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JP4346800B2 - カルボキシル基含有アクリル系ゴム組成物 - Google Patents

カルボキシル基含有アクリル系ゴム組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクリル系ゴム組成物に関するものであり、更に詳しくは、耐熱性が著しく改良されたカルボキシル基含有アクリル系ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、産業の大型化、高機能化に伴ない、これらに使用されるゴム部品はますます高度の耐久性を保持することが要求されている。特に、高い温度条件で運転される場合に於いても、長時間連続して使用できる性能が要求され、ゴム部品に対しても高度の耐熱性が要求されている。
【0003】
一方、自動車のエンジンルーム内は、排ガス対策、エンジンの高出力化等により、熱的条件が更に厳しさを増してきたため、自動車用ホース等においては従来のクロロプレンゴムやニトリル・ブタジエンゴムに代わって耐熱性と耐油性に優れたアクリルゴムが使用されるようになってきた。ところが、エンジンおよびエンジンルーム内の熱的条件の苛酷化は、これらのゴム材料の劣化を促進させることになった。従って、エンジンルーム内で用いられるホース材料にはこれまで以上の耐久性が望まれており、耐熱性・耐油性材料として用いられるようになったアクリルゴムに対しても耐熱性の向上が求められている。
【0004】
特公昭59−14498号公報には、エチレン(A)−酢酸ビニル(B)−アクリル酸エステル(C)共重合体で、(C)が6〜90質量%、(A)/(B)の質量比が1以下である共重合体と加硫剤からなるゴム組成物が耐油性、耐熱性および耐候性に優れていることが記載されている。
また、特公昭62−10570号公報にはエポキシ基を架橋席としイミダゾール類とアルキル硫酸塩および/またはアルキルスルホン酸塩を主成分とするゴム組成物が、特公平1−48297号公報にはエポキシ基を含有するアクリル系ゴムにグアニジン系化合物およびイオウを含有してなる加硫可能なゴム組成物が記載されている。
これらの組成物では、ポリマー組成および加硫剤により耐久性の改良がなされているが、上記のような使用条件の過酷化から、更なる耐熱性の改良が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の課題を解決し、更に耐熱性の優れたカルボキシル基含有アクリル系ゴム組成物を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、(A)エチレン単量体単位、(B)特定のアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び(C)特定のマレイン酸モノアルキルエステル及び/またはマレイン酸モノアルコキシアルキルエステル単量体単位を特定の組成割合で共重合してなるカルボキシル基含有アクリル系ゴムと結晶子内の層平面のC軸方向の平均積み重なり高さLcが2nm以上のカーボンブラックを組み合わせることによりその達成が可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は下記に示すカルボキシル基含有アクリル系ゴムと結晶子内の層平面のC軸方向の平均積み重なり高さLcが2nm以上のカーボンブラックとを含有することを特徴とするカルボキシル基含有アクリル系ゴム組成物である。
カルボキシル基含有アクリル系ゴム:(A)エチレン単量体単位0.1〜5質量%未満、(B)下記の一般式(1)で表されるアクリル酸アルキルエステル単位98.9〜83質量%及び(C)下記の一般式(2)で表されるマレイン酸モノアルキルエステル及び/または下記の一般式(3)で表されるマレイン酸モノアルコキシアルキルエステル単位1〜12質量%からなるカルボキシル基含有アクリル系ゴム。
【0008】
【化4】
Figure 0004346800
(式中のR1は炭素数1〜8のアルキル基)
【0009】
【化5】
Figure 0004346800
(式中のR2は炭素数1〜4のアルキル基)
【0010】
【化6】
Figure 0004346800
(式中のR3は炭素数1〜4のアルキレン基、R4は炭素数1〜4のアルキル基)
【0011】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のカルボキシル基含有アクリル系ゴム組成物におけるカルボキシル基含有アクリル系ゴムは、カルボキシル基含有アクリル系ゴムを主成分とするものであるが、カルボキシル基含有アクリル系ゴムの他に、必要に応じ、カルボキシル基含有アクリル系ゴムを除くアクリル系ゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、水添加NBR、ヒドリンゴムなどを含有することができる。
