JP4385309B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の転動体を転動自在に保持する保持器を改良したトロイダル型無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車用の変速機として、あるいは各種産業機械用の変速機としてトロイダル型無段変速機が使用されている。
図7に示すものは、トロイダル型無段変速機の要部を示すものであり、回転軸1の周囲にそれぞれの内周面同士を互いに対向させた入力ディスク(第1のディスク)2と出力ディスク(第2のディスク)3がそれぞれ回転自在に支持されている。入力ディスク2と出力ディスク3間には両ディスク2,3の中心軸に対し捻れの位置にある枢軸(図示しない)を中心として揺動するトラニオン4が設けられている。このトラニオン4には変位軸5が設けられ、この変位軸5の周囲には入力ディスク2と出力ディスク3の間に挟持された状態で回転自在に支持されたパワーローラ6が設けられている。さらに、パワーローラ6とトラニオン4との間には、このパワーローラ6に加わるスラスト方向の荷重を支承するスラスト転がり軸受7が設けられている。
【0003】
前記入力ディスク2と出力ディスク3の内周面2a,3aはそれぞれ断面が円弧形の凹面であり、前記パワーローラ6の周面6aは球面状の凸面であり、この周面6aと前記内周面2a,3aとが互いに当接している。前記スラスト転がり軸受7は、パワーローラ6の周面6aを外周に形成している内輪7aと、外輪7bと、内輪7a及び外輪7bの間に設けられた複数の転動体8と、この複数の転動体8を転動自在に保持する保持器9を備えている。
【0004】
保持器9は、図8及び図9にも示すように、内周端から外周端までの肉厚が均一な円環状の主体10と、主体10の周方向に所定間隔を開けて設けられて複数の転動体8を転動自在に保持する複数のポケット11とから構成されている。さらに、これらポケット11を横切る状態で、主体10の内周縁と外周縁との間の両側面に、凹溝からなる潤滑油流路12が設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記構成のトロイダル型無段変速機は、スラスト転がり軸受7の保持器9が軸方向に支持されていないので、保持器9の潤滑油流路12を形成している両側面が、内輪7a、外輪7bにこすれて摩耗しやすい。
【0006】
また、動力伝達の際には、スラスト転がり軸受7の内輪7aがスラスト方向の力を受けると同時に、円周上の180°の対向位置でラジアル方向の分力も発生するので、スラスト転がり軸受7がラジアル方向に圧縮される。この圧縮により内輪7aが楕円形に変形するので、転動体8を介して保持器9の円周方向に異なる応力で過大な外力が加わり、保持器9の強度の面で問題がある。しかも、保持器9の両側面に潤滑油流路12を形成したことで、部分的に強度が低下した構造となっている。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、保持器の強度及び耐摩耗性を向上させたトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載のトロイダル型無段変速機は、回転軸と、この回転軸の周囲にそれぞれ回転自在に支持され、それぞれの内周面同士を互いに対向させた第1及び第2のディスクと、当該第1及び第2のディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオンと、このトラニオンに設けられた変位軸と、この変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で、前記第1のディスク及び第2のディスクの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラと前記トラニオンとの間に設けられ、このパワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承するスラスト転がり軸受とを備え、前記第1及び第2のディスクの内周面はそれぞれ断面が円弧形の凹面であり、前記パワーローラの周面は球面状の凸面であり、この周面と前記内周面とが互いに当接しており、前記スラスト転がり軸受は、パワーローラの球面状の凸面を外周に形成した内輪と、外輪と、これら内輪及び外輪の間に設けられた複数の転動体と、この複数の転動体を転動自在に保持する保持器を備え、当該保持器は、円環状の主体と、この主体の周方向に所定間隔を開けて設けられて前記複数の転動体を保持する複数のポケットとからなるトロイダル型無段変速機において、前記主体を、肉厚の異なる内径側部材及び外径側部材を一体化することで構成し、前記外径側部材を、動力伝達の際に加わる外力に対して変形しにくい強度を有する部材とし、前記内径側部材を、前記内輪及び前記外輪に対して低摩擦係数で摺動する部材とし、前記内径側部材の肉厚を前記外径側部材の肉厚よりも厚くし、前記ポケットを、前記外径部材に設けた。
