JP4319742B2 - 粘度指数向上剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘度指数向上剤に関する。詳しくは、剪断安定性に優れた粘度指数向上剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境保護の気運が高まり、自動車の省燃費性がより一層要求されてきている。自動車の省燃費性を向上させるには、エンジン油に粘度指数向上剤を添加してマルチグレード化する方法がある。日本国内では、ディーゼルエンジン自動車に使用されているエンジン油の30%近くは、粘度指数向上剤を添加したマルチグレード油になっている。
今後、さらに省燃費性が要求された場合、エンジン油の低粘度化が要求される。この場合、エンジン油としては、粘度指数が高いことが望ましい。
一方アルキル(メタ)アクリレート重合体からなる粘度指数向上剤(以下PMA系粘度指数向上剤と略す。)を使用したエンジン油は、OCP系粘度指数向上剤を使用した場合と比べ粘度指数が高い。
【0003】
また、PMA系粘度指数向上剤を使用したエンジン油のロングライフ性(剪断安定性の向上)も地球環境保護には不可欠な要因であるが、その剪断安定性はPMA系粘度指数向上剤では十分といえず改良が必要とされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、鋭意検討した結果、粘度指数を損なうことなく剪断安定性を改良したPMA系粘度指数向上剤を見いだし本発明に至った。
すなわち本発明は、分子内にチオエーテル基を有するラジカル重合性ビニル化合物(a)と下記▲1▼〜▲4▼の群から選ばれるラジカル重合性単量体(b)とを必須構成単位として含有する油溶性重合体(A)からなる粘度指数向上剤である。
▲1▼アルキル基の炭素数が1〜24のアルキル(メタ)アクリレート
▲2▼炭素数2〜18の脂肪族エチレン性不飽和単量体
▲3▼炭素数5〜10の脂環式エチレン性不飽和単量体
▲4▼ポリアルキレングリコール鎖(炭素数2〜4のアルキレン、分子量40〜500)を有するモノ(メタ)アクリレート
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に於て用いられる分子内にチオエーテル基を有するラジカル重合性ビニル化合物(a)としては、具体的には、下記一般式(1)で示される化合物が挙げられる。
【0006】
【化2】
【0007】
(式中、R1は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、カルボキシル基、アルコキシ基の炭素数が1〜12のアルコキシカルボニル基、またはニトリル基;R2は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基、アルキル基の炭素数が1〜12のカルボキシアルキル基、炭素数1〜12のアミノアルキル基または炭素数1〜12のヒドキシアルキル基を示す。)
式(1)において、R1は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、カルボキシル基、アルコキシ基の炭素数が1〜12のアルコキシカルボニル基またはニトリル基;R2は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基、アルキル基の炭素数が1〜12のアルキルカルボキシル基、アルキル基の炭素数が1〜12のアルキルカルボキシル基と炭素数が1〜12のアルコキシ基からなるアルコキシカルボニル基、炭素数1〜12のアミノアルキル基又は炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基である。これらのうち、好ましいものは、R1にアルコキシ基の炭素数が1〜12のアルコキシカルボニル基またはニトリル基、R2に炭素数6〜12の芳香族基を有する化合物である。さらに好ましくはR1にアルコキシ基の炭素数が1〜12のアルコキシカルボニル基、R2にフェニル基、パラメトキシフェニル基である。これらの化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
【0008】
このような化合物(a)の具体例としては、例えば、t−ブチルアリルチオエーテル、フェニルアリルチオエーテル、α−(パラメトキシフェニル)チオメチル−アクリル酸メチル、α−(フェニル)チオメチル−アクリル酸メチル、α−(フェニル)チオメチル−アクリル酸ブチル、α−(カルボキシエチル)チオメチル−アクリル酸、α−(メトキシカルボニルエチル)チオメチル−アクリル酸メチル、α−(フェニル)チオメチル−アクリロニトリル、α−(2−カルボキエチル)チオメチル−スチレン、α−(2−アミノエチル)チオメチルスチレン、α−(2−ヒドロキシエチル)チオメチル−アクリル酸メチル、α−(2−カルボキシエチル)チオメチル−アクリル酸エチル、β−カルボキシエチルチオ−メタリル、β−フェニルチオ−メタリル、β−(t−ブチル)チオ−メタリル等が挙げられる。
【0009】
化合物(a)の含量は、(b)の重量に基づいて、通常0.001〜1重量%、好ましくは0.005〜0.3重量%である。
化合物(a)の含量が上記範囲において、粘度指数向上剤の剪断安定性を向上させる効果がより良好となり、また重合速度も良好で重合率も高く生産性が良い。
