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JP4329305B2 - 有機el素子 - Google Patents

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JP4329305B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、陽極と陰極とからなる一対の電極間に複数の有機層が挟まれてなる有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子に関し、更に詳しくは、発光効率が高く、かつ発光安定性に優れた青色発光層を有する有機EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)は、自己発光のため、高輝度で高視野角などの高視認性を有しており、かつ数V〜数十Vの低電圧駆動が可能なため駆動回路を含めた軽量化が可能である。そこで薄膜型ディスプレイ、照明、バックライト等としての活用が期待できる。
【0003】
有機EL素子は、陽極と陰極とからなる一対の電極間に複数の積層された有機層が挟まれてなるもので、一般に、陽極側から陰極側にかけて正孔輸送層、発光層、電子輸送層等の有機層が設けられている。
【0004】
そして、発光を行う発光層へは、陽極から正孔輸送層を介して正孔が、陰極から電子輸送層を介して電子がそれぞれ注入され、発光層内にて正孔と電子とが再結合し、このとき発生するエネルギーにより発光層中の発光材料が発光するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような有機EL素子は、種々の発光スペクトルを有する発光材料を組み合わせることにより、混色によってさまざまな発光が可能となることも特徴である。例えば、緑〜赤色については、アルミキレート等の緑色発光材料にドーパントを導入することにより緑〜赤の発光が可能である。
【0006】
しかしながら、青色発光素子については、次のような問題がある。青色発光素子は、その母材が380nm以上510nm未満のピーク波長を持つ発光スペクトルを有する有機層(以下、青色発光層という)である。
【0007】
青色発光層よりも陽極側に位置する正孔輸送層は、通常、エネルギーギャップが大きいが、青色発光層もエネルギーギャップが大きい。そのため、青色発光層と正孔輸送層との間のエネルギー障壁が小さく、陰極側から移動してくる電子は、青色発光層を超えて正孔輸送層へ注入されやすい。
【0008】
このように、青色発光層を含む有機EL素子では、正孔輸送層への電子注入があるために、正孔輸送層の母材(例えばアミン系である正孔輸送性材料)が励起される。すると、正孔輸送層は、励起状態を保持することが不安定であるため、正孔輸送層の劣化が生じる。その結果、素子全体での輝度低下も早いという問題がある。
【0009】
この正孔輸送層の母材を励起させない工夫として、従来、正孔輸送層に蛍光色素をドープする方法が知られている。例えば、特開2000−182768号公報では、正孔輸送層中に、蛍光色素を添加して正孔輸送性発光層とすることによって、正孔輸送層において母材を励起させることなく蛍光色素を発光させるようにしている。それによれば、母材の劣化を防止することができると考えられるが、正孔輸送層の母材(正孔輸送材料)への電子注入を完全に阻止することは困難である。
【0010】
また、正孔輸送層への電子注入を阻止する方法として、特開平3−230583号公報に提案されているように、エネルギーレベルの相対関係を調節する方法が挙げられる。この方法では、電子・正孔のエネルギー準位が井戸型になるように調整されている。混色発光を実現させるためには、井戸型層を2層の積層構造にすることも知られている。
【0011】
しかしながら、この構造の場合、井戸型層を発光層として正孔輸送層への電子注入を阻止できるものの、井戸型層はエネルギーギャップの比較的狭い層であるため、井戸型層においてエネルギーギャップの狭い緑よりも長波長の発光を実現することはできても、青色といったエネルギーギャップの広い短波長の発光を実現することは困難である。
【0012】
そこで、本発明は上記問題に鑑み、陽極と陰極とからなる一対の電極間に複数の有機層が挟まれてなる有機EL素子において、陽極側の正孔輸送層の母材の劣化を防止しつつ、青色成分を含む発光を適切に行えるようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電極間の複数の有機層において、互いの伝導帯最低準位の関係を規定することで陽極側の有機層(つまり、正孔輸送層)への電子注入を抑制すること、および、蛍光色素が電子を捕獲する性質を持つことを利用し、陰極側の有機層に蛍光色素を添加し陰極側有機層にて発光を行うことに着目してなされたものである。
【0014】
すなわち、請求項1に記載の発明では、陽極(20)と陰極(40)とからなる一対の電極(20、40)間に複数の有機層(31、32、33)が挟まれてなる有機EL素子において、複数の有機層は、陽極側に位置する正孔輸送層としての第1の有機層(31)と、陰極側に位置する第3の有機層(33)と、第1及び第3の有機層に挟まれた第2の有機層(32)とを備えるものであり、第3の有機層は、青色発光スペクトル特性を有する母材に青色発光する蛍光色素が添加されたものであり、第2の有機層(32)は、第2の有機層の母材に蛍光色素が添加されたものであり、第2の有機層の母材の伝導帯最低準位(Ec32)が、第1の有機層の母材の伝導帯最低準位(Ec31)および第3の有機層の母材の伝導帯最低準位(Ec33)よりも低くなっており、第2の有機層の母材に添加された蛍光色素の伝導帯最低準位(Ec32’)が、第2の有機層の母材の伝導帯最低準位よりも低くなっていることを特徴としている。
【0015】
それによれば、第2の有機層(32)の伝導帯最低準位(Ec32)が、その両側に位置する第1および第3の有機層の伝導帯最低準位(Ec31、Ec33)よりも低くなる。そのため、陰極(40)から第3の有機層(33)を超えて移動する電子は、第2の有機層に捕獲され、陽極(20)側に位置し正孔輸送層として機能する第1の有機層(31)へは注入されにくくなる。
【0016】
また、陰極(40)側の第3の有機層(33)においては、その母材が青色発光領域の広いエネルギーギャップを有するものであるため、添加される蛍光色素としても青色発光を有するものを選択することができる。
【0017】
そのため、上記伝導帯最低準位の関係を満足すべく第2の有機層(32)のエネルギーギャップを小さくするために、第2の有機層を、青色発光領域よりも長波長領域(緑〜赤)にピーク波長を持つ発光スペクトルを有するものにしても、第3の有機層の蛍光色素として青色発光するものを選択すれば、第3の有機層にて青色発光が可能である。
【0018】
これは、上述したように、蛍光色素に電子を捕獲する性質があること、および、陽極(20)から第1及び第2の有機層(31、32)を超えて第3の有機層(33)へ正孔を注入させることができることにより、第3の有機層内にて電子と正孔とが再結合し蛍光色素が発光するためである。
【0019】
