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JP4388026B2 - ブラインド信号分離装置及びブラインド信号分離方法 - Google Patents

ブラインド信号分離装置及びブラインド信号分離方法 Download PDF

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Description

本発明は、デジタル無線通信システムで用いられるブラインド信号分離装置及びブラインド信号分離方法に関し、特に、複数のアンテナによって同一周波数チャネルに存在する複数の無線信号を分離するためのブラインド信号分離装置及びブラインド信号分離方法に関するものである。
一般に、周波数の利用効率を向上するため、複数のユーザから同一周波数チャネル上で送信された無線信号を、複数のアンテナを用いて分離・受信する所謂マルチユーザ検出手法が知られている。そして、このマルチユーザ検出手法においては、アダプティブアレイ手法が用いられ、このアダプティブアレイ手法では、各アンテナで受信された受信信号にそれぞれ重み係数を乗算した後、これら乗算結果を合成して合成信号を得て、特定の方向から受信される受信信号を強調し、他の方向から受信される受信信号を抑圧するようにしている。
従って、マルチユーザ検出手法においては、複数の無線信号を分離するため、アダプティブアレイを制御する重み係数(以下単にウェイトと呼ぶ)を推定する必要がある。ウェイトを推定する手法として、次の第1及び第2の推定手法が知られている。
第1の推定手法では、送信側において送信信号にユーザ毎に独立で且つ送受信側で互いに既知のプリアンブルを送信信号を付与して受信側ではこのプリアンブルを用いてウェイトの推定を行うようにしている。一方、第2の推定手法においては、プリアンブルを用いることなく、受信側において未知の情報系列のみを用いてウェイトの推定を行うようにしている。
ところが、特にパケット通信においては、プリアンブルに起因して所謂スループットが大きく低下してしまうことがあり、さらには、ユーザ毎に独立したプリアンブルを割り当てるために通信を行うと、この通信に起因してスループットがさらに低下してしまうことになる。このため、つまり、スループットの低下を防止するためには、第2の推定手法を用いる必要がある。なお、第2の推定手法では、前述のように、受信側に置いて未知の情報系列を用いて推定処理を行う関係上、第2の推定手法はブラインド処理と呼ばれている。
ブラインド処理によってウェイトを推定する手法の1つに、CMA(Constant Modulus Algorithm)と呼ばれる手法がある。このCMAでは送信信号の包絡線一定の性質を利用して、まず、初期ウェイトw(ベクトル)を設定し、ウェイトwによって分離した信号の振幅揺らぎを表す評価関数(以下の式(1)で示す)が小さくなるようにウェイトwを調整して、特定のユーザからの信号(無線信号)を分離するためのウェイト(以下収束後ウェイトと呼ぶ)を推定する。
なお、下記の式(1)において、x(t)は、各要素が各アンテナの時間tにおける入力信号である列ベクトル、p、qは正の整数で通常1または2をとり、添え字Hは共役転置、E[]は平均操作を示す。
Figure 0004388026
ところが、初期ウェイトと収束後ウェイトとの対応関係が未知であるため、重複無くユーザからの無線信号を分離するためのウェイトを得ることが難しい。このようなCMAによる問題点を解消するため、直交条件を課しつつCMAによって順次ウェイトを推定する手法が提案されている(以下単に従来手法と呼ぶ(例えば、非特許文献1参照))。
従来手法では、異なるユーザからの送信信号(無線信号)が無相関であることを利用して、つまり、各ユーザからの送信信号を分離するための理想的なウェイトによってアダプティブアレイを制御した際の出力信号が互いに無相関になることを利用して、受信信号ベクトルをx(t)、m(mは2以上の整数)番目に推定するウェイトをwとすると、m番目のウェイトを推定する時、(m−1)番目までに推定した全てのウェイトを用いて、以下の式(2)で示す拘束条件を課して、CMAによるウェイト推定を行っている。
なお、下記の式(2)において、jは1≦j≦m−1を満たす整数である。
Figure 0004388026
式(2)で示す拘束条件を課すと、同一のウェイトへの収束を防いで、複数のユーザに対するウェイトを重複無く推定することが可能となる。
ところで、m番目のユーザ(つまり、無線信号)のチャネル応答ベクトル(各要素が送信アンテナと各受信アンテナ間の複素インパルス応答であるベクトル)をhとすると、ウェイトwは次の式(3)で表される。
Figure 0004388026
従って、前述の式(2)は以下の式(4)に変形することができる。
Figure 0004388026
このことから、式(2)で示す拘束条件は、推定済みの既知ウェイトwを用いて求めた、(m−1)個の既知チャネル応答ベクトルhとウェイトwとが直交するという拘束条件に置き換えることができる。つまり、「ウェイトwは、(m−1)個の既知チャネル応答ベクトルhを基底ベクトルとする部分空間と直交する」という拘束条件に置き換えることができる。
