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JP4355007B2 - 穀物加工食品、穀物加工改良剤及び酸臭低減方法 - Google Patents

穀物加工食品、穀物加工改良剤及び酸臭低減方法 Download PDF

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Description

本発明は、防腐等のために酢酸など揮発性有機酸を含有させた穀物加工食品(炊飯米、餅等)の酸臭を低減させる技術に関し、さらに詳細には、該酸臭低減のためにα−エチルグルコシドを含有させた穀物加工食品、穀物加工改良剤及び酸臭低減方法に関する。
昨今、スーパーマーケットやコンビニエンスストアー等で販売される弁当や惣菜等を購入して持ち帰って食する、いわゆる「中食」と呼ばれる食習慣が普及してきている。
これらの食品は、製造されてから比較的長時間経過後に食膳に供されることになるものである。よって、微生物増殖による腐敗の防止などの保存性の付与が必要であり、種々の加工方法や加工改良剤が開発されている。
中食に用いられる穀物加工食品の代表的なものとして炊飯米がある。その炊飯米の防腐のための炊飯改良剤として有機酸又はその塩類がよく用いられている(例えば、特許文献1参照)。グルコン酸やクエン酸などのいわゆる不揮発性の有機酸及びその塩類が使われる場合もあるが、防腐力の点からいえば、酢酸又はその塩類の方が効果が大きい。
しかしながら、酢酸は、炊飯米に独特の刺激のある酸臭を付与してしまう傾向がある。特に、酢酸を含有する炊飯改良剤を添加した炊飯米を食する際に電子レンジ等で再加熱等すると、強い酸臭が発生して風味を著しく低下させるという欠点があった。
通常、酢酸等の有機酸含有炊飯改良剤は、生米当たりの酢酸濃度を0.01〜0.1重量%程度とし、炊き上がり後の炊飯米のpHがおよそ5〜6になるようにして用いられる。
しかしながら、このような状態の炊飯米は、電子レンジ等による再加熱前であっても酢酸臭が感じられ、さらに再加熱をすることで酢酸が揮発しやすい状態となるので、刺激のある酢酸臭がより一層強くなってしまうという欠点があった。
従って、防腐力(保存性)に優れており、且つ、炊飯直後はもとより、炊飯米の再加熱の際にも酢酸臭のような刺激のある酸臭の発生を低減する方法、炊飯改良剤、及び酸臭の発生を低減した炊飯米の開発が強く望まれていた。
また、上記課題は、炊飯米に限った問題ではない。例えば、餅や茹で麺などの穀物加工食品においても防腐のために酢酸を用いることがあるが、これらの穀物加工食品は、味や香りが淡白であるため、酢酸の酸臭が発生すると風味を損ねてしまい易いという欠点がある。そこで、防腐力(保存性)に優れており、且つ、加工直後はもとより、穀物加工食品の再加熱の際にも酢酸臭のような刺激のある酸臭の発生を低減する方法、穀物加工改良剤、及び酸臭の発生を低減した穀物加工食品の開発が強く望まれていた。
特開平5−176693号公報
本発明は、上記従来の問題点を解消し、防腐力と酸臭の低減の両方を達成する穀物加工食品を提供すること、さらには、該穀物加工食品の製造に供する穀物加工改良剤を提供することを目的とするものである。
また、防腐のために酢酸を含有した穀物加工食品の酸臭を低減させる方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、防腐のために酢酸を含有した穀物加工食品にα−エチルグルコシドを極微量含有することにより、穀物の加工直後はもとより、穀物加工食品の再加熱の際にも酢酸の酸臭発生を低減し、風味に優れた穀物加工食品を製造することができることを見出した。
さらに、穀物加工食品に、酒粕や酒粕抽出物、酒粕酢等を添加することで、結果として極微量のα−エチルグルコシドを穀物加工物に含有することができることも見出した。特に、酒粕酢は、穀物加工物に防腐のための酢酸を含有させると同時にα−エチルグルコシドを極微量含有させることができる点で有効に用いることができることをも見出した。
すなわち、本発明は以下のものである。
請求項1に係る本発明は、酢酸を0.01〜0.06質量%含有し、且つ、α−エチルグルコシドを0.00001〜0.001質量%含有することを特徴とする穀物加工食品に関するものである。