【0014】
この請求項1記載の発明によると、スラスト転がり軸受の保持器が軸方向に移動しても、内径側部材がスラスト転がり軸受の内輪及び前記外輪に対して低摩擦係数で摺動するので、保持器の摩耗が防止される。また、動力伝達の際に保持器に過大な外力が加わっても、外径側部材が保持器全体の強度を保つので、保持器の破壊が防止される。
【0015】
さらに、請求項2記載のトロイダル型無段変速機は、前記主体を、肉厚の異なる内径側部材及び外径側部材を一体化することで構成し、前記外径側部材を、前記内輪及び前記外輪に対して低摩擦係数で摺動する部材とし、前記内径側部材を、動力伝達の際に加わる外力に対して変形しにくい強度を有する部材とし、前記内径側部材の肉厚を前記外径側部材の肉厚よりも薄くし、前記ポケットを、前記内径部材に設けた。
【0017】
この請求項2記載の発明によると、スラスト転がり軸受の保持器が軸方向に移動しても、外径側部材がスラスト転がり軸受の内輪及び前記外輪に対して低摩擦係数で摺動するので、保持器の摩耗が防止される。また、動力伝達の際に保持器に過大な外力が加わっても、内径側部材が保持器全体の強度を保つので、保持器の破壊が防止される。
【0018】
また、請求項3記載のトロイダル型無段変速機は、前記主体を、肉厚の均一な内径側部材及び外径側部材を一体化することで構成し、前記外径部材を、動力伝達の際に加わる外力に対して変形しにくい強度を有する部材とし、かつ、前記内輪及び前記外輪に対して低摩擦係数で摺動する部材とし、前記ポケットを、前記内径部材に設けた。
【0019】
また、請求項4記載のトロイダル型無段変速機は、前記主体を、肉厚の均一な内径側部材及び外径側部材を一体化することで構成し、これら内径側部材及び外径側部材のうちの一方の部材を、動力伝達の際に加わる外力に対して変形しにくい強度を有する部材とし、他方の部材を、前記内輪及び前記外輪に対して低摩擦係数で摺動する部材とした。
この請求項4記載の発明によると、スラスト転がり軸受の保持器が軸方向に移動しても、他方の部材がスラスト転がり軸受の内輪及び前記外輪に対して低摩擦係数で摺動するので、保持器の摩耗が防止される。また、動力伝達の際に保持器に過大な外力が加わっても、一方の部材が保持器の強度を保つので、保持器の破壊が防止される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、図7に示した構成と同一構成部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
図1は、第1実施形態の保持器20を横断面で示した図である。本実施形態の保持器20は、内周端から外周端までの肉厚が均一な円環状の主体22と、主体22の周方向に設けた複数のポケット24とを備えている。各ポケット24は、転動体8を転動自在に保持している。
【0021】
主体22は、動力伝達の際に加わる外力に対して変形しにくい強度を有する金属部材で形成されている。この主体22のスラスト転がり軸受7の内輪7a及び外輪7bに対向する両側面には、低摩擦摺動部である皮膜部26が設けられている。この皮膜部26の例としては、リン酸皮膜処理により設けたもの、或いはセラミックコーティングのように、内輪7a及び外輪7bに対して低摩擦係数で摺動するものが考えられる。
【0022】
上記構成の保持器20を、トロイダル型無段変速機に組み込むと、保持器20自体が軸方向に移動しても、主体22の両側面に設けた皮膜部26が、内輪7a及び外輪7bに低摩擦係数で摺動するので保持器20全体の摩耗を防止することができる。また、動力伝達の際に、スラスト転がり軸受7の内輪7aがスラスト方向の力を受けると同時に、円周上の180°の対向位置でラジアル方向の分力も発生して内輪7aが楕円形に変形してしまい、転動体8を介して保持器9の円周方向に過大な外力が加わっても、金属部材からなる主体22が強度を有する部材で構成されているので、保持器20の破壊を防止することができる。
【0023】
なお、皮膜部26は、内輪及び外輪に対向するどちらか一方でもよい。
保持器の摩耗部分は、玉数及び伝達トルクの大きさにより、内輪側面が摺動したり、外輪側面が摺動したりするので使用条件により、皮膜部26を形成する面を決める。
【0024】
次に、図2は、第2実施形態の保持器30を横断面で示した図である。本実施形態の保持器30は、内周端から外周端までの肉厚が均一な円環状の主体32を備え、この主体32のスラスト軸受7の内輪7a及び、外輪7bに対抗する両側面には、低摩擦摺動部である合成樹脂部36が設けられている。
【0025】
主体32は、動力伝達の際に加わる外力に対して変形しにくい強度を有する金属部材で形成されている。合成樹脂部36は、内輪7a及び外輪7bに対して低摩擦係数で摺動する合成樹脂材料より成り、接着及び射出成形することなどにより主体32の側面に設けられる。
