JP4368099B2 - ポータブルトイレの肘掛け構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に一般室内で使用するポータブルトイレの肘掛けの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
肘掛けの高さ調節が可能な肘掛け付きポータブルトイレは広く利用されているが、従来のポータブルトイレでは、肘掛けの高さ調節を行う手段の操作部は、ポータブルトイレの便器本体部に設けられていた。例えば、特許文献1に記載されている従来のポータブルトイレでは、肘掛けが便器本体部の側面部に取り付けられた固定装置によって固定されており、肘掛けの高さ調節は、便器本体部の側面部にある固定装置を解除して肘掛けを上下方向にスライドさせることによって行っていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−122041号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術では、肘掛けの高さを調節することは可能であるが、高さ調節手段の操作部(固定装置)が便器本体部側面に取り付けられているため、使用者(用便者)が便座部に座った状態のままで手を伸ばして肘掛けの高さ調節を行うことは困難であった。
【0005】
なんとか座った状態で肘掛けの高さを調整できたとしても、上記従来の技術では、片方の手で肘掛けを保持し、もう片方の手で操作部(固定装置)を操作しなければならない。つまり、必ず両手での操作が必要であり、片手で簡単に肘掛けの高さ調節を行うことはできなかった。
【0006】
また、このような肘掛け付きのポータブルトイレは、介護用として用いられることが多い。例えば、従来技術では、ベッドに寝ている患者がポータブルトイレの便座部に座りたいときには、肘掛け部を取り外して、便器本体部をベッドに隣接配置しておき、患者はお尻をベッドから便座部まで滑らせるようにして便座部に座る。
【0007】
この場合に、ベッドと便器本体部との間に隙間があると、患者が便座部まで移動するのに非常に危険である。よって、患者が安全に便座部へたどり着けるようにするために、便器本体部をベッドに対してなるべく近づける必要がある。さらに、大小便を済ませた患者が再びベッドへ戻る際にも、ベッドとの間に隙間があると同様に非常に危険が伴う。
【0008】
しかし、上記従来の技術では操作部が便器本体部側面に設けられているため、ベッドにポータブルトイレを近づけようにも操作部が邪魔をして、ベッドとポータブルトイレ側面部とに隙間が生じてしまい非常に危険であった。さらに、肘掛け操作のためにベッドとの間に隙間を生じさせて配置する必要もあった。このため、ポータブルトイレの配置時におけるベッドとの隙間が使用時に危険を伴う問題があった。
【0009】
また、上記従来の技術では、肘掛けを最も低い位置まで下げると、便器本体部上面部と肘掛け裏面部との間に手指が挟まって怪我をするおそれがあり、大変危険であった。さらに、介護者は患者を片手で支えている場合が多いので、肘掛けの高さを変えようとして両手で操作を行うと、患者の介護が手薄になって危ないという問題も生じていた。
【0010】
本発明は、斯かる実情に鑑み、片手でも簡単に肘掛けの高さ調節ができるポータブルトイレの肘掛けを提供することを目的とする。さらに、本発明の肘掛けの高さ調節を行う際に、手指が便器本体との間で挟まれる危険のないポータブルトイレの肘掛けを提供することにある。また、ベッドなどに便器本体部を隣接配置する際に、ベッド等と便器本体部との間に隙間の生じないポータブルトイレの肘掛けを提供することも本発明の別の目的である。さらに、本発明は、例えば、ベッドからトイレへの移動が安全で容易に行えるポータブルトイレの肘掛けを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、 ポータブルトイレの便器本体部の上面側縁部に着脱可能に取り付けられる肘掛け構造であって、
前記肘掛けは、略水平方向に配置される棒状部材からなる肘当て部と、その肘当て部の裏面側から下方に垂下され、それぞれ便器本体部の上面縁部に設けられた筒状の長穴部内に挿入された前後二本の支持棒部と、を有し、
