以下、この発明の実施の一形態について説明する。この発明では、実際の放送や編集の対象とされるビデオデータおよびオーディオデータがディスク状記録媒体に記録されると共に、当該ビデオデータおよびオーディオデータに対応した補助的なビデオデータおよびオーディオデータと、メタデータとが同一のディスク上に記録される。なお、以下では、実際の放送や編集の対象とされるビデオデータおよびオーディオデータを本線系のAV(Audio/Video)データと呼ぶ。また、補助的なビデオデータおよびオーディオデータを補助AVデータと称し、補助AVデータのうちビデオデータを補助ビデオデータ、オーディオデータを補助オーディオデータとそれぞれ呼ぶ。
本線系のAVデータは、例えば、ビデオデータは、ベースバンドのビデオデータがMPEG2(Moving Pictures Experts Group 2)方式で圧縮符号化された、ビットレートが50Mbps(Mega bit per second)のビデオデータおよび/またはビットレートが25Mbpsのデータである。また、オーディオデータは、サンプリング周波数が48kHzで量子化ビット数が24ビットのデータおよび/または量子化ビット数が16ビットのデータである。この発明の実施の一形態では、本線系のAVデータのビデオデータおよびオーディオデータのそれぞれについて、これら方式の異なるデータを同一のディスク上に混在させて記録可能なようになっている。
また、補助AVデータは、本線系のAVデータに基づくより低ビットレートとしたオーディオ/ビデオデータであって、本線系AVデータのディスクへの記録時に、本線系のAVデータから作成される。補助ビデオデータは、例えばMPEG4方式で以て圧縮符号化される。また、補助オーディオデータは、例えばA−Lawおよびサンプル間引きを用いて圧縮符号化される。これにより、補助AVデータは、本線系のAVデータに対して、ビットレートが例えば数Mbpsまで落とされる。
なお、周知のようにMPEG方式では、DCT(Discrete Cosine Transform)を用いたフレーム内圧縮符号化と、時系列方向の予測符号化を用いたフレーム間圧縮符号化とを用いてビデオデータを圧縮符号化する。ここで、時系列方向に予測符号化を行ったB(Bidirectionally)ピクチャおよびP(Predictive)ピクチャと、1画面(1フレーム)で完結するI(Intra)ピクチャとが定義され、GOP(Group Of Picture)は、最低1枚のIピクチャを含むそれ自身で完結したグループで、MPEGのストリームにおいて独立してアクセス可能な最小の単位とされる。
メタデータは、あるデータに関する上位データであり、各種データの内容を表すためのインデックスとして機能する。メタデータには、上述の本線系のAVデータの時系列に沿って発生される時系列メタデータと、本線系のAVデータにおけるシーン毎など、所定の区間に対して発生される非時系列メタデータの2種類がある。
次に、この発明の実施の一形態に適用可能なディスク状記録媒体(以下、ディスク)へのデータ配置について説明する。この発明の実施の一形態では、ディスク上に年輪を形成するようにしてデータを記録する。年輪データは、データの再生時間によって示されるデータ量を単位としてディスクに記録されるデータである。例えば本線系のオーディオデータおよびビデオデータに限定して説明すると、再生時間帯が対応するオーディオデータおよびビデオデータを、トラックの1周分以上のデータサイズを有する所定の再生時間単位毎に交互に配置して記録する。このように記録を行うことで、再生時間帯が対応するオーディオデータおよびビデオデータの組が時系列的に重層されて、年輪が形成される。
この実施の一形態では、実際には、再生時間帯が対応するオーディオデータおよびビデオデータに加え、これらのデータに再生時間帯が対応する補助AVデータおよび時系列メタデータを一組として記録することで年輪を形成し、光ディスク1に対するデータの記録を行う。
なお、年輪を形成するデータを年輪データと称する。年輪データは、ディスクにおける最小の記録単位であるセクタの整数倍のデータ量とされる。また、年輪は、その境界がディスクのセクタの境界と一致するように記録される。
図1は、光ディスク1に対して年輪データが形成された一例の様子を示す。この図1の例では、光ディスク1の内周側から順に、オーディオ年輪データ#1、ビデオ年輪データ#1、オーディオ年輪データ#2、ビデオ年輪データ#2、補助AV年輪データ#1および時系列メタ年輪データ#1が記録されており、この周期で年輪データが扱われる。時系列メタ年輪データ#1の外周側には、さらに、次の周期の年輪データの一部がオーディオ年輪データ#3およびビデオ年輪データ#3として示されている。
この図1の例は、時系列メタ年輪データの1年輪データ分の再生時間帯と補助AV年輪データの1年輪データ分の再生時間帯とが対応し、時系列メタ年輪データの1年輪データ分の再生時間帯とオーディオ年輪データの2周期分の再生時間帯が対応することを示している。同様に、時系列メタ年輪データの1年輪データ分の再生時間帯とビデオ年輪データの2周期分の再生時間帯が対応することを示している。このような、各年輪データの再生時間帯および周期の対応付けは、例えばそれぞれのデータレートなどに基づき設定される。なお、ビデオ年輪データやオーディオ年輪データの1年輪データ分の再生時間は、経験値的には1.5秒〜2秒程度が好ましい。
図2は、上述の図1のように年輪が形成された光ディスク1に対するデータの読み書きが行われる一例の様子を示す。光ディスク1に十分な大きさの連続した空き領域が存在し、その空き領域に欠陥が無い場合、オーディオデータ、ビデオデータ、補助AVデータ時系列メタデータの各データ系列から、再生時間帯に基づきそれぞれ生成されたオーディオ年輪データ、ビデオ年輪データ、補助AV年輪データおよび時系列メタ年輪データは、図2Aに一例が示されるように、光ディスク1の空き領域に対して、恰も一筆書きをするように書き込まれる。このとき、何れのデータの境界も、光ディスク1のセクタの境界と一致するように書き込まれる。光ディスク1からのデータの読み出しも、書き込み時と同様にして行われる。
一方、光ディスク1からある特定のデータ系列を読み出す場合には、読み出しデータ系列の記録位置にシークしてそのデータを読み出すという動作が繰り返される。図2Bは、このようにして補助AVデータの系列を選択的に読み出す様子を示す。例えば図1も参照し、補助AV年輪データ#1が読み出されたら、続いて記録されている時系列メタ年輪データ#1、オーディオ年輪データ#3およびビデオ年輪データ#3、ならびに、オーディオ年輪データ#4およびビデオ年輪データ#4(図示しない)をシークにより飛び越し、次の周期の補助AV年輪データ#2が読み出される。
このように、データの光ディスク1への記録を、再生時間を単位とし、再生時間帯に応じた年輪データとして周期的に行うことで、同じような再生時間帯のオーディオ年輪データとビデオ年輪データとが光ディスク1上の近い位置に配置されるので、光ディスク1から、再生時刻が対応するオーディオデータとビデオデータとを迅速に読み出して再生することが可能となる。また、年輪の境界とセクタの境界とが一致するように記録されるので、光ディスク1からオーディオデータまたはビデオデータだけを読み出すことが可能となり、オーディオデータまたはビデオデータだけの編集を迅速に行うことが可能となる。
また、上述したように、オーディオ年輪データ、ビデオ年輪データ、補助AV年輪データおよび時系列メタ年輪データは、光ディスク1のセクタの整数倍のデータ量を有し、さらに、年輪データの境界とセクタの境界とが一致するように記録されている。そのため、オーディオ年輪データ、ビデオ年輪データ、補助AV年輪データおよび時系列メタ年輪データのうち何れか1系列のデータだけが必要な場合に、他のデータの読み出しを行うことなく、必要なデータだけを読み出すことができる。
上述したような、年輪によるデータ配置の利便性を活かすためには、光ディスク1に対するデータの記録を、年輪の連続性が保証されるように行う必要がある。このことについて、図3を用いて説明する。例えば補助AV年輪データ(図3では「LR」と表示)だけ読み出すことを考える。
