JP4386630B2 - エンジン油組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はエンジン油組成物に関し、優れた摩擦低減効果及びその持続性能を有するエンジン油組成物に関する
【0002】
【従来の技術】
近年の自動車用エンジンに対しては、低燃費性能向上技術の開発が盛んに行われている。
そのような低燃費性能向上技術として、自動車用ガソリンエンジン油では、低粘度化や摩擦低減剤の配合等による摩擦損失低減に関する検討が広く行われている。
エンジン油の摩擦損失を低減させる摩擦低減剤として、有機モリブデン化合物を含有する添加剤、アミンまたはエステル系の無灰型摩擦低減剤などが多く使用されているが、特に有機モリブデン化合物の摩擦低減効果が大きいことが知られている。
しかし、有機モリブデン化合物による摩擦低減効果は、エンジン内部のような酸素と窒素酸化物(NOx)が共存する高温酸化条件において、持続性が充分に得られない場合がある。
そこで、基油やその他の添加剤の配合技術により、長期に渡り低燃費持続効果を発現することができるエンジン油の開発が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の状況に鑑み、優れた摩擦低減効果とその持続性を有するエンジン油組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、モリブデンジチオカーバメート系摩擦低減剤及びアルキル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート系酸化防止剤、金属清浄剤として、全塩基価が50〜400mgKOH/gであるカルシウムサリシレート系金属型清浄剤のみを、及び分子中に、プライマリータイプの炭素数が5以下のアルキル基と、セカンダリータイプの炭素数が3のアルキル基を少なくとも1つづつ有し、且つセカンダリータイプのアルキル基の割合が40%以下であるジアルキルジチオリン酸亜鉛を特定量含有させたエンジン油組成物が優れた摩擦低減効果とその持続性を有し、エンジンの低燃費性能が大幅に改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、鉱油系潤滑油基油、合成系潤滑油基油又はこれらの混合物からなる基油に、(A)モリブデンジチオカーバメート系摩擦低減剤をモリブデン量で200〜2000ppm、(B)アルキル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート系酸化防止剤を0.05〜2質量%、(C)金属清浄剤として、全塩基価が50〜400mgKOH/gであるカルシウムサリシレート系金属型清浄剤のみをカルシウム量で0.05〜0.4質量%、及び(D)分子中に、プライマリータイプの炭素数が5以下のアルキル基と、セカンダリータイプの炭素数が3のアルキル基を少なくとも1つづつ有し、且つセカンダリータイプのアルキル基の割合が40%以下であるジアルキルジチオリン酸亜鉛を亜鉛量で0.01〜0.2質量%の割合で含有させていることを特徴とするエンジン油組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記エンジン油組成物において、ジアルキルジチオリン酸亜鉛において、セカンダリータイプのアルキル基の割合が10〜40%であるエンジン油組成物を提供するものである。
さらに、本発明は、上記エンジン油組成物において、アルキル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート系酸化防止剤が、炭素数4〜12のイソアルキル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート系酸化防止剤である請求項1又は2に記載のエンジン油組成物を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のエンジン油組成物においては、鉱油系潤滑油基油もしくは合成系潤滑油基油あるいは両者の混合物からなる基油を用いる。
これらの基油は特に限定されるものではなく、通常エンジン油組成物の基油として用いられているものであれば使用できる。鉱油系潤滑油基油の場合、例えば原油を常圧蒸留および減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤精製、水素化精製、溶剤脱ロウ等の精製処理により適宜組み合わせて精製したパラフィン系、ナフテン系等の鉱油系潤滑油基油が挙げられる。合成系潤滑油基油としては、例えば炭素数3〜12のα−オレフィンの重合体であるα−オレフィンオリゴマー、ジオクチルセバケートを始めとするセバケート、アゼレート、アジペートなどの炭素数4〜12のジアルキルジエステル類、1−トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールと炭素数3〜12の一塩基酸から得られるエステルを始めとするポリオールエステル類、炭素数9〜40のアルキル基を有するアルキルベンゼン類などが挙げられる。
