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JP4261560B2 - ゴルフボール - Google Patents

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JP4261560B2 JP2006217699A JP2006217699A JP4261560B2 JP 4261560 B2 JP4261560 B2 JP 4261560B2 JP 2006217699 A JP2006217699 A JP 2006217699A JP 2006217699 A JP2006217699 A JP 2006217699A JP 4261560 B2 JP4261560 B2 JP 4261560B2
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Description

本発明は、センター、中間層、カバー及びディンプルを備えたソリッドゴルフボールに関する。
ゴルフボールは、その表面に多数のディンプルを備えている。ディンプルは、飛行時のゴルフボール周りの空気の流れを乱し、乱流剥離を起こさせる。乱流剥離によって空気のゴルフボールからの剥離点が後方にシフトし、抗力が低減される。乱流剥離によってバックスピンに起因するゴルフボールの上側剥離点と下側剥離点とのズレが助長され、ゴルフボールに作用する揚力が高められる。抗力の低減及び揚力の向上は、「ディンプル効果」と称される。優れたディンプルは、よりよく空気の流れを乱す。優れたディンプルは、大きな飛距離を生む。
ディンプルが密に配置されたゴルフボールにおいて大きなディンプル効果が得られることが、当業者に知られている。ディンプル効果の向上を目的としたディンプルパターンに関するいくつかの提案が、なされている。
特開昭50−8630号公報(USP5080367)には、一様のサイズからなる多数のディンプルを備えたゴルフボールが開示されている。このゴルフボールでは、ディンプル対の大半において、ピッチは0.065インチより小さい。このゴルフボールでは、ピッチとディンプル直径との関係が考慮されていない。一般的なディンプル直径との対比において、0.065インチのピッチは十分に小さくはない。一様なサイズのディンプルを備えたパターンでは、その直径が大きく設定され得ない。このゴルフボールのディンプルは、十分に密ではない。
特開昭62−192181号公報(USP4813677)には、大きなディンプルと小さなディンプルとを備えたゴルフボールが開示されている。このゴルフボールでは、複数の大きなディンプルに囲まれた領域に小さなディンプルが配置されることで、高いディンプル密度が達成されている。しかし、小さなディンプルはディンプル効果に十分には寄与しない。
特開平4−347177号公報(USP5292132)には、所定サイズを有する長方形がランドに形成され得ないようにディンプルが配置されたゴルフボールが開示されている。このゴルフボールでは、多数の小さなディンプルが配置されることで、小さなランド率が達成されている。しかし、小さなディンプルはディンプル効果に十分には寄与しない。
ゴルファーは、飛距離と共にゴルフボールのスピン性能も重視する。バックスピンの速度が大きいと、ランが小さい。ゴルファーにとって、バックスピンのかかりやすいゴルフボールは、目標地点に静止させやすい。サイドスピンの速度が大きいと、ゴルフボールは曲がりやすい。ゴルファーにとって、サイドスピンのかかりやすいゴルフボールは、意図的に曲げやすい。スピン性能に優れたゴルフボールは、コントロール性能に優れている。上級ゴルファーは、特にショートアイアンでのショットにおけるコントロール性能を重視する。ゴルファーはさらに、ゴルフボールの打球感も重視する。コントロール性能及び打球感は、ゴルフボールの構造に依存する。特開2000−225209公報には、コア、内側カバー、外側カバー及び特殊な仕様のディンプルを備えたゴルフボールが開示されている。
特開昭50−8630号公報 特開昭62−192181号公報 特開平4−347177号公報 特開2000−225209公報
飛行性能、コントロール性能及び打球感に対するゴルファーの要求は、エスカレートしている。ゴルフボールには、改良の余地がある。本発明の目的は、諸性能に優れたゴルフボールの提供にある。
本発明に係るゴルフボールは、センター、このセンターの外側に位置する中間層、この中間層の外側に位置するカバー及びこのカバーの表面に形成された多数のディンプルを備える。この中間層における、体積Vm(cm)と曲げ剛性Fm(MPa)との積Pmと、カバーにおける、体積Vc(cm)と曲げ剛性Fc(MPa)との積Pcとは、下記数式(I)及び(II)を満たす。
1400 < (Pm + Pc) < 2000 (I)
5.0 < (Pc / Pm) < 7.6 (II)