このように、本発明によれば、陽極(20)側の第1の有機層(31)への電子注入を抑制し、陰極(40)側の第3の有機層(33)にて青色発光を確保することができるため、陽極側の正孔輸送層の母材の劣化を防止しつつ、青色成分を含む発光を適切に行えるようにすることができる。さらに、本発明によれば、第3の有機層(33)だけでなく、第2の有機層(32)も蛍光色素を含むものにしているので、蛍光色素の電子捕獲性により第2の有機層の電子捕獲性を向上させることができる。また、第2および第3の有機層の両蛍光色素の発光を組み合わせることにより、発光色の選択性が広がる。
【0020】
また、請求項2に記載の発明では、第1の有機層(31)の母材が、青色発光スペクトル特性を有するものであることを特徴としている。
【0021】
それによれば、第2の有機層(32)を挟んで、第3の有機層(33)だけでなく第1の有機層(31)も青色発光領域にピーク波長を持つ発光スペクトルを有するものとなり、請求項1に記載の各有機層間の伝導帯最低準位の関係を、好適に満足することができる。
【0024】
また、上記請求項1に記載の伝導帯最低準位の関係を好適に満足するには、請求項に記載の発明のように、第1の有機層(31)の母材のエネルギーギャップと第3の有機層(33)の母材のエネルギーギャップとの差が、0.4eV以下であるようなエネルギーギャップ関係を設定することになる。
【0025】
さらに、上記請求項1に記載の伝導帯最低準位の関係を満足し、それによる正孔輸送層への電子注入抑制効果を確保するためには、請求項に記載の発明のように、第2の有機層(32)の母材の伝導帯最低準位(Ec32)が第3の有機層(33)の母材の伝導帯最低準位(Ec33)よりも0.1eV以上低いことが好ましい。
【0026】
また、請求項に記載の発明では、第2の有機層(32)または第3の有機層(33)において、蛍光色素のエネルギーギャップが、当該蛍光色素が添加される母材のエネルギーギャップよりも小さいことを特徴とする。それにより、好適に蛍光色素を発光させることができる。
【0027】
また、請求項に記載の発明では、第2の有機層(32)が第3の有機層(33)に比べて薄いものであることを特徴とする。
【0028】
上述したように、第3の有機層(33)にて蛍光色素を発光させるべく、陽極(20)から第1及び第2の有機層(31、32)を超えて正孔を注入させるが、第2の有機層(32)が厚いと第3の有機層への正孔の移動が行われにくくなる。その点、本発明のように、第2の有機層を第3の有機層に比べて薄いものにすれば、当該正孔の移動を確保するためには好ましい。
【0029】
また、請求項に記載の発明では、陽極(20)と陰極(40)とからなる一対の電極(20、40)間に複数の有機層(31a、33)が挟まれてなる有機EL素子において、複数の有機層は、陽極側に位置する正孔輸送層としての第1の有機層(31a)と、この第1の有機層よりも陰極側に位置する第2の有機層(33)とを備えるものであり、第2の有機層は、青色発光スペクトル特性を有する母材に青色発光する蛍光色素が添加されたものであり、第1の有機層は、その母材中に、第2の有機層の母材の伝導帯最低準位(Ec33)よりも低い伝導帯最低準位(Ec31a’)を有するドーパントが添加されたものであり、ドーパントが銅フタロシアニンであることを特徴としている。
【0030】
それによれば、陰極(40)側の第2の有機層(33)においては、その母材が青色発光領域の広いエネルギーギャップを有するものであるため、添加される蛍光色素としても青色発光を有するものを選択することができる。
【0031】
そして、本発明では、請求項1における第3の有機層(33)と同様、第2の有機層(33)にて青色発光が可能である。つまり、陽極(20)から第1の有機層(31a)を超えて第2の有機層(33)へ注入された正孔が、第2の有機層(33)の蛍光色素に捕獲された電子と再結合し、第2の有機層(33)にて蛍光色素が発光する。
【0032】
また、本発明では、陽極(20)側の第1の有機層(31a)が正孔輸送層として機能するが、この第1の有機層の母材中に、第2の有機層(33)の母材の伝導帯最低準位(Ec33)よりも低い伝導帯最低準位(Ec31a’)を有するドーパントが添加されている。
【0033】
それにより、陰極(40)から第2の有機層(33)を超えて第1の有機層(31a)へ入ってくる電子は、ドーパントに捕獲され、第1の有機層の母材へは注入されにくくなる。つまり、第1の有機層には、電子捕獲部としてのドーパントが形成されることにより、第1の有機層の母材の電子による励起が抑制される。
【0034】
このように、本発明によっても、陽極(20)側の第1の有機層(31a)への電子注入を抑制し、陰極(40)側の第2の有機層(33)にて青色発光を確保することができるため、陽極側の正孔輸送層の母材の劣化を防止しつつ、青色成分を含む発光を適切に行えるようにすることができる。
【0042】
また、請求項8に記載の発明では、陽極(20)と陰極(40)との間に陽極側から正孔輸送層(31)、発光層(33a、33b)を介在させてなる有機EL素子において、発光層は、正孔輸送層側に位置する第1の発光層(33a)と第1の発光層よりも陰極側に位置する第2の発光層(33b)とからなり、第2の発光層の母材は青色発光スペクトル特性を有する電子輸送性材料Cであり、第1の発光層の母材は、青色発光スペクトル特性を有する正孔輸送性材料Aと第2の発光層の母材である電子輸送性材料Cの伝導帯最低準位(Ec33b)よりも低い伝導帯最低準位(Ec33a’)を有する電子輸送性材料Bとの混合物からなり、第1の発光層および第2の発光層には蛍光色素が添加されており、第2の発光層に添加された蛍光色素は青色発光するものであり、第1の発光層に添加された蛍光色素の伝導帯最低準位(Ec33a”)が、第2の発光層の母材である電子輸送性材料Cの伝導帯最低準位よりも低くなっていることを特徴とする。
【0043】
それによれば、第2の発光層に対しては、陰極側から電子が注入され、第1の発光層の正孔輸送性材料Aによって正孔輸送層からの正孔が注入される。そのため、第2の発光層において蛍光色素が発光可能である。
【0044】
さらに、第2の発光層においては、その母材である電子輸送性材料Cが青色発光領域の広いエネルギーギャップを有するものであるため、添加される蛍光色素としても青色発光を有するものを選択することができる。よって、第2の発光層にて青色発光が可能である。
【0045】
また、第1の発光層に対しては、陰極側からの電子が第2の発光層の電子輸送性材料Cを介して注入され、陽極側からの正孔が正孔輸送層を介して注入される。そして、第1の発光層内に注入された正孔、電子は、それぞれ第1の発光層の母材である正孔輸送性材料A、電子輸送性材料Bの持つ輸送機能によって第1の発光層全域へ行き渡る。
【0046】
そのため、第1の発光層全域において蛍光色素が効率よく発光する。こうして、本発明の有機EL素子では第1の発光層からの発光と第2の発光層からの発光の混色発光が行われる。
【0047】
また、本発明では、第1の発光層の母材である電子輸送性材料Bは、その伝導帯最低準位(Ec33a’)が第2の発光層の母材である電子輸送性材料Cの伝導帯最低準位(Ec33b)よりも低い。
【0048】
そのため、陰極から第2の発光層を介して第1の発光層に注入されてくる電子は、この電子輸送性材料Bに捕獲される。そして、捕獲された電子は上述のように第1の発光層における蛍光色素の発光に寄与する。つまり、陰極側からの電子は、第1の発光層における電子輸送性材料Bおよび蛍光色素に捕獲されて第1の発光層内に留まり、正孔輸送層へは注入されにくくなる。
【0049】