上記鉱油系潤滑油基油及び合成系潤滑油基油はそれぞれ1種単独であるいは2種以上を混合して使用してもよい。
【0007】
本発明のエンジン油組成物における潤滑油基油の粘度は特に限定しないが、通常40℃における動粘度が1〜250mm2/sであればよく、好ましくは10〜150mm2/sであり、特に好ましくは20〜120mm2/sである。また、粘度指数は、50〜200であればよく、好ましくは80〜150である。本発明のエンジン油組成物における必須成分の一つであるモリブデンジチオカーバメート系摩擦低減剤は、下記の一般式(1)で表されるものが挙げられる。
【化1】
(式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ炭素数2〜18の炭化水素基であり、R1、R2、R3及びR4は、すべて同一であっても、異なっていてもよく、X及びYは酸素原子又は硫黄原子である。)
【0008】
一般式(1)において、R1、R2、R3及びR4は、炭素数2〜18の炭化水素基であり、炭化水素基は1級炭化水素基、2級炭化水素基または3級炭化水素基のいずれであってもよい。これらの炭化水素基は直鎖状でも分岐状でもよいが、分岐状が好ましく、イソ炭化水素基が特に好ましい。炭化水素基の炭素数は、5〜15が好ましく、7〜14が特に好ましい。一般式(1)において、R1、R2、R3及びR4で表される炭化水素基は、すべて同一であっても、異なっていてもよい。また、一般式(1)において、X及びYは酸素原子又は硫黄原子であり、すべてのX及びYが硫黄原子又は酸素原子であってもよく、また一部のXが硫黄原子で、残りのXが酸素原子であってもよく、また一部のYが硫黄原子で、残りのYが酸素原子であってもよい。R1、R2、R3及びR4で表される炭化水素基としては、例えば、炭素数2〜18のアルキル基、炭素数7〜18のアルキルアリール基などを好ましく挙げることができる。
炭化水素基の具体例としては、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ブチルフェニル基、ノニルフェニル基、ドデシルフェニル基などが挙げられる。また、式中XおよびYは硫黄原子(S)または酸素原子(O)を示す。式中のXおよびYの硫黄原子と酸素原子の数の平均比率は1:3〜3:1の範囲が好ましい。
【0009】
モリブデンジチオカーバメート系摩擦低減剤の具体例としては、硫化モリブデンジエチルジチオカーバメート、硫化モリブデンジプロピルジチオカーバメート、硫化モリブデンジブチルジチオカーバメート、硫化モリブデンジペンチルジチオカーバメート、硫化モリブデンジヘキシルジチオカーバメート、硫化モリブデンジオクチルジチオカーバメート、硫化モリブデンジデシルジチオカーバメート、硫化モリブデンジドデシルジチオカーバメート、硫化モリブデンジトリデシルジチオカーバメート、硫化モリブデンジ(ブチルフェニル)ジチオカーバメート、硫化モリブデン(ジノニルフェニル)ジチオカーバメート、硫化モリブデン(ジドデシルフェニル)ジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジエチルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジプロピルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジブチルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジペンチルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジヘキシルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジオクチルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジデシルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジドデシルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジトリデシルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジ(ブチルフェニル)ジチオカーバメート、硫化オキシモリブデン(ジノニルフェニル)ジチオカーバメート、硫化オキシモリブデン(ジドデシルフェニル)ジチオカーバメートなどが挙げられる。これらの例において、置換基のアルキル基は分岐のアルキル基も含まれる。
