JP4396026B2 - 触媒温度推定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気通路にそなえられた触媒装置の温度を推定する、触媒温度推定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等に装備される内燃機関には、その排気通路に、排ガス中の有害物質(HC,CO,NOx)を浄化するための三元触媒(触媒装置)がそなえられている。さらに、希薄燃焼内燃機関には、希薄燃焼時のNOxを浄化するため、排ガス中の酸素が過剰になる酸素過剰雰囲気において機能するNOx触媒がそなえられている。
【0003】
これらの三元触媒及びNOx触媒の浄化能力は、その温度(触媒温度)により大きく左右される。したがって、触媒の機能状態を考慮した最適な内燃機関の制御を行なうためには、触媒温度を正確に把握することが重要となる。
しかしながら、触媒の温度を直接計測することが困難なため、間接的な方法により推定することになる。
【0004】
例えば特開平7−217474号公報には、高温センサによって触媒の直上流部分の排気温度を検出して、この検出した排気温度を、触媒ベッド温度を代表する温度として扱う技術が開示されている。
さらに、高温センサ値と触媒ベッド温度との間には誤差があるため、この誤差を予め測定して両者の温度差マップを作って記憶させておき、この温度差マップにより高温センサ値を補正して触媒ベッド温度を求める技術も提案されている(特開平11−107812号公報,特開平11−229862号公報等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、触媒の直上流部分の排気温度は触媒ベッド温度に近いものの、高温センサによって検出したこの排気温度と触媒ベッド温度との間には誤差があり、種々の補正が必要になる。
また、排気通路を構成する排気管は、外気に晒されており外気によって空冷されるため、排気管の壁面温度は排気温度よりもかなり低くなる。排気温度を検出する場合、この排気管の壁面温度の影響を受けないようにする必要があり、図9に示すように、高温センサ14の温度検出部(感熱素子等)14Aを排気管壁面4Aから排気通路4内に突設したステー14Bの先端に設置している。
【0006】
また、ステー14Bは排気の流れを妨げないようにできるだけ細くする必要があり、また、高温の排気に耐えるだけの耐熱性が要求されるので、ステー14Bの材料には通常金属が用いられる。
しかしながら、高温センサ14の温度検出部14Aを排気管壁面4Aから離隔させても、温度検出部14Aと排気管壁面4Aとの間のステー14Bによって熱伝導が行なわれるので、排気によって高温になる温度検出部14A側から外気によって排気温度よりもかなり低温に空冷される排気管壁面4A側に向かって伝熱が生じて熱が逃げる。このため、高温センサ14の検出結果と実際の排気温度との間に誤差が生じてしまう。特に、ステー14Bを熱伝導性の良い材料、例えば金属製とすると、この温度検出部14Aから壁面4Aへの伝熱が強まり高温センサ14の検出誤差が大きくなりやすい。
【0007】
なお、このような外気の影響は排気管だけではなく触媒自体にも及ぶ。
ところで、特開平7−259625号公報には、吸気温及び車速によって触媒が冷却される点を考慮して排気系温度を推定する技術が開示されているが、この技術は高温センサ14のような温度センサを用いて触媒温度を推定するものではなく、外気状況の温度センサへの影響は考慮しておらず、上記の課題は解決し得ない。
【0008】
また、特開平8−114513号公報には、排気システムの温度に関する信号を形成するにあたって吸気温による補正を行なう技術が開示されているが、上述のように、高温センサ14等の温度センサを用いて触媒温度を推定するものでもなく、外気状況の温度センサへの影響を考慮したものでもなく、やはり、上記の課題は解決し得ない。
【0009】
さらに、外気状況は、昼夜の違い,車速の違い,季節の違いによって大きく異なり、これらの影響を無視することはできず、より正確に外気状況を考慮する必要がある。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、触媒温度を正確に推定できるようにした、触媒温度推定装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の本発明の触媒温度推定装置では、内燃機関の排気通路に設けられた触媒装置に流入する排気の温度を、排気温センサにより検出し、上記排気温センサの検出結果に影響を与える外気の状況を外気状況検出手段により検出又は推定し、これらの排気温センサの検出出力と外気状況検出手段の検出出力とに基づいて、触媒温度推定手段によって上記触媒装置の温度を推定するように構成される。
【0011】
したがって、触媒装置(単に触媒ともいう)に流入する排気の温度を検出する排気温センサの出力とこの排気温センサの検出結果に影響を与える外気の状況とに基づいて触媒の温度を推定することになり、外気状況を加味した触媒温度の推定が可能になり、触媒温度の推定精度が向上する。
上記触媒温度推定手段は、上記排気温センサが取り付けられるセンサ取付部の温度を上記外気状況検出手段の検出出力に基づいて推定すると共に、該センサ取付部温度と上記排気温センサの検出出力とに基づいて上記触媒装置の温度を推定する。
このようにセンサ取付部温度を加味して触媒温度を推定することにより、外気の影響による排気温センサの計測誤差を排除して正確な推定を実現できる。
この場合、センサ取付部温度と排気温センサ出力との差に基づいて補正した排気温センサ出力から触媒温度を推定することが好ましい。温度差は温度勾配に相当しセンサ取付部から逃げる熱量に相関するので正確な補正が可能になる。
