JP4397488B2 - オーバーサンプリング処理回路およびデジタル−アナログ変換器 - Google Patents
オーバーサンプリング処理回路およびデジタル−アナログ変換器 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、離散的に入力されるデータの間を補間処理するオーバーサンプリング処理回路およびこれを用いたデジタル−アナログ変換器に関する。なお、本明細書においては、関数の値が局所的な領域で0以外の有限の値を有し、それ以外の領域で0となる場合を「有限台」と称して説明を行うものとする。
【0002】
【従来の技術】
最近のデジタルオーディオ装置、例えばCD(コンパクトディスク)プレーヤ等においては、離散的な音楽データ(デジタルデータ)から連続的なアナログの音声信号を得るためにオーバーサンプリング技術を適用したD/A(デジタル−アナログ)変換器が用いられている。このようなD/A変換器は、入力されるデジタルデータの間を補間して擬似的にサンプリング周波数を上げるために一般にはデジタルフィルタが用いられており、各補間値をサンプルホールド回路によって保持して階段状の信号波形を生成した後にこれをローパスフィルタに通すことによって滑らかなアナログの音声信号を出力している。
【0003】
ところで、離散的なデジタルデータの間を補間する方法としては、WO99/38090に開示されたデータ補間方式が知られている。このデータ補間方式では、全域で1回だけ微分可能であって、補間位置を挟んで前後2個ずつ、合計4個の標本点のみを考慮すればよい標本化関数が用いられている。この標本化関数は、標本化周波数をfとしたときにsin(πft)/(πft)で定義されるsinc関数と異なり、有限台の値を有しているため、4個という少ないデジタルデータを用いて補間演算を行っても打ち切り誤差が生じないという利点がある。
【0004】
一般には、上述した標本化関数の波形データをFIR(finite impulse response )フィルタのタップ係数に設定したデジタルフィルタを用いることにより、オーバーサンプリングを行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したデジタルフィルタによって離散的なデジタルデータ間の補間演算を行うオーバーサンプリング技術を用いると、減衰特性がなだらかなローパスフィルタを用いることができるため、ローパスフィルタによる位相特性を直線位相特性に近づけることができるとともに標本化折返し雑音を低減することが可能になる。このような効果はオーバーサンプリングの周波数を上げれば上げるほど顕著になるが、サンプリング周波数を上げるとそれだけデジタルフィルタのタップ数が多くなるため、回路規模が大きくなるという問題があった。また、デジタルフィルタを構成する遅延回路や乗算器の処理速度も高速化されるため、高速化に適した高価な部品を使用する必要があり、部品コストの上昇を招くという問題があった。特に、デジタルフィルタを用いてオーバーサンプリング処理を行う場合には、標本化関数の具体的な値をタップ係数として用いることになるため、乗算器の構成が複雑になり、さらに部品コストの上昇を招くことになる。
【0006】
また、一般にはオーバーサンプリング処理回路の後段にローパスフィルタを接続することにより、デジタル−アナログ変換器を構成することができるが、上述した従来のオーバーサンプリング処理回路で生じていた各種の問題は、これを用いて構成したデジタル−アナログ変換器についても同様に生じていた。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、回路規模を小さくすることができ、部品コストを低減することができるオーバーサンプリング処理回路およびデジタル−アナログ変換器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明のオーバーサンプリング処理回路は、所定間隔で入力される複数のデジタルデータのそれぞれを順番に取り込んで縦続接続された複数のデータ保持手段によって保持し、それぞれに保持されたデジタルデータに対して、データ保持期間の前半と後半とで別々の乗数を用いた乗算処理を複数の乗算手段によって行う。そして、各乗算結果を加算手段によって足し合わせて得られるデジタルデータに対して複数回のデジタル積分を行うことにより、滑らかな曲線に沿って階段状に値が変化するデジタルデータを出力する。このように、順に入力される複数のデジタルデータのそれぞれに対応する各乗算結果を加算し、その後この加算結果をデジタル積分することにより、値が滑らかに変化する出力データが得られるため、オーバーサンプリングの周波数を高くする場合にデジタル積分の演算速度を速くするだけでよく、従来のように構成の複雑化を招くことがなく、構成の簡略化と部品コストの低減が可能になる。
【0009】
また、上述した複数の乗算手段による乗算処理に用いられる各乗数は、区分多項式によって構成された所定の標本化関数について、これらの区分多項式のそれぞれを複数回微分することにより得られる階段関数の各値に対応していることが望ましい。すなわち、反対にこのような階段関数を複数回積分することにより、所定の標本化関数に対応した波形を得ることができるため、標本化関数による畳み込み演算を、階段関数を合成することによって等価的に実現することが可能になる。したがって、処理内容を単純化することができ、オーバーサンプリング処理に必要な処理量の低減が可能になる。
【0010】
また、上述した階段関数は、正領域と負領域の面積が等しく設定されていることが望ましい。これにより、積分処理手段による積分結果が発散することを防止することができる。
【0011】
また、上述した標本化関数は、全域が1回だけ微分可能であって有限台の値を有することが望ましい。全域が1回だけ微分可能であれば充分に自然現象を近似できると考えられ、しかも微分回数を少なく設定することにより、積分処理手段によりデジタル積分を行う回数を少なくすることができるため、構成の簡略化が可能になる。