【0010】
モリブデンジチオカーバメイト系摩擦低減剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
モリブデンジチオカーバメート系摩擦低減剤の含有量は、Mo量で200〜2000ppmであり、300〜1500ppmが好ましく、500〜1000ppmが特に好ましい。この含有量が上記範囲より少ないと高い摩擦低減効果が得られない。また、含有量が多すぎるとその量に見合った摩擦低減効果が得られない。
【0011】
本発明のエンジン油組成物における必須成分の一つであるアルキル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート系酸化防止剤は、下記の一般式(2)で表されるものが挙げられる。
【化2】
(式中、nは1〜4の整数である。CxHyは、n=1のときy=2x+1、n=2のときy=2x、n=3のときy=2x−1、n=4のときy=2x−2であるx=3〜18の炭化水素基である。)
【0012】
上記炭化水素基の好ましい具体例としてはプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、イソヘキシル基、イソオクチル基、イソデシル基、イソドデシル基、イソトリデシル基、イソオクタデシル基などが挙げられる。
CxHyの炭化水素基は、直鎖状でも分岐状でもよいが、分岐状が好ましく、イソ炭化水素基が特に好ましい。一般式(2)において、nは1〜4の整数であるが、1〜3が好ましく、1が特に好ましい。また、xは3〜18であるが、4〜12が好ましく、6〜10が特に好ましい。
アルキル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート系酸化防止剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
アルキル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート系酸化防止剤の含有量は、0.05〜2質量%であり、0.05〜1質量%が好ましい。
【0013】
本発明のエンジン油組成物においては、金属型清浄剤として、全塩基価(JIS K2501 過塩素酸法)が50〜400mgKOH/gであり、好ましくは100〜200mgKOH/gであるカルシウムサリシレート系金属型清浄剤のみを含有させる。全塩基価が50mgKOH/gより低い場合には、エンジン油としての全塩基価を高めるために多量の配合が必要となり、全塩基価が400mgKOH/gより高い場合には、油中に存在するサリシレート成分が少なくなり充分な効果が得られない。
カルシウムサリシレート系金属型清浄剤には、カルシウムサリシレート及び炭化水素基で置換されたカルシウムサリシレートが含まれる。
【0014】
炭化水素基としては、炭素数4〜30のアルキル基が好ましい。アルキル基としては、具体的には、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基、ペンタトリアコンチル基等を挙げることができる。また、サリシレートは硫黄化合物との接触により硫化させたものでもよい。
上記カルシウムサリシレート系金属型清浄剤は、中性カルシウムサリシレートを炭酸カルシウムやホウ酸カルシウムなどによって、過塩基化して得ることができる。
カルシウムサリシレート系金属型清浄剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
カルシウムサリシレート系金属型清浄剤の含有量は、カルシウム量で0.05〜0.4質量%であり、0.05〜0.3質量%が好ましく、0.15〜0.3質量%が特に好ましい。
【0016】
本発明のエンジン油組成物においては、分子中に、プライマリータイプの炭素数が5以下のアルキル基と、セカンダリータイプの炭素数が3のアルキル基を少なくとも1つづつ有し、且つセカンダリータイプのアルキル基の割合が40%以下であるジアルキルジチオリン酸亜鉛を含ませることにより、さらに低燃費持続性能を向上させることができる。このジアルキルジチオリン酸亜鉛としては、下記の一般式(3)で表されるジアルキルジチオリン酸亜鉛が挙げられる。
【化3】
(式中、R5〜R8は炭化水素基であり、プライマリータイプの炭素数が5以下のアルキル基およびセカンダリータイプの炭素数が3のアルキル基を少なくとも1つづつ有し、且つセカンダリータイプのアルキル基の割合が40%以下である。)