上記外気状況検出手段は、上記外気状況として外気の温度及び/又は速度を検出又は推定するように構成することが好ましく、これにより、触媒温度の推定精度をより向上させることができる(請求項2)。
【0012】
この場合、外気温度の代表値としては、吸気温センサにより検出した値を用いることができ、予め吸気温センサを備えた内燃機関にあっては既存のセンサを流用できることになり、コスト増を抑制できる。もちろん、触媒周囲に外気温センサを設けて、触媒周囲の外気温度を直接検出して用いてもよく、これにより、触媒に影響する外気温度を正確に検出できる。
【0013】
また、外気の流速の代表値としては、車速センサにより検出した値を用いることができ、予め車速センサを備えた内燃機関にあっては既存のセンサを流用できることになり、コスト増を抑制できる。既存のセンサを流用できコスト増を抑制できる。
【0015】
また、請求項3記載の本発明の触媒温度推定装置では、内燃機関の排気通路に設けられた触媒装置と、上記排気通路に設けられ上記触媒装置に流入する排気の温度を検出する排気温センサと、上記排気温センサの検出結果に影響を与える上記排気通路における上記排気温センサ近傍の壁面温度を検出又は推定する排気温センサ周囲状況検出手段と、上記排気温センサの検出出力と上記排気温センサ周囲状況検出手段の検出出力とに基づいて、上記触媒装置の温度を推定する触媒温度推定手段とをそなえたことを特徴としている。
【0016】
したがって、触媒に流入する排気の温度と触媒装置の温度に影響を与える排気通路における排気温センサ近傍の壁面温度とに基づいて触媒の温度を推定することになり、排気通路の壁面温度を加味した触媒温度の推定が可能になり、触媒温度の推定精度が向上する。
また、上記触媒温度推定手段は、上記排気温センサの検出出力を上記外気状況検出手段の検出出力に基づいて補正して得た温度を所定平均化時間内で平均して短期平均温度を算出する第1平均化手段と、該第1平均化手段により算出された連続する複数の短期平均温度を移動平均することで触媒温度を算出する第2平均化手段とを有することが好ましい(請求項4)。
【0017】
このように、各分割区間毎に外気の影響を加味しながら移動平均により最終的な触媒温度を推定することにより、極めて精度良く触媒温度を推定できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図5は、本発明の一実施形態としての触媒温度推定装置について示すものであり、ここでは、本触媒温度推定装置を希薄燃焼内燃機関に適用した場合について示している。
【0019】
図1に示すように、本触媒温度推定装置が適用されたエンジン(希薄燃焼内燃機関)1は、その燃焼室2に通じる吸気通路3および排気通路4を有しており、吸気通路3には、上流側から順に図示しないエアクリーナ,スロットル弁〔ここでは電子制御スロットル弁(ETV)〕6およびインジェクタ7が設けられている。また、排気通路4には、その上流側から順に排ガス浄化用の触媒装置としてのNOx触媒〔三元触媒一体型の吸蔵型NOx触媒(以下、単に触媒という)〕8および図示しないマフラが設けられている。インジェクタ7は吸気マニホルド部分に気筒数だけ設けられており、各燃焼室2の上部中央には点火プラグ5が設けられている。
【0020】
さらに、このエンジン1を制御するために、電子制御ユニット(ECU)20と、種々のセンサとが設けられている。本エンジン1に設けられるセンサとして、まず吸気通路3側には、そのエアクリーナ配設部分に、吸気流量を検出するカルマン渦式エアフローセンサ(AFS)10が設けられており、排気通路4側には、触媒8の上流側部分に、排気温度を検出する高温センサ(排気温センサ)14が設けられ、高温センサ14の取り付けられた排気通路部分(吸気管壁面)4には外気温度を検出する外気温度センサ16が設けられている。
【0021】
なお、高温センサ14は、排気管壁面4Aから排気通路4内に突設したステー14Bと、ステー14Bの先端に設設された温度検出部(感熱素子等)14Aとをそなえている。
また、外気温度センサには、吸気温センサ16を利用してもよい。この外気温度センサは、排気通路(排気管)4に温度影響を及ぼす外気の温度情報が得られるものであれば良く、吸気温センサ16を予め備えたものにあってはこの既存のセンサを利用することにより、コスト増なく外気温度センサを構成することができるが、もちろん、専用の外気温度センサを設けても良い。
【0022】
さらに、その他のセンサとして、図示しないクランクシャフトの回転に同期して信号を出力するクランク角センサ15、車速を検出する車速センサ17等が設けられている。なお、排気通路4の壁部(排気管壁部)4Aに対する外気の流速は車速とほぼ同一ととらえることができるので、車速センサ17は、排気管壁部4Aに対する外気の流速を検出する外気流速センサとしても機能するようになっている。
【0023】
なお、外気温度や外気流速は、触媒装置の温度推定に影響を与える外気の状況であるため、外気温度センサ(吸気温センサ)16及び外気流速センサ(車速センサ)17は外気状況検出手段に相当する。
ECU20は、運転状態に応じて空燃比や点火時期を制御する一方、その触媒温度を推定する機能要素(触媒温度推定手段)20Aにより、触媒8の触媒温度を推定するようになっている。この触媒温度の推定は、触媒8の劣化度合いあるいは再生度合いを判定したり、また、十分に触媒機能が発揮されている状態か否かを判定したりする上で必要になるものである。
【0024】
本触媒温度推定装置は、このようなECU20の触媒温度推定手段20Aと、上記の高温センサ(排気温センサ)14と、外気温度センサ16と、外気流速センサとしての車速センサ17とをそなえている。