ちなみに、もし第1の発光層の母材である電子輸送性材料Bと第2の発光層の母材である電子輸送性材料Cとが同一材料である、すなわち、両電子輸送性材料B、Cの伝導帯最低準位が同一であると、陰極から第2の発光層を介して第1の発光層に注入された電子は、第1の発光層の電子輸送性材料Bに捕獲されずに、第1の発光層を越えて正孔輸送層へ注入されやすくなってしまう。
【0050】
このように本発明によれば、陽極側の正孔輸送層への電子注入を抑制して正孔輸送層の母材の劣化を防止しつつ、第2の発光層にて青色発光系の蛍光色素を選択することで青色成分を含む発光を適切に行えるようにすることができる。
【0051】
また、請求項に記載の発明では、第1の発光層(33a)の母材である電子輸送性材料Bの伝導帯最低準位(Ec33a’)が、第2の発光層(33b)の母材である電子輸送性材料Cの伝導帯最低準位(Ec33b)よりも0.1eV以上低いことを特徴とする。
【0052】
第1の発光層の電子輸送性材料Bの伝導帯最低準位が、第2の発光層の電子輸送性材料Cの伝導帯最低準位よりも低いということについて、明確な準位の差を設けるには0.1eV以上の差があることが好ましい。
【0053】
また、請求項10に記載の発明では、第1の発光層(33a)の母材を構成する混合物において、電子輸送性材料Bの価電子帯最高準位(Ev33a’)が正孔輸送性材料Aの価電子帯最高準位(Ev33a)よりも低いことを特徴とする。
【0054】
それによれば、第1の発光層と第2の発光層とをバランス良く発光させることができ、好ましい。
【0055】
もし、電子輸送性材料Bの価電子帯最高準位(Ev33a’)が正孔輸送性材料Aの価電子帯最高準位(Ev33a)よりも高いと、第1の発光層から第2の発光層へ移動しようとする正孔が、電子輸送性材料Bに捕獲されて第2の発光層へ行きにくくなる。すると、第2の発光層へ十分に正孔が注入されず、第2の発光層の発光が不十分になってしまう。
【0056】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態について、同一部分には図中、同一符号を付してある。
【0058】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る有機EL素子S1の概略断面図である。この有機EL素子S1は、ガラスなどの可視光に対して透明性を有した基板10の上にて、透明導電膜よりなる陽極20と金属等よりなる陰極40とからなる一対の電極20、40間に複数の有機層30〜34が挟まれてなるものである。
【0059】
この有機EL素子S1において、基板10上の各層は真空蒸着法等により成膜されるものである。そして、一対の電極20、40間に電圧を印加し、有機層30〜34からの発光を基板10側から取り出すようにしている。
【0060】
各有機層は、陽極20側から陰極40側にかけて、正孔注入層30、正孔輸送層31、電子捕獲層32、発光層33、電子輸送層34の5層が、この順に積層されたものである。
【0061】
ここにおいて、本実施形態では、中央の3層31、32、33について、正孔輸送層31を陽極20側に位置する第1の有機層、発光層33を陰極40側に位置する第3の有機層、電子捕獲層32を第1及び第3の有機層に挟まれた第2の有機層としている。
【0062】
正孔輸送層(第1の有機層)31としては、正孔輸送性材料よりなる母材が380nm以上510nm未満のピーク波長を持つ発光スペクトル(青色発光スペクトル特性)を有するものを用いることが好ましい。また、発光層(第3の有機層)33としては、上記青色発光スペクトル特性を有する母材に蛍光色素が添加されたものを用いることが必要である。
【0063】
また、電子捕獲層(第2の有機層)32としては、発光スペクトルのピーク波長は特に限定しないが、典型的には、その母材が510nm以上のピーク波長を持つ発光スペクトルを有するものを採用する。つまり、典型的には、電子捕獲層32の母材は、青色発光領域よりも長波長(緑〜赤)側にピーク波長を持つ発光スペクトルを持つものにできる。
【0064】
また、本実施形態では、これら第1から第3の有機層31〜33のエネルギー準位を次のように設定している。図2は、第1から第3の有機層31〜33のエネルギー準位を示す図である。図2中、M1は陽極20の仕事関数、M2は陰極40の仕事関数である。
【0065】
正孔輸送層(第1の有機層)31の母材において伝導帯最低準位をEc31、価電子帯最高準位をEv31とし、電子捕獲層(第2の有機層)32の母材において伝導帯最低準位をEc32、価電子帯最高準位をEv32とし、発光層(第3の有機層)33の母材において伝導帯最低準位をEc33、価電子帯最高準位をEv33とする。なお、発光層33中の破線は、発光層33の蛍光色素の伝導帯最低準位Ec33’および価電子帯最高準位Ev33’である。
【0066】
図2に示すように、電子捕獲層(第2の有機層)32の母材の伝導帯最低準位Ec32が、その両側に位置する正孔輸送層(第1の有機層)31の母材の伝導帯最低準位Ec31および発光層(第3の有機層)33の母材の伝導帯最低準位Ec33よりも低くなっている。
【0067】
このような伝導帯最低準位Ec31、Ec32、Ec33の関係によれば、陰極40から発光層33を超えて移動する電子は、電子捕獲層32に捕獲され、陽極20側に位置する正孔輸送層31への注入が抑制される。
【0068】
また、陰極40側の発光層33においては、その母材が青色発光スペクトル特性を有し、広いエネルギーギャップを有するものである。そのため、当該発光層33に添加される蛍光色素としても青色発光を有するものを選択することができる。
【0069】
それにより、上記伝導帯最低準位の関係を満足すべく電子捕獲層32のエネルギーギャップを小さくするために、電子捕獲層32を、青色発光領域よりも長波長領域にピーク波長を持つ発光スペクトルを有するものにしても、発光層33の蛍光色素として青色発光するものを選択することができるから、発光層33にて青色発光が可能である。
【0070】
これは、蛍光色素に電子を捕獲する性質があること、および、陽極20から正孔輸送層31および電子捕獲層32を超えて発光層33へ正孔を注入させることができることにより、発光層33内にて電子と正孔とが再結合し蛍光色素が発光するためである。
【0071】
このように、本実施形態によれば、陽極20側の正孔輸送層31への電子注入を抑制し、陰極40側の発光層33にて青色発光を確保することができるため、正孔輸送層31の母材の劣化防止しつつ、青色成分を含む発光を適切に行えるようにすることができる。
【0072】
また、本実施形態においては、電子捕獲層(第2の有機層)32は、電子捕獲層32を構成する母材に蛍光色素が添加されたものでも良い。電子捕獲性を持つ蛍光色素を電子捕獲層32に添加することで、電子捕獲層32の電子捕獲性を向上させることができる。また、電子捕獲層32および発光層33の両蛍光色素の発光を組み合わせることにより、発光色の選択性が広がる。
【0073】
また、上述したように、上記伝導帯最低準位の関係を満足するには、正孔輸送層31の母材および発光層31の母材を、ともに青色発光スペクトル特性を有し広いエネルギーギャップ(例えば3eV程度)を有するものにすることが好ましいが、この場合、正孔輸送層31の母材のエネルギーギャップ(Ec31−Ev31)と発光層33の母材のエネルギーギャップ(Ec33−Ev33)との差は、典型的には0.4eV以下程度に設定される。
【0074】
