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JP4325176B2 - 光ファイバー被覆用樹脂組成物及びそれを用いた素線、ユニット - Google Patents

光ファイバー被覆用樹脂組成物及びそれを用いた素線、ユニット Download PDF

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JP4325176B2
JP4325176B2 JP2002329423A JP2002329423A JP4325176B2 JP 4325176 B2 JP4325176 B2 JP 4325176B2 JP 2002329423 A JP2002329423 A JP 2002329423A JP 2002329423 A JP2002329423 A JP 2002329423A JP 4325176 B2 JP4325176 B2 JP 4325176B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速硬化性に優れ、かつ保存安定性に優れた光ファイバー被覆用樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバーケーブルは大容量情報の伝送媒体として実用化され、現在、光ファイバーケーブルによる広帯域情報通信網が建設されている。光ファイバーには、導波ガラスに紫外線等の放射線硬化型樹脂(以下、光ファイバー被覆用樹脂組成物という)による1次被覆層および2次被覆層を施した2層被覆構造のものと、単層の被覆層を施した単層被覆構造の形態のものがある。このような被覆層を施したものを光ファイバー素線と称しており、また、光ファイバー素線は識別のため最外層に着色層が設けられ、着色素線とされることもある。更に、光ファイバーは、複数の素線あるいは着色素線を同心円状あるいは平面状に並べて、光ファイバー被覆用樹脂組成物で一体化したユニット構造をとることもある。このユニットという構造は、光ファイバーを高密度化する方法として有用で、現在では光ファイバーケーブルの構造として一般的なものとなっている。
【0003】
上記の1次被覆材、2次被覆材、及びユニット材として使用される光ファイバー被覆用樹脂組成物には、高速加工性、あるいは硬化後の皮膜の耐久性や力学的強度等、種々の特性が要求されている。そのような特性の中でも、特に、高速硬化性及び保存安定性は硬化前の組成物の特性として重要である。具体的には、以下の通りである。
1.高速硬化性
数百m/分、数千m/分以上の高速加工(低光エネルギー照射量)においても十分に硬化し、当該用途に適したヤング率の硬化物が得られること。
2.保存安定性
長期間の保存あるいは高温下での保存において粘度増加や固形物の析出等がなく、保存後も問題なく加工ができること。
【0004】
また、その他の特性としては、以下のものがある。
1.高速加工性
高速加工においても素線表面に均一に塗布できること。
2.耐久性
長期にわたり種々の環境に暴露されてもユニットの伝送特性、機械特性が変化せず耐久性が良いこと。
3.温度特性
広範な使用温度でもユニットの伝送特性、機械特性が変化しない温度特性が良いこと。
4.強靱性
ヤング率、伸び、破断強度のバランスがよく、過酷な取り扱いによっても破損しないこと。
5.耐水損失特性
光ファイバーケーブル敷設後の事故等によりケーブルシースが破損し、ケーブル内に水が侵入しても長期に渡り伝送特性が低下しないこと。
【0005】
上記の高速硬化性あるいは保存安定性を改良することを目的とした従来技術としては、例えば、高速硬化性を目的とした従来技術として、特開平1−190712号、特開平2−248470号、特開平2−34620号、特開平2−64510号、等がある。しかしながら、これらに記載の光ファイバー被覆用樹脂組成物では高速硬化性が十分でないばかりか、保存安定性も満足できるものではない。また、特開昭62−215663号には、硬化後の被覆膜の経時安定性を目的として、硫黄系酸化防止剤を含有させた光ファイバー被覆用樹脂組成物に関する技術が開示されている。また、特開2001−199748号では、特異な構造を有するラジカル重合性ポリウレタン化合物を用いた光ファイバー被覆用樹脂組成物に関する技術が記載されており、高速硬化性及び保存安定性を向上させるための技術が開示されている。しかしながら、これらの特許公報に記載された技術においても、現在要求されている技術レベルにおいて、高速硬化性及び硬化前の組成物の保存安定性が十分に満足できる光ファイバー被覆用樹脂組成物は得られていない。
【0006】
【特許文献1】
特開平1−190712号公報
【特許文献2】
特開平2−248470号公報
【特許文献3】
特開平2−34620号公報
【特許文献4】
特開平2−64510号公報
【特許文献5】
特開昭62−215663号公報(第2頁右上欄第17行〜同左下欄第15行目)
【特許文献6】
特開2001−199748号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、数百m/分、数千m/分以上の高速加工(低光エネルギー照射量)においても十分に硬化し、光ファイバー用途として適当なヤング率の硬化物が得られ、長期間の保存あるいは高温下での保存においても粘度増加や固形物の析出等がなく、そのような条件下で保存した後も問題なく塗工ができる光ファイバー用樹脂組成物を提供することである。
【0008】
