JP4308955B2 - フィルタ装置およびそのフィルタ係数取得方法 - Google Patents
フィルタ装置およびそのフィルタ係数取得方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カットオフ周波数が可変のフィルタ装置に関し、特に音響信号用デジタルフィルタ装置に用いて好適なフィルタ装置およびそのフィルタ係数取得方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、デジタルフィルタ装置としては、図13〜図15に示すものが一般的であった。
【0003】
図13に示すフィルタ装置は、最も簡易な構成を有するものとして知られている。このフィルタ装置では、すべてのフィルタ係数をあらかじめROMなどのフィルタ係数格納記憶部に記憶しておき、周波数値入力器から入力されたフィルタ設定情報により、該当するフィルタ係数をフィルタ係数格納記憶部から検索して、DSP(Digital Signal Processor)のメモリに書込むことにより、デジタルフィルタの設定の変更を行なっていた。このような構成のフィルタ装置の場合、フィルタ係数をCPUなどにより計算する必要がないため、処理を簡略化し、CPUの計算負荷を軽減することができるが、すべてのフィルタ係数をROMなどの記憶媒体に格納することが必要であるため、記憶媒体の容量が膨大になるという問題があった。
【0004】
一方、図14に示すフィルタ装置は、周波数値入力器から入力されたフィルタ設定情報により、該当するフィルタ係数をフィルタ係数計算処理部によりすべて計算する。このため、フィルタ係数を格納するROMなどの記憶媒体は必要ないが、フィルタ係数をすべてCPUなどにより計算するため、処理時間がかかる。したがって、ファームウエアなどのCPUでは誤差なくフィルタ係数を計算することが困難であり、精度良く計算するためには高価なCPUを使用しなければならないという問題があった。
【0005】
そこで、図13に示すフィルタ装置における記憶媒体の容量が膨大になる問題と図14に示すフィルタ装置におけるCPUによる計算負担の増大の問題を解決するフィルタ装置として、図15のような構成のフィルタ装置が知られている。このフィルタ装置では、フィルタ係数を部分的に計算し、それをあらかじめフィルタ係数格納記憶部に記憶しておく。そして、周波数値入力器から入力されたフィルタ設定情報により、該当するフィルタ係数を検索して取得し、取得した部分的に計算されたフィルタ係数に対して、フィルタ係数展開処理部によりフィルタ係数計算式に基いた係数展開を実行し、それにより得られたフィルタ係数をDSPのメモリに書込むことにより、デジタルフィルタの設定の変更を行なっていた。このようなフィルタ装置の場合、図13の従来装置よりもフィルタ係数を格納するROMなどの容量を削減でき、図14の従来装置よりもCPUによる計算の誤差の影響が少ないデジタルフィルタを構成することができる。
【0006】
以降、図15に示すフィルタ装置について具体的に説明する。ここではデジタル信号処理の2次のIIR(Infinite Impulse Response)フィルタをDSPで実現する場合における一例を説明する。
【0007】
2次のIIRフィルタの伝達関数は、
H(Z)=(b0+b1Z-1+b2Z-2)/(1−a1Z-1−a2Z-2) …式[1]
で示される。
【0008】
一方、パラメトリックイコライザは、PKG(ピーキングフィルタ)と呼ばれるようなフィルタである。
【0009】
パラメータにはカットオフ周波数(中心周波数とも呼ぶ)fc、ゲインk、バンド幅fBがある。伝達関数H(S)は次の式[2]により定義される。
H(S)=1+k・HB(S)…式[2]
ここで、HB(S)は2次BPF(バンドパスフィルタ)伝達関数で、k=10k/20―1である。
【0010】
BPFの伝達関数は、下記により与えられる。
HB(S)=(ωc/Q)S/{S2 +(ωc/Q)S+ωc2} …式[3]
ただし、ωc =2πfc、Q=fB/fcとする。
【0011】
したがって、PKGの伝達関数H(S)は、
H(S)=1+k(ωc/Q)S/{S2+(ωc/Q)S+ωc2}…式[4]
双一次Z変換を行うと
H(Z)=1+k・(1−Z-2)/(1−a1Z-1−a2Z-2) …式[5]
さらにこの式を整理すると、
H(Z)=(b0+b1Z-1+b2Z-2)/(1−a1Z-1−a2Z-2) …式[6]
となる。
【0012】
したがって、
a1=A×2×(1−ωc2)/{1+(ωc/Q)+ωc2} …式[7]
a2=A×{(ωc/Q)−1−ωc2}/{1+(ωc/Q)+ωc2} …式[8]
b0=A×{1+(1+k)×(ωc/Q)+ωc2}/{1+(ωc/Q)+ωc2}…式[9]
b1=−A×2×(1−ωc2)/{1+(ωc/Q)+ωc2}…式[10]
b2=b0=A×{1+(1+k)×(ωc/Q)+ωc2}/{1+(ωc/Q)+ωc2} …式[11]
これを例えば共通項を仮に
α=(ωc/Q)/{1+(ωc/Q)+ωc2} …式[12]
β=(1−ωc2)/{1+(ωc/Q)+ωc2} …式[13]
とすれば、ROMなどにあらかじめ(α、β)のみを計算して格納しておき、上記の式[7]〜式[11]が得られるように展開式を組めば、DSPのメモリに書込まれるフィルタ係数が計算される。
【0013】
以上のように、図15に示した従来装置においては、共通する係数をあらかじめくくり出して、ROMなどの格納手段により格納しておき、フィルタの計算式より決定される展開方法により、DSPのメモリに転送される実際のフィルタ係数が計算される。このようにして、可変型デジタルフィルタの必要なフィルタ係数を格納する容量を軽減でき、なおかつ、フィルタ係数を部分的にあらかじめ格納して、係数展開することによりCPUなどによる計算負荷を軽減できた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のフィルタの設定方法では、カットオフ周波数fc、ゲインk、先鋭度Qのパラメータの取り得る数が増えれば、ROMなどの記憶媒体に格納すべき係数データ数も増えるという問題があった。さらに、近年、周波数分解能が高い音響機器用デジタルフィルタが要求されており、記憶媒体に格納すべきフィルタ係数データの数がさらに増える傾向にある。したがって、図15の従来装置では記憶媒体に格納すべきフィルタ係数を削減できない問題が生じてきた。
【0015】
また、処理ビット数が少ない例えば8ビットマイコンなどの処理スピードが遅いCPUなどを使用する場合は、低域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタでは、計算時間が遅い上、計算誤差が音響特性に影響するという問題があった。したがって、低域周波数帯域におけるカットオフ周波数では、特にフィルタ係数を計算する計算精度が要求されていた。
【0016】
さらに、デジタルフィルタが内蔵された機器は多機能化しており、デジタルフィルタ処理自体のリアルタイム性が要求され、CPUへの負担が少ないデジタルフィルタ処理が要求されている。
【0017】
本発明は上記課題を解決するもので、低域周波数帯域のカットオフ周波数を持つデジタルフィルタでも、音響特性の精度が良いデジタルフィルタを実現させ、カットオフ周波数fc、ゲインk、先鋭度Qのパラメータの数を多くした場合でも、デジタルフィルタ係数のデータを格納するROM容量を削減することができ、かつCPUへの処理負担を軽減させるフィルタ装置を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、フィルタ装置に、カットオフ周波数値が入力される第1の手段と、第1の手段により入力されたカットオフ周波数値から、低域周波数帯域と高域周波数帯域ごとにフィルタ係数の取得手段を定める第2の手段と、低域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数があらかじめ格納されている第3の手段と、高域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数が部分的に計算されたデータがあらかじめ格納されている第4の手段と、第4の手段から読み出されデータから高域周波数帯域のフィルタ係数を係数展開により取得する第5の手段と、第3の手段または第5の手段により取得されたフィルタ係数が設定されるデジタルフィルタ手段とを設け、低域周波数帯域と高域周波数帯域とでフィルタ係数取得手段を切り替える構成とした。このように構成したことにより、全体のフィルタ係数の格納容量を削減しつつ、フィルタ係数の制度が要求される低域周波数帯域では精度良くフィルタ係数を取得することができる。
【0019】
また、フィルタ装置に、カットオフ周波数値が入力される第1の手段と、第1の手段により入力されたカットオフ周波数値から、低域周波数帯域と中域周波数帯域と高域周波数帯域ごとにフィルタ係数の取得手段を定める第6の手段と、低域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数があらかじめ格納されている第3の手段と、中域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数が部分的に計算されたデータがあらかじめ格納されている第7の手段と、第7の手段から読み出されたデータから中域周波数帯域のフィルタ係数を係数展開により取得する第8の手段と、高域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数を計算する第9の手段と、第3の手段または第8の手段または第9の手段により取得されたフィルタ係数が設定されるデジタルフィルタ手段とを設け、低域周波数帯域と中域周波数帯域と高域周波数帯域とでフィルタ係数取得手段を切り替る構成とした。このように構成したことにより、全体のフィルタ係数の格納容量を小さくすることができ、なおかつ低域周波数帯域では計算誤差のないフィルタ係数を取得することができる。
【0020】
さらに、前記第3の手段により取得したフィルタ係数、第4の手段から読み出したデータまたは第5の手段で取得したフィルタ係数、第7の手段から読み出したデータまたは第8の手段の手段からで取得したフィルタ係数をそれぞれ補間もしくは対数軸上で補間する手段を設け、デジタルフィルタ手段に設定するフィルタ係数を増加させる構成とした。このように構成したことにより、全体のフィルタ係数の格納容量を削減しつつ、フィルタ係数の精度が要求される低域周波数カットオフ周波数では、精度良くフィルタ係数を取得でき、さらに、ROMなどに格納したカットオフ周波数のフィルタ係数よりも多くのカットオフ周波数のフィルタ係数を取得することができ、かつ周波数軸上で均等な分解能を有するフィルタ係数を取得することができる。