ここで、図13を参照して、従来のブラインド信号分離装置について説明する。ブラインド信号分離装置10は、複数のアンテナを用いて同一の周波数チャネルに存在する無線信号をブラインド処理に基づいて分離する機能を有している。図13(a)に示すように、ブラインド信号分離装置10はアンテナ11−1から11−M(Mは2以上の整数)、無線部12−1から12−M、入力信号記憶回路13、ウェイト推定回路14、及び信号分離回路15を有しており、また、図13(b)に示すように、ウェイト推定回路14は、ウェイト管理回路141、既知信号部分空間推定回路142、及びブラインドウェイト推定回路143を有している。
ブラインド信号分離装置10では、アンテナ11−1から11−Mで無線信号をそれぞれ第1から第Mの受信信号として受信し、無線部12−1から12−Mではそれぞれ第1から第Mの受信信号について周波数変換及びデジタル変換を行って、第1から第Mのデジタル信号を出力する。そして、これら第1から第Mのデジタル信号は入力信号記憶回路13に記憶される。
ウェイト推定回路14では第1から第Mのデジタル信号に基づいて、複数のユーザから送信された信号(以下ユーザ信号と呼ぶ)を分離するためのウェイトを推定する。そして、信号分離回路15では推定されたウェイトに基づいて第1から第Mのデジタル信号からユーザ信号をそれぞれ分離する。
ウェイト推定回路14では、ウェイトの推定処理を行う際、ウェイト管理回路141において推定したウェイトが記憶され、既知信号部分空間推定回路142では推定済みの既知ウェイトによって分離される信号のチャネル応答ベクトル(送信アンテナから各受信アンテナまでの複素インパルス応答を要素とするベクトル)を基底ベクトルとする部分空間(以下既知信号部分空間と呼ぶ)を推定する。
そして、ブラインドウェイト推定回路143には第1から第Mのデジタル信号が与えられ、ブラインドウェイト推定回路143は推定すべきウェイトが既知信号部分空間と直交するという拘束条件を課して、ブラインド処理によってウェイト推定を行って、その結果をウェイト管理回路141に与える。
Tuan Nguyen and Zhi Ding,"CMA beamforming for multipath correlated sources",ICASSP-97,vol.3, pp.2521-2524, 2002.
ところで、受信アンテナの数に比べてユーザ数が多い場合又は信号対雑音比(SNR(Signal to Noise Ratio))が低い場合等においては、前述の式(4)で仮定した、既知のチャネル応答ベクトルhと未知のウェイトwとの直交性が崩れてしまう。
そして、図13で説明したブラインド信号分離装置10では、式(4)で示す拘束条件下でCMAに応じてウェイトの推定を行っている関係上、式(4)で仮定した直交性が崩れると、ウェイトの推定に当たって誤差が生じてしまい、この推定誤差が後段に伝わると、ウェイト推定精度が大きく低下してしまう。その結果、アダプティブアレイの動作が不正確となって、出力信号の品質が低下してしまう。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的はウェイト推定精度の低下を軽減して出力信号の品質低下を回避することのできるブラインド信号分離装置及びブラインド信号分離方法を提供することにある。
本発明によれば、複数のユーザから送信されるユーザ信号を複数の受信アンテナで受信信号として受信してブラインド処理に基づき前記受信信号から前記ユーザ毎に前記ユーザ信号を分離するブラインド信号分離装置であって、前記受信信号から前記ユーザ信号を分離するための重み係数ベクトルを推定する重み係数推定手段と、前記重み係数ベクトルを用いて前記受信信号から前記ユーザ信号を分離する信号分離手段とを有し、前記重み係数推定手段は、既知の重み係数ベクトルを記憶管理する重み係数管理手段と、前記既知の重み係数ベクトルを用いて未知の重み係数ベクトルによって分離される前記ユーザ信号に係るチャネル応答ベクトルを基底ベクトルとする未知信号部分空間を推定する未知信号部分空間推定手段と、前記未知信号部分空間を用いて前記未知の重み係数ベクトルを基底ベクトルとする未知重み係数部分空間を推定する未知重み係数部分空間推定手段と、推定すべき重み係数が前記未知重み係数部分空間に存在すると定義された拘束条件に基づいて、前記ブラインド処理に基づく重み係数ベクトルの推定を行うブラインド重み係数推定手段を備えることを特徴とするブラインド信号分離装置が得られる。
本発明では、前記重み係数管理手段は、前記ブラインド重み係数推定手段によって推定された重み係数ベクトルと同一の既知の重み係数ベクトルが記憶されている場合、当該重み係数ベクトルのいずれか一方のみを既知の重み係数ベクトルとして記憶して他方を削除する。
本発明では、前記重み係数管理手段は、重み係数ベクトルに応じて変化する評価関数に応じて前記既知の重み係数ベクトルの振幅を補正する。
本発明では、前記未知信号部分空間推定手段は、前記既知の重み係数ベクトルによって分離される前記ユーザ信号に係るチャネル応答ベクトルを既知チャネル応答ベクトルとして推定する既知チャネル推定手段と、該既知チャネル応答ベクトル及び前記受信信号の共分散行列に応じて未知の重み係数ベクトルによって分離される前記ユーザ信号の共分散行列を未知信号共分散行列として推定する未知信号共分散行列推定手段と、該未知信号共分散行列の固有値及び固有ベクトルを求める固有値解析手段と、前記未知の重み係数ベクトルの個数がL(Lは1以上の整数)である際、前記固有値の上位L個に対応する前記固有ベクトルを選択し前記未知信号部分空間の推定を行う固有ベクトル選択手段とを有している。
