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JP4356609B2 - チップ型電子部品収納台紙 - Google Patents

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JP4356609B2 JP2004379226A JP2004379226A JP4356609B2 JP 4356609 B2 JP4356609 B2 JP 4356609B2 JP 2004379226 A JP2004379226 A JP 2004379226A JP 2004379226 A JP2004379226 A JP 2004379226A JP 4356609 B2 JP4356609 B2 JP 4356609B2
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Description

本発明は、紙製のチップ型電子部品収納台紙に関するものである。
チップ型電子部品収納台紙は、通常、次のように加工処理をしてチップ型電子部品のキャリアとして使用される。
(1)所定の幅にスリットする。
(2)所定大きさの角穴(以下、キャビティと記す)と丸穴を開ける。キャビティはチップ型電子部品収納用で、丸穴は充填機内送り用である。
(3)台紙の裏面(ボトム側)にカバーテープを接着する。なお、キャビティを開けないで、所定の大きさの角状エンボンス加工をすることもあり、この場合、この工程は省かれる。台紙とカバーテープを接着する方法は、台紙とカバーテープを重ね、カバーテープ上から熱と圧力を加えて接着する、いわゆるヒートシール法で行われる。
(4)チップ型電子部品を充填する。
(5)台紙の表面(トップ側)にヒートシール法によってカバーテープを接着する。
(6)所定の大きさのカセットリールに巻き付け、チップ型電子部品と共に出荷する。
(7)最終ユーザーでトップ側カバーテープを剥がし、チップ型電子部品を取り出す。
以上のように使用されることから、従来から、収納台紙に求められる品質としては、充填したチップ部品に腐蝕などの悪影響を及ぼさないこと、カバーテープが良好に接着されており、更にカバーテープを剥がしてチップ型電子部品を取り出す際に一定強度でなめらかに剥がすことができること、紙に対する各種処理に耐え得る強度を有すること、チップ部品を挿入するキャビティの寸法が正確であり、環境変化に伴う伸縮が小さいこと等が挙げられる。
しなしながら近年になり、チップ型電子部品が順次小型化されており、長さと幅が1.6×0.8mmから1.0×0.5mmが主流になると共に、0.6×0.3mm以下のサイズが実用化されてきた。これに伴い、収納台紙から脱落した紙粉が原因になり、カバーテープ接着時(以下、テーピングと記す)や部品取り出し時に接着不良やチップ型電子部品の取出し不良につながる問題が生じているため、紙粉が発生しないチップ型電子部品収納台紙が望まれていた。一方、基盤の精密化に伴って、電子機器への実装工程がクリーンルームで行われる場合もあり、収納台紙がクリーンルーム内で使用される無塵紙のごとくクリーン化されていることが望まれていた。
これまで、キャビティ内の紙粉に関連する発明は数多くなされている。例えば、キャビティ内のヒゲやケバと称するパルプ繊維の飛び出しを防ぐ方法としては、特許第2838818号公報(特許文献1参照)、特開平10−218281号公報(特許文献2参照)、特開平11−165786号公報(特許文献3参照)のようにキャビティ内壁にバインダー樹脂を塗布する方法、特開平9−221192号公報(特許文献4参照)のようにキャビティ内壁にフィルム層を形成する、あるいは特開2001−315846号公報(特許文献5参照)のように合成樹脂又は金属からなるカップをキャビティにはめ込むといった方法が提案されているが、キャビティからの紙粉発生を抑制できても、収納台紙の表裏面や側面からの紙粉は抑制できない。
特許第2838818号公報 特開平10−218281号公報 特開平11−165786号公報 特開平9−221192号公報 特開2001−315846号公報
本発明は、紙製のチップ型電子部品収納台紙であって、塵の発生が極めて少なく、クリーンルーム内で使用可能なチップ型電子部品収納台紙を提供することを課題とする。
本発明者らは、カバーテープ接着性や厚み精度などの他の物性を損なわずにチップ型電子部品収納台紙から発生するケバや紙粉をなくす方法について種々検討した結果、ラジカル重合反応を応用してチップ型電子部品収納台紙のあらゆる面に樹脂層、あるいは樹脂とパルプ繊維の混在層を形成することによりケバや紙粉の発生を抑えることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)チップ型電子部品を収納するチップ型電子部品収納台紙において、キャビティ、送り穴を含む全ての面に、電子線照射によるラジカル重合反応により硬化させた樹脂層を有するチップ型電子部品収納台紙。