全てのディンプルの平均直径がDaとされたとき、そのピッチが(Da/4)以下である隣接ディンプル対の数N1の、ディンプル総数Nに対する比(N1/N)は、2.70以上である。そのピッチが(Da/20)以下である隣接ディンプル対の数N2の、数N1に対する比(N2/N1)は、0.50以上である。
好ましくは、中間層の厚みTmは1.2mm以下であり、カバーの厚みTcは1.4mm以下であり、合計厚み(Tm+Tc)は2.4mm以下である。好ましくは、中間層の硬度(ショアD)は、32以上39以下である。
好ましくは、比(N2/N1)は0.60以上である。好ましくは、平均直径Daは4.00mm以上である。好ましくは、ディンプルの総数Nは362個以下である。好ましくは、全てのディンプルの面積の合計の、仮想球の表面積に対する比率は、75%以上である。
好ましくは、このゴルフボールの表面の北半球及び南半球のそれぞれは、極近傍領域、赤道近傍領域及び調整領域を備える。この調整領域は、極近傍領域及び赤道近傍領域の間に位置する。極近傍領域のディンプルパターンは、複数のユニットからなる。これらユニットは、極点を中心として互いに回転対称である。赤道近傍領域のディンプルパターンは、複数のユニットからなる。これらユニットは、極点を中心として互いに回転対称である。極近傍領域のユニットの数は、赤道近傍領域のユニットの数と異なる。調整領域のディンプルパターンは、極点を中心として互いに回転対称である複数のユニットに区画不可能なものであるか、又は極点を中心として互いに回転対称である複数のユニットからなりかつこのユニットの数が極近傍領域及び赤道近傍領域のユニットの数とは異なるものである。
このゴルフボールの表面に、ディンプルと交差しない大円が存在しないことが好ましい。
本発明に係るゴルフボールは、中間層及びカバーが反発性能に寄与し、ディンプルが空力特性に寄与する。このゴルフボールでは、反発性能と空力特性との相乗効果により、大きな飛距離が得られる。このゴルフボールでは、中間層及びカバーがコントロール性能及び打球感にも寄与する。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボール2が示された模式的断面図である。このゴルフボール2は、球状のコア3と、このコア3を覆うカバー4とを備えている。コア3は、球状のセンター5と、このセンター5を覆う中間層6とからなる。カバー4の表面には、多数のディンプル8が形成されている。ゴルフボール2の表面のうちディンプル8以外の部分は、ランド10である。このゴルフボール2は、カバー4の外側にペイント層及びマーク層を備えているが、これらの層の図示は省略されている。センター5が、非球状であってもよい。センター5が、リブを備えてもよい。
このゴルフボール2の直径は、40mm以上45mm以下である。米国ゴルフ協会(USGA)の規格が満たされるとの観点から、直径は42.67mm以上が特に好ましい。空気抵抗抑制の観点から、直径は44mm以下がより好ましく、42.80mm以下が特に好ましい。このゴルフボール2の質量は、40g以上50g以下である。大きな慣性が得られるとの観点から、質量は44g以上がより好ましく、45.00g以上が特に好ましい。USGAの規格が満たされるとの観点から、質量は45.93g以下が特に好ましい。
センター5は、ゴム組成物が架橋されることによって形成されている。ゴム組成物の基材ゴムとしては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体及び天然ゴムが例示される。反発性能の観点から、ポリブタジエンが好ましい。ポリブタジエンと他のゴムとが併用される場合は、ポリブタジエンが主成分とされるのが好ましい。具体的には、全基材ゴムに占めるポリブタジエンの比率が50質量%以上、特には80質量%以上とされるのが好ましい。シス−1,4結合の比率が40モル%以上、さらには80モル%以上であるポリブタジエンが好ましい。
希土類元素系触媒が用いられて合成されたポリブタジエンが、特に好ましい。このポリブタジエンが用いられることにより、ゴルフボール2の優れた反発性能が達成されうる。希土類元素系触媒には、ランタン系列希土類元素化合物、有機アルミニウム化合物、アルモキサン及びハロゲン含有化合物が含まれる。ランタン系列希土類元素化合物が好ましい。ランタン系列希土類元素化合物には、原子番号が57から71である元素の、ハロゲン化物、カルボン酸塩、アルコラート、チオアルコラート及びアミドが含まれる。ネオジウム系触媒(ネオジウム化合物を含む触媒)が特に好ましい。重合時の、ランタン系列希土類元素化合物に対するブタジエンのモル比は1000/1以上が好ましく、5000/1以上が特に好ましい。モル比は、2000000/1以下が好ましく、1000000/1以下が特に好ましい。
希土類元素系触媒が用いられて合成されたポリブタジエンが、さらにアルコキシシリル基を有する化合物によって変性されることが好ましい。変性ポリブタジエンは、90モル%以上のシス−1,4結合を有する。この変性ポリブタジエンにより、ゴルフボール2の優れた反発性能が達成される。
