JP4337594B2 - ポリカルボン酸マクロモノマー組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献2には、重合体骨格を製造する際のラジカル重合において、連鎖移動剤としてコバルト錯体を使う方法が提案されている。本方法ではコバルト錯体の毒性が強く、また着色も著しいことから工業化が困難であるという問題があった。特許文献2には水性媒体中での重合は開示されておらず、当然、反応液のpHを制御することも開示されていない。
特許文献3には、220℃以上の高温下でアクリル酸をラジカル重合すると重合体末端に不飽和結合が導入されるという方法が提案されている。しかし、特許文献3には反応液のpHを制御することは開示されておらず、特許文献3に具体的に開示されている方法により得られる重合体は、マイケル付加反応や脱炭酸反応が起き易いために酸の濃度が低下したものとなる場合があり、また著しく着色したものとなる場合もある。
特許文献4には、水酸基を有するマクロモノマーに無水カルボン酸を反応させ、マクロモノマー骨格にカルボシル基を導入する方法が提案されている。しかしながら、本方法では、マクロモノマーの合成後さらに無水カルボン酸の付加反応工程を必要とするので経済的に問題があった。また本法では高い酸価を得るのに限界がある。
特許文献6には、連続攪拌槽型プロセスを使用して、3.5以下のpHおよび20〜90℃の温度において、アクリル酸を水溶液重合させるというアクリル酸重合体の製造方法が提案されているが、マクロモノマーの存在については記載されていない。特許文献6に開示されている方法により得られる重合体には、末端に不飽和基はほとんど導入されず、マクロモノマーが含まれていたとしても純度が低いものにすぎない。
特許文献7には、pHを6〜9の範囲に調整し、95〜100℃の温度においてアクリル酸を水溶液重合させるというアクリル酸重合体の製造方法が提案されている。しかし、特許文献7には末端不飽和結合の存在は全く示唆されておらずマクロモノマーとしての利用概念は示されていない。特許文献7に開示されている方法により得られる重合体は、末端不飽和基の導入率はきわめて小さく、マクロモノマーが含まれていたとしても純度が低いものにすぎない。
特許文献8には、130〜240℃の温度においてアクリル酸を水溶液重合させるというアクリル酸重合体の製造方法が提案されている。しかし、特許文献8には、末端不飽和結合の存在は全く示唆されておらずマクロモノマーとしての利用概念は開示されていない。また、特許文献8には反応液のpHを制御することは開示されておらず、特許文献8に具体的に開示されている方法すなわち重合開始剤を多量に使用して得られる重合体は、末端不飽和基の導入率はきわめて小さく、マクロモノマーが含まれていたとしても純度が低いものにすぎない。さらに、マイケル付加反応や脱炭酸反応が起き易いために酸の濃度が低下したものとなる場合があり、また著しく着色したものとなる場合もある。
特許文献9、特許文献10、特許文献11には、マレイン酸などのエチレン性不飽和ジカルボン酸をアクリル酸などのエチレン性不飽和モノカルボン酸と円滑に共重合させるために、pHを制御する方法が開示されている。しかし、これらの公知文献では、末端不飽和結合の存在は全く示唆されておらずマクロモノマーとしての利用についても示唆されていない。また、実施例に具体的に開示された技術は、重合温度が100〜120℃であり、得られる重合体は、末端不飽和基の導入率はきわめて小さく、マクロモノマーが含まれていたとしても純度が低いものにすぎない。
特許文献1〜4には、カルボキシル基を有し、末端にエチレン性不飽和を有するビニル重合体からなるマクロモノマーが開示されている。
特許文献1および4に記載されているマクロモノマーは、製造方法が本願発明により得られるマクロモノマーとは大きく異なり、生産性が悪いものである。また、マクロモノマーの構造も本願発明により得られるマクロモノマーとは異なる。
特許文献2に記載されているマクロモノマーは、製造方法が本願発明により得られるマクロモノマーとは大きく異なる。また、マクロモノマーが夾雑物を含有し、着色しやすいものである点も本願発明により得られるマクロモノマーとは異なる。
特許文献3に記載されているマクロモノマーの製造方法は、上位概念として本願発明のマクロモノマーの製造方法を開示している。しかし、具体的に開示されている方法により得られる重合体は、酸の濃度が低下したものとなる場合があり、著しく着色したものとなる場合もある点で、本願発明とは異なる。
