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JP4337431B2 - 不定形耐火物用結合剤組成物 - Google Patents

不定形耐火物用結合剤組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不定形耐火物用結合剤組成物に関するものであり、特に吹き付け材などの熱間補修材のバインダーとして好適な樹脂系結合剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、転炉、電気炉、取り鍋などの製鋼設備において、フェノール樹脂を結合剤として使用した黒鉛含有の不焼成煉瓦の使用量が増えている。これに伴い、主に上記の製鋼設備の炉壁、炉底の補修などに用いられる不定形耐火物にも黒鉛、マグネシア、アルミナなどの骨材にフェノール樹脂を結合材として配合したものを用いるケースが増えている。
このような用途に用いられる焼き付け材を例に挙げると、固形あるいは粉末のフェノール樹脂と多価アルコールなどの湿潤剤とを併用したもの、あるいは、ノボラック型フェノール樹脂を予め多価アルコールに溶解したものなどが結合剤として使用されている。
【0003】
一方、吹き付け材においてもフェノール樹脂をバインダーとしたものが使用されている。一般に吹き付け材は転炉、取り鍋などの炉壁の補修材として使用されるものである。しかし、例えばヘキサメチレンテトラミン含有の粉末ノボラック型フェノール樹脂を単独で用いた場合は、硬化時にヘキサメチレンテトラミンの分解による揮発分の発生が多いため発泡し、補修材としての十分な強度が得られない場合がある。また、粉末レゾール型フェノール樹脂を単独で用いた場合は、分子量が一般にノボラック型フェノール樹脂よりも小さいため、樹脂中の揮発性成分量が多く発泡が発生したり、熱せられた壁面に吹き付けると、壁面に付着して硬化する前に壁面からタレてしまい、充分な補修性能が得られなかったりするという欠点があった。
【0004】
これを解決する手段として、ノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂との配合比率が95/5〜50/50である結合剤組成物をバインダーとして使用する方法が実用化されている(例えば、特許文献1参照。)が、吹き付け材の塗布量が多い場合、壁面への熱間付着性などの面で不充分であった。
【0005】
また、これを解決する手段として、ノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂との配合比率が95/5〜50/50で、ノボラック型フェノール樹脂の原料となるフェノール類の一部または全部にクレゾールを使用することにより高分子量化した樹脂が、吹き付け材などの補修壁面への熱間付着性を向上させる方法として提案されている(例えば、特許文献2参照。)が、やはり吹き付け材の塗布量が多い場合ではタレが発生し、さらなる熱間付着性の向上が要求されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−035792号公報
【特許文献2】
特開2000−143750号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の不定形耐火物用結合剤として用いられるフェノール樹脂が有する種々の問題を解決すべく検討の結果なされたものであり、硬化時の揮発分が少なく、熱間付着性の良好な不定形耐火物用結合剤組成物を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明(1)〜()により達成される。
(1)ノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂とを含有する不定形耐火物用結合剤組成物であって、上記ノボラック型フェノール樹脂及び/又は上記レゾール型フェノール樹脂が、硼酸変性フェノール樹脂であり、前記ノボラック型フェノール樹脂と前記レゾール型フェノール樹脂との重量配合比が、ノボラック型フェノール樹脂/レゾール型フェノール樹脂=95/5〜50/50であることを特徴とする不定形耐火物用結合剤組成物。
)上記ノボラック型フェノール樹脂と上記レゾール型フェノール樹脂との合計量に対して、上記硼酸による変性率が3〜30重量%である上記(1)に記載の不定形耐火物用結合剤組成物。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の不定形耐火物用結合剤組成物について説明する。
本発明の不定形耐火物用結合剤組成物(以下、単に「組成物」ということがある)は、ノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂とを含有し、上記ノボラック型フェノール樹脂及び/又は上記レゾール型フェノール樹脂が、硼酸変性フェノール樹脂であることを特徴とする。
【0010】
本発明の組成物に配合されるノボラック型フェノール樹脂(以下、単に「ノボラック樹脂」ということがある)及びレゾール型フェノール樹脂(以下、単に「レゾール樹脂」ということがある)は、フェノール類とアルデヒド類とを重縮合させることによって得られるものである。
ここでいうフェノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール、p−ターシャリーブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノール、他のアルキルフェノール類、カテコール、レゾルシン、ビスフェノール類などであり、これらに限定されるものではない。また、これらを単独、あるいは2種以上を混合して使用しても良い。通常不定形耐火物用としては、残炭率が高いほうが、焼成後に高強度を得られ易いことから、フェノール、クレゾールが用いられる。
【0011】
アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒドなど、またこれらのアルデヒドの発生源となる物質、あるいはこれらのアルデヒド類の溶液などであり、特にこれらに限定されるものではない。また、これらを単独あるいは2種以上を混合して使用しても良い。通常、不定形耐火物用としては、フェノール樹脂合成時の反応性が高いことから、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドが用いられる。
【0012】
本発明の組成物で用いられるノボラック樹脂は、上記フェノール類とアルデヒド類とを、酸性触媒の存在下で反応させて得られるものである。
この酸性触媒としては特に限定されないが、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸などの無機酸、又はパラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、蓚酸、マレイン酸、蟻酸、酢酸、琥珀酸などの有機酸が挙げられる。
このノボラック樹脂は、通常、フェノール類(P)とアルデヒド類(F)とを、モル比(P/F)=0.3〜1.0で仕込み、上記酸性触媒を用いて常法により縮合脱水させて製造することができる。
【0013】
また、本発明の組成物で用いられるレゾール樹脂は、上記フェノール類とアルデヒド類とを、アルカリ性触媒の存在下で反応させて得られるものである。
このアルカリ性触媒としては特に限定されないが、例えば、酢酸亜鉛等の金属塩類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ類、アンモニア、トリエチルアミン等のアミン類が挙げられる。
このレゾール樹脂は、通常、フェノール類(P)とアルデヒド類(F)とを、モル比(P/F)=1.0〜3.0(場合によっては1.0未満あるいは3.0を超えることもある)で仕込み、上記アルカリ性触媒を用いて常法により縮合脱水させて製造することができる。
【0014】
本発明の組成物に用いるノボラック樹脂とレゾール樹脂の配合比率は、ノボラック樹脂/レゾール樹脂=95/5〜50/50であり、さらに好ましくは90/10〜60/40である。これにより、組成物を硬化させた場合に良好な硬化性を得ることができ、熱間付着性を向上させることができる。
レゾール樹脂の比率が上記下限値より少ないと、充分な硬化性が得られないことがある。また、レゾール樹脂の比率が上記上限値より多いと、組成物全体の分子量が小さくなることにより、垂直面や傾斜面のような壁面に付着した後、硬化する前に壁面よりタレてしまい、熱間付着性が低下してしまうことがある。また、樹脂硬化時の揮発成分も多くなり、発泡により充分な強度が得られない場合がある。
【0015】
本発明の組成物に配合されるノボラック樹脂及び/又はレゾール樹脂は、硼酸変性フェノール樹脂であることを特徴とする。これにより、熱間付着性を向上させることができる。
本発明で用いられる硼酸としては特に限定されないが、例えば、オルト硼酸、メタ硼酸、四硼酸、またはこれらを含む混合物である。これらを単独あるいは2種以上を混合して使用しても良い。
【0016】
本発明において、硼酸変性フェノール樹脂を得る方法としては特に限定されないが、例えば、上記のノボラック樹脂やレゾール樹脂を合成する工程において、フェノール類とアルデヒド類との反応前、反応中、あるいは反応後に硼酸を配合し、フェノール樹脂と反応させる方法が、少量の硼酸の配合で、熱間での流動性を調整することができるノボラック樹脂やレゾール樹脂を得られるので好ましい。
【0017】
この硼酸変性フェノール樹脂の硼酸による変性率(ここで変性率とは、硼酸変性フェノール樹脂全体に対する硼酸の配合量を表すものとする)は特に限定されないが、ノボラック樹脂、レゾール樹脂のいずれにおいても、通常、5〜30重量%とすることができる。
【0018】
また、本発明の組成物において、上記ノボラック樹脂と上記レゾール樹脂との合計量に対する、硼酸による変性率としては特に限定されないが、3〜30重量%であることが好ましい。さらに好ましくは5〜20重量%である。(ここで変性率とは、ノボラック樹脂とレゾール樹脂との合計量に対する硼酸の配合量を表すものとする)。
これにより、他の特性に実質的に影響を与えることなく、熱間での流動性を調整し熱間付着性を向上させることができる。硼酸の変性率が上記下限値より少ない場合は、熱間での流動性を低くする効果が充分でなく、タレが発生することがあり、一方、上記上限値より多い場合は、それ以上加えても熱間での流動性を調整する効果のさらなる向上が見られず、また、フェノール樹脂の比率が下がることによる強度の低下が生じてしまうことがある。
