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JP4389462B2 - 無段変速機の滑り検出装置 - Google Patents

無段変速機の滑り検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、変速比を連続的に変化させることのできる無段変速機の滑りを検出するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、変速比を連続的に変化させることのできる無段変速機として、ベルトを巻き掛けたプーリの溝幅を変化させることにより、駆動側プーリおよび従動側プーリに対するベルトの巻き掛け半径を連続的に変化させる構成のものや、入力側と出力側とのディスクの間に挟み込んだローラを傾転させて変速比を連続的に変化させるものなどが知られている。これらの無段変速機では、ベルトとプーリとの間に生じる摩擦力や、ディスクとローラとの間に介在する油膜のせん断力を利用してトルクを伝達するから、その伝達トルク容量はその摩擦力やせん断力によって制限を受ける。したがって上記の無段変速機にその伝達トルク容量以上のトルクが作用すると、ベルトとプーリとの間もしくはディスクとローラとの間で滑りが生じる。
【0003】
無段変速機で過剰な滑りが生じた場合、プーリやディスクなどにおけるトルク伝達面に摩耗や凝着などの損傷が生じる可能性がある。そのため、この種の不都合を未然に回避するために、ベルトやローラを挟み付ける挟圧力を高くして伝達トルク容量を増大させることが考えられる。しかしながら、挟圧力を高くすると動力の伝達効率が低下し、例えば車両においては無段変速機を使用することの利点が損なわれてしまう。
【0004】
そこで、例えば特許文献1に記載された発明では、ベルト式無段変速機を対象として、実変速比を入力回転数と出力回転数とに基づいて計算するとともに、その実変速比の変化率を演算して求め、また一方、その変速比と、エンジン回転数と、スロットル開度と、変速制御弁の制御量とに基づいて理論変速変化率を求め、これら実変速比変化率が理論変速変化率より大きい場合に滑りの発生を判定するように構成している。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−11022号公報(段落(0129)、図6〜12)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献1に記載された発明では、実変速比変化率が理論変速変化率より大きい場合に滑りを判定するように構成しているが、無段変速機で滑りが発生する態様は様々であり、例えばアクセルペダルを大きく踏み込んで加速する場合に無段変速機に滑りが生じると、駆動プーリなどの入力側の部材の回転数が急速に増大して、ダウンシフト方向への変速比変化率が大きくなるので、上記の特許文献1に記載された発明によって滑りを検出できるが、エンジンブレーキ時やハイブリッド車での回生制動時に無段変速機に滑りが生じた場合には、入力側の回転部材の回転数が低下してアップシフト方向に変速比が変化し、またその変化が緩慢になる。すなわちこのような減速時での滑りでは、実変速比変化率が大きくなるとは限らない。そのため、上述した特許文献1に記載された発明では、無段変速機の滑りを必ずしも正確に検出できない。
【0007】
また、変速指令に基づく変速比を達成するように圧油を給排する場合、圧油の給排量が想定されている量に対してばらつくことがあり、しかも油圧制御の応答遅れが要因となって流量にばらつきが生じることがある。さらに圧油の漏れが生じることがあるので、結局、変速指令に対する圧油の流量を一義的に決められない場合もあり、その結果、これらの誤差要因のために、実変速比変化率と理論変速比変化率とを単純に比較したのでは、無段変速機の滑りを正確には検出できない可能性があった。
【0008】