【0012】
また、上述した階段関数は、等間隔に配置された5つのデジタルデータに対応した所定範囲において、−1、+3、+5、−7、−7、+5、+3、−1の重み付けがなされた同じ幅の8つの区分領域からなっており、この8つの重み付け係数の2つずつを複数の乗算手段のそれぞれにおける乗数として設定することが望ましい。単純な重み付け係数を各乗算手段の乗数として用いることができるため、乗算処理の簡略化が可能になる。
【0013】
特に、複数の乗算手段のそれぞれにおいて行われる乗算処理は、ビットシフトによる2のべき乗倍の演算結果にデジタルデータ自身を加算することによって実現することが望ましい。乗算処理をビットシフト処理と加算処理に置き換えることができるため、処理内容を簡素化することによる構成の簡略化、処理の高速化が可能になる。
【0014】
また、デジタル積分が行われる回数は2回であり、積分処理手段から二次関数的に値が変化するデータを出力することが望ましい。複数の離散的なデータの間を滑らかに補間するためには、少なくとも二次関数的に値を変化させる必要があるが、これはデジタル積分の回数を2回に設定するだけで実現することができるため、積分処理手段の構成を簡略化することができる。
【0015】
また、積分処理手段によって行われるデジタル積分は、入力データを累積する演算処理であり、この演算処理をデータ保持手段にデジタルデータが入力される1周期内でn回繰り返し行うことが望ましい。このようにデータを累積する動作は、保持データに対して入力データを加算するだけで実現することができるため、積分処理手段の構成の簡略化が可能であり、しかもこの演算処理の繰り返し速度を高速化することは容易であるため、構成の複雑化、部品コストの上昇をほとんど伴わずに、オーバーサンプリングの倍数nの値を大きく設定することができる。
【0016】
また、上述したオーバーサンプリング処理回路の後段に、電圧発生手段と平滑手段を備えるだけでデジタル−アナログ変換器を構成することができる。したがって、本発明のデジタル−アナログ変換器は、構成の簡略化と部品コストの低減が可能となる。また、上述したオーバーサンプリング処理回路は、構成の複雑化、部品コストの上昇をほとんど伴わずに容易にオーバーサンプリング周波数を高く設定することができることから、これを用いたデジタル−アナログ変換器の出力波形の歪みを低減することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した一実施形態のオーバーサンプリング処理回路について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態のオーバーサンプリング処理回路における補間演算に用いられる標本化関数の説明図である。この標本化関数H(t)は、WO99/38090に開示されたものであり、以下の式で表される。
【0018】
(−t2 −4t−4)/4 ;−2≦t<−3/2
(3t2 +8t+5)/4 ;−3/2≦t<−1
(5t2 +12t+7)/4 ;−1≦t<−1/2
(−7t2 +4)/4 ;−1/2≦t<0
(−7t2 +4)/4 ;0≦t<1/2
(5t2 −12t+7)/4 ;1/2≦t<1
(3t2 −8t+5)/4 ;1≦t<3/2
(−t2 +4t−4)/4 ;3/2≦t≦2 …(1)
ここで、t=0、±1、±2が標本位置を示している。図1に示される標本化関数H(t)は、全域において1回だけ微分可能であって、しかも標本位置t=±2において0に収束する有限台の関数であり、この標本化関数H(t)を用いて各標本値に基づく重ね合わせを行うことにより、標本値の間を1回だけ微分可能な関数を用いて補間することができる。
【0019】
図2は、標本値とその間の補間値との関係を示す図である。図2に示すように、4つの標本位置をt1、t2、t3、t4とし、それぞれの間隔を1とする。標本位置t2とt3の間の補間位置t0に対応する補間値yは、
y=Y(t1)・H(1+a)+Y(t2)・H(a)
+Y(t3)・H(1−a)+Y(t4)・H(2−a) …(2)
となる。ここで、Y(t)は標本位置tにおける各標本値を示している。また、1+a、a、1−a、2−aのそれぞれは、補間位置t0と各標本位置t1〜t4間での距離である。
【0020】
ところで、上述したように、原理的には各標本値に対応させて標本化関数H(t)の値を計算して畳み込み演算を行うことにより、各標本値の間の補間値を求めることができるが、図1に示した標本化関数は全域で1回だけ微分可能な二次の区分多項式であり、この特徴を利用して、等価的な他の処理手順によって補間値を求めることができる。
【0021】
図3は、図1に示した標本化関数を1回微分した波形を示す図である。図1に示した標本化関数H(t)は、全域で1回微分可能な二次の区分多項式であるため、これを1回微分することにより、図3に示すような連続的な折れ線状の波形からなる折れ線関数を得ることができる。
【0022】
また、図4は図3に示した折れ線関数をさらに微分した波形を示す図である。但し、折れ線波形には複数の角点が含まれており、全域で微分することはできないため、隣接する2つの角点に挟まれた直線部分について微分を行うものとする。図3に示す折れ線波形を微分することにより、図4に示すような階段状の波形からなる階段関数を得ることができる。
【0023】
このように、上述した標本化関数H(t)は、全域を1回微分して折れ線関数が得られ、この折れ線関数の各直線部分をさらに微分することにより階段関数が得られる。したがって、反対に図4に示した階段関数を発生させ、これを2回積分することにより、図1に示した標本化関数H(t)を得ることができる。
【0024】
なお、図4に示した階段関数は正領域と負領域とが等しい面積を有しており、これらを合計した値が0となる特徴を有している。換言すれば、このような特徴を有する階段関数を複数回積分することにより、図1に示したような全域における微分可能性が保証された有限台の標本化関数を得ることができる。
