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JP4255608B2 - アクリル系ゴム及びその組成物 - Google Patents

アクリル系ゴム及びその組成物 Download PDF

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JP4255608B2
JP4255608B2 JP2000312868A JP2000312868A JP4255608B2 JP 4255608 B2 JP4255608 B2 JP 4255608B2 JP 2000312868 A JP2000312868 A JP 2000312868A JP 2000312868 A JP2000312868 A JP 2000312868A JP 4255608 B2 JP4255608 B2 JP 4255608B2
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rubber
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尚吾 萩原
優夫 古賀
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Denki Kagaku Kogyo KK
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F220/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F220/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms; Derivatives thereof
    • C08F220/10Esters
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は良好な加硫特性を有し、耐寒性、耐油性及び耐熱性のバランスに優れ、且つ良好な低温圧縮永久歪を有するアクリル系ゴム及びその組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、産業の大型化、高速化に伴い、これらに使用されるゴム部品はますます高度の耐久性を保持することが要求されている。特に、大型化、高速化は、機械・装置の運転温度の上昇を招くため、ゴム部品に対して、高度の耐熱性が要求され、同時に潤滑油温度の上昇のためにゴム部品に対して耐油性の向上が要求されている。
また、産業活動の広域化に伴う寒冷地等の苛酷な環境における使用により、ゴム部品に対する耐寒性の要求も強まっている。
【0003】
一方、自動車エンジンルーム内は、排ガス対策、エンジンの高出力化などにより、熱的条件が更に厳しさを増してきたため、自動車用耐潤滑油系ホース等においては従来のニトリル・ブタジエンゴムに代わって耐熱性と耐油性に優れたアクリルゴムが使用されてきた。ところが、エンジン及びエンジンルーム内の熱的条件の苛酷化は、エンジン油それ自身が劣化する環境を生じ、この劣化エンジン油が更にゴムホースを攻撃してゴム材料を劣化させることが知られるようになり、耐熱性・耐油性材料として潤滑油ホース材料に用いられるようになったアクリルゴムに対して、これまで以上の耐油性、耐寒性及び耐熱性が求められている。
更に、自動車用潤滑油の高性能化による潤滑油の低粘度化に伴い、更なる耐油性の改良が要求されるようになってきた。
また、これらの部品は潤滑油が漏れないよう、バンド等で抑えてシール性を保持するため、高温での圧縮永久歪みも重要な要求特性である。
【0004】
特公昭59−14498号公報には、エチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル及び架橋サイトモノマーとして、グリシジルメタクリレートなどのモノエポキシモノオレフィン化合物よりなる共重合体と加硫剤からなるゴム組成物が、耐油性、耐熱性および耐候性に優れていることが記載されている。
これらの組成物では、耐油性、耐熱性および耐候性のバランスが良好であることも認められるが、上記のような使用条件の苛酷化から、耐油性、耐寒性および耐熱性のバランスにおいて、更なる改良が求められていた。
【0005】
更に、これらの組成物は、脂肪酸石けん/イオウ、ポリアミン系または、有機カルボン酸およびそのアンモニウム塩などの加硫系を用いて加硫することができ、機械的性質も良好であるが、加硫速度が遅いという欠点を有している。
即ち、所期の物性を得るために、通常の加硫を行った後、後加硫を行っているのが現状であり、加硫に要する時間を短縮するか、後加硫を完全に省くことが可能となれば、その工業的意義は非常に大きく、そのためにこれらが改良されたゴム組成物への要望が急速に高まってきた。
【0006】
アクリル酸アルキルまたはエチレン/アクリル酸アルキルを主成分とし、架橋サイトモノマーとして、ブテンジオン酸モノアルキルエステルを用いたエラストマー組成物は、良好な加硫速度を有することが特開昭50−45031号公報で公知である。