【0026】
上記構成の保持器30をトロイダル型無段変速機に組み込むと、保持器30が軸方向に移動しても、主体32の両側面に設けた合成樹脂部36が内輪7a及び外輪7bに低摩擦係数で摺動するので保持器30全体の摩耗を防止することができる。また、動力伝達の際に、保持器30に過大な外力が加わっても、金属部材からなる主体32が保持器30全体の強度を保つので、保持器30の破壊を防止することができる。
【0027】
なお、低摩擦摺動部である合成樹脂部36は、第1実施形態と同様に、内輪及び外輪に対向するどちらか一方でもよい。
【0028】
次に、図3は、第3実施形態の保持器40を横断面で示した図である。本実施形態の保持器40は、肉厚が異なる内径側部材42及び外径側部材44で構成されている。内径側部材42は肉厚がt1の円環状の部材であり、外径側部材44は、転動体8を転動自在に保持するポケット46を周方向に形成した円環状の部材であり、内径側部材42の肉厚t1より小さな肉厚t2として形成されている(t1>t2)。
【0029】
外径側部材44は、動力伝達の際に加わる外力に対して変形しにくい強度を有する材料、たとえば、鋼、繊維強化プラスチック、カーボンファイバープラスチック等である。内径側部材42は、内輪7a及び外輪7bに対して低摩擦係数で摺動する材料、たとえば、黄銅(HBSC1)、合成樹脂等からなる部材であり、外径側部材44の内側に、プレス圧入、焼ばめ、接着、射出成形等により形成されている。
【0030】
上記構成の保持器40をトロイダル型無段変速機に組み込むと、保持器40が軸方向に移動しても、肉厚t2の厚い内径側部材が内輪7a及び外輪7bに低摩擦係数で摺動するので保持器40全体の摩耗を防止することができる。また、動力伝達の際に、保持器40に過大な外力が加わっても、外径側部材44が保持器40全体の強度を保つので、保持器40の破壊を防止することができる。
【0031】
次に、図4は、第4実施形態の保持器50を横断面で示した図である。本実施形態の保持器50は、肉厚(t3)が薄い内径側部材52と肉厚(t4)が厚い外径側部材54で構成されている(t3<t4)。内径側部材52は、転動体8を転動自在に保持するポケット56を周方向に形成した円環状の部材であり、外径側部材54は、内径側部材52の外周に一体化されている。
【0032】
外径側部材54は、内輪7a及び外輪7bに対して低摩擦係数で摺動する材料、たとえば、黄銅(HBSC1)、合成樹脂であり、内径側部材52は、動力伝達の際に加わる外力に対して変形しにくい強度を有する材料、たとえば、鋼、繊維強化プラスチック、カーボンファイバープラスチック等である。内径側部材52は、外径側部材54の内側に、プレス圧入、焼ばめ、接着、射出成形等により形成される。
【0033】
上記構成の保持器50をトロイダル型無段変速機に組み込むと、保持器50が軸方向に移動しても、肉厚t4の厚い外径側部材54が内輪7a及び外輪7bに低摩擦係数で摺動するので保持器全体の摩耗を防止することができる。また、動力伝達の際に、保持器50に過大な外力が加わっても、外径側部材54が保持器全体の強度を保つので、保持器50の破壊を防止することができる。
【0034】
なお、保持器の摩耗部分は、玉数及び伝達トルクの大きさにより、内径側部材が摺動したり、外径側部材が摺動したりするので、使用条件により、それに適した実施形態を選択する。
【0035】
次に、図5は、第5実施形態の保持器60を横断面で示した図である。本実施形態の保持器60は、肉厚の均一な内径側部材62及び外径側部材64で構成されている。内径側部材62は、転動体8を転動自在に保持するポケット66を周方向に形成した円環状の部材であり、外径側部材64は、内径側部材62の外周方向に形成した円環状の部材であり、外径側部材64は、内径側部材62の外周に、締まりばめなどで嵌合された円環状の部材である。
【0036】
前記外径側部材64は、動力伝達の際に加わる外力に対して変形しにくい強度を有し、且つ、内輪7aに対して低摩擦係数で摺動する部材であり、例えば焼結金属等の金属からなる部材である。内径側部材62は、軽量な合成樹脂材料からなる部材である。
【0037】
上記構成の保持器60をトロイダル型無段変速機に組み込むと、保持器60が軸方向に移動しても、外径側部材64が内輪7a及び外輪7bに低摩擦係数で摺動するので保持器60の摩耗を防止することができる。また、動力伝達の際に、保持器60に過大な外力が加わっても、外径側部材64が保持器60の強度を保つので、保持器60の破壊を防止することができる。さらに、内径側部材62を、軽量な合成樹脂材料で構成したので、保持器60全体の軽量化をはかることができる。
【0038】
次に、図6は、第6実施形態の保持器70を横断面で示した図である。本実施形態の保持器70は、肉厚の均一な内径側部材72および外径側部材74で構成されている。内径側部材72は円環状の部材であり、外径側部材74は、転動体を転動自在に保持するポケット76を周方向に形成した円環状の部材であり、内径側部材72の外周に、締まりばめなどで嵌合されている。
