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JP4309027B2 - アダプティブアレーアンテナ - Google Patents

アダプティブアレーアンテナ Download PDF

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JP4309027B2
JP4309027B2 JP2000193345A JP2000193345A JP4309027B2 JP 4309027 B2 JP4309027 B2 JP 4309027B2 JP 2000193345 A JP2000193345 A JP 2000193345A JP 2000193345 A JP2000193345 A JP 2000193345A JP 4309027 B2 JP4309027 B2 JP 4309027B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アダプティブアレーアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
図17(a),(b)に、アダプティブアレーアンテナを構成する各アンテナ素子の従来の配列を示す。図17(a)の配列は、支持マスト10を中心とした直径dの円周上の4等分した位置にアンテナ素子A1,B1,C1,D1が立設された、いわゆる円形配列であり、一方、図17(b)の配列は、アンテナ素子A2,B2,C2,D2が、A2−B2間及びC2−D2間の間隔d、B2−C2間の間隔2dで1本の直線上に配置された、いわゆるブロードサイドアレー配列である。又、支持マスト10はアンテナ素子B2,C2の中間に配置されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のアダプティブアレーアンテナは、上記のように各アンテナ素子が配列されていたため、図17(a)のように配列された場合、後方のアンテナ素子C1の放射角内に前方のアンテナ素子A1或いは支持マスト10が配置されてしまい、障害物となり、後方のアンテナ素子C1はその障害物を結ぶ延長線上の目標に対して能力を発揮することができず、全てのアンテナ素子を有効に利用できないため、アダプティブアレーアンテナとしての指向性や利得等の特性低下は避けられなかった。又、図17(b)のように、より少ない素子数で利得を大きくするためアンテナ素子A2,B2,C2,D2を正面方向に対して横一列に配置した場合には、取り付けスペースが大きくなるため、そのスペースの確保や工事が大掛かりになるし、これらアンテナ素子を支持固定する為の固定部材や支持マスト10等についても強度が求められ大型化していた。
【0004】
こうした問題に鑑み、本発明に係るアダプティブアレーアンテナは、小型で、設置が容易であると共に最適なアイソレーションも確保可能とすることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、左右にアンテナ素子を2本立設して成る第1組のアンテナと、該第1組のアンテナの後方に前記第1組のアンテナより左右に広げて対称にアンテナ素子を2本立設して成る第2組のアンテナと、立設した4本の前記アンテナ素子を一定の位置関係に保たせる支持アームと、前記第2組のアンテナの中間或いはその後方に立設し、前記支持アームで配列された4本の前記アンテナ素子を使用エリアに指向性の向きを合わせて固定して、前記第1組のアンテナと前記第2組のアンテナの双方を支持する支持マストと、を有してなるアダプティブアレーアンテナであって、4本の前記アンテナ素子が、水平面の半値角が略90°以下の指向性をそれぞれ持ち、前記支持アームが、第1組のアンテナのアンテナ素子間隔が、適用する電波の波長の略3倍であり、かつ、第2組のアンテナのアンテナ素子間隔が、適用する電波の波長の略9倍であり、さらに、前記第1組のアンテナの列と前記第2組のアンテナの列との間隔が、適用する電波の波長の略3倍である位置関係を保たせるように構成される。
【0010】