また、特公昭55−5527号公報には、エチレン(A)/アクリル酸メチル及びアクリル酸エチルから選択したアクリル酸アルキル(B)/及び1,4−ブテンジオン酸モノアルキルエステル(C)からなる共重合体で、重合体100g当たり0.0025〜0.077モルの(C)/重合体100g当たり0.64〜0.80モルの(−CO2−)単位(B及びCのエステル基の合計)/及び残部が(A)の組成を持つ共重合体が良好な耐寒性、耐油性及び耐熱性を併せ持つことが記載されている。
これらの共重合体は機械的性質と加硫性に優れ、脆化点を尺度とした耐寒性、及び耐油性のバランスも良好であるが、エチレン含有量が多く、低温領域での圧縮永久歪みが劣るため、低温圧縮永久歪の要求が厳しい部品には使用できないといった欠点を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の課題を解決し、良好な加硫特性を有し、更に耐寒性、耐油性及び耐熱性のバランスに優れ、且つ良好な低温圧縮永久歪を有するアクリル系ゴム及びその組成物を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、エチレン単量体単位と特定のマレイン酸モノアルキルエステル及び特定のアクリル酸アルキルエステル単量体単位とからなる共重合体が特定の組成割合において、耐寒性、耐油性及び耐熱性のバランスに極めて優れ、且つ良好な加硫特性、低温圧縮永久歪を併せ持つゴムを与えることを見出し、本発明を完成させるに至った。 即ち、本発明はエチレン単量体単位0.1〜質量%未満、下記の一般式(1)で表されるアクリル酸アルキルエステル単位98.9〜85質量%と下記の一般式(2)で表されるマレイン酸モノアルキルエステル1〜12質量%からなり、カルボン酸ビニル構造単位を含まないことを特徴とするアクリル系ゴムである。更に本発明は、上記のアクリル系ゴムに架橋剤として、4,4’−メチレンジアニリンとジ−o−トリルグアニジンの組み合わせ、または、ヘキサメチレンジアミンカーバメイトとジ−o−トリルグアニジン組み合わせを含むことをアクリル系ゴム組成物およびその加硫物である。
【0009】
【化4】
Figure 0004255608
(式中のR1は炭素数1〜8のアルキル基)
【0010】
【化5】
Figure 0004255608
(式中のR2は炭素数1〜4のアルキル基)
【0012】
以下に本発明を詳細に説明する。本発明のアクリル系ゴムは、エチレン単量体単位0.1〜3質量%未満、更に好ましくは0.5〜2.5質量%、上記の一般式(1)で表されるアクリル酸アルキルエステル単位98.9〜83.1質量%と上記の一般式(2)で表されるマレイン酸モノアルキルエステル1〜12質量%、好しくは3〜10質量%からなるアクリル系ゴムである。また、本発明は上記のアクリル系ゴムに、架橋剤として、4,4’−メチレンジアニリンとジ−o−トリルグアニジンの組み合わせ、または、ヘキサメチレンジアミンカーバメイトとジ−o−トリルグアニジン組み合わせを含むことをアクリル系ゴム組成物およびその加硫物である。
【0013】
本発明のアクリル酸アルキルエステルとしては上記の一般式(1)で表されるアクリル酸アルキルエステルが用いられるが、具体的にはメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートが挙げられ、機械的性質、実用的な耐寒/耐油バランスの点で、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレートが好ましい。
本発明のマレイン酸モノアルキルエステルとしては上記の一般式(2)で表されるマレイン酸モノアルキルエステルが用いられるが、具体的にはマレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチルが挙げられる。
本発明のマレイン酸モノアルコキシアルキルエステルとしては上記の一般式(3)で表されるマレイン酸モノアルコキシアルキルエステルが用いられるが、具体的にはマレイン酸モノメトキシエチル、マレイン酸モノエトキシエチル、マレイン酸モノメトキシブチル、マレイン酸モノエトキシブチルなどが挙げられる。本発明のアクリル系ゴムには、本発明の目的を損なわない範囲で上記の単量体と共重合可能な他の単量体を共重合させたものでもよい。
共重合可能な他の単量体としては、n−デシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、n−オクタデシルアクリレート、シアノメチルアクリレート、1−シアノエチルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、1−シアノプロピルアクリレート、2−シアノプロピルアクリレート、3−シアノプロピルアクリレート、4−シアノブチルアクリレート、6−シアノヘキシルアクリレート、2−エチル−6−シアノヘキシルアクリレート、8−シアノオクチルアクリレートなどのアクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
【0014】
また、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−(n−プロポキシ)エチルアクリレート、2−(n−ブトキシ)エチルアクリレート、3−メトキシプロピルアクリレート、3−エトキシプロピルアクリレート、2−(n−プロポキシ)プロピルアクリレート、2−(n−ブトキシ)プロピルアクリレートなどのアクリル酸アルコキシアルキルエステルが挙げられる。