外径側部材74は、動力伝達の際に加わる外力に対して変形しにくい強度を有する金属材料である。内径側部材72は、内輪7a及び外輪7bに対して低摩擦係数で摺動する合成樹脂材料からなる部材である。
【0039】
上記構成の保持器70をトロイダル型無段変速機に組み込むと、保持器70が軸方向に移動しても、内径側部材72が内輪7a及び外輪7bに低摩擦係数で摺動するので保持器70の摩耗を防止することができる。また、動力伝達の際に、保持器70に過大な外力が加わっても、外径側部材74が保持器70の強度を保つので保持器70の破壊を防止することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のトロイダル型無段変速機によると、スラスト転がり軸受の内輪及び外輪に低摩擦係数で摺動することで摩耗が防止され、動力伝達の際に過大な外力が加わっても十分に強度を有する保持器を備えたので、最適に転動体を案内でき、耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の保持器を示す横断面図である。
【図2】本発明に係る第2実施形態の保持器を示す横断面図である。
【図3】本発明に係る第3実施形態の保持器を示す横断面図である。
【図4】本発明に係る第4実施形態の保持器を示す横断面図である。
【図5】本発明に係る第5実施形態の保持器を示す横断面図である。
【図6】本発明に係る第6実施形態の保持器を示す横断面図である。
【図7】トロイダル型無段変速機の要部を示す図である。
【図8】従来の保持器を示す平面図である。
【図9】図8のa−a線矢視図である。
【符号の説明】
1 回転軸
2 入力ディスク(第1のディスク)
3 出力ディスク(第2のディスク)
4 トラニオン
6 パワーローラ
7 スラスト転がり軸受
8 転動体
20,30,40,50,60,70 保持器
22,32 主体
24,46,56,66,76 ポケット
26 皮膜部
32,42,52,62,72 内径側部材
34,44,54,64,74 外径側部材
36 合成樹脂部
Claims (4)
- 回転軸と、この回転軸の周囲にそれぞれ回転自在に支持され、それぞれの内周面同士を互いに対向させた第1及び第2のディスクと、当該第1及び第2のディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオンと、このトラニオンに設けられた変位軸と、この変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で、前記第1のディスク及び第2のディスクの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラと前記トラニオンとの間に設けられ、このパワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承するスラスト転がり軸受とを備え、前記第1及び第2のディスクの内周面はそれぞれ断面が円弧形の凹面であり、前記パワーローラの周面は球面状の凸面であり、この周面と前記内周面とが互いに当接しており、前記スラスト転がり軸受は、パワーローラの球面状の凸面を外周に形成した内輪と、外輪と、これら内輪及び外輪の間に設けられた複数の転動体と、この複数の転動体を転動自在に保持する保持器を備え、当該保持器は、円環状の主体と、この主体の周方向に所定間隔を開けて設けられて前記複数の転動体を保持する複数のポケットとからなるトロイダル型無段変速機において、
前記主体を、肉厚の異なる内径側部材及び外径側部材を一体化することで構成し、
前記外径側部材を、動力伝達の際に加わる外力に対して変形しにくい強度を有する部材とし、
前記内径側部材を、前記内輪及び前記外輪に対して低摩擦係数で摺動する部材とし、
前記内径側部材の肉厚を前記外径側部材の肉厚よりも厚くし、
前記ポケットを、前記外径部材に設けたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 回転軸と、この回転軸の周囲にそれぞれ回転自在に支持され、それぞれの内周面同士を互いに対向させた第1及び第2のディスクと、当該第1及び第2のディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオンと、このトラニオンに設けられた変位軸と、この変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で、前記第1のディスク及び第2のディスクの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラと前記トラニオンとの間に設けられ、このパワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承するスラスト転がり軸受とを備え、前記第1及び第2のディスクの内周面はそれぞれ断面が円弧形の凹面であり、前記パワーローラの周面は球面状の凸面であり、この周面と前記内周面とが互いに当接しており、前記スラスト転がり軸受は、パワーローラの球面状の凸面を外周に形成した内輪と、外輪と、これら内輪及び外輪の間に設けられた複数の転動体と、この複数の転動体を転動自在に保持する保持器を備え、当該保持器は、円環状の主体と、この主体の周方向に所定間隔を開けて設けられて前記複数の転動体を保持する複数のポケットとからなるトロイダル型無段変速機において、