【0025】
ところで、(2)式に示した畳み込み演算による補間値の算出では、標本化関数H(t)の値に各標本値を乗算したが、図4に示した階段関数を2回積分して標本化関数H(t)を求める場合には、この積分処理によって得られた標本化関数の値に各標本値を乗算する場合の他に、等価的には、積分処理前の階段関数を発生させる際に、各標本値が乗算された階段関数を発生させ、この階段関数を用いて畳み込み演算を行った結果に対して2回の積分処理を行って補間値を求めることができる。本実施形態のオーバーサンプリング処理回路は、このようにして補間値を求めており、次にその詳細を説明する。
【0026】
図5は、本実施形態のオーバーサンプリング処理回路の構成を示す図である。同図に示すオーバーサンプリング処理回路は、4つのD型フリップフロップ(D−FF)10−1、10−2、10−3、10−4、4つの乗算器12−1、12−2、12−3、12−4、3つの加算器(ADD)14−1、14−2、14−3、2つの積分回路16−1、16−2を含んで構成されている。
【0027】
縦続接続された4段のD型フリップフロップ10−1〜10−4は、クロック信号CLKに同期したデータの保持動作を行っており、初段のD型フリップフロップ10−1に入力されるデジタルデータを順番に取り込んでその値を保持する。例えば、データD1 、D2 、D3 、D4 、…が順番に初段のD型フリップフロップ10−1に入力された場合を考えると、初段のD型フリップフロップ10−1に4番目の入力データD4 が保持されるタイミングで、2段目、3段目、4段目のD型フリップフロップ10−2、10−3、10−4のそれぞれには、3番目、2番目、1番目の入力データD3 、D2 、D1 がそれぞれ保持される。
【0028】
また、4つの乗算器12−1〜12−4のそれぞれは、2種類の乗数を有しており、クロック信号CLKの各周期の前半と後半で別々の乗算処理を行う。例えば、乗算器12−1は、クロック信号CLKの各周期の前半部分において乗数「−1」の乗算処理を行い、後半部分において乗数「+3」の乗算処理を行う。乗算器12−2は、クロック信号CLKの各周期の前半部分において乗数「+5」の乗算処理を行い、後半部分において乗数「−7」の乗算処理を行う。乗算器12−3は、クロック信号CLKの各周期の前半部分において乗数「−7」の乗算処理を行い、後半部分において乗数「+5」の乗算処理を行う。乗算器12−4は、クロック信号CLKの各周期の前半部分において乗数「+3」の乗算処理を行い、後半部分において乗数「−1」の乗算処理を行う。
【0029】
ところで、図4に示した階段関数の各値は、上述した(1)式の各区分多項式を2回微分することにより得ることができ、以下のようになる。
【0030】
−1 ;−2≦t<−3/2
+3 ;−3/2≦t<−1
+5 ;−1≦t<−1/2
−7 ;−1/2≦t<0
−7 ;0≦t<1/2
+5 ;1/2≦t<1
+3 ;1≦t<3/2
−1 ;3/2≦t≦2
標本位置tが−2から−1までの区間に着目すると、階段関数の値は、前半部分が「−1」、後半部分が「+3」であり、これらの値が乗算器12−1の乗数に対応している。同様に、標本位置tが−1から0までの区間に着目すると、階段関数の値は、前半部分が「+5」、後半部分が「−7」であり、これらの値が乗算器12−2の乗数に対応している。標本位置tが0から+1までの区間に着目すると、階段関数の値は、前半部分が「−7」、後半部分が「+5」であり、これらの値が乗算器12−3の乗数に対応している。標本位置tが+1から+2までの区間に着目すると、階段関数の値は、前半部分が「+3」、後半部分が「−1」であり、これらの値が乗算器12−4の乗数に対応している。
【0031】
3つの加算器14−1〜14−3のそれぞれは、上述した4つの乗算器12−1〜12−4の各乗算結果を足し合わせるためのものである。加算器14−1は、2つの乗算器12−1と12−2の各乗算結果を加算する。また、加算器14−2は、乗算器12−3の乗算結果と加算器14−1の加算結果とを加算する。さらに、加算器14−3は、乗算器12−4の乗算結果と加算器14−2の加算結果とを加算する。これら3つの加算器14−1〜14−3を用いることにより、4つの乗算器12−1〜12−4の各乗算結果が足し合わされるが、上述したように各乗算器12−1〜12−4ではクロック信号CLKの各周期の前半部分と後半部分とで異なる乗数を用いた乗算処理が行われるため、これらの乗算結果が足し合わされた加算器14−3の出力値も、クロック信号CLKの各周期の前半部分と後半部分とで異なる値を有する階段状のデジタルデータとなる。
【0032】
なお、本実施形態では3つの加算器14−1〜14−3を用いて4つの乗算器12−1〜12−4による4つの乗算結果を加算しているが、入力端子数が3以上の加算器を用いることにより、加算器の使用個数を減らすようにしてもよい。
【0033】
縦続接続された2つの積分回路16−1、16−2は、加算器14−3から出力されるデータに対して2回の積分演算を行う。前段の積分回路16−1からは直線状(一次関数的)に変化するデータが出力され、後段の積分回路16−2からは二次関数的に変化するデータが出力される。
【0034】
図6は、積分回路16−1、16−2の詳細な構成を示す図である。前段の積分回路16−1は、2つのD型フリップフロップ(D−FF)161a、161cと加算器(ADD)161bを含んで構成されている。加算器161bは、2つの入力端子を有しており、一方の入力端子には加算器14−3から出力されて一旦D型フリップフロップ161aに保持されたデータが入力され、他方の入力端子には加算器161b自身から出力されたデータを一旦D型フリップフロップ161cに保持したデータが入力される。また、各フリップフロップ161a、161cは、積分演算用のクロック信号CLK2に同期したデータの保持動作を行っている。このクロック信号CLK2がオーバーサンプリング周波数に対応しており、D型フリップフロップ10−1〜10−4や乗算器12−1〜12−4に入力されているクロック信号CLKのn倍の周波数に設定されている。したがって、このような構成を有する積分回路16−1に加算器14−3から出力されるデータが入力されると、クロック信号CLK2に同期してこの入力データを累積するデジタル積分演算が行われる。