アルコキシシリル基を有する化合物には、エポキシ基含有アルコキシシラン及びイソシアナート基含有アルコキシシラン化合物が含まれる。エポキシ基含有アルコキシシランの具体例としては、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)メチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランの縮合物及び(3−グリシジルオキシプロピル)メチルジメトキシシランの縮合物が挙げられる。イソシアナート基含有アルコキシシラン化合物の具体例としては、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、(3−イソシアナートプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−イソシアナートプロピル)メチルジエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシランの縮合物及び(3−イソシアナートプロピル)メチルジメトキシシランの縮合物が挙げられる。
この変性ポリブタジエンでは、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)は1.0から3.5、特には1.0から3.3である。この変性ポリブタジエンのムーニー粘度ML1+4(100℃)は、30から100、特には50から90である。
センター5のためのゴム組成物には、共架橋剤が含まれる。反発性能の観点から好ましい共架橋剤は、炭素数が2から8であるα,β−不飽和カルボン酸の、1価又は2価の金属塩である。好ましい共架橋剤の具体例としては、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、メタクリル酸亜鉛及びメタクリル酸マグネシウムが挙げられる。高い反発性能が得られるという理由から、アクリル酸亜鉛及びメタクリル酸亜鉛が特に好ましい。
共架橋剤として、炭素数が2から8であるα,β−不飽和カルボン酸と酸化金属とが配合されてもよい。両者はゴム組成物中で反応し、塩が得られる。この塩が、架橋反応に寄与する。好ましいα,β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸及びメタクリル酸が挙げられる。好ましい酸化金属としては、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムが挙げられる。
共架橋剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して20質量部以上55質量部以下が好ましい。配合量が20質量部以上に設定されることにより、優れた反発性能が達成されうる。この観点から、配合量は25質量部以上がより好ましく、30質量部以上が特に好ましい。配合量が55質量部以下に設定されることにより、優れた打球感が達成されうる。この観点から、配合量は50質量部以下が特に好ましい。
好ましくは、センター5のゴム組成物は、共架橋剤と共に有機過酸化物を含む。有機過酸化物は、架橋開始剤として機能する。有機過酸化物は、反発性能に寄与する。好適な有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン及びジ−t−ブチルパーオキサイドが挙げられる。特に汎用性の高い有機過酸化物は、ジクミルパーオキサイドである。
有機過酸化物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して0.1質量部以上3.0質量部以下が好ましい。配合量が0.1質量部以上に設定されることにより、優れた反発性能が達成されうる。この観点から、配合量は0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上が特に好ましい。配合量が3.0質量部以下に設定されることにより、優れた打球感が達成されうる。この観点から、配合量は2.8質量部以下がより好ましく、2.5質量部以下が特に好ましい。
好ましくは、センター5のゴム組成物は、有機硫黄化合物を含む。有機硫黄化合物により、ゴルフボール2の優れた反発性能が達成されうる。好ましい有機硫黄化合物としては、ジフェニルジスルフィド、ビス(4−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(4−フルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ヨードフェニル)ジスルフィド、ビス(4−シアノフェニル)ジスルフィド等のモノ置換体;ビス(2,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−クロロ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド等のジ置換体;ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−4−クロロ−6−ブロモフェニル)ジスルフィド等のトリ置換体;ビス(2,3,5,6−テトラクロロフェニル)ジスルフィド等のテトラ置換体;及びビス(2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル)ジスルフィド等のペンタ置換体が例示される。