JP4370790B2 - 製紙用嵩高剤組成物及びそれを含有する紙 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は製紙用嵩高剤組成物及びそれを含有する紙に関する。更に詳しくは、不飽和脂肪酸系の化合物である不飽和脂肪酸や多価アルコールと脂肪酸のエステルと水溶性高分子をミキサーなどを用いて乳化した嵩高剤組成物、及びそれを含有させて摩擦係数低下の少ない嵩高な紙を製造することにより、嵩高剤組成物の歩留りが向上し、汚れや泡の発生を低減し操業性が向上する製紙用嵩高剤組成物及びそれを含有する紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙及び板紙に嵩高性、柔軟性等の機能を付与するために嵩高剤を添加することが行われている。紙及び板紙の嵩高性を付与するために、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物から成る嵩高剤を界面活性剤との混合物として添加することが提案されているが(特許文献1)、界面活性剤が構成物になっているために、泡の発生が問題になっていること、抄紙系内のシェアによって界面活性剤がエマルジョン表面から脱着することにより、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物が凝集し汚れの原因になること等の品質上・操業上の問題の発生が増加する傾向にある。
【0003】
さらに、従来の多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物から成る嵩高剤は紙の摩擦係数を急激に低下させるために、オフセット印刷時に紙流れと言われる走行不良や、紙替え時にテンションが変動するなどの印刷走行性上の問題が発生していた。
【0004】
また、嵩高剤は歩留まりが低いために、抄紙系内に蓄積し、インレットや白水中の嵩高剤の濃度が高くなることにより、汚れや泡の発生が助長される。汚れが製品に転移したり、紙の表面平滑性が損なわれたり、甚だしい場合には紙が切れることがあり、生産性が著しく低下するという問題を生じていた。
【0005】
【特許文献1】
特開平11-350380号公報
【発明が解決しようとする課題】
嵩高剤を添加するために紙の摩擦係数が低下し、印刷走行性が悪化する傾向にあり、摩擦係数の低下が少ない嵩高剤の開発が望まれていた。しかしながら、既存の摩擦係数低下の少ない嵩高剤を含有させると経時的にインキの染料成分が印刷裏面に抜けるブリードと呼ばれる問題が発生するので、ブリードの起きない嵩高剤の開発が望まれていた。
【0006】
また、一般的に、抄紙薬品は比表面積の大きいファイン成分に定着するので、ファイン歩留りを上がることにより、抄紙薬品の歩留りが向上するので、硫酸バンド、凝結剤、歩留り向上剤を増配することにより抄紙薬品の歩留りを向上させる対策が取られている。しかしながら、嵩高剤表面は界面活性剤に覆われており、嵩高剤とパルプ成分の定着強度が非常に弱く、可逆的な吸着であるので、これらの対策をとっても嵩高剤の歩留りは向上しない。
【0007】
そこで、本発明は嵩高剤を乳化・分散させる化合物を検討することにより、嵩高化の効果に優れ、さらに紙中への歩留まりが高く、結果的に汚れや泡の発生が低減され操業性が向上する嵩高剤組成物、及びそれを含有する摩擦係数の低下が少なく、ブリードの発生がない紙を提供することを課題とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ペンタエリスリトールジオレイトである不飽和脂肪酸系化合物と、カチオン化澱粉である水溶性高分子混合、乳化した製紙用嵩高剤組成物を紙中に含有させることにより、低添加率で嵩高効果を発現し、摩擦係数の低下率が少なく、ブリードの発生がなく、抄紙装置の汚れを軽減し操業性を高めることができるという事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に本発明を詳細に説明する。本発明で使用するペンタエリスリトールジオレイトである不飽和脂肪酸系化合物(a)は嵩高剤として機能するものであり、不飽和脂肪酸系化合物である。また、カチオン化澱粉である水溶性高分子(b)は不飽和脂肪酸系化合物(a)を安定した乳化分散物にするものである。
【0015】
多価アルコールの中で好ましいものは、ペンタエリスリトールである。
【0016】
また、本発明の多価アルコールと不飽和脂肪酸エステル化合物を構成する不飽和脂肪酸は、オレイン酸が例示される。
【0017】