【0017】
一般式(3)において、R5〜R8はそれぞれ炭素数3〜14のプライマリータイプまたはセカンダリータイプのアルキル基またはアリール基が好ましい。R5〜R8の中の2つがセカンダリータイプの炭素数が3のアルキル基とプライマリータイプの炭素数が5以下のアルキル基を必ず含むものであり、他の2つの炭化水素基はこれらと同一でも異なってもよい。プライマリータイプの炭素数が5以下のアルキル基の炭素数は、好ましくは2〜5であり、より好ましくは3〜5であり、特に好ましくは4〜5である。
R5〜R8は、セカンダリータイプのアルキル基の割合が40%以下であるが、好ましくは10〜40%であり、特に好ましくは25〜35%である。
ジアルキルジチオリン酸亜鉛は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
ジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量は亜鉛量で0.01〜0.2質量%が好ましく、0.04〜0.15質量%がさらに好ましい。
【0018】
本発明のエンジン油組成物においては、上記した添加物の他に、必要に応じて各種公知の添加剤、例えば、アルケニルコハク酸イミド、アルケニルコハク酸イミド硼素化変性物、ベンジルアミン、アルキルポリアミンなどの無灰型分散剤;リン系、硫黄系、アミン系、エステル系などの各種摩耗防止剤;ポリメタクリレート系、エチレンプロピレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体の水素化物あるいはポリイソブチレン等の各種粘度指数向上剤;2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールなどのアルキルフェノール類、4,4’−メチレンビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)などのビスフェノール類、などのフェノール系化合物、ナフチルアミン類やジアルキルジフェニルアミン類などの芳香族アミン化合物などの各種酸化防止剤;硫化オレフィン、硫化油脂、メチルトリクロロステアレート、塩素化ナフタレン、ヨウ素化ベンジル、フルオロアルキルポリシロキサン、ナフテン酸鉛などの極圧剤、ステアリン酸を始めとするカルボン酸、ジカルボン酸、金属石鹸、カルボン酸アミン塩、重質スルホン酸の金属塩、多価アルコールのカルボン酸部分エステル、リン酸エステルなどの各種錆止め剤;ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾールなどの各種腐食防止剤;シリコーン油などの各種消泡剤などを1種単独または2種以上組み合わせて適宜配合することができる。
本発明のエンジン油組成物の調整方法は、基油、上記必須成分及び必要に応じて各種添加剤を適宜混合すればよく、その混合順序は特に限定されるものではない。基油に必須成分を順次混合してもよく、必須成分を予め混合した後基油に混合してもよい。さらに、各種添加剤についても、予め基油に添加してもよく、必須成分に添加してもよい。
【0019】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの例によっては何等限定されるものではない。
実施例では、基油に、必須成分及び各種添加剤を配合してエンジン油組成物を調製し、摩擦係数の持続性を評価した。
各実施例、各比較例のエンジン油組成物の調整に用いた基油、必須成分及び添加剤の種類並びに各評価試験は次の通りである。なお、各実施例、各比較例とも基油配合比および粘度指数向上剤のバランスにより、100℃粘度10.3mm2/s、−30℃のCCS粘度6,000MPa・sの5W−30グレードに調整した。
【0020】
1.基油
40℃の動粘度が34mm2/sで、粘度指数108の鉱油および40℃の動粘度が22mm2/sで粘度指数が105の鉱油を使用した。
2.モリブデンジチオカーバメート系摩擦低減剤(MoDTC)
一般式(1)中、R1〜R4がイソオクチル基及びイソトリデシル基であり、X、Yが酸素原子及び硫黄原子であるモリブデンジチオカーバメート(酸素原子と硫黄原子の数の平均比率が2:1程度)。
3.フェノール系酸化防止剤
フェノール系酸化防止剤▲1▼:イソオクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
フェノール系酸化防止剤▲2▼:4,4’−メチレンビス(2,6−tert−ブチルフェノール)
【0021】
4.金属型清浄剤