また、触媒温度推定手段20Aには、平均化時間設定手段21,第1平均化手段22,第2平均化手段23が設けられている。平均化時間設定手段21では、各制御周期における平均化区間についての平均化時間を設定する。第1平均化手段22では、排気温センサ14の検出出力を外気状況検出手段16,17の検出出力に基づいて補正して得た温度を、平均化時間設定手段21で設定された所定平均化時間内で平均して短期平均温度を算出する。第2平均化手段23では、第1平均化手段22により算出された連続する複数の短期平均温度を移動平均することで触媒温度を算出する。
【0025】
そして、触媒に流入する熱量、及び排気ガスと触媒との間の熱伝達率が触媒の温度変化に及ぼす影響や、高温センサ(排気温センサ)14や触媒8への外気の温度影響を考慮しながら触媒温度を推定するようになっている。
ここで、触媒温度に影響を及ぼす要因を整理すると、この要因には、▲1▼触媒前面から後面に向かう熱伝導と、▲2▼排ガスからの熱伝達と、▲3▼未燃成分による発熱と、▲4▼外気への放熱とがあり、ここでは、▲1▼触媒前面から後面に向かう熱伝導に対するパラメータには後述の短期平均化時間を、▲2▼排ガスからの熱伝達に対するパラメータには後述の排気流速係数(AFS係数)を、▲3▼未燃成分による発熱及び▲4▼外気への放熱に対するパラメータには後述の排ガス温度補正係数を用いている。
【0026】
また、温度推測のために、以下のように仮定している。
触媒内を通過する排ガス温度は、触媒入口排温とする(仮定1)。
未燃成分による発熱は排気流速に比例する。但し、リーン運転か否かによって別設定とする(仮定2)。
外気への放熱は排気流速に比例する(仮定3)。
触媒前面から計測点まで、触媒温度演算期間で熱伝導する(仮定4)。
伝導熱は、触媒内排ガスからの熱伝達、未燃成分による発熱、外気への放熱を受けながら計測点へ向かう(仮定5)。
【0027】
以上の仮定から、計測点熱温度Tdpは、次式のように近似できるものとする(仮定6)。なお、重み係数は、熱量を温度に変える変換係数に相当する。
計測点熱温度Tdp
=∫(触媒内排ガス温度×熱伝達係数×発熱係数×放熱係数×重み係数)dT
なお、積分範囲は、0〜触媒温度演算期間とする。
【0028】
さらに、上式を次のように離散化し、触媒温度を推測するものとする(仮定7)。
触媒温度
=Σ(触媒入口排温×排ガス温度補正係数×排気流速係数)/Σ排気流速係数
ただし、熱伝達係数×重み係数≒排気流速係数/Σ排気流速係数,
発熱係数×放熱係数≒排ガス温度補正係数
また、外気の影響は後述する外気補正係数により補正するものとする(仮定8)。
【0029】
ところで、ここでは、触媒温度推測に移動平均を使用するため、使用RAM数の制限を受ける。そこで、触媒温度演算期間を分割し、各分割期間(これを、短期平均化期間という)の平均値を移動平均する手法を導入する。
上記の分割は、分割数を多くすれば演算精度は高まるが演算負担が大きくなり、分割数を少なくすれば演算負担は減るが演算精度が低下するので、精度的に許容しうる範囲でできるだけ少ない分割を設定することが好ましい。ここでは、分割数は5分割としている。したがって、上記の仮定7式は次式となる。
【0030】
なお、触媒温度(n)を算出するための短期平均温度は、第1平均化手段22により算出され、触媒温度(n)は、第2平均化手段23により算出される。
触媒温度(n)
=Σ{短期平均温度(k)×排気流速係数(k)}/Σ排気流速係数(k)
ただし、k=n−4,n−3,n−2,n−1,n
短期平均温度
=Σ(触媒入口排温×排ガス温度補正係数×外気補正係数)/積算回数
積算回数=平均化時間/計算周期
この実施形態では、排気流速として、吸気流量を検出するカルマン渦式エアフローセンサ(AFS)10の検出値を流用するので、排気流速係数をAFS係数とも呼ぶ。この排気流速係数(AFS係数)は、排気ガスから触媒への熱伝達率に相関するものであり、熱伝達率は排気流量(流速)の影響を受け前述のように排気流量(AFS周波数)が少ない程熱伝達率も低いという特性に基づき、図5に示すように、排気流速係数(AFS係数)は、平均AFS周波数が大きい程大きく、平均AFS周波数が小さい程小さくなるように予め設定されている。なお、平均AFS周波数は、次式により算出される。
【0031】
平均AFS周波数=AFS周波数積算値/積算回数
積算回数=平均化時間/計算周期
また、排気温センサ14の応答遅れを、次式にて補償するようにしている。
触媒入口排温=排気温センサ計測温度+入口排温補正量
なお、入口排温補正量(n)
=kout×入口排温補正量(n−1)
+(1−kout)×{Rout×(Tdet(n)−Tdet(n−1))}
ただし、Tdet:排気温センサ計測温度
kout:フィルタ定数
Rout:入口排温反映係数テーブル
このような触媒温度の推定について具体的に説明すると、例えば、ある時点で触媒8の触媒温度がTe1℃になっているものとする。そして、上流からTe2℃の排気ガスが触媒8に流入し(排気ガスの温度は高温センサ14により測定)、その結果、触媒温度がTe3℃に上昇したものとする。この時、触媒温度がTe1℃からTe3℃に変化するのに要する時間は、触媒8に流入する熱量と、排気ガスと触媒8との間の熱伝達率により左右される。つまり、流入する熱量が大きい程、また、熱伝達率が高い程、触媒温度の上昇速度は速くなるのである。
【0032】
そして、触媒8に流入する熱量,及び排気ガスと触媒8との間の熱伝達率は、共に単位時間当たりの排気流量(流速)により影響を受け、排気流量が多いほど同じ排気温度であっても流入する熱量も多くなり、また、熱伝達率も高くなる。このため、同じ排気温度の排気ガスであっても、その流量が少ないときは、流量が多いときに比べて触媒8に流入する熱量も少なく、熱伝達率も低くなり、触媒温度が変化(上昇)するのにかかる時間も長くなる。また、外気への放熱も排気流量が多いほど同じ排気温度であっても流出する熱量も多くなり、熱伝達率も高くなるため、同じ排気温度の排気ガスであっても、その流量が少ないときは、流量が多いときに比べて触媒8から流出する熱量も少なく、熱伝達率も低くなり、触媒温度が変化(低下)するのにかかる時間も長くなる。
