JP4285827B2 - エレベーターのブレーキ制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はエレベーターを制止するブレーキを制御する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5及び図6は、例えば特公平7−68016号公報に示された従来のエレベーターのブレーキ制御装置を示す図で、図5は全体構成図、図6は電流制御回路のブロック線図である。
図5において、1は三相交流電源、2はインバータで構成された駆動回路、3は駆動回路2に接続された巻上用電動機、4は電動機3により回転される軸、5は軸4に結合された駆動綱車で、主索6が巻き掛けられ、その両端にかご7及びつり合おもり8が結合されている。9は軸4に固定されたブレーキ車である。
【0003】
15は速度検出器、16は起動指令リレー接点43aを介して直流電源Vcに接続され、駆動回路2を制御する制御回路、17は電磁接触器で、17aはその常開接点、18は電磁接触器で、18aはその常開接点、26は電流検出器、54はブレーキシューで、圧縮コイルばね53によりブレーキ車9を押圧し、プランジャ57がブレーキコイル56の付勢によって吸引されると、上記押圧を解放するように構成されている。61は電流制御回路である。
【0004】
従来のエレベーターのブレーキ制御装置は上記のように構成され。次のように動作する。
エレベーターに呼びが発生すると、起動指令リレー接点43aが閉成し、制御回路16が作動して、電磁接触器17,18が付勢され、接点17a,18aは閉成する。これで、駆動回路2に電力が供給されるとともに、ブレーキコイル56に電流が流れ、プランジャ57が吸引されてブレーキ車9が解放される。また、駆動回路16が動作して、電動機3は回転トルクを発生し、駆動綱車5を介してかご7は円滑に起動する。
【0005】
図6に示すように、電流制御回路61は、起動指令信号が出力されると、ブレーキコイル56の電流を徐々に増加させるように、ブレーキ電流指令信号29aを発生させる電流指令発生器29と、ブレーキ電流指令信号29aと電流検出器26によるブレーキコイル56の電流信号とを比較する比較器30と、この比較器30の出力により動作するゲート駆動回路31と、このゲート駆動回路31により制御されるスイッチング素子を構成するトランジスタ24と、ブレーキコイル56に並列に接続されたフライホイールダイオード25からなっている。
【0006】
すなわち、ブレーキ電流指令信号29aとブレーキコイル56の電流信号とを比較し、この比較結果により、その差が小さくなるようにトランジスタ24を制御することにより、ブレーキコイル56の電流自体を制御することができ、温度、電圧変動等の外乱にも影響を受けず、精度高く電流が制御される。
【0007】
エレベーターの停止時は、接点43aが開放し、電磁接触器17,18は消勢され、接点17a,18aは開放する。これで、駆動回路2への電力が遮断されるとともに、ブレーキコイル56の電流が遮断され、ブレーキシュー54は圧縮コイルばね53の力でブレーキ車9に押圧され、駆動綱車5を介してかご7は停止する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のエレベーターのブレーキ制御装置では、エレベーターの停止時、電磁接触器接点18aを開放させてブレーキコイル56の電流を遮断するようにしているため、接点18aの寿命が短くなり、寿命を延ばそうとすると容量の大きな電磁接触器18が必要になるという問題点がある。また、電流制御回路61のトランジスタ24の故障により、ブレーキコイル56の電流が過大になり、ブレーキコイル56が過熱するという問題点がある。
【0009】