本発明の多価アルコールと不飽和脂肪酸のエステル化合物は、従来公知のエステル化反応を行うことで得ることができる。例えば、不飽和脂肪酸と多価アルコールの混合物に要すればエステル化触媒を添加し、150〜250℃で反応させることによりエステル化合物が得られる。
【0018】
次に、本発明で使用する水溶性高分子(b)は、カチオン化澱粉が最も乳化安定性に優れていることを見出した。
【0020】
カチオン性高分子としては、カチオン化澱粉が好ましく、特に分子量100万以上のタピオカ澱粉で、カチオン変成基の置換度は0.01以上であることが好ましい。分子量が高く、カチオン化度の高いカチオン化澱粉を用いて乳化したほうが、嵩高剤組成物の分散安定性が向上する。
【0029】
本発明において、不飽和脂肪酸系化合物(a)と、水溶性高分子(b)との各成分は1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0030】
また、本発明の製紙用嵩高剤組成物は、上記の不飽和脂肪酸系化合物(a)と、水溶性高分子(b)を用いて、従来の公知な方法により製造することができる。例えば、上記の一般式で示される不飽和脂肪酸系化合物(a)と、水溶性高分子(b)とを、スタティックミキサー、ホモミキサー、高圧吐出型ホモジナイザー、超音波乳化機等の各種公知の乳化機で均一に混合・分散させることによって得られる。
【0031】
かくして得られる本発明の製紙用嵩高剤組成物は、不飽和脂肪酸系化合物の濃度が0.5〜50重量%、水溶性高分子の濃度が0.1〜15重量%で、分散粒子径が10ミクロン以下で、ζ−電位が−20〜+40mVの範囲であることが好ましい。
【0032】
本発明の不飽和脂肪酸系化合物(a)と、水溶性高分子(b)とを含有する製紙用嵩高剤組成物は、その各成分の重量比が(a)/(b)=99.1/0.1〜0.1/99.9の範囲が好ましく、嵩高性の付与の効果やロール汚れの改善といった操業性を考慮すると、(a)/(b)=90/10〜25/75の範囲が特に好ましい。また、(a)/(b)=100/0〜99.9/0.1の範囲で用いると、沈積物等との相互作用により凝集物が発生しロール汚れが認められた。また、(a)/(b)=0.1/99〜0/100の範囲で用いると、嵩高性能が低下し要求する紙品質を得ることが困難である。
【0033】
本発明の製紙用嵩高剤組成物を添加する場所は抄造工程において、パルプスラリーと均一に混合できる場所であれば制限されるものではないが、好ましくはミキシングチェストや二次ファンポンプ前などが好ましく、歩留り向上剤を添加するより前に添加することがさらに好ましい。
【0034】
嵩高剤はパルプ繊維間の結合の阻害要因となるため、一般に紙の強度が低下し、紙の嵩高性が発現する。しかし、ある一定以上に添加量を増やしてもその効果が頭打ちになってしまう。本発明の製紙用嵩高剤組成物、原料パルプに対して嵩高剤を0.01重量%以上5重量%以下の範囲で添加することが好ましい。また、添加量が多すぎると紙の摩擦係数が極端に変化してしまうなど一般紙質へ悪影響を及ぼすこともある一方、少なすぎると嵩高剤の種類によっては嵩高化の効果が十分に発現しない場合があるので、0.2重量%以上2重量%以下の範囲で添加することがより好ましい。
【0035】
本発明の製紙用嵩高剤組成物を含有する紙は、各種パルプから通常の製紙工程によって製造される。原料パルプには、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプなどを単独または任意の割合で混合して使用することができる。なお、紙の原料に用いるパルプに機械パルプまたは脱墨パルプが多量に含まれた場合でも、本発明の製紙用嵩高剤組成物は良好な嵩高性を示す。抄紙時のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。
【0036】
本発明の製紙用嵩高剤組成物を含有する紙は填料を含有してもよい。填料としては一般に使用されているものが使用でき、特に限定されるものではないが、例えばクレー、焼成クレー、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛などの無機填料、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子などの有機填料が、単独でまたは適宜2種類以上を組み合わせて使用される。
【0037】
本発明の製紙用嵩高剤組成物を含有する紙を製造する際において、従来から使用されている各種のノニオン性、アニオン性、カチオン性の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤、サイズ剤等の製紙用内添助剤が必要に応じて適宜選択して使用される。