例えば記録時に連続した十分に大きな空き領域が確保されていれば、複数周期の年輪を連続的に記録することができる。この場合、図3Aに示されるように、時間的に連続する補助AV年輪データを、最小のトラックジャンプで読み出すことができる。すなわち、補助AV年輪データを読み出したら、次の周期の年輪における補助AV年輪データを読み出すという動作を繰り返すことが可能となり、ピックアップがジャンプする距離が最短となる。
これに対して、例えば記録時に連続した空き領域が確保できず、時間的に連続する補助AVデータを光ディスク1上の飛び飛びの領域に記録した場合、図3Bに一例が示されるように、最初の補助AV年輪データを読み出したら、例えば年輪の複数周期分に相当する距離をピックアップがジャンプして、次の補助AV年輪データを読み出さなければならない。この動作が繰り返されるため、図3Aに示される場合に比べて、補助AV年輪データの読み出し速度が低下してしまう。また、本線系のAVデータにおいては、図3Cに一例が示されるように、未編集AVデータ(AVクリップ)の再生が滞る可能性がある。
次に、この発明の実施の一形態におけるデータの管理構造について、図4、図5および図6を用いて説明する。この発明の実施の一形態では、データは、ディレクトリ構造で管理される。ファイルシステムとしては例えばUDF(Universal Disk Format)が用いられ、図4に一例が示されるように、ルートディレクトリ(root)の直下にディレクトリPAVが設けられる。この実施の一形態では、このディレクトリPAV以下を定義する。
すなわち、上述した、複数信号種のオーディオデータおよびビデオデータの1枚のディスク上への混在記録は、このディレクトリPAVの配下において定義される。この発明の実施の一形態におけるデータ管理が及ばないディレクトリPAVに対するデータの記録は、任意である。
ディレクトリPAVの直下には、4つのファイル(INDEX.XML、INDEX.RSV、DISCINFO.XMLおよびDISCINFO.RSV)が置かれると共に、2つのディレクトリ(CLPRおよびEDTR)が設けられる。
ディレクトリCLPRは、クリップデータを管理する。ここでいうクリップは、例えば撮影が開始されてから停止されるまでの、ひとまとまりのデータである。例えば、ビデオカメラの操作において、操作開始ボタンが押されてから操作停止ボタンが押される(操作開始ボタンが解放される)までが1つのクリップとされる。
このひとまとまりのデータとは、上述した本線系のオーディオデータおよびビデオデータと、当該オーディオデータおよびビデオデータから生成された補助AVデータと、当該オーディオデータおよびビデオデータに対応した時系列メタデータと非時系列メタデータとからなる。ディレクトリCLPRの直下に設けられたディレクトリ「C0001」、「C0002」、・・・には、クリップ毎に、クリップを構成するひとまとまりのデータが格納される。
図5は、ディレクトリCLPRの直下に設けられた、一つのクリップ「C0001」に対応するディレクトリ「C0001」の一例の構造を示す。以下、ディレクトリCLPRの直下の一つのクリップに対応するディレクトリを、適宜、クリップディレクトリと称する。クリップディレクトリ「C0001」に対して、上述のひとまとまりのデータのそれぞれがファイル名により区別されて格納される。この図5の例では、ファイル名は、12桁で構成され、デリミタ「.」より前の8桁のうち、前側5桁がクリップを識別するために用いられ、デリミタ直前の3桁は、オーディオデータ、ビデオデータ、補助AVデータといった、データのタイプを示すために用いられている。また、デリミタ後の3桁は拡張子であって、データの形式を示している。
より具体的には、この図5の例では、クリップ「C0001」を構成するひとまとまりのファイルとして、クリップ情報を示すファイル「C0001C01.SMI」、本線系ビデオデータファイル「C0001V01.MXF」、本線系の8ch分のオーディオデータファイル「C0001A01.MXF」〜「C0001A08.MXF」、補助AVデータファイル「C0001S01.MXF」、非時系列メタデータファイル「C0001M01.XML」、時系列メタデータファイル「C0001R01.BIM」およびポインタ情報ファイル「C0001I01.PPF」が、クリップディレクトリ「C0001」に格納される。
この発明の実施の一形態では、ディレクトリCLPR内におけるクリップディレクトリ間での上述のデータ信号種の混在は、許可される。例えば、本線系のビデオデータの信号種について、クリップディレクトリ「C0001」にシングルGOP、ビットレート50Mbpsのビデオデータを格納し、クリップディレクトリ「C0002」にロングGOP、ビットレート25Mbpsのビデオデータを格納することは可能である。一方、クリップディレクトリ内における各データ内でのデータ信号種の混在は、許可されない。例えば、ビデオデータにおいて、先頭からある時点まではビットレートモード50Mbpsで記録されており、その時点以降から末尾まではビットレートモード25Mbpsで記録されたようなビデオデータファイルは、格納できないものとされる。
なお、シングルGOPは、全てのフレームがIピクチャで構成され、1GOP=1フレームの構造となっているものであり、フレーム単位の編集に対して高画質を維持できる。ロングGOPは、フレームがIピクチャ、PピクチャおよびBピクチャにより構成され、Iピクチャで完結する複数フレームにより1GOPが形成される構造である。ロングGOPでは、IピクチャおよびPピクチャのみを用い、Bピクチャを用いない構成とすることもできる。
説明は図4に戻り、ディレクトリEDTRは、編集情報が管理される。この発明の実施の一形態では、編集結果は、エディットリストやプレイリストとして記録される。ディレクトリEDTRの直下に設けられたディレクトリ「E0001」、「E0002」、・・・には、編集結果毎に、編集結果を構成するひとまとまりのデータが格納される。
エディットリストは、クリップに対する編集点(IN点、OUT点など)や再生順序などが記述されるリストであって、クリップに対する非破壊の編集結果と、後述するプレイリストとからなる。エディットリストの非破壊の編集結果を再生すると、リストの記述に従いクリップディレクトリに格納されたファイルを参照し、恰も編集された1本のストリームを再生するかのように、複数のクリップからの連続した再生映像が得られる。しかしながら、非破壊編集の結果では、ファイルの光ディスク1上での位置とは無関係にリスト中のファイルが参照されるため、再生時の連続性が保証されない。
プレイリストは、編集結果に基づき、リストにより参照されるファイルやファイルの部分が連続的に再生するのが困難であると判断された場合に、当該ファイルやファイルの一部を光ディスク1上の所定の領域に再配置することで、エディットリストの再生時の連続性を保証するようにしたものである。
編集作業により上述のエディットリストを作成した結果に基づき、編集に用いられるファイルの管理情報(例えば後述するインデックスファイル「INDEX.XML」)を参照し、編集作業に基づき非破壊で、すなわち、編集結果に基づき参照されるファイルが各クリップディレクトリに置かれたままの状態で、連続的な再生が可能か否かを、見積もる。その結果、連続的な再生が困難であると判断されると、該当するファイルを光ディスク1の所定領域にコピーする。この所定領域に再配置されたファイルを、ブリッジエッセンスファイルと称する。また、編集結果にブリッジエッセンスファイルを反映させたリストを、プレイリストと称する。
例えば、編集結果が複雑なクリップの参照を行うようにされている場合、編集結果に基づく再生の際に、クリップからクリップへの移行の際にピックアップのシークが間に合わない事態が発生する可能性がある。このような場合に、プレイリストが作成され、ブリッジエッセンスファイルが光ディスク1の所定領域に記録される。
図6は、ディレクトリEDTRの直下に設けられた、一つの編集結果「E0002」に対応するディレクトリ「E0002」の一例の構造を示す。以下、ディレクトリEDTRの直下の一つの編集結果に対応するディレクトリを、適宜、エディットディレクトリと称する。エディットディレクトリ「E0002」に対して、上述の編集結果により生成されたデータがそれぞれファイル名により区別されて格納される。ファイル名は、12桁で構成され、デリミタ「.」より前の8桁のうち、前側5桁がエディット作業を識別するために用いられ、デリミタ直前の3桁は、データのタイプを示すために用いられる。また、デリミタ後の3桁は拡張子であって、データの形式を示している。