また、上記伝導帯最低準位の関係を満足し、それによる正孔輸送層31への電子注入抑制効果を確保するためには、電子捕獲層(第2の有機層)32の母材の伝導帯最低準位Ec32が、発光層(第3の有機層)33の母材の伝導帯最低準位Ec33よりも0.1eV以上低いことが好ましい。
【0075】
また、上述したように、発光層33にて蛍光色素を発光させるべく、陽極20から正孔輸送層31及び電子捕獲層32を超えて正孔を注入させる。このとき、電子捕獲層32が厚いと発光層33への正孔の移動が行われにくくなる。その点を鑑みて当該正孔の移動を確保するためには、電子捕獲層32を発光層33に比べて薄いものにすることが好ましい。
【0076】
このように、本実施形態によれば、上記第1〜第3の有機層31〜33において、第3の有機層33を、青色発光スペクトル特性を有する母材に蛍光色素が添加されたものとし、第2の有機層32の母材の伝導帯最低準位Ec32を、第1の有機層31の母材の伝導帯最低準位Ec31および第3の有機層33の母材の伝導帯最低準位Ec33よりも低くした構成(第1の構成)を採用することで、正孔輸送層(第1の有機層)31への電子注入抑制および第3の有機層33の蛍光色素による青色発光の実現が図れる。
【0077】
なお、本実施形態では、正孔輸送層(第1の有機層)31は、その母材が青色発光スペクトル特性を有するものでなくても良い。つまり、上記伝導帯最低準位の関係が満足できるものであるならば、正孔輸送層31は、青色よりも長波長側の緑色や赤色の発光スペクトル特性を有するものでも良い。
【0078】
しかし、正孔輸送層31の母材も、発光層31の母材と同様に、青色発光スペクトル特性を有するものとすれば、正孔輸送層31の母材のエネルギーギャップは広いものとなる。そして、正孔輸送層31の母材の伝導帯最低準位Ec31を電子捕獲層32の母材の伝導帯最低準位Ec32よりも大きくすることが容易になる。
【0079】
このような見方をすれば、上記第1〜第3の有機層31〜33において、第1の有機層31の母材を青色発光スペクトル特性を有するものとし、第3の有機層33を、青色発光スペクトル特性を有する母材に蛍光色素が添加されたものとし、第2の有機層32を、その母材が510nm以上のピーク波長を持つ発光スペクトルを有するものとした構成(第2の構成)においても、上記した本実施形態の効果が発揮される。
【0080】
つまり、青色発光スペクトル特性を有する第1および第3の有機層31、33の母材は共に、比較的広いエネルギーギャップを有する。それに対し、青色よりも長波長領域の発光スペクトル特性を有する第2の有機層32の母材は、比較的狭いエネルギーギャップを有するものとなる。
【0081】
そのため、第2の有機層32の母材の伝導帯最低準位Ec32は、その両側の第1および第3の有機層31、33の母材の伝導帯最低準位Ec31、Ec33よりも低いものになり、上記伝導帯最低準位の関係が満足される。それにより、第2の有機層32による電子捕獲が行われる。
【0082】
このように、上記第2の構成においても、正孔輸送層(第1の有機層)31への電子注入抑制がなされるとともに、第3の有機層33の蛍光色素による青色発光の実現が図れるため、正孔輸送層の母材の劣化防止しつつ、青色成分を含む発光を適切に行えるようにすることができる。
【0083】
また、別の見方をすれば、本実施形態は、陽極20と陰極40との間に複数の有機層30〜34が挟まれてなる有機EL素子において、有機層は、陽極20側に位置する正孔輸送層31と、陰極40側に位置する陰極側有機層としての発光層33と、正孔輸送層31および陰極側有機層33に挟まれ電子を捕獲する機能を有する電子捕獲層32とを備えるものであり、陰極側有機層33は、380nm以上510nm未満のピーク波長を持つ発光スペクトルを有する母材に蛍光色素が添加された構成(第3の構成)であるとも言える。
【0084】
つまり、電子捕獲層32によって発光層(陰極側有機層)33からの電子が捕獲されることで正孔輸送層31への電子注入抑制効果が発揮される。それとともに、陰極側有機層33において、蛍光色素を選択することによる青色発光が可能である。そのため、この第3の構成によっても、正孔輸送層31の母材の劣化防止しつつ、青色成分を含む発光を適切に行えると言える。
【0085】
次に、本実施形態について限定するものではないが、以下の具体例を参照して、より詳細に述べる。なお、各例中に述べる材料は公知のものであるが、代表的なものについては、図3、図4に、その主骨格を表す。
【0086】
(第1の具体例)
ガラス基板10上に、透明電極としてITO(インジウム−錫の酸化物)よりなる陽極20をスパッタリング法により形成した。なお、陽極20は、インジウム−亜鉛の酸化物でも良く、その膜厚は、100nm〜1μm程度にできる。本例では、陽極20の膜厚は、好ましい値として150nm程度とした。
【0087】
その上に、正孔注入層30として銅フタロシアニン(価電子帯最高準位Ev30:5.3eV、伝導帯最低準位Ec30:3.6eV、エネルギーギャップEg:1.7eV)を、真空蒸着法により膜厚20nmにて形成した。
【0088】
その上に、正孔輸送層31としてトリフェニルアミン4量体(価電子帯最高準位Ev31:5.4eV、伝導帯最低準位Ec31:2.4eV、Eg:3.0eV、発光スペクトルのピーク波長Wp:420nm)を、真空蒸着法により膜厚40nmにて形成した。
【0089】
その上に、電子捕獲層32として、母材としてのトリス(8−キノリール)アルミニウム(以下、Alqという、価電子帯最高準位Ev32:5.6eV、伝導帯最低準位Ec32:3.1eV、Eg:2.5eV、Wp:530nm)に、蛍光色素としてのDCJTB(図3参照、価電子帯最高準位Ev32’:5.3eV、伝導帯最低準位Ec32’:3.2eV、Eg:2.1eV、Wp:600nm)を1%添加したものを、真空蒸着法により膜厚2nmにて形成した。
【0090】
その上に、発光層33として、母材としてのBAlq(図4参照、価電子帯最高準位Ev33:5.8eV、伝導帯最低準位Ec33:3.0eV、Eg:2.8eV、Wp:490nm)に、蛍光色素としてのペリレン(価電子帯最高準位Ev33’:5.5eV、伝導帯最低準位Ec33’:2.6eV、Eg:2.9eV、Wp:450nm)1wt%を添加したものを、真空蒸着法により膜厚40nmにて形成した。
【0091】
さらに、電子輸送層34としてAlqを真空蒸着法により膜厚20nmにて形成した。これら有機層30〜34を形成した後、蒸着法により、LiFを膜厚0.5nmにて成膜し、その次に、Al(アルミニウム)を膜厚100nmにて成膜し、これらLiF/Alの積層膜により陰極40を形成した。
【0092】
こうして得られた本例の有機EL素子S1は、電子捕獲層32の蛍光色素DCJTBによる600nmの発光(赤色系)と、発光層33の蛍光色素ペリレンによる450nmの発光(青色系)との同時発光により、白色発光を行う白色発光素子である。
【0093】
本例の有機EL素子S1におけるエネルギー準位を図5に模式的に示す。電子捕獲層(第2の有機層)32の母材(Alq)の伝導帯最低準位Ec32(3.1eV)が、正孔輸送層(第1の有機層)31の母材(トリフェニルアミン4量体)の伝導帯最低準位Ec31(2.4eV)および発光層(第3の有機層)33の母材(BAlq)の伝導帯最低準位Ec33(3.0eV)よりも低くなっている。
【0094】