【0038】
製紙用内添助剤としては、例えば、硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダ、塩基性塩化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等の塩基性アルミニウム化合物や、水に易分解性のアルミナゾル等の水溶性アルミニウム化合物、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄等の多価金属化合物、シリカゾル等が挙げられる。
【0039】
サイズ剤としては、アルキルケテンダイマー系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤、スチレン−アクリル酸系共重合体、スチレン−マレイン酸系共重合体、高級脂肪酸系化合物、石油樹脂系サイズ剤、ロジン系サイズ剤、強化ロジン系サイズ剤等が挙げられる。
【0040】
その他製紙用助剤として各種澱粉類、ポリアクリルアミド、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド、ポリアミン樹脂、ポリアミン、ポリエチレンイミン、植物ガム、ポリビニルアルコール、ラテックス、ポリエチレンオキサイド、親水性架橋ポリマー粒子分散物及びこれらの誘導体あるいは変成物等の各種化合物が例示できる。
【0041】
さらに、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添剤を用途に応じて適宜添加することもできる。なお、本発明の製紙用嵩高剤組成物を含有する紙の製造方法は、その抄紙方法が、抄紙pHが4.5付近である酸性抄紙によるものか、あるいは炭酸カルシウム等のアルカリ性填料を主成分として含み、抄紙pHが約6の弱酸性〜約9の弱アルカリ性で行う、中性抄紙またはアルカリ性抄紙によるものかについては特に限定されず、全ての抄紙方法によって得られる紙を対象とする。また、抄紙機も長網抄紙機、ツインワイヤー型抄紙機、ヤンキー抄紙機等を適宜使用できる。
【0042】
本発明の製紙用嵩高剤組成物を含有する紙は、上質紙、中質紙に代表される印刷用紙として好適である。その他にも、電子写真用紙、あるいはインクジェット記録用紙、感熱記録紙、感圧記録紙、PPC用紙、フォーム用紙などの情報記録用紙の原紙にも使用することができる。また、塗工紙用原紙としての使用も好ましい態様である。最近では、環境問題の高まりに伴い、古紙パルプを高配合する傾向が随所に見られてきている。本発明の製紙用嵩高剤組成物は古紙パルプの配合量にかかわらず、著しい嵩高性を示す。そのため、新聞用紙はもちろんのこと、板紙・白板紙等でも効果を発揮する。
【0043】
【実施例】
以下、本発明を実施例にて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例において、部、%は特記しない限り重量部、重量%である。
【0044】
<製紙用嵩高剤組成物の分散安定性の評価>
調製した嵩高剤組成物を7日間放置し、分散安定性を目視で評価した。凝集物などが見られない場合は○、凝集物が見られた場合は△、相分離した場合には×とした。
【0045】
<製紙用嵩高剤組成物のブリードの評価>
濃度5%の製紙用嵩高剤組成物水溶液10gに、0.1gのインキを添加して7日間放置し、目視で評価した。インキが溶解した場合は×、インキが部分的に溶解した場合は△、インキが溶解しなかった場合は○とした。
【0046】
<製紙用嵩高剤組成物の歩留まりの測定>
広葉樹晒クラフトパルプ(以下LBKPとする、CSF400ml)スラリーに各種薬品を所定量添加した後に、濃度0.5%に調製した。このLBKPスラリー500mlをダイナミックドレネージジャー(DDJ)に入れ、撹拌速度1200rpmで、200メッシュのワイヤーを使用して、DDJテストを行った。実施例5〜16では、攪拌開始60秒後に製紙用嵩高剤組成物を添加し、75秒後にブローし、80秒後〜110秒後まで白水採取を行った。白水及びDDJに残ったパルプを乾燥し、オンラインメチル化熱分解ガスクロマトグラフィーで製紙用嵩高剤組成物を定量した。この定量結果と下記の式から製紙用嵩高剤組成物の歩留まりを計算した。
製紙用嵩高剤組成物の歩留り(%)=(調製したパルプ中の製紙用嵩高剤組成物量−白水中の製紙用嵩高剤組成物量)/調製したパルプ中の製紙用嵩高剤組成物量×100
【0047】
<手抄き紙の作成>