より具体的には、この図6の例では、編集結果「E0002」を構成するファイルとして、エディットリストファイル「E0002E01.SMI」時系列および非時系列メタデータの情報が記述されるファイル「E0002M01.XML」、プレイリストファイル「E0002P01.SMI」、本線系データによるブリッジエッセンスファイル「E0002V01.BMX」および「E0002A01.BMX」〜「E0002A04.BMX」、補助AVデータによるブリッジエッセンスファイル「E0002S01.BMX」および時系列、非時系列メタデータによるブリッジエッセンスファイル「E0002R01.BMX」が、エディットディレクトリ「E0002」に格納される。
エディットディレクトリ「E0002」に格納されるこれらのファイルのうち影を付して示したファイル、すなわち本線系データによるブリッジエッセンスファイル「E0002V01.BMX」および「E0002A01.BMX」〜「E0002A04.BMX」、補助AVデータによるブリッジエッセンスファイル「E0002S01.BMX」および時系列、非時系列メタデータによるブリッジエッセンスファイル「E0002R01.BMX」は、プレイリストに属するファイルである。
なお、上述したように、エディットリストによりクリップディレクトリに格納された例えばビデオデータが参照される。クリップディレクトリ間では、異なるデータ信号種の混在が可能なので、結果的に、エディットリスト上では、異なるデータ信号種の混在が可能とされる。
説明は図4に戻り、ファイル「INDEX.XML」は、ディレクトリPAV以下に格納された素材情報を管理するインデックスファイルである。この例では、ファイル「INDEX.XML」は、XML(Extensible Markup Language)形式で記述される。このファイル「INDEX.XML」により、上述した各クリップおよびエディットリストが管理される。例えば、ファイル名とUMIDの変換テーブル、長さ情報(Duration)、当該光ディスク1全体を再生する際の各素材の再生順などが管理される。また、各クリップに属するビデオデータ、オーディオデータ、補助AVデータなどが管理されると共に、クリップディレクトリ内にファイルで管理されるクリップ情報が管理される。
ファイル「DISCINFO.XML」は、このディスクに関する情報が管理される。再生位置情報なども、このファイル「DISCINFO.XML」に保存される。
次に、この発明の実施の一形態に適用可能な記録再生装置について説明する。図7は、この記録再生装置のドライブ部10の一例の構成を示す。
記録時には、後述する信号処理部41(図8参照)から供給された記録データが、ECC(Error Correction Coding)部19およびメモリコントローラ17を介してメモリ18に溜め込まれる。メモリコントローラ17は、制御部20の制御に基づきメモリ18に対するアクセスを制御する。なお、制御部20は、マイクロコンピュータからなり、信号処理部41からの制御信号に基づきこのドライブ部10を制御する。
メモリ18に溜め込まれた記録データに対して、ECC部19によりエラー訂正単位毎にエラー訂正符号が生成される。ビデオデータおよびオーディオデータに対するエラー訂正符号としては、積符号を使用することができる。積符号は、ビデオデータまたはオーディオデータの2次元配列の縦方向に外符号の符号化を行い、その横方向に内符号の符号化を行い、データシンボルを2重に符号化するものである。外符号および内符号としては、リードソロモンコード(Reed-Solomon code) を使用できる。積符号で完結するデータ単位をECCブロックと称する。ECCブロックは、例えば64kバイト(65536バイト)のサイズを有する。メモリコントローラ17は、メモリ18からECCブロックを読み出し、変調/復調部16に記録データとして供給する。変調/復調部16は、この記録データを変調して記録信号を生成し、ピックアップ部13に供給する。
ピックアップ部13は、変調/復調部16から供給される記録信号に基づきレーザ光の出力を制御して、スピンドルモータ12により回転駆動される光ディスク1に記録信号を記録する。
なお、ピックアップ部13は、光ディスク1からの反射光を光電変換して電流信号を生成し、RF(Radio Frequency)アンプ14に供給する。RFアンプ14は、ピックアップ部13からの電流信号に基づいて、フォーカス誤差信号およびトラッキング誤差信号、ならびに、再生信号を生成し、トラッキング誤差信号およびフォーカス誤差信号をサーボ制御部15に供給する。また、RFアンプ14は、再生時に再生信号を変調/復調部16に供給する。
レーザ光の照射位置は、サーボ制御部15からピックアップ部13に供給されるサーボ信号により所定の位置に制御される。すなわち、サーボ制御部15は、フォーカスサーボ動作やトラッキングサーボ動作の制御を行う。具体的には、サーボ制御部15は、RFアンプ14からのフォーカス誤差信号とトラッキング誤差信号に基づいてフォーカスサーボ信号とトラッキングサーボ信号をそれぞれ生成し、ピックアップ部13のアクチュエータ(図示しない)に供給する。またサーボ制御部15は、スピンドルモータ12を駆動するスピンドルモータ駆動信号を生成して、光ディスク1を所定の回転速度で回転させるスピンドルサーボ動作の制御を行う。
さらにサーボ制御部15は、ピックアップ部13を光ディスク1の径方向に移動させてレーザ光の照射位置を変えるスレッド制御を行う。なお、光ディスク1の信号読み出し位置の設定は、信号制御部41から供給される制御信号に基づき、制御部20によって行われ、設定された読み出し位置から信号を読み出すことができるように、ピックアップ部13の位置が制御される。
スピンドルモータ12は、サーボ制御部15からのスピンドルモータ駆動信号に基づいて、光ディスク1を線速度一定のCLV(Constant Linear Velocity)、または、角速度一定のCAV(Constant Angler Velocity)で回転駆動する。スピンドルモータ12の駆動方式は、信号処理部41からの制御信号に基づき、CLVおよびCAVとで切り替え可能とされている。
なお、この実施の一形態では、スピンドルモータ12の駆動モードとして、CLV×1、CLV×2、CLV×2.4およびCAV×1の4モードが切り替え可能とされている。モードCLV×1は、ドライブ部10の起動時のモードであって、それ以外では基本的に使用されない。モードCLV×2は、モードCLV×1に対してデータレートが2倍となっており、光ディスク1に対するデータの書き込みは、このモードで行われる。モードCLV×2.4は、通常再生やシャトル再生時など、再生系の動作において用いられる。モードCAV×1は、後述するサムネイル表示の際に用いられるモードである。
再生時には、ピックアップ部13が光ディスク1にレーザ光を集光して照射し、光ディスク1からの反射光を光電変換した電流信号をRFアンプ14に供給する。変調/復調部16は、RFアンプ14から供給された再生信号を復調して再生データを生成し、メモリコントローラ17に供給する。メモリコントローラ17は、供給された再生データをメモリ18に書き込む。メモリ18からECCブロック単位で再生データが読み出され、ECC部19に供給される。
ECC部19は、供給されたECCブロック単位の再生データのエラー訂正符号を復号化してエラー訂正を行う。エラー訂正符号の持つエラー訂正能力を超えてエラーが検出されたときは、エラー訂正を行わずに、エラー訂正単位に対してエラーフラグを立てる。ECC部19から出力された再生データは、信号処理部41に供給される。
図8は、この実施の一形態に適用可能な記録再生装置の全体の構成例を示す。信号処理部41に対して、図示されないドライブ部10、インターフェイス部40および操作部42が接続される。また、信号処理部41に対して、例えばLCD(Liquid Crystal Display)からなる表示部80が接続され、光ディスク1から再生された映像や、記録再生装置に対して入力された映像、ユーザインターフェイスなど、様々な表示が行われるようになっている。
信号処理部41において、FPGA(Field Programmable Gate Array)にドライブ部10が接続される。ドライブ部10と信号処理部41との間での記録データおよび再生データのやり取り、ならびに、ドライブ部10内の制御部20との間での制御信号のやり取りは、FPGA64を介して行われる。
