発生させることができることから超電導磁石が好ましい。
エポキシ樹脂組成物に印加する磁場の磁束密度は、好ましくは0.2〜20テスラ(T)、さらに好ましくは0.5〜15T、最も好ましくは1〜10Tである。この磁束密度が0.2T未満であると、エポキシ樹脂組成物中のメソゲン基を十分に配向させることができず、優れた熱伝導性を有する異方性エポキシ樹脂硬化物が得られない。一方、磁束密度が20Tを超える磁場は、実用上得られにくい。この磁束密度の範囲が0.2〜20Tであると、エポキシ樹脂組成物中のメソゲン基を十分に配向させることができ、よって優れた熱伝導性を有する異方性エポキシ樹脂硬化物が得られるとともに、実用的である。
また、メソゲン基を一定方向に配向させる方法として、所定の温度範囲においてホメオトロピック配向する性質を有するメソゲン基を備えたエポキシ樹脂を使用することも有効である。そのようなエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物を、所定温度に加熱することにより、メソゲン基がホメオトロピック配向する相に転移させ、そのホメオトロピック配向を維持したまま、該エポキシ樹脂組成物を光重合させる。これにより、例えば図1の実
施形態においては、エポキシ樹脂シート1の厚み方向にメソゲン基の長軸方向が一致するように配向した異方性エポキシ樹脂硬化物を得ることができる。
ホメオトロピック配向する性質を有するメソゲン基を分子鎖内に備えたエポキシ樹脂を使用する場合においても、磁場や配向膜を併用することができる。
エポキシ樹脂組成物の光重合を開始させるための紫外線を照射する紫外線発生源については、特に制限はない。しかしながら、エポキシ樹脂組成物中のメソゲン基の配向を磁場によって行う場合、紫外線発生源は、磁束密度が0.01テスラ以下である場所に配置することが好ましい。磁場を印加されているエポキシ樹脂組成物に紫外線発生源から紫外線を導く方法にも特に制限はないが、紫外線を発生源から直接照射する方法、ミラーに反射させて照射する方法、集束レンズを通して照射する方法、ファイバにより導いて照射する方法などが挙げられる。
次いで、本発明の異方性エポキシ樹脂硬化物をシート形状の異方性エポキシ樹脂成形体に具体化した実施形態について、図1〜図3に基づいて、その製造方法を詳細に説明する。
まず、分子内にメソゲン基を有するエポキシ樹脂のメソゲン基を異方性エポキシ樹脂シート1の厚さ方向(図1におけるZ軸方向)に配向させて成形する方法について説明する。図2に示すように、型12の内部には、所望のシート形状に対応するキャビティ12aが形成されている。型12の上部は開放されているか、またはエポキシ樹脂組成物を硬化させるのに十分な量の紫外線を透過する材質で形成されている。また、型12の上下には磁場発生装置として、上下一対の永久磁石13が配設されている。これにより、永久磁石13によって発生する磁場の磁力線M1は、キャビティ12aの厚さ方向に一致する。永久磁石13による磁場に影響されない場所に紫外線発生源15が配設されており、紫外線発生源15からファイバ16がキャビティ12aと上側の磁石13との間に延びている。紫外線発生源15から発生される紫外線はファイバ16を通って、キャビティ12aに照射される。まず、キャビティ12aには分子鎖内にメソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂及び光重合開始剤を含むエポキシ樹脂組成物11が充填される。必要に応じて、図示しない加熱装置により、キャビティ12a内のエポキシ樹脂組成物11は所望の液晶状態或いは溶融状態に維持される。次に、キャビティ12a内のエポキシ樹脂組成物11に対して、永久磁石13によって所定の磁束密度を有する磁場を印加する。なお、磁場はエポキシ樹脂組成物を充填する前から印加しておいてもかまわない。このとき、磁力線M1の方向は、シート状のエポキシ樹脂組成物11の厚さ方向に一致するため、分子鎖内にメソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂のメソゲン基を、シート形状にあるエポキシ樹脂組成物11の厚さ方向に沿って配向させることができる。この配向状態を維持したまま、エポキシ樹脂組成物11に対して、ファイバ16の先端から紫外線が照射される。それにより、前記エポキシ樹脂組成物が光重合により硬化し、その硬化物は型12から取り出される。これにより、エポキシ樹脂のメソゲン基がシートの厚さ方向に配向され、よってシートの厚さ方向において、高い熱伝導性と低い熱膨張係数とを有する異方性エポキシ樹脂シート1を得ることができる。