また、本発明の他の目的は、上記課題を解決する光ファイバー用樹脂組成物の硬化被膜で被覆された光ファイバー素線、及びユニットを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような状況に鑑み、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の発明に至った。
【0010】
すなわち、本発明は、ラジカル重合性化合物(A)、光重合開始剤(B)、スルフィド類(C)、及び有機アミン類(D)を含有する光ファイバー被覆用樹脂組成物であって、前記スルフィド類(C)が、式1、式2、式3、式4、式5、又は式6、
【化8】
Figure 0004325176
(式1)
【化9】
Figure 0004325176
(式2)
【化10】
Figure 0004325176
(式3)
【化11】
Figure 0004325176
(式4)
【化12】
Figure 0004325176
(式5)
【化13】
Figure 0004325176
(式6)
(式中、R1は炭素数1〜24のアルキル基、炭素数1〜24のアルケニル基、又は水酸基若しくはハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を表し、R2、R3、R5、R6、R7、R8及びR9は炭素数1〜24のアルキル基、又は炭素数1〜24のアルケニル基を表し、R4は炭素数1〜24のアルキレン基、又は炭素数1〜24のアルケニレン基を表す。)
で表される化合物であり、前記有機アミン類(D)が、下記式7、
【化14】
Figure 0004325176
(式7)
(式中、R10は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、R11は炭素数1〜4のアルキル基を表し、mとnは各々独立に0〜2の整数を表し、mとnの和は1〜3である。)
で表される基を有するヒンダードアミンである光ファイバー被覆用樹脂組成物を提供するものである。
【0011】
本発明者等は、前記のスルフィド類(C)を含有する光ファイバー被覆用樹脂組成物は、該樹脂組成物を塗工する場合において、数百m/分、数千m/分以上の高速、つまり、光エネルギー照射量が少ない条件下においても十分に硬化して、所期のヤング率を有する硬化皮膜となることを見出した。しかし、それだけでは、長期間の保存、あるいは高温下での保存により該樹脂組成物が粘度増加を起こしたり、固形物が析出したりといった不都合を解消することはできなかった。本発明者等は、前記スルフィド類(C)の高速硬化性を利用しながら、保存安定性を向上させる検討を行ったところ、前記スルフィド類(C)に加えて、更に前記式7で表される基を有する有機アミン類(D)を添加することにより、十分な保存安定性が得られ、更に、光エネルギー照射量が少ない条件下における高速硬化性も向上するといった相乗効果を見出し、本発明を完成させた。前記式1〜式6で表されるスルフィド類(C)の中から選択される1種以上の化合物と前記式7で表される基を有する有機アミン類(D)の組み合わせは、光ファイバー被覆用樹脂組成物の高速硬化促進剤として機能するものである。
【0012】
なお、光ファイバー被覆用樹脂組成物の高速硬化性は、光エネルギー照射量が低い時の硬化物のヤング率と十分な量の光エネルギーを照射した時のヤング率を比較することにより指標とすることができる。本発明では該樹脂組成物の高速硬化性を検討する場合の指標として、メタルハライドランプを用いて0.025J/cmの光エネルギーを照射した場合のヤング率(E)と0.5J/cmの光エネルギーを照射した場合のヤング率(E)の比率〔(E/E)×100〕(%)を使用する。つまり、〔(E/E)×100〕の値が大きい程、少ないエネルギー照射量で所期のヤング率を達成していることになり、その値が小さい場合は、未だ十分に硬化せず所期のヤング率に達していないことを表す。本発明による光ファイバー被覆用樹脂組成物は、〔(E/E)×100〕の値が大きく、したがって、より少ない光エネルギー照射量で所期のヤング率の硬化物を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明を以下に詳しく説明する。本発明で使用するラジカル重合性化合物(A)とは、末端にビニル基、アクリル基、メタクリル基等の重合性不飽和基を有する化合物であり、比較的高分子量のラジカル重合性オリゴマー(A1)と比較的低分子量のラジカル重合性モノマー(A2)とがある。ラジカル重合性オリゴマー(A1)としては、従来公知のものが使用可能であるが、ポリオール(a1)、ポリイソシアネート(a2)、及び同一分子内に重合性不飽和基と水酸基とを有する化合物(a3)から合成されるウレタンアクリレート、グリシジルエーテル化合物と(メタ)アクリル酸等の重合性不飽和基を有するカルボン酸類の反応生成物であるエポキシアクリレート、およびビニルエーテルがあり、本発明においては、これらを用いることが好ましい。
【0014】
上記ポリオール(a1)としては、多塩基酸と多価アルコールを重縮合して得られるポリエステルポリオール、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオール、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシド、テトラヒドロフラン、アルキル置換テトラヒドロフラン等の環状エーテルの重合体またはこれらの2種以上の共重合体であるポリエーテルポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。
【0015】