この発明は上記問題点を解消するためになされたもので、電磁接触器を小形化するとともに、安価かつ信頼性の向上を図ることができるようにしたエレベーターのブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1発明に係るエレベーターのブレーキ制御装置は、ブレーキコイルの電源側端に接続された第1電磁接触器接点と、ブレーキコイルの接地側端に接続された第2電磁接触器接点と、半導体からなり、第1電磁接触器接点の電源側端に接続された降圧チョッパ用スイッチング素子と、半導体からなり、第2電磁接触器接点の接地側端に接続された遮断用スイッチング素子と、降圧チョッパ用スイッチング素子と遮断用スイッチング素子との間に設けられ、少なくとも一端が第1電磁接触器と降圧チョッパ用スイッチング素子との間又は第2電磁接触器接点と遮断用スイッチング素子との間に接続された状態で、ブレーキコイルと並列に接続された第1放電抵抗と、第1電磁接触器接点と第2電磁接触器接点との間に設けられ、ブレーキコイル及び第1放電抵抗と並列に接続された第2放電抵抗と、正常停止時は、ブレーキコイルに流れる電流が第1及び第2放電抵抗で放電するように、第1及び第2電磁接触器接点の閉成した状態で、降圧チョッパ用スイッチング素子及び遮断用スイッチング素子をオフし、異常時は、ブレーキコイルに流れる電流が第1放電抵抗に流れることを回避するとともに第2放電抵抗で放電するように、第1及び第2電磁接触器接点を開放する制御回路とを備えたものである。
【0013】
また、第2発明に係るエレベーターのブレーキ制御装置は、第1発明のものにおいて、降圧チョッパ用スイッチング素子又は遮断用スイッチング素子のオン故障を検出すると、降圧チョッパ用スイッチング素子及び遮断用スイッチング素子をオフするとともに、第1及び第2電磁接触器接点を開放するようにしたものである。
【0014】
また、第3発明に係るエレベーターのブレーキ制御装置は、第2発明のものにおいて、降圧チョッパ用スイッチング素子のオン故障検出用として、ブレーキコイルの過負荷を検出する過負荷検出器を用いたものである。
【0015】
また、第4発明に係るエレベーターのブレーキ制御装置は、第3発明のものにおいて、過負荷検出器を、ブレーキコイル電流を検出する一次遅れフィルタと、この一次遅れフィルタの出力を所定の過負荷値と比較し、ブレーキコイル電流が所定の過負荷値よりも大きいとき過負荷を検出するようにしたものである。
【0016】
また、第5発明に係るエレベーターのブレーキ制御装置は、第4発明のものにおいて、一次遅れフィルタの時定数をブレーキコイルの時定数により設定したものである。
【0017】
また、第6発明に係るエレベーターのブレーキ制御装置は、第2発明のものにおいて、遮断用スイッチング素子がオフされたにもかかわらず、ブレーキコイル電流が検出されるとオン故障を検出するオフ時通電検出器を用いたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
図1〜図4はこの発明の第1〜8発明の一実施の形態を示す図で、図1は全体構成図、図2は電流制御回路のブロック線図、図3はブレーキ動作説明用曲線図で、Aは起動指令信号、Bはブレーキ開放指令信号、Cはブレーキ電流指令信号、Dはブレーキコイル電流、図4は電磁ブレーキの正面図であり、図中、同一符号は同部分を示す。
【0019】
図1において、1は三相交流電源、2はインバータで構成された駆動回路、3は駆動回路2に接続された巻上用電動機、4は電動機3により回転される軸、5は軸4に結合された駆動綱車で、主索6が巻き掛けられ、その両端にかご7及びつり合おもり8が結合されるいる。9〜13は図4によって後述するが、9はブレーキ車、53は圧縮コイルばね、54はブレーキシュー、56はブレーキコイル、57はプランジャである。
【0020】
Vcは直流正電源、14はブレーキコイル56の電流を制御する電流制御回路、15は電動機3の回転速度及び回転方向を検出する速度検出器、16は起動指令リレー43(図2で後述)の常開接点(43a)を介して直流電源Vcに接続され、駆動回路2を制御する制御回路、16aはその出力で、ブレーキ開放指令信号、17は制御回路16に接続された電磁接触器、17aはその常開接点、18,19は制御回路16に接続され異常時に動作する電磁接触器である。
【0021】
図2及び図3において、18aは電磁接触器18の常開接点、19aは電磁接触器19の常開接点、21はブレーキコイル56の電流を所定の短い時定数で放電させる第2の抵抗値を有する放電抵抗、22は放電抵抗21と並列接続されたときの合成抵抗値(第1の抵抗値)により、ブレーキコイル56の電流を所定の長い時定数で放電させる放電抵抗、23はダイオード、24は降圧チョッパ用のスイッチング素子、25は降圧チョッパ用のフライホイールダイオード、26はブレーキコイル56の電流を検出する電流検出器、27はブレーキコイル56の回路を遮断するスイッチング素子である。