請求項の発明は、請求項1において、前記アンテナ素子、棒状の1本の放射器と、該放射器後方の前記放射器を中心とした略同一半径上に一定間隔をおいて前記放射器と平行に配置した少なくとも1本の棒状の反射器とを有し、前記放射器及び前記反射器の少なくとも上下端部を支持具で支持して構成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係るアダプティブアレーアンテナの第1の実施形態を示し、(a)及び(b)はその平面図及び正面図である。図1に示すように、本アダプティブアレーアンテナは、立設した4本のアンテナ素子A,B,C,Dを一定の位置関係に保たせる支持アーム11,12,13,14により、各アンテナ素子相互間で及ぼしあう電磁界の影響を調整し、素子相互間の電磁界の寄与の和からアンテナ全体の放射界を決定しており、支持アーム11,12,13,14で配列されたアンテナ素子A,B,C,Dが使用エリアに指向性の向きを合わせて固定される支持マスト10と、放射電波の発生或いは受信等を制御する制御部30とで構成される。アンテナ素子A,B,C,Dは、支持マスト10の上部で水平方向に突設された上下一組の支持アーム11,12,13,14の先端部に取付けられる。
【0012】
又、図2は本発明に係るアダプティブアレーアンテナの第2の実施形態を示し、図2に示すように、左右に立設した一組のアンテナ素子E,Fを支持アーム15,16の先端で支持して、支持マスト10で使用エリアに指向性の向きを合わせて固定し、放射電波の発生或いは受信等を制御する制御部30とでアダプティブアレーアンテナを構成する。
【0013】
次に、図3には、第1及び第2の実施形態のアダプティブアレーアンテナを構成するアンテナ素子A,B,C,D,E,F(以下、「各アンテナ素子」とする)の内、アンテナ素子B単体の外形を示し、(a)及び(b)はその平面図及び正面図である。尚、他のアンテナ素子A,C,D,E,Fは、アンテナ素子Bと同様に構成される。図3(a)及び(b)に示すように、アンテナ素子Bは、線状アンテナのエレメントを、例えばガラス繊維強化プラスチックで形成した筒状のエレメント保護カバー23で覆って構成した放射器50の最下部にベース金具25をはめ込み、放射器50の後方に3本の反射器24を配置させ、これらの上下を支持具21により支持し形成される。そして、アンテナ素子Bは、支持アーム12の先端部を支持具21と当板22とで挟み、ボルト28とナット29で締めつけて支持アーム12に取付けられる。ここで、エレメント保護カバー23に封入された線状アンテナは、半波長ダイポールアンテナをスリーブアンテナとして複数本積み重ねてカスケード接続されコリニアアレーを構成する。
【0014】
又、図4には、図3で示した放射器50と反射器24との位置関係を示す。放射器50の真後ろには反射器24が1本配置され、その反射器24の左右には放射器50を中心として55[°]回転した位置に反射器24が各1本配置され、計3本の反射器24が、適用する電波の波長をλとして、放射器50から略λ/4の距離をおいて配置される。尚、ここでは、反射器24は、放射器50を中心とした半径略λ/4上に配置したが、放射器50の位置を焦点とする放物線上に配置しても良い。
【0015】
図3,4の構成による各アンテナ素子単体での垂直面指向性能図及び水平面指向性能図を図5(a)及び(b)に示す。ここで、適用する電波は、PHS(パーソナル・ハンディホン・システム)で使用する電波、すなわち1.9GHz帯PHSの中心周波数f0=1.90655[GHz]の垂直偏波とした。この時、波長λは約0.15[m]になる。よって、アンテナ長0.075[m]とする半波長ダイポールアンテナをスリーブアンテナとして、これを20本積み重ねてエレメント保護カバー23に封入し、全長を約1.6[m]とする放射器50を構成し、その後方に3本の反射器24を配置する位置関係をもって各アンテナ素子を構成した結果、各アンテナ素子単体では、図5(a)のように垂直面内において、利得16[dBi]の電波を半値角約6.5[°]の指向性で放射することが可能となる。さらに、図5(b)のように水平面内においては、利得16[dBi]の電波を半値角約90[°]の指向性で放射することが可能となる。
【0016】
尚、放射器50の後方に配置する反射器24の本数は3本に限らず、本数を増減させて配置間隔の疎密を変えることにより目標方向に対する水平面の指向性の幅を調整することができる。また、エレメント保護カバー23へ封入するスリーブアンテナの本数を変える事により、利得と垂直面内の半値角の調整ができる。つまり、本数を多くして放射器50の全長を長くすれば、利得を大きくでき、半値角を小さく、指向性を鋭くできる。