前記肘掛けの二本の支持棒部を前記長穴部内でスライドさせて複数の高さ位置で固定することにより上下方向の高さ調節が可能な高さ調節手段を備え、
該高さ調節手段の操作部が、前記肘掛けの肘当て部の裏面部の前記二本の支持棒部の間に、該肘当て部を片手で掴んだ状態での指先操作可能に設けられており、
前記操作部は、前記肘当て部に設けられた握り部に対する握り動作に連動して同時に前記二本の支持棒部の高さ位置の固定のロックと解除が行われるロック機構を有し、該ロック機構のロックは、前記操作部の指先操作と前記握り部に対する握り動作とで解除されるものであり、
前記肘掛けを最も低い高さ位置としたときに、前記肘掛けの肘当て部の裏面部と、そこに対向する前記便器本体部上面部との間に、少なくとも手指部が入る程度の隙間が生ずるように構成されており、
前記便器本体部上面部には、前記隙間が生じる構成として前記肘当て部の裏面部に設けられた操作部に対向する位置に、前記肘掛けを最も低い位置まで下げた状態でも前記操作部の操作が行える凹部が形成され、
前記肘当て部を片手で掴んで前記操作部を指先で操作すると共に前記ロック機構の握り動作を行いながら、肘掛けを最も低い高さ位置から複数の高さ位置までの高さ調節を行うことを特徴とするポータブルトイレの肘掛け構造を提供する。
【0012】
本発明における肘掛け構造は、ポータブルトイレの上面側の左右の少なくとも一方側の縁部に着脱可能に取り付けられるものであり、上下方向に高さ調節が可能な高さ調節手段を備えて構成される。肘掛け自体は、実際に肘がおかれる棒状部材からなる肘当て部が略水平方向に保持されるものであって、その裏面側(下面側)から肘当ての支持用の支持棒部が垂下されている。多くは、前後に二本の支持棒部が垂下されており、その支持棒部が本体部に設けられた筒状の長穴部内に挿入されている。なお、本発明において棒状部材は、肘をのせておくことが可能な形状全てを含んだ概念のものである。
【0013】
そして、高さ調節手段は、本体部の前記長穴内で支持棒部をスライドさせ、複数の高さ位置で固定可能に構成されているものであれば、その構成は特に限定されるものではない。
【0014】
さらに、本発明の肘掛け構造では、高さ調節手段の操作部が、肘掛けの肘当て部の裏面側(下面側、又は、便器本体部上面に対面する側)に設けられている。この構成により、肘掛けの肘当て部を掴みながら、その裏面側に手指の先を持って行き、操作部を操作しながら肘掛けの高さ変更と、異なる位置での固定を含めた高さの調節が、片手で簡単に行えることとなる。
【0015】
よって、本発明の肘掛けの高さ調整手段は、便器の使用者が便座に座った状態でも片手で簡単に操作可能であり、さらには、介護者が患者を片手で支えながらでも片手で簡単に操作できる。さらに、裏面側に操作部を設けたことで、便座に座った状態では肘などが触れないので、誤って高さが変わることもない。また、従来は両手で操作しなければならなかったので、便座に座る前に予め高さ調節を行う必要があったが、座ってからでも片手で簡単に調整できるし、座る前にも簡単に調整できる。
【0016】
また、本発明によれば、高さ調整手段の操作部が肘掛けの肘当て部の裏面部に設けられているから、便器本体部の側面部をベッド等に隣接して配置する場合に、操作部が邪魔になることはない。よって、ベッド等との間に隙間を生じることなく、ぴったりと側面をくっつけてポータブルトイレを配置できるため、ベッド等に寝ている患者(使用者、用便者)がベッドから便座部に安全かつ簡単に移動できる。
【0017】
さらに、高さ調整手段の操作部を肘掛けの肘当て部の裏面部に設けているが、肘掛けの表面(上面)部や側面部に設けても便座部に座った状態で片手で肘掛けの高さ調節を行うことは実際には可能である。しかし、表面部や側面部に操作部を設けた場合には、肘を乗せたときや、肘や手を動かしたときなどに操作部に当たって肘掛け(高さ調整手段)が誤動作してしまうおそれがあるため、本発明では操作部を肘掛けの肘当て部の裏面(下面)側に設けるようにしている。
【0019】
本発明では高さ調節手段の操作部を肘掛けの肘当て部の裏面側に設けているため、手指部で操作部を操作しながら肘掛けを最も低い高さ位置に移動させた際に、便器部本体(表面部)と肘掛け(肘当て部の裏面部)との間に隙間がないと、便器本体部と肘掛けとの間に手指部が挟まってしまい、肘掛けの高さ調節の操作が危険である。