特に好ましい有機硫黄化合物は、ジフェニルジスルフィド及びビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィドである。
ゴルフボール2の反発性能の観点から、有機硫黄化合物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して0.01質量部以上が好ましく、0.05質量部以上がより好ましく、0.1質量部以上が特に好ましい。ソフトな打球感の観点から、有機硫黄化合物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して5質量部以下が好ましく、4質量部以下がより好ましく、3質量部以下が特に好ましい。
センター5に、比重調整等の目的で充填剤が配合されてもよい。好適な充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムが例示される。充填剤として、高比重金属からなる粉末が配合されてもよい。高比重金属の具体例としては、タングステン及びモリブデンが挙げられる。充填剤の配合量は、センター5の意図した比重が達成されるように適宜決定される。特に好ましい充填剤は、酸化亜鉛である。酸化亜鉛は、単なる比重調整のみならず架橋助剤としても機能する。センター5には、硫黄、老化防止剤、着色剤、可塑剤、分散剤等の各種添加剤が、必要に応じて適量配合される。センター5に、架橋ゴム粉末又は合成樹脂粉末が配合されてもよい。
センター5の圧縮変形量は、2.3mm以上5.0mm以下が好ましい。圧縮変形量が2.3mm以上であるセンター5により、優れた打球感が達成されうる。この観点から、圧縮変形量は3.5mm以上が特に好ましい。圧縮変形量が5.0mm以下であるセンター5により、優れた反発性能が達成されうる。この観点から、圧縮変形量は4.6mm以下が特に好ましい。
圧縮変形量の測定では、まず球体(センター5、コア3又はゴルフボール2)が金属製の剛板の上に置かれる。次に、球体に向かって金属製の円柱が徐々に降下する。この円柱の底面と剛板との間に挟まれた球体は、変形する。球体に98Nの初荷重がかかった状態から1274Nの終荷重がかかった状態までの円柱の移動距離が、圧縮変形量である。
センター5が反発性能に十分に寄与するとの観点から、センター5の直径は30mm以上が好ましく、32mm以上が特に好ましい。中間層6及びカバー4が耐久性及び変形挙動に十分に寄与するとの観点から、センター5の直径は41.0mm以下が好ましく、40.5mm以下が特に好ましい。センター5の架橋温度は、140℃以上180℃以下である。センター5の架橋時間は、10分以上60分以下である。センター5が2以上の層から構成されてもよい。
中間層6は、熱可塑性樹脂組成物からなる。この樹脂組成物の基材ポリマーとしては、アイオノマー樹脂、スチレンブロック含有熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー及び熱可塑性ポリオレフィンエラストマーが挙げられる。特に、アイオノマー樹脂とスチレンブロック含有熱可塑性エラストマーとの併用が好ましい。アイオノマー樹脂は、高弾性である。アイオノマー樹脂により、ゴルフボール2の優れた反発性能が達成されうる。スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーは、軟質である。スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーにより、ゴルフボール2の優れた打球感が達成される。
好ましいアイオノマー樹脂としては、α−オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体が挙げられる。好ましい二元共重合体は、80質量%以上90質量%以下のα−オレフィンと、10質量%以上20質量%以下のα,β−不飽和カルボン酸とを含む。この二元共重合体は、反発性能に優れる。好ましい他のアイオノマー樹脂としては、α−オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸と炭素数が2以上22以下のα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体が挙げられる。好ましい三元共重合体は、70質量%以上85質量%以下のα−オレフィンと、5質量%以上30質量%以下のα,β−不飽和カルボン酸と、1質量%以上25質量%以下のα,β−不飽和カルボン酸エステルとを含む。この三元共重合体は、反発性能に優れる。二元共重合体及び三元共重合体において、好ましいα−オレフィンはエチレン及びプロピレンであり、好ましいα,β−不飽和カルボン酸はアクリル酸及びメタクリル酸である。特に好ましいアイオノマー樹脂は、エチレンと、アクリル酸又はメタクリル酸との共重合体である。