なお、上記硼酸による変性率は、用いるノボラック樹脂やレゾール樹脂の分子量、両者の配合割合などにより、適宜最適な範囲を選定して用いることができる。
【0019】
本発明の組成物において、硼酸変性フェノール樹脂を用いることにより、組成物の熱間での流動性を調整することができるメカニズムは、以下のように考えられる。
すなわち、硼酸がフェノール樹脂のフェノール性水酸基と反応することによって得られた硼酸変性フェノール樹脂は、例えば、吹き付け材として用いた場合に、吹き付け直後のように、まだフェノール樹脂の硬化が不充分な状態でも、フェノール樹脂が溶融した時の粘度が下がり過ぎず、流動性を抑えることができるものと思われる。これにより、垂直面あるいは傾斜面の壁面に、本発明の組成物を用いた場合でも、タレが発生せず良好な熱間付着性を得ることができる。
【0020】
本発明の組成物の形態としては特に限定されないが、粉末状が望ましい。液状の場合は施工時の揮発分が多くなり、組成物の配合や硬化条件によっては充分なバインダー効果が得られない場合がある。
【0021】
以上の説明のように、本発明の組成物は、ノボラック樹脂とレゾール樹脂とを併用し、好ましくは
ノボラック樹脂とレゾール樹脂の配合比率を、ノボラック樹脂/レゾール樹脂=95/5〜50/50として用いるものである。これにより、ノボラック樹脂を硬化剤であるヘキサメチレンテトラミンとともに単独で用いた場合、あるいは、レゾール樹脂を単独で用いた場合と比較し、揮発分の発生を低減し、発泡を抑えることができる。
そして、ノボラック樹脂及び/又はレゾール樹脂として、硼酸変性フェノール樹脂を用いることにより、被補修部に吹き付けた直後の組成物の流動性を抑え、タレを防止することができる。このような理由により、垂直面や傾斜面である壁面に用いた場合でも、高い熱間付着性を付与することができるものである。
【0022】
本発明の組成物を不定形耐火物用結合剤として用いる場合は、通常の方法を適用することができる。すなわち、アルミナ、マグネシア、鱗状黒鉛などの耐火骨材と、本発明の組成物とを所定の割合で配合し、これを常法で混錬することにより不定形耐火物を得ることができる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明する。しかし、本発明は実施例によって限定されるものではない。ここに記載されている「部」は全て「重量部」、「%」は全て「重量%」を示す。
【0024】
1.ノボラック樹脂の製造
<製造例1>
攪拌装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、フェノール1000部、及び蓚酸10部を仕込み、内温を100℃まで昇温した後、37%ホルマリン690部(F/P=0.8)を120分間かけて逐添した後、60分間還流反応を行った。その後、硼酸160部を添加し、所望の水分量、遊離フェノール量になるまで減圧下で、脱水、脱フェノールを行った後、内容物を取り出し、固形状の硼酸変性ノボラック樹脂A(硼酸変性率13.9%)1150部を得た。
【0025】
<製造例2>
攪拌装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、フェノール1000部、及び蓚酸10部を仕込み、内温を100℃まで昇温した後、37%ホルマリン690部(F/P=0.8)を120分間かけて逐添した後、60分間還流反応を行った。その後、硼酸80部を添加し、所望の水分量、遊離フェノール量になるまで減圧下で、脱水、脱フェノールを行った後、内容物を取り出し、固形状の硼酸変性ノボラック樹脂B(硼酸変性率7.3%)1100部を得た。
【0026】
<製造例3>
攪拌装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、フェノール1000部、及び蓚酸10部を仕込み、内温を100℃まで昇温した後、37%ホルマリン690部(F/P=0.8)を120分間かけて逐添した後、60分間還流反応を行った。その後、所望の水分量、遊離フェノール量になるまで減圧下で、脱水、脱フェノールを行った後内容物を取り出し、固形状のノボラック樹脂C1050部を得た。
【0027】
2.レゾール樹脂の製造
<製造例4>
攪拌装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、フェノール1000部、50%水酸化ナトリウム10部、37%ホルマリン1290部(F/P=1.5)を仕込み、内温98〜100℃で30分間反応を行った。内温50℃まで冷却後、硼酸160部を添加し、内温50〜60℃で30分間反応させ、さらに28%アンモニア水を20部添加後、加熱し、80〜85℃で15分間反応を行った。さらに内温50℃まで冷却後、静置し、分離水を除去した。ついで所望の水分量、遊離フェノール量になるまで減圧下で、脱水、脱フェノールを行った後、内容物を取り出し、固形状の硼酸変性レゾール樹脂D(硼酸変性率13.3%)1200部を得た。
【0028】
<製造例5>