【0020】
そこで、本発明では肘掛けを最も低い高さ位置にしたときに、肘掛けの肘当て部の裏面部側と便器本体部上面との間に少なくとも手指部が入る程度の隙間が生じるようにして構成しているのである。この構成により、肘掛けを最も低い位置まで下げても手指部が挟まれることはなく、安全に肘掛けの高さ調節を行うことができる。
【0021】
肘掛けと便器本体との間に隙間を確保する構造は、もっとも低い位置まで肘掛けを下げた状態で、手指の厚み程度の隙間が生ずる構成で有れば、何れのものであっても良い。例えば、便器本体部の上面の肘当て部の裏面側に対向する位置に凹部を設けておき、肘掛けを最も低い高さ位置まで下げたときに、この凹部の内部に(凹部底面と肘掛け裏面)との間に手指が納まるようにしておけば、本発明の構成を満たすものとなる。また、肘掛けの肘当て部の裏面部に凹部を設け、その凹部に操作部を取り付けるようにしても便器本体部との間に手指が入る程度の隙間を確保することができるので、このような構成にしても良い。さらに、肘掛けをもっとも下げた位置が、本体部の表面より、手指の厚みより大きな隙間が空く高さ位置となって、それより下がらない構造としても良い。
【0022】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のポータブルトイレの肘掛け構造において、前記高さ調節手段は、前記肘掛けの肘当て部の上面部が、前記便器本体部の上面に配置された便座部の上面部に対して、ほぼ面一となる高さ位置に調整可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0023】
本発明によれば、肘掛けを高さ調節手段によって上下方向に高さ調節する際に、肘掛けの肘当て部の上面部と便器本体部の上面に配置された便座部の上面部とがほぼ面一となる高さ位置に肘掛けを調整することができる。よって、患者(用便者)がベッド等からお尻を滑らせるようにして便座部に移動する際に、肘掛け(肘当て部)の上面部が便座とほぼ面一の高さ位置に調整しておくことで、肘掛けが移動に際して邪魔になることはなく、容易に座ることができる。
【0024】
しかも、患者が便座部に座った後には、片手で肘掛けの肘当て部の裏面側に設けられた高さ調節手段の操作部を操作して簡単に肘掛けの高さを上下方向に調節できるので、患者が楽な姿勢で大小便を済ませることができるのである。用便後も片手で簡単に肘掛けを便座部上面と面一となる位置まで高さ調節できるので、ベッド等へ戻る動作も楽である。
【0025】
なお、本発明において、肘掛け上面部と便座部上面部とは、ほぼ面一であれば良い。患者が便座部に座るときに肘掛けが邪魔にならない程度、あるいは、お尻を滑らせて移動するときに滑りやすい程度に面一であれば、容易にベッドなどから便座部へ座ることができるからである。従って、多少肘掛けと便座部とに段差があっても、容易に座れる程度であれば本発明においては面一という概念に含まれる。
【0026】
また、肘掛けの肘当て部の上面部が便座部の上面部と面一となる高さ位置は、肘掛けの上下方向の移動範囲のうちの任意の位置であれば良い。つまり、本発明においては、肘掛けを最も低い位置にしたときに肘掛けの上面部と便座部の上面部とが面一となるように高さ調節できる構成にしても良いし、面一となる肘掛けの高さ位置からさらに肘掛けを下げることができるように高さ調整可能な構成としても構わない。
【0027】
尚、肘掛けの肘当て部の上面部と便座部上面部とが面一となる構成としては、例えば、便器本体部において、その上面部で肘掛けが取り付けられる部分を、肘掛けの肘当て部の厚み(高さ)に相当する長さ程度だけ便器本体上面部より低くするようにしておけば、肘掛けを下げたときに肘掛け上面部と便座部上面部とが面一となる。
【0028】
本発明の別の態様では、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポータブルトイレの肘掛けにおいて、前記肘掛けの肘当て部の上面部が、弾力性のあるクッション部材で構成されている。
【0029】