【0033】
本触媒温度推定装置では、このような触媒温度の温度変化と排気流量との関係に着目し、例えば図2に示すようにして触媒温度の推定を行なうようになっている。
図2を用いて説明すると、本触媒温度推定装置では、図2(a)に示すように、時点tXにおける触媒温度を、ある時点t0から時点tXまでに触媒8に流入した排ガスの排気温度に基づき推定するようになっている。この時点t0から時点tXまでの時間tt0Xは、時点t0で触媒8に流入した排ガスの触媒温度への影響がなくなるまでの時間に相当する。したがって、時点t0から時点tXまでの時間tt0Xは、排ガスの流量により変化するが、ここでは、時点t0から時点tXまでを複数(ここでは5つ)の区間(N−4,N−3,N−2,N−1,N)に分け、各区間の時間tt(tt(N-4) ,tt(N-3) ,tt(N-2) ,tt(N-1) ,tt(N) )を排気流量(単位時間あたりの流量であり、流速に相関する)に基づき設定している。なお、以下、上記の区間を平均化区間といい、その区間の時間を平均化時間という。
【0034】
つまり、定常走行時の平均的な基準排気流量における時間tt0Xを5等分して基準時間ttBASEを設定し、ある平均化区間における排気流量が基準排気流量よりも多ければ平均化時間ttを基準時間ttBASEよりも短く設定し、基準排気流量よりも少なければ基準時間ttBASEよりも長く設定するようにして、時点t0での排気流量に基づき平均化時間tt(N-4) を設定する。次に、時点t0から平均化時間tt(N-4) 経過後(時点t1)における排気流量に基づき平均化時間tt(N-3) を設定する。さらに、時点t1から平均化時間tt(N-3) 経過後(時点t2)における排気流量に基づき平均化時間tt(N-2) を設定し、以下、順次平均化時間tt(N-1) ,tt(N) を設定していく。
【0035】
そして、各平均化時間ttを設定していくとともに、合わせて各区間内での排気温度の平均値(短期平均温度)TeAVE(例えばTeAVE(N-4),TeAVE(N-3),TeAVE(N-2),TeAVE(N-1),TeAVE(N))を算出していく。そして、算出した各平均化区間の短期平均温度TeAVEをさらに平均化することにより、時点tXでの触媒温度の推定値とする。時点tXでの触媒温度の推定値が算出されると、次は、図2(b)に示すように、時点tXでの排気流量に基づき、次の平均化区間(N+1)の平均化時間tt(N+1) を設定するとともに、短期平均温度TeAVE(N+1) を算出する。そして、平均化区間(N−4)は使わずに平均化区間(N−3)から平均化区間(N+1)までの5つの平均化区間の短期平均温度TeAVE(例えばTeAVE(N-3),TeAVE(N-2),TeAVE(N-1),TeAVE(N),TeAVE(N+1))を平均化することにより、時点tX+1での触媒温度の推定値を算出する。このような短期平均温度TeAVEに対する移動平均を用いた手法により、順次触媒温度を推定更新していく。
【0036】
ここで、外気補正係数について説明する。
触媒温度を推定する際に外気の影響は、高温センサ(排気温センサ)14の検出値及び実際の触媒温度に及ぶ。つまり、高温センサ14ではステー14Bを介して温度検出部14Aから吸気管壁面4Aへと熱伝導が行なわれるので、排気によって高温になる温度検出部14A側から外気によって排気温度よりもかなり低温に空冷される排気管壁面4A側に向かって伝熱が生じる。
【0037】
そこで、壁面温度(吸気管壁面4Aの温度)を求める必要があり、本実施形態では、外気温と外気流速から壁面温度推定するようにしている。
すなわち、外気温と壁面温度との差(温度勾配)が大きい程、壁面から外気に逃げる熱量(熱伝達量)は多くなり、また、外気と壁面との熱伝達率は、外気流速により異なり、外気流速が大きい程、壁面から外気に逃げる熱量(熱伝達量)は多くなる。このため、壁面温度は、外気温と壁面温度との温度差(温度勾配)と、外気流速とに応じて外気の温度影響を受けるものと考えられる。したがって、外気温と壁面温度との温度差と、外気流速とをパラメータとした関数により、壁面温度を推定することができる。ここでは、例えば、温度差及び外気流速から壁面温度を得るためのマップ(図示略)を実験結果等に基づいて予め用意して、このマップから壁面温度を求めるようにしている。
【0038】
ここでは、外気温は吸気温センサ16で測定したエンジンの吸気温で代表するが、エアコン用外気温センサ値等で代表してもよい。
また、外気温と壁面温度との差を計算する際、壁面温度としては、前回計算値を用いればよい。最初の計算時の壁面温度としては、高温船さ4によるセンサ出力温度を用いればよい。また、単に壁面温度をセンサ出力温度で代用してもよい。
【0039】
外気流速は前述のように車速で代表するが、床下形状の影響によっては、車速によって風の流れが変わり触媒8及び高温センサ14近傍の流速が変わることがあり、この場合には、車速の関数として外気流速を算出することができ、例えば、実験結果等に基づいて設定したマップ(図示略)を用いて車速を求めることができる。
【0040】
また、熱放射(ふく射)の影響も考慮する場合は、熱放射量は壁面温度の関数となるので、壁面温度を温度勾配(外気温と壁面温度との温度差)と外気流速と壁面温度(求め方は上記と同様)との関数とすることができ、例えば、実験結果等に基づいて設定したマップ(図示略)を用いて壁面温度を求めることができる。
【0041】
