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JP4344662B2 - エポキシ樹脂組成物、プリプレグ及び成形体並びにエポキシ樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、プリプレグ及び成形体並びにエポキシ樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、粘度調節が容易なエポキシ樹脂組成物、ハンドリング性に優れたプリプレグ及び該プリプレグを加熱硬化して成形された成形体並びに前記エポキシ樹脂組成物の製造方法に関する。
エポキシ樹脂はその分子量によって低粘度タイプのものから高粘度タイプのものまで存在するため、目的に応じて、所定の硬化剤や充填材が添加されたエポキシ樹脂組成物として、塗料、構造用接着剤、プリント基板、コンポジット等の製造原料に幅広く利用されている。その用途の中の一つに、プリプレグ製造がある。「プリプレグ」とは、一般に、ガラスクロスや炭素繊維等にエポキシ樹脂組成物等の熱硬化性樹脂を含浸して加熱乾燥し、保管可能な安定状態まである程度硬化が進んだ状態(Bステージ)のものをいう。
しかしながら、エポキシ樹脂が低粘度タイプのものである場合、所望の樹脂量をプリプレグの基材に保持させることが困難である;仮に樹脂を基材に保持することができたとしても、加熱乾燥工程の後、プリプレグ表面にタック性(べたつき)が過剰に生じ、プリプレグのハンドリング性が悪くなり、均一な樹脂層の形成が困難となる結果、プリプレグの硬化成形後の物性が低下する;加熱乾燥工程を行うと、プリプレグ(Bステージ)の段階を経ずに完全硬化状態(Cステージ)に達してしまい所望の成形物を得ることができない;等の問題を有していた。
上記の問題を改善するため、低粘度タイプと高粘度タイプとからなるエポキシ樹脂組成物を調製し、低粘度タイプのエポキシ樹脂の短所を高粘度タイプのエポキシ樹脂で補う方法が提案されている。しかしながら、このようなエポキシ樹脂組成物を用いても、充填材をエポキシ樹脂組成物に添加した場合、低粘度タイプのエポキシ樹脂のみを用いる場合に比べて充填材の分散性が低下する;前記エポキシ樹脂組成物の粘度は高粘度タイプのエポキシ樹脂で調整する必要があるが、これによって成形物の特性の範囲が限定される;等の問題を有していた。
また、特開平7−316260号公報には、プレリアクト反応品と主剤とを含むエポキシ樹脂組成物が開示されている(特許文献1)。即ち、エポキシ樹脂と、沸点が30〜130℃の溶剤と、硬化剤と硬化促進剤とからなるマスターバッチを60〜120℃で10〜180分間加熱乾燥することによりプレリアクト反応品を調製し、このプレリアクト反応品と、他の種類のエポキシ樹脂を含む主剤とを反応させることにより、耐熱性に優れた積層板が得られるエポキシ樹脂組成物が開示されている。
特開平7−316260号公報
しかしながら、従来のエポキシ樹脂組成物は、充填材や他の添加剤を混合する際の分散性、溶解性並びにプリプレグにしたときのハンドリング性等に関しては未だ改善の余地があった。従って本発明は、粘度調節が容易なエポキシ樹脂組成物、ハンドリング性に優れたプリプレグ及び該プリプレグを加熱硬化して成形された成形体並びに前記エポキシ樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、エポキシ樹脂と該エポキシ樹脂を硬化させる第1の硬化剤とを反応させてなるエポキシ樹脂組成物であって、前記エポキシ樹脂は、そのエポキシ当量が250g/eq以下であり、かつ、硬化前の25℃における粘度が300ポイズ以下であり、前記第1の硬化剤が芳香族アミンである、エポキシ樹脂組成物を提供するものである。
上記発明に係るエポキシ樹脂組成物は、粘度調節が容易であるため、充填材等の添加剤を添加する際の分散性、溶解性にも優れている。なお、前記粘度調節は、充填材等の分散状態を保持したまま行うことが可能である。
ここで、「エポキシ当量」とは、エポキシ基1個当たりの質量(g/eqiv.)で、平均分子量を1分子当たりのエポキシ基の数で除した値をいう。
