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JP4412999B2 - 燃料電池の起動方法及び燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、電解質膜を一対の電極間に配設した電解質膜・電極構造体と、セパレータとが積層され、積層方向に貫通して反応ガス供給連通孔、反応ガス排出連通孔、冷却媒体供給連通孔及び冷却媒体排出連通孔が形成されるとともに、前記冷却媒体供給連通孔と前記冷却媒体排出連通孔とに連通し前記電解質膜・電極構造体の面方向に沿って冷却媒体を供給する冷却媒体流路が形成される燃料電池を起動させるための燃料電池の起動方法、及び前記燃料電池を備える燃料電池システムに関する。
一般的に、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜の両側に、それぞれアノード側電極及びカソード側電極を配設した電解質膜・電極構造体を、セパレータによって挟持している。この種の燃料電池は、通常、電解質膜・電極構造体及びセパレータを所定数だけ交互に積層することにより、燃料電池スタックとして使用されている。
この燃料電池において、アノード側電極に供給された燃料ガス、例えば、主に水素を含有するガス(以下、水素含有ガスともいう)は、電極触媒上で水素がイオン化され、電解質膜を介してカソード側電極側へと移動する。その間に生じた電子は外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。なお、カソード側電極には、酸化剤ガス、例えば、主に酸素を含有するガスあるいは空気(以下、酸素含有ガスともいう)が供給されているために、このカソード側電極において、水素イオン、電子及び酸素が反応して水が生成される。
ところで、この種の燃料電池では、イオン導電性を維持するために、高分子イオン交換膜からなる電解質膜を適度に加湿しておく必要がある。さらに、カソード側電極では、上記のように反応による生成水が存在している。このため、燃料電池を氷点下(水の凍結温度以下)で始動させようとすると、前記燃料電池内の水分が凍結し易く、該燃料電池内で電気化学反応が行われ難いという不具合が指摘されている。
そこで、例えば、特許文献1には、Dupont社製のNAFION(登録商標)及びDow社製の実験用膜(商品番号XUX 13204.10)のような電解質膜が、−20℃の温度であっても十分にイオン的に伝導性を有して燃料電池内で電気化学反応が可能であることが開示されている。
この特許文献1では、上記の電解質膜を用いることにより、水の凝固温度よりも低い温度から燃料電池電力発生装置の作動を開始するための方法を開示している。電力発生装置は、外部電気回路に対して電流を供給するために前記外部電気回路に接続可能な燃料電池堆積体を有している。堆積体は、少なくとも一つの燃料電池を有し、前記燃料電池が、正極と、負極と、これらの間に挿入された水透過性イオン交換膜とを備えた膜電極組立品を具備するとともに、前記膜電極組立品の少なくとも一部の温度が水の凝固温度より低い。そして、この方法では、膜電極組立品の一部の温度が水の凝固温度を超過するように、堆積体から外部電気回路に電流を供給する工程を含んでいる。
特表2000−512068号公報(図3)
しかしながら、上記の特許文献1では、水の凝固温度以下であっても燃料電池の作動が可能になるものの、所定の温度以下で起動すると、電解質膜のイオン導電性が著しく低下して、所望の始動状態に迅速に移行することが困難であるという問題がある。
詳述すると、通常、固体高分子型燃料電池に使用される固体高分子電解質膜のイオン導電性には、温度特性が存在しており、プロトン伝達を司るクラスター内部の水は、例えば、−10℃〜−30℃の範囲で凍結し、前記固体高分子電解質膜のイオン導電性が著しく低下することが確認されている。このため、クラスター内部の水が凍結し始める温度以下から燃料電池を起動する際には、前記燃料電池を暖機するために必要な電流を該燃料電池自体から取り出すことができないという問題がある。
一方、燃料電池は、発電によって水を生成しており、前記燃料電池の内部には、常に水が存在している。そこで、燃料電池の運転停止後に内部温度が低下して、電極触媒層の近傍に存在する水が凍結すると、触媒有効面積が低下して印加可能な電流が減少してしまう。その際、電極触媒層等の極小細孔内に存在する水は、その細孔径によって凍結温度が0℃以下に変動することが知られている。従って、この凍結温度以下から燃料電池を起動する際に、前記燃料電池の暖機に必要な電流を該燃料電池自体から取り出せないおそれがある。