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、実測値と理論値とに基づいて無段変速機の滑りを正確に検出することのできる制御装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、シーブに対する圧油の流入出量に応じてベルトの巻き掛け半径を変化させることにより変速比を無段階に変化させることのできるベルト式無段変速機の滑り検出装置において、入力側回転数と出力側回転との比の単位時間あたりの変化量として求められる実変速比変化率と変速指令に基づいて算出されるシーブへの単位時間あたりの圧油の流入出量から求められる理論変速比変化率との差の絶対値を求める絶対値算出手段と、その絶対値算出手段で得られた絶対値と予め定めたしきい値との比較結果に基づいて滑りを判定することを含む前記滑り判定手段とを備えていることを特徴とする無段変速機の滑り検出装置である。
【0010】
したがって請求項1の発明では、変速比や変速比変化率などの変速比に関し、その実測値と理論値とが求められ、さらにその実測値と理論値との差や比などの比較に基づく値の絶対値が求められる。そして、その絶対値に基づいて予め定めたしきい値との比較結果などによって滑りの発生が判定される。そのため、各絶対値の大小だけでなく、車両の動作状態を反映することができるしきい値に基づいて滑りを判定することになるので、無段変速機の入力側の回転数が増大する滑りのみならず、入力側の回転数が低下する滑りなどが正確に検出される。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記滑り判定手段は、前記しきい値を変速比に基づいて異ならせる手段を含むことを特徴とする無段変速機の滑り検出装置である。
【0012】
したがって請求項2の発明では、実変速比変化率と理論変速比変化率との差の絶対値が、予め定められたしきい値と比較されて滑りが判定され、しかもそのしきい値が変速比に基づいて異なった値に設定される。例えば変速比が小さいほどしきい値が小さい値となる。その結果、実際の滑り回転数に応じた滑り判定が可能になる。換言すれば、損傷もしくは耐久性などに対する影響が一定以上の滑りが、変速比の大小に関わらず、正確に検出される。
【0013】
さらに、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記無段変速機が挟圧力に応じて伝達トルク容量が変化するように構成されるとともに、前記滑り判定手段で滑りが判定された場合に前記挟圧力を増大させる滑り対応制御手段が設けられていることを特徴とする滑り検出装置である。
【0014】
したがって請求項3の発明では、滑りの発生が判定された場合、挟圧力が増大させられて無段変速機の伝達トルク容量が増大する。すなわち、挟圧力が相対的に低いことにより滑りが発生したので、その挟圧力が増大させられることにより、滑りが防止もしくは抑制される。
【0015】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。先ず、この発明で対象とする車両の駆動系統およびその制御系統について説明すると、図3は、ベルト式無段変速機1を変速機として含む駆動系統を模式的に示しており、その無段変速機1は、前後進切換機構2を介して動力源3に連結されている。
【0016】
その動力源3は、内燃機関、あるいは内燃機関と電動機、もしくは電動機などによって構成され、要は、走行のための動力を発生する駆動部材である。なお、以下の説明では、動力源3をエンジン3と記す。また、前後進切換機構2は、エンジン3の回転方向が一方向に限られていることに伴って採用されている機構であって、入力されたトルクをそのまま出力し、また反転して出力するように構成されている。
【0017】
図3に示す例では、前後進切換機構2としてダブルピニオン型の遊星歯車機構が採用されている。すなわち、サンギヤ4と同心円上にリングギヤ5が配置され、これらのサンギヤ4とリングギヤ5との間に、サンギヤ4に噛合したピニオンギヤ6とそのピニオンギヤ6およびリングギヤ5に噛合した他のピニオンギヤ7とが配置され、これらのピニオンギヤ6,7がキャリヤ8によって自転かつ公転自在に保持されている。そして、二つの回転要素(具体的にはサンギヤ4とキャリヤ8と)を一体的に連結する前進用クラッチ9が設けられ、またリングギヤ5を選択的に固定することにより、出力されるトルクの方向を反転する後進用ブレーキ10が設けられている。
【0018】