【0035】
後段の積分回路16−2は、上述した前段の積分回路16−1と基本的に同じ構成を有しており、2つのD型フリップフロップ(D−FF)162a、162cと加算器(ADD)162bを含んで構成されている。したがって、このような構成を有する積分回路16−2に前段の積分回路16−1から出力されるデータが入力されると、クロック信号CLK2に同期してこの入力データを累積するデジタル積分演算が行われる。
【0036】
このようにして、複数のデジタルデータが一定間隔で初段のD型フリップフロップ10−1に入力されると、後段の積分回路16−2からは、各デジタルデータの間を補間する複数のデジタルデータが得られる。
【0037】
上述したD型フリップフロップ10−1〜10−4が複数のデータ保持手段に、乗算器12−1〜12−4が複数の乗算手段に、加算器14−1〜14−3が加算手段に、積分回路16−1および16−2が積分処理手段にそれぞれ対応している。
【0038】
図7は、本実施形態のオーバーサンプリング処理回路の動作タイミングを示す図である。図7(A)に示すクロック信号CLKの各周期の立ち上がりに同期して、初段のD型フリップフロップ10−1にデータD1 、D2 、D3 、D4 、…が順に入力される。図7(B)〜(E)はD型フリップフロップ10−1〜10−4のそれぞれにおけるデータの保持内容を示している。以下の説明では、例えば初段のD型フリップフロップ10−1に4番目の入力データD4 が保持される1クロック分のタイミングに着目するものとする。
【0039】
初段のD型フリップフロップ10−1に4番目の入力データD4 が保持されるタイミングでは、2段目のD型フリップフロップ10−2に3番目の入力データD3 が、3段目のD型フリップフロップ10−3に2番目の入力データD2 が、4段目のD型フリップフロップ10−4に最初の入力データD1 がそれぞれ保持される。
【0040】
また、乗算器12−1は、初段のD型フリップフロップ10−1に保持されているデータD4 が入力されており、1クロック周期の前半部分においてこの入力データD4 を−1倍した乗算結果「−D4 」を、後半部分においてこの入力データD4 を+3倍した乗算結果「+3D4 」をそれぞれ出力する(図7(F))。同様に、乗算器12−2は、2段目のD型フリップフロップ10−2に保持されているデータD3 が入力されており、1クロック周期の前半部分においてこの入力データD3 を+5倍した乗算結果「+5D3 」を、後半部分においてこの入力データD3 を−7倍した乗算結果「−7D3 」をそれぞれ出力する(図7(G))。乗算器12−3は、3段目のD型フリップフロップ10−3に保持されているデータD2 が入力されており、1クロック周期の前半部分においてこの入力データD2 を−7倍した乗算結果「−7D2 」を、後半部分においてこの入力データD2 を+5倍した乗算結果「+5D2 」をそれぞれ出力する(図7(H))。乗算器12−4は、4段目のD型フリップフロップ10−4に保持されているデータD1 が入力されており、1クロック周期の前半部分においてこの入力データD1 を+3倍した乗算結果「+3D1 」を、後半部分においてこの入力データD1 を−1倍した乗算結果「−D1 」をそれぞれ出力する(図7(I))。
【0041】
3つの加算器14−1〜14−3は、このようにして4つの乗算器12−1〜12−4のそれぞれにおいて行われた4つの乗算結果を足し合わせる。したがって、1クロック周期の前半部分においては、加算器14−3からは、4つの乗算器12−1〜12−4のそれぞれにおいて1クロック周期の前半部分で行われる各乗算結果を足し合わせた加算結果(−D4 +5D3 −7D2 +3D1 )が出力される。また、1クロック周期の後半部分においては、加算器14−3からは、4つの乗算器12−1〜12−4のそれぞれにおいて1クロック周期の後半部分で行われる各乗算結果を足し合わせた加算結果(3D4 −7D3 +5D2 −D1 )が出力される。
【0042】
このようにして加算器14−3から順に階段状の加算結果が出力されると(図7(J))、前段の積分回路16−1は、この波形を積分して折れ線状に値が変化する複数のデータを出力する(図7(K))。また、後段の積分回路16−2は、この折れ線状に値が変化するデータをさらに積分して、デジタルデータD2 とD3 の間で、1回だけ微分可能な滑らかな曲線に沿って値が変化する複数のデータを出力する(図7(L))。
【0043】
図8は、2つの積分回路16−1、16−2から出力されるデータの詳細を示す図である。例えば、各積分回路16−1、16−2に入力される積分演算用のクロック信号CLK2の周波数が、入力データのサンプリング周波数(クロック信号CLKの周波数)の20倍に設定されている。図8(A)に示すように、前段の積分回路16−1から出力される複数のデータは、一次関数的に値が変化する。また、図8(B)に示すように、後段の積分回路16−2から出力される複数のデータは、二次関数的に値が変化する。
【0044】