さらにまた、クラスター内部の水の凍結温度及び電極細孔内の水の凍結温度の双方よりも高い温度であれば、初期負荷印加が可能であるものの、発電が進行するのに従って、生成水が電極拡散層内で凍結し易い。これにより、ガス拡散性が低下してセル電圧の降下を招来するという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、水の凍結温度以下の環境でも迅速且つ確実な始動が遂行されるとともに、燃料消費量を有効に低減して効率的な運転が可能な燃料電池の起動方法及び燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明は、電解質膜を一対の電極間に配設した電解質膜・電極構造体と、セパレータとが積層され、積層方向に貫通して反応ガス供給連通孔、反応ガス排出連通孔、冷却媒体供給連通孔及び冷却媒体排出連通孔が形成されるとともに、前記冷却媒体供給連通孔と前記冷却媒体排出連通孔とに連通し前記電解質膜・電極構造体の面方向に沿って冷却媒体を供給する冷却媒体流路が形成され、前記冷却媒体流路は、複数の溝部と前記溝部の両側に位置する複数の突起部とを設ける燃料電池を起動させるための起動方法である。
そこで、起動時には、冷却媒体供給連通孔及び冷却媒体排出連通孔とは個別に設けられる冷却媒体導入口から冷却媒体流路の一方の突起部に、加温された冷却媒体が供給される。このため、加温された冷却媒体は、冷却媒体流路の一方の突起部を流動して暖機を行った後、冷却媒体排出連通孔に排出される。
また、セパレータの端縁部に、反応ガス排出連通孔である酸化剤ガス排出連通孔を挟んで、冷却媒体排出連通孔及び冷却媒体導入口が配設され、前記冷却媒体導入口から冷却媒体流路に供給される加温された冷却媒体が、前記冷却媒体流路の一方の前記突起部を通過して前記冷却媒体排出連通孔に排出されることが好ましい。
さらに、本発明は、電解質膜を一対の電極間に配設した電解質膜・電極構造体と、セパレータとが積層され、積層方向に貫通して反応ガス供給連通孔、反応ガス排出連通孔、冷却媒体供給連通孔及び冷却媒体排出連通孔が形成されるとともに、前記冷却媒体供給連通孔と前記冷却媒体排出連通孔とに連通し前記電解質膜・電極構造体の面方向に沿って冷却媒体を供給する冷却媒体流路が形成される燃料電池を備える燃料電池システムである。
この燃料電池システムは、冷却媒体供給連通孔及び冷却媒体排出連通孔とは個別に設けられ、冷却媒体流路に連通する冷却媒体導入口と、前記冷却媒体導入口から前記冷却媒体流路に供給されて前記冷却媒体排出連通孔に排出される冷却媒体を、燃料電池の外部で加温する加熱部とを備える。
さらにまた、セパレータの端縁部には、反応ガス排出連通孔である酸化剤ガス排出連通孔と、前記酸化剤ガス排出連通孔を挟んで、冷却媒体排出連通孔及び冷却媒体導入口とが配設されることが好ましい。
また、燃料電池の外部には、冷却媒体供給連通孔と冷却媒体排出連通孔とに連通する冷却媒体供給機構が配設されるとともに、前記冷却媒体供給機構は、主流路から切換手段を介して分岐し冷却媒体導入口に連通する始動暖機流路と、前記始動暖機流路に配設されて冷却媒体を加温する加熱部であるヒータとを備えることが好ましい。
本発明によれば、加温された冷却媒体が、冷却媒体導入口から冷却媒体流路に供給されて暖機が行われるため、特に氷点下起動時に、発電生成水の凍結を阻止することができ、燃料電池を迅速且つ確実に始動させることが可能になる。
しかも、冷却媒体導入口が冷却媒体供給連通孔とは個別に設けられており、この冷却媒体供給連通孔に供給される冷却媒体全体を加温する必要がない。これにより、加温される冷却媒体を暖機に必要な供給量に設定することができ、外部熱源による消費熱量が大幅に削減されて経済的である。
さらに、酸化剤ガス排出連通孔の近傍から温度が上昇するため、この酸化剤ガス排出連通孔の近傍が発電の起点となり、生成水が速やかに前記酸化剤ガス排出連通孔に排出される。これにより、特に氷点下起動時の面内流路の凍結閉塞が阻止される。
図1は、本発明に係る燃料電池の起動方法に用いられる第1の実施形態の燃料電池システム10の概略構成説明図である。