無段変速機1は、従来知られているベルト式無段変速機と同じ構成であって、互いに平行に配置された駆動プーリ11と従動プーリ12とのそれぞれが、固定シーブと、油圧式のアクチュエータ13,14によって軸線方向に前後動させられる可動シーブとによって構成されている。したがって各プーリ11,12の溝幅が、可動シーブを軸線方向に移動させることにより変化し、それに伴って各プーリ11,12に巻き掛けたベルト15の巻き掛け半径(プーリ11,12の有効径)が連続的に変化し、変速比が無段階に変化するようになっている。そして、上記の駆動プーリ11が前後進切換機構2における出力要素であるキャリヤ8に連結されている。
【0019】
なお、従動プーリ12におけるアクチュエータ14には、無段変速機1に入力されるトルクに応じた油圧(ライン圧もしくはその補正圧)が、図示しない油圧ポンプ、油圧制御装置等を介して供給されている。したがって、この実施例では、従動プーリ12における各シーブがベルト15を挟み付けることにより、ベルト15に張力が付与され、各プーリ11,12とベルト15との挟圧力(接触圧力)が確保されるようになっている。これに対して駆動プーリ11におけるアクチュエータ13には、設定するべき変速比に応じた圧油が供給され、目標とする変速比に応じた溝幅(有効径)に設定するようになっている。なお、圧油の給排の制御はアクチュエータ13に接続された流量制御弁(図示せず)を制御することによりおこなわれる。
【0020】
上記の従動プーリ12が、ギヤ対16を介してディファレンシャル17に連結され、このディファレンシャル17から駆動輪18にトルクを出力するようになっている。
【0021】
上記の無段変速機1およびエンジン3を搭載した車両の動作状態(走行状態)を検出するために各種のセンサーが設けられている。すなわち、エンジン3の回転数を検出して信号を出力するエンジン回転数センサー19、駆動プーリ11の回転数を検出して信号を出力する入力回転数センサー20、従動プーリ12の回転数を検出して信号を出力する出力回転数センサー21が設けられている。また、特には図示しないが、アクセルペダルの踏み込み量を検出して信号を出力するアクセル開度センサー、スロットルバルブの開度を検出して信号を出力するスロットル開度センサー、ブレーキペダルが踏み込まれた場合に信号を出力するブレーキセンサーなどが設けられている。さらに、ベルト挟圧力を設定するための従動プーリ12側の油圧アクチュエータ14の圧力を検出する油圧センサー24が設けられている。
【0022】
上記の前進用クラッチ9および後進用ブレーキ10の係合・解放の制御、および前記ベルト15の挟圧力の制御、ならびに変速比の制御をおこなうために、変速機用電子制御装置(CVT−ECU)22が設けられている。この電子制御装置22は、一例としてマイクロコンピュータを主体として構成され、入力されたデータおよび予め記憶しているデータに基づいて所定のプログラムに従って演算をおこない、前進や後進あるいはニュートラルなどの各種の状態、および要求される挟圧力の設定、ならびに変速比の設定などの制御を実行するように構成されている。
【0023】
ここで、変速機用電子制御装置22に入力されているデータ(信号)の例を示すと、無段変速機1の入力回転数Ninの信号、無段変速機1の出力回転数Nout の信号が入力されている。また、エンジン3を制御するエンジン用電子制御装置(E/G−ECU)23からは、エンジン回転数Ne の信号、スロットル開度信号、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量であるアクセル開度信号などが入力されている。
【0024】
無段変速機1によれば、入力回転数であるエンジン回転数を無段階に制御できるので、これを搭載した車両の燃費を向上できる。例えば、アクセル開度などによって表される要求駆動量と車速とに基づいて目標駆動力が求められ、その目標駆動力を得るために必要な目標出力が目標駆動力と車速とに基づいて求められ、その目標出力を最適燃費で得るためのエンジン回転数が予め用意したマップに基づいて求められ、そして、そのエンジン回転数となるように変速比が制御される。
【0025】
上記の無段変速機1を対象としたこの発明による制御装置は、無段変速機1での滑りを検出するとともに、その検出結果に応じた制御を実行するように構成されている。その制御例を図1に示してあり、先ず、変速指令値に基づいて流入出量Qが算出される(ステップS1)。前述したように、変速比は、基本的には、エンジン3を最適燃費で運転するように制御されるが、これ以外に、加速要求や減速要求に応じた変速比に制御され、さらにその変速速度(変速比変化率)が制御される。したがって変速指令値は、目標変速比および変速速度を考慮したものであって、例えば最終的に設定するべき変速比や、その変速比に対する一次遅れ処理もしくはなまし処理した過渡的に順次変化する変速比が含まれる。