【0021】
また、フィルタ装置において、カットオフ周波数値を入力する第1の手順と、前記第1の手順により入力されたカットオフ周波数値から、そのカットオフ周波数値が低域周波数帯域か高域周波数帯域かを判別する第2の手順と、低域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数があらかじめ格納されている記憶手段からフィルタ係数を取得してデジタルフィルタ手段に設定する第3の手順と、高域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数が部分的に計算されたデータがあらかじめ格納されている記憶手段からそのデータを読み出す第4の手順と、第4の手順で得たデータから高域周波数帯域のフィルタ係数を係数展開により取得し、デジタルフィルタ手段に設定する第5の手順とを備え、第2の手順において低域周波数帯域と判別した場合には第3の手順を実行し、第2の手順において高域周波数帯域と判別した場合には第4の手順および第5の手順を実行するように構成した。このように構成したことにより、全体のフィルタ係数の格納容量を削減しつつ、フィルタ係数の制度が要求される低域周波数帯域では精度良くフィルタ係数を取得することができる。
【0022】
そして、フィルタ装置において、カットオフ周波数値を入力する第1の手順と、第1の手順により入力されたカットオフ周波数値から、そのカットオフ周波数値が低域周波数帯域か中域周波数帯域か高域周波数帯域かを判別する第6の手順と、低域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数があらかじめ格納されている記憶手段からフィルタ係数を取得してデジタルフィルタ手段に設定する第3の手順と、中域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数が部分的に計算されたデータがあらかじめ格納されている記憶手段からそのデータを読み出す第7の手順と、第7の手順で得たデータから中域周波数帯域のフィルタ係数を係数展開により取得し、デジタルフィルタ手段に設定する第8の手順と、高域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数を計算してデジタルフィルタ手段に設定する第9の手順とを備え、第6の手順において低域周波数帯域と判別した場合には第3の手順を実行し、第6の手順において中域周波数帯域と判別した場合には第7の手順および第8の手順を実行し、第6の手順において高域周波数帯域と判別した場合には第9の手順を実行するように構成した。このように構成したことにより、全体のフィルタ係数の格納容量を小さくすることができ、なおかつ低域周波数帯域では計算誤差のないフィルタ係数を取得することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載した発明は、カットオフ周波数値が入力される第1の手段と、前記第1の手段により入力されたカットオフ周波数値から、低域周波数帯域と高域周波数帯域ごとにフィルタ係数の取得手段を定める第2の手段と、前記低域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数があらかじめ格納されている第3の手段と、前記高域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数が部分的に計算されたデータがあらかじめ格納されている第4の手段と、前記第4の手段から読み出されデータから高域周波数帯域のフィルタ係数を係数展開により取得する第5の手段と、前記第3の手段または前記第5の手段により取得されたフィルタ係数が設定されるデジタルフィルタ手段とを備え、低域周波数帯域と高域周波数帯域とでフィルタ係数取得手段を切り替えるフィルタ装置であり、低域周波数帯域のカットオフ周波数値が入力された場合は、あらかじめ格納されているフィルタ係数を用いることによりCPUなどでフィルタ係数を計算することなしにフィルタ係数を取得し、高域周波数帯域のカットオフ周波数値が入力された場合は、係数展開を用いることでフィルタ係数を取得するという作用を有する。
【0024】
本発明の請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、前記第3の手段により取得されたフィルタ係数を補間する第1の補間手段と、前記第4の手段から読み出されたデータまたは前記第5の手段で取得されたフィルタ係数を補間する第2の補間手段とを備え、前記デジタルフィルタ手段に設定されるフィルタ係数を増加させるフィルタ装置であり、第3の手段と第4の手段に格納されているフィルタ係数を補間したフィルタ係数を取得してデジタルフィルタ手段に設定するという作用を有する。
【0025】
本発明の請求項3に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、前記第3の手段により取得されたフィルタ係数を対数軸上で補間する第1の対数補間手段と、前記第4の手段から読み出されたデータまたは前記第5の手段で取得されたフィルタ係数を対数軸上で補間する第2の対数補間手段とを備え、前記デジタルフィルタ手段に設定されるフィルタ係数を増加させるフィルタ装置であり、第3の手段と第4の手段に格納されているフィルタ係数を対数軸上で補間したフィルタ係数を取得してデジタルフィルタ手段に設定するという作用を有する。
【0026】
本発明の請求項4に記載した発明は、カットオフ周波数値が入力される第1の手段と、前記第1の手段により入力されたカットオフ周波数値から、低域周波数帯域と中域周波数帯域と高域周波数帯域ごとにフィルタ係数の取得手段を定める第6の手段と、前記低域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数があらかじめ格納されている第3の手段と、前記中域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数が部分的に計算されたデータがあらかじめ格納されている第7の手段と、前記第7の手段から読み出されたデータから中域周波数帯域のフィルタ係数を係数展開により取得する第8の手段と、前記高域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数を計算する第9の手段と、前記第3の手段または前記第8の手段または前記第9の手段により取得されたフィルタ係数が設定されるデジタルフィルタ手段とを設け、低域周波数帯域と中域周波数帯域と高周波数帯域とでフィルタ係数取得手段を切り替えるフィルタ装置であり、低域周波数帯域のカットオフ周波数値が入力された場合は、あらかじめ格納されているフィルタ係数を用いることによりCPUなどでフィルタ係数を計算することなしにフィルタ係数を取得し、中域周波数帯域のカットオフ周波数値が入力された場合は、係数展開を用いることでフィルタ係数を取得し、高域周波数帯域のカットオフ周波数値が入力された場合はCPUなどでフィルタ係数を計算して取得するという作用を有する。
【0027】
本発明の請求項5に記載した発明は、請求項4に記載の発明において、前記第3の手段により取得されたフィルタ係数を補間する第1の補間手段と、前記第7の手段から読み出されたデータまたは前記第8の手段で取得されたフィルタ係数を補間する第3の補間手段とを備え、前記デジタルフィルタ手段に設定されるフィルタ係数を増加させるフィルタ装置であり、第3の手段と第7の手段に格納されているフィルタ係数を補間したフィルタ係数を取得してデジタルフィルタ手段に設定するという作用を有する。
【0028】
本発明の請求項6に記載した発明は、請求項4に記載の発明において、前記第3の手段により取得されたフィルタ係数を対数軸上で補間する第1の対数補間手段と、前記第7の手段から読み出されたデータまたは前記第8の手段で取得されたフィルタ係数を対数軸上で補間する第3の対数補間手段とを備え、前記デジタルフィルタ手段に設定されるフィルタ係数を増加させるフィルタ装置であり、第3の手段と第7の手段に格納されているフィルタ係数を対数軸上で補間したフィルタ係数を取得してデジタルフィルタ手段に設定するという作用を有する。
【0029】
本発明の請求項7に記載した発明は、請求項2に記載の発明において、前記第1の補間手段および前記第2の補間手段の各々は、N個の部分的補間手段から構成され、各部分的補間手段が2倍の補間を行うフィルタ装置であり、第3の手段と第4の手段に格納されているフィルタ係数を2×N倍に補間したフィルタ係数を取得してデジタルフィルタ手段に設定するという作用を有する。
【0030】
本発明の請求項8に記載した発明は、請求項3に記載の発明において、前記第1の対数補間手段および前記第2の対数補間手段の各々は、N個の部分的対数補間手段から構成され、各部分的対数補間手段が2倍の対数補間を行うフィルタ装置であり、第3の手段と第4の手段に格納されているフィルタ係数を対数軸上で2×N倍に補間したフィルタ係数を取得してデジタルフィルタ手段に設定するという作用を有する。
【0031】
本発明の請求項9に記載した発明は、請求項5に記載の発明において、前記第1の補間手段および前記第3の補間手段の各々は、N個の部分的補間手段から構成され、各部分的補間手段が2倍の補間を行うフィルタ装置であり、第3の手段と第7の手段に格納されているフィルタ係数を2×N倍に補間したフィルタ係数を取得してデジタルフィルタ手段に設定するという作用を有する。
【0032】
本発明の請求項10に記載した発明は、請求項6に記載の発明において、前記第1の対数補間手段および前記第3の対数補間手段の各々は、N個の部分的対数補間手段から構成され、各部分的対数補間手段が2倍の対数補間を行うフィルタ装置であり、第3の手段と第7の手段に格納されているフィルタ係数を対数軸上で2×N倍に補間したフィルタ係数を取得してデジタルフィルタ手段に設定するという作用を有する。
【0033】