【0017】
このように、各アンテナ素子夫々の放射器50及び反射器24の両端は、支持具21で支持されるため、片側のみの支持の様に、支持されていない開放端側が風雨等によって振動を起こすことが無く、放射器50と反射器24、反射器24と他の反射器24との間隔が変わる要因を排除することができるから、各アンテナ素子はもちろん、隣接するアンテナ素子相互での干渉による放射及び受信特性の劣化も抑えることができる。尚、放射器50は複数のスリーブアンテナで構成されるので、放射器50の中間の特性劣化を起こさない位置、例えば隣り合うスリーブアンテナの接続点が置かれる位置に、支持具21を置いて、両端だけでなく中間でも固定すれば、放射及び受信特性の劣化につながる振動を防ぐと共に、各アンテナ素子の機械的強度をより高めることができる。
【0018】
次に、第1の実施形態として示したアダプティブアレーアンテナのアンテナ素子A,B,C,Dと支持マスト10の位置関係を図6に示し、並びに、第2の実施形態として示したアンテナ素子E,Fと支持マスト10の位置関係を図7に示す。図6において、正面方向に対して左右に広げて配置されたアンテナ素子B,Cから成る後方の第2組のアンテナ42は、その前方に配置されたアンテナ素子A,Dから成る第1組のアンテナ41の外側に左右に広げて配置される。又、
支持マスト10は、第2組のアンテナ42のアンテナ素子B,Cの中間に配置される。そして、図7においては、支持マスト10は、正面方向に対して左右に広げて配置されたアンテナ素子E,Fから成るアンテナの組43の中間に配置される。
【0019】
この第1の実施形態では,アンテナ素子A,B,C,Dを第1組のアンテナ41と第2組のアンテナ42とで前後の2列にし、第2組のアンテナ42を左右に広げることによって各アンテナ素子相互間のアイソレーションが適正な値を保つよう配置すれば、同様の素子間隔で4本のアンテナ素子を横一列に並べて配置する場合と比べ、左右方向への広がりを抑えることができ、アンテナ全体を小型化できる。さらに、アンテナ素子B,Cを支える支持アーム12,13を短くできるので、支持アーム12,13を初めとした支持マスト10等のアンテナ素子支持部材全体の機械的強度を増すことができ、使用材料を減らすことができるから製造コストを減らすことができる。
【0020】
又、第2の実施形態では、アンテナ素子E,Fから成るアンテナの組43により、最小のアンテナ素子数でアダプティブアレーアンテナを構成することができ、小型及び軽量化を図ることができる。
【0021】
そして、支持マスト10は、第1,2組のアンテナ41,42又はアンテナの組43を構成する各2本のアンテナ素子の左右対称軸上に配置されるので、左右方向の重量バランスが良くなるため、調整の手間を省くことができ、取付け作業が簡易になる。
【0022】
隣接するアンテナ素子は所要の放射特性を得るため一定の間隔で配置する必要があるが、図8には、第3の実施形態として、第1の実施形態に係るアンテナ素子の間隔を適用される電波の波長で規定した時のアダプティブアレーアンテナの平面図を、図9には、第4の実施形態として、第2の実施形態に係るアンテナ素子の間隔を適用される電波の波長で規定した時のアダプティブアレーアンテナの平面図を示す。まず、図8に示した本発明に係る第3の実施形態では、半値角が例えば90±5[°]の指向性を持つアンテナ素子A,B,C,Dを一定の位置関係に保たせる支持アーム11,12,13,14により、第1組のアンテナ41のアンテナ素子A,Dの間隔を適用される電波の波長λの略3倍とし、第2組のアンテナ42のアンテナ素子B,Cの間隔を適用される電波の略9倍とし、第1組と第2組のアンテナ41,42の列の間隔を適用される電波の波長λの略3倍として各アンテナ素子間の間隔を規定し、支持マスト10を第2組のアンテナ42の中間に位置させる。
【0023】
この第3の実施形態のようにアンテナ素子A,B,C,Dの間隔を規定して配置することによって、後方のアンテナ素子B,Cから放射される電波の半値角内に前方のアンテナ素子A,D及び支持マスト10が配置されることを無くすことができ、それらの障害物による放射特性の劣化を防ぐことが可能となる。