【0012】
本発明のカルボキシル基含有アクリル系ゴムは、(A)エチレン単量体単位0.1〜5質量%未満、(B)下記の一般式(1)で表されるアクリル酸アルキルエステル単位98.9〜83質量%及び(C)下記の一般式(2)で表されるマレイン酸モノアルキルエステル及び/または下記の一般式(3)で表されるマレイン酸モノアルコキシアルキルエステル単位1〜12質量%からなるカルボキシル基含有アクリル系ゴムである。
【0013】
【化7】
Figure 0004346800
(式中のR1は炭素数1〜8のアルキル基)
【0014】
【化8】
Figure 0004346800
(式中のR2は炭素数1〜4のアルキル基)
【0015】
【化9】
Figure 0004346800
(式中のR3は炭素数1〜4のアルキレン基、R4は炭素数1〜4のアルキル基)
【0016】
本発明のカルボキシル基含有アクリル系ゴムの(A)エチレン単量体単位は0.1〜3質量%未満が好ましく、0.5〜2.5質量%が更に好ましい。また、(C)上記の一般式(2)で表されるマレイン酸モノアルキルエステル及び/または上記の一般式(3)で表されるマレイン酸モノアルコキシアルキルエステル単位は3〜10質量%が好しい。これらの場合には(A)エチレン単量体単位と(C)マレイン酸モノアルキルエステル及び/またはマレイン酸モノアルコキシアルキルエステル単位以外の残部が(B)上記の一般式(1)で表されるアクリル酸アルキルエステル単位である。
【0017】
本発明のアクリル酸アルキルエステルとしては上記の一般式(1)で表されるアクリル酸アルキルエステルが用いられるが、具体的にはメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどが挙げられ、機械的性質、実質的な耐寒/耐油バランスの点で、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレートが好ましい。
【0018】
本発明のマレイン酸モノアルキルエステルとしては上記の一般式(2)で表されるマレイン酸モノアルキルエステルが用いられるが、具体的にはマレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチルが挙げられる。
本発明のマレイン酸モノアルコキシアルキルエステルとしては上記の一般式(3)で表されるマレイン酸モノアルコキシアルキルエステルが用いられるが、具体的にはマレイン酸モノメトキシエチル、マレイン酸モノエトキシエチル、マレイン酸モノメトキシブチル、マレイン酸モノエトキシブチルなどが挙げられる。
【0019】
本発明のカルボキシル基含有アクリル系ゴムには、本発明の目的を損なわない範囲で上記の単量体と共重合可能な他の単量体を共重合させたものでもよい。
共重合可能な他の単量体としては、n−デシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、n−オクタデシルアクリレート、シアノメチルアクリレート、1−シアノエチルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、1−シアノプロピルアクリレート、2−シアノプロピルアクリレート、3−シアノプロピルアクリレート、4−シアノブチルアクリレート、6−シアノヘキシルアクリレート、2−エチル−6−シアノヘキシルアクリレート、8−シアノオクチルアクリレートなどの上記の一般式(1)で表される以外のアクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
【0020】
また、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−(n−プロポキシ)エチルアクリレート、2−(n−ブトキシ)エチルアクリレート、3−メトキシプロピルアクリレート、3−エトキシプロピルアクリレート、2−(n−プロポキシ)プロピルアクリレート、2−(n−ブトキシ)プロピルアクリレートなどのアクリル酸アルコキシアルキルエステルが挙げられる。
【0021】