本発明では、前記固有ベクトル選択手段は、例えば、前記固有値を雑音電力で正規化した正規化固有値のうち所定の閾値を超える正規化固有値の数を前記個数Lとする。
本発明では、前記固有ベクトル選択手段は、例えば、前記固有値を最大固有値で正規化した正規化固有値のうち所定の閾値を超える正規化固有値の数を前記個数Lとする。
本発明では、前記ブラインド重み係数推定手段は、初期重み係数ベクトルを設定する初期重み係数設定手段と、前記初期重み係数ベクトルを入力重み係数ベクトルとして受け、重み係数ベクトルに応じて変化する評価関数に応じて前記入力重み係数ベクトルを調整して調整後重み係数ベクトルとする重み係数調整手段と、前記調整後重み係数ベクトルについて前記未知重み係数部分空間へ正射影した正射影結果を得て該正射影結果を前記入力重み係数ベクトルとして前記重み係数調整手段に与える射影手段とを有し、前記重み係数調整手段による前記重み係数ベクトルの調整及び前記射影手段による前記正射影を複数回行って、前記調整後重み係数ベクトルを推定重み係数ベクトルとして出力する。
本発明では、前記初期重み係数設定手段は、最大固有値と対応する固有ベクトルをチャネル応答ベクトルとした際、当該チャネル応答ベクトルに対応するユーザ信号を分離するための重み係数ベクトルを前記初期重み係数ベクトルとする。
また、本発明に寄れば、複数のユーザから送信されるユーザ信号を複数の受信アンテナで受信信号として受信してブラインド処理に基づき前記受信信号から前記ユーザ毎に前記ユーザ信号を分離するブラインド信号分離方法であって、既知の重み係数ベクトルを用いて未知の重み係数ベクトルによって分離される前記ユーザ信号に係るチャネル応答ベクトルを基底ベクトルとする未知信号部分空間を推定する未知信号部分空間推定ステップと、前記未知信号部分空間を用いて前記未知の重み係数ベクトルを基底ベクトルとする未知重み係数部分空間を推定する未知重み係数部分空間推定ステップと、推定すべき重み係数が前記未知重み係数部分空間に存在すると定義された拘束条件に基づいて、前記ブラインド処理に基づく重み係数ベクトルの推定を行うブラインド重み係数推定ステップと、前記重み係数ベクトルを用いて前記受信信号から前記ユーザ信号を分離する信号分離ステップとを有することを特徴とするブラインド信号分離方法が得られる。
そして、本発明では、前記未知信号部分空間推定ステップは、前記既知の重み係数ベクトルによって分離される前記ユーザ信号に係るチャネル応答ベクトルを既知チャネル応答ベクトルとして推定する既知チャネル推定ステップと、該既知チャネル応答ベクトル及び前記受信信号の共分散行列に応じて未知の重み係数ベクトルによって分離される前記ユーザ信号の共分散行列を未知信号共分散行列として推定する未知信号共分散行列推定ステップと、該未知信号共分散行列の固有値及び固有ベクトルを求める固有値解析ステップと、前記未知の重み係数ベクトルの個数がL(Lは1以上の整数)である際、前記固有値の上位L個に対応する前記固有ベクトルを選択し前記未知信号部分空間の推定を行う固有ベクトル選択ステップとを有している。
以上のように、本発明では、複数のアンテナを用いて、ブラインド処理によって受信信号からユーザ信号の分離を行う際、未知の重み係数ベクトルを基底ベクトルとする部分空間を直接的に推定して、この部分空間内で重み係数ベクトルの推定を行うようにしたので、未知の重み係数ベクトルとチャネル応答ベクトルとの直交性の崩れに起因する重み係数推定精度の低下を防止することができ、その結果、分離後のユーザ信号の品質を高めることができるという効果がある。
次に図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の実施の形態によるブラインド信号分離装置20の構成を示すブロック図であり、図1において、ブラインド信号分離装置20は、図1(a)に示すように、アンテナ21−1から21−M、無線部22−1から22−M、入力信号記憶回路23、ウェイト推定回路24、及び信号分離回路25を有しており、また、図1(b)に示すように、ウェイト推定回路24は、ウェイト管理回路241、未知信号部分空間推定回路242、未知ウェイト部分空間推定回路243、及びブラインドウェイト推定回路244を有している。
図1に示すブラインド信号分離装置20において、無線部22−1から22−M、入力信号記憶回路23、及び信号分離回路25は、前述した図13(a)に示す無線部12−1から12−M、入力信号記憶回路13、及び信号分離回路15と同様の機能を有しており、ウェイト推定回路24の機能がウェイト推定回路14の機能と異なる。
図示のブラインド信号分離装置20では、K’個のウェイトwが推定された際、これらウェイトwに対応する分離後の信号y(t)はそれぞれ次の式(5)に応じて計算される。
Figure 0004388026
図2も参照して、ウェイト推定回路24においては、ウェイトの推定処理を行う際、未知信号部分空間推定回路242で、未知信号部分空間推定が行われる(ステップS1)。ここでは、既知ウェイトを用いて推定前の未知のウェイトによって分離される信号のチャネル応答ベクトルを基底ベクトルとする既知信号部分空間を推定する。