そして、本例の有機EL素子S1について、85℃環境で高温作動試験した時の輝度劣化特性を調べた。その結果を図6に示す。なお、図6では、比較例として、上記特開2000−182768号公報に示されている正孔輸送層に蛍光色素を添加した構造のものについても、同様に調べた結果を示している。さらに図6では後述する第3実施形態の具体例(第4具体例)の結果も並記してある。
【0095】
この比較例のエネルギー準位を図7に模式的に示す。このものは、上記図5に示すものにおいて、電子捕獲層32を無くし、正孔輸送層31の母材(トリフェニルアミン4量体)に蛍光色素4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM1、価電子帯最高準位Ev31’:5.4eV、伝導帯最低準位Ec31’:3.5eV、Wp:570nm以上610nm未満)を0.25%程度添加したものである。
【0096】
図6からわかるように、本第1の具体例の有機EL素子S1は、電子捕獲層32による正孔輸送層31への電子注入抑制効果が発揮され、正孔輸送層31の母材の劣化防止がなされるため、上記比較例に比べて、輝度低下の度合が遅く、寿命が長いものとすることができる。
【0097】
(第2の具体例)
本具体例は、電子捕獲層32を2層とし、各層に発光色の異なる蛍光色素を添加したものである。
【0098】
上記第1の具体例と同様に、ガラス基板10上に、膜厚150nm程度のITOよりなる陽極20、膜厚20nmの銅フタロシアニンよりなる正孔注入層30、膜厚40nmのトリフェニルアミン4量体よりなる正孔輸送層31を順次形成した。
【0099】
その上に、第1の電子捕獲層32aとして、母材としてのAlqに蛍光色素としてのルブレン(価電子帯最高準位Ev32a’:5.4eV、伝導帯最低準位Ec32a’:3.2eV、Eg:2.2eV、Wp:555nm)を5%添加したものを、真空蒸着法により膜厚10nmにて形成した。
【0100】
その上に、第2の電子捕獲層32bとして、母材としてのAlqに蛍光色素としてのジメチルキナクリドン(価電子帯最高準位Ev32b’:5.5eV、伝導帯最低準位Ec32b’:3.2eV、Eg:2.3eV、Wp:535nm)を2%添加したものを、真空蒸着法により膜厚2nmにて形成した。
【0101】
その上に、上記第1の具体例と同様に、母材としてのBAlqに蛍光色素としてのペリレンを1wt%添加してなる発光層33を膜厚40nmにて形成し、Alqよりなる電子輸送層34を膜厚20nmにて形成し、LiF/Alの積層膜よりなる陰極40を形成した。
【0102】
こうして得られた本例の有機EL素子S1は、電子捕獲層32(32aと32b)の両蛍光色素ルブレン、ジメチルキナクリドンによる、それぞれ555nmの発光、535nmの発光と、発光層33の蛍光色素ペリレンによる450nmの発光(青色系)との同時発光により、白色発光を行う白色発光素子である。
【0103】
本例の有機EL素子S1におけるエネルギー準位を図8に模式的に示す。電子捕獲層(第2の有機層)32a、32bの母材(Alq)の伝導帯最低準位Ec32(3.1eV)が、正孔輸送層(第1の有機層)31の母材(トリフェニルアミン4量体)の伝導帯最低準位Ec31(2.4eV)および発光層(第3の有機層)33の母材(BAlq)の伝導帯最低準位Ec33(3.0eV)よりも低くなっている。
【0104】
そして、本例の有機EL素子S1についても、85℃環境で高温作動試験した時の輝度劣化特性を調べた結果、上記第1の具体例と同様に、従来に比べて、輝度低下の度合が遅く、寿命が長いものとすることができた。
【0105】
以上、本第1実施形態について述べてきた。以下、材料を限定するわけではないが、本実施形態の主たる特徴である第1から第3の有機層(正孔輸送層31、電子捕獲層32、発光層33)として使用可能な材料の一例を挙げておく。
【0106】
例えば正孔輸送層31の母材としては、トリフェニルアミン4量体以外にも、N−N’−ジフェニル−N−N’−ビス(3メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル4,4’−ジアミン(TPD)やα−ナフチルフェニルジアミン(α−NPD)等が挙げられる。
【0107】
また、電子捕獲層32の母材としてはAlq以外にも、Almq3、Znq2、Beq2等が挙げられ、電子捕獲層32に添加される蛍光色素としてはDCJTB、ルブレン、ジメチルキナクリドン以外にも、ペンタセン誘導体、クマリン誘導体等が挙げられる。
【0108】
また、発光層33の母材としてはBAlq以外にも、アダマンタン誘導体、ジフェニルアントラセン、スピロ化合物、ベンゾオキサジアゾール亜鉛錯体等が挙げられ、発光層33に添加される蛍光色素としてはペリレン以外にも、ジスチリルアリーレン誘導体等が挙げられる。
【0109】
(第2実施形態)
図9は本発明の第2実施形態に係る有機EL素子S2の概略断面図である。本実施形態は、請求項8の発明に係るものであり、この有機EL素子S2は、基板10の上にて、透明導電膜よりなる陽極20と金属等よりなる陰極40とからなる一対の電極20、40間に複数の有機層30、31a、33、34が挟まれてなるものである。
【0110】
各有機層は、陽極20側から陰極40側にかけて、正孔注入層30、正孔輸送層31a、発光層33、電子輸送層34の4層が、この順に積層されたものである。本実施形態では、上記第1実施形態における電子捕獲層が無くなり、電子捕獲機能を持つ部分を正孔輸送層31aに設けたものである。
【0111】
本実施形態では、中央の2層31a、33について、正孔輸送層31aを陽極20側に位置する第1の有機層、発光層33を陰極40側に位置する第2の有機層(請求項8でいう第2の有機層)としている。
【0112】
発光層(第2の有機層)33としては、青色発光スペクトル特性を有する母材に蛍光色素が添加されたものを用いることが必要である。また、正孔輸送層(第1の有機層)31aとしては、正孔輸送性材料よりなる母材中に蛍光性を持たないドーパント(銅フタロシアニン等)が添加されたものを用いる。そして、このドーパントは、発光層33の母材の伝導帯最低準位よりも低い伝導帯最低準位を有することが必要である。
【0113】
本実施形態における第1、第2の有機層31a、33のエネルギー準位を、図10に示す。上記第1実施形態と同様、図10中、M1は陽極20の仕事関数、M2は陰極40の仕事関数である。
【0114】
正孔輸送層(第1の有機層)31aの母材における伝導帯最低準位をEc31a、価電子帯最高準位をEv31aとし、発光層(第2の有機層)33の母材における伝導帯最低準位をEc33、価電子帯最高準位をEv33とする。
【0115】
なお、図10において、正孔輸送層31a中の破線は、正孔輸送層31aのドーパントの伝導帯最低準位Ec31a’および価電子帯最高準位Ev31a’であり、発光層33中の破線は、発光層33の蛍光色素の伝導帯最低準位Ec33’および価電子帯最高準位Ev33’である。
【0116】
図10に示すように、正孔輸送層(第1の有機層)31aのドーパントの伝導帯最低準位Ec31a’が、発光層(第2の有機層)33の母材の伝導帯最低準位Ec33よりも低くなっている。
【0117】
本第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様、陰極40側の発光層(第2の有機層)33においては、その母材が青色発光領域の広いエネルギーギャップを有するものであるため、添加される蛍光色素としても青色発光を有するものを選択できる。