請求項2に記載の発明のポリカルボン酸マクロモノマー組成物の製造方法は、連続撹拌槽式反応器を使用して、エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体(a−1)20〜100質量%、エチレン性不飽和ジカルボン酸単量体(a−2)0〜30質量%およびその他のエチレン性不飽和単量体(a−3)0〜80質量%からなる単量体混合物を、水性媒体中でpH3.8〜12の範囲、温度110〜240℃の範囲において、全単量体を基準として0〜3mol%のラジカル重合開始剤を添加し、平均滞留時間5〜120分の条件で重合させることを特徴とする。
請求項3に記載の発明のポリカルボン酸マクロモノマー組成物の製造方法は、請求項1または2に記載の発明において、エチレン性不飽和ジカルボン酸単量体(a−2)の割合が0〜10質量%であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明のポリカルボン酸マクロモノマー組成物の製造方法は、請求項1または2に記載の発明において、ラジカル重合開始剤の添加量が全単量体を基準として0〜1mol%であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明のポリカルボン酸マクロモノマー組成物の製造方法は、請求項1または2に記載の発明において、pH4.5〜11の範囲、温度130℃〜215℃の範囲で上記単量体混合物を重合させることを特徴とする。
上記マクロモノマー組成物に含まれるカルボキシル基を有するビニル重合体からなるマクロモノマーおよびビニル単量体を共重合させてグラフト共重合体またはブロック共重合体を効率よく製造することができた。
上記マクロモノマーすなわちポリカルボン酸マクロモノマーならびにポリカルボン酸重合体単位を有するグラフト重合体およびブロック重合体は、様々な用途に有用である。例えば有機顔料分散剤、無機顔料分散剤、増粘剤、会合性増粘剤、凝集剤、紙用ザイズ剤や紙力増強剤などの紙用薬剤、洗剤ビルダー、高分子乳化剤、反応性高分子乳化剤、コーティング、インキバインダー、ニス、相溶化剤などに利用できる。
エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体(a−1)は、分子内にエチレン性不飽和結合および1個のカルボキシル基を有する単量体である。具体例としてはメタクリル酸、アクリル酸などが挙げられる。これらは、一種または二種以上を用いることができる。
(a−1)の割合が20質量%より小さいと酸価が小さくなりすぎる。また末端エチレン性不飽和結合導入率が低下する。(a−2)が30質量%より多いとβ切断が起こりにくくなり末端エチレン性不飽和結合の導入率が低下する。
エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体(a−1)、エチレン性不飽和ジカルボン酸単量体(a−2)およびその他のエチレン性不飽和単量体(a−3)の好ましい割合は、それぞれ50〜100質量%、0〜20質量%および0〜50質量%であり、より好ましい割合は、70〜100質量%、0〜10質量%および0〜30質量%である。
重合温度が低すぎると、生成した重合体の主鎖において起こるβ切断の頻度が低くなるために、重合体の末端にエチレン性不飽和基が導入される割合が小さくなる。また、重合温度が低すぎると、重合体が分岐を有するものとなりやすいため、高分子量化による粘度上昇が起きたりゲル化したりする。重合が連続撹拌槽式反応器を使用して行われる場合には、上記の問題が緩和されるため、重合温度の下限は110℃であり、120℃が好ましく、130℃がより好ましい。重合が連続撹拌槽式反応器を使用せずに行われる場合には、重合温度の下限は130℃が好ましく、140℃がより好ましく、150℃がさらに好ましい。
重合温度の上限は215℃が好ましく、205℃がより好ましい。重合温度が高すぎると、カルボキシル基の分解反応である脱炭酸反応が起こり酸価が小さくなる。また着色も著しくなる。
pHが3.8より小さいと、重合体の末端にエチレン性不飽和基が導入される割合が小さくなる。また、pHが3.8より小さいと、重合体が分岐を有するものとなりやすいため、高分子量化による粘度上昇が起きたりゲル化したりする。さらにマイケル付加生成物が増えて酸の濃度が低下する場合もあり、着色が著しくなる場合もある。