例えば、未知信号部分空間推定回路242は、図3に示すように、既知チャネル推定回路2421、未知信号共分散行列推定回路2422、固有値解析回路2423、及び固有ベクトル選択回路2424を有している。図3及び図4を参照すると、未知信号部分空間推定に当たっては、既知チャネル推定回路2421で、ウェイト管理回路241で管理されている既知ウェイトに応じて既知チャネル応答ベクトルを推定する(既知チャネル推定:ステップP1)。
そして、未知信号共分散行列推定回路2422で入力信号(つまり、デジタル信号)と既知チャネル応答ベクトルとに基づいて、既知ウェイトで分離される信号以外の未知信号の共分散行列を推定する(未知信号共分散行列推定:ステップP2)。固有値解析回路2423は未知信号共分散行列の固有値及び固有ベクトルを求め(固有値解析:ステップP3)、固有ベクトル選択回路2424によって固有ベクトルが選択されて(ステップP4)、未知信号部分空間として未知ウェイト部分空間推定回路243に渡される。
再び、図2を参照して、未知ウェイト部分空間推定回路243では、上記の未知信号部分空間を用いて、推定前の未知のウェイトで規定された部分空間(以下未知ウェイト部分空間と呼ぶ)を推定する(ステップS2)。ブラインドウェイト推定回路244には第1から第Mのデジタル信号が与えられ、ブラインドウェイト推定回路244は推定すべきウェイトが未知ウェイト部分空間に含まれるという拘束条件を課し、ブラインド処理によってウェイト推定を行って(ブラインドウェイト推定:ステップS3)、その結果をウェイト管理回路241に与える。
ここで、図5を参照して、ブラインドウェイト推定回路244は、初期ウェイト設定回路2441、ウェイト調整回路2442、及び射影回路2443を有している。図6も参照すると、ブラインドウェイト推定に当たって、初期ウェイト設定回路2441では、後述するようにして、初期ウェイトを設定し(ステップQ1)、ウェイト調整回路2442に与える。ウェイト調整回路2442では、ェイトを入力信号記憶回路23から与えられる入力信号(デジタル信号)に応じて調整する(ウェイト調整:ステップQ2)。つまり、ェイトを、ウェイトに応じて変化する評価関数の値が大きくもしくは小さくなるように調整を行う。
射影回路2443では、調整後のウェイトに関して未知ウェイト部分空間への正射影を求めて(ステップQ3)、当該正射影を新たなウェイトとしてウェイト調整回路2442に与えている。そして、ウェイト調整回路2442ではこの新たなウェイトを評価関数の値が大きくもしくは小さくなるように調整を行う。
なお、図5では省略されているが、ブラインドウェイト推定回路244では、前述のステップQ2及びQ3で示す処理が所定の回数に達したか否かを判定して(ステップQ4)、所定の回数に達すると、ステップQ3で得られた調整後のウェイトをウェイト管理回路241へ出力して、処理を終了する。
再び、図2を参照して、ウェイト管理回路241では、調整後のウェイトが既に記憶されているウェイトと重複するか否かを判定し(ステップS4)、重複していなければ、ウェイトの振幅補正を行った後(ステップS5)、当該ウェイトを記憶する(ステップS6)。そして、ウェイト推定回路24では所定の回数、ステップS1からS6までの処理を行ったか否かを判定して(ステップS7)、所定の回数に達していないと、ステップS1に戻り、所定の回数に達していると、処理を終了する。なお、ステップS4においてウェイトが重複していると、ステップS7に進む。
続いて前述した未知信号部分空間推定回路242及びブラインドウェイト推定回路244についてさらに詳しく説明する。いま、入力信号として入力信号記憶回路23にはK(Kは2以上の整数)ユーザ分の信号が存在し、ウェイト管理回路241では、k(kは1以上K−1以下の整数)個のウェイトwが記憶されているものとする。この際、w〜wまでのk個のウェイトが既知のウェイトであり、wk+1〜wまでの(K−k)個のウェイトが未知のウェイトである。
まず、既知チャネル推定回路2421では、MMSE(Minimum Means Squared Error)規範のウェイトが前述の式(3)で計算されることを利用して、既知チャネル応答ベクトルhを、次の式(6)を用いて推定する。なお、式(6)において、mは1〜kの整数である。
Figure 0004388026
ところで、ウェイト管理回路241で管理されているウェイトがMMSE規範で求められたものである場合には、既知チャネル推定回路2421において誤差なく既知チャネル応答ベクトルを推定することができるものの、ブラインドウェイト推定回路244がウェイトに応じて変化する評価関数を用いてウェイトを推定する場合には、評価関数の相違によって推定したウェイトの振幅がMMSEウェイトと異なる。このため、両者の評価関数の相違に起因するウェイトの振幅差を補正する必要がある。
例えば、p=1、q=2のCMAを用いて、ウェイトを推定した際の補正は次のようにして行われる。図7に示す評価関数fCMA(w)と補正値βとの関係を用いて、評価関数fCMA(w)から補正値βを推定し、ウェイト管理回路241で管理されているウェイトに補正値βを乗算することによって補正を行う。
なお、ウェイトの振幅差の補正は既知チャネル推定回路2421で行うようにしてもよいが、ウェイト管理回路241においてウェイトを記憶する前に補正を行うと、同一の処理を複数回繰り返す必要がなく、処理負荷を軽減できる。