燃料電池システム10は、例えば、自動車等の車両に搭載されており、固体高分子型燃料電池スタック12を備える。この燃料電池スタック12は、複数の単セル14を矢印A方向に積層するとともに、積層方向両端にターミナルプレート16a、16b、絶縁プレート18a、18b及びエンドプレート20a、20bが配設されており、前記エンドプレート20a、20b間には、所定の締め付け荷重が付与されている。
図2に示すように、単セル14は、電解質膜・電極構造体22と、前記電解質膜・電極構造体22を挟持する第1及び第2セパレータ24、26とを備える。第1及び第2セパレータ24、26は、例えば、それぞれ1枚の金属プレートで形成されているが、カーボンプレート等で形成してもよい。
単セル14の矢印B方向の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス供給連通孔(反応ガス供給連通孔)30a、冷却媒体を供給するための冷却媒体供給連通孔32a、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出するための燃料ガス排出連通孔(反応ガス排出連通孔)34bが、矢印C方向(鉛直方向)に配列して設けられる。
単セル14の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス供給連通孔(反応ガス供給連通孔)34a、冷却媒体を排出するための冷却媒体排出連通孔32b、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出連通孔(反応ガス排出連通孔)30bが、矢印C方向に配列して設けられる。
単セル14の下部には、酸化剤ガス排出連通孔30bの下方に位置してドレン機能を有する冷却媒体導入口35が形成されるとともに、燃料ガス排出連通孔34bの下方に位置してドレン孔35aが形成される。
電解質膜・電極構造体22は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜36と、該固体高分子電解質膜36の両面に設けられるアノード側電極38及びカソード側電極40とを備える。
アノード側電極38及びカソード側電極40は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子を前記ガス拡散層の表面に一様に塗布した電極触媒層とをそれぞれ有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜36の両面に接合されている。
第1セパレータ24の電解質膜・電極構造体22に向かう面24aには、燃料ガス供給連通孔34aと燃料ガス排出連通孔34bとに連通する燃料ガス流路46が形成される。第1セパレータ24の面24aとは反対の面24bと第2セパレータ26の面26bとの間には、冷却媒体供給連通孔32aと冷却媒体排出連通孔32bとに連通する冷却媒体流路48が形成される。この冷却媒体流路48は、冷却媒体導入口35及びドレン孔35aに連通する。
燃料ガス流路46と冷却媒体流路48とは、第1セパレータ24をプレス加工することによって表裏に一体的に形成される。具体的には、例えば、第1セパレータ24を波形状に成形することにより、面24aに燃料ガス流路46を構成する複数の溝部46aを設けるとともに、面24bに冷却媒体流路48を構成する複数の溝部48aを設ける。複数の溝部46a、48aは、矢印B方向に略直線状に延在し、その矢印B方向両側に位置して複数の突起部46b、48bが、例えば、エンボス加工によりそれぞれ面24a、24b側に突出して設けられる。
第2セパレータ26の電解質膜・電極構造体22に向かう面26aには、酸化剤ガス供給連通孔30aと酸化剤ガス排出連通孔30bとに連通する酸化剤ガス流路50が設けられる。酸化剤ガス流路50と冷却媒体流路48とは、第2セパレータ26をプレス加工することによって表裏に一体的に形成される。酸化剤ガス流路50は、矢印B方向に略直線状に延在する複数の溝部50aを有するとともに、前記複数の溝部50aの矢印B方向両側に位置して複数の突起部50bが、例えば、エンボス加工により設けられる。