【0118】
そのため、上記第1実施形態と同様、発光層33にて青色発光が可能である。つまり、陽極20から正孔輸送層(第1の有機層)31aを超えて発光層33へ注入された正孔が、発光層33の蛍光色素に捕獲された電子と再結合して、発光層33にて蛍光色素が発光する。
【0119】
また、本実施形態では、正孔輸送層(第1の有機層)31aの母材中に、発光層33の母材の伝導帯最低準位Ec33よりも低い伝導帯最低準位Ec31a’を有しかつ蛍光性を持たないドーパントが添加されている。
【0120】
それにより、陰極40から発光層33を超えて正孔輸送層31aへ入ってくる電子は、ドーパントに捕獲され、正孔輸送層31aの母材への注入が抑制される。つまり、正孔輸送層31aには、電子捕獲部としてのドーパントが形成されることにより、正孔輸送層31aの母材の電子による励起が抑制される。
【0121】
このように、本第2実施形態によっても、陽極20側の正孔輸送層(第1の有機層)31aへの電子注入を抑制し、陰極40側の発光層(第2の有機層)33にて青色発光を確保することができるため、正孔輸送層の母材の劣化防止しつつ、青色成分を含む発光を適切に行えるようにすることができる。
【0122】
次に、本第2実施形態について限定するものではないが、以下の具体例を参照して、より詳細に述べる。
【0123】
(第3の具体例)
上記第1の具体例と同様に、ガラス基板10上に、膜厚150nm程度のITOよりなる陽極20、膜厚20nmの銅フタロシアニンよりなる正孔注入層30を順次形成した。
【0124】
その上に、正孔輸送層31aの一部としてトリフェニルアミン4量体(価電子帯最高準位Ev31a:5.4eV、伝導帯最低準位Ec31a:2.4eV、Eg:3.0eV、Wp:420nm)を真空蒸着法により膜厚30nmにて形成する。
【0125】
さらに、正孔輸送層31aの残部として、母材としてのトリフェニルアミン4量体にドーパントとしての銅フタロシアニン(価電子帯最高準位Ev31a’:5.3eV、伝導帯最低準位Ec31a’:3.6eV、エネルギーギャップEg:1.7eV)を10%添加したものを、真空蒸着法により膜厚10nmにて形成する。
【0126】
こうして、第2実施形態における正孔輸送層31aは、トリフェニルアミン4量体を母材として銅フタロシアニン(CuPc)をドーパントとして添加した形で形成される。
【0127】
その上に、上記第1の具体例と同様に、母材としてのBAlq(Ev33:5.8eV、Ec33:3.0eV、Eg:2.8eV、Wp:490nm)に蛍光色素としてのペリレン(Ev33’:5.5eV、Ec33’:2.6eV、Eg:2.9eV、Wp:450nm)を1wt%添加してなる発光層33を、膜厚40nmにて形成し、Alqよりなる電子輸送層34を膜厚20nmにて形成し、LiF/Alの積層膜よりなる陰極40を形成した。
【0128】
こうして得られた本例の有機EL素子S2は、発光層33の蛍光色素ペリレンによる450nmの発光(青色系)の発光により、青色発光を行う青色発光素子である。
【0129】
本例の有機EL素子S2におけるエネルギー準位を図11に模式的に示す。トリフェニルアミン4量体よりなる正孔輸送層(第1の有機層)31aのドーパント(銅フタロシアニン)の伝導帯最低準位Ec31a’(3.6eV)が、発光層(第2の有機層)33の母材(BAlq)の伝導帯最低準位Ec33(3.0eV)よりも低くなっている。
【0130】
そして、本例の有機EL素子S2について、85℃環境で高温作動試験した時の輝度劣化特性を調べた結果を、図12に示す。なお、図12では、比較例として、電子輸送層のみにペリレンを添加したもの、すなわち、上記図11において正孔輸送層31aにドーパント(CuPc)を添加しない以外は同様の構成についても、同様に調べた結果を示している。
【0131】
図12からわかるように、本第3の具体例(CuPcドープあり)は、正孔輸送層31aに電子捕獲部としてのドーパントが混合され、それにより、正孔輸送層31aの母材への電子注入および電子による励起が抑制されるため、正孔輸送層31aの母材の劣化防止がなされ、比較例(CuPcドープなし)に比べて、輝度低下の度合が遅く、寿命が長いものとすることができる。
【0132】
以上、本第2実施形態について述べてきたが、本実施形態においても、正孔輸送層31a、発光層33には、上記第1実施形態に示した使用可能な材料の一例を適用することができる。また、正孔輸送層31aのドーパント(電子捕獲部)としては、銅フタロシアニン以外にも、オキサジアゾール化合物等を用いることが可能である。
【0133】
(第3実施形態)
図13は本発明の第3実施形態に係る有機EL素子S3の概略断面図である。本実施形態は、請求項12の発明に係るものであり、大きくは基板10の上にて、透明導電膜よりなる陽極20と金属等よりなる陰極40との間に陽極20側から正孔輸送層31、発光層33a、33bを介在させてなるものである。
【0134】
陽極20の上には、正孔注入層30、正孔輸送層31が順次形成されており、正孔輸送層31の上には発光層33a、33bが形成されている。ここで、発光層は、正孔輸送層31側に位置する第1の発光層33aと第1の発光層33aよりも陰極40側に位置する第2の発光層33bとの2層構造からなる。
【0135】
これら両発光層層33a、33bは母材に蛍光色素を添加したものとして構成されている。第2の発光層33bの母材は、380nm以上510nm未満のピーク波長を持つ発光スペクトルを有する、すなわち青色発光スペクトル特性を有する電子輸送性材料Cである。
【0136】
第1の発光層33aの母材は、青色発光スペクトル特性を有する正孔輸送性材料Aと第2の発光層33bの母材である電子輸送性材料Cの伝導帯最低準位よりも低い伝導帯最低準位を有する電子輸送性材料Bとの混合物である。
【0137】
また、発光層33a、33bの上には上記実施形態と同様、電子輸送層34、陰極40が順次形成されている。このような有機EL素子S3は、真空蒸着法において1種類の蒸着や共蒸着等を用いることで形成することが可能である。
【0138】
この有機EL素子S3においては、第2の発光層33bに対しては、陰極40から電子輸送層34を介して電子が注入され、いっぽう陽極20から正孔注入層30.正孔輸送層31、第1の発光層33aの正孔輸送性材料Aを介して正孔が注入される。そして、第2の発光層33bにおいて正孔と電子が再結合することで蛍光色素が発光する。
【0139】
さらに、第2の発光層33bにおいては、その母材である電子輸送性材料Cが青色発光領域の広いエネルギーギャップを有するものであるため、添加される蛍光色素としても青色発光を有するものを選択することができる。よって、第2の発光層33bにて青色発光が可能である。
【0140】
また、第1の発光層33aに対しては、陰極40から電子輸送層34、第2の発光層33bの電子輸送性材料Cを介して電子が注入され、陽極20から正孔注入層30、正孔輸送層31を介して正孔が注入される。そして、第1の発光層33a内に注入された正孔、電子は、それぞれ第1の発光層33aの母材である正孔輸送性材料Aの持つ正孔輸送機能、電子輸送性材料Bの持つ電子輸送機能によって第1の発光層33a全域へ行き渡る。
【0141】
そのため、第1の発光層33a内の全域にて正孔と電子の再結合が可能となり、第1の発光層33a全域において蛍光色素が効率よく発光する。したがって、本実施形態の有機EL素子S3では第1の発光層33aからの発光と第2の発光層33bからの発光の混色発光が行われる。