上記発明の好ましい態様は以下のとおりである。前記エポキシ樹脂組成物を調製するためのエポキシ樹脂の配合量を基準(100重量部)とした場合に、前記第1の硬化剤の配合量が1〜10重量部であることが好ましい。
前記エポキシ樹脂組成物の25℃における粘度は1000ポイズ以上であり、かつ、70℃における粘度は200ポイズ以下であることが好ましい。
また、前記芳香族アミンのアミン官能基の数が2〜7であることが好ましく、前記アミン官能基が一級アミンであることが好ましい。また、前記芳香族アミンはジアミノジフェニルメタン及び/又はその誘導体であることが好ましい。
また、前記エポキシ樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂をさらに硬化させる第2の硬化剤を含むことが好ましい。この第2の硬化剤の配合量は、前記エポキシ樹脂組成物を調製するためのエポキシ樹脂の配合量を基準(100重量部)とした場合に、3〜50重量部であることが好ましい。
本発明はまた、上記のエポキシ樹脂組成物が基材に含浸されてなるプリプレグを提供するものである。当該プリプレグは、タック性のコントロールが可能であるためハンドリング性に優れるものである。
本発明はさらに、上記プリプレグが加熱硬化されて成形された成形体を提供するものである。当該成形体は、充填材等の添加物の分散性を維持しつつ、低粘度タイプと高粘度タイプとからなる従来のエポキシ樹脂組成物を用いて成形体を製造した場合と同等の物性を備える。
本発明は、エポキシ樹脂と第1の硬化剤とを反応させる工程を備えたエポキシ樹脂組成物の製造方法であって、前記エポキシ樹脂は、そのエポキシ当量が250g/eq以下であり、かつ、硬化前の25℃における粘度が300ポイズ以下であり、前記第1の硬化剤が芳香族アミンである、エポキシ樹脂組成物の製造方法を提供するものである。
上記発明に係るエポキシ樹脂組成物の製造方法によれば、粘度の調整が容易であり、充填材等の添加剤を添加する際の分散性にも優れたエポキシ樹脂組成物を製造することができる。
上記発明の好ましい態様は以下のとおりである。前記エポキシ樹脂と前記第1の硬化剤との反応は、100〜140℃で30〜240分間行うことが好ましい。
さらに、前記エポキシ樹脂組成物に第2の硬化剤を添加する工程を備えることが好ましい。
本発明によれば、粘度調節が容易なエポキシ樹脂組成物、ハンドリング性に優れたプリプレグ及び該プリプレグを加熱硬化して成形された成形体が提供される。また、本発明によれば、粘度調節が容易で添加物の分散性が良好なエポキシ樹脂組成物の製造方法が提供される。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、既述のとおり、エポキシ樹脂と該エポキシ樹脂を硬化させる第1の硬化剤とを反応させてなるエポキシ樹脂組成物であって、前記エポキシ樹脂は、そのエポキシ当量が250g/eq以下であり、かつ、硬化前の25℃における粘度が300ポイズ以下であり、前記第1の硬化剤が芳香族アミンである。
エポキシ樹脂としては、そのエポキシ当量が250g/eq以下であり、かつ、動的粘弾性測定機(TA instruments Japan社製)を用いて測定した場合、硬化前の25℃における粘度が300ポイズ以下であればその種類に特に制限はないが、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型が挙げられる。これらは単独でも、併用して使用してもよい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量が250g/eqを超える場合、室温において半固形状または固形状であるため好ましくない。また、前記エポキシ樹脂の硬化前の25℃における粘度が300ポイズを超える場合、フィラー等の充填材の分散性が低下するため好ましくない。