高温センサ14先端の温度検出部14Aからセンサ取付部側へ熱伝導によって逃げる熱により、実際の排気温度に対してセンサ出力温度は低くなることに着目して高温センサ14の検出値を補正するのが外気補正係数であるが、逃げる熱量(熱伝導量)は、温度差(温度勾配)が大きい程多くなるので、外気補正係数は、高温センサ14の出力温度と推定した壁面温度との差を算出して、この温度差に対する関数としてあらわすことができる。このため、実験結果等に基づいて設定したマップ(図示略)を用いて高温センサ14の出力温度と推定した壁面温度との温度差から外気補正係数を求めることができる。この温度差算出のときの高温センサ14の出力温度にも、前回計算値を用いればよい。
【0042】
本発明の一実施形態としての触媒温度推定装置は、上述のように構成されているので、例えば、図3に示すフローチャートのようにして、本触媒温度推定装置による触媒温度推定方法が実施される。なお、ここでは、排気流量と吸気流量とが略等しいものとして、吸気流量に相関するAFS(排気流量検知手段)10の出力(AFS周波数)と、高温センサ14で検出される排気温度とに基づき、触媒温度を推定するものとする。
【0043】
図3のフローチャートに示すように、本触媒温度推定装置では、まず、AFS10により出力されたAFS周波数を読み込み(ステップS100)、平均化時間設定手段21により、読み込んだAFS周波数に対応して今回の平均化区間(N)の平均化時間を決定する(ステップS110)。平均化時間は、排気ガスから触媒8に熱が伝達されるのに要する時間に相関するものであり、前述のように排気流量が少ない程、仮に同じ排気温度であっても単位時間あたりの排ガスの持つ熱量が小さく、触媒に伝わる熱量も小さくなり、同じ熱量が伝わるのにも時間がかかるという特性に基づき、図4に示すように、AFS周波数が大きい程短くなり、AFS周波数が小さい程長くなるように予め設定されている。
【0044】
平均化区間(N)の平均化時間が決定されると、次式に示すように、外気補正係数を設定するとともに、ECU20の計測周期毎にそれぞれ計測周期,排気温度,AFS周波数を積算し、計測周期積算値,排気温度積算値,AFS周波数積算値を算出していく。次式において、(n) は今回の計算周期の値、(n-1) は前回の計算周期の値であることを示している。
【0045】
計測周期積算値(n)=計測周期積算値(n-1)+計算周期
排気温度積算値(n)
=排気温度積算値(n-1)+排気温度×補正係数×外気補正係数
AFS周波数積算値(n)=AFS周波数積算値(n-1)+AFS周波数
なお、排気温度の積算時に排気温度に乗算している補正係数は、排ガス温度補正係数であって、この係数は、排気温度が変化しない定常時においても存在する定常誤差、例えば、高温センサ14と触媒8との位置が離れていることによるその間の熱損失や、触媒8内での反応熱等を補正するためのものであり、エンジン負荷やエンジン回転速度、或いは排気流量(AFS周波数)をパラメータとして、実験により求めるものとする。また、外気補正係数については、外気温と壁面温度との温度差(温度勾配)及び外気流速からマップ(図示略)を用いて壁面温度を推定し、高温センサ14の出力温度と推定した壁面温度との差を算出して、この温度差からマップ(図示略)を用いて外気補正係数を求める(以上、ステップS120)。これらの積算処理は、計測周期積算値(n) が平均化時間以上になるまで行なう(ステップS130)。
【0046】
平均化時間,排気温度積算値,AFS周波数積算値が算出されると、次に、第1平均化手段23により、今回の平均化区間(N)における短期平均温度(N)とAFS係数(N)とを決定する。短期平均温度(N)は次式により算出される。
短期平均温度(N)=排気温度積算値/(平均化時間/計算周期)
AFS係数(N)は排気流速係数であって排気ガスから触媒への熱伝達率に相関するものであり、熱伝達率は排気流量(流速)の影響を受け前述のように排気流量(AFS周波数)が少ない程熱伝達率も低いという特性に基づき、図5に示すように、平均AFS周波数が大きい程大きく、平均AFS周波数が小さい程小さくなるように予め設定されている。
【0047】
なお、平均AFS周波数は、字式により算出される。
平均AFS周波数=AFS周波数積算値/(平均化時間/計算周期)
短期平均温度(N),AFS係数(N)の決定後は、平均化時間,排気温度積算値,AFS周波数積算値をリセットする(以上、ステップS140)。
そして、第2平均化手段24により、決定した短期平均温度(N)とAFS係数(N)とに基づき、次式に示すようにして触媒温度〔図2(a)に示す場合では、時点tXでの触媒温度〕を推定する。
【0048】
触媒温度=Σ〔短期平均温度(m) ×AFS係数(m) 〕/ΣAFS係数(m)
ここで、mは平均化区間の区間番号であり、図2(a)に示す場合では、mはN−4〜N,図2(b)に示す場合では、mはN−3〜N+1となる(以上、ステップ150)。ただし、始動直後等5つの平均化区間が全ては算出されていない場合には、算出されている平均化区間の短期平均温度,AFS係数から触媒温度を推定する。
【0049】
なお、触媒温度変化は、触媒容量,管形状,各材質等の影響を受けるが、ここでは、これらの影響は上記係数(補正係数,AFS係数)に既に含んでいるものとしている。したがって、エンジン,車種が異なれば上記係数はそれぞれあらためて設定するものとする。
以上、本触媒温度推定装置による触媒温度の推定方法について説明したが、このような方法により触媒温度を推定することにより、例えば、図2(a)に示す場合において時点t4における吸気流量(AFS周波数)が少ない場合と多い場合とを比較すると、時点t4における吸気流量が少ない場合には、吸気流量が多い場合に比べて平均化区間(N)の平均化時間tt(N) が長く設定されるので、触媒温度の算出タイミング(時点tX)は遅くなる。つまり、排気温度(短期平均温度)が同じであっても、それが触媒温度に反映されるまでに時間がかかることになるのである。
【0050】