なお、図6に構成を示した各積分回路16−1、16−2においては、それぞれに入力されるデータを単に累積することによりデジタル積分を行っているため、それぞれから出力されるデータの値がオーバーサンプリングの倍数に応じて大きくなってしまうため、入出力データの値を一致させるためには、各積分回路16−1、16−2のそれぞれの出力段に除算回路を設けるようにすればよい。例えば、図8に示した例では、入力データに対して出力データの値が20倍になるため、除数が「20」の除算回路を各積分回路16−1、16−2内の最後部に設ければよい。但し、オーバーサンプリングの倍数を2のべき乗倍(例えば2、4、8、16、…)に設定した場合には、各積分回路16−1、16−2の出力データを下位ビット側にビットシフトすることにより、出力データに対する除算処理が可能になるため、上述した除算回路を省略することができる。例えば、オーバーサンプリングの倍数を「16」とした場合には、各積分回路16−1、16−2の出力データを下位ビット側に5ビット分シフトすればよいため、それぞれの回路の出力端側の結線をあらかじめ5ビット分ずらしておけばよい。
【0045】
このように、本実施形態のオーバーサンプリング処理回路は、入力されるデジタルデータを縦続接続された4つのD型フリップフロップ10−1〜10−4に順に保持し、それぞれに1対1に対応する4つの乗算器12−1〜12−4のそれぞれにおいて、データの保持期間である1クロック周期の前半部分と後半部分において異なる乗算処理を行った後に、加算器14−1〜14−3によって各乗算結果を加算している。そして、加算器14−3の出力データに対して2つの積分回路16−1、16−2によって2回のデジタル積分処理を行うことにより、入力された各デジタルデータに対して擬似的にn倍にサンプリング周波数を上げるオーバーサンプリング処理を行うことができる。
【0046】
特に、本実施形態のオーバーサンプリング処理回路では、オーバーサンプリングの周波数を入力データのサンプリング周波数の何倍に設定するかは、2つの積分回路16−1、16−2に入力するクロック信号CLK2の周波数のみに依存する。すなわち、これら2つの積分回路16−1、16−2のみを高速の部品を用いて構成するだけで、オーバーサンプリングの倍数を大きく設定することができる。したがって、デジタルフィルタを用いてオーバーサンプリング処理を行う従来方法と異なり、オーバーサンプリングの周波数を上げた場合であっても回路規模が大きくなるということはなく、部品コストの上昇も最小限に抑えることができる。また、4つの乗算器12−1〜12−4の乗数を整数値とすることにより、演算内容が簡素化されるため、これらの乗算器の構成も単純になり、さらに部品コストを下げることができる。
【0047】
また、例えば、サンプリング周波数のn倍(例えば1024倍)の擬似的な周波数を得るためにオーバーサンプリング処理を行う場合を考えると、従来では、各部品の動作速度もこの擬似的な周波数と同じにする必要があったが、本実施形態のオーバーサンプリング処理回路では、2つの積分回路を除くとサンプリング周波数の2倍の周波数で各乗算器や各加算器を動作させる必要があるだけであり、各部品の動作速度を大幅に下げることができる。
【0048】
次に、本実施形態のオーバーサンプリング処理回路の各部品の詳細な構成例について説明する。図9〜図12は、4つの乗算器12−1〜12−4のそれぞれの構成を示す図である。
【0049】
乗算器12−1は、図9に示すように、乗数値が固定の2つの乗算器121a、121bとセレクタ121cによって構成されている。一方の乗算器121aは乗数「−1」の乗算処理を行い、他方の乗算器121bは乗数「+3」の乗算処理を行う。セレクタ121cは、2つの乗算器121a、121bのそれぞれの乗算結果が入力されており、制御端子Sに入力されるクロック信号CLKがハイレベルのとき、すなわち1クロック周期の前半部分において、一方の乗算器121aによる−1倍の乗算結果を出力し、反対に制御端子Sに入力されるクロック信号CLKがローレベルのとき、すなわち1クロック周期の後半部分において、他方の乗算器121bによる+3倍の乗算結果を出力する。
【0050】
同様に、乗算器12−2は、図10に示すように、乗数値が固定の2つの乗算器122a、122bとセレクタ122cによって構成されている。一方の乗算器122aは乗数「+5」の乗算処理を行い、他方の乗算器122bは乗数「−7」の乗算処理を行う。セレクタ122cは、2つの乗算器122a、122bのそれぞれの乗算結果が入力されており、制御端子Sに入力されるクロック信号CLKがハイレベルのとき(1クロック周期の前半部分)に、一方の乗算器122aによる+5倍の乗算結果を出力し、反対に制御端子Sに入力されるクロック信号CLKがローレベルのとき(1クロック周期の後半部分)に、他方の乗算器122bによる−7倍の乗算結果を出力する。
【0051】
乗算器12−3は、図11に示すように、乗数値が固定の2つの乗算器123a、123bとセレクタ123cによって構成されている。一方の乗算器123aは乗数「−7」の乗算処理を行い、他方の乗算器123bは乗数「+5」の乗算処理を行う。セレクタ123cは、2つの乗算器123a、123bのそれぞれの乗算結果が入力されており、制御端子Sに入力されるクロック信号CLKがハイレベルのとき(1クロック周期の前半部分)に、一方の乗算器123aによる−7倍の乗算結果を出力し、反対に制御端子Sに入力されるクロック信号CLKがローレベルのとき(1クロック周期の後半部分)に、他方の乗算器123bによる+5倍の乗算結果を出力する。
【0052】
乗算器12−4は、図12に示すように、乗数値が固定の2つの乗算器124a、124bとセレクタ124cによって構成されている。一方の乗算器124aは乗数「+3」の乗算処理を行い、他方の乗算器124bは乗数「−1」の乗算処理を行う。セレクタ124cは、2つの乗算器124a、124bのそれぞれの乗算結果が入力されており、制御端子Sに入力されるクロック信号CLKがハイレベルのとき(1クロック周期の前半部分)に、一方の乗算器124aによる+3倍の乗算結果を出力し、反対に制御端子Sに入力されるクロック信号CLKがローレベルのとき(1クロック周期の後半部分)に、他方の乗算器124bによる−1倍の乗算結果を出力する。
【0053】
このようにして、それぞれの乗算器において、1クロック周期の前半部分と後半部分において異なる乗数を用いた乗算処理が実現される。
【0054】