ここで、評価関数fCMA(w)と補正値βとの関係の導出手法について説明すると、MMSEウェイトとは、次の式(7)で示す評価関数fMMSE(w)を最小にするウェイトであり、MMSEウェイトによって分離された信号の振幅αMMSEは、参照信号r(t)の平均振幅とは必ずしも一致しない。これは、分離後の信号wx(t)のSINRが小さい場合、参照信号r(t)の平均振幅よりも分離後の信号wx(t)の振幅が小さくなるように、ウェイトを決定したほうが評価関数fMMSE(w)の値を小さくできるからである。なお、式(7)において、r(t)は参照信号である。
Figure 0004388026
但し、むやみに、信号wx(t)の振幅を小さくすること、つまり、振幅をゼロにすることが評価関数fMMSE(w)を最小化するわけではなく、信号wx(t)のSINRに応じた最適な振幅が存在し、これがαMMSEである。
参照信号r(t)の振幅が常に1である際の、振幅αMMSEと信号wx(t)のSINRとの関係を図8に示す。同様に、CMAを用いて求めたウェイトによって分離した信号の振幅αCMAも、分離後の信号wx(t)のSINRに応じて変化する。p=1、q=2のCMAを用いて求めたウェイトで分離した信号の振幅αCMAと分離後の信号wx(t)のSINRとの関係を図9に示す。
図8及び図9で示される関係を用いて、振幅の補正値βは、次の式(8)によって求められる。
Figure 0004388026
信号wx(t)のSINRは直接的に求めることはできないものの、分離の際に用いたウェイトwの評価関数fCMA(w)と信号wx(t)のSINRは、図10に示すように、1対1で対応するから、図7に示す評価関数fCMA(w)と補正値βとの関係を導くことができる。
続いて、未知信号共分散行列推定回路2422では、既知チャネル推定回路2421で推定した既知チャネル応答ベクトルhを用いて、既知ウェイトで分離される信号以外の信号、即ち、未知のユーザ信号と雑音の共分散行列Ruuを、次の式(9)を用いて推定する。
Figure 0004388026
これは、入力信号の共分散行列Rxxが次の式(10)のように展開できることを利用している。なお、式(10)において、s_m(t)はm番目のユーザの送信信号、u(t)は、各要素が各アンテナに付加される雑音である雑音ベクトル、σは、雑音電力、Iは単位行列である。
Figure 0004388026
ところで、ウェイト管理回路241で管理されているウェイトと同一の(つまり、重複する)ウェイトが存在すると、式(10)の式展開が成り立たなくなる。このため、未知信号共分散行列推定回路2422では、式(9)で示す推定手法を用いると推定誤差が生じてしまう。従って、ウェイト管理回路241では、管理するウェイトと同一のウェイトがあると、前述のように、どちらか一方を削除する。
なお、重複するウェイトは、例えば、ウェイト同士の内積値を計算して、当該内積値が所定の閾値よりも大きいか否かを判定する手法等を用いて検出することができる。
次に、固有値解析回路2423では、未知信号共分散行列Ruuから、次の式(11)を満たす固有値λ〜λ及び対応する固有ベクトルe〜eを求める。
Figure 0004388026
続いて、固有ベクトル選択回路2424では、未知のチャネル応答ベクトルを基底ベクトルとする部分空間の基底ベクトルを選択する。一般に、未知のチャネル応答ベクトルは一次独立であるため、未知のウェイトベクトルの個数(未知のチャネル応答ベクトルの個数)をLとすると、上位L個の固有値に対応する固有ベクトルを選択すれば、未知のチャネル応答ベクトルを基底ベクトルとする部分空間の基底ベクトルが得られる。
ユーザ数Kが既知である場合には、L=K−kと一意に決まるが、一般に、ユーザ数Kは未知であるため、適応的に未知のウェイトベクトルの個数Lを推定する必要がある。ここでは、未知のチャネル応答ベクトルの個数Lの推定手法を二つ述べることにする。
第1の推定手法では、固有値を雑音電力で正規化して、所定の閾値を超える正規化固有値の数を未知のウェイトベクトルの個数Lとする。ところで、入力信号の共分散行列が正確で、且つ既知のチャネル応答ベクトルの推定誤差がゼロであると、雑音電力よりも高い固有値に対応する固有ベクトルを基底ベクトルとする部分空間は未知のチャネル応答ベクトルを基底ベクトルとする部分空間となる。
このため、入力信号の共分散行列及び既知のウェイトベクトルが誤差なく推定されている場合には、閾値を1に設定した第1の推定手法を用いれば、未知のウェイトベクトルの個数Lを誤差なく推定することができる。なお、雑音電力は、例えば、無信号区間の受信電力を計測する等すれば求めることができる。
第2の推定手法では、固有値を最大固有値で正規化して、所定の閾値を超える正規化固有値の数を未知のウェイトベクトルの個数Lとする。第2の推定手法を用いると、受信電力が大きいユーザ信号に関して個数Lが得られる。
ところで、受信電力が大きいユーザ信号に係るチャネル応答ベクトルは、大きい固有値に対応する固有ベクトルを基底ベクトルとする部分空間との内積値が大きいため、当該部分空間は受信電力が大きいユーザ信号に係るチャネル応答ベクトルを基底ベクトルとする部分空間とほぼ一致する。従って、第2の推定手法を用いれば、受信電力が大きいユーザを分離するウェイトを優先的に推定することができる。
未知ウェイト部分空間推定回路243では、各列が未知ウェイト部分空間の基底ベクトルである行列Fを、次の式(12)によって求める。なお、式(12)において、Fは各列が未知チャネル部分空間の直交基底ベクトルである行列である。