本発明の請求項11に記載した発明は、カットオフ周波数値を入力する第1の手順と、前記第1の手順により入力されたカットオフ周波数値から、そのカットオフ周波数値が低域周波数帯域か高域周波数帯域かを判別する第2の手順と、前記低域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数があらかじめ格納されている記憶手段からフィルタ係数を取得してデジタルフィルタ手段に設定する第3の手順と、前記高域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数が部分的に計算されたデータがあらかじめ格納されている記憶手段からそのデータを読み出す第4の手順と、前記第4の手順で得たデータから高域周波数帯域のフィルタ係数を係数展開により取得し、前記デジタルフィルタ手段に設定する第5の手順とを備え、前記第2の手順において低域周波数帯域と判別した場合には前記第3の手順を実行し、前記第2の手順において高域周波数帯域と判別した場合には前記第4の手順および第5の手順を実行するフィルタ装置のフィルタ係数取得方法であり、低域周波数帯域のカットオフ周波数値が入力された場合は、あらかじめ格納されているフィルタ係数を用いることによりCPUなどでフィルタ係数を計算することなしにフィルタ係数を取得し、高域周波数帯域のカットオフ周波数値が入力された場合は、係数展開を用いることでフィルタ係数を取得するという作用を有する。
【0034】
本発明の請求項12に記載した発明は、カットオフ周波数値を入力する第1の手順と、前記第1の手順により入力されたカットオフ周波数値から、そのカットオフ周波数値が低域周波数帯域か中域周波数帯域か高域周波数帯域かを判別する第6の手順と、前記低域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数があらかじめ格納されている記憶手段からフィルタ係数を読み出してデジタルフィルタ手段に設定する第3の手順と、前記中域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数が部分的に計算されたデータがあらかじめ格納されている記憶手段からそのデータを読み出す第7の手順と、前記第7の手順で得たデータから中域周波数帯域のフィルタ係数を係数展開により取得し、前記デジタルフィルタ手段に設定する第8の手順と、前記高域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数を計算して前記デジタルフィルタ手段に設定する第9の手順とを備え、前記第6の手順において低域周波数帯域と判別した場合には前記第3の手順を実行し、前記第6の手順において中域周波数帯域と判別した場合には前記第7の手順および前記第8の手順を実行し、前記第6の手順において高域周波数帯域と判別した場合には前記第9の手順を実行するフィルタ装置のフィルタ係数取得方法であり、低域周波数帯域のカットオフ周波数値が入力された場合は、あらかじめ格納されているフィルタ係数を用いることによりCPUなどでフィルタ係数を計算することなしにフィルタ係数を取得し、中域周波数帯域のカットオフ周波数値が入力された場合は、係数展開を用いることでフィルタ係数を取得し、高域周波数帯域のカットオフ周波数値が入力された場合はCPUなどでフィルタ係数を計算して取得するという作用を有する。
【0035】
以下、本発明の実施の形態について図1から図12を用いて詳細に説明する。
【0036】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、低域周波数帯域のカットオフ周波数値が入力された場合にはあらかじめ格納されているフィルタ係数を設定し、高域周波数帯域のカットオフ周波数値が入力された場合には係数展開を用いて取得したフィルタ係数を設定する。
【0037】
図1は、本発明の第1の実施の形態によるフィルタ装置の構成を示す。この図において、周波数値入力器1から、DSP6により構成されたデジタルフィルタ(以下、デジタルフィルタ6と記載する)に設定するカットオフ周波数が入力される。周波数判別器2は周波数値入力器1から入力されたフィルタのカットオフ周波数値を判断し、低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3からフィルタ係数を参照するか、もしくは高域周波数帯域用フィルタ格納記憶部4からフィルタ係数を参照するかの分岐判断を行う。
【0038】
低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3はROMなどにより構成されており、低域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数があらかじめ計算され格納されている。そして、周波数判別器2が低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3からフィルタ係数を参照すると判断した場合には、この記憶部3からフィルタ係数が検索されて取得され、デジタルフィルタ6へ転送される。
【0039】
同様に、高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4はROMなどにより構成されており、高域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数を部分的に計算したデータがあらかじめ格納されている。そして、周波数判別器2が高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4からフィルタ係数を参照すると判断した場合には、この記憶部4からフィルタ係数が検索されて取得され、高域周波数帯域用係数展開手段5へ転送される。高域周波数帯域用係数展開手段5は、転送されてきたフィルタ係数をデジタルフィルタ6で使用する係数形式に係数展開し、デジタルフィルタ6へ転送する。
【0040】
次に、上記第1の実施の形態の構成について具体例を説明する。ここでは、例として、フィルタリングの対象となるデジタル信号を音響信号とし、デジタルフィルタ6に設定可能な周波数帯域は20Hzから20kHzとし、フィルタの形はPKG(ピーキングフィルタ)とする。また、低域周波数帯域と高域周波数帯域は100Hzで分ける。つまり、20Hz以上100Hz未満は低域周波数帯域、100Hz以上20kHx以下は高域周波数帯域とする。勿論、この100Hzでの分岐はあくまでも例であって、実際はデジタルフィルタ6の精度、Q(尖鋭度)の設定値、PKGのゲインの最大値などに依存しており、実験的に求められる。ここでは、仮に100Hzと定めることにする。
【0041】
つまり、
低域周波数帯域 20Hz≦fc<100Hz
高域周波数帯域 100Hz≦fc≦20kHz
とする。
【0042】
低域周波数帯域のカットオフ周波数のフィルタ係数は、前述した低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3にデジタルフィルタ6へ転送される係数形式で格納されている。DSPで使用する係数形式は、一般的に従来例で示したデジタルフィルタの伝達関数の式[6]から、従来例の式[7]〜[11]におけるb0、b1、b2、a1、a2の五つの係数で表現できる。低域周波数帯域用のこの五つの係数は、PKGフィルタの周波数、ゲイン(フィルタのブート量)、Qにより、例えば図11(a)のようなイメージで低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3に格納されている。
【0043】
また、高域周波数帯域のカットオフ周波数のフィルタ係数は、式[7]〜式[11]におけるb0、b1、b2、a1、a2に共通する部分だけくくり出し、例えば、前記の式[12]、式[13]で示される共有部分の値α、βを図11(b)のようなイメージで、前述した高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4にあらかじめ格納されている。
【0044】
次に、以上のように構成されたデジタルフィルタ装置の動作を説明する。
【0045】
周波数値入力器1から、カットオフ周波数として20Hz以上100Hz以下の周波数値が入力された場合、周波数値判別器2は低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3からフィルタ係数を参照する。つまり、図11(a)に示したようなイメージで低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3に格納されているデータからこのカットオフ周波数が検索され、対応するPKGゲイン、Q、b0、b1、b2、a1、a2が読み出され、デジタルフィルタ6へ転送される。
【0046】
一方、周波数値入力器1から、カットオフ周波数として100Hz以上20kHz未満の周波数値が入力された場合、周波数値判別器2は高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4からフィルタ係数を参照する。つまり、図11(b)に示したようなイメージで高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4に格納されているデータからこのカットオフ周波数が検索され、対応するPKGゲイン、Q、α、βが読み出され、高域周波数帯域用係数展開手段5へ転送される。高域周波数帯域用係数展開手段5では、入力されたPKGゲイン、Q、α、βを用いてフィルタ係数b0、b1、b2、a1、a2を計算し、デジタルフィルタ6へ転送する。フィルタ係数は計算式は式[7]〜式[11]から決定される。最終的に式[7]〜式[11]の形になれば良い。
【0047】
以上のように低域周波数帯域のフィルタ係数が設定された場合は、ROMなどからすでに計算されて格納されているフィルタ係数を取得して使用するので、高い計算精度が保てないCPUを使用する場合などでも、計算による誤差は発生しない。したがって、音響特性上、フィルタ係数の高精度が要求される低域周波数帯域でも誤差のないデジタルフィルタを構成することができる。
【0048】
一方、高域周波数帯域では、フィルタ係数の共通部分から係数展開をすることにより、ROMなどに格納する係数データを削減することができる。この場合、8ビットCPUなどや、計算負荷の軽減のために簡易的な計算方法を用いる場合のような計算誤差が発生する環境においても、仮に計算誤差が発生したとして高域周波数帯域なので、音響特性に影響を与えることがない。すなわち、高域周波数帯域では、フィルタ係数の誤差はあっても音響特性への誤差が少ないということを利用している。
【0049】
このようにして、本実施の形態では、全体のフィルタ係数格納用ROMの容量を削減しつつ、音響特性上の誤差を軽減させ、CPUなどの計算負荷を軽減することができる。
【0050】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態では、第1の実施の形態において、さらにあらかじめ格納されているフィルタ係数を平均したフィルタ係数の設定を可能にした。
【0051】
