JP4357548B2 - Cu−Ti系銅合金板材およびその製造法 - Google Patents
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I{420}/I0{420}>1.0 ……(1)
I{220}/I0{220}≦3.0 ……(2)
この板材は下記(A)、(B)のいずれかによって特定される特性を備えている。
(A)下記に示す「ノッチング後の曲げ加工性試験」を施したとき、曲げ加工部の表面および断面の光学顕微鏡観察において割れが認められない曲げ加工性。
〔ノッチング後の曲げ加工性試験〕
当該銅合金板材から長手方向がLD(圧延方向)の短冊形試料(幅10mm)を採取し、図2に示す断面形状のノッチ形成治具(凸部先端のフラット面の幅0.1mm、両側面角度45°)を用いて、図3に示すように20kNの荷重を付与することにより試料幅いっぱいにノッチを形成する。ノッチの方向(すなわち溝に対して平行な方向)は、試料の長手方向に対して直角方向である。このノッチ付き試料について、JIS H3110に準拠した90°W曲げ試験により曲げ試験を行う。このとき、下型の中央突起部先端のRを0mmとした治具を用い、前記ノッチ付き試料を、ノッチ形成面が下向きになり、前記下型の中央突起部先端がノッチ部分に合致するようにセットして90°W曲げ試験を行う。
(B)LDの引張強さが800MPa以上の高強度と、JIS H3110に準拠した90°W曲げ試験において割れが発生しない最小曲げ半径Rと板厚tとの比R/tの値がLD、TD(圧延方向と板厚方向に対し直角方向)とも1.0以下であり、上記R/tの値を得たときの曲げ試験片における曲げ加工部(3箇所のうち中央部)の実際の曲げ変形角度をθ(°)とするとき、スプリングバック量を示すθ−90°の値がLD、TDとも3°以下となる曲げ加工性。
本明細書では、このJIS H3110に準拠した90°W曲げ試験で評価される曲げ加工性を「通常の曲げ加工性」と呼び、上記の「ノッチング後の曲げ加工性」とは区別している。
熱間圧延工程において、950℃〜700℃の温度域で最初の圧延パスを実施するとともに同温度域での圧延率を60%以上とし、かつ700℃未満〜500℃の温度域で圧延率30%以上の圧延を行い、
溶体化処理工程において、溶体化処理後の平均結晶粒径が10〜60μmとなるように、700〜900℃域の保持時間および到達温度を設定して熱処理を実施し、
時効処理工程において、当該合金組成で最大硬度が得られる時効温度をT M (℃)、その最大硬度をH M (HV)とするとき、時効温度を300〜550℃の範囲内かつT M ±10℃の温度とし、時効時間を時効後の硬さが0.85H M 〜0.95H M の範囲となる時間とする、銅合金板材の製造法が提供される。
ε=(t0−t1)/t0×100 ……(3)
Cu−Ti系銅合金の板面(圧延面)からのX線回折パターンは、一般に{111}、{200}、{220}、{311}の4つの結晶面の回折ピークで構成され、他の結晶面からのX線回折強度はこれらの結晶面からのものに比べ非常に小さい。{420}面の回折強度についても、通常の製造工程で得られたCu−Ti系銅合金の板材では無視される程度に弱くなる。ところが、発明者らの詳細な検討によれば、後述する製造条件に従うと{420}を主方位成分とする集合組織を持つCu−Ti系銅合金板材が得られることがわかった。そして発明者らは、この集合組織が強く発達しているほど、曲げ加工性の改善に有利となることを見出した。その曲げ加工性改善のメカニズムについて、現時点では以下のように考えている。
I{420}/I0{420}>1.0 ……(1)
ここで、I{420}は当該銅合金板材の板面における{420}結晶面のX線回折強度、I0{420}は純銅標準粉末の{420}結晶面のX線回折強度である。面心立方晶のX線回折パターンでは{420}面の反射は生じるが{210}面の反射は生じないので、{210}面の結晶配向は{420}面の反射によって評価される。下記(1)’式を満たすものが一層好ましい。