【0022】
28はコンデンサ、29は電流指令発生器で、29aはブレーキ電流指令信号、30は比較器、31はスイッチ32を介してスイッチング素子24を駆動するゲート駆動回路、33はスイッチ34を介してスイッチング素子27を駆動するゲート駆動回路、35は一次遅れフィルタ、36は過負荷検出値発生器、37は過負荷検出器を構成する比較器、37aは過負荷検出信号、38はブレーキコイル56に電流が流れているとき「H」信号を出力し、電流が零になると「L」信号を出力する零電流検出器である。
【0023】
39は反転器、40はオフ時通電検出器を構成するAND回路、40aはその出力でスイッチング素子27のオン故障検出信号、41はOR回路、41aはその出力で電流制御回路異常信号、42はスイッチ、43は起動指令リレー、44は起動条件が成立すると閉成する起動条件検出リレー接点である。
【0024】
図4において、51は巻上機の本体52は下端が本体51に枢持され上方へ延在するブレーキレバー、53はブレーキレバー52の上端を矢印A方向へ押す圧縮コイルばね、54はブレーキ車9の外周に対向して配置されブレーキレバー52に枢着されたブレーキシュー、55はL字状に形成されて本体51に枢持されたカムで、その一端(両側部)はブレーキレバー52に当接している。56はブレーキコイル、57はブレーキコイル56によって動作するプランジャで、その下端はカム55の他端(中央部)に当接している。
【0025】
次に、この実施の形態の動作を説明する。
回路の動作説明に先立って、ブレーキ装置の動作を図1及び図4を参照して説明する。
常時は、ブレーキレバー52は圧縮コイルばね53によって矢印A方向に押されている。このため、ブレーキシュー54はブレーキ車9を押圧把持してその回転を制動し、軸4及び駆動綱車5を介して、かご7の動きを制止している。このとき、カム55の一端はブレーキレバー52の矢印A方向への移動に伴って押し込まれ、カム55は矢印B方向へ回動し、その端端は上方へ移動して、プランジャ57を押し上げている。
【0026】
ブレーキコイル56に電源を供給すると、プランジャ57は吸引されて下降する。これで、カム55の他端は押し下げられ、カム55は矢印C方向へ回動し、その一端は左右方向へ移動して、ばね53の力に抗してブレーキレバー52を矢印D方向へ回動させる。この回動により、ブレーキシュー54はブレーキ車9から離れ、その回転を自由にして、軸4及び駆動綱車5を介して、かご7の動きを自由にする。
【0027】
次に、回路の動作を図1〜図3を参照して説明する。
(A)正常運転時
エレベーターに呼びが発生し、起動条件検出リレー接点44が閉成すると、起動指令リレー43が付勢され、接点43aは閉成して制御回路16が動作し、電磁接触器17〜19が付勢され、接点17a〜19aは閉成する。接点17aの閉成により、駆動回路2に電力が供給される。また、接点18a,19aの閉成により、ブレーキ回路の閉回路が形成される。
【0028】
次に、制御回路16は図3Aに示すように、時刻t1で起動指令リレー接点43aが閉成すると、図3Bに示すように、所定時間経過した時刻t2で電流制御回路14にブレーキ開放指令信号16aを出力する。これで、ゲート駆動回路33及びスイッチ34を介して、スイッチング素子27はオンする。また、電流指令発生器29は図3Cに示すように、漸増するブレーキ電流指令信号29aを出力する。
【0029】
ブレーキ電流指令信号29aと電流検出器26の検出値とが比較器30に入力されて比較される。その出力はスイッチング素子24のオン/オフ指令としてゲート駆動回路31に入力され、スイッチ32を介してスイッチング素子24をオン/オフする。これで、Vc−24−18a−56−19a−27−26−アースの回路によりブレーキコイル56を流れる電流Iを、図3Dに示すように制御する。
【0030】
また、停止時は、ブレーキ開放指令信号16aが消滅してスイッチング素子24,27がオフすることによって、ブレーキコイル56を流れる電流Iが遮断される。このとき、ブレーキコイル56に並列に接続された放電抵抗21,22を通じて、放電電流が流れるため、時定数が長くなり、ブレーキコイル56は緩やかに消勢され、停止時の衝撃は和らげられる。一方、起動条件検出リレー接点44は開放して、起動指令リレー43が消勢され、接点43aが開放し、電磁接触器17〜19は消勢され、接点17a〜19aは開放する。