本発明によれば、肘掛けの肘当て部の上面部がクッション部材で構成されているから、肘をのせたときに柔らかく心地良い。また、肘掛け(肘当て部上面)を便座部の上面部と面一となる高さ位置まで下げて、ベッドなどから患者がお尻を滑らせながら便座に座る際にも、弾力性があるクッション部材がお尻を柔らかく保護できるから、便座への移動が楽であり、お尻を滑らせる際に怪我をする心配もない。
【0030】
なお、本発明においてクッション部材とは、クッション性を有する部材全てが含まれるものである。例えば、柔らかい樹脂、ウレタンフォーム、スポンジなどを用いれば良い。また、肘掛けの肘当ての上部をなめらかに滑らせることを優先する場合には、表面がなめらかな樹脂で肘当て部の上面を構成すればよい。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図示例と共に説明する。尚、図中、図と同一の符号を付した部分は同一物又は相当物を表わしている。図1及び図2は、本発明の一実施形態に係るポータブルトイレの肘掛け構造を備えたポータブルトイレの全体構成を示しており、便器本体部1と、便器本体部1の内部に設けられた便槽2と、その上部に配置されるO型の便座3と、その便座3の上部から便槽2の開口部4を覆うように設けられた折り畳み可能な便器蓋5と、前記便器本体部1の上面後方部から上方に延びる背もたれ部6と、背もたれ部6の前部の位置で、便器本体部1の上面の左右両側部に着脱可能に取り付けられた二つの肘掛け11a,11bとで主に構成されている。
【0032】
本実施形態に係る肘掛け11aは、使用者が肘を載せるための肘当て部12aと、この肘当て部12aを下方から支える二つの支持棒13a,13bとで構成されている。肘当て部12aは、略水平方向に配置される棒状部材からなるものであり、肘当て部12aの裏面(下面)側から下方に垂下される支持棒13a,13b(支持棒部)は、ほぼ垂直方向に延びる円筒状の柱部材である。
【0033】
肘当て部12aの裏面側(便器本体部1と対面する側、又は下面側)には、後述する高さ調節手段10aの操作部である操作レバー14aが設けられている。そして、この操作レバー14aを操作することによって、肘掛け11aの高さが変更並びに固定(調節)されるようになっている。さらに、肘当て部12aの上面には、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)樹脂製のクッション部材8a(図2の斜線部分)が取り付けられている。
【0034】
肘掛け11aの高さ調節を行う高さ調節手段10aは、肘掛け11aに内蔵されている。この高さ調節手段10aについて図3と共に説明する。高さ調節手段10aは、肘掛け11aの肘当て部12aの裏面側に設けられた操作レバー14aの操作に連動する腕部材15a,15bと、該腕部材15a,15bと連動する連結棒16a,16bと、該連結部材16a,16bの下端部(図3中の下側)に設けられたテーパ部を有する板片22a,22bと、該板片22a,22bのテーパ部に対応するテーパ部を有する板部材23a,23bと、該板部材23a,23に設けられた突起18a,18bと、板片22a,22bに内蔵されるバネ17a,17bと、板部材23a,23bに当接するバネ24a,24bとで主に構成されている。
【0035】
そして、操作レバー14aを矢印Aに移動させ、握り部50aを下方から押し上げるように握ると、これに連動して腕部材15a,15bが上下に揺動して連結棒16a,bを下方D方向(又は上方C方向)へ移動(往復運動)するようになっている。図5を用いてより詳細に説明すると、握り部50aは、上方が開口した略矩形箱形状をなしており、その内部には操作レバー14aの駆動部材51aが格納されており、握り部50aの下面から下方へ突出した操作レバー14aの水平方向の操作に伴って駆動部材51aが水平方向に移動するようになっている。
【0036】