本発明は、塵の発生が極めて少ないためクリーンルーム内で使用可能で、テーピング機やマウンタでの走行時に紙粉の発生が極めて少ないチップ型電子部品収納台紙に関するものである。
本発明のチップ型電子部品収納台紙は、キャビティや送り穴をパンチング加工、又はプレス加工した後にラジカル重合反応により硬化する硬化性樹脂を塗布し、ラジカル重合反応により硬化させ硬化樹脂層を形成して完成される。ラジカル重合反応によりチップ型電子部品収納台紙のあらゆる面に硬化樹脂層を設けることにより、チップ型電子部品収納台紙の膨潤による寸法変化を防ぐことができる。
本発明の硬化樹脂層とは、チップ型電子部品収納台紙のあらゆる面上に硬化樹脂層を形成したものだけでなく、硬化性樹脂が紙層内部に浸透した状態で硬化し、パルプ繊維を部分的に包埋しているような状態も含む。よって、パルプ繊維のネットワークと空隙が保持されている状態にある。
本発明では、硬化樹脂層を作ることにより、又は、硬化性樹脂が紙層内部に浸透しパルプ繊維を部分的に包埋している状態(これも硬化樹脂層の1形態)を作ることにより、紙粉の発生を抑えることができる。一方では、エマルジョンタイプや水溶性タイプの樹脂でも紙粉の発生を抑えることが可能だが、加熱乾燥に時間とエネルギーを必要とすることから効率が悪く、更に膨潤によりキャビティの寸法や間隔が変化しやすく品質管理が困難になるため好ましくない。
硬化樹脂層は、テーピング機やマウンタでの物理的な処理によって発生する紙粉が紙表面からの深さで30μm程度から離脱していることから、限りなく表面だけで良い。硬化樹脂層が厚くなるとチップ型電子部品収納台紙が硬くなり、トラバース巻きやレコード巻きに仕上げる際に、折れたり、シワが発生する原因になる。
硬化樹脂層の硬化は、処理時間が短いことからラジカル重合反応が良い。ラジカル反応により硬化樹脂層を形成する際に用いる硬化性化化合物としては、不飽和基を有するプレポリマーまたはモノマーもしくはその混合物を用いる。ラジカル重合反応に使用するプレポリマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、(1)ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールF型、エポキシ化油型、フェノールノボラック型、脂環型などのエポキシアクリレート、(2)ウレタンアクリレート、(3)不飽和ポリエステル、(4)ポリエステルアクリレート、(5)ポリエーテルアクリレート、(6)ビニル/アクリルオリゴマー、(7)ポリエン/チオール、(8)シリコンアクリレート、(9)ポリブタジエンアクリレート、(10)ポリスチリルエチルメタクリレート、等が挙げられる。
収納台紙の厚みが厚い場合、テーピング機やマウンタでの使用方法にもよるが、ソフトなプレポリマーの方が好ましく、具体的にはウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエン/チオール、シリコンアクリレート、ポリブタジエンアクリレート等が良い。カバーテープとの接着性を高めるためには、エポキシアクリレート、ビニル/アクリルオリゴマー、ポリブタジエンアクリレート等が好ましいが、樹脂とパルプ繊維の混在している硬化樹脂層を形成していれば、前述のごとくネットワークと空隙が保持されていてカバーテープの粘着成分がアンカーリングされるため、他のプレポリマーでも何等問題はない。ただし、ラジカル重合反応させる樹脂を紙層まで浸透させた場合は、紫外線照射では紙層内部まで紫外線が届かず十分な反応が得られない場合があるため、熱または電子線照射が好ましく、更にはラジカル反応を速やかに進めるためには電子線照射がより好ましい。
ラジカル重合反応に使用するモノマーとしては、単官能あるいは多官能のモノマーもしくはその混合物が使用可能であり、例えば、アクリレート基、メタクリレート基、ビニルエーテル基、チオール基等のラジカル重合性官能基を含有する化合物が用いられ、化学架橋体を形成させるために1官能性ラジカル重合性化合物(モノマー)と多官能性ラジカル重合性化合物(架橋剤)との混合物を用いることが好ましい。