【0024】
次に、図9(a)に示した本発明に係る第4の実施形態は、半値角が例えば90±5[°]の指向性を持つアンテナ素子E,Fを一定の位置関係に保たせる支持アーム15,16により、アンテナの組43のアンテナ素子E,Fの間隔を適用される電波の波長λの略3倍とし、支持マスト10をアンテナ素子E,Fの中間軸上後方へ波長λの略3倍に位置させる。又、第4の実施形態では、図9(b)に示すように、アンテナの組43のアンテナ素子E,Fの間隔を適用される電波の波長λの略9倍とし、支持マスト10をアンテナ素子E,Fの中間に位置させることも可能である。
【0025】
この第4の実施形態のようにアンテナ素子E,Fの間隔を規定し配置することによって、アンテナ素子E,Fから放射される電波の半値角内に支持マスト10が配置されることを無くすことができ、支持マスト10による放射特性の劣化を防ぐことが可能となる。
【0026】
図10は、より具体的な実施の形態として、図8に示した本発明に係る第3の実施形態を周波数帯域1.8935[GHz]〜1.9196[GHz]のPHS基地局用アンテナに用いた場合のシステム構成図であり、この図を基に、PHS端末2とPHS基地局4との通信動作について具体的に説明する。PHS端末2に割り当てられた固有の識別符号を含んだ電波は、PHS端末2からその通話開始操作により放射され、PHS基地局用アンテナ1の、受信可能に動作電力の供給を受けている4本のアンテナ素子により受信されて通信が開始される。放射ビームの方向を変えるだけでなく、指向性の形をも変えることができるアダプティブアレーアンテナとして機能させるためには、個々のアンテナ素子に位相差を変えて電力を供給すると共に、個々のアンテナ素子に励振振幅を変えて電力を供給する必要があるが、本実施形態においては、その電力供給は、4本のアンテナ素子について時分割的に順番に電力供給可能とする制御部30の制御により行われる。4本のアンテナ素子によって受信し伝送線を介して伝送されたPHS端末2の電波から各PHS端末2の固有の識別符号を含んだ信号が制御部30により取り出され、PHS端末2は目標PHS端末3として認識される。
【0027】
この時、PHS基地局4は、PHS基地局4の4本のアンテナ素子の内いずれか1本のアンテナ素子から目標PHS端末3への下り応答波を放射した時間と、目標PHS端末3からPHS基地局4への上り応答波を受信するまでの時間との時間差から目標PHS端末3との距離を計ることができ、同様に、他のアンテナ素子でも距離を算出して目標PHS端末3の方向を求めることができる。そして、制御部30は、4本のアンテナ素子全てについて各アンテナ素子毎に重み付けを時分割制御して電力を供給することにより、目標PHS端末3に対して、最も良好なアンテナの放射特性の形を決定して、目標PHS端末3は通信終了処理まで捕捉され通信可能となる。尚、アンテナ素子4本から成る第3の実施形態で構成するPHS基地局用アンテナ1は、アンテナ素子2本から成る第4の実施形態で構成するアダプティブアレーアンテナでも代替可能である。又、制御部30の時分割制御及び複数の通話チャネルの割当てにより、複数個のPHS端末2を目標PHS端末3として同時に捕捉通信可能である。
【0028】
そして、本アダプティブアレーアンテナの設置される好適な場所としては、高速道路やテーマパーク等が挙げられる。つまり、ある一定の範囲内で移動する複数のPHS端末2との送受信について本アダプティブアレーアンテナの能力がより発揮される。又、このアダプティブアレーアンテナ4基を支持マスト10から放射状外側4方向に向けて配置すれば、水平面全周方向をサービスエリアとするPHS基地局の実現も可能である。
【0029】
次に、図10に示すように、第3の実施形態をPHS基地局用アンテナ1として使用した時のアンテナ素子A−B間,B−D間,B−C間,A−C間,A−D間及びC−D間アイソレーションの周波数特性の測定結果を図11,12,13,14,15及び16に示す。ここで、アンテナ素子A−D間の間隔ADは0.45[m]、アンテナ素子B−C間の間隔BCは間隔ADの3倍である1.35[m]、並びにアンテナ素子A,D列とアンテナ素子B,C列との間隔AD列−BC列は0.45[m]である。又、支持マスト10はアンテナ素子B,Cの中間に配置される。ここで、間隔AD=間隔AD列−BC列≒0.45[m]は、1.9GHz帯PHSの中心周波数から算出した波長λ≒0.15[m]を3倍した3λに対応するものであり、同様に間隔BC≒1.35[m]は9λに対応している。