また、握り部51aの上面は蓋部52aで覆われると共に、駆動板片53a,bが蓋部52aに開けられた貫通孔58a,bにそれぞれ嵌め込まれている。操作レバー14aがロック状態(図5(a)の状態)のときには、駆動部材51aは駆動バネ54aの付勢力で握り部50aの内壁部(図5(a)の右側内壁部)に当接した状態となっており、この状態で、駆動板片53a,bの下端部が駆動部材51aの上面に当接している。また、このとき駆動板片53a,bの上端部は、図示していないが、肘当て12aとも当接した状態となっている。つまり、図5(a)の状態のときには、握り部50aは駆動板片53a,bによって上下方向の移動が規制されているのである。よって、この図5(a)のときには、握り部50aが上方に移動しないから、肘掛け11aの上下方向スライドはされないこととなる。
【0037】
操作レバー14aを矢印A方向で図5(b)に示す位置まで移動させると、駆動板片53a,bが駆動部材51aの空間部57a,bに入り込む。そうすると、握り部50aは上方向に移動が可能となり、握り部50aの上方向移動に伴って握り部50aの両端部55a,bに接続された腕部材15a,bが上下方向に揺動して、肘掛け11aの上下方向の高さ調節ができるのである。なお、操作レバー14aは、普段は図5(a)の状態(ロック状態)に維持されるように駆動バネ54aで付勢されている。
【0038】
図3に示す状態は、肘掛け11aが便器本体部1に取り付けられてある高さ位置に固定されている状態を示しており、肘掛け11aの便器本体部1との高さ位置の固定は、板部材23a,23bの下部に設けられた突起18a,18bが便器本体部1の係止穴部(筒状の長穴部の側面位置に形成される、不図示)に嵌め込まれることによって行われている。
【0039】
この肘掛け11aの高さ位置を調節するときには、まず、肘当て部12aの裏面側に設けられた操作レバー14aを矢印A方向にスライドさせ、握り部50aを握って上方に引き上げる。すると、握り部50aの動作に連動して腕部材15a,15bはそれぞれ所定の軸(56a,b)を中心に揺動して、連結棒16a,16bを矢印D方向へ移動させる。連結棒16a,16bの下端部には板片22a,22bが取り付けられているから、連結棒16a,16bの動作に伴って板片22a,22bも矢印D方向に移動する。
【0040】
板片22a,22bが矢印D方向に移動すると、板部材23a,23bがバネ24a,24bの付勢力に抗して板片22a,22bと接するテーパ部に沿って矢印E方向に移動する。これに連動して、板部材23a,23bの下部に設けられた突起18a,18bが支持棒13a,13b内部側にへこんで、便器本体部1の係止穴部(不図示)との嵌合状態が解除される。よって、操作レバー14aを操作したまま肘当て部12aを上側に引き上げてやれば、肘掛け11aの高さ調節が行える。
【0041】
そして、任意のある位置(係止孔部がある位置)まで肘当て部12aを引き上げた後に、握り部50aを握るのを止めると、図5に示す駆動バネ54aの付勢力で矢印B方向に戻り、腕部材15a,15bが揺動し、これに連動して連結棒16a,16bが矢印C方向に移動し、バネ24a,24bの付勢力で突起18a,18bを矢印F方向に押出す。よって、突起18a,18bは便器本体部1の係止穴部(不図示)にしっかりと嵌め込まれ、肘掛け11aは所定の高さ位置に調節できる。
【0042】
また、肘掛け11aが所定の高さ位置で固定された状態(図3の状態)では、板片22a,22bに内蔵されたバネ17a,17bの付勢力によって、板片22a,22bは常時矢印C方向に押圧されているため、突起18a,18bはバネ24a,24bの付勢力によって常時矢印Fの向きへ押圧されるようになっており、肘掛け11aの高さ位置の固定が確実に維持(ロック)される構成となっている。
【0043】
なお、肘掛け11bも上述した肘掛け11aと同様の構成となっており、上述した高さ調節手段10aと同様の高さ調節手段10bが内蔵されているため、肘掛け11bについての説明は省略する。
【0044】
さらに、肘掛け11a,11bは、図2に示すように、最も低い位置まで下げた状態でも操作レバー14a,14bの操作が行えるようになっている。即ち、本実施形態では、便器本体部1の上面部で肘掛け11a,11bが取り付けられている部分において、肘当て部の裏面部に対向する位置に凹部20を形成している。このため、肘掛け11a,11bと最も低い位置まで下げた状態における便器本体部1上面との隙間Xを、具体的に手指の入る程度としてこの凹部20で形成し、肘掛けをもっとも下げた位置でも操作レバー14a,14bの操作が行えるようにしてある。さらに、上部からもっとも低い位置まで肘掛けを下げた場合でも、肘掛けの肘当ての裏面と本体部の上面との間が手指の厚みより広いので、ここで手指が挟み込まれる事故を防止できる。なお、本実施形態では、この隙間Xを約30mmとしている。