このように本触媒温度推定装置によれば、短期平均温度の平均化区間を吸気流量(AFS周波数)によって可変とすることにより、触媒8に流入する総熱量の違いが触媒温度の時間変化に与える影響を取り入れることが可能になり、排気温度や排気流量が変化する過渡時であっても、正確に触媒温度を推定することができるという利点がある。
【0051】
特に、短期平均温度の算出に、高温センサ14の検出値を用いるが、高温センサ14先端の温度検出部14Aからセンサ取付部側へ熱伝導によって逃げる熱により、高温センサ14の出力温度は実際の排気温度に対して低くなるが、外気補正係数によってこの外気による影響分が補正されるため、高温センサ14によって触媒に流入する排気温度を正確に求めることができるようになり、短期平均温度をより精度良く算出することができる効果がある。したがって、より一層正確に触媒温度を推定することができる。
【0052】
さらに、高温センサ14自体についても応答遅れが存在するが、特に排気流量が多い運転域では触媒8の上流での排気温度に対する触媒温度の応答遅れが小さくなるため、高温センサ14自体の応答遅れが無視できなくなる。しかしながらこの場合には高温センサ14の応答遅れの補正を行なうようにすればよく、次のように高温センサの応答遅れを一次遅れで近似して触媒8の上流での排気温度を求めるようにすればよい。
【0053】
実際の計算では一次フィルタを用いるものとすると、高温センサ14で検出した温度と実際の触媒8の上流位置(高温センサ14の取り付け位置)での排気温度との関係は次式で表すことができる。なお、次式においてHT(n) は今回の計算周期での高温センサ値(℃)、HT(n-1) は前回の計算周期での高温センサ値(℃)、aはフィルタ定数である。
【0054】
HT(n) =(1−a)×HT(n-1) +a×排気温度
上式を変形すると排気温度を下記のように表すことができる。
排気温度=1/a×HT(n) −(1−a)/a×HT(n-1)
ここで、上式において反映係数(フィルタ定数)R〔R=(1−a)/a〕を用いると次式のようになる。
【0055】
排気温度=(1+R)×HT(n) −R×HT(n-1)
=HT(n) +R×〔HT(n) −HT(n-1) 〕
実際には高温センサ値の出力信号に種々の要因によりノイズがのる可能性があるため、ノイズ対策として〔HT(n) −HT(n-1) 〕の代わりにフィルタ処理を実施した次式のようなΔHT(n) を使用する。なお、Kはフィルタ定数である。
【0056】
排気温度=HT(n) +R×ΔHT(n)
ΔHT(n) =K×ΔHT(n-1) +(1−K)×〔HT(n) −HT(n-1) 〕
以上のようにして高温センサ14の応答遅れを考慮した排気温度(触媒8の上流での排気温度)を求めることができ、このように求めた排気温度に基づき触媒温度の推定を行なうことにより、より正確な触媒温度の推定が可能になるという利点がある。なお、式中の係数R及びKは、いずれも実験等により求めることができる。
【0057】
また、上述の実施形態では触媒8の全体が同じ温度と仮定し、代表して触媒中央部の温度を推定しているが、実際には触媒8の各部位により温度が異なる場合が多い。その場合でも上述した触媒温度の推定方法を利用すれば、触媒8の上流での排気温度から触媒中央部の温度を推定したのと同様にして触媒8の他の部位、例えば、図6に示すように触媒前部(上流部)、触媒後部(下流部)の温度を推定することも可能である。
【0058】
この場合、図7に示すように触媒8内の熱伝導時間に相関すると考えられる平均化時間を触媒前面からの距離に比例して変更することにより、触媒中央部の温度を推定した時のパラメータから触媒前部及び後部の温度を推定することが可能になる。また、定常誤差を補正するための補正係数は図8に示すように各部位によって変更する必要があるが、熱伝達率に相関するAFS係数は変更しなくてもよい。
【0059】
したがって、本触媒温度推定装置により推定した触媒温度を用いることにより、より精度の高いエンジン制御が可能になる。例えば、本エンジン1のような希薄燃焼内燃機関では、触媒(三元触媒一体型の吸蔵型NOx触媒)8上に吸蔵されたNOxを放出するNOx放出制御が必要となるが、触媒8のNOx還元機能が発揮される活性温度になる前にNOx放出制御を実行してNOxの放出を行なうと、浄化されないNOxを大気中に放出してしまうことになる。したがって、触媒8が活性温度に達しているか否かを判定することは重要となるが、本触媒温度推定装置により推定した触媒温度を用いることにより、放出されたNOxを確実に還元できる触媒温度においてNOx放出を行なうことが可能になる。
【0060】
また、希薄燃焼運転時には、燃料中のS(硫黄)成分から生成された排ガス中のSOxも触媒8に吸蔵されるため(S被毒)、吸蔵されたSOxを放出して触媒8の劣化を防止しNOx浄化効率を維持するための再生制御も必要となるが、SOxの放出速度は触媒温度に対して指数関数的に増加する。したがって、触媒8の再生度合いを判断する上で触媒温度の変化の履歴は重要となるが、本触媒温度推定装置のような方法により触媒温度を推定することにより、触媒温度の変化の履歴を正確にとることができ、正確に触媒8の再生度合いを判断することが可能になる。
【0061】
らに、本触媒温度推定装置により推定した触媒温度を触媒耐熱温度の判定に用いた場合には、確実に触媒8の熱劣化を防止することが可能になる。例えば、通常触媒8はリーン雰囲気となると熱劣化しやすくなるので、触媒8がリーン耐熱温度以上となった場合にはリーン運転を禁止すればよい。
また、耐熱温度に達するまで最適な空燃比制御が行なえるため、燃費の面でも有利である。例えば、触媒8が高温となる条件では通常、空燃比よりもリッチとして燃料気化熱による冷却を行なうが、その際触媒8の個体差や制御のバラツキを見込んでリッチ度合いは大きめに設定されているので、本推定装置により正確に触媒温度を推定することによりリッチ度合いを最適にすれば燃料を低減することができる。