Figure 0004388026
ここで、各列が未知のウェイトである行列は、次の式(13)に変形できるから、式(12)で求めた行列Fの各列は未知のウェイト部分空間の基底ベクトルとなる。なお、式(13)において、GはK-k行、K−k列の行列である。
Figure 0004388026
次に、ブラインドウェイト推定回路244について説明すると、初期ウェイト設定回路2441では、固有値解析回路2423で求めた固有値の最大値に対応する固有ベクトルをチャネル応答ベクトルとした際、当該チャネル応答ベクトルに係る信号を分離するためのウェイトを初期ウェイトとする。具体的には、初期ウェイトw(input) は、次の式(14)によって求められ、ウェイト調整回路2442に与えられる。なお、式(14)において、eは固有値の最大値に対応する固有ベクトルである。
Figure 0004388026
受信電力の大きいユーザ信号に係るチャネル応答ベクトルと最大固有値に対応する固有ベクトルとの内積値は大きいため、このように初期ウェイト設定回路2441を動作させると、受信電力の大きいユーザ信号を分離するためのウェイトを優先的に推定することができる。なお、初期ウェイト設定回路2441は解空間からランダムにウェイトを選択するようにしてもよい。
ウェイト調整回路2442は、その用いる評価関数の種類及び最適化手法によって、その動作が異なる。ここでは、二つの例を挙げて説明する。まず、式(1)に示す評価関数(但し、p=1、q=2)をLS(Least Squares)法によって極小にするウェイトを求めるLS−CMAを用いた際のウェイト調整回路2442の動作について説明する。
CMAの評価関数を用いた最適化は、ユーザが送信した信号の包絡線が一定、もしくはほぼ一定である場合に有効な手法であり、LS−CMAによる最適化では、まず、入力されたウェイトw(input) 及び入力信号ベクトルx(t)から出力信号y(t)を、次の式(15)によって求める。
Figure 0004388026
続いて、出力信号y(t)から、次の式(16)で示すようにして参照信号δ(t)を生成する。
Figure 0004388026
続いて、次の式(17)に従ってウェイトw(output) を推定して、当該ウェイトw(output) を出力する。
Figure 0004388026
次に、式(18)に示す4次のキュムラントを評価関数として、wのノルム一定の条件下で不動点法によって当該評価関数を極大もしくは極小にするアルゴリズムを用いた際のウェイト調整回路2442の動作について説明する。
Figure 0004388026
4次のキュムラントを示す評価関数を用いた最適化は、非ガウス性を用いるため、ユーザが送信した信号の分布がガウス分布でない場合に有効であり、ほぼ全ての送信信号に対して適用することができる。但し、高次の統計量を用いるため外れ値の影響を受け易く、特に、送信信号の長さが短いと、ウェイト推定精度が劣化し易い。
この最適化においては、まず、式(15)を用いて入力されたウェイトw(input) 及び入力信号ベクトルx(t)から出力信号y(t)を求める。次に、出力信号y(t)から次の式(19)に従ってウェイトw(output) を推定する。
Figure 0004388026
そして、次の式(20)に従ってウェイトw(output) を正規化した後、当該ウェイトw(output) を出力する。なお、式(20)において、‖‖はベクトルのノルムを計算する操作を意味する。
Figure 0004388026
なお、上述の例では、ウェイト調整回路2442の2種類の動作について説明したが、ウェイト調整回路2442は、ユーザが送信する信号の性質及び達成したい推定精度等に応じて、その用いる評価関数及び最適化手法を適宜変更することができる。
射影回路2443では、各列が未知ウェイト部分空間の基底ベクトルである行列Fを用いて、次の式(21)に従って、ウェイト調整回路2442から出力されたウェイトw(output) の未知ウェイト部分空間への正射影を求めて、当該正射影を、ウェイト調整回路2442に入力されるウェイトw(input) として出力する。
Figure 0004388026
ここで、上述したブラインド信号分離装置20と図13で説明した従来のブラインド分離装置10について、出力信号のSINRの累積確率(累積分布関数)をシミュレーションした結果を図11及び図12に示す。比較のため、理想的なウェイト推定アルゴリズムであるMMSEを用いたシミュレーション結果も合わせて示す。なお、各ユーザ信号のSINRは、ウェイト推定回路によって推定された全ウェイトに係るSINRのうち最も高いSINRと定義した。
図11及び図12において、曲線R1は従来のブラインド分離装置10のシミュレーション結果であり、曲線R2はブラインド信号分離装置20のシミュレーション結果である。また、曲線R3はMMSEを用いた際のシミュレーション結果である。
まず、図11を参照して、ここでは、受信アンテナ素子数(M)=6、ユーザ数=6、変調方式:QPSK、データ長:1024シンボル、伝搬モデル:i.i.d. Rayleigh fading model、平均SNR:全ユーザ10dB、最適化アルゴリズム:LS−CMA(p=1、q=2)とし、SNRが低い状況が比較的高い確率で発生する環境下における分離特性を評価している。