【0045】
さらに、本実施形態に係る肘掛け11a,11bは、図2に示すように、最も低い位置まで下げた状態で、肘掛け11a,11bの肘当て部12a,12bの上面部に取り付けられたクッション8a,8bの上面と便座部3の上面とがほぼ面一となるようになっている。この面一となる構成とするために、本実施形態では便器本体部1の上面部で肘掛け11a,11bが取り付けられた領域を、便座部3よりも低い位置まで掘り下げた形状としている。即ち、便器本体部1の上面側縁部を深さHだけ掘り下げている。この深さHは、肘掛け11a,11bの厚さと、肘掛け11a,11bを下げた状態で外部に露出する支持棒13a〜dの一部分の長さと、肘当て部の厚み(高さ)とを合計した距離に相当するものである。
【0046】
このように構成された本実施形態に係る肘掛け付きポータブルトイレの使用態様を図2及び図4と共に説明する。ベッドに寝ている患者がトイレを使用する際には、まず、ポータブルトイレの便器本体部1を図4に示すようにベッド19の側面に隣接して配置しておく。そして、操作レバー14bを操作して、肘掛け11bを最も低い位置まで下げる。すると、肘掛け11bの上面部と便座部3の上面部とがほぼ面一となるから、ベッド19に寝ている患者は上半身を起こして、そのままお尻を滑らせるようにして便座部3まで移動して座ればよい。
【0047】
そして、図2に示すように、患者が便座部3に座った状態では、肘掛け11a,11bの裏面側に設けられた高さ調節手段10a,bの操作レバー14a,14bを、片手で操作にして肘掛け11a,11bを上下方向に移動させて高さ調節を行い楽な姿勢で大小便をする。用便後には、片手で再び肘掛け11bの上面部を便座部3と面一となる位置(本実施形態では最も低い位置)に高さ調節して、その上をお尻を滑らせてベッドへ戻る。
【0048】
このように構成された本実施形態に係るポータブルトイレの肘掛けによれば、操作レバー14a,14bが肘掛け11a,11bの裏面側に設けられているから、例えば、使用者が便座部3に座ったままでも、簡単に片手で肘掛け11a,11bの高さ調節を行うことができる。
【0049】
さらに、操作レバー14a,14bが肘掛け11a,11bの裏面側に設けられているので、ベッド19に便器本体1を隣接配置するときに、この操作レバー14a,14bが邪魔になることがない。よって、ベッド19との間に隙間なく便器本体部1を配置でき、ベッド19に寝ている患者が便座部3へ安全に移動できる。
【0050】
また、肘掛け11a,11bを最も低い位置に下げたときでも便器本体部1の上面と肘掛け11a,11bの裏面部との間で手指が挟まることがなく安全である。さらに、肘掛け11a,11bの上面部と便座部3とが面一となる位置に高さ調節が可能であるため、患者がベッド19から便座部3へ移動するのが簡単である。
【0051】
加えて、肘掛け11a,11bの上面部にクッション部材8a,8bが貼り付けられているので便座部3に座って肘掛け11a,11bに肘をのせたときに心地が良い。また、肘掛け11a,11bを便座部3の上面部と面一となる高さ位置に調整して、ベッド19から便座部3へお尻を滑らせるようにして移動する際にクッション部材8a,8bによってお尻が保護され怪我をすることもない。
【0052】
尚、本発明のポータブルトイレの肘掛けは、上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ベッド等の高さに合わせて便器本体部の高さを調節するための機構を便器本体部の底部に設けておくことも有効である。
【0053】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に係るポータブルトイレの肘掛けによれば、例えば便座に座ったままでも、片手で簡単に肘掛けの高さを調節できるという優れた効果を奏し得る。さらに、ベッド等に対して隙間なくポータブルトイレを隣接配置できるため、ベッドなどから便座部へも移動が安全である。加えて、肘掛けを下げるときに手指が挟まることがなく安全に使用できる。