【0015】
更に、1,1−ジヒドロペルフルオロエチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1,1,5−トリヒドロペルフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、1,1,2,2−テトラヒドロペルフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1,1,7−トリヒドロペルフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロオクチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロデシル(メタ)アクリレートなどの含フッ素アクリル酸エステル、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有アクリル酸エステル、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの第3級アミノ基含有アクリル酸エステル、メチルメタクリレート、オクチルメタクリレートなどのメタクリレート、メチルビニルケトンのようなアルキルビニルケトン、ビニルエチルエーテル、アリルメチルエーテルなどのビニル及びアリルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエンなどのビニル芳香族化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのビニルニトリル、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、プロピオン酸ビニル、アルキルフマレートなどのエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
【0016】
また、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−ペンテン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのカルボン酸基含有化合物、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有化合物、2−クロルエチルビニルエーテル、2−クロルエチルアクリレート、ビニルベンジルクロライド、ビニルクロルアセテート、アリルクロルアセテートなどの活性塩素基含有化合物が挙げられる。
【0017】
本発明のアクリル系ゴムは、上記の単量体を乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合などの公知の方法により共重合することにより得られる。
【0018】
本発明のアクリル系ゴムは、アクリル系ゴムに通常用いられる加硫系を用いて加硫して用いられるが、適用される加硫系としては、脂肪族、芳香族第一アミン類が適当であり、これにグアニジン系化合物を加えた加硫系が好適に用いられる。
【0019】
脂肪族アミンとしては、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメート、テトラメチレンペンタミン、芳香族アミンとしては、4,4’−メチレンジアニリン、4,4’−オキシフェニルジフェニルアミン、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられ、4,4’−メチレンジアニリンまたはヘキサメチレンジアミンカーバメイトが特に好適に用いられる。
【0020】
グアニジン系化合物としては、グアニジン、テトラメチルグアニジン、ジブチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、ジ−o−トリルグアニジンなどが挙げられ、ジ−o−トリルグアニジンが好適に用いられる。
【0021】
アミン類の添加量は、アクリル系ゴム100質量部に対して、0.2〜5質量部が好ましく、0.5〜3質量部が更に好ましい。0.2質量部未満では加硫反応が十分に行われず、5質量部を越えると過加硫となり、高温での圧縮永久歪は共に悪くなる。
また、グアニジン系化合物の添加量は、アクリル系ゴム100質量部に対して、0.3〜5質量部が好ましく、0.5〜3質量部が更に好ましい。0.3質量部未満では加硫反応が十分に行われず、5質量部を越えると過加硫となり、この場合も、高温での圧縮永久歪は共に悪くなる。
【0022】
本発明のアクリル系ゴム組成物は、実用に供するに際してその目的に応じ、充填剤、可塑剤、安定剤、滑剤、補強剤等を添加して成形、加硫を行うことができる。
カーボンブラック、無水ケイ酸、表面処理炭酸カルシウムなどの充填剤、補強剤は要求されるゴム物性から、2種類以上を混合して使用することも可能であり、これらの添加量は合計で、アクリル系ゴム100質量部に対して通常用いられる30〜100質量部が好ましい。
【0023】