図2は、本発明の第2の実施の形態によるフィルタ装置の構成を示す。この図において、図1と同一もしくは相当の部分には図1で使用した符号と同一の符号を付し、本発明の第2の実施の形態の特徴である部分のみ説明する。
【0052】
本実施の形態では、低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3とデジタルフィルタ6との間に平均処理部7が設けられ、高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4と高域周波数帯域用係数展開手段5との間に平均処理部8が設けられている。それ以外の構成は図1と同一である。
【0053】
平均処理部7は、低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3から読み出された隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数を平均処理することにより、隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数の中間のフィルタ係数を取得する。例えば、各フィルタ係数b0、b1、b2、a1、a2において、以下のように平均値を計算し、隣接したカットオフ周波数のフィルタ係数どうしの中間のフィルタ係数
b0[{(m-1)+m}/2]={b0(m-1)+b0(m)}/2 … 式[14]
b1[{(m-1)+m}/2]={b1(m-1)+b1(m)}/2 … 式[15]
b2[{(m-1)+m}/2]={b2(m-1)+b2(m)}/2 … 式[16]
a1[{(m-1)+m}/2]={a1(m-1)+a1(m)}/2 … 式[17]
a2[{(m-1)+m}/2]={a2(m-1)+a2(m)}/2 … 式[18]
を得ることができる。
【0054】
同様に、平均処理部8は、高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4から読み出された隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数を平均処理することにより、隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数の中間のフィルタ係数を取得する。
【0055】
デジタルフィルタ6の特性を第1の実施の形態と同一にした場合、平均処理部7から図12(a)に示すようなイメージのデータを取得することができる。なお、この図において、Fc(m)=21Hzのb0の値は、Fc(m)=20Hzのb0の値B0(1)とFc(m)=22.4Hzのb0の値B0(2)の平均値であることを意味する。b1、b2、a1、a2についても、またFc(m)=24Hz、・・・85Hzについても同様である。
【0056】
同様に、平均処理部8から図12(b)に示すようなイメージのデータを取得することができる。なお、この図において、Fc(k)=105Hzのαの値は、Fc(k)=100Hzのαの値Fc(1)とFc(k)=1124Hzのαの値Fc(2)の平均値であることを意味する。βについても、またFc(k)=・・・19.2kHzについても同様である。
【0057】
このように、平均処理演算を行うことによって、2倍の数のフィルタ係数を取得することができる。また、2分の1のROM容量で、同じ数のフィルタ係数を得ることができる。
【0058】
次に、以上のように構成された第2の実施の形態の動作を説明する。
【0059】
周波数値入力器1から、カットオフ周波数として20Hz以上100Hz未満の周波数値が入力された場合、周波数値判別器2は低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3からフィルタ係数を参照する。つまり、図11(a)に示したようなイメージで低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3に格納されているデータからこのカットオフ周波数が検索され、対応するPKGゲイン、Q、b0、b1、b2、a1、a2が読み出され、平均処理部7へ転送される。
【0060】
この時、周波数値入力器1から入力されたカットオフ周波数が低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3に格納されている値(ここでは、20Hz、22.4Hz、25Hz、・・・80Hz、90Hz)の場合は、平均処理部7では入力されたフィルタ係数をそのままデジタルフィルタ6へ転送する。
【0061】
周波数値入力器1から入力されたカットオフ周波数が低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3に格納されている値ではない場合(例えば21Hz)には、低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3からは、そのカットオフ周波数の上下に隣接する二つのカットオフ周波数(例えば20Hzと22.4Hz)のフィルタ係数が平均処理部7へ転送される。平均処理部7では入力された隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数を平均することにより、入力されたカットオフ周波数のフィルタ係数を取得し、デジタルフィルタ6へ転送する。
【0062】
一方、周波数値入力器1から、カットオフ周波数として100Hz以上20kHz以下の周波数値が入力された場合、周波数値判別器2は高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4からフィルタ係数を参照する。つまり、図11(b)に示したようなイメージで高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4に格納されているデータからこのカットオフ周波数が検索され、対応するPKGゲイン、Q、α、βが読み出され、平均処理部8へ転送される。
【0063】
この時、周波数値入力器1から入力されたカットオフ周波数が高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4に格納されている値(ここでは、100Hz、112Hz、・・・18kHz、20kHz)の場合は、平均処理部8では入力されたフィルタ係数をそのまま高域周波数帯域用係数展開手段5へ転送する。
【0064】
周波数値入力器1から入力されたカットオフ周波数が高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4に格納されている値ではない場合(例えば19.2kHz)には、高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4からは、そのカットオフ周波数の上下に隣接する二つのカットオフ周波数(例えば18kHzと20kHz)のフィルタ係数が平均処理部8へ転送される。平均処理部8では入力された隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数を平均することにより、入力されたカットオフ周波数のフィルタ係数を取得し、高域周波数帯域用係数展開手段5へ転送する。
【0065】
周波数値入力器1から入力されたカットオフ周波数が高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4に格納されている値である場合もそうでない場合も、高域周波数帯域用係数展開手段5では、入力されたPKGゲイン、Q、α、βを用いて最終的に式[7]〜式[11]の形になるように、フィルタ係数b0、b1、b2、a1、a2を計算し、デジタルフィルタ6へ転送する。なお、周波数値入力器1から入力可能なカットオフ周波数は図12のようにあらかじめ決まっており、ユーザがそれを知り得るように構成されている。
【0066】
このように、本発明の第2の実施の形態では、低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3、高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4のそれぞれの出力に平均処理を施しているため、第1の実施の形態の有する利点に加えて、低域周波数帯域、高域周波数帯域ともに、ROMに格納する係数データを2分の1に削減、もしくは2倍の分解能を持つデジタルフィルタを構成することができるという利点を有する。
【0067】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態では、第1の実施の形態において、さらにあらかじめ格納されているカットオフ周波数のフィルタ係数を対数軸上で平均したフィルタ係数の設定を可能にした。
【0068】
図3は、本発明の第3の実施の形態によるフィルタ装置の構成を示す。この図において、図1と同一もしくは相当の部分には図1で使用した符号と同一の符号を付し、本発明の第3の実施の形態の特徴である部分のみ説明する。
【0069】
本実施の形態では、低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3とデジタルフィルタ6との間に対数平均処理部9が設けられ、高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4と高域周波数帯域用係数展開手段5との間に対数平均処理部10が設けられている。それ以外の構成は図1と同一である。
【0070】
対数平均処理部9は、低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3から読み出された隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数を対数上で平均処理することにより、隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数の中間フィルタ係数を取得する。例えば、各フィルタ係数b0、b1、b2、a1、a2において、以下のように対数による平均を計算し、隣接したカットオフ周波数のフィルタ係数どうしの対数上での中間のフィルタ係数
b0[{(m-1)+m}/2]=log{b0(m-1)×b0(m)}/2 … 式[19]
b1[{(m-1)+m}/2]=log{b1(m-1)×b1(m)}/2 … 式[20]
b2[{(m-1)+m}/2]=log{b2(m-1)×b2(m)}/2 … 式[21]
a1[{(m-1)+m}/2]=log{a1(m-1)×a1(m)}/2 … 式[22]
a2[{(m-1)+m}/2]=log{a2(m-1)×a2(m)}/2 … 式[23]