化合物(a)の溶液重合液に対する溶解性が低い場合は、界面活性剤等を併用して重合液に溶解又は分散させて重合を行うこともできる。
尚、これらの化合物の合成方法については、例えば、Macromoleculues、24、3690(1991)などに紹介されている。
【0010】
本発明において使用するラジカル重合性モノマー(b)としては、下記の群から選ばれる。
▲1▼炭素数1〜24のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート:メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレー、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレートなどである。
▲2▼炭素数2〜18の脂肪族エチレン性不飽和単量体:
エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、ブタジエン、イソプレンなどである。
▲3▼炭素数5〜10の脂環式エチレン性不飽和単量体:
シクロペンタジエン、ピネン、リモネン、インデン、ビシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネンなどである。
▲4▼ポリアルキレングリコール鎖(炭素数2〜4のアルキレン、分子量40〜500)を有するモノ(メタ)アクリレート:
ポリエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド30モル付加物(メタ)アクリレートなどである。
【0011】
これらのうち、好ましいものは▲1▼および▲2▼であり、さらに好ましいものは、炭素数1〜5のアルキル(メタ)アクリレートと炭素数が6〜24の(メタ)アクリレートの併用であり、その重量比が(1〜30%)/(70〜99%)である。
【0012】
本発明における重合体(A)中の、単量体(b)の含量は特に限定はないが、通常、(A)に基づいて50〜95重量%であり、好ましくは、70〜90重量%である。
【0013】
また、重合体(A)の必須構成単位である(a)、(b)以外のラジカル重合性単量体(c)を含有することができる。この例としては、アルキル(メタ)アクリレート以外の、アルキル基の炭素数1〜30の不飽和モノまたはポリカルボン酸エステル類(ブチルクロトネート、オクチルクロトネート、ドデシルクロトネート、ジブチルマレエート、ジオクチルフマレート、ジラウリルマレエート、ジステアリルフマレート、ジオクチルイタコネート、ジラウリルイタコネートなど);ビニル芳香族化合物(スチレン、ビニルトルエンなど);ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど);カルボン酸化合物類(無水マレイン酸、メタアクリル酸、クロトン酸、イタコン酸など);アクロレイン;共役ジエン(ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなど);アセチレン;置換アセチレン[アルキルアセチレン(プロピン、1−ブチン、1−ペンチン、1−ヘキシンなど)、アリールアセチレン(フェニルアセチレン、p−メチルフェニルアセチレンなど)];アルキルビニルエーテル[通常、炭素数1〜18の直鎖または分岐アルキル基を有するアルキルビニルエーテル(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アミルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、ヘプチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ノニルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、トリデシルビニルエーテル、テトラデシルビニルエーテル、ペンタデシルビニルエーテル、ヘキサデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテルなど];アルキルアリルエーテル[通常、炭素数1〜18の直鎖または分岐アルキル基を有するアルキルアリルエーテル(メチルアリルエーテル、エチルアリルエーテル、プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、アミルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテル、ヘプチルアリルエーテル、オクチルアリルエーテル、ノニルアリルエーテル、デシルアリルエーテル、ドデシルアリルエーテル、トリデシルアリルエーテル、テトラデシルアリルエーテル、ペンタデシルアリルエーテル、ヘキサデシルアリルエーテル、オクタデシルアリルエーテルなど]が挙げられ、これらのうち1種以上の単量体を含有することができる。
これらのうち好ましいものは、ビニル芳香族化合物、およびアルキルビニルエーテルであり、特に好ましいものは、スチレン、および炭素数2〜6のアルキルを有するアルキルビニルエーテルである。
【0014】