具体的に述べるならば、単官能モノマーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロヘキシルアクリレート、イソボロニルアクリレート、ベンジルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクタンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸ダイマー、アクリル酸−9,10−エポキシ化オレイル、メタクリル酸−9,10−エポキシ化オレイル、マレイン酸エチレングリコールモノアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチレンアクリレート、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソランのカプロラクタン付加物のアクリレート、3−メチル−5,5−ジメチル−1,3−ジオキソランのカプロラクトン付加物のアクリレート、エチレンオキシド変性フェノキシ化リン酸アクリレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、2種類以上混合して用いても良い。
多官能モノマーとしては、エタンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,14−テトラデカンジオールジアクリレート、1,15−ペンタデカンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、2−ブチル−2−エチルプロパンジオールジアクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレンオキシド変性水添ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリプロピレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールエステルジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加物ジアクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ポリオキシエチレンエピクロロヒドリン変性ビスフェノールAジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリプロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸トリアクリレート、エチレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、ポリエチレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、プロピレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、ポリプロピレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ポリカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、2種類以上混合して用いても良い。
本発明の化学反応はラジカル重合を用いるが、その開始反応は熱、紫外線照射、電子線照射のいずれかにより行う。熱を使用する場合は、熱重合開始剤を使用する。熱重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシカーボネート等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。紫外線を使用する場合は、紫外線重合開始剤を使用する。紫外線重合開始剤としては、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイルイソブチルエーテル、トリメチルシリルベンゾフェノン、ベンゾイン、2−メチルベンゾイン、4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これら重合開始剤の使用量は溶液全量に対し、0.001〜0.8重量%、好ましくは0.005〜0.5重量%である。電子線を使用する場合は、開始剤は必要としない。
収納台紙の表裏面、端面及びキャビティ等の内側側面の全てに簡単な工程で硬化樹脂層を形成する方法としては樹脂液(プレポリマー及び又はモノマー液)を塗布することが好ましい。塗布する方法としては、含浸、塗工、スプレー等の方法が採用できる。硬化樹脂層が極表面に有れば紙粉が抑制できること、又、キャビティや送り穴などの複雑な形状に対して塗布することから、含浸又はスプレー方式が好ましい。塗布後に余剰のプレポリマーまたはモノマーをエアスプレーや吸水布、ろ紙などでふき取っても良い。特にキャビティをプレプリマーが塞いでしまわないようにエアーで拭き落とす方法が好ましい。