【0054】
また、肘掛けと便座部とが面一となる高さに肘掛けを調整できるから、ベッドなどから便座部への移動が容易となる。しかも、肘掛けにクッション部材が設けられているから、肘をのせたときに心地良い。さらに、ベッドなどから便座部へ移動する際にお尻などが怪我をすることがなく安全である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る肘掛けを備えたポータブルトイレ全体を示す概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るポータブルトイレの肘掛けの高さ調節を説明するための図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るポータブルトイレの肘掛けに備えられる高さ調節手段を説明するための図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る肘掛けを備えたポータブルトイレの使用態様を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るポータブルトイレの肘掛けに備えられる高さ調節手段の操作部の詳細を説明するための図である。
【符号の説明】
1:便器本体
3:便座部
6:背もたれ部
8a,8b:クッション部材
10a,10b:高さ調節手段
11a,11b:肘掛け
12a,12b:肘当て
13a,13b,13c,13d:支持棒
14a,14b:操作レバー
20a,20b:凹部
H:深さ
X:隙間
Claims (3)
- ポータブルトイレの便器本体部の上面側縁部に着脱可能に取り付けられる肘掛け構造であって、
前記肘掛けは、略水平方向に配置される棒状部材からなる肘当て部と、その肘当て部の裏面側から下方に垂下され、それぞれ便器本体部の上面縁部に設けられた筒状の長穴部内に挿入された前後二本の支持棒部と、を有し、
前記肘掛けの二本の支持棒部を前記長穴部内でスライドさせて複数の高さ位置で固定することにより上下方向の高さ調節が可能な高さ調節手段を備え、
該高さ調節手段の操作部が、前記肘掛けの肘当て部の裏面部の前記二本の支持棒部の間に、該肘当て部を片手で掴んだ状態での指先操作可能に設けられており、
前記操作部は、前記肘当て部に設けられた握り部に対する握り動作に連動して同時に前記二本の支持棒部の高さ位置の固定のロックと解除が行われるロック機構を有し、該ロック機構のロックは、前記操作部の指先操作と前記握り部に対する握り動作とで解除されるものであり、
前記肘掛けを最も低い高さ位置としたときに、前記肘掛けの肘当て部の裏面部と、そこに対向する前記便器本体部上面部との間に、少なくとも手指部が入る程度の隙間が生ずるように構成されており、
前記便器本体部上面部には、前記隙間が生じる構成として前記肘当て部の裏面部に設けられた操作部に対向する位置に、前記肘掛けを最も低い位置まで下げた状態でも前記操作部の操作が行える凹部が形成され、
前記肘当て部を片手で掴んで前記操作部を指先で操作すると共に前記ロック機構の握り動作を行いながら、肘掛けを最も低い高さ位置から複数の高さ位置までの高さ調節を行うことを特徴とするポータブルトイレの肘掛け構造。 - 前記操作部は、肘当て部の裏面に上下移動可能に設けられた略箱形状の握り部と、該握り部の下面から下方へ突出した操作レバーと、該操作レバーの水平方向の操作に伴って前記握り部内で駆動する操作レバーの駆動部材とを有し、前記握り部は、前記操作レバーの予め定められた水平方向への移動によって前記駆動部材を介して上方向に移動可能となり、肘当て部の握り動作による握り部の上方向移動に伴って前記ロック機構が解除状態となることを特徴とする請求項1に記載のポータブルトイレの肘掛け構造。
- 前記高さ調節手段は、前記肘掛けの肘当て部の上面部が、前記便器本体部の上面に配置された便座部の上面部に対して、ほぼ面一となる高さ位置に調整可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のポータブルトイレの肘掛け構造。
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