I{420}/I0{420}>1.5 ……(1)’
I{220}/I0{220}≦3.0 ……(2)
0.5≦I{220}/I0{220}≦3.0 ……(2)’
ここで、I{220}は当該銅合金板材の板面における{220}結晶面のX線回折強度、I0{220}は純銅標準粉末の{220}結晶面のX線回折強度である。
前述のように、平均結晶粒径が小さいほど曲げ加工性の向上に有利であるが、小さすぎると耐応力緩和性が悪くなりやすい。種々検討の結果、最終的に平均結晶粒径が10μm以上の値、好ましくは10μmを超える値であれば、車載用コネクターの用途でも満足できるレベルの耐応力緩和性を確保しやすく、好適である。15μm以上であることがより好ましい。ただし、あまり平均結晶粒径が大きくなりすぎると曲げ部表面の肌荒を起こりやすく、曲げ加工性の低下を招く場合があるので、60μm以下の範囲とすることが望ましく、40μm以下、あるいは30μm以下の範囲に調整することがより好ましい。最終的な平均結晶粒径は、溶体化処理後の段階における結晶粒径によってほぼ決まってくる。したがって、平均結晶粒径のコントロールは後述の溶体化処理条件によって行うことができる。
本発明ではCu−Tiの2元系基本成分に、必要に応じてFe、Co、Ni等、あるいはその他の合金元素を配合したCu−Ti系銅合金を採用する。
Cu−Ti系銅合金を用いて電気・電子部品の更なる小型化、薄肉化に対応するには、引張強さ800MPa以上、好ましくは900MPa以上、さらに好ましくは1000MPa以上の板材を供給することが望ましい。上記化学組成を満たす合金に後述の製造条件を適用することによってこの強度特性を具備させることが可能である。
「ノッチング後の曲げ加工性」については、前述の〔ノッチング後の曲げ加工性試験〕を行ったとき、曲げ加工部の表面および断面の光学顕微鏡観察において割れが認められない曲げ加工性を有していることが好ましい。
以上のような本発明の銅合金板材は、例えば以下のような製造工程により作ることができる。
「溶解・鋳造→熱間圧延→冷間圧延→溶体化処理→仕上冷間圧延→時効処理」
ただし、後述のようにいくつかの工程での製造条件を工夫することが重要である。なお、上記工程中には記載していないが、熱間圧延後には必要に応じて面削が行われ、各熱処理後には必要に応じて酸洗、研磨、あるいはさらに脱脂が行われる。以下、各工程について説明する。
連続鋳造、半連続鋳造等により鋳片を製造すればよい。Tiの酸化を防止するために、不活性ガス雰囲気または真空溶解炉で行うのがよい。
通常、Cu−Ti系銅合金の熱間圧延は、圧延途中に析出物を生成させないようにするため、700℃以上、あるいは750℃以上の高温域で圧延し、圧延終了後に急冷する手法で行われる。しかしながら、このような常識的な熱間圧延条件では本発明の特異な集合組織を有する銅合金板材を製造することは困難である。すなわち、発明者らの調査によると、このような熱間圧延条件を採用した場合は、後工程の条件を広範囲に変化させても{420}を主方位方向に持つ銅合金板材を再現性良く製造できる条件を見つけることはできなかった。そこで発明者らは更なる詳細な検討を行った。その結果、950℃〜700℃の温度域で最初の圧延パスを実施し、かつ700℃未満〜500℃の温度域で圧延率30%以上の圧延を行うという熱間圧延条件を見出すに至った。
ε=(t0−t1)/t0×100 ……(3)
例えば最初の圧延パスに供する鋳片の板厚が120mmであり、700℃以上の温度域で圧延を実施して(途中、炉に戻して再加熱しても構わない)、700℃以上の温度で実施された最後の圧延パス終了時に板厚が30mmになっており、引き続いて圧延を継続して、熱間圧延の最終パスを700℃未満〜400℃の範囲で行い、最終的に板厚10mmの熱間圧延材を得たとする。この場合、700℃以上の温度域で行われた圧延の圧延率は(3)式により、(120−30)/120×100=75(%)である。また、700℃未満〜400℃の温度域での圧延率は同じく(3)式により、(30−10)/30×100=66.7(%)である。