請求項2に係る本発明は、穀物加工食品が、炊飯米、蒸し米、餅、茹で麺のいずれか1種又は2種以上を組み合わせた食品である、請求項1に記載の穀物加工食品に関するものである。
請求項3に係る本発明は、前記α−エチルグルコシドが、添加された酒粕及び/又は酒粕酢に由来するものである、請求項1又は2に記載の穀物加工食品に関するものである。
請求項4に係る本発明は、酢酸とα−エチルグルコシドの含有質量比が、100対0.03〜100対9である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の穀物加工食品に関するものである。
請求項5に係る本発明は、酢酸を0.01〜0.06質量%含有する穀物加工食品に、α−エチルグルコシドを該穀物加工食品当り0.00001〜0.001質量%含有するように添加することにより、穀物加工食品の酢酸の酸臭を低減させる方法に関するものである。
請求項6に係る本発明は、穀物加工食品が、炊飯米、蒸し米、餅、茹で麺のいずれか1種又は2種以上を組み合わせた食品である、請求項5に記載の方法に関するものである。
なお、α−エチルグルコシド(以降、エチル−α−グルコシドと表現する場合もある。)は、「調理食品の旨味や濃厚味に関与する呈味成分」であることは知られている(特開平2−291293号公報参照)。
また、β−D−エチルグルコシドは、「飲食品に添加した際に、その飲食品のもつ刺激的かつストレートな香味を和らげ、全体として質量感を賦与する結果、コクのある香味が増強される」ことが知られている(特開平7−250644号公報参照)。つまり、「エチルグルコシド」が香味に影響を与える性質を有する成分であることは知られていたことになる。
一方、本発明は、上記特許文献で述べられているような飲食品(本発明では穀物加工食品)の「味」や「香味」を変化、改善することを目的とするものではない。さらに詳しく言うと、本発明では、上記特許文献とは逆に「味」には殆ど影響を与えることをせずに、穀物加工食品の酸臭、特に低温や常温にて流通した後の喫食時に電子レンジなどで再加熱した際に発生するムッとくる酸臭という特異的な酸臭に対しての低減を目的とするものであって、その目的達成のための手段としてα−エチルグルコシドを用いるものである。つまり、本発明は、上記特許文献には全く記載も示唆もされておらず、思想を異にする発明であると言える。
さらには、特開平7−250644号公報には、エチルグリコシドの添加量として、「飲食品に対して、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%の添加量を例示することができる。」と記載されており、また、「0.01重量%よりも少ないと、効果が得られず」と記載されていることから、従来、飲食品の香味に影響を与えうる量のエチルグリコシドは飲食品に対して0.01重量%は必要であると解釈することが妥当と言える。
これに対し、本発明は、特開平7−250644号公報に記載の量よりはるかに少ない量、すなわち、飲食品(本発明では穀物加工物)に対して0.00001〜0.001質量%という予想もつかない極めて少ない量を含有するものである。この量は、特開平7−250644号公報で開示された、香味に影響を与えうるとされる最少量のさらに1/10〜1/1000に過ぎない。本発明は、この極微量のα−エチルグルコシドによって、従来のような飲食品の香味の増強や改善、苦味、渋味その他の不快臭の除去(特開平7−250644号公報)ではなく、酢酸の酸臭、特に、穀物加工物を再加熱した際の酸臭を特異的に低減するという発明である。
特開平2−291293号公報や特開平7−250644号公報には、「味」には殆ど影響を与えることない極微量のエチルグルコシドが、酢酸を含有する穀物加工食品の酸臭、特に低温や常温にて流通した後の喫食時に電子レンジなどで再加熱した際に発生するムッとくる酸臭を顕著に低減できることについては、何ら開示もしくは示唆されていなかった。
すなわち、本発明は、上記の特許文献に記載の発明とは全く思想を異にする発明であり、これら公知の発明から容易に想到し得る発明でないことは言うまでもない。
本発明によれば、防腐力(保存性)に優れた穀物加工物(炊飯米、蒸し米、餅、茹で麺等)であって、加工直後はもとより、低温や常温にて流通した後の喫食時、特に電子レンジ等による再加熱の際に感じる酸臭を低減した穀物加工物を提供することができる。
また、前記穀物加工物を製造することが可能となる穀物加工改良剤を提供することができる。