【0026】
したがってその変速指令値に基づいて、駆動プーリ11側のアクチュエータ13に対する圧油の給排が制御され、かつその流量が制御される。言い換えれば、変速指令値と変速比の制御のための圧油の流量とは、流量制御弁などの制御機器の構成に応じて所定の関係に定まるので、上記のステップS1におけるシーブ流入出量Qは、理論上、変速指令値に基づいて求められる。
【0027】
つぎに、ステップS1で算出された流入出量Qを用いて理論変速比変化率Δγs が算出される(ステップS2)。変速比変化率は、単位時間あたりの変速比の変化量であり、また変速比は駆動プーリ11側のアクチュエータ13に流入もしくは流出する圧油の量に応じて変化するので、結局、理論変速比変化率Δγs は、上記のステップS1で求められた流入出量Qの単位時間あたりの量として求めることができる。
【0028】
一方、実変速比変化率Δγr が算出される(ステップS3)。この算出は、図1では、ステップS2に続けておこなうように記載してあるが、理論変速比変化率Δγs の算出と並行しておこなってもよく、その順序は問わない。また、実変速比変化率Δγr は、具体的には、例えば前述した入力回転数センサー20で検出される駆動プーリ11の回転数と出力回転数センサー21で検出される従動プーリ12の回転数との比の単位時間あたりの変化量として求めることができる。あるいは所定時間前の変速比と現在時点の変速比との差として、実変速比変化率Δγr を求めることができる。
【0029】
つぎに、理論変速比変化率Δγs と、実変速比変化率Δγr との差の絶対値(|Δγs −Δγr |)が所定値(すなわちしきい値)より大きいか否かが判断される(ステップS4)。ここで、所定値は、理論変速比変化率Δγs が算出される際に用いられた流入出量Qにおける応答遅れを含む各種のばらつきを考慮し、誤判定のない最小値に設定された値である。
【0030】
また、ベルト式無段変速機における滑りは、一般に、ベルトの巻き掛け半径が小さいプーリ側で生じる。そのため、滑りが生じる直前の変速比(すなわち初期変速比:初期γ)が異なれば、たとえ前記絶対値が同一であっても、実際の滑り回転数(ベルトの速度とプーリの回転速度との差)が異なることになる。具体的には、前記絶対値を同一とした場合、変速比が小さいほど、滑り回転数が大きくなる。そこで、ステップS4で用いられる所定値は、図2に示すように、初期変速比が小さいほど、小さい値に設定されている。
【0031】
加速時に無段変速機1に滑りが生じると、加速要求に基づくダウンシフトが指令されるとともに、滑りに起因して駆動プーリ11の回転数が増大するので、理論変速比変化率Δγs よりも実変速比変化率Δγr が大きくなる。また、減速時には被駆動状態となっており、その際に無段変速機1に滑りが生じると、駆動プーリ11の回転数が低下するので、実変速比がアップシフト側に変化し、かつその変化率が変化する。これらダウンシフトおよびアップシフトのいずれの場合であっても、前述した絶対値が大きくなるので、ステップS4で肯定的に判断される。これとは反対に滑りが生じていなければ、前記絶対値が所定値以下となり、ステップS4で否定的に判断される。
【0032】
すなわち、ステップS4で肯定的に判断された場合には、無段変速機1での滑りの判定が成立したことになり、したがってこの場合は、ベルト滑りの判定に対応する処理が実施される(ステップS5)。この処理は、要は、ベルト滑りを防止もしくは抑制するための処理であり、具体的には、無段変速機1の挟圧力を増大する制御である。また、これに加えて、エンジントルクなど無段変速機に対する入力トルクを一時的に低下させる制御を実行することができる。一方、ステップS4で否定的に判断された場合には、無段変速機1の滑り判定が成立していないことになるので、特に制御をおこなうことなく図1のルーチンを一旦終了する。
【0033】