上記の方法では、エポキシ樹脂のメソゲン基を異方性エポキシ樹脂シート1の厚さ方向に配向させるために磁場を用いたが、同様にメソゲン基を配向させるために、所定の温度範囲においてホメオトロピック配向する性質を有するメソゲン基を備えたエポキシ樹脂の自己配向性を利用する方法も可能である。この方法において用いられる装置は、磁気発生装置、すなわち永久磁石13を有さないこと以外は、上述の方法に用いられる装置と同様の構成を有する。まず、所定の温度範囲においてホメオトロピック配向する性質を有するメソゲン基を分子鎖内に有する液晶性エポキシ樹脂及び光重合開始剤を含むエポキシ樹脂組成物11をキャビティ12aに充填する。次に、キャビティ12a内のエポキシ樹脂組
成物11を所定の温度範囲に維持することにより、該組成物に含まれるエポキシ樹脂をメソゲン基がホメオトロピック配向する液晶相に転移させる。メソゲン基がホメオトロピック配向した状態を維持したまま、エポキシ樹脂組成物11に対して、ファイバ16の先端から紫外線が照射される。それにより、前記エポキシ樹脂組成物は光重合により硬化し、その硬化物は型12から取り出される。これにより、エポキシ樹脂のメソゲン基がホメオトロピック配向した、すなわちメソゲン基の長軸がシートの厚さ方向に沿って配向された、シートの厚さ方向において、高い熱伝導性と低い熱膨張係数とを有する異方性エポキシ樹脂シート1を得ることができる。
また、分子鎖内にメソゲン基を有するエポキシ樹脂のメソゲン基を異方性エポキシ樹脂シート1の表面に沿う方向(例えば、図1におけるX軸方向またはY軸方向)に配向させて成形することも可能である。この場合に用いる装置は、図3に示すように、一対の永久磁石13の配置以外は、図2に示した装置と同様に構成されている。図3に示した装置では、一対の永久磁石13を、磁力線M2が型12のキャビティ12a の底面に平行となるように、型12の両側方に対向させて配設している。まず、キャビティ12aに分子鎖内にメソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂及び光重合開始剤を含むエポキシ樹脂組成物11を充填する。必要に応じて、図示しない加熱装置により、キャビティ12a内のエポキシ樹脂組成物11は所望の液晶状態或いは溶融状態に維持される。次に、一対の永久磁石13によってキャビティ12a内のエポキシ樹脂組成物11に磁場を印加する。このとき、磁力線M2はシート状のエポキシ樹脂組成物11の表面と平行であるため、エポキシ樹脂のメソゲン基をエポキシ樹脂組成物11の表面に沿う方向に配向することができる。この配向状態を維持したまま、エポキシ樹脂組成物11に対してファイバ16から紫外線が照射される。それにより、エポキシ樹脂組成物11が光重合により硬化し、その硬化物が型12から取り出される。これにより、分子鎖内にメソゲン基を有するエポキシ樹脂のメソゲン基がシートの表面に沿う方向に配向され、よってシートの表面に沿う方向において、高い熱伝導率と低い熱膨張係数とを有する異方性エポキシ樹脂シート1を得ることができる。
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・前記一対の永久磁石13は、型12を挟むように配設されているが、一対の永久磁石13の一方を省略してもよい。
・前記一対の永久磁石13のS極とN極とが互いに対向するように配設されているが、S極同士又はN極同士が対向するように配設してもよい。