またポリイソシアネート(a2)としては、トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等のポリイソシアネートが挙げられる。
【0016】
次に、同一分子内に重合性不飽和基と水酸基とを有する化合物(a3)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、3−アクリロイルオキシグリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロパン、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリε−カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0017】
また、(a3)として、同一分子内に重合性不飽和基と水酸基とを有するイソシアヌル酸誘導体も有用である。このようなイソシアヌル酸誘導体としては、例えば、イソシアヌル酸にγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、D−グルコノ−1,4−ラクトン、1,10−フェナントレンカルボラクトン、4−ペンテン−5−オリド、12−ドデカノリド等のラクトン類、あるいはエチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドやテトラヒドロフラン等の環状エーテルを付加させ、生じた水酸基を1モル以上残す当量比で(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の重合性不飽和基を有するカルボキシル化合物を脱水縮合あるいはエステル交換反応により反応させたものが通常用いられる。
【0018】
また、エポキシアクリレートとしては、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF等のビスフェノール類およびフェノール樹脂等の芳香環を含むポリオールのグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の反応生成物であることが好ましい。
【0019】
以上の中では、ポリエーテルポリオールを骨格とするラジカル重合性オリゴマーが高速硬化性、高速加工性が良いので好ましい。また、エポキシアクリレートをポリオールとするウレタンアクリレートも好ましい。
【0020】
次に、本発明で用いるラジカル重合性モノマー(A2)としては、従来公知のものを使用することができるが、例えば、水酸基を含む化合物に(メタ)アクリル酸がエステル化反応で結合した構造の化合物等が挙げられる。そのようなものとしては、例えば、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレン(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、β−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンサクシネート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、3−アクリロイルオキシグリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロパン、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリε−カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフロロブチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、モルホリン(メタ)アクリレート、N−ビニルカプロラクタム等のラジカル重合性モノマーが挙げられる。
【0021】
また、例えば、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネートのジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、2,2′−ジ(ヒドロキシプロポキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFプロピレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカンジアクリレート、5−エチル−2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−(ヒドロキシメチル)−1,3ジオキサンジアクリレート等の2官能ラジカル重合性モノマーが挙げられる。
【0022】
更に、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキシド付加物のテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキシド付加物のヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンエチレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンエチレンオキシド付加物のテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、トリメリット酸のトリ(メタ)アクリレートと、トリアリルトリメリット酸、トリアリルイソシアヌレート等の多官能ラジカル重合性モノマーが挙げられる。
【0023】