図11から容易に分かるように、SNRが低い状況が比較的高い確率で発生する環境下において、従来のブラインド信号分離装置10に比べて、ブラインド信号分離装置20は高いSINRが得られ、理論上限を与えるMMSEの結果に漸近する極めて良好な分離特性を得ることができる。
続いて、図12を参照して、ここでは、受信アンテナ素子数(M)=6、ユーザ数=9、変調方式:QPSK、データ長:1024シンボル、伝搬モデル:i.i.d. Rayleigh fading model、平均SNR:全ユーザ30dB、最適化アルゴリズム:LS−CMA(p=1、q=2)とし、受信アンテナ数に比べてユーザ数が多い場合の分離特性を評価している。
図12から容易に分かるように、受信アンテナ数に比べてユーザ数が多い場合であっても、従来のブラインド信号分離装置10に比べて、ブラインド信号分離装置20は高いSINRが得られ、出力信号のSINRが5dBを超える領域ではMMSEの結果に漸近する極めて良好な分離特性を得ることができる。
このように、ブラインド信号分離装置20では、前述の式(4)で説明した直交性(既知のチャネル応答ベクトルと未知のウェイトの直交性)を用いることなく、未知のウェイトによって規定される部分空間を推定して、この部分空間(未知ウェイト部分空間)を利用してウェイトの推定を行うようにしたので、直交性の崩れに起因するウェイト推定精度の低下を防止できる。
また、複数のアンテナを用いて、ブラインド処理によって受信信号からユーザ信号の分離を行う際、未知の重み係数ベクトルを基底ベクトルとする部分空間を直接的に推定して、この部分空間内で重み係数ベクトルの推定を行うようにしたから、未知の重み係数ベクトルとチャネル応答ベクトルとの直交性の崩れに起因する重み係数推定精度の低下を防止することができる結果、デジタル無線通信システムのおける通信品質の向上に適用できる。
本発明の実施の形態によるブラインド信号分離装置の一例を示すブロック図であり、(a)はブラインド信号分離装置の全体構成を示すブロック図、(b)はウェイト推定回路の構成を示すブロック図である。 図1(b)に示すウェイト推定回路の動作を説明するためのフロー図である。 図1(b)に示す未知信号部分空間推定回路の構成を示すブロック図である。 図3に示す未知信号部分空間推定回路の動作を説明するためのフロー図である。 図1(b)に示すブラインドウェイト推定回路の構成を示すブロック図である。 図5に示すブラインドウェイト推定回路の動作を説明するためのフロー図である。 評価関数として、p=1、q=2のCMAを用いた際のウェイト振幅の補正係数を示す図である。 MMSEウェイトで分離した信号のSINRと当該信号の振幅αMMSEとの関係を示す図である。 p=1、q=2のCMAによって求めたウェイトで分離した信号のSINRと当該信号の振幅αCMAとの関係を示す図である。 p=1、q=2のCMAによって求めたウェイトで分離した信号のSINRと当該ウェイトに係る評価関数の値fCMA(w)との関係を示す図である。 従来のブラインド信号分離装置、本発明によるブラインド信号分離装置、及びMMSEのシミュレーション結果の一例を示す図である。 従来のブラインド信号分離装置、本発明によるブラインド信号分離装置、及びMMSEのシミュレーション結果の他の例を示す図である。 従来のブラインド信号分離装置の一例を示すブロック図である。
符号の説明
20 ブラインド信号分離装置
21−1〜21−M アンテナ
22−1〜22−M 無線部
23 入力信号記憶回路
24 ウェイト推定回路
25 信号分離回路
241 ウェイト管理回路
242 未知信号部分空間推定回路
243 未知ウェイト部分空間推定回路
244 ブラインドウェイト推定回路

Claims (10)

  1. 複数のユーザから送信されるユーザ信号を複数の受信アンテナで受信信号として受信してブラインド処理に基づき前記受信信号から前記ユーザ毎に前記ユーザ信号を分離するブラインド信号分離装置であって、
    前記受信信号から前記ユーザ信号を分離するための重み係数ベクトルを推定する重み係数推定手段と、
    前記重み係数ベクトルを用いて前記受信信号から前記ユーザ信号を分離する信号分離手段とを有し、
    前記重み係数推定手段は、既知の重み係数ベクトルを記憶管理する重み係数管理手段と、
    前記既知の重み係数ベクトルを用いて未知の重み係数ベクトルによって分離される前記ユーザ信号に係るチャネル応答ベクトルを基底ベクトルとする未知信号部分空間を推定する未知信号部分空間推定手段と、
    前記未知信号部分空間を用いて前記未知の重み係数ベクトルを基底ベクトルとする未知重み係数部分空間を推定する未知重み係数部分空間推定手段と、
    重み係数ベクトルに応じて変化する評価関数に応じて入力重み係数ベクトルを調整して調整後重み係数ベクトルとし更に該調整後重み係数ベクトルに対し未知重み係数部分空間への正射影を求めて該正射影を新たな重み係数とする処理を行い、更に該処理が規定の回数に満たない場合は該新たな重み係数を入力重み係数ベクトルとして該調整ならびに該正射影を繰り返すことにより、前記ブラインド処理に基づく重み係数ベクトルの推定を行うブラインド重み係数推定手段
    を備えることを特徴とするブラインド信号分離装置。