ところで、上述した4つの乗算器12−1〜12−4には、4種類の乗算値−1、+3、+5、−7が用いられている。各乗算値から1を減じると、−2、+2、+4、−8となって、2のべき乗の数になることから、これらの数を乗数とする乗算処理を単純なビットシフトで実現することができる。本実施形態の各乗算器の乗数がこのような特殊な値を有することに着目して、各乗算器の構成を簡略化することができる。
【0055】
図13〜図16は、簡略化した4つの乗算器12−1〜12−4の構成を示す図である。
【0056】
乗算器12−1は、図13に示すように、反転出力端子を有するトライステートバッファ121dと、非反転出力端子を有するトライステートバッファ121eと、2つの入力端子およびキャリー端子Cを有する加算器(ADD)121fとを含んで構成されている。
【0057】
一方のトライステートバッファ121dは、制御端子に入力されるクロック信号CLKがハイレベルのとき(1クロック周期の前半部分)に、入力データを1ビット分上位ビット側にシフトするとともに、そのシフトしたデータの各ビットを反転して出力することにより、結果的に−2倍の乗算処理を行う。実際には各ビットを反転した後に1を加えて補数を求めることにより、−2倍の乗算処理を行うことができるが、この1を加える処理は、後段の加算器121fにおいて行っている。
【0058】
また、他方のトライステートバッファ121eは、制御端子に反転入力されるクロック信号がローレベルのとき(1クロック周期の後半部分)に、入力データを1ビット分上位ビット側にシフトして出力することにより、2倍の乗算処理を行う。
【0059】
加算器121fは、2つのトライステートバッファ121d、121eのいずれかから出力される乗算結果に、乗算前の入力データ(D型フリップフロップ10−1から出力されたデータ)を加算するとともに、キャリー端子Cに入力されるクロック信号CLKがハイレベルにあるとき(1クロック周期の前半部分)にはキャリーに相当する1をさらに加算する。上述したように、このキャリーに相当する1の加算は、トライステートバッファ121dを用いて補数を求めるために行われるものである。
【0060】
上述した構成を有する乗算器12−1において、1クロック周期の前半部分には、一方のトライステートバッファ121dのみの動作が有効になるため、加算器121fは、入力データDを−2倍した乗算結果(−2D)に入力データDそのものを足し合わせた結果(−2D+D=−D)を出力する。また、1クロック周期の後半部分には、他方のトライステートバッファ121eのみの動作が有効になるため、加算器121fは、入力データDを+2倍した乗算結果(+2D)に入力データDそのものを足し合わせた結果(+2D+D=+3D)を出力する。
【0061】
このように、ビットシフトによる2のべき乗の乗算処理と加算処理とを組み合わせて−1倍と+3倍の乗算処理を行うことにより、乗算器12−1をトライステートバッファと加算器のみによって構成することができ、構成の簡略化が可能となる。特に、2つのトライステートバッファの各出力を選択的に使用しているため、これらの各出力端子をワイヤードオア接続することができ、さらに構成の簡略化が可能になる。
【0062】
また、乗算器12−2は、図14に示すように、非反転出力端子を有するトライステートバッファ122dと、反転出力端子を有するトライステートバッファ122eと、2つの入力端子およびキャリー端子Cを有する加算器(ADD)122fとを含んで構成されている。
【0063】
一方のトライステートバッファ122dは、制御端子に入力されるクロック信号CLKがハイレベルのとき(1クロック周期の前半部分)に、入力データを2ビット分上位ビット側にシフトして出力することにより、+4倍の乗算処理を行う。
【0064】
また、他方のトライステートバッファ122eは、制御端子に反転入力されるクロック信号がローレベルのとき(1クロック周期の後半部分)に、入力データを3ビット分上位ビット側にシフトして出力するとともに、そのシフトしたデータの各ビットを反転して出力することにより、結果的に−8倍の乗算処理を行う。実際には各ビットを反転した後に1を加えて補数を求めることにより、−8倍の乗算処理を行うことができるが、この1を加える処理は、後段の加算器122fにおいて行っている。
【0065】
加算器122fは、2つのトライステートバッファ122d、122eのいずれかから出力される乗算結果に、乗算前の入力データを加算するとともに、キャリー端子Cに反転入力されるクロック信号CLKがローレベルにあるとき(1クロック周期の後半部分)にはキャリーに相当する1をさらに加算する。上述したように、このキャリーに相当する1の加算は、トライステートバッファ122eを用いて補数を求めるために行われるものである。
【0066】
上述した構成を有する乗算器12−2において、1クロック周期の前半部分には、一方のトライステートバッファ122dのみの動作が有効になるため、加算器122fは、入力データDを+4倍した乗算結果(+4D)に入力データDそのものを足し合わせた結果(+4D+D=+5D)を出力する。また、1クロック周期の後半部分には、他方のトライステートバッファ122eのみの動作が有効になるため、加算器122fは、入力データDを−8倍した乗算結果(−8D)に入力データDそのものを足し合わせた結果(−8D+D=−7D)を出力する。
【0067】
このように、ビットシフトによる2のべき乗の乗算処理と加算処理とを組み合わせて+5倍と−7倍の乗算処理を行うことにより、乗算器12−2をトライステートバッファと加算器のみによって構成することができ、構成の簡略化が可能となる。
【0068】
また、乗算器12−3は、図15に示すように、反転出力端子を有するトライステートバッファ123dと、非反転出力端子を有するトライステートバッファ123eと、2つの入力端子およびキャリー端子Cを有する加算器(ADD)123fとを含んで構成されている。
【0069】