以上の中では、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのプロピレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカンのジアクリレート、5−エチル−2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−(ヒドロキシメチル)−1,3ジオキサンのジアクリレート等が好ましく、特に分子量200から800のビスフェノールAのエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート等の2個以上の環状構造を有しかつ環状構造が直接または炭素原子一個を介在して連結した構造であるものは耐水損失特性、高速硬化性、高速加工性いずれにも特に優れるので特に好ましい。
【0024】
また、環状構造及び/又はアミド結合と、重合性不飽和基が0から4個の原子で結合した化合物、例えばジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、モルホリン(メタ)アクリレート、N−ビニルカプロラクタム、ビニルカルバゾール、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等も同様に高速加工性、高速硬化性に優れるので好ましい。
【0025】
上記のラジカル重合性化合物(A)は、光ファイバー樹脂組成物全体に対し、80〜99質量%用いることが好ましい。この範囲であると高速硬化性が良好となる。
【0026】
本発明で使用する光重合開始剤(B)としては、公知のものが使用できるが、例えば、
(B1)アルコキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン及びベンゾフェノン誘導体、ベンゾイル安息香酸アルキル、ベンジル及びベンジル誘導体、ベンゾイン及びベンゾイン誘導体、ベンゾインアルキルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等。
(B2)分子中に硫黄原子を含む光重合開始剤として、チオキサントン及びチオキサントン誘導体、等。
(B3)分子中に硫黄原子及び窒素原子を含む光重合開始剤として、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1、等。(B4)分子中に窒素原子を含む光重合開始剤として、
▲1▼2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1
▲2▼3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−オクチルカルバゾール
▲3▼ビス(4−ジアルキルアミノフェニル)ケトン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エステル、等。
(B5)分子中にリン原子を含む光重合開始剤として、
▲1▼2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド
▲2▼2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルフォスフィンオキシド
▲3▼ビス(2、6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド
▲4▼ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド等が挙げられる。
【0027】
本発明で使用する光重合開始剤としては、上記化合物の中で、分子中にリン原子を含む光重合開始剤、分子中に窒素原子を含む光重合開始剤、及び分子中に硫黄原子を含む光重合開始剤の群から選択される1又は2種以上の光重合開始剤を用いることが好ましい。具体的には、上記化合物の中で、(B2)、(B3)、(B4)▲1▼及び▲2▼、(B5)に挙げた化合物がより好ましい。
【0028】
また、更に、分子中にリン原子、窒素原子あるいは硫黄原子を含まない光重合開始剤の中で、特に、本発明で用いるのが好ましい光重合開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、及び2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンがある。
【0029】
上記、列挙した光重合開始剤は2種以上を混合して用いることが好ましい。そうすることにより高速硬化性が向上する。
【0030】
光重合開始剤(B)は光ファイバー樹脂組成物全体に対し、0.001〜15質量%用いるのが好ましい。中でも、0.5〜8質量%用いることがより好ましい。そうすることにより高速硬化性が良好となる。
【0031】
本発明の光ファイバー被覆用樹脂組成物に用いるスルフィド類(C)は、前記式1〜式6で表される化合物であり、分子中にヒンダードフェノール構造、ポリスルフィド構造及びチオール基(−SH)等の高速硬化性を阻害する基を含まない化合物である。前記式1〜式6で表される化合物であれば、いずれの構造の化合物でも使用することができるが、中でも常温で液体のスルフィド類であると、長期間の保存においても固形物が析出せず、高速硬化性が優れているので好ましい。なお、ポリスルフィド構造とは、−(S)−(式中、nは2以上の整数を表す。)で表される構造である。
【0032】
本発明で使用することができるスルフィド類(C)は、前記式1〜式6で表される化合物であれば、公知のものを使用することができるが、例えば以下の化合物がある。