【0030】
ここで、図9に示した第4の実施形態をPHS基地局用アンテナ1として使用した場合には、アンテナ素子E−F間アイソレーションは、前述の図8に示した第3の実施形態をPHS基地局用アンテナ1として使用した時の、アンテナ素子A−D間及びB−C間アイソレーションと同様の特性となることが分っており、図9(a)に示した配置の時は図15に示したアンテナ素子A−D間アイソレーションの特性結果と、又、図9(b)に示した配置の時は図13に示したアンテナ素子B−C間アイソレーションの特性結果とが夫々対応する。
【0031】
尚、アンテナ素子A,B,C,Dの素子間隔は上述のように波長の整数倍で規定されているが、アンテナ素子を構成する部材の誘電率のバラツキ等により、目標とする中心周波数の設定値と、実際に励振される放射電波の中心周波数とは、異なる値になることが予想される。したがって、アンテナ素子間隔が目標中心周波数から導き出した波長の丁度整数倍になることは難しく、本実施の形態での素子間隔も、励振条件に応じた変位幅を持つ。
【0032】
ところで、アダプティブアレーアンテナにおける、目標物に対する最大の指向性及び利得を得るための指標としてアンテナ素子間のアイソレーションがあるが、本実施の形態では、−55〜−25[dB]の範囲に含まれることがアンテナの放射特性を最適化するための望ましい値としてPHS基地局4の制御部30の仕様により決められており、アンテナ素子の素子間隔は、アンテナ素子間のアイソレーションの変動に大きな影響を与える重要な要素である。よって、適正な素子間隔で各素子が配列されているか否かは、より高性能なアダプティブアレーアンテナを得るために必須の検討事項である。
【0033】
図11〜16の結果から明らかなように、PHSの周波数帯域1.8935[GHz]〜1.9196[GHz]では、2本のアンテナ素子全ての組合せについて、そのアイソレーションは、−55〜−25[dB]の範囲内に含まれていることがわかる。このことにより、図8及び図9(a)、(b)のような配列でアンテナ素子間隔を決定すれば、1.9GHz帯PHS基地局用アダプティブアレーアンテナとしての放射特性を適正に確保可能なより最適なアイソレーションを得ることができる。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明によれば、左右方向へのアンテナ素子配置の広がりを抑えることができるので、アンテナ全体を小型化できる。
えて、支持マストは、第2組のアンテナの中間、或いは、その後方に立設されるので、左右方向の重量バランスが良いため設置が容易になり、又、放射特性の劣化につながる障害物を排除することができる。
えて、4本の前記アンテナ素子は、水平面の半値角が略90°以下の指向性をそれぞれ持ち、支持アームは、第1組のアンテナのアンテナ素子間隔が、適用する電波の波長の略3倍であり、かつ、第2組のアンテナのアンテナ素子間隔が、適用する電波の波長の略9倍であり、さらに、第1組のアンテナの列と前記第2組のアンテナの列との間隔が、適用する電波の波長の略3倍である位置関係を保たせるので、隣接するアンテナ素子等が相互の半値角内に配置されることが無いのでそれら障害物による放射特性の劣化を防止することができる。さらに、アダプティブアレーアンテナとして最適なアイソレーションを得ることができるので放射特性を適正に確保可能となり、より高性能なアダプティブアレーアンテナを得ることができる。
【0039】
請求項の発明によれば、請求項1の効果に加えて、放射器の両端はもちろん中間でも支持マストに固定できるので、風雨等により放射器や反射器の配置間隔が変化せず、放射特性の安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアダプティブアレーアンテナの第1の実施形態を示し、(a)は本アンテナ外形の平面図、(b)は正面図である。
【図2】本発明に係るアダプティブアレーアンテナの第2の実施形態を示し、(a)は本アンテナ外形の平面図、(b)は正面図である。