前記第1の硬化剤である芳香族アミンは、アミン官能基の数が2以上であることが好ましい。但し、アミン官能基の数が多すぎると未反応の官能基が立体障害を受け、未反応の官能基が残ってしまい、結果的に硬化物の物性を低下させる恐れがあるため、その数は7以下であることが好ましい。さらにそのアミン官能基は、反応物の構造を直鎖状に反応させる観点から、反応エネルギーの低い一級アミンであることが好ましい。具体的には、下記式(1)で示されるジアミノジフェニルメタン及び/又は下記式(2)で示されるジアミノジフェニルメタンの誘導体を挙げることができる。
Figure 0004344662
Figure 0004344662
(上記式中、nは1〜5の整数を示す)
なお、上記ジアミノジフェニルメタン誘導体は、n=1であることが好ましく、n=1のジアミノジフェニルメタン誘導体が50%以上である場合、n=0,2,3,4,5…のジアミノジフェニルメタン誘導体が同時に含まれていてもよい。
エポキシ樹脂組成物中における芳香族アミンの配合量は、エポキシ樹脂の配合量を基準(100重量部)とした場合に、1〜10重量部、更に好ましくは3〜7重量部である。
エポキシ樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂と第1の硬化剤としての芳香族アミンとを反応させることにより得られる。このエポキシ樹脂組成物は、動的粘弾性測定機(TA instruments Japan社製)を用いて測定した場合、25℃における粘度が1000ポイズ以上であり、かつ、70℃における粘度が200ポイズ以下であることが好ましい。温度によって粘度を適宜調整することにより、必要に応じて後述する種々の添加物をエポキシ樹脂中に分散することができ、エポキシ樹脂組成物の付加価値を高めることができる。また、後述する第2の硬化剤や硬化促進剤も効率よく分散することができる。なお、エポキシ樹脂組成物の粘度は、前記第1の硬化剤の配合量に応じて上記の範囲で適宜調整することができる。
前記エポキシ樹脂組成物は、当該エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂をさらに硬化させる第2の硬化剤を含むことが好ましい。この第2の硬化剤は、先述したエポキシ樹脂の硬化剤として使用されているものであれば特に制限はなく、例えば、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)、ジアミノジフェニルエーテル(DDE)、イミダゾール類、ヘキサメチレンジアミン、ポリアミドアミン、ジシアンジアミド(DICY)、フェノールノボラック等を用いることができる。
エポキシ樹脂組成物中における第2の硬化剤の配合量は、用いる硬化剤の種類に応じて適宜変更されるが、一般的に、エポキシ樹脂の配合量を基準(100重量部)とした場合に、好ましくは3〜50重量部である。具体的には、例えば、ジシアンジアミド(DICY)を用いる場合は3〜7重量部、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)を用いる場合は20〜40重量部である。
また、上記硬化剤とともに、硬化促進剤を併用することが硬化反応の促進の観点から好ましい。硬化促進剤としては、イミダゾール系化合物、尿素系化合物、3級アミン、3フッ化ホウ素錯塩類等、公知の硬化促進剤を用いることができる。
硬化促進剤の配合量は、エポキシ樹脂の配合量を基準(100重量部)とした場合に、好ましくは0.1〜10重量部、更に好ましくは1〜5重量部である。
なお、本発明に係るエポキシ樹脂組成物には、諸特性を低下させない範囲で、必要に応じて、種々の添加剤、例えば、その他の合成樹脂やカーボンナノチューブ、Fe粉、Fe23、マイカ、シリカ等の充填材、ポリエステル樹脂、酸化防止剤、界面活性剤、カップリング剤等を加えてもよい。
本発明に係るエポキシ樹脂組成物の製造方法は、エポキシ樹脂と第1の硬化剤とを反応させることによりエポキシ樹脂組成物を得る工程と、前記エポキシ樹脂組成物と第2の硬化剤とを反応させる工程と、を備え、前記エポキシ樹脂は、そのエポキシ当量が250g/eq以下であり、かつ、硬化前の25℃における粘度が300ポイズ以下であり、前記第1の硬化剤が芳香族アミンである。