【0033】
ジエチルスルフィド、ジフェニルスルフィド、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジベヘニル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ビス(2−エチルヘキシル)3,3’−チオジプロピオネート、メチルチオプロピオン酸エチル、1,2−ビス(2−ヒドロキエチルチオ)エタン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)ブタン、2−ヒドロキシチオアニソール、ビス[2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル]スルフィド等。
【0034】
上記の中でも、炭素数4以上のアルキル基、アルキレン基を含有する化合物が高速硬化性が高いので好ましい。
【0035】
上記の中でも、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ビス(2−エチルヘキシル)3,3’−チオジプロピオネート、ビス[2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル]スルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)がより好ましい。特に、ビス(2−エチルヘキシル)3,3’−チオジプロピオネートが、高速硬化性が良好であり、好ましい。
【0036】
上記のスルフィド類(C)は光ファイバー樹脂組成物全体に対し、0.1質量%〜10質量%用いるのが好ましい。中でも、0.5質量%〜5質量%用いると高速硬化性が良好となり、より好ましい。
【0037】
更に、0.5質量%〜2質量%用いることが、特に好ましい。
【0038】
本発明で用いることのできる有機アミン類(D)は、上記式7で表される基を有するヒンダードアミンである。式7で表される基を有するヒンダードアミンであれば、いずれの構造の化合物も使用することができるが、例えば以下のものがある。
【0039】
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゼル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシルエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ〔1,6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕、〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、(ミックスド1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等。
【0040】
以上の有機アミン類(D)の中では、常温で液状のものが保存安定性がよく、好ましい。中でも、上記式7におけるR10がアルキル基、あるいはアルコキシ基である化合物がより好ましく、R10がアルキル基である化合物が特に好ましい。
【0041】
上記化合物の中では、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、あるいはビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートを使用することがより好ましい。
【0042】
上記の有機アミン類(D)は光ファイバー樹脂組成物全体に対し、0.01〜2質量%、中でも0.05〜1質量%の範囲で用いると高速硬化性が高くなり、また十分な保存安定性が得られるので好ましい。
【0043】
本発明の光ファイバー被覆用樹脂組成物には、上記の成分以外に、必要に応じて上記以外のアミン類、ヒドロキノン、メトキノン等の重合禁止剤、亜燐酸エステル系の脱色剤、シリコーンオイル等の消泡剤、離型剤、レベリング剤、顔料等を添加しても構わない。
【0044】
本発明の光ファイバー被覆用樹脂組成物は、上記各成分を通常の方法により混合して製造することができる。また、これを導波ガラス、1次被覆が施された導波ガラス、あるいは光ファイバー素線に通常の方法により塗布し、その後、高圧水銀灯、あるいはメタルハライドランプ等により紫外線を照射して硬化せしめることにより、本発明の光ファイバー被覆用樹脂組成物の硬化被膜で被覆された光ファイバー素線、あるいは該硬化被膜で被覆された複数の光ファイバー素線が束ねられたユニットを製造することができる。
【0045】
また、更に、本発明の光ファイバー被覆用樹脂組成物は、高速硬化性及び保存安定性に優れるため、複数の光ファイバー素線を束ねるためのユニット材としても優れた適性を示す。したがって、本発明の光ファイバー被覆用樹脂組成物は、ユニットを製造するための樹脂組成物としても最適である。本発明の光ファイバー被覆用樹脂組成物をユニット材として使用する場合は、複数の光ファイバー素線を束ね、それに通常の方法により該樹脂組成物を塗布し、その後、高圧水銀灯、あるいはメタルハライドランプ等により紫外線を照射して硬化せしめ、ユニットを製造する。
【0046】
【実施例】
次に実施例により本発明を具体的に説明するが、もとより本発明はこれにより何等限定されるものではない。なお、例中の部はすべて質量基準である。
【0047】
(合成例1−ウレタンアクリレート(OS−1)の合成)