FPGA64に対して、RAM65、エンコーダ66、デコーダ67、DVコーデック68、補助AVデータ用エンコーダ/デコーダ69が接続される。補助AVデータ用エンコーダ/デコーダ69は、補助ビデオデータのエンコードを行う。また、FPGA64に対して、バス70が接続される。バス70には、入力データ用のオーディオDSP(Digital Signal Processor)71、出力データ用のオーディオDSP72および補助AVデータ用オーディオDSP73が接続される。さらに、FPGA64は、バス60とFPGA74とが接続される。FPGA64は、RAM65に対するメモリコントローラとして機能すると共に、接続された各部間でのデータフローを制御するようになっている。
FPGA74に対して、RAM75が接続される。また、FPGA74に対して表示部80、出力端子81および入力端子82がそれぞれ接続される。FPGA74に対して、さらに、操作部42のマイクロコンピュータ(以下、マイコン)90が接続される。表示部80は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)からなる表示素子と、表示素子を駆動するための駆動回路とを有する。FPGA74は、上述のFPGA64と同様に、RAM75に対するメモリコントローラとして機能すると共に、接続された各部間でのデータフローを制御するようになっている。
バス60は、例えばPCI(Peripheral Component Bus)バスである。バス60に対してCPU(Central Processing Unit)61、ROM(Read Only Memory)62およびRAM(Random Access Memory)63が接続される。RAM63は、CPU61のワークメモリとして用いられる。ROM62は、実際には2個の書き換え可能なフラッシュメモリからなり、そのうち一方はシステム起動用、他方はシステムが起動された後に用いられるプログラムやデータなどが予め格納される。また、RAM63および他方のROMは、図示されないCPUバスを介してCPU61に接続される。
CPU61は、他方のROMに格納されるプログラムに基づき、信号処理部41を制御すると共に、ドライブ部10における光ディスク1に対するアクセス制御や、メモリ18に対するアクセス制御を行う。また、CPU61は、図4〜図6を用いて説明した、光ディスク1上のディレクトリ構造を管理する。
インターフェイス部40において、バス50は、例えばPCIバスである。バス50がPCIブリッジ57を介してバス60に接続される。また、バス50に対して通信インターフェイス51、CPU(Central Processing Unit)52、ROM(Read Only Memory)53、RAM(Random Access Memory)54およびOSD(On Screen Displey)部55が接続される。なお、CPU52、ROM53およびRAM54は、実際には、メモリコントローラやバスコントローラなどを介してバス50に接続される。RAM54は、CPU52のワークメモリとして用いられる。ROM53は、実際には2個の書き換え可能なフラッシュメモリからなり、一方はシステム起動用、他方はシステムが起動された後に用いられるプログラムやデータなどが予め格納される。
通信インターフェイス51は、CPU52の命令に基づき、外部のネットワークとの間の通信を制御する。例えば、通信インターフェイス51は、インターネットに対してFTP(File Transfer Protocol)によるデータ通信を行うことができる。OSD部55は、RAM56が接続され、CPU52から供給される表示制御命令に基づき、ユーザインターフェイスのための画像信号を生成する。
操作部42において、操作子部92は、各種スイッチ、ロータリーエンコーダなどの各種操作子を有し、これら操作子に対するユーザの操作に応じた信号を出力し、マイコン90に供給する。マイコン90は、操作子部92から供給された信号に基づき制御信号を生成し、FPGA74に供給する。制御信号は、制御の種類に応じてCPU61やCPU52に供給される。表示部91は、例えば操作子部92の各操作子にそれぞれ対応した複数のLED(Light Emitting Diode)からなり、操作子部92からの制御信号に基づき、マイコン90により点灯が制御される。オーディオメータ93は、例えば複数のLEDからなり、信号処理部41に入力されるオーディオデータまたは信号処理部41から出力されるオーディオデータのレベルがリアルタイムで表示される。
なお、ビデオのフレーム周期に対応したフレーム同期信号が、図示されないインターフェイスを介して外部から供給される。フレーム同期信号を、この記録再生装置内部で発生させてもよい。この記録再生装置各部の信号処理は、必要に応じてフレーム同期信号に対して同期的に行われる。例えば、本線系AVデータや補助AVデータに対するCPU61による処理命令は、フレーム同期信号に対して同期的に発行される。
このような構成において、記録時には、外部から供給されたビデオデータおよびオーディオデータが入力端子82に入力される。例えば、ビデオデータおよびオーディオデータは、図示されないビデオカメラから出力され、入力端子82に入力される。ビデオデータおよびオーディオデータは、RAM75に一旦バッファリングされてFPGA64に供給され、RAM65に溜め込まれる。
RAM65に溜め込まれたビデオデータおよびオーディオデータは、FPGA64により補助AVデータ用エンコーダ/デコーダ69および補助AVデータ用オーディオDSP73にそれぞれ供給され、補助AVデータが生成される。
補助AVデータ用エンコーダ/デコーダ69は、供給されたビデオデータをMPEG4方式で以て圧縮符号化し、補助ビデオデータとして出力する。補助AVデータ用エンコーダ/デコーダ69から圧縮符号化されて出力された補助ビデオデータは、RAM65に書き込まれる。補助AVデータ用エンコーダ/デコーダ69は、例えば1フレームのIピクチャと9フレームのPピクチャの計10フレームで1GOPを形成する。
なお、補助ビデオデータの解像度は、例えば、NTSCシステムの場合352画素×240ライン、PALシステムの場合352画素×288ラインとされる。また、補助ビデオデータの色空間は、輝度および色差により色を表現するYCbCr空間とされる。
オーディオデータは、補助AVデータ用オーディオDSP73において、必要に応じてレベル調整などの所定の信号処理を施され、さらに圧縮符号化され、補助オーディオデータとされる。詳細は後述するが、オーディオデータは、例えば間引きとA−Law符号化を用い、サンプリング周波数が48kHzから8kHzとされ、また、量子化ビット数が16ビットから8ビットのデータとされる。圧縮符号化された補助オーディオデータは、RAM65に書き込まれる。量子化ビット数が24ビットのオーディオデータは、例えばサンプル毎の下位8ビットを削除し、1サンプルが16ビットのデータとしてから圧縮符号化するようにできる。
ビデオデータおよびオーディオデータの、補助AVデータ用エンコーダ/デコーダ69および補助AVデータ用オーディオDSP73によるエンコード処理と並列的に、本線系AVデータのエンコード処理も行われる。上述したように、この実施の一形態による記録再生装置は、本線系のビデオデータの処理モードとして、例えばデータレートが50Mbpsおよび25Mbpsの2種類のモードを有する。
データレートが50Mbpsのモードの場合、RAM65から読み出されたビデオデータは、エンコーダ66に供給される。エンコーダ66は、ビデオデータに対してMPEG2による圧縮符号化を施す。このとき、エンコーダ/デコーダ69は、フレーム単位での編集を考慮し、フレーム間圧縮を行わず、全てIピクチャとしてエンコードを行う。また、エンコードは、エンコードされたデータのデータレートが50Mbpsになるように、フレーム毎や、フレームをさらに分割したマクロブロック毎に量子化係数などを適切に選択して行われる。エンコーダ66でエンコードされたビデオデータは、RAM65に一旦溜め込まれる。
データレートが25Mbpsのモードの場合、RAM65から読み出されたビデオデータは、DVコーデック部68に供給される。DVコーデック部68は、供給されたビデオデータに対して、例えばDVフォーマットに則った圧縮符号化処理を施す。DVコーデック部68でエンコードされたビデオデータは、RAM65に一旦溜め込まれる。