【0062】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
つまり、本発明は、外気の空冷によって、高温センサ14の温度検出部14Aからセンサ取付部側へ逃げる熱に着目して、この高温センサ14の出力温度が実際の排気温度に対して低くなる分を補正することによって、高温センサ14で検出すべき排気温度を正確に求めることを趣旨としており、上記の実施形態だけでなく高温センサ(吸気温センサ)14を用いて触媒温度を推定する場合に広く採用することができ、触媒温度の推定精度の向上に寄与するものである。
【0063】
なお、上記実施形態では、壁面温度を外気状況から推定しているが、この壁面温度を壁面温度センサ(排気温センサ14の検出結果に影響を与える排気通路における排気温センサ近傍の壁面温度を検出するので、排気温センサ周囲状況検出手段に相当する)によって直接計測してもよい。つまり、外気の温度情報に代えて、高温センサ14の取り付けられた部分の排気管壁面4Aの温度を検出してもよい。この場合、例えば、図1に示すように、高温センサ14のケーシング内に排気管壁面4Aの温度を検出する壁面温度センサ16Aを格納して、高温センサ14のステー14Bの基部が結合する排気管壁面4Aの温度を検出するようにしてもよい。あるいは、図1に二点差線16B,16Cで示すように、高温センサ14と別体にして高温センサ14の近傍(排気管外壁面や触媒のケース外面等)に壁面温度センサを設けても良い。
【0064】
また、排気温センサ14は、ステー14Bの断面積(特に、排気管壁面4A方向への投影面積)或いは表面積が大きい程、センサ取付部側へ逃げる熱が多くなり、また、材質により熱伝導率は異なるため、排気温センサ14の種類により外気補正係数マップは異なるものを設定する必要がある。
さらに、より簡素化した手法として、吸気温(または外気温、または壁面温度)に対する外気補正係数の関数、又は、車速に対する外気補正係数の関数、又は、吸気温(または外気温、または壁面温度)と車速に対する外気補正係数の関数を、単純に直接的に実験等により求めて、これに基づいて、各マップを作成して、これらのマップを用いて排気温センサ14の出力を補正しても良い。
【0065】
また、上記実施形態では、触媒から直接外気に放熱される熱は、排ガス温度補正係数に含まれている。ただし、排ガス温度補正係数は、未燃成分による触媒上での反応による発熱の一影響も合わせたものとなっている。そこで、従来の排ガス温度補正係数は、未燃成分の発熱分のみに関する係数とし、触媒から外気に放熱される熱の影響は、別途設けた触媒放熱補正係数により補正するようにしても良い。
【0066】
なお、触媒放熱補正係数は、外気温と外気流速とに対する関数、例えばマップとする。また、外気温はエンジン吸気温(吸気温センサで測定)で代表するほか、エアコン用外気温センサ値で代表してもよく、新たに排気系に外気温センサを取り付けてもよい。外気流速は車速で代表する。この場合も、床下した形状の影響により、車速によって風の流れが変わり触媒8及び高温センサ14近傍の流速が変わる場合は、車速の関数、例えばマップとすればよい。
【0067】
この変更により、短期平均温度は下式により求められる。
短期平均温度=排気温度積算値/(平均化時間/計算周期)
ただし、排気温度積算値(n)は、
排気温度積算値(n)
=排気温度積算値(n−1)
+排気温度×排ガス温度補正係数×外気補正係数×触媒放熱補正係数
なお、触媒担体に直接温度センサを取り付けるかあるいは触媒担体に温度センサを接触させる等により、触媒温度を温度センサにより直接検出しようとした場合でも同様である。
【0068】
また、温度センサには、サーミスタタイプ,白金抵抗体タイプ,熱電対タイプ等があるが、どのセンサでも同様である。
また、上述の実施形態では、平均化区間の決定において、触媒8を通過する排気流量を吸気流量によって代用しているが、排気流量を直接計測するようにしてもよい。また、吸気流量の計測手段としては、カルマン渦式エアフローセンサに限定されず、それ以外のセンサや流量計を用いてもよい。さらに、エンジン負荷,エンジン回転速度が高い程、排気流量も多くなることから、エンジン負荷とエンジン回転速度とに基づき平均化時間を決定するようにしてもよい。さらに、簡略化して車速から平均化時間を決定するようにしてもよい。
【0069】
上述のような方法を用いることにより、計算ロジックの簡略化やコスト低減の効果を得ることができる。
また、上述の実施形態では、三元触媒一体型のNOx触媒をそなえたエンジンに本触媒温度推定装置を適用した場合について説明したが、三元触媒とNOx触媒とを別々にそなえたエンジンに適用することもできる。この場合には、各触媒毎に補正係数,平均化時間,AFS係数を設定することにより、各触媒毎の触媒温度を推定することが可能になる。
【0070】
また、触媒8の上流のエンジン1に近接した位置に、主に冷態始動の排ガス浄化のために三元触媒又は酸化触媒(以下、近接触媒と言う)を設置するようにしてもよい。その際に近接触媒の温度を推定する場合には、高温センサ14により検出した排気温度を用いてもよいし、近接触媒の上流に別の高温センサを設けてそのセンサにより測定した排気温度により近接触媒の温度を推定するようにしてもよい。そして、触媒8の温度制御を行なう場合には、近接触媒の温度が耐熱温度を越えないことにも注意しながら制御すればよい。これによって、触媒8及び近接触媒の両方の温度を最適に制御することができるようになる。
【0071】