一方のトライステートバッファ123dは、制御端子に反転入力されるクロック信号がハイレベルのとき(1クロック周期の前半部分)に、入力データを3ビット分上位ビット側にシフトして出力するとともに、そのシフトしたデータの各ビットを反転して出力することにより、結果的に−8倍の乗算処理を行う。実際には各ビットを反転した後に1を加えて補数を求めることにより、−8倍の乗算処理を行うことができるが、この1を加える処理は、後段の加算器123fにおいて行っている。
【0070】
また、他方のトライステートバッファ123eは、制御端子に反転入力されるクロック信号CLKがローレベルのとき(1クロック周期の後半部分)に、入力データを2ビット分上位ビット側にシフトして出力することにより、+4倍の乗算処理を行う。
【0071】
加算器123fは、2つのトライステートバッファ123d、123eのいずれかから出力される乗算結果に、乗算前の入力データを加算するとともに、キャリー端子Cに入力されるクロック信号CLKがハイレベルにあるとき(1クロック周期の前半部分)にはキャリーに相当する1をさらに加算する。上述したように、このキャリーに相当する1の加算は、トライステートバッファ123eを用いて補数を求めるために行われるものである。
【0072】
上述した構成を有する乗算器12−3において、1クロック周期の前半部分には、一方のトライステートバッファ123dのみの動作が有効になるため、加算器123fは、入力データDを−8倍した乗算結果(−8D)に入力データDそのものを足し合わせた結果(−8D+D=−7D)を出力する。また、1クロック周期の後半部分には、他方のトライステートバッファ123eのみの動作が有効になるため、加算器123fは、入力データDを+4倍した乗算結果(+4D)に入力データDそのものを足し合わせた結果(+4D+D=+5D)を出力する。
【0073】
このように、ビットシフトによる2のべき乗の乗算処理と加算処理とを組み合わせて−7倍と+5倍の乗算処理を行うことにより、乗算器12−3をトライステートバッファと加算器のみによって構成することができ、構成の簡略化が可能となる。
【0074】
また、乗算器12−4は、図16に示すように、非反転出力端子を有するトライステートバッファ124dと、反転出力端子を有するトライステートバッファ124eと、2つの入力端子およびキャリー端子Cを有する加算器(ADD)124fとを含んで構成されている。
【0075】
一方のトライステートバッファ124dは、制御端子に入力されるクロック信号がハイレベルのとき(1クロック周期の前半部分)に、入力データを1ビット分上位ビット側にシフトして出力することにより、2倍の乗算処理を行う。
【0076】
また、他方のトライステートバッファ124eは、制御端子に反転入力されるクロック信号CLKがローレベルのとき(1クロック周期の後半部分)に、入力データを1ビット分上位ビット側にシフトするとともに、そのシフトしたデータの各ビットを反転して出力することにより、結果的に−2倍の乗算処理を行う。実際には各ビットを反転した後に1を加えて補数を求めることにより、−2倍の乗算処理を行うことができるが、この1を加える処理は、後段の加算器124fにおいて行っている。
【0077】
加算器124fは、2つのトライステートバッファ124d、124eのいずれかから出力される乗算結果に、乗算前の入力データを加算するとともに、キャリー端子Cに反転入力されるクロック信号CLKがローレベルにあるとき(1クロック周期の後半部分)にはキャリーに相当する1をさらに加算する。上述したように、このキャリーに相当する1の加算は、トライステートバッファ124eを用いて補数を求めるために行われるものである。
【0078】
上述した構成を有する乗算器12−4において、1クロック周期の前半部分には、一方のトライステートバッファ124dのみの動作が有効になるため、加算器124fは、入力データDを+2倍した乗算結果(+2D)に入力データDそのものを足し合わせた結果(+2D+D=+3D)を出力する。また、1クロック周期の後半部分には、他方のトライステートバッファ124eのみの動作が有効になるため、加算器124fは、入力データDを−2倍した乗算結果(−2D)に入力データDそのものを足し合わせた結果(−2D+D=−D)を出力する。
【0079】
このように、ビットシフトによる2のべき乗の乗算処理と加算処理とを組み合わせて+3倍と−1倍の乗算処理を行うことにより、乗算器12−4をトライステートバッファと加算器のみによって構成することができ、構成の簡略化が可能となる。
【0080】
ところで、上述したオーバーサンプリング処理回路の後段にローパスフィルタ等を追加することにより、少ない部品でD/A変換器を構成することができる。図17は、D/A変換器の構成を示す図である。このD/A変換器は、図5に示したオーバーサンプリング処理回路の後段に、D/A変換器18とローパスフィルタ(LPF)20を追加した構成を有している。
【0081】
D/A変換器18は、後段の積分回路16−2から出力される階段状のデジタルデータに対応するアナログ電圧を発生する。このD/A変換器18は、入力されるデジタルデータの値に比例した一定のアナログ電圧を発生するため、D/A変換器18の出力端に現れる電圧値も階段状に変化する。ローパスフィルタ20は、D/A変換器18の出力電圧を平滑化して、滑らかに変化するアナログ信号を出力する。
【0082】
図17に示したD/A変換器は、図5に示したオーバーサンプリング処理回路を用いていることから、構成の簡略化、部品コストの低減が可能となる。特に、オーバーサンプリングの周波数を高くして歪みの少ない出力波形を得るようにした場合であっても、構成の複雑化を伴うことなく、コストの低減を実現することができる。
【0083】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、標本化関数を全域で1回だけ微分可能な有限台の関数としたが、微分可能回数を2回以上に設定してもよい。この場合には、微分可能回数に一致させた数の積分回路を備えるようにすればよい。