pHが12より大きいと設備が腐食しやすくなる場合がある。
カルボン酸の中和のために使用される中和剤には特に制限は無く、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、有機アミンなどがあげられる。
重合温度およびpHが上記範囲に制御されることにより、連鎖移動剤や多量のラジカル重合開始剤を使用しなくても、分子量が低、末端にβ切断に伴うエチレン性不飽和基が多く導入された重合体すなわちマクロモノマーが効率よく得られる。
重合温度およびpHが上記範囲に制御されることにより、マイケル付加反応や脱炭酸反応に起因する酸濃度の低下が小さく、着色が少なく、カルボキシル基を有するビニル重合体からなるマクロモノマーの含有割合の大きい、すなわち末端エチレン性不飽和の含有率が大きい、マクロモノマー組成物を生産性よく(低コストで)製造することが可能となる。
ここでいう連鎖移動剤とは、Polymer Handbook 4th Editionなどで定義される連鎖移動定数(C=生長反応速度定数kp/連鎖移動反応速度定数kf)の値が10-4以上のものである。具体的にはイソプロピルアルコール、sec-ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、カルビトール、ポリアルキレングリコール、クメン等の有機溶剤、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸等のメルカプタン系化合物、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、次亜リン酸塩、次亜リン酸、ギ酸アンモニウム、硫酸ヒドロキシアンモニウム、ホルムアルデヒド等があげられる。
重量平均分子量が120000より大きいと、マクロモノマー組成物は末端不飽和基導入率が低くなりやすく、マクロモノマー組成物とエチレン性不飽和単量体(b)をラジカル反応させたときに、共重合体が収率よく得られない場合がある。
ポリカルボン酸マクロモノマー組成物の好ましい重量平均分子量は500〜80000であり、より好ましくは1000〜50000、さらに好ましくは1500〜20000である。
Xがカルボキシル基である場合はアルカリにより中和されて、−COONa、−COOK、−COONH4などに例示される塩であるものも含む。
末端不飽和結合導入率(f)=末端エチレン性不飽和結合モル濃度/高分子モル濃度
つまり末端不飽和結合導入率(f)とは高分子1分子が末端に有するエチレン性不飽和結合数の平均値である。本発明における末端不飽和結合導入率は、0.5〜2.5である。好ましくは0.7〜1.5であり、より好ましくは0.8〜1.2である。0.5より小さいと、マクロモノマー組成物とエチレン性不飽和単量体(b)をラジカル反応させるときに、共重合体が収率よく得られない。2.5より大きいと、マクロモノマー組成物とエチレン性不飽和単量体(b)をラジカル反応させるときに、ゲル化や分子量分布を増大させるなどの問題を生じる。
本発明は、重合条件を上記のように制御することにより、式(3)に示す構造を有する重合体の生成割合を小さくし、マクロモノマーを効率的に得られることを見出したのである。
グラフト共重合体を主成分とする共重合体を得ることを意図する場合は、エチレン性不飽和単量体(b)は、エチレン性不飽和単量体(b)全量を基準としてα位に水素を有する単量体を30mol%以上含有するものであることが好ましい。α位に水素を有する単量体を50mol%以上含有するものがより好ましく、70mol%以上含有するものがさらに好ましい。
α位に水素を有する単量体の割合が30mol%未満の場合、つまり、例えばα位にメチル基を有する単量体の割合が70mol%を超える場合、グラフト共重合率が著しく低下する。その理由は以下のように推察している。α位にメチル基を有する単量体がマクロモノマーに付加すると隣接するユニットにメチル基を有する3級ラジカルが生成し、メチル基の影響で3級ラジカルはβ切断を速やかに起こし分岐反応が進行しない。そのため、α位にメチル基を有する単量体の割合が多いとグラフト共重合反応が著しく遅くなると考えられる。