【0142】
また、本有機EL素子S3では、第1の発光層33aの母材である電子輸送性材料Bの伝導帯最低準位が第2の発光層33bの母材である電子輸送性材料Cの伝導帯最低準位よりも低い。なお、準位の差を明確にするには0.1eV以上低いことが好ましい。そのため、陰極40から第2の発光層33bを介して第1の発光層33aに注入されてくる電子は、この電子輸送性材料Bに捕獲される。
【0143】
そして、第1の発光層33aの電子輸送性材料Bに捕獲された電子は上述のように第1の発光層33aにおける蛍光色素の発光に寄与する。つまり、陰極40側からの電子は、第1の発光層33aにおける電子輸送性材料Bおよび蛍光色素に捕獲されて第1の発光層33a内に留まり、正孔輸送層31へは注入されにくくなる。
【0144】
ちなみに、もし第1の発光層33aの母材である電子輸送性材料Bと第2の発光層33bの母材である電子輸送性材料Cとが同一材料である、すなわち、両電子輸送性材料B、Cの伝導帯最低準位が同一であると、陰極40から第2の発光層33bを介して第1の発光層33aに注入された電子は、第1の発光層33aの電子輸送性材料Bに捕獲されずに、第1の発光層33aを越えて正孔輸送層31へ注入されやすくなってしまう。
【0145】
このように本実施形態の有機EL素子S3によれば、陽極20側の正孔輸送層31への電子注入を抑制して正孔輸送層31の母材の劣化を防止しつつ、第2の発光層33bにて青色発光系の蛍光色素を選択することで青色成分を含む発光を適切に行えるようにすることができる。
【0146】
そして、第1の発光層33aでは、第2の発光層33bとは別の蛍光色素を選択することにより第2の発光層33bとは別の色を効率よく発光させ、混色による発光を可能にさせることができる。
【0147】
次に、本第3実施形態について限定するものではないが、以下の具体例を参照して、より詳細に述べる。
【0148】
(第4の具体例)
本例の有機EL素子S3におけるエネルギー準位をM1を陽極20の仕事関数、M2を陰極40の仕事関数として図14に模式的に示す。
【0149】
上記第1の具体例と同様に、ガラス基板10上に、膜厚150nm程度のITOよりなる陽極20、膜厚20nmの銅フタロシアニンよりなる正孔注入層30、膜厚40nmのトリフェニルアミン4量体(価電子帯最高準位Ev31:5.4eV、伝導帯最低準位Ec31:2.4eV、Eg:3.0eV、Wp:420nm)よりなる正孔輸送層31を順次形成した。
【0150】
その上に、第1の発光層33aを形成した。ここで、正孔輸送性材料Aとしてトリフェニルアミン4量体(価電子帯最高準位Ev33a:5.4eV、伝導帯最低準位Ec33a:2.4eV)、電子輸送性材料BとしてAlq(価電子帯最高準位Ev33a’:5.6eV、伝導帯最低準位Ec33a’:3.1eV)を用いた。
【0151】
そして、トリフェニルアミン4量体:Alqの比が1:1の混合物を母材とした。この混合物の母材に蛍光色素としてのDCJTB(価電子帯最高準位Ev33a”:5.3eV、伝導帯最低準位Ec33a”:3.2eV、Eg:2.1eV、Wp:600nm)を1%添加したものを、真空蒸着法(共蒸着)により膜厚5nmにて形成した。こうして第1の発光層33aを形成した。
【0152】
その上に、第2の発光層33bを形成した。第2の発光層33bにおける母材、すなわち青色発光スペクトル特性を有する電子輸送性材料Cとしては、BAlq(Ev33b:5.8eV、Ec33b:3.0eV、Eg:2.8eV、Wp:490nm)を用い、これに蛍光色素としてのペリレン(Ev33b’:5.5eV、Ec33b’:2.6eV、Eg:2.9eV、Wp:450nm)を1wt%添加したものを真空蒸着法(共蒸着)により膜厚40nmにて形成した。
【0153】
こうして形成された発光層33a、33bの上に、上記具体例1と同様に、Alqよりなる電子輸送層34を真空蒸着法にて膜厚20nmにて形成し、LiF/Alの積層膜よりなる陰極40を形成した。
【0154】
このようにして得られた本例の有機EL素子S3は、第1の発光層33aの蛍光色素DCJTBによる600nmの発光(赤色系)と、第2の発光層33bの蛍光色素ペリレンによる450nmの発光(青色系)との同時発光により、混色として白色発光を行う白色発光素子である。
【0155】
そして、本例では、第1の発光層33aの母材である電子輸送性材料BとしてのAlqの伝導帯最低準位Ec33a’(3.1eV)が第2の発光層33bの母材である電子輸送性材料CとしてのBAlqの伝導帯最低準位Ec33b(3.0eV)よりも0.1eV低くなっている。
【0156】
本第4の具体例例の有機EL素子S3について、85℃環境で高温作動試験した時の輝度劣化特性を調べた結果は、上記図1に並記してある。本例では上記第1の具体例に比べて、若干輝度低下の度合が遅く、寿命が長いものとすることができる。
【0157】
これは、本例では、電子の捕獲機能を有する第1の発光層33aが、その母材として正孔輸送性材料Aと電子輸送性材料Bとの混合物からなるものとしていることによる。
【0158】
ちなみに、もし第1の発光層33aの母材が正孔輸送性材料だけであると、正孔輸送層31への電子注入は抑制できるが、第1の発光層33a内の電子輸送性が不十分である。そのため、第1の発光層33aを厚く形成しても、第1の発光層33aは第2の発光層33bに接する界面付近のわずかな領域でしか蛍光色素が発光しない。
【0159】
しかし、本第3実施形態では、第1の発光層33aの母材が正孔および電子両方の輸送性を持っているため、層内の電子、正孔の輸送が十分に確保される。そのため、上記第1の具体例に比べて、本第3実施形態では第1の発光層33aを厚くできると考えられる。
【0160】
実際に、本第4の具体例では第1の発光層33aの厚さは5nmであり、上記第1の具体例では正孔輸送層31に隣り合う電子捕獲層32の厚さは2nmである。正孔輸送層に隣り合って電子捕獲機能を有する層の膜厚が厚いほど、電子の捕獲効率が大きくなると考えられる。そのため、本例のほうが第1の具体例よりも寿命が長くなっていると考えられる。
【0161】
また、本第3実施形態においては、第1の発光層33aの母材を構成する混合物において、電子輸送性材料Bの価電子帯最高準位Ev33a’が正孔輸送性材料Aの価電子帯最高準位Ev33aよりも低いことが好ましい。
【0162】
上記第4の具体例では、第1の発光層33aにおいて、正孔輸送性材料Aであるトリフェニルアミン4量体の価電子帯最高準位Ev33aは5.4eVであり、電子輸送性材料BであるAlqの価電子帯最高準位Ev33a’は5.6eVであり、この好ましい関係を満足している。
【0163】
もし、本実施形態において電子輸送性材料Bの価電子帯最高準位Ev33a’が正孔輸送性材料Aの価電子帯最高準位Ev33aよりも高いと、第1の発光層33aから第2の発光層33bへ移動しようとする正孔が、電子輸送性材料Bに捕獲されて第2の発光層33bへ行きにくくなる。すると、第2の発光層33bへ十分に正孔が注入されず、第2の発光層33bの発光が不十分になってしまう恐れがある。
【0164】
このように、第1の発光層33aの母材において、電子輸送性材料Bの価電子帯最高準位Ev33a’が正孔輸送性材料Aの価電子帯最高準位Ev33aよりも低いものであれば、第1の発光層33aと第2の発光層33bとをバランス良く発光させることができる。
【0165】