本発明における重合体(A)中の、単量体(c)の含量は特に限定はないが、通常、(A)に基づいて0〜10重量%であり、好ましくは、0〜5重量%である。
【0015】
さらに本発明に於て、重合体(A)は、構成単位として、必要に応じて窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1種以上の原子を有する単量体(d)(分子内にチオエーテル基を有するラジカル重合性ビニル化合物を除く)を1種以上含有してもよい。この場合には、粘度指数向上剤に清浄分散性や抗酸化性などを付与でき好ましい。この例としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルチオピロリドン、ビニルピリジン、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート(アルキル基の炭素数は通常1〜4)、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基の炭素数は、通常1〜4)、ビニルイミダゾール、モルフォリノアルキレン(メタ)アクリレート等や、アミノフェノチアジン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾリン、アミノメルカプトチアゾール、アミノピペリジン残基を有する(メタ)アクリレート誘導体などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、N−ビニルピロリドン、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート(アルキル基の炭素数は通常1〜4)、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基の炭素数は、通常1〜4)およびN−アリールフェニレンジアミン残基を有する(メタ)アクリレート誘導体である。
【0016】
本発明における重合体(A)中の、単量体(d)の含量は特に限定はないが、通常、重量体(A)に基づいて0〜5重量%であり、好ましくは、重量体(A)に基づいて0〜3重量%である。
【0017】
また、重合体(A)は、単量体(a)および(b)に必要により単量体(c)および/または(d)を重合することにより得られ、また、該重合体をさらに単量体(d)を過酸化物系重合触媒でグラフト重合を行いことにより得ることができる。
【0018】
本発明において重合方法としては、溶液重合、乳化重合および塊状重合のいずれでも良いが、好ましくは溶液重合である。溶液重合の場合の溶剤としては、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、鉱物油等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)およびこれらの混合物等があげられる。
【0019】
重合温度としては、通常30〜200℃、好ましくは50〜150℃である。
また分散媒、乳化剤、分散剤等を使用する場合は特に制限がなく公知のものが使用できる。
【0020】
重合体(A)には、増粘効果および剪断安定性の観点から好ましい分子量がある。通常重量平均分子量(Mw)は1〜50万の範囲であり、好ましく2〜40万の範囲である。駆動系潤滑油(マニュアルトランスミッション油、デファレンシャルギヤ油、オートマチックトランスミッション油など)に用いられる場合には、好ましくはMwが2〜15万であり、作動油(建設機械の作動油、パワーステアリング油、ショックアブソーバー油など)に用いられる場合にはMwは3〜20万の範囲にあるときに好ましく、エンジン油(ガソリン用、ディーゼル用等)に用いられる場合にはMw13〜40万の範囲にあるときに好ましい。尚、本分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーによるポリスチレンに換算した分子量である。
【0021】
(A)の溶解度パラメーターは粘度指数および低温での溶解性の観点から、通常6.5〜9.4の範囲であり、好ましくは8.7〜9.4の範囲であり、さらに好ましくは9.0〜9.3の範囲である。
【0022】
本発明の粘度指数向上剤は通常、50ニュートラル油〜300ニュートラル油の様な粘度範囲にある鉱物油、MLDW油、イソパラフィンを含有する高粘度指数鉱物油、炭化水素系合成潤滑油、エステル系合成潤滑油に、目的の粘度に成るよう配合、溶解し本発明の潤滑油として使用されるが、粘度指数が115以上の高粘度指数油に本発明の粘度指数向上剤を添加した潤滑油の方が低温での低粘度化が図れ省燃費性が良好となる。
通常、基油に対し、本発明の粘度指数向上剤を1〜30重量%添加し、本発明の潤滑油として使用される。本発明の潤滑油がエンジン油の場合には2〜10重量%、ギヤ油や自動変速機油の場合は、7〜25重量%添加された場合に好ましい結果を与える。
【0023】
本発明の粘度指数向上剤には、更に他の流動点降下剤を含有していることが好ましい。この流動点降下剤としては、ポリ(メタ)アクリレートの従来公知のものが使用される。例えば、アルキル基の炭素数が10〜20の(メタ)アクリレート系のもの、又これら(メタ)アクリレート系のもので組成や分子量が異なる2種類以上のものを組み合わせたもの(例えば、特開昭54−70305公報等に記載のもの)や、更には非常に高分子量のもの(例えばUSP5229021など)等が挙げられる。このように流動点降下剤を含有する場合には、重合体(A)に対し流動点降下剤は通常30重量%以下、好ましくは1〜20重量%である。