二元共重合体及び三元共重合体において、カルボキシル基の一部は金属イオンで中和されている。中和のための金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、亜鉛イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン及びネオジムイオンが例示される。中和が、2種以上の金属イオンでなされてもよい。ゴルフボール2の反発性能及び耐久性の観点から特に好適な金属イオンは、ナトリウムイオン、亜鉛イオン、リチウムイオン及びマグネシウムイオンである。
アイオノマー樹脂の具体例としては、三井デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミラン1555」、「ハイミラン1557」、「ハイミラン1605」、「ハイミラン1706」、「ハイミラン1707」、「ハイミラン1856」、「ハイミラン1855」、「ハイミランAM7311」、「ハイミランAM7315」、「ハイミランAM7317」、「ハイミランAM7318」、「ハイミランAM7329」及び「ハイミランMK7320」;デュポン社の商品名「サーリン6120」、「サーリン6910」、「サーリン7930」、「サーリン7940」、「サーリン8140」、「サーリン8150」、「サーリン8940」、「サーリン8945」、「サーリン9120」、「サーリン9150」、「サーリン9910」、「サーリン9945」及び「サーリンAD8546」;並びにエクソンモービル化学社の商品名「IOTEK7010」、「IOTEK7030」、「IOTEK7510」、「IOTEK7520」、「IOTEK8000」及び「IOTEK8030」が挙げられる。2種以上のアイオノマー樹脂が併用されてもよい。1価の金属イオンで中和されたアイオノマー樹脂と2価の金属イオンで中和されたアイオノマー樹脂とが併用されてもよい。
スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとしてのポリスチレンブロックと、ソフトセグメントとを備えている。典型的なソフトセグメントは、ジエンブロックである。スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーには、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、SBSの水添物、SISの水添物及びSIBSの水添物が含まれる。SBSの水添物としては、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)が挙げられる。SISの水添物としては、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)が挙げられる。SIBSの水添物としては、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)が挙げられる。
ゴルフボール2の反発性能の観点から、熱可塑性エラストマーにおけるスチレン成分の含有率は10質量%以上が好ましく、12質量%以上がより好ましく、15質量%以上が特に好ましい。ゴルフボール2の打球感の観点から、含有率は50質量%以下が好ましく、47質量%以下がより好ましく、45質量%以下が特に好ましい。
本発明において、スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーには、SBS、SIS、SIBS、SEBS、SEPS及びSEEPS並びにこれらの水添物からなる群から選択された1種又は2種以上と、オレフィンとのアロイが含まれる。このアロイ中のオレフィン成分は、アイオノマー樹脂との相溶性向上に寄与すると推測される。このアロイが用いられることにより、ゴルフボール2の反発性能が向上する。好ましくは、炭素数が2以上10以下のオレフィンが用いられる。好適なオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン及びペンテンが例示される。エチレン及びプロピレンが特に好ましい。
ポリマーアロイの具体例としては、三菱化学社の商品名「ラバロンT3221C」、「ラバロンT3339C」、「ラバロンSJ4400N」、「ラバロンSJ5400N」、「ラバロンSJ6400N」、「ラバロンSJ7400N」、「ラバロンSJ8400N」、「ラバロンSJ9400N」及び「ラバロンSR04」が挙げられる。スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーの他の具体例としては、ダイセル化学工業社の商品名「エポフレンドA1010」及びクラレ社の商品名「セプトンHG−252」が挙げられる。