金属型清浄剤▲1▼:全塩基価(JIS K2501 過塩素酸法)が165mgKOH/gであるオクタデシル基置換カルシウムサリシレート
金属型清浄剤▲2▼:全塩基価が310mgKOH/gであるカルシウムスルホネート
金属型清浄剤▲3▼:全塩基価が250mgKOH/gであるカルシウムフェネート
5.ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)
ZnDTP▲1▼:分子中に炭素数が3のセカンダリータイプのアルキル基と炭素数4および5のプライマリータイプのアルキル基を有するZnDTP(セカンダリータイプのアルキル基の割合:30質量%)
ZnDTP▲2▼:アルキル基が、炭素数8のプライマリータイプアルキル基であるZnDTP
ZnDTP▲3▼:アルキル基が、炭素数4および6のセカンダリータイプアルキル基であるZnDTP
6.アルケニルコハク酸イミド
ブテニル基の分子量が約1500程度のビスタイプのポリアルケニルコハク酸イミド
7.粘度指数向上剤
重量平均分子量が40万のポリアルキルメタクリレート
【0022】
[評価試験]
(エンジン油劣化試験および低燃費効果)
実施例、及び比較例の各エンジン油について、NOx吹き込み式エンジン油劣化試験機を用いてエンジン油を劣化させた。なお試験条件は油温を165℃、NO濃度8,000ppmのNO/N2ガス流量を95mL/min、空気流量を250mL/minとし、NO/N2ガスおよび空気の混合ガスを油中に吹き込み劣化試験を行なった。なお、一般にNOx吹き込み式の劣化試験を行なう場合、試料管上部に冷却管を装着するなどして揮発成分等を還流させているが、本試験においてはエンジン内部条件をシミュレートするため、冷却管の装着等は行なっていない。
【0023】
試験により得られた劣化油をSRV摩擦摩耗試験機(Optimol社製)により摩擦係数の測定を行い、摩擦係数が0.10を超えるまでの時間を低燃費効果持続時間とした。摩擦係数の測定条件は以下の通りで、10〜30分までの平均摩擦係数を測定値とした。
試験片 :上部シリンダー 直径15×22mm(SUJ−2)
(線接触) 下部ディスク 直径24×7.85mm(SUJ−2)
測定温度:80℃
試験時間:30min(ならし1min)
荷 重:400N(ならし50N)
振 幅:1mm
振動数 :50Hz
【0024】
[評価試験結果]
表1〜表3に、評価に用いた本発明によるエンジン油組成物および比較例のエンジン油組成物の組成を示す。表中、“バランス”とは2種の基油の配合比および粘度指数向上剤の添加量を調整することにより、100℃動粘度および−30℃のCCS粘度を同等に調整したことを意味するものとする。
表1及び表2に示した、本発明によるエンジン油組成物は、表3に示す比較例に比べ、エンジン油の劣化に伴う摩擦係数低減効果の消失が遅く、優れた低燃費効果持続性能を示している。各比較例より、本発明によるこの低燃費持続性能は発明を構成する各成分の相乗効果により得られることが分かる。
【0025】
【表1】
【0027】
【表3】
【0028】
【発明の効果】
本発明によるエンジン油組成物は、優れた摩擦低減効果とその持続性能を有し、エンジンの低燃費化に非常に有効な組成である。
Claims (3)
- 鉱油系潤滑油基油、合成系潤滑油基油又はこれらの混合物からなる基油に、(A)モリブデンジチオカーバメート系摩擦低減剤をモリブデン量で200〜2000ppm、(B)アルキル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート系酸化防止剤を0.05〜2質量%、(C)金属清浄剤として、全塩基価が50〜400mgKOH/gであるカルシウムサリシレート系金属型清浄剤のみをカルシウム量で0.05〜0.4質量%、及び(D)分子中に、プライマリータイプの炭素数が5以下のアルキル基と、セカンダリータイプの炭素数が3のアルキル基を少なくとも1つづつ有し、且つセカンダリータイプのアルキル基の割合が40%以下であるジアルキルジチオリン酸亜鉛を亜鉛量で0.01〜0.2質量%の割合で含有していることを特徴とするエンジン油組成物。
- ジアルキルジチオリン酸亜鉛において、セカンダリータイプのアルキル基の割合が10〜40%である請求項1に記載のエンジン油組成物。
- アルキル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート系酸化防止剤が、炭素数4〜12のイソアルキル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート系酸化防止剤である請求項1又は2に記載のエンジン油組成物。
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