図1に示すように、燃料電池スタック12の外部には、冷却媒体流路48に連通する冷却媒体供給機構60が配設される。冷却媒体供給機構60は、冷却媒体供給連通孔32aと冷却媒体排出連通孔32bとに連通する主流路である循環流路62を備える。循環流路62には、冷却媒体循環用のポンプ64と、ラジエータ66と、サーモスタット68とが接続されるとともに、このサーモスタット68には、前記ラジエータ66を迂回するバイパス流路70が接続される。
ポンプ64の下流では、切換手段、例えば、三方切換弁72を介して始動暖機流路74が分岐される。この始動暖機流路74には、冷却媒体を加温するためのヒータ(加熱部)76が接続されるとともに、前記始動暖機流路74が冷却媒体導入口35に連通する。冷却媒体導入口35及びドレン孔35aには、それぞれドレン弁78が接続されている。
このように構成される燃料電池システム10の動作について、以下に説明する。
図1に示すように、燃料電池スタック12内には、空気等の酸素含有ガスである酸化剤ガス、水素含有ガス等の燃料ガス、及び純水やエチレングリコール等の冷却媒体が供給される。このため、図2に示すように、酸化剤ガス供給連通孔30aから第2セパレータ26の酸化剤ガス流路50に酸化剤ガスが導入され、この酸化剤ガスが電解質膜・電極構造体22を構成するカソード側電極40に沿って移動する。
また、燃料ガスは、燃料ガス供給連通孔34aから第1セパレータ24の燃料ガス流路46に導入され、電解質膜・電極構造体22を構成するアノード側電極38に沿って移動する。従って、電解質膜・電極構造体22では、カソード側電極40に供給される酸化剤ガスと、アノード側電極38に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。
カソード側電極40に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出連通孔30bに沿って矢印A方向に排出される。同様に、アノード側電極38に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス排出連通孔34bに沿って矢印A方向に排出される。
さらに、冷却媒体供給機構60では、ポンプ64の駆動作用下に循環流路62を介して冷却媒体が冷却媒体供給連通孔32aに供給される(図1参照)。この冷却媒体は、第1及び第2セパレータ24、26間の冷却媒体流路48に導入された後、図2中、矢印B方向に沿って流動する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体22を冷却した後、冷却媒体排出連通孔32bから循環流路62に戻され、この循環流路62を介して、再度、冷却媒体供給連通孔32aに供給される。
その際、冷却媒体の温度が設定温度以上になると、サーモスタット68が作動する。従って、冷却媒体は、ラジエータ66に送られて強制的に冷却された後、冷却媒体供給連通孔32aに供給される。
ところで、燃料電池システム10を低温、例えば、氷点下の環境で始動させる際、冷却媒体供給機構60では、三方切換弁72を切り換えてポンプ64が始動暖機流路74に接続される。このため、冷却媒体排出連通孔32bと冷却媒体導入口35との間には、外部循環流路が構成される。また、ヒータ76が付勢されることにより、始動暖機流路74の冷却媒体が加温される。
次いで、図3に示すように、ポンプ64が駆動されると、ヒータ76により加温された冷却媒体が、始動暖機流路74を介して冷却媒体導入口35に供給される。冷却媒体導入口35に供給された冷却媒体は、冷却媒体流路48に導入されて、複数の突起部48b間に沿って移動しながら暖機を行い、冷却媒体排出連通孔32bに排出される。
その際、第1の実施形態では、冷却媒体導入口35が、酸化剤ガス排出連通孔30bの下方に設けられるとともに、この酸化剤ガス排出連通孔30bの上方には、冷却媒体排出連通孔32bが設けられている。従って、加温された冷却媒体は、酸化剤ガス排出連通孔30bの近傍に集中して流れるため、前記酸化剤ガス排出連通孔30bの近傍から温度が上昇する。このため、酸化剤ガス排出連通孔30bの近傍が発電の起点となり、生成水が速やかに前記酸化剤ガス排出連通孔30bに排出される。
これにより、特に氷点下起動時に、発電生成水による酸化剤ガス流路50の凍結閉塞を阻止することができ、極低温始動の暖機時における発電安定性が有効に向上する。しかも、酸化剤ガス排出連通孔30bの近傍に発電が集中するため、暖機が短時間で良好に行われるとともに、単セル14全体を暖機する場合に比べて暖機用熱量が大幅に削減される。従って、省エネを図りながら、各単セル14を迅速且つ確実に始動させることが可能になるという効果が得られる。