さらには、防腐のために酢酸を含有した穀物加工食品の酸臭を低減させる方法を提供することができる。
本発明における穀物加工食品とは、米、大麦、小麦、豆、とうもろこし等の穀物を加工することによって人が食するように加工したものを言う。例えば、米に炊飯という加工を施した炊飯米や、小麦粉を水で練った生麺や乾麺に茹で加工を施した茹で麺などである。他には、蒸し米、餅、パン等、味や香りが淡白な穀物加工食品が該当する。本発明においては、これらの中でも炊飯米、蒸し米、餅、茹で麺のいずれか1種又は2種以上であることが好ましく、特に炊飯米が最も好ましい。
本発明における穀物加工食品の商品形態としては特に限定されないが、常温もしくは低温にて流通販売され、喫食時に電子レンジ等の加温調理器具にて常温もしくは高温に加熱される、すなわちコンビニエンスストア、スーパーマーケットやテイクアウト惣菜店等で販売される弁当、おにぎり、調理麺等が主に該当するが、特には、弁当、おにぎりを挙げることができる。
本発明における酢酸の含有方法としては、酢酸を単体の物質として添加することにより含有させてもよいし、酢酸を含有する食品を添加して含有させることによって、結果として酢酸を含有させてもよい。例えば、食酢を穀物加工食品に含有させるなどの手段によって穀物加工食品に酢酸を含有することができる。
また、酢酸は、穀物加工段階で含有させてもよいし、穀物加工後、喫食時までの間に含有させてもよい。例えば、炊飯米においては、炊飯時に食酢等を適量添加して含有させてもよいし、炊飯後に食酢含有水等を振りかけて含有させてもよい。なお、防腐効果を炊飯米に均一に持たせるには炊飯時に添加した方が好ましい。なお、これは茹で麺など、他の穀物加工食品においても同様のことが言える。
酢酸の含有量としては、穀物加工食品当り0.01〜0.06質量%であることが必要であるが、好ましくは0.02〜0.05質量%がよい。0.06%より多いと酸味及び酸臭が強く出てしまい、味や香りが淡白な穀物加工食品の本来の香味を損なってしまう。また、0.01%より少ないと防腐効果を十分に得られない。
また、穀物加工食品のpHとしては、求める味や防腐効果によって範囲は決められるものであり一概には規定できないが、両者を兼ね備えることを考えるとpHが5.0〜6.2であることが適当であり、さらには5.2〜5.8が好ましい。pHが5.0より低いと酸味が強く出てしまう可能性があり、味が淡白な穀物加工食品の本来の味を損なってしまう。また、pHが6.2より高いと防腐効果を十分に得られない可能性がある。
なお、酸味や酸臭が気にならないような穀物加工食品、例えば、寿司に用いる酢飯などは、本来、酸臭があることが普通であるため、本発明を用いる必要はなく、本発明における穀物加工食品とは区別する必要がある。そのため、本発明においては酢酸の含有量を所定範囲に限定したのである。
本発明において用いるα−エチルグルコシドとは、グルコピラノシドにエチル基がα結合したものであり、化学合成による製造だけでなく、清酒やみりんをはじめとする酒類中や酒粕にも微量に含まれることが知られている。
穀物加工食品にα−エチルグルコシドを含有させる方法としては、α−エチルグルコシドを単体の物質として添加することにより含有させてもよいし、α−エチルグルコシドを含有する食品や添加物を含有させることによって、結果としてα−エチルグルコシドを含有させてもよい。例えば、α−エチルグルコシドを含有する食品として、清酒、酒粕、酒粕酢などを穀物加工食品に含有させるなどの手段を用いることができる。α−エチルグルコシドを含有する食品としては、特に、酒粕及び酒粕酢のいずれか1種又は2種以上であることが好ましい。
また、α−エチルグルコシドは、穀物加工段階で含有させてもよいし、穀物加工後、喫食時までの間に含有させてもよい。例えば、炊飯米においては、炊飯時に食酢等の酢酸含有食品と一緒に清酒や酒粕などを適量添加して含有させてもよい。もちろん、炊飯後にα−エチルグルコシドを含有した液体を混ぜても良いが、酸臭低減効果を炊飯米に均一に持たせるには炊飯時に添加した方が好ましい。
また、α−エチルグルコシドと酢酸の両方を含有する酒粕酢を穀物加工食品に添加することで両物質を含有させることによっても本発明の穀物加工食品を製造することができ、作業の効率もよく好ましい。例えば、炊飯米において、炊飯時に酒粕酢を適量添加することによってα−エチルグルコシドと酢酸の両方を含有させることができる。もちろん、α−エチルグルコシド又は酢酸が本発明の効果を発揮させる量に満たない場合は、別途の方法によりα−エチルグルコシド又は酢酸を追加で添加しても良い。