【図3】第1或いは第2の実施形態のアダプティブアレーアンテナを構成するアンテナ素子単体の外形図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図4】本発明に係るアダプティブアレーアンテナを構成するアンテナ素子の放射器と反射器との位置関係を示すアンテナ素子の平面図である。
【図5】(a)は図3,4の構成による各アンテナ素子単体での垂直面指向性能特性を示し、(b)は水平面指向性能特性を示す。
【図6】第1の実施形態のアンテナ素子と支持マストの位置関係を示す。
【図7】第2の実施形態のアンテナ素子と支持マストの位置関係を示す。
【図8】第3の実施形態として、第1の実施形態のアンテナ素子の間隔を適用される電波の波長で規定したアダプティブアレーアンテナの平面図である。
【図9】第4の実施形態として、第2の実施形態のアンテナ素子の間隔を適用される電波の波長λで規定したアダプティブアレーアンテナの平面図であり、(a)はアンテナ素子の間隔が3λ、(b)は9λの場合である。
【図10】本発明に係るアダプティブアレーアンテナを1.9GHz帯PHS基地局用アンテナに用いた場合のシステム構成図である。
【図11】図8に示したアダプティブアレーアンテナにおける、アンテナ素子A−B間アイソレーションの測定結果を示す。
【図12】図8に示したアダプティブアレーアンテナにおける、アンテナ素子B−D間アイソレーションの測定結果を示す。
【図13】図8に示したアダプティブアレーアンテナにおける、アンテナ素子B−C間アイソレーションの測定結果を示す。
【図14】図8に示したアダプティブアレーアンテナにおける、アンテナ素子A−C間アイソレーションの測定結果を示す。
【図15】図8に示したアダプティブアレーアンテナにおける、アンテナ素子A−D間アイソレーションの測定結果を示す。
【図16】図8に示したアダプティブアレーアンテナにおける、アンテナ素子C−D間アイソレーションの測定結果を示す。
【図17】従来のアンテナ素子の配列を示し、(a)は円形配列を、(b)はブロードサイドアレー配列を示す。
【符号の説明】
1・・PHS基地局用アンテナ、2・・PHS端末、3・・目標PHS端末、4・・PHS基地局、10・・支持マスト、11,12,13,14,15,16・・支持アーム、21・・支持具、24・・反射器、30・・制御部、41・・第1組のアンテナ、42・・第2組のアンテナ、43・・アンテナの組、50・・放射器、A,B,C,D,E,F・・アンテナ素子。

Claims (2)

  1. 左右にアンテナ素子を2本立設して成る第1組のアンテナと、
    該第1組のアンテナの後方に前記第1組のアンテナより左右に広げて対称にアンテナ素子を2本立設して成る第2組のアンテナと、
    立設した4本の前記アンテナ素子を一定の位置関係に保たせる支持アームと、
    前記第2組のアンテナの中間或いはその後方に立設し、前記支持アームで配列された4本の前記アンテナ素子を使用エリアに指向性の向きを合わせて固定して、前記第1組のアンテナと前記第2組のアンテナの双方を支持する支持マストと、
    を有してなるアダプティブアレーアンテナであって、
    4本の前記アンテナ素子は、
    水平面の半値角が略90°以下の指向性をそれぞれ持ち、
    前記支持アームは、
    第1組のアンテナのアンテナ素子間隔が、適用する電波の波長の略3倍であり、かつ、第2組のアンテナのアンテナ素子間隔が、適用する電波の波長の略9倍であり、さらに、前記第1組のアンテナの列と前記第2組のアンテナの列との間隔が、適用する電波の波長の略3倍である位置関係を保たせる、
    ことを特徴とするアダプティブアレーアンテナ。
  2. 前記アンテナ素子は、
    棒状の1本の放射器と、
    該放射器後方の前記放射器を中心とした略同一半径上に一定間隔をおいて前記放射器と平行に配置した少なくとも1本の棒状の反射器と、を有し、
    前記放射器及び前記反射器の少なくとも上下端部を支持具で支持して成る、
    ことを特徴とする請求項1に記載のアダプティブアレーアンテナ。
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