樹脂液を塗布してラジカル重合により樹脂層を形成する際、開始反応に熱を使用する場合は、反応温度を30〜90℃、好ましくは35〜80℃の加熱条件下、0.5〜8時間、好ましくは2〜6時間保持することによって行うことができる。また開始反応に紫外線照射を使用する場合は、波長365nm、光量10〜50mW/cm2の照射条件下、5〜60分間保持することによって行うことができる。紫外線照射装置としては、公知の高圧水銀灯、メタルハライド灯などがあり、特に制限はない。さらに開始反応に電子線照射を使用する場合は、加速電圧100〜800keVであることが好ましく、吸収線量は1〜300kGyであることが好ましく、5〜200kGyが特に好ましい。電子線照射装置には、バンデグラーフ型スキャニング方式、ダブルスキャニング方式、カーテンビーム方式などがあり、特に制限は無いが、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式のものが広く使用される。尚、熱と電子線照射によってラジカル重合反応を開始する場合は問題ないが、紫外線の場合は、チップ型電子部品収納台紙の端面やキャビティ、送り穴には照射線が当たりづらいため、熱による反応と併用するといった工夫が必要になる。
電子線照射の場合は、雰囲気中の酸素濃度は500ppm以下であることが好ましい。酸素濃度が500ppmを超えると酸素が重合反応の遅延剤として働き、樹脂組成物の硬化が不十分になることがある。電子線照射によるオゾン発生を抑制する目的で、あるいは電子線が通過する際に発熱するウインドウの冷却等の目的で不活性ガスを使用することはもちろん問題ない。
ラジカル重合反応を行う樹脂液の固形分としての塗布量としては、0.1〜10g/m2の範囲にあることが好ましい。更に好ましくは0.5〜3.0g/m2の範囲である。他用途における一般的な樹脂量では樹脂層を形成するために多くの樹脂を必要とするが、本発明の樹脂層あるいは樹脂とパルプ繊維の混在層の場合は、チップ型電子部品収納台紙からの紙粉の発生を抑えることができればよいので多くとも3.0g/m2程度で良好な結果を得ることができる。10g/m2よりも多いと、
チップ型電子部品収納台紙が硬くなりトラバース巻きやレコード巻きに仕上げる際に折れたり、シワが発生する原因になる。更にチップ型電子部品収納台紙から発生する紙粉の抑制効果は頭打ちとなり樹脂コストも高いものになるため実用的ではない。
樹脂液の処方としては、一般的にプレポリマーは高粘度のものが多いため、単官能及び多官能モノマーで粘度調整を行うが、プレポリマーを使用しないで単官能モノマーを中心にラジカル重合反応のスピードを速めるために多官能モノマーを配合するといった処方、あるいは溶剤で希釈する処方等もあり、何等制限を受けるものではなく種々の処方が使用できる。電子線照射の場合は、樹脂液の粘度と紙層への浸透性を考慮して処方調整を行うと共に、一般的な電子線の加速エネルギーと透過性の関係性に従って照射線量を決めると良い。
本発明で使用する樹脂液処方には、ブロッキングを抑制する目的において発塵に影響しない範囲で、二酸化チタン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、カオリン、タルク等の無機顔料を配合することができる。
本発明の樹脂液処方には、必要に応じて各種可塑剤、老化防止剤、安定剤、帯電防止剤、分散剤、潤滑剤、消泡剤、塗れ剤、増粘剤、他の水系樹脂等を添加することができ、何ら制限を受けるものではない。
本発明のチップ型電子部品収納台紙の抄造において使用される原料パルプは、各種のものが使用でき、例えば、化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ、非木材繊維パルプ等を単独で使用してもよいし、複数組み合わせて使用してもよいが、樹脂液の均一な浸透深さを達成するためには繊維形態が均一なパルプを使用するのが好ましい。また、これらのパルプを種々の叩解機と適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明で使用される叩解機には特に限定はなく、ビーター、ジョルダン、デラックス・ファイナー(DF)、ダブル・ディスク・レファイナー(DDR)等、種々の叩解機が使用される。また、叩解の程度についても特に限定されないが、抄紙適性からカナディアン・スタンダード・フリーネスで250〜550ml程度の処理が好ましい。また、キャビティ形状でのバリ防止および環境変化でのキャビティ形状変化の面でも各層のフリーネス差は50ml以下であること事が好ましい。