LBKPスラリーに製紙用嵩高剤組成物を所定量添加し、プレスを行わずに湿紙を作成した後に、シリンダードライヤーで乾燥したこと以外は、JIS P 8209に準拠して手抄き紙を作成した。得られた手抄き紙について、JIS P 8118:1998に従って密度を、JIS P 8147:1994に従って動摩擦係数及び静摩擦係数を測定した。
【0048】
[実施例1]
カチオン化澱粉(商品名:Amiloflex-T35、Abebe社製)1.0%水溶液100gにペンタエリスリトールジオレイト(関東化成(株)製)を5g加え、ホモジナイザーを用い、5000rpmで2分間混合し、乳化して製紙用嵩高剤組成物を調製した。この製紙用嵩高剤組成物について分散安定性、ブリードの評価を行い、結果を表1に示した。
【0052】
[比較例1]
製紙用嵩高剤組成物としてステアリン酸ジアミド(商品名:DA2100、日本油脂(株)製)を使用し、分散安定性、ブリードの評価を行い、結果を表1に示した。
【0053】
[比較例2]
製紙用嵩高剤組成物として多価アルコールのプロピレンオキサイド付加物(商品名:KB08W、花王(株)製)を使用し、分散安定性、ブリードの評価を行い、結果を表1に示した。
【0054】
【表1】
【0055】
表1に示されるように、実施例1の本発明の嵩高剤組成物は分散安定性が良好で、ブリードの問題もなかった。これに対して、比較例1〜2の嵩高剤組成物は分散安定性は良好であるが、ブリードの点で問題であった。
【0056】
[実施例2]
LBKPスラリーに硫酸バンドを対パルプ絶乾重量当たり0.5%、実施例1で調製した製紙用嵩高剤組成物を対パルプ絶乾重量当たり0.4%、歩留まり向上剤(商品名:DR-1500、ハイモ社製)を対パルプ絶乾重量当たり0.015%となるように添加し、上述のDDJテストにより、嵩高剤の歩留りを測定した。また、上述の方法で製紙用嵩高剤組成物を対パルプ絶乾重量当たり0.4%となるように添加して手抄き紙を作成して密度、動摩擦係数及び静摩擦係数を測定した。これらの結果を表2に示した。
【0057】
[実施例3]
製紙用嵩高剤組成物の添加量が対パルプ絶乾重量当たり0.8%であること以外は、実施例2と同様にして嵩高剤の歩留まりを測定し、結果を表2に示した。また、製紙用嵩高剤組成物の添加量が対パルプ絶乾重量当たり0.8%である以外は、実施例2と同様にして手抄き紙を作成して密度、動摩擦係数及び静摩擦係数を測定し、結果を表2に示した。
【0058】
[実施例4]
製紙用嵩高剤組成物の添加量が対パルプ絶乾重量当たり1.2%であること以外は、実施例2と同様にして嵩高剤の歩留まりを測定し、結果を表2に示した。また、製紙用嵩高剤組成物の添加量が対パルプ絶乾重量当たり1.2%である以外は、実施例2と同様にして手抄き紙を作成して密度、動摩擦係数及び静摩擦係数を測定し、結果を表2に示した。
【0068】
[比較例3]
製紙用嵩高剤組成物を添加しなかったこと以外は、実施例5と同様に行った。
【0069】
[比較例4]
製紙用嵩高剤組成物として(a)多価アルコール脂肪酸エステルとしてペンタエリスリトールジステアレイト、(b)界面活性剤としてエマルゲン(花王)を9対1の比率で乳化したものを添加したこと以外は実施例5と同様に行った。
【0070】
[比較例5]
製紙用嵩高剤組成物として比較例4で使用したものを添加したこと以外は実施例6と同様に行った。
【0071】
[比較例6]
製紙用嵩高剤組成物として比較例4で使用したものを添加したこと以外は実施例7と同様に行った。
【0072】
【表2】
【0073】
表2に示されるように、実施例2〜4の本発明の製紙用嵩高剤組成物を含有する紙は嵩高でありながら、摩擦係数の低下が小さい。一方、製紙用嵩高剤組成物として、多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル化合物を含有する比較例4〜6の紙は摩擦係数の低下が大きく、この製紙用嵩高剤組成物は歩留まりも低かった。
【0074】
【効果】
本発明のペンタエリスリトールジオレイトである不飽和脂肪酸系化合物(a)と、カチオン化澱粉である水溶性高分子(b)を含有する製紙用嵩高剤組成物を使用することにより、低添加率でも十分な嵩高効果が発現し、ブリードの発生もなく、摩擦係数の低下の少ない紙を製造できる。また、嵩高剤の歩留りが向上するので、汚れや泡の発生が少なくなり操業性が向上する。
Claims (2)
- ペンタエリスリトールジオレイトである不飽和脂肪酸系化合物(a)と、カチオン化澱粉である水溶性高分子(b)を含有する製紙用嵩高剤組成物。
- 請求項1記載の製紙用嵩高剤組成物を含有する紙。
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