【0031】
ここで、ブレーキ回路遮断時のブレーキコイル56の放電時定数Tは、ブレーキコイル56のインダクタンスLと放電抵抗21,22の抵抗値Rにより、T=L/Rで表される。したがって、ブレーキコイル56のインダクタンスLが既知であるとすると、ブレーキコイル56の回路遮断時のブレーキコイル56の放電時定数は、放電抵抗21,22の抵抗値Rを小さくすれば長く、大きくすれば短く調節できる。
【0032】
一般に、電磁ブレーキは、プランジャ57が吸引されるとき、図3Dの時刻t3に示すように、インダクタンスLの変化による起電力が発生し、ブレーキコイル電流Iが瞬時変化する。また、時刻t4でプランジャ57が吸引されると、吸引状態を保持する電流は、吸引に必要な電流よりもかなり小さくてもよい。通常は、プランジャ57の動作に連動してスイッチ(図示しない)を動作させ、ブレーキコイル56に抵抗等を挿入して、ブレーキコイル電流Iを小さくしている場合が多いが、この実施の形態では、プランジャ57が吸引されたことを電気的に検出し、ブレーキコイル電流Iの指令値を下げるようにしている。
【0033】
電流指令発生器29はCPU,ROMテーブル及びD/A変換器等で構成されていて、ブレーキ開放指令信号16aが入力されると、かご7の積載荷重(実際に使用する際に積載し得る最大荷重)時のかご7とつり合おもり8との重量差に基づく不平衡トルクを保持できるブレーキトルクになるような電流まで一気にブレーキ電流指令信号29aを上昇させる。その後徐々に時間とともにROMテーブルからディジタル値を検索し、電流指令信号29aを増加させて行く。
【0034】
これで、ブレーキコイル電流Iが増加してプランジャ57が吸引され、電流指令発生器29に、コンデンサ28を介してパルス状の信号が入力される。この入力により、時刻t4以後は、ブレーキ電流指令信号29aとして、小さい値を検索するようになっている。
【0035】
(B)異常時
エレベーターの異常が検出(後述)されると、スイッチ42が開放し、起動指令リレー43が消勢され、接点43aが開放することで、制御回路16は電磁接触器17〜19を消勢させ、接点17a〜19aを開放させる。接点17aの開放により駆動回路3への電力を遮断するとともに、ブレーキ回路を遮断し、ブレーキコイル56を消勢してブレーキを作用させる。
【0036】
上記のように接点18a,19aが開放すると、ブレーキコイル56には、時定数の小さい放電抵抗21だけが接続されているため、ブレーキ回路が遮断された後ブレーキコイル56の電荷は急激に放電して、ブレーキコイル56は早急に消勢される。これにより、エレベーターの異常時には、急速に制動されてかご7は停止する。
ここで、接点18a,19aは、エレベーターの異常時、ブレーキ回路を遮断したときのブレーキコイル56のサージ電圧が、スイッチング素子24,27に印加されて、過電圧破壊しないように、ブレーキコイル56の両端に接続されてる。
【0037】
ブレーキコイル56のサージ電圧は、通電していたブレーキコイル電流Iと、放電抵抗21の抵抗Rとの積であり、放電抵抗21の抵抗値Rを大きくすれば、小さい時定数が得られるが、サージ電圧は大きくなる。
【0038】
さて、一次遅れフィルタ35は、ブレーキコイル56の熱時定数で決定される時定数を有する一次遅れのフィルタであり、電流検出器26の出力であるブレーキコイル電流をフィルタリングする。この一次遅れフィルタ35の出力と、過負荷検出値発生器36の出力(一定値)は、比較器37で比較され、一次遅れフィルタ35の出力が、過負荷検出値発生器36の出力よりも大きい場合、スイッチング素子24のオン故障等で発生すると想定されるブレーキコイル56の過負荷異常として、過負荷検出信号37aが「H」となる。
【0039】
また、零電流検出器38は、ブレーキコイル電流Iが流れているときは「H」信号を出力し、電流が零になると、「L」信号を出力する。この零電流検出器38の出力と、ブレーキ開放指令信号16aが反転器39で論理反転した信号とがAND回路40へ入力されて論理積が演算される。すなわち、ブレーキ開放指令信号16aが「L」信号(ブレーキ閉成指令)になり、ブレーキ回路を遮断するスイッチング素子27にオフ指令が出力されているにもかかわらず、ブレーキコイル56に電流が流れている場合、スイッチング素子27のオン故障等の異常と判断して、オン故障検出信号40aは「H」信号となる。