  2. 前記重み係数管理手段は、前記ブラインド重み係数推定手段によって推定された重み係数ベクトルと同一の既知の重み係数ベクトルが記憶されている場合、当該重み係数ベクトルのいずれか一方のみを既知の重み係数ベクトルとして記憶して他方を削除するようにしたことを特徴とする請求項1記載のブラインド信号分離装置。
  3. 前記重み係数管理手段は、重み係数ベクトルに応じて変化する評価関数に応じて前記既知の重み係数ベクトルの振幅を補正するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載のブラインド信号分離装置。
  4. 前記未知信号部分空間推定手段は、前記既知の重み係数ベクトルによって分離される前記ユーザ信号に係るチャネル応答ベクトルを既知チャネル応答ベクトルとして推定する既知チャネル推定手段と、
    該既知チャネル応答ベクトル及び前記受信信号の共分散行列に応じて未知の重み係数ベクトルによって分離される前記ユーザ信号の共分散行列を未知信号共分散行列として推定する未知信号共分散行列推定手段と、
    該未知信号共分散行列の固有値及び固有ベクトルを求める固有値解析手段と、
    前記未知の重み係数ベクトルの個数がL(Lは1以上の整数)である際、前記固有値の上位L個に対応する前記固有ベクトルを選択し前記未知信号部分空間の推定を行う固有ベクトル選択手段とを有することを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載のブラインド信号分離装置。
  5. 前記固有ベクトル選択手段は、前記固有値を雑音電力で正規化した正規化固有値のうち所定の閾値を超える正規化固有値の数を前記個数Lとするようにしたことを特徴とする請求項4記載のブラインド信号分離装置。
  6. 前記固有ベクトル選択手段は、前記固有値を最大固有値で正規化した正規化固有値のうち所定の閾値を超える正規化固有値の数を前記個数Lとするようにしたことを特徴とする請求項4記載のブラインド信号分離装置。
  7. 前記ブラインド重み係数推定手段は、初期重み係数ベクトルを設定する初期重み係数設
    定手段と、
    前記初期重み係数ベクトルを入力重み係数ベクトルとして受け、重み係数ベクトルに応じて変化する評価関数に応じて前記入力重み係数ベクトルを調整して調整後重み係数ベクトルとする重み係数調整手段と、
    前記調整後重み係数ベクトルについて前記未知重み係数部分空間へ正射影した正射影結果を得て該正射影結果を前記入力重み係数ベクトルとして前記重み係数調整手段に与える射影手段とを有し、
    前記重み係数調整手段による前記重み係数ベクトルの調整及び前記射影手段による前記正射影を複数回行って、前記調整後重み係数ベクトルを推定重み係数ベクトルとして出力するようにした
    ことを特徴とする請求項4又は5記載のブラインド信号分離装置。
  8. 前記初期重み係数設定手段は、最大固有値と対応する固有ベクトルをチャネル応答ベクトルとした際、当該チャネル応答ベクトルに対応するユーザ信号を分離するための重み係数ベクトルを前記初期重み係数ベクトルとするようにしたことを特徴とする請求項7記載のブラインド信号分離装置。
  9. 複数のユーザから送信されるユーザ信号を複数の受信アンテナで受信信号として受信してブラインド処理に基づき前記受信信号から前記ユーザ毎に前記ユーザ信号を分離するブラインド信号分離方法であって、
    既知の重み係数ベクトルを用いて未知の重み係数ベクトルによって分離される前記ユーザ信号に係るチャネル応答ベクトルを基底ベクトルとする未知信号部分空間を推定する未知信号部分空間推定ステップと、
    前記未知信号部分空間を用いて前記未知の重み係数ベクトルを基底ベクトルとする未知重み係数部分空間を推定する未知重み係数部分空間推定ステップと、
    重み係数ベクトルに応じて変化する評価関数に応じて入力重み係数ベクトルを調整して調整後重み係数ベクトルとし更に該調整後重み係数ベクトルに対し未知重み係数部分空間への正射影を求めて該正射影を新たな重み係数とする処理を行い、更に該処理が規定の回数に満たない場合は該新たな重み係数を入力重み係数ベクトルとして該調整ならびに該正射影を繰り返すことにより、前記ブラインド処理に基づく重み係数ベクトルの推定を行うブラインド重み係数推定ステップと、
    前記重み係数ベクトルを用いて前記受信信号から前記ユーザ信号を分離する信号分離ステップとを有する
    ことを特徴とするブラインド信号分離方法。
  10. 前記未知信号部分空間推定ステップは、前記既知の重み係数ベクトルによって分離される前記ユーザ信号に係るチャネル応答ベクトルを既知チャネル応答ベクトルとして推定する既知チャネル推定ステップと、
    該既知チャネル応答ベクトル及び前記受信信号の共分散行列に応じて未知の重み係数ベクトルによって分離される前記ユーザ信号の共分散行列を未知信号共分散行列として推定する未知信号共分散行列推定ステップと、
    該未知信号共分散行列の固有値及び固有ベクトルを求める固有値解析ステップと、
    前記未知の重み係数ベクトルの個数がL(Lは1以上の整数)である際、前記固有値の上位L個に対応する前記固有ベクトルを選択し前記未知信号部分空間の推定を行う固有ベクトル選択ステップとを有することを特徴とする請求項9項記載のブラインド信号分離方法。

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