本発明のチップ型電子部品収納台紙の抄造においては、必要に応じて種々の内添薬品を使用できる。例えば、ロジン系サイズ剤、スチレン・マレイン酸、スチレン・アクリル、スチレン・オレフィン、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸など、天然および合成の製紙用の内添サイズ剤、各種紙力増強剤、濾水歩留り向上剤、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン等の耐水化剤、消泡剤、タルク等の填料、染料等を使用することができる。
また、チップ型電子部品収納台紙は、本発明ではボトムテープ、カバーテープとの接着性およびケバ防止効果を向上させるために収納台紙の表面、裏面に、水系樹脂あるいは樹脂エマルジョンを塗布しているのが一般的である。水系樹脂としては、ポリビニルアルコール、デンプン、ポリアクリルアミド、アクリル系樹脂、スチレンーブタジエン系樹脂、スチレンーイソプレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレンー酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニルービニルアルコール系樹脂、ウレタン系樹脂など必要な薬品を適宜選択して使用する。さらに塗布手段についても、例えばバーコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、ゲートロールコーターやサイズプレスやキャレンダーコーター等のロールコーター、ビルブレードコーター、ベルバパコーター等がある。本発明では、ラジカル重合反応によりチップ型電子部品収納台紙のあらゆる面に樹脂層あるいは樹脂とパルプ繊維の混在層を形成するため、前述の水系樹脂あるいは樹脂エマルジョンを塗布しても、塗布しなくても良い。
本発明のチップ型電子部品収納台紙の坪量は、中に収納するチップ型電子部品の大きさにより決ってくるが、一般に200〜1000g/m程度である。このような坪量範囲であるため、台紙用紙の抄造方法としては、地合いの取り易い多層抄きが好ましい。
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。配合、濃度等を示す数値は、固型分または有効成分の質量基準の数値である。また、特に記載の無い場合については抄造した紙はJIS P8111に準じて前処理を行った後、測定やテストに供した。尚、収納台紙用紙の製造方法、樹脂液の処方、剥離強度の測定方法、紙粉発生量の評価の詳細は下記の通りである。
収納台紙用紙1
表層、中層、裏層でパルプを使い分け、表層用には針葉樹クラフトパルプA30質量%、広葉樹晒クラフトパルプB70質量%をダブル・ディスク・リファイナーで混合叩解し、CSF(カナダスタンダード フリーネス)460mlに調製し、中層用には針葉樹クラフトパルプA10質量%、広葉樹晒クラフトパルプB90質量%をダブル・ディスク・リファイナーで混合叩解し、CSF(カナダスタンダード フリーネス)410mlに調製し、裏層用には広葉樹晒クラフトパルプBを単独でダブル・ディスク・リファイナーでCSF(カナダスタンダード フリーネス)470mlまで叩解し、調製した。それぞれのパルプスラリーに硫酸バンドを対パルプ2.0質量%添加し、サイズ剤としてサイズパインN−771(荒川化学工業社製、ロジンエマルジョンサイズ剤)0.50質量%添加し、紙力剤として、ポリストロン117(荒川化学工業社製、ポリアクリルアミド系紙力剤)を1.0質量%添加した。以上の条件のパルプスラリーを長網3層抄合わせ抄紙機で、表層100g/m2、中層200g/m2、裏層50g/m2で抄合わせ、抄紙機に設置された平滑化処理機(マシンカレンダー)で平滑化処理し、坪量350g/m2、厚さ0.42mmのチップ型電子部品収納台紙を製造した。
収納台紙用紙2
収納台紙用紙1において、抄紙機に設置のサイズプレス機でケン化度88モル%、重合度1000のポリビニルアルコールを固形分塗布量として1.0g/m2塗布した以外は同様の方法にて坪量350g/m2、厚さ0.42mmのチップ型電子部品収納台紙を製造した。
樹脂液組成1
プレポリマー:ウレタンアクリレートオリゴマー(ビームセット505A−6、荒川化学(株)製)15質量部。
希釈溶剤:イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/11、85質量部。
樹脂液組成2
樹脂液組成1に、熱重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(東京化成(株)製)を0.03質量%、紫外線照射重合開始剤としてベンジルジメチルケタール(東京化成(株)製)を0.03質量%添加した。
樹脂液組成3
プレポリマー:ウレタンアクリレートオリゴマー(ビームセット550B、荒川化学工業(株)製)10質量部。