さらに、触媒に直接高温センサを取り付けて触媒温度を直接測定した場合にも上述した温度推定方法を適用することができる。即ち、触媒8の特定部位の温度を直接測定した場合でも触媒の他の部位は同じ温度とは限らないので、他の部位についてはやはり温度を推定することが必要となるのである。例えば、触媒前部に高温センサを取り付けた場合には、上述した実施形態と同様の方法にて触媒中央部,触媒後部の温度を推定することが可能である。
【0072】
また、上述した実施形態では、高温センサにより測定した温度に基づき触媒温度を推定しているが、特定部位の温度を高温センサで測定する代わりにエンジン運転条件によるマップ値など他の方法で推定するようにしてもよい。例えば、エンジン負荷,エンジン回転速度のマップ値を用いて推定してもよいし、車速によるマップ値を用いて推定してもよい。この場合、前記推定温度(例えば触媒入口温度)に基づき、さらに上述の実施形態の方法により過渡時の温度を推定することになるため、二段階の推定となって誤差が大きくなる可能性もあるが、高温センサを省略してコストを低減できるという利点がある。
【0073】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明の触媒温度推定装置によれば、触媒に流入する排気の温度を検出する排気温センサと排気温センサの検出結果に影響を与える外気の状況とに基づいて触媒の温度を推定するため、外気状況を加味した触媒温度の推定が可能になり、触媒温度の推定精度を向上させることができる効果がある。
【0074】
請求項2記載の本発明の触媒温度推定装置によれば、触媒温度の推定精度をより確実に向上させることができる。
請求項3記載の本発明の触媒温度推定装置によれば、外気の影響による排気温センサの計測誤差を排除して触媒温度の正確な推定を実現することができる。
請求項4記載の本発明の触媒温度推定装置によれば、触媒に流入する排気の温度と触媒装置の温度に影響を与える排気通路における排気温センサ近傍の壁面温度とに基づいて触媒の温度を推定することになり、排気通路の壁面温度を加味した触媒温度の推定が可能になり、触媒温度の推定精度が向上する効果がある。
【0075】
請求項5記載の本発明の触媒温度推定装置によれば、各分割区間毎に外気の影響を加味しながら移動平均により最終的な触媒温度を推定することにより、極めて精度良く触媒温度を推定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態にかかる希薄燃焼内燃機関の全体構成図である。
【図2】 本発明の一実施形態にかかる触媒温度の推定方法を説明する図である。
【図3】 本発明の一実施形態にかかる触媒温度の推定処理を示すフローチャートである。
【図4】 本発明の一実施形態にかかる平均化時間のAFS周波数に対する特性を示す図である。
【図5】 本発明の一実施形態にかかるAFS係数の平均AFS周波数に対する特性を示す図である。
【図6】 本発明の一実施形態にかかる触媒の温度推定箇所を説明する図である。
【図7】 本発明の一実施形態にかかる平均化時間のAFS周波数に対する特性を示す図である。
【図8】 本発明の一実施形態にかかる定常誤差を補正するための補正係数の平均AFS周波数に対する特性を示す図である。
【図9】 本発明の課題を説明する排気通路要部の模式的拡大図である。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
4 排気通路(排気管)
4A 排気管壁面
8 NOx触媒(触媒装置)
10 カルマン渦式エアフローセンサ
14 高温センサ(排気温センサ)
14A 高温センサ14の温度検出部
14B 高温センサ14のステー
16 外気状況検出手段としての外気温度センサ(吸気温センサ)
17 外気状況検出手段としての外気流速センサ(車速センサ)
20 ECU
20A 触媒温度推定手段
21 平均化時間設定手段
22 第1平均化手段
23 第2平均化手段
Claims (4)
- 内燃機関の排気通路に設けられた触媒装置と、
上記触媒装置に流入する排気の温度を検出する排気温センサと、
上記排気温センサの検出結果に影響を与える外気の状況を検出又は推定する外気状況検出手段と、
上記排気温センサの検出出力と上記外気状況検出手段の検出出力とに基づいて、上記触媒装置の温度を推定する触媒温度推定手段とをそなえ、
上記触媒温度推定手段は、上記排気温センサが取り付けられるセンサ取付部の温度を上記外気状況検出手段の検出出力に基づいて推定すると共に、該センサ取付部温度と上記排気温センサの検出出力とに基づいて上記触媒装置の温度を推定する
ことを特徴とする、触媒温度推定装置。 - 上記外気状況検出手段は、上記外気状況として外気の温度及び/又は速度を検出又は推定することを特徴とする、請求項1記載の触媒温度推定装置。
- 内燃機関の排気通路に設けられた触媒装置と、
上記排気通路に設けられ上記触媒装置に流入する排気の温度を検出する排気温センサと、
上記排気温センサの検出結果に影響を与える上記排気通路における上記排気温センサ近傍の壁面温度を検出又は推定する排気温センサ周囲状況検出手段と、
上記排気温センサの検出出力と上記排気温センサ周囲状況検出手段の検出出力とに基づいて、上記触媒装置の温度を推定する触媒温度推定手段とをそなえた
ことを特徴とする、触媒温度推定装置。 - 上記触媒温度推定手段は、上記排気温センサの検出出力を上記外気状況検出手段又は上記排気温センサ周囲状況検出手段の検出出力に基づいて補正して得た温度を所定平均化時間内で平均して短期平均温度を算出する第1平均化手段と、該第1平均化手段により算出された連続する複数の短期平均温度を移動平均することで触媒温度を算出する第2平均化手段とを有する
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかの項に記載の触媒温度推定装置。
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