を得ることができる。
【0071】
同様に、対数平均処理部10は、高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4から読み出された隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数を対数上で平均処理することにより、隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数の中間のフィルタ係数を取得する。すなわち、係数展開前の各フィルタ係数α、βにおいて、以下のように対数平均を計算し、隣接したカットオフ周波数のフィルタ係数どうしの中間のフィルタ係数
α[{(m-1)+m}/2]=log{α(m-1)×α(m)}/2 … 式[24]
β[{(m-1)+m}/2]=log{β(m-1)×β(m)}/2 … 式[25]
を得ることができる。
【0072】
このように、平均処理演算を行うことによって、対数軸上で均等な間隔を有する2倍のフィルタ係数を取得することができる。また、2分の1のROM容量で、同じ数のフィルタ係数を得ることができる。さらに、平均処理は対数上で行っているので聴感上、周波数軸上で均等なカットオフ周波数を持つフィルタ係数を得ることができる。
【0073】
次に、以上のように構成された第3の実施の形態の動作を説明する。
【0074】
周波数値入力器1から、カットオフ周波数として20Hz以上100Hz未満の周波数値が入力された場合、周波数値判別器2は低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3からフィルタ係数を参照する。つまり、図11(a)に示したようなイメージで低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3に格納されているデータからこのカットオフ周波数が検索され、対応するPKGゲイン、Q、b0、b1、b2、a1、a2が読み出され、対数平均処理部9へ転送される。
【0075】
この時、周波数値入力器1から入力されたカットオフ周波数が低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3に格納されている値(ここでは、20Hz、22.4Hz、25Hz、・・・80Hz、90Hz)の場合は、対数平均処理部9では入力されたフィルタ係数をそのままデジタルフィルタ6へ転送する。
【0076】
周波数値入力器1から入力されたカットオフ周波数が低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3に格納されている値ではない場合には、低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3からは、そのカットオフ周波数の上下に隣接する二つのカットオフ周波数のフィルタ係数が対数平均処理部9へ転送される。対数平均処理部9では入力された隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数を対数上で平均することにより、入力されたカットオフ周波数のフィルタ係数を取得し、デジタルフィルタ6へ転送する。
【0077】
一方、周波数値入力器1から、カットオフ周波数として100Hz以上20kHz以下の周波数値が入力された場合、周波数値判別器2は高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4からフィルタ係数を参照する。つまり、図11(b)に示したようなイメージで高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4に格納されているデータからこのカットオフ周波数が検索され、対応するPKGゲイン、Q、α、βが読み出され、対数平均処理部10へ転送される。
【0078】
この時、周波数値入力器1から入力されたカットオフ周波数が高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4に格納されている値(ここでは、100Hz、112Hz、・・・18kHz、20kHz)の場合は、対数平均処理部8では入力されたフィルタ係数をそのまま高域周波数帯域用係数展開手段5へ転送する。
【0079】
周波数値入力器1から入力されたカットオフ周波数が高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4に格納されている値ではない場合(例えば19.2kHz)には、高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4からは、そのカットオフ周波数に隣接する二つのカットオフ周波数(例えば18kHzと20kHz)のフィルタ係数が対数平均処理部10へ転送される。対数平均処理部10では式[24]、[25]を用いて入力された二つのカットオフ周波数のフィルタ係数を対数上で平均することにより、入力されたカットオフ周波数のフィルタ係数を取得し、高域周波数帯域用係数展開手段5へ転送する。
【0080】
周波数値入力器1から入力されたカットオフ周波数が高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4に格納されている値である場合もそうでない場合も、高域周波数帯域用係数展開手段5では、入力されたPKGゲイン、Q、α、βを用いて最終的に式[7]〜式[11]の形になるように、フィルタ係数b0、b1、b2、a1、a2を計算し、デジタルフィルタ6へ転送する。なお、周波数値入力器1から入力可能なカットオフ周波数は図12のようにあらかじめ決まっており、ユーザがそれを知り得るように構成されている。
【0081】
このように、本発明の第3の実施の形態では、低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3、高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4のそれぞれの出力に対数平均処理を施しているため、第2の実施の形態の有する利点に加えて、さらに聴感上での均等処理の効果を得ることができる。
【0082】
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態では、周波数帯域を低域、中域、高域の三つに分け、低域周波数帯域のカットオフ周波数値が入力された場合にはあらかじめ格納されているフィルタ係数を設定し、中域周波数帯域のカットオフ周波数値が入力された場合には係数展開を用いて取得したフィルタ係数を設定し、高域周波数帯域のカットオフ周波数値が入力された場合にはCPU等で計算したフィルタ係数を設定する。
【0083】
図4は、本発明の第4の実施の形態によるフィルタ装置の構成を示す。この図において、図1と同一もしくは相当の部分には図1で使用した符号と同一の符号を付し、本発明の第4の実施の形態の特徴である部分のみ説明する。
【0084】
図4において、周波数判別器2は周波数値入力器1から入力されたフィルタのカットオフ周波数値を判断し、低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3からフィルタ係数を参照するか、もしくは中域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部11からフィルタ係数を参照するか、あるいは高域周波数帯域用フィルタ係数を高域周波数帯域用係数計算手段13を用いて取得するかの分岐判断を行う。
【0085】
中域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部11はROMなどにより構成されており、中域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数があらかじめ計算され格納されている。そして、そして、周波数値判別器2が中域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部11からフィルタ係数を参照すると判断した場合には、この記憶部11からフィルタ係数が検索されて取得され、中域周波数帯域用係数展開手段12へ転送される。中域周波数帯域用係数展開手段12は、転送されてきたフィルタ係数をデジタルフィルタ6で使用する係数形式に係数展開し、デジタルフィルタ6へ転送する。この場合の記憶部11からの参照方法と、中域周波数帯域用係数展開手段12による係数展開方法は、第1の実施の形態における高域周波数帯域での記憶媒体4からの参照方法と、高域周波数帯域用係数展開手段5での係数展開方法と同じ方法で実行する。
【0086】
高域周波数帯域用係数計算手段13は、周波数値判別器2が高域周波数帯域用フィルタ係数を高域周波数帯域用係数計算手段13を用いて取得すると判断した場合、そのカットオフ周波数のフィルタ係数をCPUなどを用いて計算して取得し、デジタルフィルタ6へ転送する。
【0087】
以上のように構成された第4の実施の形態の動作は、第1の実施の形態の動作の説明から明らかであるから、ここでは説明を省略する。
【0088】
このように、本発明の第4の実施の形態では、低域周波数帯域のフィルタ係数が設定された場合は、ROMなどからすでに計算されて格納されているフィルタ係数データを取得して使用するので、高い計算精度が保てないCPUを使用する場合などでも、計算による誤差は発生しない。したがって、音響特性上、フィルタ係数の高精度が要求される低域周波数帯域でも誤差なくデジタルフィルタを構成することができる。
【0089】
また、中域周波数帯域では、フィルタ係数の共通部分から係数展開をすることにより、ROMなどに格納する係数データを削減することができる。この場合、8ビットCPUなどや、計算負荷の軽減のために簡易的な計算方法を用いる場合のような計算誤差が発生する環境においても、仮に計算誤差が発生したとして中域周波数帯域なので、音響特性に影響を与えることが少ない。
【0090】
そして、高域周波数帯域では、高域周波数帯域用計算手段によりフィルタ係数がCPUなどにより計算される。高域周波数帯域の場合、フィルタ係数の誤差は音響特性への影響がないことから、簡易的な計算方法によりCPUへの処理の負荷を軽減することができる。
【0091】
このようにして、本実施の形態では、全体のフィルタ係数格納用ROMの容量を削減しつつ、音響特性への影響を軽減させ、CPUなどの計算負荷を軽減することができる。
【0092】