・前記磁力線M1,M2は、直線状であるが、曲線状等であってもよい。また、前記一対の永久磁石13は磁力線M1,M2が一方向に延びるように配設されているが、磁力線M1,M2が二方向以上に延びるように複数の永久磁石を配設してもよい。さらに、磁力線M1、M2又は型12を回転させてもよい。
・前記ファイバ16を用いずに、前記紫外線発生源15から直接紫外線を照射してもよい。
・前記ファイバ16の代わりにミラーまたはレンズを用いて紫外線を導いてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
エポキシ樹脂として、下記式(1)で示される、分子鎖内にメソゲン基を有するベンゾエート型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂Aとする)98wt%、光重合開始剤としてジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート(1wt%)、光重合開始助剤として2,
2- ジメトキシ- 2- フェニル- アセトフェノン(0.5wt%)、およびイソプロピルチオキサントン(0.5wt%)を混合してエポキシ樹脂組成物11を調製する。前記エポキシ樹脂Aは昇温過程において87℃でホメオトロピック配向する性質を有するスメクティック相に転移し、143℃でホメオトロピック配向する性質を有さないネマティック相に転移し、かつ162℃で等方相に転移するものである。次に、調製したエポキシ樹脂組成物11を120℃に加熱した型12のキャビティ12aに充填して溶融させて、該組成物中に含まれるエポキシ樹脂Aをホメオトロピック配向する性質を有するスメクティック相に転移させた。その相状態を維持したまま、磁場を印加せずに、紫外線発生源15よりファイバ16を介して照度0.2W/cmの紫外線を5分間照射することにより、エポキシ樹脂組成物11を硬化させ、厚み0.5mmの異方性エポキシ樹脂シート1を作製した。
Figure 2005139298
(実施例2)
実施例1と同一のエポキシ樹脂組成物11を、温度155℃に加熱した型のキャビティ12aに充填して溶融させ、エポキシ樹脂Aをホメオトロピック配向する性質を有さないネマティック相に転移させた。その後、磁束密度5テスラの磁場中にて、照度0.2W/cmの紫外線を5分間照射することにより、エポキシ樹脂組成物11を硬化させ、厚み0.5mmの異方性エポキシ樹脂シート1を作製した。尚、磁力線の方向はシート状の厚み方向とした。
(実施例3)
表1に示すように磁束密度を10テスラに変更した以外は実施例2と同様の方法で異方性エポキシ樹脂シート1を作製した。
(実施例4)
エポキシ樹脂として、下記式(2)で示される、分子鎖内にメソゲン基を有するベンゾエート型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂Bとする)98wt%、光重合開始剤としてジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート 1wt%、光重合開始助剤として2,2- ジメトキシ- 2- フェニル- アセトフェノン 0.5wt%、イソプロピルチオキサントン 0.5wt%の混合物を調製した。エポキシ樹脂Bは昇温過程において、110℃でホメオトロピック配向する性質を有さないネマティック相に転移し、165℃で等方相に転移するものである。次に、エポキシ樹脂組成物11を、温度140℃に加熱した型12のキャビティ12aに充填して溶融させ、エポキシ樹脂Bをホメオトロピック配向する性質を有さないネマティック相に転移させた。その後、磁束密度5テスラの磁場中にて、照度0.2W/cmの紫外線を5分間照射することによりエポキシ樹脂組成物11を硬化させ、厚み0.5mmの異方性エポキシ樹脂シート1を作製した。尚、磁力線の方向はシート状の厚み方向とした。
Figure 2005139298
(実施例5)
実施例4で用いたものと同一のエポキシ樹脂組成物11から、表1に示すように磁束密度を10テスラに変更した以外は実施例4と同様の方法で異方性エポキシ樹脂シート1を作製した。
(比較例1)