本線系のAVデータのうち本線オーディオデータは、FPGA64により、RAM65から読み出され、オーディオDSP71に供給される。オーディオDSP71でエンコードされた本線オーディオデータは、RAM65に溜め込まれる。
CPU61の命令に従い、RAM65に溜め込まれた本線系のオーディオデータおよびビデオデータの、年輪を形成するための所定の再生時間分が、記録フォーマットにマッピングされ、ドライブ部10に供給される。同様に、RAM65に溜め込まれた補助オーディオデータおよび補助ビデオデータは、補助AVデータのフォーマットにマッピングされ、年輪を形成するための所定の再生時間分がドライブ部10に供給される。
なお、メタデータは、例えばCPU62で所定に生成され、RAM54に溜め込まれる。RAM65に溜め込まれたメタデータは、本線系のAVデータおよび補助AVデータと同様にして、年輪を形成するための所定の再生時間分がドライブ部10に供給される。
CPU61により、ドライブ部10に対して、本線系のAVデータ、補助AVデータおよびメタデータを年輪を形成しながら光ディスク1に書き込むように命令が出される。この命令は、制御部20に供給される。CPU61からの命令に基づく制御部20の制御により、本線系のAVデータ、補助AVデータおよびメタデータは、ドライブ部10のECC部19でエラー訂正符号を付加され、信号処理部16で記録信号に変調される。そして、制御部20に書き込みアドレスを制御されて、光ディスク1に対して書き込まれる。
再生時には、ドライブ部10において、CPU61の命令に基づき制御部20により読み出しアドレスを制御され、光ディスク1から年輪単位でデータが読み出される。読み出されたデータは、既に説明したような処理を経てECC部19でエラー訂正符号を復号化されて、ドライブ部10から出力される。ドライブ部10から出力された本線系のAVデータ、補助AVデータおよびメタデータは、FPGA64に供給され、RAM65に溜め込まれる。
RAM65に溜め込まれた本線系のAVデータにおいて、本線ビデオデータがデータレート50Mbpsのモードのデータであれば、当該本線ビデオデータは、デコーダ67に供給される。デ一方、本線ビデオデータがデータレート25Mbpsのモードのデータであれば、当該本線ビデオデータは、DVコーデック部68に供給される。コーダ67またはDVコーデック部68でデコードされた本線ビデオデータは、RAM65に溜め込まれる。
本線系のAVデータのうち本線オーディオデータは、FPGA64によりRAM65から読み出され、オーディオDSP72に供給される。オーディオDSP72でデコードされた本線オーディオデータは、RAM65に溜め込まれる。
本線系AVデータのデコード処理と並列的に、補助AVデータのデコード処理も行われる。RAM65に溜め込まれた補助AVデータのうち、補助ビデオデータは、FPGA64によりRAM65から読み出され、補助AVデータ用エンコーダ/デコーダ69に供給される。補助ビデオデータは、補助AVデータ用エンコーダ/デコーダ69でデコードされ、RAM65に溜め込まれる。同様に、補助オーディオデータは、FPGA64によりRAM65から読み出され、補助AVオーディオ用DSP73に供給される。補助オーディオデータは、補助AVオーディオ用DSP73でデコードされ、量子化ビット数を8ビットから16ビット(または24ビット)に戻されると共に、サンプルが補間され、サンプリング周波数が48kHzとされる。デコードされた補助オーディオデータは、RAM65に溜め込まれる。
RAM65にデコードされ溜め込まれた本線ビデオデータおよび本線オーディオデータ、ならびに、補助ビデオデータおよび補助オーディオデータは、図示されないフレーム同期信号に基づきCPU61にタイミング制御され、RAM65から同期的に読み出される。例えば、本線オーディオデータおよび補助オーディオデータは、CPU61の命令に基づきFPGA64にRAM65におけるアドレスポインタが制御され、ビデオデータと同期を取られながら、さらに本線および補助オーディオデータ間で同期を取られて、RAM65から読み出される。RAM65から読み出された本線および補助ビデオデータ、ならびに、本線および補助オーディオデータは、FPGA74に供給される。
FPGA74では、例えば本線ビデオデータを出力端子81に導出すると共に、補助ビデオデータを表示部80に供給する。それと共に、本線および補助オーディオデータを所定に選択して出力端子81に導出する。本線および補助オーディオデータは、CPU61の命令に基づき所定のタイミングで切り替えて出力することができる。このとき、切り替えタイミングにおいて、本線および補助オーディオデータにクロスフェード処理を施すと、切り替えノイズが軽減されて好ましい。
一方、上述したように、インターフェイス部40は、通信インターフェイス51を有し、例えばインターネットを介してFTP転送されたビデオデータやオーディオデータを受信し、ドライブ部10に送るようにできる。すなわち、FTP転送されたデータを通信インターフェイス51で受信し、バス50、PCIブリッジ57およびバス60を介してFPGA64に供給し、RAM65に溜め込むようにする。FTP転送により、非同期的に転送された例えばオーディオデータは、RAM65を用いて時間的に連続になるようにマッピングされる。
インターフェイス部40において、OSD部55は、CPU52から供給される表示制御命令に基づき、RAM56を用いて、GUI(Graphical User Interface)画面などを表示するための画像データを作成する。作成された画像データは、RAM56から読み出され、FPGA74に転送される。この画像データは、FPGA74により表示部80に供給され、表示部80に対して例えばGUI画面が表示される。
図9は、補助AVデータの一例のフォーマットを示す。補助AVデータは、図9Aに一例が示されるように、ヘッダ部と、複数のエディットユニットとからなる。エディットユニットの先頭に配置されるシステム部は、そのエディットユニットのヘッダである。エディットユニットにおいて、システム部に続けて補助ビデオデータ(ピクチャ)が格納され、さらに続けて補助オーディオデータ(サウンド)が格納される。補助ビデオデータは、MPEG4のエレメンタリストリーム(ES)である。補助オーディオデータは、8チャンネルのデータからなり、2チャンネル毎に対になって格納される。エディットユニットは、年輪に対応し、補助ビデオデータおよび補助オーディオデータは、それぞれ1年輪分の再生時間(例えば2秒)に対応するデータである。
なお、光ディスク1に記録されるデータは、ECCブロック単位でECCブロックアドレスが割り振られる。ドライブ部10のECC部19は、このECCブロックアドレスに基づきECCブロックの復号化処理を行う。1エディットユニットは、8ECCブロックが割り当てられる。ヘッダ部は、1ECCブロックが割り当てられる。
図9Bは、ビデオシステムがNTSCの場合の補助ビデオデータ格納部の一例の構成を示す。先頭の「K」部は、続くアイテムの属性が示される。例えば、「K」部によって、続くアイテムにMPEG4のエレメンタリストリームが格納されていることが示される。「L」部は、続くアイテムのデータ長が示される。この「K」部および「L」部を用いて、補助ビデオデータや2チャンネル毎に対にされた補助オーディオデータがそれぞれパッキングされる。
上述したように、この実施の一形態では、補助ビデオデータは、図9Dに一例が示されるように、1枚のIピクチャと9枚のPピクチャとからなる10フレームで1GOPが構成される。ビデオシステムがNTSCの場合、30フレーム/秒なので、1年輪が2秒の再生時間に対応しているとした場合、図9Bに一例が示されるように、1エディットユニット中に6GOPが含まれる。25フレーム/秒であるPALシステムの場合は、図9Cに一例が示されるように、1エディットユニット中に5GOPが含まれることになる。
補助オーディオデータについては、図9Eに一例が示されるように、第1および第2チャンネル、第3および第4チャンネル、第5および第6チャンネル、第7および第8チャンネルがそれぞれ対とされ、対毎に「K」部および「L」部でパッキングされる。Filler部は、1エディットユニットのデータ長が8ECCブロックになるように補助オーディオデータのデータ長を調整するためのダミーデータが詰め込まれる部分で、各チャンネル対毎にそれぞれ「K」部および「L」部でパッキングされる。