前記主体を、肉厚の異なる内径側部材及び外径側部材を一体化することで構成し、
前記外径側部材を、前記内輪及び前記外輪に対して低摩擦係数で摺動する部材とし、
前記内径側部材を、動力伝達の際に加わる外力に対して変形しにくい強度を有する部材とし、
前記内径側部材の肉厚を前記外径側部材の肉厚よりも薄くし、
前記ポケットを、前記内径部材に設けたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 回転軸と、この回転軸の周囲にそれぞれ回転自在に支持され、それぞれの内周面同士を互いに対向させた第1及び第2のディスクと、当該第1及び第2のディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオンと、このトラニオンに設けられた変位軸と、この変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で、前記第1のディスク及び第2のディスクの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラと前記トラニオンとの間に設けられ、このパワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承するスラスト転がり軸受とを備え、前記第1及び第2のディスクの内周面はそれぞれ断面が円弧形の凹面であり、前記パワーローラの周面は球面上の凸面であり、この周面と前記内周面とが互いに当接しており、前記スラスト転がり軸受は、パワーローラの球面上の凸面を外周に形成した内輪と、外輪と、これら内輪及び外輪の間に設けられた複数の転動体と、この複数の転動体を転動自在に保持する保持器を備え、当該保持器は、円環状の主体と、この主体の周方向に所定間隔を開けて設けられて前記複数の転動体を保持する複数のポケットからなるトロイダル型無段変速機において、
前記主体を、肉厚の均一な内径側部材及び外径側部材を一体化することで構成し、
前記外径部材を、動力伝達の際に加わる外力に対して変形しにくい強度を有する部材とし、かつ、前記内輪及び前記外輪に対して低摩擦係数で摺動する部材とし、
前記ポケットを、前記内径部材に設けたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 回転軸と、この回転軸の周囲にそれぞれ回転自在に支持され、それぞれの内周面同士を互いに対向させた第1及び第2のディスクと、当該第1及び第2のディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオンと、このトラニオンに設けられた変位軸と、この変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で、前記第1のディスク及び第2のディスクの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラと前記トラニオンとの間に設けられ、このパワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承するスラスト転がり軸受とを備え、前記第1及び第2のディスクの内周面はそれぞれ断面が円弧形の凹面であり、前記パワーローラの周面は球面上の凸面であり、この周面と前記内周面とが互いに当接しており、前記スラスト転がり軸受は、パワーローラの球面上の凸面を外周に形成した内輪と、外輪と、これら内輪及び外輪の間に設けられた複数の転動体と、この複数の転動体を転動自在に保持する保持器を備え、当該保持器は、円環状の主体と、この主体の周方向に所定間隔を開けて設けられて前記複数の転動体を保持する複数のポケットからなるトロイダル型無段変速機において、
前記主体を、肉厚の均一な内径側部材及び外径側部材を一体化することで構成し、
これら内径側部材及び外径側部材のうちの一方の部材を、動力伝達の際に加わる外力に対して変形しにくい強度を有する部材とし、他方の部材を、前記内輪及び前記外輪に対して低摩擦係数で摺動する部材としたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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