【0084】
また、図1に示すように、本実施形態の標本化関数は、t=±2で0に収束するようにしたが、t=±3以上で0に収束するようにしてもよい。例えば、t=±3で0に収束するようにした場合には、図5に示したオーバーサンプリング処理回路に含まれるD型フリップフロップや乗算器のそれぞれの数を6とし、6個のデジタルデータを対象に補間処理を行うようにすればよい。
【0085】
また、必ずしも有限台の標本化関数を用いて補間処理を行う場合に限らず、−∞〜+∞の範囲において所定の値を有する有限回微分可能な標本化関数を用い、有限の標本位置に対応する複数個のデジタルデータのみを補間処理の対象とするようにしてもよい。例えば、このような標本化関数が二次の区分多項式で定義されているものとすると、各区分多項式を2回微分することにより所定の階段関数波形を得ることができるため、この階段関数波形に対応した各乗数で乗算器を動作させればよい。
【0086】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、順に入力される複数のデジタルデータのそれぞれに対応する各乗算結果を加算し、その後この加算結果をデジタル積分することにより、値が滑らかに変化する出力データが得られるため、オーバーサンプリングの周波数を高くする場合にデジタル積分の演算速度を速くするだけでよく、従来のように構成の複雑化を招くことがなく、構成の簡略化と部品コストの低減が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のオーバーサンプリング処理回路における補間演算に用いられる標本化関数の説明図である。
【図2】標本値とその間の補間値との関係を示す図である。
【図3】図1に示した標本化関数を1回微分した波形を示す図である。
【図4】図3に示した折れ線関数をさらに微分した波形を示す図である。
【図5】本実施形態のオーバーサンプリング処理回路の構成を示す図である。
【図6】図5に示したオーバーサンプリング処理回路に含まれる積分回路の詳細な構成を示す図である。
【図7】本実施形態のオーバーサンプリング処理回路の動作タイミングを示す図である。
【図8】積分回路から出力されるデータの詳細を示す図である。
【図9】乗算器の詳細な構成を示す図である。
【図10】乗算器の詳細な構成を示す図である。
【図11】乗算器の詳細な構成を示す図である。
【図12】乗算器の詳細な構成を示す図である。
【図13】乗算器の詳細な構成を示す図である。
【図14】乗算器の詳細な構成を示す図である。
【図15】乗算器の詳細な構成を示す図である。
【図16】乗算器の詳細な構成を示す図である。
【図17】図5に示したオーバーサンプリング処理回路を用いたD/A変換器の構成を示す図である。
【符号の説明】
10−1、10−2、10−3、10−4 D型フリップフロップ(D−FF)
12−1、12−2、12−3、12−4 乗算器
14−1、14−2、14−3 加算器(ADD)
16−1、16−2 積分回路
18 D/A(デジタル−アナログ)変換器
20 ローパスフィルタ(LPF)
Claims (8)
- 所定間隔で入力される複数のデジタルデータのそれぞれを順番に取り込んで保持する縦続接続された複数のデータ保持手段と、
前記複数のデータ保持手段のそれぞれに保持された前記デジタルデータが入力されており、データ保持期間の前半と後半とで別々の乗数を用いた乗算処理を行う複数の乗算手段と、
前記複数の乗算手段の各乗算結果を足し合わせる処理を行う加算手段と、
前記加算手段の出力データに対して複数回のデジタル積分を行う積分処理手段と、
を備え、前記複数の乗算手段による乗算処理に用いられる各乗数は、区分多項式によって構成された所定の標本化関数について、前記区分多項式のそれぞれを複数回微分することにより得られる階段関数の各値に対応していることを特徴とするオーバーサンプリング処理回路。 - 請求項1において、
前記階段関数は、正領域と負領域の面積が等しく設定されていることを特徴とするオーバーサンプリング処理回路。 - 請求項2において、
前記標本化関数は、全域が1回だけ微分可能であって有限台の値を有することを特徴とするオーバーサンプリング処理回路。 - 請求項1または2において、
前記階段関数は、等間隔に配置された5つの前記デジタルデータに対応した所定範囲において、−1、+3、+5、−7、−7、+5、+3、−1の重み付けがなされた同じ幅の8つの区分領域からなっており、この8つの重み付け係数の2つずつを前記複数の乗算手段のそれぞれにおける乗数として設定することを特徴とするオーバーサンプリング処理回路。 - 請求項4において、
前記複数の乗算手段のそれぞれにおいて行われる乗算処理は、ビットシフトによる2のべき乗倍の演算結果に前記デジタルデータ自身を加算することによって実現されることを特徴とするオーバーサンプリング処理回路。 - 請求項1〜5のいずれかにおいて、
前記デジタル積分が行われる回数は2回であり、前記積分処理手段から二次関数的に値が変化するデータを出力することを特徴とするオーバーサンプリング処理回路。 - 請求項1〜6のいずれかにおいて、
前記積分処理手段によって行われる前記デジタル積分は、入力データを累積する演算処理であり、この演算処理を前記データ保持手段に前記デジタルデータが入力される1周期内でn回繰り返し行うことにより、n倍のオーバーサンプリング処理を行うことを特徴とするオーバーサンプリング処理回路。 - 請求項1〜7のいずれかのオーバーサンプリング処理回路の後段に、
前記積分処理手段から出力されるデータの値に対応するアナログ電圧を生成する電圧発生手段と、
前記電圧発生手段によって生成される前記アナログ電圧を平滑化する平滑手段と、
を備えることを特徴とするデジタル−アナログ変換器。
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