上記熱延板を圧延するに際し、溶体化処理前に行う冷間圧延では圧延率を80%以上とすることが重要であり、90%以上とすることがより好ましい。このような高い圧延率で加工された材料に対し、次工程で溶体化処理を施すことにより、{420}を主方位成分とする再結晶集合組織の形成が可能になる。特に再結晶集合組織は再結晶前の冷間圧延率に大きく依存する。具体的には、{420}を主方位成分とする結晶配向は、冷間圧延率が60%以下ではほとんど生成せず、約60〜80%の領域では冷間圧延率の増加に伴って漸増し、冷間圧延率が約80%を超えると急激な増加に転じる。{420}方位が十分に優勢な結晶配向を得るには80%以上の冷間圧延率を確保する必要があり、更に90%以上が望ましい。なお、冷間圧延率の上限はミルパワー等により必然的に制約を受けるので、特に規定する必要はないが、エッジ割れなどを防止する観点から概ね99%以下で良好な結果が得られやすい。
従来の溶体化処理は「溶質元素のマトリックス中への再固溶」と「再結晶化」を主目的とするが、本発明では更に「{420}を主方位成分とする再結晶集合組織の形成」をも重要な目的とする。この溶体化処理は、700〜900℃の炉温で行うことが望ましい。温度が低すぎると再結晶が不完全で溶質元素の固溶も不十分となる。温度が高すぎると結晶粒が粗大化してしまう。これらいずれの場合も、最終的に曲げ加工性の優れた高強度材を得ることが困難となる。
続いて65%以下の圧延率で仕上冷間圧延を行うことができる。この段階での冷間圧延はその後の時効処理中の析出を促進する効果があり、これにより必要な特性(導電率、硬さ)を引き出すための時効温度を低下させ、または時効時間を短くすることができる。これにより、時効過程中の熱変形を低減する効果がある。
この仕上冷間圧延によって{220}を主方位成分とする集合組織が発達していくが、65%以下の冷間圧延率の範囲では、まだ十分に{420}面が板面に平行な結晶粒も残存する。この段階の仕上冷間圧延は圧延率65%以下で行う必要があり、0〜50%とすることがより好ましい。圧延率が高すぎると前記(1)式を満たすような理想的な結晶配向が得られにくくなる。圧延率がゼロである場合は、溶体化処理後に仕上冷間圧延を行わず、直接時効処理に供することを意味する。本発明では、生産性を向上するために、仕上冷間圧延工程を省略しても構わない。
時効処理では、当該合金の導電性と強度の向上に有効な条件の中で、あまり温度を上げすぎないようにする。時効処理温度が高くなりすぎると溶体化処理によって発達させた{420}を優先方位とする結晶配向が弱められ、結果的に十分な曲げ加工性改善効果が得られない場合がある。具体的には材温が300〜550℃となる温度で行うことが望ましく、350〜500℃の範囲が一層好ましい。時効処理時間は概ね60〜600min程度の範囲に設定できる。時効処理中に表面酸化膜を極力抑制する場合には、水素、窒素またはアルゴン雰囲気を使うことができる。
〔平均結晶粒径〕
供試材の板面(圧延面)を研磨したのちエッチングし、その面を光学顕微鏡で観察し、平均結晶粒径をJIS H0501の切断法で測定した。
供試材の板面(圧延面)を#1500耐水ペーパーで研磨仕上げとした試料を準備し、X線回折装置(XRD)を用いて、Mo−Kα線、管電圧20kV、管電流2mAの条件で、前記研磨仕上げ面について{420}面および{220}面の反射回折面強度を測定した。一方、上記と同じX線回折装置を用いて、上記と同じ測定条件で純銅標準粉末の{420}面および{220}面のX線回折強度を測定した。これらの測定値を用いて前記(1)式中に示されるX線回折強度比I{420}/I0{420}と、(2)式中に示されるX線回折強度比I{220}/I0{220}を求めた。