反発性能の観点から、全基材ポリマーに対するアイオノマー樹脂の比率は30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、45質量%以上が特に好ましい。この比率は80質量%以下が好ましい。
打球感の観点から、全基材ポリマーに対するスチレンブロック含有熱可塑性エラストマーの比率は20質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましく、30質量%以上が特に好ましい。この比率は70質量%以下が好ましい。
中間層6の樹脂組成物は、三次元形状を呈する金属酸化物を含有する。この金属酸化物は、3以上の針状部を備えている。三次元形状とは、第一針状部の軸及び第二針状部の軸を含む平面に、第三針状部の軸が含まれない形状を意味する。
図2に、好ましい金属酸化物11が示されている。この金属酸化物11は、三角錐の4つの頂点P1をそれぞれ一端とする4つの針状部12を備える。これら4つの針状部12の他端は全て、三角錐の内部に存在する点P2に位置している。この点P2から、4つの軸が、三角錐の4つの頂点P1に向かって伸びている。この金属酸化物11は、テトラポッド(登録商標)に類似の形状を呈する。好ましくは、この金属酸化物11は、針状結晶である。好ましくは、三角錐は正四面体であり、針状部12の他端はこの正四面体の中心に位置する。4つの針状部12の長さは、実質的に同一である。
三次元形状を呈しうる金属酸化物11としては、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム及びタルクが例示される。好ましい金属酸化物11は、酸化亜鉛である。好ましい金属酸化物11の具体例としては、松下電器産業社の酸化亜鉛(商品名「パナテトラ(登録商標)」が挙げられる。この酸化亜鉛は、図2に示された形状を呈する。
三次元形状を呈する金属酸化物11が基材樹脂中に分散することにより、中間層6が補強される。中間層6の成形時には、樹脂組成物が流動する。特に、中間層6が射出成形されるときは、樹脂組成物が大幅に流動する。金属酸化物11が三次元形状であれば、樹脂組成物が流動しても、この金属酸化物11が配向しない。この中間層6では、配向による耐久性の低下が生じない。この中間層6は、ゴルフボール2の耐久性に寄与する。カバー4又は中間層6が薄いゴルフボール2は、繰り返しの打撃により破損しやすい。三次元形状を呈する金属酸化物11が中間層6に分散することにより、カバー4又は中間層6が薄いゴルフボール2であっても、破損が抑制される。
金属酸化物11の針状部12の平均長さは、5μm以上50μm以下が好ましい。平均長さが5μm以上の金属酸化物11は、中間層6の剛性に寄与する。この観点から、平均長さは7μm以上が特に好ましい。平均長さが50μm以下である金属酸化物11は、分散性に優れる。この観点から、平均長さは40μm以下が特に好ましい。
金属酸化物11の配合量が過小である場合、補強効果が不十分であり、耐久性が不十分である。配合量が過大である場合、中間層6が脆いことに起因して、やはり耐久性が不十分である。耐久性の観点から、三次元形状を呈する金属酸化物11の配合量は、基材樹脂100質量部に対して0.3質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、5質量部以上が特に好ましい。耐久性の観点から、配合量は20質量部以下が好ましく、17質量部以下がより好ましく、15質量部以下が特に好ましい。
一般的な充填材の配合は、中間層6の剛性を高め、同時に中間層6の硬度を高める。剛性の上昇は、反発性能に寄与する。一方、硬度の上昇により、打球感が阻害される。三次元形状を呈する金属酸化物11は補強効果が大きいので、この金属酸化物11の配合により剛性が十分に上昇する。この金属酸化物11の配合量が少ない場合でも、大きな反発性能が得られる。少ない配合量は、中間層6の硬度を大幅には上昇させない。この金属酸化物11の配合により、反発性能と打球感とが両立されうる。低い硬度は、スピンの抑制にも寄与する。
中間層6の樹脂組成物に、硫酸バリウム等の充填材、二酸化チタンのような着色剤、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤が配合されてもよい。
反発性能の観点から、中間層6の硬度は25以上が好ましく、30以上がより好ましく、32以上が特に好ましい。打球感の観点から、硬度は45以下が好ましく、42以下がより好ましく、39以下が特に好ましい。