更に、1,1−ジヒドロペルフルオロエチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1,1,5−トリヒドロペルフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、1,1,2,2−テトラヒドロペルフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1,1,7−トリヒドロペルフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロオクチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロデシル(メタ)アクリレートなどの含フッ素アクリル酸エステル、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有アクリル酸エステル、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの第3級アミノ基含有アクリル酸エステル、メチルメタクリレート、オクチルメタクリレートなどのメタクリレート、メチルビニルケトンのようなアルキルビニルケトン、ビニルエチルエーテル、アリルメチルエーテルなどのビニル及びアリルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエンなどのビニル芳香族化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのビニルニトリル、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、プロピオン酸ビニル、アルキルフマレートなどのエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
【0022】
また、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−ペンテン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのカルボン酸基含有化合物、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有化合物、2−クロルエチルビニルエーテル、2−クロルエチルアクリレート、ビニルベンジルクロライド、ビニルクロルアセテート、アリルクロルアセテートなどの活性塩素基含有化合物が挙げられる。
【0023】
本発明のカルボキシル基含有アクリル系ゴムは、上記の単量体を乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合などの公知の方法により共重合することにより得ることができる。
【0024】
本発明のカルボキシル基含有アクリル系ゴムは、アクリル系ゴムに通常用いられる加硫系を用いて加硫して用いられるが、適用される加硫系としては、脂肪族、芳香族第一アミン類が適当であり、これにグアニジン系化合物を加えた加硫系が好適に用いられる。
【0025】
脂肪族第一アミンとしては、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメート、テトラメチレンペンタミン、芳香族第一アミンとしては、4,4’−メチレンジアニリン、4,4’−オキシフェニルジフェニルアミン、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。
【0026】
グアニジン系化合物としては、グアニジン、テトラメチルグアニジン、ジブチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、ジ−o−トリルグアニジンなどが挙げられる。
【0027】
アミン類の添加量は、カルボキシル基含有アクリル系ゴム100質量部に対して、0.2〜5質量部が好ましく、0.5〜3質量部が更に好ましい。0.2質量部未満では加硫反応が十分に行われず、5質量部を越えると過加硫となる場合がある。
【0028】
本発明のカルボキシル基含有アクリル系ゴム組成物中に配合されるカーボンブラックは、熱分解法によるサーマルブラック、アセチレンブラック、また、不完全燃焼法によるファーネスブラック、チャンネルブラックのいずれも使用可能であるが、これらのカーボンブラックにおいて、結晶子内の層平面のC軸方向の平均積み重なり高さLcが2nm以上であることが必要であり、層平面のC軸方向の平均積み重なり高さLcが2.5nm以上のものが特に好ましい。
更に、平均粒径が60nm以下のものが好ましく、DBP吸油量が好ましくは100〜350ml/100g、更に好ましくは120〜300ml/100g、特に好ましくは140〜300ml/100gのカーボンブラックであることが好ましい。
結晶子内の層平面のC軸方向の平均積み重なり高さLcが2nmより小さいとカルボキシル基含有アクリル系ゴム組成物を加硫して得られる加硫物の耐熱性が十分ではない。
更に、アセチレンブラックは、アセチレンガスを熱分解して得られるカーボンブラックであり、結晶化が著しく進みしかもストラクチャーも高度に発達し、吸油量も大きく、アセチレンブラックを使用したカルボキシル基含有アクリル系ゴム組成物は、その加硫物の耐熱性の改善効果が大きく最も好ましい。