JIS H0505に従って各供試材の導電率を測定した。
〔引張強さ〕
各供試材からLDの引張試験片(JIS 5号)を採取し、n=3でJIS Z2241に準拠した引張試験行い、n=3の平均値によって引張強さを求めた。
各供試材から長手方向がTDの曲げ試験片(幅10mm)を採取し、試験片の長手方向における中央部の表面応力が0.2%耐力の80%の大きさとなるようにアーチ曲げした状態で固定した。上記表面応力は次式により定まる。
表面応力(MPa)=6Etδ/L0 2
ただし、
E:弾性係数(MPa)
t:試料の厚さ(mm)
δ:試料のたわみ高さ(mm)
この状態の試験片を大気中200℃の温度で1000時間保持した後の曲げ癖から次式を用いて応力緩和率を算出した。
応力緩和率(%)=(L1−L2)/(L1−L0)×100
ただし、
L0:治具の長さ、すなわち試験中に固定されている試料端間の水平距離(mm)
L1:試験開始時の試料長さ(mm)
L2:試験後の試料端間の水平距離(mm)
この応力緩和率が5%以下のものは、車載用コネクターとして高い耐久性を有すると評価され、合格と判定した。
供試材の板材から長手方向がLDの曲げ試験片およびTDの曲げ試験片(いずれも幅10mm)を採取し、JIS H3110に準拠した90°W曲げ試験を行った。試験後の試験片について曲げ加工部の表面および断面を光学顕微鏡にて100倍の倍率で観察することにより、割れが発生しない最小曲げ半径Rを求め、これを供試材の板厚tで除することによりLD、TDそれぞれのR/t値を求めた。各供試材のLD、TDともn=3で実施し、n=3のうち最も悪い結果となった試験片の成績を採用してR/t値を表示した。
供試材の板材から長手方向がLDの短冊形試料(幅10mm)を採取し、図2に示す断面形状のノッチ形成治具(凸部先端のフラット面の幅0.1mm、両側面角度45°)を用いて、図3に示すように20kNの荷重を付与することにより試料幅いっぱいにノッチを形成した。ノッチの方向(すなわち溝に対して平行な方向)は、試料の長手方向に対して直角方向である。このようにして準備したノッチ付き曲げ試験片のノッチ深さを実測したところ、図4に模式的に示すノッチ深さδは板厚tの1/4〜1/6程度であった。
試験後の試験片について曲げ加工部の表面および断面を光学顕微鏡にて100倍の倍率で観察することにより、割れの有無を判断し、割れが認められないものを「〇」、割れが認められたものを「×」と表示した。なお、曲げ加工部で破断したものは「破」と表示した。各供試材のn=3で実施し、n=3のうち最も悪い結果となった試験片の成績を採用して「○」、「×」、「破」の評価を行い、これが○評価のものを合格と判定した。
最小曲げ半径で「通常の曲げ加工法」による曲げ加工を行った試験片、および「ノッチング後の曲げ加工法」による曲げ加工を行って割れが認められなかった試験片について、曲げ加工部(3箇所のうち中央部)の曲げ軸に垂直な断面を光学顕微鏡付きのデジタルマイクロスコープ(KEYENCE社製のVH−8000型)にて倍率150倍で観察して、曲げ角度θを測定した。図5に、90°W曲げ加工を受けた後の試験片について、曲げ加工部(3箇所のうち中央部)近傍の曲げ軸に垂直な断面の形状を模式的に示す。スプリングバックが生じると曲げ角度θは90°より大きくなる(図5では説明のためにθの大きさを現実より誇張して描いてある)。この実際の曲げ角度θが、金型(W曲げ試験治具)の90°に対して、どの程度ずれるかをスプリングバックの指標とした。すなわち、[実際の曲げ角度θ]−90°の値を各供試材につきn=3で測定し、その平均値をスプリングバック量とした。
Claims (6)
- 質量%で、Ti:1.0〜5.0%、残部Cuおよび不可避的不純物からなる組成を有し、下記(1)式を満たす結晶配向を有し、平均結晶粒径が10〜60μmであり、下記に示す「ノッチング後の曲げ加工性試験」を施したとき、曲げ加工部の表面および断面の光学顕微鏡観察において割れが認められない曲げ加工性を備えた銅合金板材。