1つのチャンネル対は、図9Fに一例が示されるようになっている。すなわち、対とされたチャンネルのサンプルが、サンプル毎に交互に配置される。1つのチャンネル対に、ビデオシステムがNTSCの場合には2チャンネルで16016サンプル、PALの場合には2チャンネルで16000サンプルの補助オーディオデータが詰め込まれる。
この発明の実施の一形態では、光ディスク1に記録されたクリップを、サムネイル画像として表示部80に一覧表示することができる。サムネイル画像は、主にインデックスとして用いられ、高品質を要求されないので、補助AVデータから作成することができる。補助AVデータは、予め解像度などを落としデータレートを低く抑えているので、本線系のAVデータを用いてサムネイル画像を作成する場合に比べ、処理に負担がかからない。
例えば、ユーザの操作部42に対する操作に応じてインデックスファイル「INDEX.XML」を読み込み、光ディスク1に記録されている全クリップの情報を得る。そして、各クリップディレクトリを参照し、補助AVデータに基づきサムネイル画像を自動的に作成する。サムネイル画像は、例えば補助AVデータの所定位置のフレームを読み込んで、画像サイズの変換処理および色空間変換処理が施されて作成される。
図10Aは、サムネイル表示画面120の表示例を示す。サムネイル表示画面120は、表示部80に表示される。これに限らず、サムネイル表示画面120の表示信号を出力端子81に対して導出させ、外部のモニタにサムネイル表示画面120を表示させるようにもできる。サムネイル表示画面120は、所定枚数のサムネイル画像121、121、・・・が一覧表示される。
例えば、操作部42に対して設けられたサムネイル表示ボタンを操作することで、サムネイル表示画面120の表示が指示される。サムネイル表示が指示されると、ドライブ部10においてスピンドルモータ12の駆動方式がCLV駆動からCAV駆動に切り替えられ、光ディスク1がCAV駆動でアクセスされて補助AVデータが所定に読み出される。読み出された補助AVデータから、サムネイル表示画面120の1画面に表示するためのサムネイル画像121、121、・・・が生成される。これらサムネイル画像121、121、・・・は、サムネイル表示画面120に対して一覧表示される。図10Aの例では、1画面に12枚のサムネイル画像121、121、・・・が表示されている。サムネイル画像121、121、・・・は、例えば対応するクリップの記録順に配置されて表示される。
なお、サムネイル表示画面120に対して、クリップ毎のサムネイル画像121、121、・・・を一覧表示させる(以下、クリップモードと呼ぶ)か、編集点毎のサムネイル画像121、121、・・・を一覧表示させる(以下、編集モードと呼ぶ)かを選択することができる。この図10Aの例は、クリップモードの例であって、サムネイル表示画面120右上の表示122にその旨(「CLIP」)が示されている。
例えば操作部42に設けられたカーソル移動キーを所定に操作することで、サムネイル表示画面120に表示された複数のサムネイル画像121、121、・・・から1枚のサムネイル画像121を選択することができる。現在選択されている選択サムネイル画像123は、選択されていることを示すように、例えば枠表示が非選択状態のサムネイル画像121、121、・・・とは異ならされる。また、サムネイル表示画面120の左上の表示124は、光ディスク1に記録されているクリップの総数と、選択サムネイル画像123によりその中の何番目のクリップが現在選択されているかを示す。この図10Aの例では、光ディスク1に143クリップが記録されており、その中の6番目のクリップが選択されていることが示されている。
さらに、サムネイル表示画面120の下部には、選択サムネイル画像123に対応するクリップの情報が示される。例えば、選択サムネイル画像123に対応するクリップの撮影時刻が表示125に、当該クリップの長さ(DURATION)が表示126にそれぞれ表示される。
選択サムネイル画像123により対応するクリップが選択された状態で、操作部42に対して例えば決定ボタンの押下など所定の操作を行うことで、当該クリップの再生が指示される。クリップの再生が指示されると、ドライブ部10においてスピンドルモータ12の駆動方式がCAV駆動からCLV駆動に切り替えら表示部80がクリップ表示画面127とされて、当該クリップの再生が開始される。また、クリップ表示画面127の表示中にサムネイル表示を指示すると、表示部80の表示がサムネイル表示画面120に切り替わる。
操作部42に対する所定の操作により、サムネイル表示画面120のページを切り替えることができる。例えば、サムネイル表示画面120の表示中にページ切り替えが指定されると、CAV駆動のまま光ディスク1がアクセスされ、サムネイル表示画面120に現在表示されているサムネイル画像121、121、・・・が対応するクリップの次のクリップから次ページの1画面分のサムネイル画像121、121、・・・が読み出され、サムネイル表示画面120に表示される。
編集モードの場合も、クリップモードと略同様にサムネイル画像121、121、・・・が表示される。編集点毎のサムネイル画像121、121、・・・は、編集結果の再生順に従い、サムネイル表示画面120に配置され、表示される。また、表示122は、編集モードである旨を示す表示(例えば「EDIT」)とされ、表示124は、全編集点数と、選択サムネイル画像123の対応する編集点が全編集点中の何番目であるかが示される。さらに、表示125は、例えば編集日時が示され、表示126は、例えばその編集点(IN点)からOUT点までの時間が表示される。
サムネイル表示画面120の表示処理について、より詳細に説明する。図11は、サムネイル表示の全体的な流れを示す一例のフローチャートである。なお、実際には、サムネイル表示制御は、CPU52の制御下において行われ、CPU61は、CPU52の命令に従い各部の制御を行う。最初のステップS10で、ユーザにより操作部42が所定に操作され、サムネイル表示を行うような指示がなされる。操作部42から、指示に基づく制御信号が出力され、CPU61に供給される。
CPU61は、操作部42から渡された制御信号に基づき、ドライブ部10(制御部20)に対して、スピンドルモータ12の駆動方式をCLV駆動からCAV駆動へ切り替える旨を命令する切り替えコマンドが発行される(ステップS11)。ドライブ部10で、この切り替えコマンドに基づきスピンドルモータ12の駆動方式がCLV駆動からCAV駆動に切り替わったと判断されたら(ステップS12)、処理はステップS13に移行し、光ディスク1からCAV駆動で回転駆動されて補助AVデータが読み出される。そして、読み出された補助AVデータから、サムネイル画像121、121、・・・を表示するためのフレームが取り出され、サムネイル表示画面120が表示される。
なお、この発明の実施の一形態では、このように、通常のクリップ再生の際には光ディスク1をCLVで回転駆動し、サムネイル表示の際には光ディスク1をCAV駆動に切り替えて回転駆動させるようにしている。サムネイル画像121、121、・・・のデータを読み出すためのアクセスは、ランダムアクセスにより光ディスク1に対して飛び飛びになされるため、アクセス位置にかかわらず光ディスク1の回転速度が変化しないCAV駆動の方が、より高速に読み出しを行える。
勿論、CAV駆動では、光ディスク1の内周側と外周側とでアクセスの線速度が大きく異なるため、通常のクリップ再生の際は、CLV駆動を用いる必要がある。
ステップS14で、ユーザがカーソルキーで選択サムネイル画像123を移動させ、サムネイル表示画面120を、次ページまたは前ページなどの別ページに切り替えたと判断されれば、処理はステップS15に移行し、スピンドルモータ12の駆動方式をCAV駆動のまま光ディスク1が回転駆動され、当該別ページのサムネイル画像121、121、・・・を表示するための補助AVデータが読み出される。
ステップS16で、ユーザによりSETボタンが押され、選択サムネイル画像123に対応するクリップや編集点が決定されたら、次のステップS17で、CPU52の制御に基づきCPU61からドライブ部10に対して、スピンドルモータ12の駆動方式をCAV駆動からCLV駆動へ切り替える旨を命令する切り替えコマンドが発行される。ドライブ部10で、この切り替えコマンドに基づきスピンドルモータ12の駆動方式がCAV駆動からCLV駆動に切り替わったと判断されたら(ステップS18)、処理はステップS19に移行する。