前記エポキシ樹脂および前記芳香族アミンの詳細については、前述したエポキシ樹脂組成物に配合されるエポキシ樹脂および芳香族アミンと同様であるため、ここでは説明を省略する。
前記エポキシ樹脂組成物を得る工程は、前記エポキシ樹脂と前記芳香族アミンとを100〜140℃で30〜240分間反応させることが好ましい。反応時間をかかる範囲で調整することにより、樹脂組成物の分子量を適宜調整することができる。
このようにして得られたエポキシ樹脂組成物は、動的粘弾性測定機(TA instruments Japan社製)を用いて測定した場合、25℃における粘度が1000ポイズ以上であり、かつ、70℃における粘度が200ポイズ以下であることが好ましい。かかる範囲で粘度を適宜調整することにより、エポキシ樹脂中における添加物の分散性を向上させることができる。また、後述する第2の硬化剤や硬化促進剤も効率よく分散することができる。なお、エポキシ樹脂組成物の粘度は、前記第1の硬化剤の配合量に応じて上記の範囲で適宜調整することができる。
前記エポキシ樹脂組成物と前記第2の硬化剤とを反応させる工程は、用いる硬化剤の種類に応じて適宜変更されるが、一般的には、110〜180℃で60〜300分で行うことが好ましい。具体的には、例えば、第2の硬化剤としてジシアンジアミド(DICY)を用いた場合は120〜140℃で60〜180分間行うことが好ましく、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)を用いた場合は150〜180℃で60〜180分行うことが好ましい。
更に、上記発明のエポキシ樹脂組成物の製造方法は、硬化促進剤を添加する工程を備えることが好ましい。硬化促進剤は、単独で添加しても、第2の硬化剤とともに添加してもよい。
このようにして得られたエポキシ樹脂組成物は、プリプレグ製造の原料として利用することができる。即ち、本発明に係るエポキシ樹脂組成物を所定の方法により基材に含浸させ、所定温度および圧力で加熱乾燥することにより半硬化状態(Bステージ)のプリプレグを製造することができる。
プリプレグの基材は目的に応じて適宜選択されるものであるが、例えば、ガラスクロス、炭素繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維等を使用することができる。また、本発明に係るエポキシ樹脂組成物を基材に含浸させる方法としては、フィルム状に形成したエポキシ樹脂組成物を熱ラミネート(加熱溶融)しながら基材に含浸させるラミネート法や、液状のエポキシ樹脂組成物を溶剤で希釈し、該樹脂組成物を基材に含浸させた後、加熱乾燥を行うディッピング法を用いることができる。このようにして得られたプリプレグは、タック性が低減しハンドリング性に優れたものとなる。
更に、得られたプリプレグを所定温度および圧力で加熱硬化することによって、完全硬化状態(Cステージ)の成形体を製造することができる。成形体の製造は、公知の方法を用いて行うことができる。
エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート827、エポキシ当量180〜190、25℃における粘度90〜110ポイズ、JER社製)100重量部に、第1の硬化剤として、ジアミノジフェニルメタン(MDA−150、三井武田ケミカル社製)5重量部を添加・混合し、120℃で120分間反応させることにより、エポキシ樹脂組成物を得た。表1に反応時間を変更して得られたエポキシ樹脂組成物の重量平均分子量とその分子量分布を併せて示す。分子量分布の測定はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で行った。
Figure 0004344662
[試験例1]エポキシ樹脂組成物の粘度の測定
実施例1で得られたエポキシ樹脂組成物を用い、以下の要領で各エポキシ樹脂組成物の粘度を測定した。即ち、エポキシ樹脂組成物を120℃×120分間の条件で加熱した後、25℃まで冷却したものをサンプルとし、動的粘弾性測定機(TA instruments Japan社製)の専用容器に該サンプルを設置した。そして、周波数1Hz、昇温速度5℃/minの条件で、25℃、50℃、58℃、70℃の各温度におけるエポキシ樹脂組成物の粘度を測定した。結果を表2に示す。