攪拌翼のついたフラスコに、TDI(2,4−トリレンジイソシアネート)348部(2モル)を仕込み、攪拌を行いながらポリプロピレングリコール(数平均分子量2000)2000部(1モル)、ジブチルチンジアセテート2部を仕込んで発熱に注意しながら70℃まで昇温し、メトキノン0.2部、2,6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール1部を加えた。この温度で反応を7時間行った。ついでHEA(2−ヒドロキシエチルアクリレート)232部(2モル)を仕込んで、この温度でさらに7時間反応を行った。赤外吸収スペクトルでNCOの吸収が消失したことを確認して取り出し、ラジカル重合性オリゴマー(A1)としてウレタンアクリレート(OS−1)を得た。
【0048】
(合成例2−ウレタンアクリレートオリゴマー(OS−2)の合成)
攪拌翼のついたフラスコに、TDI(2,4−トリレンジイソシアネート)348部(2モル)を仕込み、攪拌を行いながらポリテトラメチレングリコール(数平均分子量2000)2000部(1モル)、ジブチルチンジアセテートを仕込んで発熱に注意しながら70℃まで昇温し、メトキノン0.2部、2,6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール1部を加えた。この温度で反応を7時間行った。ついでHEA(2−ヒドロキシエチルアクリレート)232部(2モル)を仕込んだ。この温度でさらに7時間反応を行った後、赤外吸収スペクトルでNCOの吸収が消失したことを確認して取り出し、ラジカル重合性オリゴマー(A1)としてウレタンアクリレートオリゴマー(OS−2)を得た。
【0049】
(合成例3−ウレタンアクリレート(H−1)の合成)
攪拌翼のついたフラスコに、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(分子量130)260部(2モル)を仕込み、攪拌を行いながらTDI(2,4−トリレンジイソシアネート)174部(1モル)を発熱に注意しながら滴下し70℃まで昇温し、この温度で反応を7時間行い、赤外吸収スペクトルでNCOの吸収が消失したことを確認して取り出し、ラジカル重合性オリゴマー(A1)としてウレタンアクリレート(H−1)を得た。
【0050】
(合成例4−ウレタンアクリレート(H−2)の合成)
攪拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコに、イソホロンジイソシアネートを222部仕込み、攪拌しながら70℃まで昇温し、ヒドロキシエチルアクリレート116部を1時間掛けて滴下反応させ、中間体を得た。次に攪拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコに、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂(エポキシ等量118g/eq)376部にアクリル酸144部を添加して100℃にて8時間反応させた。これに上記中間体を338部添加して80℃にて5時間反応し、
ラジカル重合性オリゴマー(A1)として、ウレタンアクリレート(H−2)を得た。
(合成例5−ウレタンアクリレート(OS−3)の合成)
撹拌機、温度計及び還流冷却管を備えたフラスコに、数平均分子量2000のポリプロピレングリコール2000g(1.0モル)、2,4−トリレンジイソシアネート348g(2.0モル)を仕込み、撹拌しながら昇温させて60℃に保った。60℃になって30分後、ジブチルスズラウレート0.14g(ポリウレタン中、50ppm)を添加し、さらに60℃で、2時間反応させた。次に、t−ブチルハイドロキノン0.28g(ポリウレタン中、100ppm)、2−ヒドロキシエチルアクリレート119g(1.03モル)、ペンタエリスリトールトリアクリレート306g(1.03モル)を仕込み、ジブチルスズラウレート0.14g(ポリウレタン中、50ppm)を加えた。70℃で1時間反応させた後、希釈剤(M−1)693gを加え、さらに8時間反応させて、合成品6:平均分子量2,800のウレタンアクリレート(OS−3)/(M−1)=40/10混合物を得た。
【0051】
(樹脂組成物の調製)
上記合成例で合成したラジカル重合性オリゴマー(A1)と下記の化合物を用いて、表1及び表2に従い樹脂組成物を調製した。なお、表中、組成の欄の数値は仕込み部数である。
【0052】
ラジカル重合性モノマー(A2)
M−1:イソボルニルアクリレート
M−2:N−ビニルピロリドン
M−3:N−ビニルカプロラクタム
M−4:ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(4モル)のジアクリレート
M−5:トリシクロデカンジメチロールのジアクリレート
光重合開始剤(B)
I−1:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド
I−2:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
I−3:2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン
I−4:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1
スルフィド類(C)
S−1:ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート
S−2:ビス(2−エチルヘキシル)3,3’−チオジプロピオネート
S−3:ビス[2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル]スルフィド