さらに、冷却媒体導入口35は、冷却媒体供給連通孔32aとは個別に設けられており、この冷却媒体供給連通孔32aに供給される冷却媒体全体を加温する必要がない。これにより、加温される冷却媒体を暖機に必要な供給量に設定することができ、外部熱源であるヒータ76による消費熱量が大幅に削減されて経済的である。
各単セル14は、加熱された冷却媒体及び該単セル14の発電に伴う自己発熱によって暖機される。そして、燃料電池スタック12の温度が所定温度以上に達した際に、三方切換弁72を切り換えてポンプ64が循環流路62に接続される一方、ヒータ76が滅勢される。該所定温度は、前述したサーモスタット68が作動して循環流路62がラジエータ66に切り換わる設定温度よりも低温に設定されることが好ましい。これにより、三方切換弁72を切り換えた際に、ヒータ76によって加熱されていない冷却媒体が燃料電池スタック12に導入されることによる急激な温度変化を防止することができる。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池システム80の概略構成説明図である。なお、第1の実施形態に係る燃料電池システム10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3及び第4の実施形態においても、同様にその詳細な説明は省略する。
燃料電池システム80は、燃料電池スタック12の外部に配設される冷却媒体供給機構82を備える。冷却媒体供給機構82は、循環流路62にサーモスタット68と冷却媒体供給連通孔32aとの間に、切換手段である三方切換弁84を介装する。三方切換弁84と冷却媒体導入口35とには、始動暖機流路86が接続されるとともに、前記始動暖機流路86には、ヒータ(加熱部)88が接続される。
このように構成される第2の実施形態では、燃料電池システム80の低温始動時に、冷却媒体供給機構82を構成する三方切換弁84が切り換えられ、ポンプ64が始動暖機流路86に接続される。従って、ポンプ64の駆動作用下に、冷却媒体排出連通孔32bから循環流路62に排出される冷却媒体は、バイパス流路70から三方切換弁84を介して始動暖機流路86に送られる。さらに、冷却媒体は、始動暖機流路86に配設されているヒータ88を介して加温された後、冷却媒体導入口35から冷却媒体流路48に導入される。
これにより、氷点下起動時に、発電生成水による酸化剤ガス流路50の凍結を阻止するとともに、各単セル14を迅速且つ確実に始動させることができる等、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
図5は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池システム90の概略構成説明図である。
燃料電池システム90は、燃料電池スタック12の外部に配設される冷却媒体供給機構92を備える。冷却媒体供給機構92では、冷却媒体排出連通孔32bとポンプ64との間に切換手段である三方切換弁94が配設される。この三方切換弁94と冷却媒体導入口35とは、始動暖機流路96を介して接続されるとともに、前記始動暖機流路96には、副ポンプ98とヒータ(加熱部)100とが接続される。
このように構成される第3の実施形態では、燃料電池システム90の低温始動時に、三方切換弁94が切り換えられて冷却媒体排出連通孔32bと冷却媒体導入口35とが、始動暖機流路96に接続される。そして、副ポンプ98が駆動されると、冷却媒体排出連通孔32bから排出される冷却媒体は、始動暖機流路96に送られ、ヒータ100を介して加温された後に冷却媒体導入口35から冷却媒体流路48に送られる。
従って、第3の実施形態では、氷点下起動が迅速且つ確実に遂行される等、第1及び第2の実施形態と同様の効果が得られる。しかも、ポンプ64に比べて消費電力が極めて小さな副ポンプ98を使用することができ、省エネ効果が一層確実に図られる。
図6は、本発明の第4の実施形態に係る燃料電池システムを構成する単セル110の分解斜視説明図である。なお、第1の実施形態に係る燃料電池システム10を構成する単セル14と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第5及び第6の実施形態においても、同様にその詳細な説明は省略する。