モノマー:アクリレートモノマー(ACMO、(株)興人製)40質量部。
希釈溶剤:イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/11、50質量部。
樹脂液組成4
プレポリマー:エポキシアクリレートオリゴマー(ビームセットAQ−9、荒川化学工業(株)製)15質量部。
希釈溶剤:イソプロピルアルコール、85質量部。
樹脂液組成5
モノマー:メチルメタクリレート(東京化成(株)製)99質量部。
モノマー:トリエチレングリコールジアクリレート(東京化成(株)製)1質量部。
<剥離強度の測定方法>
チップ型電子部品収納台紙をテスター産業(株)製ヒートシールテスターTP701Sを用い、カバーテープはNo.318H−14A(日東電工製)を使用し、ヒートシール温度は155℃、試料にかかるヒートシール圧力は1.5Mpa、ヒートシール時間は2秒間の条件で、幅0.5mm、長さ130mmの線状のヒートシール部分をレール状に2本作製し、その後、約1時間後に、剥離強度をJIS C 0806−3に準拠した方法(剥離速度300mm/min)で、測定時間12秒間で測定し、その間の平均値を求めた。
<紙粉発生量の評価>
東京ウェルズ(株)製の「TWA6601」を使用して行った。チップ型電子部品を収納せずにテーピング速度2400タクト/minで空運転を2000m行い、発生する紙粉の量を次の基準でアンリールとチップ挿入部の2箇所で評価した。
紙粉が発生しない :◎
紙粉が極少量発生 :○
紙粉が発生 :×
実施例1〜4
収納台紙用紙1を使用して、温度23℃、相対湿度45%の環境下で、試料を8mm幅のテープ状にスリットして、JIS C 0806−3に準拠し、4mm間隔で直径1.54mmの丸穴を開けると同時に、2mm間隔でCD方向0.66mm、MD方向0.36mmのキャビティを作成し、樹脂液処方1を固形分としての塗布量が0.5g/m2(実施例1)、1.0g/m2(実施例2)、2.5g/m2(実施例3)、4.5g/m2(実施例4)になるように、表裏面から端面にも液が当たるようにスプレー塗布して、電子線を照射して硬化させ、チップ型電子部品収納台紙を得た。
参考例
樹脂液処方2を固形分塗布量が1.0g/mとなるようにスプレー塗布して、熱をかけると共に紫外線を照射して硬化させ、チップ型電子部品収納台紙を得た。その他の部分は実施例2と同様である。
実施例
樹脂液処方3を用いる以外は実施例2と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を得た。
実施例
樹脂液処方4を用いる以外は実施例2と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を得た。
実施例
樹脂液処方5を用いる以外は実施例2と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を得た。
実施例
収納台紙用紙2を使用した以外は実施例2と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を得た。
比較例1
収納台紙用紙1を使用して樹脂を塗布しなかったこと以外は実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を得た。
比較例2
収納台紙用紙2を使用した以外は比較例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を得た。
比較例3
収納台紙用紙1を使用して、樹脂液処方1の替わりにケン化度88モル%、重合度1000のポリビニルアルコールを固形分塗布量として2.5g/m2になるようにスプレー塗布した以外は実施例3と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を得た。
比較例4
収納台紙用紙2を使用して、樹脂液処方1の替わりにケン化度88モル%、重合度1000のポリビニルアルコールを固形分塗布量として2.5g/m2になるようにスプレー塗布した以外は実施例3と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を得た。
得られたチップ型電子部品収納台紙の剥離強度、紙粉量の評価を前述の方法で行った。評価結果を表1に示す。
Figure 0004356609

Claims (1)

  1. チップ型電子部品を収納するチップ型電子部品収納台紙において、キャビティ、送り穴を含む全ての面に、電子線照射によるラジカル重合反応により硬化させた樹脂層を有することを特徴とするチップ型電子部品収納台紙。
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