ステップS19では、ドライブ部10において、光ディスク1に対し、上述したステップS16で決定された選択サムネイル画像123に対応するクリップまたは編集点が、CLV駆動によりアクセスされ、当該クリップまたは編集点に対するキューアップ処理がなされる。
図12は、サムネイル表示処理の一例のフローチャートを示す。この図12は、上述した図11のフローチャートにおけるステップS13の処理をより詳細に示すものである。光ディスク1から補助AVデータが読み出される処理は、サムネイル表示のモードがクリップモードか、編集モードかで多少異なる。クリップモードであれば(ステップS20)、処理はステップS21に移行し、光ディスク1に記録されているクリップがそれぞれ参照される。一方、編集モードであれば、処理はステップS20からステップS22に移行し、エディットリストが参照され、各編集点に対応するクリップがそれぞれ参照される(ステップS23)。
なお、ドライブ部10は、光ディスク1が装填されるとディレクトリPAVの直下の4つのファイル(INDEX.XML、INDEX.RSV、DISCINFO.XMLおよびDISCINFO.RSV)を読み込み、光ディスク1に関する情報や、光ディスク1に記録されている各ファイルの情報を予め取得している。ステップS21、S22およびS23の処理は、この予め取得された情報に基づき行われる。
ステップS21またはステップS23でクリップが参照されると、処理はステップS24に移行し、サムネイル画像121、121、・・・として表示するためのフレームが確定される。クリップモードであれば、例えば、参照されたクリップの先頭のフレームがサムネイル画像121として用いるフレームとされる。クリップ内の他のフレームをサムネイル画像121として用いるフレームとしてもよい。編集モードであれば、例えば、参照されたクリップに対して設けられた編集点に対応するフレームがサムネイル画像121として用いるフレームとされる。
フレームが確定されると、ステップS25で、光ディスク1に記録された補助AVデータから、確定されたフレームを含む所定領域が読み出される。読み出されたデータは、ドライブ部10から信号処理部41に渡され、一旦RAM65に溜め込まれた後、FPGA64を介して補助AVデータ用エンコーダ/デコーダ69に供給される。補助AVデータ用エンコーダ/デコーダ69は、供給されたデータをデコードし、確定されたフレームを抽出する(ステップS26)。抽出されたフレームは、補助AVデータ用エンコーダ/デコーダ69から出力され、FPGA64、バス60、PCIブリッジ57およびバス50を介してRAM54に一旦溜め込まれる。
次のステップS27で、RAM54に溜め込まれたフレームに対して、CPU52により、色空間変換処理と、画素数変換処理が施され、サムネイル画像121が作成される。上述したように、補助ビデオデータの色空間は、YCbCr空間である。色空間変換処理では、このYCbCr空間を、表示部80による表示に適した例えばRGBの三原色からなる色空間に変換する。また、上述したように、補助ビデオデータは、NTSCシステムの場合352画素×240ライン、PALシステムの場合352画素×288ラインからなる画像サイズとされている。画素数変換処理では、この画像サイズを、例えば所定に画素を間引いて画素数を減らし、サムネイル画像121に適した画像サイズに変換する。補間処理を併用してもよい。
ステップS27で作成されたサムネイル画像121は、ステップS28で、OSD部55に供給される。OSD部55は、供給されたサムネイル画像121をRAM56に書き込む。また、OSD部55は、サムネイル表示画面120を構成する他の表示部分を作成し、RAM56に書き込む。サムネイル表示画面120中の表示122、124、125および126に表示するための各属性情報は、例えばCPU52の命令に基づきCPU61により取得され、CPU61からOSD部55に渡される。こうしてサムネイル表示画面120の表示データが形成されたら、RAM56から当該表示データが読み出され、FPGA74に渡される。FPGA74は、渡されたデータを表示部80に供給して、サムネイル表示画面120を表示部80に表示させる。
ステップS25の、光ディスク1からの補助AVデータの読み出し処理について、より詳細に説明する。サムネイル画像121を表示する際に用いられる情報は、クリップを識別するためのクリップIDと、クリップ先頭からのフレーム位置情報である。例えば、クリップモードであれば、各クリップの先頭のフレームが抽出される。また例えば、編集モードであれば、エディットリストに基づき選択されたクリップのそれぞれについて、編集点に対応するフレームが抽出される。すなわち、これらクリップIDおよびフレーム位置情報から、光ディスク1に対するシーク位置および読み出しサイズを導く必要がある。
なお、以下の式において、(x/y)は、(x÷y)の商の値を表し、(x%y)は、(x÷y)の余りの値を表すものとする。また、数は0基準である。
上述したように、この実施の一形態では、補助AVデータのビデオデータは、1GOPが10フレームからなるため、ファイル先頭からのフレーム位置fは、ファイル先頭から(f/10)番目のGOP内の、(f%10)番目のフレームであることが分かる。また、(f/10)番目のGOPがファイルの先頭からg番目のGOPであるとする。ここで、図9を用いて既に説明したように、1エディットユニット内のGOPの数がビデオシステム毎にN個(NTSCシステムでN=6、PALシステムでN=5)に固定的である。したがって、このg番目のGOPは、例えばNTSCシステムの場合、(g/N)番目のエディットユニットに属し、このエディットユニット内の(g%N)番目のGOPであることが分かる。
このように考えることで、先頭からf番目のフレームのアドレスを、「A番目のエディットユニット内の、B番目のGOP内の、C番目のフレームである」というように特定することができる。さらに、エディットユニットおよびGOPのサイズは、それぞれ固定的に決まっているので、f番目のフレームの位置を、ファイルの先頭からのバイト位置で求めることができる。
ここで、この実施の一形態では、補助ビデオデータは、1GOPが1枚のIピクチャと9枚のPピクチャとから構成されており、Pピクチャからなるフレームがサムネイル画像121として表示されるフレームである場合、GOP内の他のピクチャを用いてデコードを行う必要がある。編集モードでサムネイル画像121を表示するときに、Pピクチャが用いられる可能性がある。クリップモードでは、Iピクチャのみが用いられる。
また、図9を用いて既に説明したように、補助AVデータは、1エディットユニットに対して8ECCブロックが割り当てられ、GOPの境界とECCブロックの境界とが一致しない。すなわち、光ディスク1に対するアクセスをGOP単位で行い、目的のフレームが含まれる1GOPだけを読み出しても、エラー訂正符号を完全に復号化できないことになる。そのため、光ディスク1からのGOPの読み出しを、ECCブロック単位で行うようにする。
図13を用いて説明する。図13Aは、補助AVデータのフォーマット中、あるエディットユニットの補助ビデオデータの一部を示す。図13Aに斜線で示されるGOP130内に、サムネイル画像121として用いるフレームが含まれているものとする。一方、ECCブロックは、1エディットユニットに対して8ECCブロックが割り当てられ、図13Bに一例が示されるように、GOPとは境界が一致しない。
そこで、図13Aに斜線で示される、GOP130を含む2個のECCブロック(ECCブロック131および132)を光ディスク1から読み出し、エラー訂正符号を復号化する。ドライブ部10から信号処理部41に対して、このECCブロック131および132が復号化されたデータが渡され、RAM65に書き込まれる。
CPU61は、RAM65から、ECCブロック131および132が復号化されたデータ部分のうちGOP130に対応する部分を指定して、データを読み出す。RAM65から読み出されたGOP130のデータは、補助AVデータ用エンコーダ/デコーダ69に供給され、デコードされる。CPU61により、GOP130がデコードされたフレームから、サムネイル画像121として用いるフレームが抽出され、CPU52に渡される。