なお、本第3実施形態において、青色発光層として機能することのできる第1の発光層33aの母材としては、アダマンタン誘導体やピレン化合物などを用いることも可能である。
【0166】
その他、本実施形態に用いる発光層33a、33bの母材や蛍光色素については、本実施形態の特徴を有するものであれば良く、上記以外のものであっても適宜選択して採用することができる。また、第1の発光層33aと第2の発光層33bとで蛍光色素は同一であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る有機EL素子の概略断面図である。
【図2】上記第1実施形態における第1から第3の有機層のエネルギー準位を示す図である。
【図3】DCJTBの主骨格を示す図である。
【図4】BAlqの主骨格を示す図である。
【図5】第1の具体例の有機EL素子におけるエネルギー準位を示す図である。
【図6】第1の具体例および第4の具体例の有機EL素子における輝度劣化特性を示す図である。
【図7】第1の具体例に対する比較例としての有機EL素子におけるエネルギー準位を示す図である。
【図8】第2の具体例の有機EL素子におけるエネルギー準位を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る有機EL素子の概略断面図である。
【図10】上記第2実施形態における第1、第2の有機層のエネルギー準位を示す図である。
【図11】第3の具体例の有機EL素子におけるエネルギー準位を示す図である。
【図12】第3の具体例の有機EL素子における輝度劣化特性を示す図である。
【図13】本発明の第3実施形態に係る有機EL素子の概略断面図である。
【図14】第4の具体例の有機EL素子におけるエネルギー準位を示す図である。
【符号の説明】
20…陽極、30…正孔注入層、31、31a…正孔輸送層、
32…電子捕獲層、33…発光層、33a…第1の発光層、
33b…第2の発光層、34…電子輸送層、40…陰極、
Ec31…正孔輸送層の母材の伝導帯最低準位、
Ec31a’…正孔輸送層のドーパントの伝導帯最低準位、
Ec32…電子捕獲層の母材の伝導帯最低準位、
Ec33…発光層の母材の伝導帯最低準位。
Ec33a’…第1の発光層における電子輸送性材料Bの伝導帯最低準位、
Ec33b…第2の発光層における電子輸送性材料Cの伝導帯最低準位、
Ev33a’…第1の発光層における電子輸送性材料Bの価電子帯最高準位、
Ev33a…第1の発光層における正孔輸送性材料Aの価電子帯最高準位、
Ev33a’…第1の発光層における電子輸送性材料Bの価電子帯最高準位。

Claims (10)

  1. 陽極(20)と陰極(40)とからなる一対の電極(20、40)間に複数の有機層(31、32、33)が挟まれてなる有機EL素子において、
    前記複数の有機層は、前記陽極側に位置する正孔輸送層としての第1の有機層(31)と、前記陰極側に位置する第3の有機層(33)と、前記第1及び第3の有機層に挟まれた第2の有機層(32)とを備えるものであり、
    前記第3の有機層は、青色発光スペクトル特性を有する母材に青色発光する蛍光色素が添加されたものであり、
    前記第2の有機層(32)は、前記第2の有機層の母材に蛍光色素が添加されたものであり、
    前記第2の有機層の母材の伝導帯最低準位(Ec32)が、前記第1の有機層の母材の伝導帯最低準位(Ec31)および前記第3の有機層の母材の伝導帯最低準位(Ec33)よりも低くなっており、前記第2の有機層の母材に添加された蛍光色素の伝導帯最低準位(Ec32’)が、前記第2の有機層の母材の伝導帯最低準位よりも低くなっていることを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記第1の有機層(31)の母材が、青色発光スペクトル特性を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記第1の有機層(31)の母材のエネルギーギャップと前記第3の有機層(33)の母材のエネルギーギャップとの差が、0.4eV以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL素子。
  4. 前記第2の有機層(32)の母材の伝導帯最低準位(Ec32)が前記第3の有機層(33)の母材の伝導帯最低準位(Ec33)よりも0.1eV以上低いことを特徴とする請求項1ないしのいずれか一つに記載の有機EL素子。
  5. 前記第2の有機層(32)または前記第3の有機層(33)において、蛍光色素のエネルギーギャップが、当該蛍光色素が添加される母材のエネルギーギャップよりも小さいことを特徴とする請求項1ないしのいずれか一つに記載の有機EL素子。
  6. 前記第2の有機層(32)が前記第3の有機層(33)に比べて薄いものであることを特徴とする請求項1ないしのいずれか一つに記載の有機EL素子。
  7. 陽極(20)と陰極(40)とからなる一対の電極(20、40)間に複数の有機層(31a、33)が挟まれてなる有機EL素子において、
    前記複数の有機層は、前記陽極側に位置する正孔輸送層としての第1の有機層(31a)と、この第1の有機層よりも前記陰極側に位置する第2の有機層(33)とを備えるものであり、
    前記第2の有機層は、青色発光スペクトル特性を有する母材に青色発光する蛍光色素が添加されたものであり、
    前記第1の有機層は、その母材中に、前記第2の有機層の母材の伝導帯最低準位(Ec33)よりも低い伝導帯最低準位(Ec31a’)を有するドーパントが添加されたものであり、前記ドーパントが銅フタロシアニンであることを特徴とする有機EL素子。
  8. 陽極(20)と陰極(40)との間に前記陽極側から正孔輸送層(31)、発光層(33a、33b)を介在させてなる有機EL素子において、
    前記発光層は、前記正孔輸送層側に位置する第1の発光層(33a)と前記第1の発光層よりも前記陰極側に位置する第2の発光層(33b)とからなり、
    前記第2の発光層の母材は青色発光スペクトル特性を有する電子輸送性材料Cであり、
    前記第1の発光層の母材は、青色発光スペクトル特性を有する正孔輸送性材料Aと前記第2の発光層の母材である前記電子輸送性材料Cの伝導帯最低準位(Ec33b)よりも低い伝導帯最低準位(Ec33a’)を有する電子輸送性材料Bとの混合物からなり、
    前記第1の発光層および前記第2の発光層には蛍光色素が添加されており、前記第2の発光層に添加された蛍光色素は青色発光するものであり、
    前記第1の発光層に添加された蛍光色素の伝導帯最低準位(Ec33a”)が、前記第2の発光層の母材である前記電子輸送性材料Cの伝導帯最低準位よりも低くなっていることを特徴とする有機EL素子。
  9. 前記第1の発光層(33a)の母材である前記電子輸送性材料Bの伝導帯最低準位(Ec33a’)が、前記第2の発光層(33b)の母材である前記電子輸送性材料Cの伝導帯最低準位(Ec33b)よりも0.1eV以上低いことを特徴とする請求項に記載の有機EL素子。
  10. 前記第1の発光層(33a)の母材を構成する前記混合物において、前記電子輸送性材料Bの価電子帯最高準位(Ev33a’)が前記正孔輸送性材料Aの価電子帯最高準位(Ev33a)よりも低いことを特徴とする請求項またはに記載の有機EL素子。
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