カーボンブラックの添加量はカルボキシル基含有アクリル系ゴム100質量部に対して10〜100質量部が好ましく、30〜80質量部が更に好ましい。添加量が100質量部を超えると加工性が悪くなり、スコーチを起こし易くなり、また加硫物の脆化温度が高くなる。添加量が10質量部よりも少ないと加硫物の引張強度やモジュラスが低下する。
【0029】
本発明のカルボキシル基含有アクリル系ゴム組成物中に配合されるカーボンブラックは、結晶子内の層平面のC軸方向の平均積み重なり高さLcが2nm以上の上記カーボンブラックに、本発明の目的を損なわない範囲で1種類以上の他のカーボンブラックを組み合わせることも可能である。
【0030】
本発明のカルボキシル基含有アクリル系ゴム組成物は、実用に供するに際してその目的に応じ、充填剤、可塑剤、老化防止剤(安定剤)、滑剤、補強材等を添加して成形、加硫を行うことができる。
老化防止剤としてはアクリル系ゴムに通常用いられている老化防止剤が使用できる。老化防止剤としては、特に4,4−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、ジブチルチオカルバミン酸ニッケル(NBC)が好ましい。
老化防止剤の添加量はカルボキシル基含有アクリル系ゴム100質量部に対し、老化防止剤3〜8質量部が好ましい。
【0031】
また、本発明のカルボキシル基含有アクリル系ゴム組成物およびその加硫物を混練、成形、加硫する機械としては、通常ゴム工業で用いるものを使用することができる。
【0032】
本発明のカルボキシル基含有アクリル系ゴム組成物およびその加硫物は特にゴムホースやガスケット、パッキング等のシール部品として好適に用いられる。また、ゴムホースとしては、具体的には自動車、建設機械、油圧機器の各種配管系等に使用されるホースに用いられる。
特に、本発明のカルボキシル基含有アクリル系ゴム組成物およびその加硫物から得られるゴムホースは、押出し加工性や引張強度等のゴム物性が優れていることに加えて、耐油性、耐寒性および耐熱性に優れるため、特に最近の使用環境が苛酷になっている自動車用ゴムホースとして極めて好適に用いられる。
【0033】
ゴムホースの構成としては、本発明のカルボキシル基含有アクリル系ゴム組成物から得た単一ホース、あるいは、ゴムホースの用途によっては、本発明のカルボキシル基含有アクリル系ゴム以外の合成ゴム例えば、カルボキシル基含有アクリル系ゴム以外のアクリル系ゴム、フッ素系ゴム、フッ素変性アクリルゴム、ヒドリンゴム、CSM、CR、NBR、エチレン・プロピレンゴム等を内層、中間層、あるいは外層に適用した複合ホースへの適用も可能である。
また、ゴムホースに要求される特性によっては、一般的によく行われているように補強糸あるいはワイヤーをホースの中間あるいは、ゴムホースの最外層に設けることも可能である。
【0034】
【実施例】
以下に実施例をもって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
実験例1
カルボキシル基含有アクリル系ゴムAの作製
内容積40リットルの耐圧反応容器に、表1に示した共重合体の組成比が得られるような割合でアクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル及びマレイン酸モノブチルの混合液11.8Kg、部分けん化ポリビニルアルコール4質量%の水溶液17Kg、酢酸ナトリウム22gを投入し、攪拌機であらかじめよく混合し、均一懸濁液を作製した。槽内上部の空気を窒素で置換後、エチレンを槽上部に圧入し、圧力を20Kg/cm2に調整した。攪拌を続行し、槽内を55℃に保持した後、別途注入口よりt−ブチルヒドロペルオキシド水溶液を圧入して重合を開始させた。反応中槽内温度は55℃に保ち、6時間で反応が終了した。生成した重合液にホウ酸ナトリウム水溶液を添加して重合体を固化し、脱水及び乾燥を行って生ゴムとした。
【0035】
実験例2
アクリル系ゴムBの作製
内容積40リットルの耐圧反応容器に、アクリル酸エチル5.5kgとアクリル酸n−ブチル5.5kgの混合液11kg、部分けん化ポリビニルアルコール4質量%の水溶液17kg、酢酸ナトリウム22g、グリシジルメタクリレート120gを投入し、攪拌機であらかじめよく混合し、均一懸濁液を作製した。槽内上部の空気を窒素で置換後、エチレンを槽上部に圧入し、圧力を5〜40kg/cm2に調整した。攪拌を続行し、槽内を55℃に保持した後、別途注入口より、t−ブチルヒドロペルオキシド水溶液を圧入して重合を開始させた。
反応中槽内温度は55℃に保ち、6時間で反応が終了した。生成した重合液にホウ酸ナトリウム水溶液を添加して重合体を固化し、脱水および乾燥を行って生ゴムとした。