本発明の粘度指数向上剤は、他の任意成分、例えば清浄剤(スルフォネート系、サリシレート系、フェネート系、ナフテネート系のもの等)、分散剤(イソブテニルコハク酸イミド系、マンニッヒ縮合物系等)、抗酸化剤(ジンクジチオフォスフェート、アミン系、ヒンダードフェノール系等)、油性剤(脂肪酸系、脂肪酸エステル系等)、摩擦摩耗調整剤(モリブデンジチオフォスフェート、モリブデンカーバメイト等)、極圧剤(硫黄リン系、クロル系等)を含んでいても良い。
【0024】
【実施例】
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の%および部は重量%および重量部を表す。
(GPCによる重量平均分子量の測定法)
装置 : 東洋曹達製 HLC−802A
カラム : TSK gel GMH6 2本
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.5重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 200μl
検出装置 : 屈折率検出器
標準 : ポリスチレン
(剪断安定性の試験方法)
JPI−5929−88の超音波法に準拠する。
(粘度指数の試験方法)
JIS K2283に準拠する。
【0025】
実施例1
撹拌装置、加熱装置、温度計、窒素吹き込み管を備えた反応器に、高粘度指数油を15g、単量体としてデシルメタクリレート(b1)76.5g、メチルメタクリレート(b2)8.5g、α−(フェニル)チオメチル−アクリル酸メチル(a1)を0.034g、触媒としてアゾビスバレロニトリル0.2g仕込み、窒素置換を行った後に密閉下75℃で4時間重合反応を行った。その結果、重量平均分子量が25万の共重合体からなる本発明の粘度指数向上剤(実1)を得た。
【0026】
実施例2
α−(フェニル)チオメチル−アクリル酸メチルに代えてα−(フェニル)チオメチル−アクリロニトリル(a2)を同量用いる以外は、実施例1と同様にして重合反応を行った。その結果、重量平均分子量が25万の共重合体からなる本発明の粘度指数向上剤(実2)を得た。
【0027】
実施例3
(a1)の使用量を0.001g用いる以外は、実施例1と同様にして重合反応を行った。その結果、重量平均分子量が25万の共重合体からなる本発明の粘度指数向上剤(実3)を得た。
【0028】
実施例4
(a1)を0.68g用いる以外は、実施例1と同様にして重合反応を行った。その結果、重量平均分子量が25万の共重合体からなる本発明の粘度指数向上剤(実4)を得た。
【0029】
比較例1
(a1)を使用しない以外は、実施例1と同様にして重合反応を行った。その結果、重量平均分子量が25万の共重合体からなる比較の粘度指数向上剤(比1)を得た。
【0030】
比較例2
(a1)に代えてn−ドデシルメルカプタン(a3)を同量用いる以外は、実施例1と同様にして重合反応を行った。その結果、重量平均分子量が18万の共重合体からなる比較の粘度指数向上剤(比2)を得た。
【0031】
得られた粘度指数向上剤(実1)〜(実4)、(比1)〜(比4)を高粘度指数油に溶解し、潤滑油を作成する。そしてその潤滑油の100℃の動粘度が10.0(mm2/s)になるよう粘度指数向上剤の濃度をを調整し試験油とし剪断安定性、粘度指数を評価した。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明の粘度指数向上剤を使用した潤滑油は、従来のPMA系粘度指数向上剤した潤滑油と比べ剪断安定性が改良でき、かつ、粘度指数が同程度に高いことから今後の自動車の省燃費性およびロングライフ性の要求に対応できるため、駆動系潤滑油(マニュアルトランスミッション油、デファレンシャルギヤ油、オートマチックトランスミッション油など)、作動油(機械の作動油、パワーステアリング油、ショックアブソーバー油など)、エンジン油(ガソリン用、ディーゼル用等)に好適に用いることができる。
Claims (3)
- 下記一般式(1)で示される分子内にチオエーテル基を有するラジカル重合性ビニル化合物(a)と下記(1)〜(4)の群から選ばれるラジカル重合性単量体(b)とを必須構成単位として含有する油溶性重合体(A)からなる粘度指数向上剤。
(1)アルキル基の炭素数が1〜24のアルキル(メタ)アクリレート
(2)炭素数2〜18の脂肪族エチレン性不飽和単量体
(3)炭素数5〜10の脂環式エチレン性不飽和単量体
(4)ポリアルキレングリコール鎖(炭素数2〜4のアルキレン、分子量40〜500) を有するモノ(メタ)アクリレート
- (a)の量が(b)の量に対して重量基準で0.001〜1重量%である請求項1記載の粘度指数向上剤。
- ラジカル重合性単量体(b)が炭素数1〜5のアルキル(メタ)アクリレートと炭素数が6〜24の(メタ)アクリレートからなり、その重量比が(1〜30%)/(70〜99%)である請求項1または2記載の粘度指数向上剤。
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