α−エチルグルコシドの含有量としては、「味」に殆ど影響を与えない極微量を含有させるが、具体的には、穀物加工食品当り0.00001〜0.001質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.0001〜0.001質量%がよい。0.001質量%より多いとα−エチルグルコシド特有の味を感じ易くなり、味や香りが淡白な穀物加工食品の本来の香味を損なう傾向となる。また、0.00001質量%より少ないと酸臭を低減する効果を十分に得られにくくなる。
また、酢酸とα−エチルグルコシドの含有量の質量比としては、前者対後者が、100対0.003〜100対9の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは、100対0.3〜100対9である。α−エチルグルコシドの比率が上記比率より多いと、α−エチルグルコシド特有の味を感じ易く、また、少ないと酸臭を低減する効果を十分に得られにくいためである。
本発明は、穀物加工食品の酸臭を低減することを目的とするものであるが、特に、熱加工直後及び/又は再加熱された際に酢酸の揮発によって生じる酸臭を低減することにより効果を発揮する。例えば、防腐のために食酢を炊飯米に含有した炊飯米を用いた白米、おにぎり、弁当などの商品を、低温や常温で流通された後の喫食時に電子レンジ等で再加熱すると、包装や蓋を開けた瞬間ムッとするような酸臭が鼻をつくことがある。これは、再加熱によって食酢に含まれている酢酸が揮発したためであり、低温や常温では感じにくい酸臭である。
また、本発明は、最終製品としての穀物加工食品だけでなく、穀物加工食品の酸臭を低減するために、加工の際に用いられる穀物加工改良剤も含むものである。例えば、α−エチルグルコシドを適量水と混合したものであってもよい。さらに、酢酸をα−エチルグルコシドと前記所定の割合になるように一緒に含有したものであってもよいし、クエン酸や酢酸ナトリウムなどの有機酸や有機酸塩、また還元水あめなどの糖類などを一緒に含有し、複数の機能を持たせた炊飯改良剤としてもよい。
特に、酒粕酢を穀物加工の際(炊飯前など)に添加することは、防腐効果を有する揮発性有機酸である酢酸と、酸臭の低減効果を有するα−エチルグルコシドを前記所定の割合で含有することができる点で有効である。従って、酒粕酢は、穀物加工改良剤として有効に用いることができる。また、例えば酢酸を0.01〜0.06質量%含有させ、且つ、α−エチルグルコシドを0.00001〜0.001質量%含有させたものを、穀物加工改良剤することもできる。この場合、公知の賦形剤を用いてもよいし、さらには前記したように、クエン酸や酢酸ナトリウムなどの有機酸や有機酸塩、また還元水あめなどの糖類などを一緒に含有し、複数の機能を持たせたものとしてもよい。
本発明においては、酢酸を0.01〜0.06質量%含有する穀物加工食品に、α−エチルグルコシドを該穀物加工食品当り0.00001〜0.001質量%含有するように添加することにより、穀物加工食品の酢酸の酸臭を有効に低減させることができ、酢酸の酸臭の低減された穀物加工食品を製造することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
実施例1(酢酸含有白飯におけるα−エチルグルコシドの酸臭低減効果)
(1)酢酸ならびにα−エチルグルコシドを含有する白飯の炊飯
生米(滋賀県産こしひかり)300gを洗米し、約2時間水に浸漬した。次いで、水切りしたのち、5合釜の家庭用炊飯機に投入し、水340gを加えたところへ、氷酢酸0.2gならびに表1に示す所定量のα−エチルグルコシド(表1に示す量:0〜0.007g)を溶解した液をそれぞれ投入し、攪拌した後、常法により加熱して炊飯した。その後、加熱を止め、30分間の蒸らし工程を経て、炊飯を完了した。
このようにして調製した炊飯米は、冷却後重量が660gとなり、150g入りのパック容器に充填し白飯とした。
(2)熟練官能検査員による再加熱時の酸臭評価
以上の工程にて作成した白飯を20℃で24時間保存したのちに電子レンジで500W、1分間加熱し、90℃以上の状態で、弊社熟練官能検査員により各々の酸臭の程度を下記の基準にて評価した。結果を表1中に示した。