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態では、第4の実施の形態において、さらにあらかじめ格納されているフィルタ係数を平均したフィルタ係数の設定を可能にした。
【0093】
図5は、本発明の第5の実施の形態によるフィルタ装置の構成を示す。この図において、図2あるいは図4と同一もしくは相当の部分には図2あるいは図4で使用した符号と同一の符号を付し、本発明の第5の実施の形態の特徴である部分のみ説明する。
【0094】
本実施の形態では、低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3とデジタルフィルタ6との間に平均処理部7が設けられ、中域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部11と中域周波数帯域用係数展開手段12との間に平均処理部8が設けられている。それ以外の構成は図4と同一である。
【0095】
平均処理部7は、図2における平均処理部7と同様、低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3から読み出された隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数を平均処理することにより、隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数の中間のフィルタ係数を取得し、デジタルフィルタ6へ転送する。
【0096】
平均処理部8は、中域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部11から読み出された隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数を平均処理することにより、隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数の中間のフィルタ係数を取得し、中域周波数帯域用係数展開手段12へ転送する。中域周波数帯域用係数展開手段12は、入力されたフィルタ係数をデジタルフィルタ6で使用する係数形式に係数展開し、デジタルフィルタ6へ転送する。
【0097】
以上のように構成された第5の実施の形態の動作は、第2の実施の形態の動作および第4の実施の形態の動作から明らかであるから、ここでは説明を省略する。
【0098】
このように、本発明の第5の実施の形態では、低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3、中域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部11のそれぞれの出力に平均処理を施しているため、第4の実施の形態の有する利点に加えて、低域周波数帯域、中域周波数帯域ともに、ROMに格納する係数データを2分の1に削減、もしくは2倍の分解能を持つデジタルフィルタを構成することができるという利点を有する。
【0099】
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態では、第4の実施の形態において、さらにあらかじめ格納されているカットオフ周波数のフィルタ係数を対数軸上で平均したフィルタ係数の設定を可能にした。
【0100】
図6は、本発明の第6の実施の形態によるフィルタ装置の構成を示す。この図において、図3あるいは図4と同一もしくは相当の部分には図3あるいは図4で使用した符号と同一の符号を付し、本発明の第6の実施の形態の特徴である部分のみ説明する。
【0101】
本実施の形態では、低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3とデジタルフィルタ6との間に対数平均処理部9が設けられ、中域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部11と中域周波数帯域用係数展開手段12との間に対数平均処理部10が設けられている。それ以外の構成は図4と同一である。
【0102】
対数平均処理部9は、図3における対数平均処理部9と同様、低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3から読み出された隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数を対数上で平均処理することにより、隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数の中間のフィルタ係数を取得し、デジタルフィルタ6へ転送する。
【0103】
対数平均処理部10は、中域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部11から読み出された隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数を対数上で平均処理することにより、隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数の中間のフィルタ係数を取得し、中域周波数帯域用係数展開手段12へ転送する。中域周波数帯域用係数展開手段12は、入力されたフィルタ係数をデジタルフィルタ6で使用する係数形式に係数展開し、デジタルフィルタ6へ転送する。
【0104】
以上のように構成された第6の実施の形態の動作は、第1の実施の形態の動作および第3の実施の形態の動作から明らかであるから、ここでは説明を省略する。
【0105】
このように、本発明の第6の実施の形態では、低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3、中域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部11のそれぞれの出力に対数平均処理を施しているため、第5の実施の形態の有する利点に加えて、聴感上、周波数軸上で均等なカットオフ周波数を持つフィルタ係数を得ることができるという利点を有する。
【0106】
(第7の実施の形態)
本発明の第7の実施の形態では、第1の実施の形態において、さらにあらかじめ格納されているフィルタ係数のカットオフ周波数を縦続接続されたN個の部分的平均処理部で平均したカットオフ周波数のフィルタ係数の設定を可能にした。
【0107】
図7は、本発明の第7の実施の形態によるフィルタ装置の構成を示す。この図において、図1と同一もしくは相当の部分には図1で使用した符号と同一の符号を付し、本発明の第7の実施の形態の特徴である部分のみ説明する。
【0108】
本実施の形態では、低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3とデジタルフィルタ6との間に平均処理部14が設けられ、高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4と高域周波数帯域用係数展開手段5との間に平均処理部15が設けられている。それ以外の構成は図1と同一である。
【0109】
平均処理部14は縦続接続された第1〜第Nの部分的平均処理部から構成されている。第1〜第Nの部分的平均処理部は、それぞれ入力される隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数に対して式[14]〜[18]と同様な演算を施すことにより、隣接するカットオフ周波数の中間のカットオフ周波数のフィルタ係数を取得する。したがって、平均処理部14は全体として低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3に格納されているフィルタ係数の2×N倍のフィルタ係数を取得することができる。
【0110】
同様に、平均処理部15は縦続接続された第1〜第Nの部分的平均処理部から構成されており、全体として高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4に格納されているフィルタ係数の2×N倍のフィルタ係数を取得することができる。
【0111】
以上のように構成された第7の実施の形態の動作は、第2の実施の形態の動作の説明から明らかであるから、ここでは説明を省略する。
【0112】
このように、本発明の第7の実施の形態では、低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3、高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4のそれぞれの出力にN段の平均処理を施しているため、第1の実施の形態の有する利点に加えて、低域周波数帯域、高域周波数帯域ともに、ROMなどに格納する係数データを(2×N)分の1に削減、もしくは2×N倍の分解能を持つデジタルフィルタを構成することができるという利点を有する。
【0113】
(第8の実施の形態)
本発明の第8の実施の形態では、第1の実施の形態において、さらにあらかじめ格納されているカットオフ周波数のフィルタ係数を縦続接続されたN個の部分的対数平均部により対数軸上で平均したフィルタ係数の設定を可能にした。
【0114】
図8は、本発明の第8の実施の形態によるフィルタ装置の構成を示す。この図において、図1と同一もしくは相当の部分には図1で使用した符号と同一の符号を付し、本発明の第8の実施の形態の特徴である部分のみ説明する。
【0115】
本実施の形態では、低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3とデジタルフィルタ6との間に対数平均処理部16が設けられ、高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4と高域周波数帯域用係数展開手段5との間に対数平均処理部17が設けられている。それ以外の構成は図1と同一である。
【0116】
対数平均処理部16は縦続接続された第1〜第Nの部分的対数平均処理部から構成されている。第1〜第Nの部分的対数平均処理部は、それぞれ入力される隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数に対して式[19]〜[23]と同様な対数上での平均演算を施すことにより、隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数の中間のフィルタ係数を取得する。したがって、対数平均処理部16は全体として低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3に格納されているフィルタ係数の2×N倍のフィルタ係数を取得することができる。