【0040】
次に、過負荷検出信号37aとオン故障検出信号40aとがOR回路41へ入力されて論理和が演算され、電流制御回路異常信号41aは「H」信号となる。これで、スイッチ42は開放して起動指令リレー43は消勢され、接点43aは開放し、制御回路16は電磁接触器17〜19を消勢し、接点17a〜19aは開放する。これにより、駆動回路2への電力は遮断されるとともに、ブレーキ回路も開放され、エレベーターは制動停止する。また、電流制御回路異常信号41aにより、スイッチ32,34は開放し、スイッチング素子24,27はオフとなる。
【0041】
このようにして、エレベーターを正常に停止させる場合は、スイッチング素子27でブレーキコイル56の回路を遮断し、エレベーターの異常時は電磁接触器接点18a,19aで遮断するようにしたため、電磁接触器18,19を小形化することが可能となる。また、接点18a,19aはスイッチング素子24とブレーキコイル56の間及び遮断用スイッチング素子27とブレーキコイル56の間に挿入されているため、ブレーキコイル56の回路遮断時に発生するサージ電圧によるスイッチング素子24,27の損傷を防止することが可能となる。
【0042】
また、エレベーターの異常時は放電抵抗21による短い時定数の回路で放電させることにより、ブレーキコイル56の回路を遮断した後、ブレーキコイル56の電流が短時間で立ち下げられ、制動動作が速くなり、エレベーターを早く停止させることが可能となる。また、エレベーターを正常に停止させる場合は、放電抵抗21,22による長い時定数の回路で放電させることにより、ブレーキコイル56の電流が長時間で立ち下げられ、制動動作が緩やかになり、エレベーターの着床時の乗心地を改善することが可能となる。
【0043】
また、スイッチング素子24,27のオン故障が検出されると、スイッチング素子24,27をオフするとともに、ブレーキコイル56の回路を遮断するようにしたため、安価で信頼性の高いブレーキ制御回路を構成することができる。また、一次遅れフィルタ35の時定数はブレーキコイル56の時定数により設定されているため、ブレーキコイル56の温度上昇に適合した故障検出が可能となる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したとおりこの発明の第1発明では、エレベーターの正常停止時、ブレーキコイルの回路を半導体素子からなる降圧チョッパ用スイッチング素子及び遮断用スイッチング素子をオフし、エレベーターの異常時は第1及び第2電磁接触器接点を開放するようにしたので、電磁接触器の小形化を図ることができる。また、降圧チョッパ用スイッチング素子を第1電磁接触器接点の電源側に接続し、遮断用スイッチング素子を第2電磁接触器接点の接地側に接続し、ブレーキコイルの回路を遮断するようにしたため、ブレーキコイルの回路遮断時に発生するサージ電圧によるスイッチング素子の損傷を防止することができる。また、エレベーターの異常時は、ブレーキコイルの電流を短い時定数の回路で放電させ、正常停止時は、長い時定数の回路で放電させるようにしたため、異常時はエレベーターを早く停止させることができ、正常時は着床時の乗心地を改善することができる。
【0047】
また、第2発明では、スイッチング素子のオン故障が検出されると、スイッチング素子をオフするとともに、ブレーキコイルの回路を遮断し、第3発明では、降圧チョッパ用スイッチング素子のオン故障を、ブレーキコイルの過負荷によって検出し、第4発明では、上記過負荷検出を、一次遅れフィルタを通したブレーキコイル電流値の大きさによって検出するようにしたので、安価で信頼性の高いブレーキ制御回路を構成することができる。
【0048】
また、第5発明では、一次遅れフィルタの時定数をブレーキコイルの時定数により設定したので、ブレーキコイルの温度上昇に適合した故障検出をすることができる。
【0049】
また、第6発明では、遮断用スイッチング素子がオフされたにもかかわらず、ブレーキコイル電流が検出されると、オン故障を検出するようにしたので、安価で信頼性の高いブレーキ制御回路を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す全体構成図。