単セル110は、電解質膜・電極構造体22を挟持する第1及び第2セパレータ112、114を備える。第1セパレータ112の電解質膜・電極構造体22に向かう面112aには、複数の突起部116aが、例えば、エンボス加工により形成される一方、他方の面112bには、同様に複数の突起部116bが、例えば、エンボス加工により設けられる。面121aには、複数の突起部116aによって燃料ガス流路46が形成されるとともに、面112bには、複数の突起部116bによって冷却媒体流路48が形成される。
第2セパレータ114の電解質膜・電極構造体22に向かう面114aと他方の面114bとには、それぞれ複数の突起部118a、118bが、例えば、エンボス加工により突出形成される。複数の突起部118aを介して酸化剤ガス流路50が形成されるとともに、複数の突起部118bと第1セパレータ112の複数の突起部116bとを介して冷却媒体流路48が形成される。
このように構成される第4の実施形態では、低温始動時に、冷却媒体導入口35から冷却媒体流路48に供給される加温された冷却媒体は、複数の突起部116b、118b間に沿って移動し、冷却媒体排出連通孔32bに排出される。これにより、加温された冷却媒体は、酸化剤ガス排出連通孔30bの近傍に集中して流動し、前記酸化剤ガス排出連通孔30bの近傍を起点にして発電が開始される。
図7は、本発明の第5の実施形態に係る燃料電池システムを構成する単セル120の分解斜視説明図である。
単セル120は、電解質膜・電極構造体22を挟持する第1及び第2セパレータ122、124を備える。第1セパレータ122の電解質膜・電極構造体22に向かう面122aとは反対の面122bには、冷却媒体導入口35から冷却媒体排出連通孔32bに冷却媒体を案内するためのガイド用突起部126が複数形成される。各ガイド用突起部126は、楕円乃至長円状を有し、冷却媒体導入口35から冷却媒体排出連通孔32bに至る流路を構成している。
第2セパレータ124には、同様に冷却媒体流路48を形成する面に冷却媒体導入口35から冷却媒体排出連通孔32bに至る流路を形成するための複数のガイド用突起部128が形成される。
このように構成される第5の実施形態では、冷却媒体流路48にガイド用突起部126、128を介して冷却媒体導入口35から冷却媒体排出連通孔32bに至る加温された冷却媒体用の通路が形成されている。このため、低温始動時に、冷却媒体導入口35から冷却媒体流路48に供給される加温された冷却媒体は、ガイド用突起部126、128の案内作用下に、酸化剤ガス排出連通孔30bの近傍を通って冷却媒体排出連通孔32bに確実に流動する。従って、酸化剤ガス排出連通孔30bの近傍を起点にして確実な発電が開始されるという効果が得られる。
図8は、本発明の第6の実施形態に係る燃料電池システムを構成する単セル130の分解斜視説明図である。
単セル130は、電解質膜・電極構造体22を挟持する第1及び第2セパレータ132、134を備える。第1セパータ132の冷却媒体流路48を形成する面には、複数の突起部116bが形成されるとともに、冷却媒体導入口35から冷却媒体排出連通孔32bに至る流路を形成するための複数のガイド用突起部126が形成される。第2セパレータ134の冷却媒体流路48を形成する面には、複数の突起部118bが形成されるとともに、冷却媒体導入口35から冷却媒体排出連通孔32bに至る流路を形成するための複数のガイド用突起部128が形成される。
これにより、低温始動時に、冷却媒体導入口35に供給される加温された冷却媒体は、ガイド用突起部126、128を介して冷却媒体排出連通孔32bに円滑且つ確実に流動することができる。
本発明に係る燃料電池の起動方法に用いられる第1の実施形態の燃料電池システムの概略構成説明図である。 前記燃料電池を構成する単セルの分解斜視図である。 前記単セルを構成する第1セパレータの冷却媒体導入口に加温された冷却媒体が供給される際の動作説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池システムの概略構成説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池システムの概略構成説明図である。 本発明の第4の実施形態に係る燃料電池システムを構成する単セルの分解斜視説明図である。 本発明の第5の実施形態に係る燃料電池システムを構成する単セルの分解斜視説明図である。 本発明の第6の実施形態に係る燃料電池システムを構成する単セルの分解斜視説明図である。