攪拌装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、フェノール1000部、50%水酸化ナトリウム10部、37%ホルマリン1290部(F/P=1.5)を仕込み、内温98〜100℃で30間反応を行った。内温50℃まで冷却後、28%アンモニア水20部を添加後、加熱し、80〜85℃で15分間反応を行った。さらに内温50℃まで冷却後、静置し、分離水を除去した。ついで所望の水分量、遊離フェノール量になるまで減圧下で、脱水、脱フェノールを行った後、内容物を取り出し、固形状のレゾール樹脂E1050部を得た。
【0029】
3.組成物または結合剤の調製
<実施例1>
製造例1で製造した固形状のノボラック樹脂A70部と、製造例4で製造した固形状のレゾール樹脂D30部とを混合粉砕し、本発明の粉末状組成物Fを得た。
【0030】
<実施例2>
製造例1で製造した固形状のノボラック樹脂A90部と、製造例4で製造した固形状のレゾール樹脂D10部とを混合粉砕し、本発明の粉末状組成物Gを得た。
【0031】
<実施例3>
製造例2で製造した固形状のノボラック樹脂B70部と、製造例4で製造した固形状のレゾール樹脂D30部とを混合粉砕し、本発明の粉末状組成物Hを得た。
【0032】
<実施例4>
製造例1で製造した固形状のノボラック樹脂A70部と、製造例5で製造した固形状のレゾール樹脂E30部とを混合粉砕し、本発明の粉末状組成物Iを得た。
【0033】
<実施例5>
製造例3で製造した固形状のノボラック樹脂C70部と、製造例4で製造した固形状のレゾール樹脂D30部とを混合粉砕し、本発明の粉末状組成物Jを得た。
【0034】
<比較例1>
製造例1で製造した固形状のノボラック樹脂A100部と、ヘキサメチレンテトラミン10部とを混合粉砕し、粉末状不定形耐火物用結合剤組成物Kを得た。
【0035】
<比較例2>
製造例4で製造した固形状のレゾール樹脂D100部を粉砕し、粉末状不定形耐火物用結合剤Lを得た。
【0036】
<比較例3>
製造例3で製造した固形状のノボラック樹脂C70部と、製造例5で製造した固形状のレゾール樹脂E30部とを混合粉砕し、粉末状不定形耐火物用結合剤組成物Mを得た。
【0037】
実施例1〜5と、比較例1〜3で得られた組成物または結合剤について評価した結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0004337431
【0038】
<特性評価>
(1)硼酸変性の割合:ノボラック樹脂とレゾール樹脂との合計量に対する、硼酸変性フェノール樹脂を製造する際に用いた硼酸の配合量を%で算出した。
(2)炭化率:坩堝に試料を入れ、135℃で1時間加熱、さらに430℃で30分間加熱後、坩堝に蓋をしてコークス中でさらに800℃30分間加熱した。800℃で30分間加熱後のサンプルの重量を、坩堝に投入したサンプルの重量で除することにより炭化率を計算した。
(3)発泡性:サンプル1.0gを直径40mmのアルミカップに取り、200℃で60分間加熱した後の状態を目視にて観察した。加熱後のサンプルの高さが20mm未満である場合を「小」、20mm以上である場合を「大」とした。
(4)熱間付着性:内温200℃の乾燥装置内で、200mm×200mm×10mmのセラミックボードを15分間加熱後、取り出し、傾斜45℃に立てかけ、取り出してから3分後にサンプル10gをセラミックボード上に置き、タレの有無を目視で観察した。タレが実質的に見られなかったものを「良好」とした。
【0039】
実施例1〜5はいずれも、ノボラック樹脂とレゾール樹脂とを含有し、ノボラック樹脂及び/又はレゾール型樹脂が、硼酸変性フェノール樹脂であることを特徴とする本発明の組成物であり、発泡性が小さく、熱間付着性に優れたものであった。これに対して、硼酸変性ノボラック樹脂のみをヘキサメチレンテトラミンとともに用いた比較例1、硼酸変性レゾール樹脂のみを用いた比較例2では、発泡性が大きく、比較例2及び硼酸変性していないノボラック樹脂とレゾール樹脂とを用いた比較例3では、吹き付け後のタレが発生し、熱間付着性に劣るものであった。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、ノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂とを含有する不定形耐火物用結合剤組成物であって、上記ノボラック型フェノール樹脂及び/又は上記レゾール型フェノール樹脂が、硼酸変性フェノール樹脂であることを特徴とする。本発明の不定形耐火物用結合剤組成物は、加熱時の発泡も小さく、タレも生じにくく、良好な熱間での付着性を示すことから、不定形耐火物用結合剤として好適に用いられるものである。

Claims (2)

  1. ノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂とを含有する不定形耐火物用結合剤組成物であって、前記ノボラック型フェノール樹脂及び/ 又は前記レゾール型フェノール樹脂が、硼酸変性フェノール樹脂であり、前記ノボラック型フェノール樹脂と前記レゾール型フェノール樹脂との重量配合比が、ノボラック型フェノール樹脂/レゾール型フェノール樹脂=95/5〜50/50であることを特徴とする不定形耐火物用結合剤組成物。
  2. 前記ノボラック型フェノール樹脂と前記レゾール型フェノール樹脂との合計量に対して、前記硼酸による変性率が3〜30重量%である請求項1に記載の不定形耐火物用結合剤組成物。
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