なお、表1において、調製した炊飯米に含有される酢酸及びα−エチルグルコシドの濃度は、調製した炊飯米の冷却後重量(g)に対する、酢酸及びα−エチルグルコシドの添加量(g)による質量%により示した。
〔酸臭の評価基準〕
○:酢酸臭が少ない
△:酢酸臭がわずかに少ない
×:酢酸臭が強い
Figure 0004355007

表1から明らかなように、α−エチルグルコシドを添加した酢酸含有白飯は、無添加のものに比べて明確に酸臭が低減していることが確認された。
このような酸臭の低減効果は、α−エチルグルコシドの含有量が0.00001質量%のときでも認められるが、特に0.0001〜0.001質量%のときに顕著であることが明らかになった。
実施例2(α−エチルグルコシドを含有する食品による酸臭低減効果の比較)
実施例1の結果を踏まえて、α−エチルグルコシドを含有する食品による酸臭低減効果について検証した。
(1)酢酸ならびにα−エチルグルコシドを含有する食品を添加した白飯の炊飯
生米(滋賀県産こしひかり)300gを洗米し、約2時間水に浸漬した。次いで、水切りしたのち、5合釜の家庭用炊飯機に投入し、水340gを加えたところへ、表2に示す通り、酢酸または酢酸を含む食品ならびにα−エチルグルコシドを含む食品をそれぞれ投入し、攪拌した後、常法により加熱して炊飯した。その後、加熱を止め、30分間の蒸らし工程を経て、炊飯を完了した。このようにして調製した炊飯米は、冷却後重量が660gとなり、150g入りのパック容器に充填し白飯とした。
尚、本実験においては、酒粕は(株)小林晴吉商店製の「酒粕」を使用し、酒粕酢は(株)ミツカンナカノス製の「優撰」を使用した。
(2)熟練官能検査員による再加熱時の酸臭評価
実施例1と同様に、以上の工程にて作成した白飯を20℃で24時間保存したのちに電子レンジで500W、1分間加熱し、90℃以上の状態で、弊社熟練官能検査員にて各々の酸臭の程度を評価した。結果を表2中に示した。
なお、表2において、酒粕添加区は、「酒粕」0.04g添加にて、調製した炊飯米に対してα−エチルグルコシド0.0001質量%を添加したことになる。酒粕酢添加区は、「優撰」4.8ml添加にて、調製した炊飯米に対して酢酸0.03質量%とα−エチルグルコシド0.0002質量%の双方を同時に添加したことになる。
Figure 0004355007
表2から明らかなように、α−エチルグルコシドを含有した食品を添加した場合においても、無添加のものに比べて明確に酸臭が低減していることが確認された。
本発明によれば、防腐力(保存性)に優れた穀物加工物(炊飯米、蒸し米、餅、茹で麺等)であり、且つ、加工直後はもとより、低温や常温にて流通した後の喫食時、特に電子レンジ等による再加熱の際に感じる酸臭を低減した穀物加工物という従来になかった食品を提供することが可能となる。
また、前記穀物加工物を製造することが可能となる、従来になかった穀物加工改良剤を提供することが可能となる。
さらには、防腐のために酢酸を含有した穀物加工食品の酸臭を低減させる方法を提供することが可能となる。
従って、本発明は食品産業において有効に利用することができる。

Claims (6)

  1. 酢酸を0.01〜0.06質量%含有し、且つ、α−エチルグルコシドを0.00001〜0.001質量%含有することを特徴とする穀物加工食品。
  2. 穀物加工食品が、炊飯米、蒸し米、餅、茹で麺のいずれか1種又は2種以上を組み合わせた食品である、請求項1に記載の穀物加工食品。
  3. 前記α−エチルグルコシドが、添加された酒粕及び/又は酒粕酢に由来するものである、請求項1又は2に記載の穀物加工食品。
  4. 酢酸とα−エチルグルコシドの含有質量比が、100対0.03〜100対9である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の穀物加工食品。
  5. 酢酸を0.01〜0.06質量%含有する穀物加工食品に、α−エチルグルコシドを該穀物加工食品当り0.00001〜0.001質量%含有するように添加することにより、穀物加工食品の酢酸の酸臭を低減させる方法。
  6. 穀物加工食品が、炊飯米、蒸し米、餅、茹で麺のいずれか1種又は2種以上を組み合わせた食品である、請求項5に記載の方法。
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