符号の説明
10、80、90…燃料電池システム 12…燃料電池スタック
14、110、120、130…単セル 22…電解質膜・電極構造体
24、26、112、114、122、124、132、134…セパレータ
30a…酸化剤ガス供給連通孔 30b…酸化剤ガス排出連通孔
32a…冷却媒体供給連通孔 32b…冷却媒体排出連通孔
34a…燃料ガス供給連通孔 34b…燃料ガス排出連通孔
35…冷却媒体導入口 35a…ドレン孔
36…固体高分子電解質膜 38…アノード側電極
40…カソード側電極 46…燃料ガス流路
48…冷却媒体流路 46a、48a、50a…溝部
46b、48b、50b、116a、116b、118a、118b…突起部
50…酸化剤ガス流路 60、82、92…冷却媒体供給機構
62…循環流路 64、98…ポンプ
66…ラジエータ 68…サーモスタット
70…バイパス流路 72、84、94…三方切換弁
74、86、96…始動暖機流路 76、88、100…ヒータ
126、128…ガイド用突起部

Claims (5)

  1. 電解質膜を一対の電極間に配設した電解質膜・電極構造体と、セパレータとが積層され、積層方向に貫通して反応ガス供給連通孔、反応ガス排出連通孔、冷却媒体供給連通孔及び冷却媒体排出連通孔が形成されるとともに、前記冷却媒体供給連通孔と前記冷却媒体排出連通孔とに連通し前記電解質膜・電極構造体の面方向に沿って冷却媒体を供給する冷却媒体流路が形成され、前記冷却媒体流路は、複数の溝部と前記溝部の両側に位置する複数の突起部とを設ける燃料電池を起動させるための燃料電池の起動方法であって、
    前記冷却媒体供給連通孔及び前記冷却媒体排出連通孔とは個別に設けられる冷却媒体導入口から前記冷却媒体流路の一方の前記突起部に、加温された冷却媒体を供給し、さらに前記加温された冷却媒体を前記冷却媒体流路の一方の前記突起部から前記冷却媒体排出連通孔に排出することを特徴とする燃料電池の起動方法。
  2. 請求項1記載の起動方法において、前記セパレータの端縁部に、前記反応ガス排出連通孔である酸化剤ガス排出連通孔を挟んで、前記冷却媒体排出連通孔及び前記冷却媒体導入口が配設され、
    前記冷却媒体導入口から前記冷却媒体流路に供給される前記加温された冷却媒体が、前記冷却媒体流路の一方の前記突起部を通過して前記冷却媒体排出連通孔に排出されることを特徴とする燃料電池の起動方法。
  3. 電解質膜を一対の電極間に配設した電解質膜・電極構造体と、セパレータとが積層され、積層方向に貫通して反応ガス供給連通孔、反応ガス排出連通孔、冷却媒体供給連通孔及び冷却媒体排出連通孔が形成されるとともに、前記冷却媒体供給連通孔と前記冷却媒体排出連通孔とに連通し前記電解質膜・電極構造体の面方向に沿って冷却媒体を供給する冷却媒体流路が形成される燃料電池を備える燃料電池システムであって、
    前記冷却媒体供給連通孔及び前記冷却媒体排出連通孔とは個別に設けられ、前記冷却媒体流路に連通する冷却媒体導入口と、
    前記冷却媒体導入口から前記冷却媒体流路に供給されて前記冷却媒体排出連通孔に排出される冷却媒体を、前記燃料電池の外部で加温する加熱部と、
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項3記載の燃料電池システムにおいて、前記セパレータの端縁部には、前記反応ガス排出連通孔である酸化剤ガス排出連通孔と、
    前記酸化剤ガス排出連通孔を挟んで、前記冷却媒体排出連通孔及び前記冷却媒体導入口と、
    が配設されることを特徴とする燃料電池システム。
  5. 請求項3又は4記載の燃料電池システムにおいて、前記燃料電池の外部には、前記冷却媒体供給連通孔と前記冷却媒体排出連通孔とに連通する冷却媒体供給機構が配設されるとともに、
    前記冷却媒体供給機構は、主流路から切換手段を介して分岐し前記冷却媒体導入口に連通する始動暖機流路と、
    前記始動暖機流路に配設されて前記冷却媒体を加温する前記加熱部であるヒータと、
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
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