【0117】
同様に、対数平均処理部17は縦続接続された第1〜第Nの部分的対数平均処理部から構成されている。第1〜第Nの部分的対数平均処理部は、それぞれ入力される隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数に対して式[24]〜[25]と同様な対数上での平均演算を施すことにより、隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数の中間のフィルタ係数を取得する。全体として高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4に格納されているフィルタ係数の2×N倍のフィルタ係数を取得することができる。
【0118】
以上のように構成された第8の実施の形態の動作は、第3の実施の形態の動作の説明から明らかであるから、ここでは説明を省略する。
【0119】
このように、本発明の第8の実施の形態では、低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3、高域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部4のそれぞれの出力にN段の対数平均処理を施しているため、第1の実施の形態の有する利点に加えて、低域周波数帯域、高域周波数帯域ともに、ROMなどに格納する係数データを(2×N)分の1に削減、もしくは2×N倍の分解能を持つデジタルフィルタを構成することができ、かつ聴感上での均等処理の効果を得ることができるという利点を有する。
【0120】
(第9の実施の形態)
本発明の第9の実施の形態では、第4の実施の形態において、さらにあらかじめ格納されているフィルタ係数のカットオフ周波数を縦続接続されたN個の平均処理部で平均したカットオフ周波数のフィルタ係数の設定を可能にした。
【0121】
図9は、本発明の第9の実施の形態によるフィルタ装置の構成を示す。この図において、図4と同一もしくは相当の部分には図4で使用した符号と同一の符号を付し、本発明の第9の実施の形態の特徴である部分のみ説明する。
【0122】
本実施の形態では、低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3とデジタルフィルタ6との間に平均処理部18が設けられ、中域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部11と中域周波数帯域用係数展開手段12との間に平均処理部19が設けられている。それ以外の構成は図4と同一である。
【0123】
平均処理部18は縦続接続された第1〜第Nの部分的平均処理部から構成されている。第1〜第Nの部分的平均処理部は、それぞれ入力される隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数に対して式[14]〜[18]と同様な演算を施すことにより、隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数の中間のフィルタ係数を取得する。したがって、平均処理部18は全体として低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3に格納されているフィルタ係数の2×N倍のフィルタ係数を取得することができる。
【0124】
同様に、平均処理部19は縦続接続された第1〜第Nの部分的平均処理部から構成されており、全体として中域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部11に格納されているフィルタ係数の2×N倍のフィルタ係数を取得することができる。
【0125】
以上のように構成された第9の実施の形態の動作は、第1の実施の形態の動作の説明と第2の実施の形態の動作の説明から明らかであるから、ここでは説明を省略する。
【0126】
このように、本発明の第9の実施の形態では、低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3、中域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部11のそれぞれの出力にN段の平均処理を施しているため、第4の実施の形態の有する利点に加えて、低域周波数帯域、中域周波数帯域ともに、ROMに格納する係数データを(2×N)分の1に削減、もしくは2×N倍の分解能を持つデジタルフィルタを構成することができるという利点を有する。
【0127】
(第10の実施の形態)
本発明の第10の実施の形態では、第4の実施の形態において、さらにあらかじめ格納されているカットオフ周波数のフィルタ係数を縦続接続されたN個の部分的対数平均処理部により対数軸上で平均したフィルタ係数の設定を可能にした。
【0128】
図10は、本発明の第10の実施の形態によるフィルタ装置の構成を示す。この図において、図4と同一もしくは相当の部分には図4で使用した符号と同一の符号を付し、本発明の第10の実施の形態の特徴である部分のみ説明する。
【0129】
本実施の形態では、低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3とデジタルフィルタ6との間に対数平均処理部20が設けられ、中域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部11と中域周波数帯域用係数展開手段12との間に平均処理部21が設けられている。それ以外の構成は図4と同一である。
【0130】
対数平均処理部20は縦続接続された第1〜第Nの部分的対数平均処理部から構成されている。第1〜第Nの部分的対数平均処理部は、それぞれ入力される隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数に対して式[19]〜[23]と同様な対数上での平均演算を施すことにより、隣接するカットオフ周波数のフィルタ係数の中間のフィルタ係数を取得する。したがって、対数平均処理部20は全体として低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3に格納されているフィルタ係数の2×N倍のフィルタ係数を取得することができる。
【0131】
同様に、対数平均処理部21は縦続接続された第1〜第Nの部分的対数平均処理部から構成されており、全体として中域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部11に格納されているフィルタ係数の2×N倍のフィルタ係数を取得することができる。
【0132】
以上のように構成された第10の実施の形態の動作は、第1の実施の形態の動作の説明と第3の実施の形態の動作の説明から明らかであるから、ここでは説明を省略する。
【0133】
このように、本発明の第10の実施の形態では、低域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部3、中域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部11のそれぞれの出力にN段の対数平均処理を施しているため、第4の実施の形態の有する利点に加えて、低域周波数帯域、中域周波数帯域ともに、ROMに格納する係数データを(2×N)分の1に削減、もしくは2×N倍の分解能を持つデジタルフィルタを構成することができ。かつ聴感上での均等処理の効果を得ることができるという利点を有する。
【0134】
なお、以上説明した各実施の形態において、例として計算式を表記しているが、結果として、デジタルフィルタ6においてデジタルフィルタを構成できる係数データを取得可能であれば、途中の計算式は如何なるものでも良い。また、例として係数展開方法の計算式を表記しているが、結果として、デジタルフィルタ6においてデジタルフィルタを構成できる係数を取得可能であれば、記憶媒体に格納する部分的に計算されたフィルタ係数とその係数展開方法の計算方法は如何なるものでも良い。さらに、第3、第6、第8、第10の各実施の形態において対数平均処理として、具体的な数式を例示しているが、結果として、デジタルフィルタ6においてデジタルフィルタを構成でき、対数平均処理により、対数軸上、均等にカットオフ周波数が取得できるのであれば、対数平均処理の計算式は如何なるものでも良い。
【0135】
そして、第1〜第10の実施の形態において、2次のIIRフィルタを前提に説明しているが、次数に依存せず如何なるデジタルフィルタでも良い。また、以上の説明ではPKGを例にしたが、SHL(シェルビング・ロー・フィルタ)、SHH(シェルビング・ハイ・フィルタ)、HPF(ハイ・パス・フィルタ)、LPF(ロー・パス・フィルタ)でも実施可能である。
【0136】
また、以上の説明ではデジタルフィルタのための係数としているが、周波数特性の概念が存在するデジタル信号処理すべてにおきかえて構成することも可能である。さらに、以上の説明では平均処理および対数平均処理を高域周波数帯域用係数展開処理あるいは中域周波数帯域用係数展開処理の前に行うものとしたが、これらの係数展開処理の後で行うことも可能である。
【0137】
また、デジタルフィルタを構成するDSPに代えて、DSPと同等なデジタルフィルタを構成できるハードウェア装置、デジタルフィルタを構成できるCPUにしても実施可能である。
【0138】
【発明の効果】
以上のように本発明では、低域周波数帯域のカットオフ周波数値が入力された場合は、あらかじめ格納されているフィルタ係数を用いることによりCPUなどでフィルタ係数を計算することなしにフィルタ係数を取得し、高域周波数帯域のカットオフ周波数値が入力された場合は、係数展開を用いることでフィルタ係数を取得するように構成したので、フィルタ係数の誤差がデジタル信号の特性に影響を与える低域周波数帯域では精度良くフィルタ係数を取得することができ、フィルタ係数の誤差がデジタル信号の特性に影響を与えない高周波帯域では必要なフィルタ係数を削減することができるため、全周波数帯域で必要な精度のフィルタ係数を取得し、かつ格納すべきフィルタ係数容量を削減できるという効果が得られる。
【0139】