前記エポキシ樹脂Aと、硬化剤として4,4’‐ジアミノ‐1,2‐ジフェニルエタンとを、1:0.5のモル比で混合したエポキシ樹脂組成物11を、温度155℃に加熱した型12のキャビティ12aに充填して溶融させた後、磁場を印加せずに、155℃で、30分間にわたって熱硬化させた。それにより、厚み0.5mmの異方性エポキシ樹脂シート1を作製した。
(比較例2)
比較例1と同一のエポキシ樹脂組成物11を、温度155℃に加熱した型12のキャビティ12aに充填して溶融させ、エポキシ樹脂Aをホメオトロピック配向する性質を有さないネマティック相に転移させた後、磁束密度5テスラの磁場中にて、155℃で、30分間にわたって熱硬化させた。それにより、厚み0.5mmの異方性エポキシ樹脂シート1を作製した。尚、磁力線の方向はシート状の厚み方向とした。
(比較例3)
比較例1と同一のエポキシ樹脂組成物11から、表1に示すように磁束密度を10テスラに変更した以外は比較例2と同様の方法で、異方性エポキシ樹脂シート1を作製した。(比較例4)
実施例1と同一のエポキシ樹脂組成物11を、温度155℃に加熱した型12のキャビティ12aに充填して溶融させ、エポキシ樹脂Aをホメオトロピック配向する性質を有さないネマティック相に転移させた。その後、磁場を印加せずに、照度0.2W/cmの紫外線を5分間照射することによりエポキシ樹脂組成物11を硬化させた。それにより、厚み0.5mmの異方性エポキシ樹脂シート1を作製した。
実施例1〜5及び比較例1〜4におけるエポキシ樹脂組成物11において、エポキシ樹脂組成物全体に対するメソゲン基部分の重量含有率を求めた。また、実施例1〜5及び比較例1〜4において得られたエポキシ樹脂シート1について、レーザーフラッシュ法熱定数測定装置(LF/TCM−FA8510B 株式会社理学電機製)によって、各シート1の厚み方向における熱拡散率および比熱を測定し、さらに水中置換法により各シート1の密度を測定した。得られた各測定値より各エポキシ樹脂シート1の厚さ方向における熱伝導率λを算出した(熱伝導率=熱拡散率×比熱×密度)。さらに、それらのエポキシ樹脂シート1の厚さ方向における熱膨張係数を熱機械分析装置(TMA−50 株式会社島津製作所製)で測定した。実施例1〜5及び比較例1〜4において得られたシートの厚み方向における熱伝導率λ及び熱膨張係数を表1に示す。また、シートの異方性を示すために、シートの表面に沿う方向における熱膨張係数も表1に示す。
Figure 2005139298
表1の結果から明らかなように、実施例1では分子鎖内にメソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂が、表面に対して垂直方向に配向するホメオトロピック配向性を有する液晶相を発現する条件を維持したまま、エポキシ樹脂組成物11を光重合させたことにより、厚さ方向の熱伝導率λが0.43W/(m・K)と高い値を示した。
実施例2〜4では、分子鎖内にメソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂を加熱溶融により低粘度のネマティック液晶相に転移させた後に、メソゲン基を磁場によって一方向に配向させているので、厚さ方向の熱伝導率λが0.4W/(m・K)以上であり、優れた熱伝導性を有する異方性エポキシ樹脂シートが得られた。
さらに、実施例1〜4のエポキシ樹脂シートでは、厚さ方向の熱膨張係数が負の値を示した。これは、これらのエポキシ樹脂シートは熱によって、膨張するのではなく、収縮することを意味する。しかしながら、これらの熱膨張係数の絶対値は極めて小さい。よって、これらのエポキシ樹脂シートでは、熱膨張が低減されているとともに、熱収縮も小さいことが分かる。
一方、比較例1では、硬化剤として使用量を多くする必要があるアミン系硬化剤を使用するため、エポキシ樹脂組成物全体に対するメソゲン基部分の重量含有率が低く、また磁場によるメソゲン基の配向を行っていない。そのため、厚さ方向の熱伝導率λが0.30W/(m・K)と低い値であり、熱膨張係数も104×10−6/Kと高い値であった。