【図2】 図1の電流制御回路のブロック線図。
【図3】 この発明の実施の形態1を示すブレーキ動作説明用曲線図で、Aは起動指令信号、Bはブレーキ開放指令信号、Cはブレーキ電流指令信号、Dはブレーキコイル電流。
【図4】 この発明の実施の形態1を示す電磁ブレーキの正面図。
【図5】 従来のエレベーターのブレーキ制御装置を示す全体構成図。
【図6】 図5の電流制御回路のブロック線図。
【符号の説明】
3 巻上用電動機、9 ブレーキ車、14 電流制御回路、16 制御回路、16a ブレーキ開放指令信号、17〜19 電磁接触器、18a,19a 電磁接触器接点、21,22 放電抵抗、24 降圧チョッパ用スイッチング素子、26 電流検出器、27 遮断用スイッチング素子、29 電流指令発生器、30 比較器、32,34 スイッチ、35 一次遅れフィルタ、36 過負荷検出値発生器、37 過負荷検出器(比較器)、37a 過負荷検出信号、38オン故障検出器(零電流検出器)、39 反転器、40 オフ時通電検出器(AND回路)、40a オン故障検出信号、41 OR回路、41a 電流制御回路異常信号、42 スイッチ、43 起動指令リレー、43a 起動指令リレー接点、53 圧縮コイルばね、54 ブレーキシュー、56 ブレーキコイル、57 プランジャ
Claims (6)
- ブレーキコイルが消勢されると制動力を発生してエレベーターを制止し、上記ブレーキコイルが付勢されると、上記制動力を解除するブレーキを有する装置において、
上記ブレーキコイルの電源側端に接続された第1電磁接触器接点と、
上記ブレーキコイルの接地側端に接続された第2電磁接触器接点と、
半導体からなり、上記第1電磁接触器接点の電源側端に接続された降圧チョッパ用スイッチング素子と、
半導体からなり、上記第2電磁接触器接点の接地側端に接続された遮断用スイッチング素子と、
上記降圧チョッパ用スイッチング素子と上記遮断用スイッチング素子との間に設けられ、少なくとも一端が上記第1電磁接触器と上記降圧チョッパ用スイッチング素子との間又は上記第2電磁接触器接点と上記遮断用スイッチング素子との間に接続された状態で、上記ブレーキコイルと並列に接続された第1放電抵抗と、
上記第1電磁接触器接点と上記第2電磁接触器接点との間に設けられ、上記ブレーキコイル及び第1放電抵抗と並列に接続された第2放電抵抗と、
正常停止時は、上記ブレーキコイルに流れる電流が上記第1及び第2放電抵抗で放電するように、上記第1及び第2電磁接触器接点の閉成した状態で、上記降圧チョッパ用スイッチング素子及び遮断用スイッチング素子をオフし、
異常時は、上記ブレーキコイルに流れる電流が上記第1放電抵抗に流れることを回避するとともに上記第2放電抵抗で放電するように、上記第1及び第2電磁接触器接点を開放する制御回路と
を備えたことを特徴とするエレベーターのブレーキ制御装置。 - 降圧チョッパ用スイッチング素子又は遮断用スイッチング素子のオン故障を検出すると、上記降圧用チョッパ用スイッチング素子及び上記遮断用スイッチング素子をオフするとともに、第1及び第2電磁接触器接点を開放するスイッチ回路を設けたことを特徴とする請求項1記載のエレベーターのブレーキ制御装置。
- 降圧チョッパ用スイッチング素子のオン故障検出用として、ブレーキコイルの過負荷を検出する過負荷検出器を用いたことを特徴とする請求項2記載のエレベーターのブレーキ制御装置。
- 過負荷検出器を、ブレーキコイル電流を検出する一次遅れフィルタと、この一次遅れフィルタの出力を所定の過負荷値と比較し、上記ブレーキコイル電流が上記所定の過負荷値よりも大きいとき過負荷を検出するものとしたことを特徴とする請求項3記載のエレベーターのブレーキ制御装置。
- 一次遅れフィルタの時定数をブレーキコイルの熱時定数により設定したことを特徴とする請求項4記載のエレベーターのブレーキ制御装置。
- 遮断用スイッチング素子のオン故障検出用として、遮断用スイッチング素子がオフされたにもかかわらず、ブレーキコイルに電流が流れていることが検出されるとオン故障を検出するオフ時通電検出器を用いたことを特徴とする請求項2記載のエレベーターのブレーキ制御装置。
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