アクリル酸ナトリウム(AA−Na)36g、水64g、t−ブチルハイドロパーオキサイド(TBHP)69%水溶液0.2gを混合した。その混合液は20℃でpH8.0であった。その混合液3gを外径10mmのSUS316製反応管に仕込んで密封した。予め200℃に保ったオイルバスに反応管を完全に浸して30分間後にとりだし、水で急速冷却した。反応管から得られた水溶液は薄黄色で、pH11.0であった。次にイオン交換樹脂でイオン交換を行いナトリウム塩を取り除き、真空乾燥を行い重合体1を得た。その重量から転化率はおよそ90%以上であることが分かった。乾燥したポリアクリル酸を水系GPCで分子量測定を行い、標準ポリアクリル酸で作られた校正曲線で分子量計算したところ重量平均分子量(以下Mw)は3400、数平均分子量(以下Mn)は1300、分子量分布Mw/Mnは2.6であった。また1H−NMR測定をおこない、5.6PPMと6.1PPMに末端エチレン性不飽和結合に由来するピークが観察された。しかし、4.2PPMのマイケル付加反応に伴うエステル由来のピークは全く観察されなかった。末端不飽和結合のピーク強度と1.2PPM〜2.8PPMの主鎖中のプロトンに由来するピーク強度比と数平均分子量から末端不飽和結合導入率(f)を計算した。fは1.5であった。
実施例1と同様な方法で、pHを変えて重合体2〜5、比較重合体1〜2を製造した。 全て重合率は90%以上であった。pH3.5以下では分子量分布が広がり、末端不飽和結合量もpH3.5を超えるものと比べて低くなり、着色も激しかった。結果を表1に示した。
実施例1と同様な方法で、150℃でpHを変えて重合体6〜10、比較重合体3〜4を製造した。重合体6〜10は重合率は90%以上であった。pH3.5以下ではゲル化した。結果を表2に示した。
開始剤に過硫酸ナトリウムを用いる点および反応温度を100℃に変える点以外は実施例1と同様な方法で、pHを変えて比較例6〜9を製造した。全てゲル化した。結果を表3に示した。
アクリル酸ナトリウム(AA−Na)18g、メタクリル酸ナトリウム(MAA−Na)18g、水64g、t−ブチルハイドロパーオキサイド(TBHP)69%水溶液0.2gを混合した。その混合液は20℃でpH7.8であった。その混合液3gを外径10mmのSUS316製反応管に仕込んだ。予め200℃に保ったオイルバスに反応管を完全に浸して30分間後にとりだし、水で急速冷却した。反応管から得られた水溶液は薄黄色で、pH10.7であった。実施例1と同様に分析を行い、Mw2500、Mn1000、Mw/Mn=2.5、fは1.1であった。
オイルジャケット備えた容量1リットルの加圧式攪拌槽型反応器のオイルジャケット温度を、200℃に保った。次いで、アクリル酸ナトリウム(AA−Na)84重量部、アクリル酸(AA)16重量部、水169重量部からなる単量体混合液に、重合開始剤としてターシャリーブチルハイドロパーオキサイド(以下TBHP)0.5重量部を混合し原料タンクに仕込んだ。一定の供給速度(48g/分、滞留時間:12分)で原料タンクから反応器に連続供給し、反応器内の混合液重量が580g一定になるように重合物を反応機出口から連続的に抜き出した。抜き出した反応液のpHは6.5であった。その時の反応器内温は、所望の200℃に保たれた。
単量体混合物の供給開始後、反応器内部の温度が安定してからさらに36分後をほぼ平衡状態に達したと判断し、それから約2.9kgのポリアクリル酸ナトリウム水溶液を回収した。液の色は薄黄色であった。液体クロマトグラフィ−で残存AAを分析すると2.1wt%であった。その結果から重合率は94%であることがわかった。
実施例1と同様にイオン交換処理後、分子量、末端不飽和結合導入率(f)を測定した。Mwは7900、Mnは3100、分子量分布Mw/Mnは2.5であった。また末端不飽和結合導入率(f)は1.1であった。
攪拌機、還流冷却機、温度計、窒素導入管を備えた反応容器内に実施例12で製造したポリカルボン酸ナトリウムマクロモノマー水溶液(重合体12)を100重量部、水100重量部仕込み、窒素雰囲気下で90℃にした。別途調整したアクリル酸ナトリウム(AA−Na)36重量部、アクリル酸(AA)6.9重量部と過硫酸ナトリウム(NPS)0.8重量部、水20重量部からなる単量体溶液を4時間かけて連続的に滴下させた。滴下終了後、過硫酸ナトリウム(NPS)0.1重量部、水4重量部を添加し1時間反応を継続させた。この間反応温度は90℃を保った。
得られた共重合体の分子量はGPC測定からMw52000、Mn8200、Mw/Mn=6.3であった。残存AA−Naから求めた重合率は92%であった。NMRから求めたマクロモノマーの反応率は95%であり、ほとんどのマクロモノマーが反応したことが確認された。