なお、対照として、以下の組成からなるエポキシ樹脂組成物を実施例1と同様にして調製し、実施例1で得られたエポキシ樹脂組成物と粘度の比較を行った。なお、下記の組成において、エピコート827(JER社製)はエポキシ当量が180〜190、25℃における粘度が90〜110ポイズのビスフェノールA型エポキシ樹脂を意味し、DICYはジシアンジアミド(DEGUSSA社製)を意味し、DCMU−99は3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア(保土谷化学社製)を意味し、ECN−1273(旭チバ社製)はエポキシ当量が210〜240g/eqのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を意味する。
(比較例1)
エピコート827 100重量部
DICY 4.5重量部
(比較例2)
エピコート827 100重量部
DICY 4.5重量部
DCMU−99 3重量部
(比較例3)
エピコート827 40重量部
ECN−1273 60重量部
DICY 4.5重量部
DCMU−99 3重量部
Figure 0004344662
実施例1のエポキシ樹脂組成物は25〜70℃の範囲の温度条件下においても粘度の測定が可能であり、温度を適宜調節することにより、所望の粘度に設定することが可能であった。そのため、充填材を分散させる場合でも粘度を調整することにより均一な分散が可能であり、プリプレグや形成体に所望の特性を付与することができる可能性が示唆された。
一方、比較例1のエポキシ樹脂組成物は120℃で120分間反応させても反応が進まず、実施例と比較可能なエポキシ樹脂組成物を得ることができなかった。因みに、比較例1のエポキシ樹脂組成物は反応時間を240分間としても反応が進まず、そのままではエポキシ樹脂組成物としての実用性に乏しいものであった。また、比較例2および3のエポキシ樹脂組成物は粘度測定装置の測定限度を超えるほど粘度が高かったために測定不能であった。そのため、比較例2及び3のエポキシ樹脂組成物は、充填材の使用量が制限されるか充填材の分散性が低下し、所望とする特性を達成することが困難となることが予想された。いずれにしても、比較例1〜3のエポキシ樹脂組成物は、上記の条件で粘度の調整をすることはできなかった。
[試験例2]UDシートのタック性の評価
実施例1で得られたエポキシ樹脂組成物を用いて以下の要領でUDシート(繊維を単一方向に引き揃えたプリプレグ)を製造した。まず、第2の硬化剤としてのジシアンジアミド(DICY)4.5重量部と、硬化促進剤としての3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア(DCMU−99)3重量部をメタノールとアセトンの混合溶媒に溶解した。これを実施例1で得られたエポキシ樹脂組成物に添加・混合し、130℃で60分間反応させることにより、所望のプリプレグ用樹脂組成物を得た。なお、前記混合溶媒の使用量は、第2の硬化剤および硬化促進剤を溶解させる必要最低限の量であり、かつ、プリプレグ用樹脂組成物の粘度がプリプレグを製造することができる程度の範囲内に収まるような量とした。
次に、得られたプリプレグ用樹脂組成物を用い、デッピング法によりプリプレグを製造した。即ち、所望の樹脂量が基材に含浸するようなライン速度で前記プリプレグ用樹脂組成物を基材に含浸させ、その後、加熱乾燥を行うことにより、半硬化状態(Bステージ)のUDシートを得た。なお、基材にはカーボンファイバー(トレカT−700S、東レ社製)を用いた。
なお、対照として、比較例2及び3で得られたエポキシ樹脂組成物を用い、上記と同様、デッピング法によりUDシートを製造した。得られたUDシートについて、UDシートの表面を触診し、以下の基準でタック性の評価を行った。結果を表3に示す。
×:UDシートに触ったとき、含浸している樹脂が指に付着する
○:UDシートに触っても、含浸している樹脂が指に付着しない