(n−アルキル基の炭素数=12〜14)
S−4:ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)
その他の硫黄化合物(C2)
S−5:チオジエチレン ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
S−6:ビス(2−エチルヘキシル)3,3’−ジチオジプロピオネート
S−7:2−エチルヘキシル チオグリコレート
有機アミン(D)
N−1:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート
N−2:ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート
その他(添加物)
変性シリコーン:ポリエーテル(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)変性ポリジメチルシロキサン
【0053】
(高速硬化性の評価)
表1に従って調製した樹脂組成物を厚さ150μmでアクリル板上に塗布し、窒素雰囲気下でメタルハライドランプを用いて0.5J/cmおよび0.025J/cmの照射量で硬化させた。それぞれの硬化フィルムをJIS K 7127に従い、引張速度1mm/分、23℃、50%RHでヤング率を測定した。0.025J/cmのヤング率の0.5J/cmのヤング率に対する比率を計算し、86%以上を◎、83%以上86%未満を○、83%未満80%以上を△、80%未満を×とした。結果を表1及び表2に示す。
【0054】
表中、Eが0.025J/cmの光エネルギーを照射した場合のヤング率(MPa)であり、Eが0.5J/cmの光エネルギーを照射した場合のヤング率(MPa)である。高速硬化性の評価は、〔(E/E)×100〕(%)で求められる値を基に行った。なお、光エネルギー照射量0.025J/cmは、光ファイバーの製造ラインにおいて、1800m/minの速度に相当する。
【0055】
更に、樹脂組成物の厚さを40μmとした他は上記と同様の操作を行い、0.025J/cm及び0.5J/cmの光エネルギーを照射した後のヤング率を測定し、高速硬化性を評価した。結果を表3に示す。
【0056】
(保存安定性の評価)
表1及び表2の樹脂組成物を70℃24時間加熱し、25℃の粘度が加熱前の2倍以上増粘したものを×、その他を○とした。結果を表1及び表2に示す。
【0057】
【表1】
Figure 0004325176
【0058】
【表2】
Figure 0004325176
【0059】
【表3】
Figure 0004325176
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、高速硬化性に優れ、かつ保存安定性に優れる光ファイバー被覆用樹脂組成物が得られる。また、該樹脂組成物を用いることにより、光ファイバー素線及び光ファイバーユニットを安定的に、かつ高速の塗工条件下で製造することができる。

Claims (8)

  1. ラジカル重合性化合物(A)、光重合開始剤(B)、スルフィド類(C)、及び有機アミン類(D)を含有する光ファイバー被覆用樹脂組成物であって、
    前記スルフィド類(C)が、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ビス(2−エチルヘキシル)3,3’−チオジプロピオネート、ビス[2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル]スルフィド、及びペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)から選択される1種以上の化合物であり、
    前記有機アミン類(D)が、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートから選択される1種以上の化合物である光ファイバー被覆用樹脂組成物。
  2. 前記光重合開始剤(B)が、分子中にリン原子を含む光重合開始剤、分子中に窒素原子を含む光重合開始剤、及び分子中に硫黄原子を含む光重合開始剤から選択される1種以上の光重合開始剤を含有する請求項1記載の光ファイバー被覆用樹脂組成物。
  3. 前記光重合開始剤(B)が、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン及び/又は1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを含有する請求項1又は2に記載の光ファイバー被覆用樹脂組成物。
  4. 前記光重合開始剤(B)として、2種以上の光重合開始剤を混合して用いる請求項1〜3のいずれかに記載の光ファイバー被覆用樹脂組成物。
  5. 光ファイバー被覆用樹脂組成物全体に対し、前記ラジカル重合性化合物(A)を80〜99質量%、前記光重合開始剤(B)を0.001〜15質量%、前記スルフィド類(C)を0.1〜10質量%、前記有機アミン類(D)を0.01〜2質量%含有する請求項1〜4のいずれかに記載の光ファイバー被覆用樹脂組成物。
  6. 請求項1、2、3、4又は5のいずれか1項に記載の光ファイバー被覆用樹脂組成物の硬化被膜で被覆された光ファイバー素線。
  7. 請求項6に記載の光ファイバー素線を用いたユニット。
  8. 請求項1、2、3、4又は5のいずれか1項に記載の光ファイバー被覆用樹脂組成物の硬化被膜で被覆されたユニット。
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