(1)重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)はゲルパーミションクロマトグラフ(GPC)を用いて、溶離液に水+リン酸バッファーを使用し、アクリル酸標準ポリマーを用いてポリアクリル酸換算で測定した。
(2)pHはpHメーターを用いて測定された。実施例1〜11の重合後のpHは5倍に希釈して測定した。
(3)末端不飽和結合導入率(f)
実施例で得られた重合体水溶液は、残存モノマーの影響を取り除くためイオン交換樹脂でイオン交換し、真空乾燥機で乾燥して測定に使用された。1H−NMRで溶媒に重水を用いて測定をおこない、5.6PPMと6.1PPMに末端不飽和結合に由来するピーク強度と1.2PPM〜2.8PPMの主鎖中のプロトン(メチレンおよびメチンのプロトン)に由来するピーク強度比とGPCのMnから下式のとおり計算した。
f=(主鎖のピーク強度/3)/(末端不飽和の水素ピーク強度/2)× 72/Mn
(4)マイケル付加生成量
1H−NMRで溶媒に重水を用いて測定をおこない、4.2PPMのエステルに由来するピーク強度と1.2PPM〜2.8PPMの主鎖中のプロトンに由来するピーク強度比から下式のとおり計算した。
マイケル付加量=(エステルピーク強度/2)/(主鎖のピーク強度/3)×100
(5)着色は目視にて評価した。
(6)残存アクリル酸は、逆相液体クロマトグラフィーでODSカラムを用いて定量した。残存アクリル酸量から重合率を計算した。
表1、2のpH3.5以下をみると150℃でゲル化し、分岐反応が優先して起こることを示し、200℃ではゲル化こそ回避されているが、Mw/Mnは23以上あり分岐反応が頻度高く起こっていることを示している。また、着色、マイケル付加物の量でもpH3.5以下で高い。これらのことからpH3.8〜pH12の領域かつ110℃〜240℃の温度範囲でポリカルボン酸マクロモノマーの製造が最適であることが示された。
Claims (6)
- エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体(a−1)20〜100質量%、エチレン性不飽和ジカルボン酸単量体(a−2)0〜30質量%およびその他のエチレン性不飽和単量体(a−3)0〜80質量%からなる単量体混合物を、水性媒体中でpH3.8〜12の範囲、温度130〜240℃の範囲において、全単量体を基準として0〜3mol%のラジカル重合開始剤を添加して重合させるポリカルボン酸マクロモノマー組成物の製造方法。
- 連続撹拌槽式反応器を使用して、エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体(a−1)20〜100質量%、エチレン性不飽和ジカルボン酸単量体(a−2)0〜30質量%およびその他のエチレン性不飽和単量体(a−3)0〜80質量%からなる単量体混合物を、水性媒体中でpH3.8〜12の範囲、温度110〜240℃の範囲において、全単量体を基準として0〜3mol%のラジカル重合開始剤を添加し、平均滞留時間5〜120分の条件で重合させるポリカルボン酸マクロモノマー組成物の製造方法。
- エチレン性不飽和ジカルボン酸単量体(a−2)の割合が0〜10質量%である請求項1または2に記載のポリカルボン酸マクロモノマー組成物の製造方法。
- ラジカル重合開始剤の添加量が全単量体を基準として0〜1mol%である請求項1または2に記載のポリカルボン酸マクロモノマー組成物の製造方法。
- pH4.5〜11の範囲、温度130℃〜215℃の範囲で上記単量体混合物を重合させる請求項1または2に記載のポリカルボン酸マクロモノマー組成物の製造方法。
- エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体(a−1)20〜100質量%、エチレン性不飽和ジカルボン酸単量体(a−2)0〜30質量%およびその他のエチレン性不飽和単量体(a−3)0〜80質量%からなる単量体混合物を、水性媒体中でpH3.8〜12の範囲、温度110〜240℃の範囲において、全単量体を基準として0〜3mol%のラジカル重合開始剤を添加して重合させて得られるポリカルボン酸マクロモノマー組成物とエ
チレン性不飽和単量体(b)とをラジカル反応させる共重合体の製造方法。
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