Figure 0004344662
[試験例3]UD板の特性評価
試験例2で得られたUDシートを用いて完全硬化状態(Cステージ)の成形体を製造した。即ち、UDシートを複数重ね合わせ、130℃、0.3MPaの条件で180分間熱硬化させることにより、UDシートを積層したUD板を得た。このとき、UD板の繊維含有率(vol%)が60vol%となるようにした。そして、得られたUD板を用い、以下の項目について検討した。
(1)ガラス転移温度
縦8mm×横53mm×厚さ1mm以下のUD板をサンプルとし、10℃/minの条件で動的粘弾性分析法(DMA)で損失正接を測定し、得られた損失正接のピーク値をガラス転移温度(Tg)とした。
(2)曲げ試験
JIS K7074に規定されている「炭素繊維強化プラスチックの曲げ試験方法」に基づき曲げ強さを測定した。即ち、縦15mm×横100mm×厚さ2mmのUD板をサンプルとし、3点曲げで、5mm/min、スパン80mmの条件で行った。
結果を表4に示す。なお、比較例2のUD板は、試験例2でも示したように、プリプレグのタック性に劣り、実施例1と比較対象となり得る程度のUD板を製造することができなかったため、測定不能とした。
Figure 0004344662

Claims (6)

  1. エポキシ樹脂と該エポキシ樹脂を硬化させる第1の硬化剤とを反応させてなるエポキシ樹脂組成物であって、
    前記エポキシ樹脂は、そのエポキシ当量が250g/eq以下であり、かつ、硬化前の25℃における粘度が300ポイズ以下であり、
    前記第1の硬化剤がジアミノジフェニルメタン及び/又は下記式(2)で示されるジアミノジフェニルメタンの誘導体であり、
    前記エポキシ樹脂組成物は、25℃における粘度が1000ポイズ以上であり、かつ、70℃における粘度が200ポイズ以下であり、
    前記エポキシ樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂をさらに硬化させる第2の硬化剤を含み、
    前記エポキシ樹脂組成物を調製するためのエポキシ樹脂の配合量を基準(100重量部)とした場合に、前記第2の硬化剤の配合量が3〜50重量部である、
    エポキシ樹脂組成物。
    Figure 0004344662
    (上記式中、nは1〜5の整数を示す)。
  2. 前記エポキシ樹脂組成物を調製するためのエポキシ樹脂の配合量を基準(100重量部)とした場合に、前記第1の硬化剤の配合量が1〜10重量部である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物が基材に含浸されてなるプリプレグ。
  4. 請求項記載のプリプレグが加熱硬化されて成形された成形体。
  5. エポキシ樹脂と第1の硬化剤とを反応させることによりエポキシ樹脂組成物を得る工程と、
    前記エポキシ樹脂組成物と第2の硬化剤とを反応させる工程と、
    を備え、
    前記エポキシ樹脂は、そのエポキシ当量が250g/eq以下であり、かつ、硬化前の25℃における粘度が300ポイズ以下であり、
    前記第1の硬化剤がジアミノジフェニルメタン及び/又は下記式(2)で示されるジアミノジフェニルメタンの誘導体であり、
    前記エポキシ樹脂組成物は、25℃における粘度が1000ポイズ以上であり、かつ、70℃における粘度が200ポイズ以下であり、
    前記エポキシ樹脂組成物を調製するためのエポキシ樹脂の配合量を基準(100重量部)とした場合に、前記第2の硬化剤の配合量が3〜50重量部である、
    エポキシ樹脂組成物の製造方法。
    Figure 0004344662
    (上記式中、nは1〜5の整数を示す)。
  6. 前記エポキシ樹脂と前記第1の硬化剤との反応は、100〜140℃で30〜240分間行う請求項記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
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