なお、上述では、2個のECCブロックを読み出して1個のGOPを再生しているが、これはこの例に限定されない。例えば、GOPが完全に1個のECCブロックに含まれているときには、その1ECCブロックを読み出すだけでよい。
次に、サムネイル表示が編集モードのときの、光ディスク1のアクセス制御について説明する。サムネイル表示画面120において、編集点毎のサムネイル画像121、121、・・・は、編集点の再生順に配置されるのが好ましい。一方、編集点の再生順が光ディスク1に対するクリップの記録順に一致しているとは限らない。そのため、編集点毎のサムネイル画像121、121、・・・を、サムネイル表示画面120上の配置順に表示させようとすると、光ディスク1に対するアクセスが最短距離にならず、サムネイル表示画面120上に対する全てのサムネイル画像121、121、・・・の表示が完了するまでに、相当の時間を要してしまう可能性がある。
この発明の実施の一形態では、編集点毎のサムネイル画像121、121、・・・を表示させる際の光ディスク1に対するアクセスを、各編集点が指定されるクリップの、光ディスク1上における記録位置順に行うようにしている。これにより、編集モードにおけるサムネイル表示を高速に行うことができる。
なお、このとき、編集点毎のサムネイル画像121、121、・・・の、サムネイル表示画面120における表示順は、サムネイル表示画面120上の配置順と異なる順序となる。
図14を用いて、より具体的に説明する。図14Aに一例が示されるように、編集モードのサムネイル表示画面120に対し、6枚のサムネイル画像121−1〜121−6が表示されるものとする。なお、符号121の枝番1〜6は、編集点の編集結果における再生順を示し、サムネイル表示画面120では、編集結果の再生順に対応してサムネイル画像121−1〜121−6が配置されている。
一方、サムネイル画像121−1〜121−6を表示するためのフレームを含むGOPは、図14Bに一例が示されているように、光ディスク1上の内周側から外周側へ、編集結果の再生順に対応しない順序で記録されている。この図14Bの例では、内周側から外周側へ向けて、サムネイル画像121−3、121−6、121−1、121−5、121−2、121−4の順で、それぞれ対応するGOPが記録されている。
なお、図13を用いて既に説明したように、この実施の一形態では、1つのGOPを再生するために2つのECCブロックを読み出すようにされている。図14Bでは、サムネイル画像121−1〜121−6を表示するためのフレームを含む各GOPに対応する2ECCブロックが、それぞれ示されている。例えばサムネイル画像121−3を表示するためには、対応するフレームを持つGOPを含む2ECCブロックを読み出すことになる。
光ディスク1に対して、図14Bの例のように各GOPが記録されている場合、サムネイル表示画面120に対するサムネイル画像121−1〜121−6の配置順に光ディスク1をアクセスすると、シーク距離が最短にならないと共に、シークの方向が一定せず、非効率的である。
そこで、この発明の実施の一形態では、ECCブロックアドレスの若い方から順にECCブロックを読み出していく。図14Bの例では、光ディスク1の内周側から外周側へ向けて、サムネイル表示画面120に表示されるサムネイル画像121−1〜121−6のフレームを持つGOPを含むECCブロックが、光ディスク1への記録順に、サムネイル画像121−3、121−6、121−1、121−5、121−2、121−4の順に読み出される。図14Aのサムネイル表示画面120に対するサムネイル画像121−1〜121−6の表示順は、光ディスク1からの読み出し順に対応して、サムネイル画像121−3、121−6、121−1、121−5、121−2、121−4の順になる。
このように、サムネイル画像121−1〜121−6のデータを光ディスク1に対する記録順に読み出すことで、ドライブ部10は、光ディスク1に対するアクセスを、常に内周側から外周側へ向けて行うことができると共に、シーク距離も最短とされ、効率的である。したがって、サムネイル表示画面120に対するサムネイル画像121、121、・・・の表示を迅速に完了することができる。
なお、上述では、ドライブ部10が1個のピックアップ部13を持つものとして説明したが、ドライブ部10が複数個、例えば2個のピックアップ部13を持つようなシステムも提案されている。この場合のドライブ部10の構成は、例えば、図7の構成に対して、ピックアップ部13、RFアンプ14、信号処理部16および図示されないピックアップ部13のアクチュエータなどの構成が1系統分、追加された構成となる。2個のピックアップ部13は、それぞれの動作に支障を来さない範囲内で、それぞれ独立的に制御が可能とされる。
このピックアップ部13を2個設けたドライブ部10を用いたシステムに、上述した編集モード時のサムネイル画像のアクセス方法を適用する場合について説明する。以下では、2個のピックアップ部13を、それぞれピックアップOP1およびピックアップOP2と呼ぶ。この場合には、図14Cに一例が示されるように、光ディスク1を、所定の半径Aで内周側領域Bおよび外周側領域Cの2領域に分割し、内周側領域BをピックアップOP1を用い、外周側領域CをピックアップOP2を用いてそれぞれアクセスする。内周側領域Bおよび外周側領域CそれぞれにおけるECCブロックの読み出しは、上述したピックアップ部13を1個だけ用いた場合と同様に、それぞれの領域でECCブロックアドレスの若い順とする。
光ディスク1を分割する半径Aは、例えば最終的に読み出す総データサイズに基づき決めることができる。なお、総データサイズは、サムネイル表示画面120を1画面表示する際に読み出す、全てのECCブロックの合計データサイズを指す。図14の例では、6枚のサムネイル画像121−1〜121−6のそれぞれに対して2ECCブロックを読み出し、合計で12ECCブロックを光ディスク1から読み出す。そこで、光ディスク1上において、内周側領域Bおよび外周側領域Cにそれぞれ6ECCブロックが存在するように、半径Aを決める。そして、ピックアップOP1およびOP2は、対応する領域内で、それぞれ6ECCブロックずつを内周側から外周側へと順次アクセスして読み出す。
半径Aは、データサイズに基づき決める方法の他にも、シーク時間やシーク距離に基づき決めることも考えられる。例えば、ピックアップOP1およびOP2それぞれのシーク時間の合計の差が小さくなるように、半径Aを決める。シーク距離を用いて半径Aを決める場合も、同様である。シーク時間やシーク距離は、読み出すECCブロックのECCブロックアドレスから計算することができる。さらに、複数の方法を併用して半径Aを決めることもできる。例えば、読み出すべきECCブロックの光ディスク1上での配置の分布に基づき、データサイズ、シーク時間およびシーク距離の何れを用いて半径Aを決めるかを選択することができる。
ここで、ピックアップを2個用いる際に、光ディスク1をCLVで駆動させた場合、2個のピックアップは略同一円周上に位置する必要があるという制限が生じる。これは、2個のピックアップの距離が半径方向に離れると、それぞれのピックアップに対する線速度が異なってしまうためである。CAV駆動では、光ディスク1を常に角速度一定で回転させるため、このような制限が生じない。したがって、上述したような、光ディスク1を2つの領域に分割し、それぞれの領域でそれぞれ独立的にピックアップを制御してサムネイル画像を読み出すような処理を行う場合には、光ディスク1は、CAV駆動されている必要がある。
ピックアップは、2個に限らず、さらに多数を用いることもできる。この場合、光ディスク1をピックアップ数に応じた数の領域に分割し、それぞれの領域において記録位置順にデータを再生させるようにする。分割位置は、ピックアップが2個の場合と同様にして決めることができる。
なお、上述では、この発明が光ディスク1上に年輪単位でデータを記録するフォーマットに対して適用されるように説明したが、これはこの例に限定されない。例えば、年輪構造を持たず、ファイル単位で記録を行う通常のフォーマットに対してこの発明を適用することも可能である。また、上述では、サムネイル画像を補助ビデオデータから作成しているが、本線ビデオデータからサムネイル画像を作成する場合にも、この発明を適用することができる。この場合、本線ビデオデータのみが光ディスク1に記録されているようなフォーマットであってもよい。