また、本発明のアクリル系ゴム、アクリル系ゴム組成物及びその加硫物を混練、成型、加硫する機械としては、通常ゴム工業で用いるものを使用することができる。
【0024】
本発明のアクリル系ゴム、アクリル系ゴム組成物及びその加硫物は特にゴムホースやガスケット、パッキング等のシール部品として好適に用いられる。また、ゴムホースとしては、具体的には自動車、建設機械、油圧機器の各種配管系等に使用されるホースに用いられる。
特に、本発明のアクリル系ゴム、アクリル系ゴム組成物及びその加硫物から得られるゴムホースは、機械的性質が優れていることに加えて、耐寒性、耐油性及び耐熱性に優れるため、特に最近の使用環境が苛酷になっている自動車用ゴムホースとして極めて好適に用いられる。
【0025】
ゴムホースの構成としては、本発明のアクリル系ゴムから得た単一ホース、あるいは、ゴムホースの用途によっては、本発明のアクリル系ゴムからなる層に本発明のアクリル系ゴム以外の合成ゴム例えば、フッ素系ゴム、フッ素変性アクリルゴム、ヒドリンゴム、CSM、CR、NBR、エチレン・プロピレンゴム等を内層、中間層、あるいは外層として組み合わせた複合ホースへの適用も可能である。
また、ゴムホースに要求される特性によっては、一般的によく行われているように補強糸あるいはワイヤーをホースの中間あるいは、ゴムホースの最外層に設けることも可能である。
【0026】
【実施例】
以下に実施例をもって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
実施例1〜3、7及び比較例2〜3
内容積40リットルの耐圧反応容器に、表1に示した共重合体の組成比が得られるような割合でアクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル及びマレイン酸モノブチルとの混合液11.8Kg、部分けん化ポリビニルアルコール4質量%の水溶液17Kg、酢酸ナトリウム22gを投入し、攪拌機であらかじめよく混合し、均一懸濁液を作製した。槽内上部の空気を窒素で置換後、エチレンを槽上部に圧入し、圧力を20Kg/cm2に調整した。攪拌を続行し、槽内を55℃に保持した後、別途注入口よりt−ブチルヒドロペルオキシド水溶液を圧入して重合を開始させた。反応中槽内温度は55℃に保ち、6時間で反応が終了した。生成した重合液にホウ酸ナトリウム水溶液を添加して重合体を固化し、脱水及び乾燥を行って生ゴムとした。
【0027】
実施例4
実施例1と同様な方法であるが、マレイン酸モノブチルをマレイン酸モノエチルに変えて、共重合体の生ゴムを得た。
【0028】
実験例1
実施例1と同様な方法であるが、マレイン酸モノブチルをマレイン酸モノエトキシエチルに変えて、共重合体の生ゴムを得た。
【0029】
実験例2
実施例1と同様な方法であるが、マレイン酸モノブチルをマレイン酸モノメトキシブチルに変えて、共重合体の生ゴムを得た。
【0030】
比較例1
実施例1と同様な方法であるが、マレイン酸モノブチルをグリシジルメタクリレートに変えて、共重合体の生ゴムを得た。
【0031】
比較例4
実施例1と同様な方法であるが、モノマー混合液をアクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、マレイン酸モノブチル及び酢酸ビニルとの混合液11.8Kgとして、共重合体の生ゴムを得た。
【0032】
実施例8
実施例1と同様な方法であるが、アクリル酸エチルをアクリル酸メチルに変えて、共重合体の生ゴムを得た。
【0033】
実施例9
実施例1と同様な方法であるが、アクリル酸n−ブチルをアクリル酸2エチルヘキシルに変えて、共重合体の生ゴムを得た。
【0034】
比較例5、7
実施例1と同様な方法であるが、エチレンを導入せずに共重合体の生ゴムを得た。
【0035】
比較例6、8
実施例1と同様な方法であるが、エチレンを槽上部より圧入し、圧力を80Kg/cm2として共重合体の生ゴムを得た。
【0036】
比較例9
実施例8と同様な方法であるが、エチレンを導入せずに共重合体の生ゴムを得た。
【0037】
比較例10
実施例8と同様な方法であるが、エチレンを槽上部より圧入し、圧力を80Kg/cm2として共重合体の生ゴムを得た。
【0038】
比較例11
実施例9と同様な方法であるが、エチレンを導入せずに共重合体の生ゴムを得た。
【0039】
比較例12
実施例9と同様な方法であるが、エチレンを槽上部より圧入し、圧力を80Kg/cm2として共重合体の生ゴムを得た。
【0040】
比較例13
エチレン含有量約41質量%の市販のDu pont社製Vamac G(エチレン、アクリル酸メチル、−COOH基含有架橋性モノマー共重合体)を用いた。
【0041】
加硫物の作製(実施例1〜9、比較例1〜13)
上記の実施例及び比較例で得た生ゴムは表3の配合組成により、8インチオープンロールで混練を行い、厚さ約2.4mmのシートに分出しした後、プレス加硫機で170℃20分間のプレス加硫を行い、一次加硫物として物性試験に供した。
更に、この加硫物をギヤーオーブン内で170℃4時間の熱処理を行い、二次加硫物として物性試験に供した。
【0042】
分析試験方法(実施例1〜9、比較例1〜12)