したがって上記の図1に示す制御を実行するこの発明の滑り検出装置によれば、変速比に関する実測値と理論値との比較結果の絶対値、具体的には実変速比変化率と理論変速比変化率との差の絶対値に基づいて滑りを判定するので、エンジンブレーキ時やハイブリッド車での回生制動時などに滑りが生じ、変速比がアップシフト方向に変化する場合であっても、無段変速機1で生じる滑りを正確もしくは確実に検出することができる。また、上記の実測値と理論値とを単に比較することに替えて、上記のように所定のしきい値と対比するように構成すれば、そのしきい値に油圧のばらつきや応答遅れを反映させることができるので、より正確に滑りを判定することができる。さらにそのしきい値を初期変速比などの変速比に応じて異なる値とすれば、前記絶対値には現れない実際の滑り回転数もしくは滑り速度を考慮した滑り判定をおこなうことができ、したがって無段変速機1の損傷や耐久性に対する一定以上の滑りを検出することができる。
【0034】
ここで、上記の具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、図1に示すステップS4の機能的手段が、この発明における絶対値算出手段および滑り判定手段に相当し、またステップS5の機能的手段が、この発明における滑り対応制御手段に相当する。
【0035】
なお、この発明で対象とする無段変速機は、図3に示すベルト式無段変速機に限定されないのであり、トラクション式無段変速機であってもよい。またこの発明における変速比に関係する実測値および理論値は、上述した変速比変化率以外に、変速比であってもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、変速比や変速比変化率などの実測値と理論値との差や比などの比較による値の絶対値に基づいて予め定めたしきい値との比較結果などによって滑りの発生が判定されるため、無段変速機の入力側の回転数が増大する滑りのみならず、入力側の回転数が低下する滑りなど、各種の運転状態で異なる態様の滑りを確実に検出することができる。
【0037】
また、請求項2の発明によれば、実変速比変化率と理論変速比変化率との差の絶対値を、予め定められたしきい値と比較し、しかもそのしきい値を変速比に基づいて異なった値に設定するので、実際の滑り回転数に応じた滑り判定が可能になり、また、損傷もしくは耐久性に対する影響が一定以上の滑りを、変速比の大小に関わらず、正確に検出することができる。
【0038】
さらに、請求項3の発明によれば、滑りの発生が判定された場合、挟圧力が増大させられて無段変速機の伝達トルク容量が増大するので、滑りを防止もしくは抑制し、無段変速機の損傷や耐久性の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の滑り検出装置による制御の一例を説明するためのフローチャートである。
【図2】 滑りを判定するためのしきい値と滑り開始直前の初期変速比との関係を概念的に示す図である。
【図3】 この発明で対象とする無段変速機を含む駆動系統を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1…無段変速機、 11…駆動プーリ、 12…従動プーリ、 15…ベルト、 18…駆動輪、 22…変速機用電子制御装置(CVT−ECU)。

Claims (3)

  1. シーブに対する圧油の流入出量に応じてベルトの巻き掛け半径を変化させることにより変速比を無段階に変化させることのできるベルト式無段変速機の滑り検出装置において
    入力側回転数と出力側回転数との比の単位時間あたりの変化量として求められる実変速比変化率と変速指令に基づいて算出されるシーブへの単位時間あたりの圧油の流入出量から求められる理論変速比変化率との差の絶対値を求める絶対値算出手段と、
    その絶対値算出手段で得られた絶対値と予め定めたしきい値との比較結果に基づいて滑りを判定することを含む前記滑り判定手段と
    を備えていることを特徴とする無段変速機の滑り検出装置。
  2. 前記滑り判定手段は、前記しきい値を変速比に基づいて異ならせる手段を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の滑り検出装置。
  3. 前記無段変速機が挟圧力に応じて伝達トルク容量が変化するように構成されるとともに、前記滑り判定手段で滑りが判定された場合に前記挟圧力を増大させる滑り対応制御手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の無段変速機の滑り検出装置。
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