【0036】
実施例1〜3、比較例1〜4
カルボキシル基含有アクリル系ゴム組成物およびアクリル系ゴム組成物とその加硫物の作製
上記の実験例1および2で得た生ゴムは表1の配合組成により、8インチオープンロールで混練を行い、厚さ2.4mmのシートに分出しした後、プレス加硫機で170℃20分のプレス加硫を行った。
この加硫物は、更にギヤーオーブン内で150℃の温度で8時間の熱処理を行い物性試験に供した。
【0037】
物性試験方法
引張強さ、伸びはJIS K6251に準拠して測定した。
硬さは、JIS K6253に準拠して測定した。
耐熱性は、JIS K6257に準拠し、200℃で7日間曝露後の引張試験の伸び変化率を求めた。変化率はその絶対値が小さいほど、耐熱性が良い。この過酷な評価条件下でも、変化率の絶対値として70%以下を保持することは、耐熱性として極めて優れているといえる。
【0038】
各実施例、比較例についての加硫物の測定結果を表1に示した。
本発明のカルボキシル基含有アクリル系ゴム組成物は、その用途に関わる要求性能を満たすべく、ゴム自体の組成、特性、各種添加剤の種類、量等が選択されるが、表1から明らかなように、さまざまな配合において一般的なカーボンブラックに換えてアセチレンブラックを使用することにより、耐熱試験後の伸びの変化率が顕著に改善されていることがわかる。
【0039】
【表1】
Figure 0004346800
【0040】
表1で用いた材料は下記の通り。
1)東海カーボン株式会社製、シースト116(Lc=1.8nm以下、DBP吸油量=133ml/100g)
2)東海カーボン株式会社製、シースト6(Lc=1.8nm以下、DBP吸油量=115ml/100g)
3)電気化学工業株式会社製、デンカブラック粒状品(Lc=3.5nm、DBP吸油量=160ml/100g)
4)日本ゼオン株式会社製、AR−71(主原料モノマー=エチルアクリレート、架橋席=活性塩素基からなるアクリル系ゴム)、これをアクリル系ゴムCとする。
5)E.I.du Pont de Nemours & Co.,Inc.製、VAMAC−G(エチレン=41質量%、メチルアクリレート=55質量%、架橋席含有モノマー=4質量%からなるアクリル系ゴム)、これをアクリル系ゴムDとする。
【0041】
【発明の効果】
実施例と比較例の対比で示すように、(A)エチレン単量体単位0.1〜5質量%未満、(B)一般式(1)で表されるアクリル酸アルキルエステル単位98.9〜83質量%及び(C)一般式(2)で表されるマレイン酸モノアルキルエステル及び/または一般式(3)で表されるマレイン酸モノアルコキシアルキルエステル単位1〜12質量%からなるカルボキシル基含有アクリル系ゴムに結晶子内の層平面のC軸方向の平均積み重なり高さLcが2nm以上のカーボンブラックを含有する本発明のカルボキシル基含有アクリル系ゴム組成物は、優れた耐熱性を有する加硫物を与える。

Claims (5)

  1. 下記に示すカルボキシル基含有アクリル系ゴム100質量部に対し、結晶子内の層平面のC軸方向の平均積み重なり高さLcが2nm以上のカーボンブラック10〜100質量部を含有することを特徴とするカルボキシル基含有アクリル系ゴム組成物。
    カルボキシル基含有アクリル系ゴム:(A)エチレン単量体単位0.5〜2.5質量%、(B)下記の一般式(1)で表されるアクリル酸アルキルエステル単位98.5〜85.5質量%及び(C)下記の一般式(2)で表されるマレイン酸モノアルキルエステル及び/または下記の一般式(3)で表されるマレイン酸モノアルコキシアルキルエステル単位1〜12質量%からなるカルボキシル基含有アクリル系ゴム。
    Figure 0004346800
    (式中のR1は炭素数1〜8のアルキル基)
    Figure 0004346800
    (式中のR2は炭素数1〜4のアルキル基)
    Figure 0004346800
    (式中のR3は炭素数1〜4のアルキレン基、R4は炭素数1〜4のアルキル基)
  2. 200℃で7日間暴露した後にJIS K6251に準拠して測定した伸びが、150%〜200%であることを特徴とする請求項1記載のカルボキシル基含有アクリル系ゴム組成物。
  3. カルボキシル基含有アクリル系ゴム100質量部に対し、老化防止剤3〜8質量部と架橋剤を含有してなることを特徴とする請求項1または2記載のカルボキシル基含有アクリル系ゴム組成物。
  4. 請求項3記載のカルボキシル基含有アクリル系ゴム組成物を加硫してなることを特徴とする加硫物。
  5. 請求項4記載の加硫物からなるゴムホース。
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