マレイン酸モノアルキルエステル単位またはマレイン酸モノアルコキシアルキルエステル単位の定量は、共重合体の生ゴムをトルエンに溶解し、水酸化カリウムを用いた中和滴定により測定した。その他の共重合体組成は、核磁気共鳴スペクトルを採取し、各成分を定量した。
【0043】
物性試験方法
引張強さ、伸びはJIS K6251に準拠して測定した。
硬さは、JIS K6253に準拠して測定した。
低温圧縮永久歪みは、JIS K6262に準拠した方法だが、試験条件を0℃22時間として、歪みを測定した。
高温圧縮永久歪みは、JIS K6262に準拠した方法だが、試験条件を150℃70時間として、歪みを測定した。
耐油性(△V)は、JIS K6258に準拠し、IRM−903号油に150℃70時間浸漬後の体積変化△V(%)を求めた。
耐寒性(Tb)は、JIS K6261に準拠し、脆化温度(Tb)を求めた。
耐熱性AR(EB)は、JIS K6257に準拠し、150℃×70時間曝露後の引張試験の伸び保持率AR(EB)(%)を求めた。
△TB(一次加硫物と二次加硫物の引張強さの差)は、下式により求めた。
△TB(%)=100×(TB2/TB1)−100
但し、TB2は二次加硫物引張強さを表し、TB1は一次加硫物引張強さを表す。
各実施例、比較例についての加硫物の物性測定結果を表1及び表2に示した。
【0044】
【表1】
Figure 0004255608
【0045】
【表2】
Figure 0004255608
【0046】
【表3】
Figure 0004255608
【0047】
実施例10〜23
表4及び表5に示したポリマー組成及び評価用配合組成により、実施例1と同様に一次加硫物及び二次加硫物の特性を評価し、表4及び表5に併せて示した。
【0048】
【表4】
Figure 0004255608
【0049】
【表5】
Figure 0004255608
【0050】
実施例1、比較例1の比較により、本発明の実施例1は△TBが小さく、加硫速度が早い。
比較例2、3より、共重合体に占めるマレイン酸モノアルキルが1質量%未満、また13質量%以上では、引張強さ、伸びといった機械的性質のバランスが劣る。
耐油性が+34と同じである実施例1と比較例4を比較すると、酢酸ビニルを共重合した比較例4の耐寒性が劣っている。
耐油性が+34と同じである実施例1と比較例5を比較すると、エチレンを共重合していない比較例5の耐寒性が劣っている。同様の結果が実施例7、比較例7による比較、実施例8、比較例9による比較、実施例9、比較例11による比較により認められる。
耐寒性が−30℃と同じである実施例1と比較例6を比較すると、エチレン共重合量が5質量%である比較例6の耐油性が劣っている。同様の結果が実施例7、比較例8による比較、実施例8、比較例10による比較、実施例9、比較例12による比較により認められる。
エチレン共重合量の多い比較例6、比較例8、比較例10、比較例12、比較例13は低温での圧縮永久歪みが劣る。
また、本発明の実施例1は耐熱性のレベルも優れている。
【0051】
4,4’−メチレンジアニリンとジ−o−トリルグアニジンを組合せて用いた実施例10〜16では耐寒性、耐油性のバランスは良いが、加硫物の高温での圧縮永久歪については、4,4’−メチレンジアニリンまたはジ−o−トリルグアニジンが5質量部以下である実施例10〜15の方が優れている。
また同様に、ヘキサメチレンジアミンカーバメイトとジ−o−トリルグアニジンを組合せて用いた、実施例17〜23では耐寒性、耐油性のバランスは良いが、加硫物の高温での圧縮永久歪については、ヘキサメチレンジアミンカーバメイトまたはジ−o−トリルグアニジンが5質量部以下である実施例17〜22の方が優れている。
【0052】
【発明の効果】
実施例と比較例の対比で示すように、本発明のアクリル系ゴム及びその組成物からなる加硫物は、優れたゴム物性を有するとともに、良好な加硫特性を有し、耐寒性、耐油性及び耐熱性のバランスに優れ、且つ良好な低温圧縮永久歪を有している。

Claims (6)

  1. エチレン単量体単位0.5〜2.5質量%、下記の一般式(1)で表されるアクリル酸アルキルエステル単位98.5〜85.5質量%と、下記の一般式(2)で表されるマレイン酸モノアルキルエステル単位1〜12質量%からなり、カルボン酸ビニル構造単位を含まないことを特徴とするアクリル系ゴム。
    Figure 0004255608
    (式中のR1は炭素数1〜8のアルキル基)
    Figure 0004255608
    (式中のR2は炭素数1〜4のアルキル基)
  2. 請求項1記載のアクリル系ゴム100質量部に対して、4,4’−メチレンジアニリン0.5〜3質量部とジ−o−トリルグアニジン0.5〜3質量部を含有してなることを特徴とするアクリル系ゴム組成物。
  3. 請求項1記載のアクリル系ゴム100質量部に対して、ヘキサメチレンジアミンカーバメイト0.5〜3質量部とジ−o−トリルグアニジン0.5〜3質量部を含有してなることを特徴とするアクリル系ゴム組成物。
  4. 請求項2または請求項3記載のアクリル系ゴム組成物を加硫してなる加硫物。
  5. 請求項4記載の加硫物からなるゴムホース。
  6. 請求項4記載の加硫物からなるシール部品。
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