また、低域周波数帯域のカットオフ周波数値が入力された場合は、あらかじめ格納されているフィルタ係数を用いることによりCPUなどでフィルタ係数を計算することなしにフィルタ係数を取得し、中域周波数帯域のカットオフ周波数値が入力された場合は、係数展開を用いることでフィルタ係数を取得し、高域周波数帯域のカットオフ周波数値が入力された場合はCPUなどでフィルタ係数を計算して取得するように構成したので、フィルタ係数の誤差がデジタル信号の特性に影響を与える低域周波数帯域では精度良くフィルタ係数を取得することができ、フィルタ係数の誤差がデジタル信号の特性に与える影響が少ない中域周波帯域では必要なデジタルフィルタ係数を削減することができ、フィルタ係数の誤差がデジタル信号の特性に与える影響がない高域周波数帯域では精度が要求されない計算で必要なデジタルフィルタ係数を取得することできるため、格納すべきフィルタ係数を削減でき、かつ全周波数帯域で必要な精度のフィルタ係数を取得できるという効果が得られる。
【0140】
さらに、あらかじめ格納されているフィルタ係数を補間もしくは対数軸上で補間したフィルタ係数を取得してデジタルフィルタ手段に設定するように構成したので、全周波数帯域で格納すべきデジタルフィルタ係数容量をさらに削減できるという効果が得られる。逆に、同じフィルタ係数の格納容量であれば、2倍以上のカットオフ周波数のフィルタ分解能を持ったデジタルフィルタが得られるという効果が得られる。また、対数軸上で補間した場合には、周波数軸上で均等な分解能を有するフィルタ係数が得られるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の全体構成を示すブロック図、
【図2】本発明の第2の実施の形態の全体構成を示すブロック図、
【図3】本発明の第3の実施の形態の全体構成を示すブロック図、
【図4】本発明の第4の実施の形態の全体構成を示すブロック図、
【図5】本発明の第5の実施の形態の全体構成を示すブロック図、
【図6】本発明の第6の実施の形態の全体構成を示すブロック図、
【図7】本発明の第7の実施の形態の全体構成を示すブロック図、
【図8】本発明の第8の実施の形態の全体構成を示すブロック図、
【図9】本発明の第9の実施の形態の全体構成を示すブロック図、
【図10】本発明の第10の実施の形態の全体構成を示すブロック図、
【図11】低域周波数帯域用フィルタ係数のROM配置例、および係数展開前の高域周波数帯域用フィルタ係数のROM配置例を示す図、
【図12】平均処理後の低域周波数帯域用フィルタ係数の例、および係数展開前の高域周波数帯域用フィルタ係数を平均処理した後の例を示す図、
【図13】従来のフィルタ装置の構成例を示す図、
【図14】従来のフィルタ装置の別の構成例を示す図、
【図15】従来のフィルタ装置のさらに別の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 周波数値入力器
2 周波数値判別器
3 低周波数帯用フィルタ係数格納記憶部
4 高周波数帯用フィルタ係数格納記憶部
5 高周波数帯域用係数展開手段
6 デジタルフィルタ手段
7、8 平均処理部
9、10 対数平均処理部
11 中域周波数帯域用フィルタ係数格納記憶部
12 中域周波数帯域用係数展開手段
13 高域周波数帯域用係数展開手段
14、15、18、19 N個の部分的平均処理部から構成される平均処理部
16、17、20、21 N個の部分的対数平均処理部から構成される対数平均処理部
Claims (12)
- カットオフ周波数値が入力される第1の手段と、前記カットオフ周波数値が低域周波数帯域か高域周波数帯域かを判断する第2の手段と、前記低域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数があらかじめ格納されている第3の手段と、前記高域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数の共通部分の値であるデータがあらかじめ格納されている第4の手段と、前記第4の手段から読み出されたデータから高域周波数帯域のフィルタ係数をフィルタ係数計算式に基づいた係数展開により取得する第5の手段と、前記第3の手段または前記第5の手段により取得されたフィルタ係数が設定されるデジタルフィルタ手段とを備え、
前記第2の手段において、前記カットオフ周波数値が低域周波数帯域であると判断された場合には、前記第3の手段でフィルタ係数を取得し、高域周波数帯域であると判断された場合には、前記第5の手段でフィルタ係数を取得することを特徴とするフィルタ装置。 - 前記第3の手段により取得されたフィルタ係数を補間する第1の補間手段と、前記第4の手段から読み出されたデータを補間する第2の補間手段とを備え、
前記第3の手段により取得されたフィルタ係数の数、または前記第4の手段から読み出されたフィルタ係数の共通部分の値であるデータの数よりも、前記デジタルフィルタ手段に設定されるフィルタ係数の数を増加させることを特徴とする請求項1記載のフィルタ装置。 - 前記第3の手段により取得されたフィルタ係数を対数軸上で補間する第1の対数補間手段と、前記第4の手段から読み出されたデータを対数軸上で補間する第2の対数補間手段とを備え、
前記第3の手段により取得されたフィルタ係数の数、または前記第4の手段から読み出されたフィルタ係数の共通部分の値であるデータの数よりも、前記デジタルフィルタ手段に設定されるフィルタ係数の数を増加させることを特徴とする請求項1記載のフィルタ装置。 - カットオフ周波数値が入力される第1の手段と、前記カットオフ周波数値が低域周波数帯域か中域周波数帯域か高域周波数帯域かを判断する第6の手段と、前記低域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数があらかじめ格納されている第3の手段と、前記中域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数の共通部分の値であるデータがあらかじめ格納されている第7の手段と、前記第7の手段から読み出されたデータから中域周波数帯域のフィルタ係数をフィルタ係数計算式に基づいた係数展開により取得する第8の手段と、前記高域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数を計算する第9の手段と、前記第3の手段または前記第8の手段または前記第9の手段により取得されたフィルタ係数が設定されるデジタルフィルタ手段とを設け、
前記第6の手段において、前記カットオフ周波数値が低域周波数帯域であると判断された場合には、前記第3の手段でフィルタ係数を取得し、中域周波数帯域であると判断された場合には、前記第8の手段でフィルタ係数を取得し、高域周波数帯域であると判断された場合には、前記第9の手段でフィルタ係数を取得することを特徴とするフィルタ装置。 - 前記第3の手段により取得されたフィルタ係数を補間する第1の補間手段と、前記第7の手段から読み出されたデータを補間する第3の補間手段とを備え、
前記第3の手段により取得されたフィルタ係数の数、または前記第7の手段から読み出されたフィルタ係数の共通部分の値であるデータの数よりも、前記デジタルフィルタ手段に設定されるフィルタ係数の数を増加させることを特徴とする請求項4記載のフィルタ装置。 - 前記第3の手段により取得されたフィルタ係数を対数軸上で補間する第1の対数補間手段と、前記第7の手段から読み出されたデータを対数軸上で補間する第3の対数補間手段とを備え、前記第3の手段により取得されたフィルタ係数の数、または前記第7の手段から読み出されたフィルタ係数の共通部分の値であるデータの数よりも前記デジタルフィルタ手段に設定されるフィルタ係数の数を増加させることを特徴とする請求項4記載のフィルタ装置。
- 前記第1の補間手段および前記第2の補間手段の各々は、N個の部分的補間手段から構成され、各部分的補間手段が2倍の補間を行うことを特徴とする請求項2記載のフィルタ装置。
- 前記第1の対数補間手段および前記第2の対数補間手段の各々は、N個の部分的対数補間手段から構成され、各部分的対数補間手段が2倍の対数補間を行うことを特徴とする請求項3記載のフィルタ装置。
- 前記第1の補間手段および前記第3の補間手段の各々は、N個の部分的補間手段から構成され、各部分的補間手段が2倍の補間を行うことを特徴とする請求項5記載のフィルタ装置。
- 前記第1の対数補間手段および前記第3の対数補間手段の各々は、N個の部分的補間手段から構成され、各部分的補間手段が2倍の対数補間を行うことを特徴とする請求項6記載のフィルタ装置。
- カットオフ周波数値を入力する第1の手順と、前記カットオフ周波数値が低域周波数帯域か高域周波数帯域かを判断する第2の手順と、前記低域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数があらかじめ格納されている記憶手段からフィルタ係数を取得してデジタルフィルタ手段に設定する第3の手順と、前記高域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数の共通部分の値であるデータが格納されている記憶手段からそのデータを読み出す第4の手順と、前記第4の手順で得たデータから高域周波数帯域のフィルタ係数をフィルタ係数計算式に基づいた係数展開により取得し、前記デジタルフィルタ手段に設定する第5の手順とを備え、
前記第2の手順において前記カットオフ周波数値が低域周波数帯域であると判断された場合には前記第3の手順を実行し、高域周波数帯域であると判断された場合には前記第4の手順および第5の手順を実行することを特徴とするフィルタ装置のフィルタ係数取得方法。 - カットオフ周波数値を入力する第1の手順と、前記カットオフ周波数値が低域周波数帯域か中域周波数帯域か高域周波数帯域かを判断する第6の手順と、前記低域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数があらかじめ格納されている記憶手段からフィルタ係数を取得してデジタルフィルタ手段に設定する第3の手順と、前記中域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数の共通部分の値であるデータが格納されている記憶手段からそのデータを読み出す第7の手順と、前記第7の手順で得たデータから中域周波数帯域のフィルタ係数をフィルタ係数計算式に基づいた係数展開により取得し、前記デジタルフィルタ手段に設定する第8の手順と、前記高域周波数帯域におけるカットオフ周波数のフィルタ係数を計算して前記デジタルフィルタ手段に設定する第9の手順とを備え、
前記第6の手順において前記カットオフ周波数値が低域周波数帯域であると判断された場合には前記第3の手順を実行し、中域周波数帯域であると判断された場合には前記第7の手順および前記第8の手順を実行し、高域周波数帯域であると判断された場合には前記第9の手順を実行することを特徴とするフィルタ装置のフィルタ係数取得方法。
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