I{420}/I0{420}>1.0 ……(1)
ここで、I{420}は当該銅合金板材の板面における{420}結晶面のX線回折強度、I0{420}は純銅標準粉末の{420}結晶面のX線回折強度である。
〔ノッチング後の曲げ加工性試験〕
当該銅合金板材から長手方向がLD(圧延方向)の短冊形試料(幅10mm)を採取し、図2に示す断面形状のノッチ形成治具(凸部先端のフラット面の幅0.1mm、両側面角度45°)を用いて、図3に示すように20kNの荷重を付与することにより試料幅いっぱいにノッチを形成する。ノッチの方向(すなわち溝に対して平行な方向)は、試料の長手方向に対して直角方向である。このノッチ付き試料について、JIS H3110に準拠した90°W曲げ試験により曲げ試験を行う。このとき、下型の中央突起部先端のRを0mmとした治具を用い、前記ノッチ付き試料を、ノッチ形成面が下向きになり、前記下型の中央突起部先端がノッチ部分に合致するようにセットして90°W曲げ試験を行う。 - 質量%で、Ti:1.0〜5.0%、残部Cuおよび不可避的不純物からなる組成を有し、下記(1)式を満たす結晶配向を有し、平均結晶粒径が10〜60μmであり、LD(圧延方向)の引張強さが800MPa以上の高強度と、JIS H3110に準拠した90°W曲げ試験において割れが発生しない最小曲げ半径Rと板厚tとの比R/tの値がLD、TD(圧延方向と板厚方向に対し直角方向)とも1.0以下であり、上記R/tの値を得たときの曲げ試験片における曲げ加工部(3箇所のうち中央部)の実際の曲げ変形角度をθ(°)とするとき、スプリングバック量を示すθ−90°の値がLD、TDとも3°以下となる曲げ加工性を備えた銅合金板材。
I{420}/I0{420}>1.0 ……(1)
ここで、I{420}は当該銅合金板材の板面における{420}結晶面のX線回折強度、I0{420}は純銅標準粉末の{420}結晶面のX線回折強度である。 - さらに、Fe:0.5%以下、Co:1.0%以下およびNi:1.5%以下の1種以上を含有する組成を有する請求項1または2に記載の銅合金板材。
- さらに、Sn:1.2%以下、Zn:2.0%以下、Mg:1.0%以下、Zr:1.0%以下、Al:1.0%以下、Si:1.0%以下、P:0.1%以下、B:0.05%以下、Cr:1.0%以下、Mn:1.0%以下、V:1.0%以下の1種以上を合計3質量%以下の範囲で含有する組成を有する請求項1〜3のいずれかに記載の銅合金板材。
- さらに下記(2)式を満たす結晶配向を有する請求項1〜4のいずれかに記載の銅合金板材。
I{220}/I0{220}≦3.0 ……(2)
ここで、I{220}は当該銅合金板材の板面における{220}結晶面のX線回折強度、I0{220}は純銅標準粉末の{220}結晶面のX線回折強度である。 - 950〜500℃での熱間圧延、圧延率80%以上の冷間圧延、700〜900℃での溶体化処理、圧延率0〜65%の仕上冷間圧延、300〜550℃の時効処理を順次施す工程で銅合金板材を製造するに際し、
熱間圧延工程において、950℃〜700℃の温度域で最初の圧延パスを実施するとともに同温度域での圧延率を60%以上とし、かつ700℃未満〜500℃の温度域で圧延率30%以上の圧延を行い、
溶体化処理工程において、溶体化処理後の平均結晶粒径が10〜60μmとなるように、700〜900℃域の保持時間および到達温度を設定して熱処理を実施し、
時効処理工程において、当該合金組成で最大硬度が得られる時効温度をT M (℃)、その最大硬度をH M (HV)とするとき、時効温度を300〜550℃の範囲内かつT M ±10℃の温度とし、時効時間を時効後の硬さが0.85H M 〜0.95H M の範囲となる時間とする、
請求項1〜5のいずれかに記載の銅合金板材の製造法。
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