比較例2及び3では、磁場印加によりメソゲン基が配向されているため、比較例1と比べると熱伝導率が高くなっている。しかしながら、比較例1と同様に、硬化剤として使用量が多くする必要があるアミン系硬化剤を使用するため、エポキシ樹脂組成物全体に対するメソゲン基部分の重量含有率が低い。そのため、十分に高い熱伝導率は得られていない。
比較例4では、光重合開始剤を使用するが、メソゲン基が全体として一方向に配向して
いないため、厚さ方向の熱伝導率λが0.31W/(m・K)と低い値であり、熱膨張係数も144×10−6/Kと高い値であった。このように比較例1〜4では、厚さ方向の熱伝導率λが0.4W/(m・K)未満で熱伝導性は不十分である。
上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
・請求項1に記載の異方性エポキシ樹脂硬化物において、分子内にメソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂が、所定温度範囲内において、ホメオトロピック配向する性質を有するメソゲン基を含む、異方性エポキシ樹脂硬化物。
・請求項5に記載の異方性エポキシ樹脂硬化物の製造方法において、エポキシ樹脂組成物中に含まれるエポキシ樹脂のメソゲン基を一定方向に配向させる工程が、前記エポキシ樹脂組成物に磁場を印加することによって行われる、異方性エポキシ樹脂硬化物の製造方法。
・上記異方性エポキシ樹脂硬化物の製造方法において、前記磁場の磁束密度は、0.2〜20テスラである異方性エポキシ樹脂硬化物の製造方法。
・請求項5に記載の異方性エポキシ樹脂硬化物の製造方法において、分子内にメソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂が、所定温度範囲内において、ホメオトロピック配向する性質を有するメソゲン基を含み、エポキシ樹脂組成物中に含まれるエポキシ樹脂のメソゲン基を一定方向に配向させる工程が、前記エポキシ樹脂組成物を前記所定温度範囲に維持して、前記メソゲン基をホメオトロピック配向させることによって行われる、異方性エポキシ樹脂硬化物の製造方法。
本発明の実施の形態におけるシート状の異方性エポキシ樹脂硬化物示す斜視図。 本発明の異方性エポキシ樹脂シートの製造装置を示す概略図。 本発明の異方性エポキシ樹脂シートの別の製造装置を示す概略図。
符号の説明
1…異方性エポキシ樹脂シート、11…エポキシ樹脂組成物

Claims (5)

  1. エポキシ樹脂組成物から形成されるエポキシ樹脂硬化物であって、前記エポキシ樹脂組成物は、
    分子鎖内にメソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂と、
    光重合開始剤とを含み、
    該硬化物中において、前記メソゲン基が一定の方向に配向されている、異方性エポキシ樹脂硬化物。
  2. メソゲン基が配向されている方向における熱伝導率が、0.4〜30W/(m・K)である、請求項1に記載の異方性エポキシ樹脂硬化物。
  3. メソゲン基が配向されている方向における熱膨張係数が、−10×10-6〜50×10-6[/K]である、請求項1に記載の異方性エポキシ樹脂硬化物。
  4. シート形状を有し、その厚さ方向に沿ってメソゲン基が配向されている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の異方性エポキシ樹脂硬化物。
  5. 分子鎖内にメソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂および光重合開始剤を含むエポキシ樹脂組成物から形成されるエポキシ樹脂硬化物の製造方法であって、硬化物中において前記メソゲン基は一定の方向に配向されており、前記製造方法は、
    エポキシ樹脂組成物を調製する工程と、
    エポキシ樹脂組成物中に含まれるエポキシ樹脂のメソゲン基を一定方向に配向させる工程と、
    メソゲン基を配向させた状態を維持したまま、エポキシ樹脂組成物を光重合させる工程とからなる、製造方法。
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