本発明では、「ASTM−D 2240−68」の規定に準拠して、中間層6及びカバー4の硬度が測定される。測定には、ショアD型硬度計が取り付けられた自動ゴム硬度測定機(高分子計器社の商品名「P1」)が用いられる。測定には、熱プレスで成形された、厚みが約2mmであるスラブが用いられる。23℃の環境下に2週間保持されたスラブが、測定に用いられる。測定時には、3枚のスラブが重ね合わされる。中間層6の硬度の測定には、この中間層6の材料と同一の材料からなるスラブが用いられる。カバー4の硬度の測定には、このカバー4の材料と同一の材料からなるスラブが用いられる。
反発性能の観点から、中間層6の曲げ剛性Fmは25MPa以上が好ましく、35MPa以上が特に好ましい。打球感の観点から、曲げ剛性Fmは100MPa以下が好ましく、73MPa以下が特に好ましい。
本発明では、「JIS K7106」の既定に準拠して、中間層6及びカバー4の曲げ剛性が測定される。測定には、熱プレスで成形された、厚みが約2mmであるスラブが用いられる。23℃の環境下に2週間保持されたスラブが、測定に用いられる。中間層6の曲げ剛性Fmの測定には、この中間層6の材料と同一の材料からなるスラブが用いられる。カバー4の曲げ剛性の測定には、このカバー4の材料と同一の材料からなるスラブが用いられる。
中間層6の厚みTmは、1.2mm以下が好ましい。この中間層6は、薄い。薄い中間層6により、大きな打ち出し角が達成されうる。大きな打ち出し角により、大きな飛距離が得られる。この観点から、厚みTmは1.1mm以下がより好ましく、1.0mm以下が特に好ましい。打球感の観点から、厚みTmは0.6mm以上が好ましく、0.7mm以上がより好ましく、0.8mm以上が特に好ましい。
打球感の観点から、中間層6の体積Vmは2.85cm以上が好ましく、3.30cm以上が特に好ましい。打ち出し角の観点から、体積Vmは7.35cm以下が好ましく、6.10cm以下が特に好ましい。中間層6の体積Vmは、コア3の体積からセンター5の体積が減じられた値である。
カバー4は、熱可塑性樹脂組成物からなる。この樹脂組成物の基材ポリマーとしては、アイオノマー樹脂、スチレンブロック含有熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー及び熱可塑性ポリオレフィンエラストマーが挙げられる。特に、アイオノマー樹脂が好ましい。アイオノマー樹脂は、高弾性である。アイオノマー樹脂が用いられることにより、ゴルフボール2の優れた反発性能が達成されうる。中間層6に用いられうるアイオノマー樹脂が、カバー4にも用いられうる。
アイオノマー樹脂と他の樹脂とが併用されてもよい。併用される場合は、反発性能の観点から、アイオノマー樹脂が基材ポリマーの主成分とされる。全基材ポリマーに対するアイオノマー樹脂の比率は80質量%以上が好ましく、85質量%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。
アイオノマー樹脂との相溶性に優れるとの観点から、スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーが併用されることが好ましい。スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーは、ゴルフボール2の打球感及び強度に寄与する。中間層6に用いられうるスチレンブロック含有熱可塑性エラストマーが、カバー4にも用いられうる。
打球感の観点から、全基材ポリマーに対するスチレンブロック含有熱可塑性エラストマーの比率は1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上が特に好ましい。反発性能の観点から、この比率は20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
カバー4の樹脂組成物が三次元形状を呈する金属酸化物を含有することが好ましい。特に、図2に示された金属酸化物11が好ましい。この金属酸化物11は、カバー4の耐久性に寄与する。この金属酸化物11により、ゴルフボール2の反発性能と打球感とが両立されうる。金属酸化物11の配合量は、基材樹脂100質量部に対して0.3質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、5質量部以上が特に好ましい。配合量は20質量部以下が好ましく、17質量部以下がより好ましく、15質量部以下が特に好ましい。
カバー46の樹脂組成物に、硫酸バリウム等の充填材、二酸化チタンのような着色剤、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤が配合されてもよい。
反発性能の観点から、カバー4の硬度は55以上が好ましく、57以上がより好ましく、59以上が特に好ましい。打球感の観点から、硬度は70以下が好ましく、65以下が特に好ましい。
反発性能の観点から、カバー4の曲げ剛性Fcは160MPa以上が好ましく、190MPa以上が特に好ましい。打球感の観点から、曲げ剛性Fcは360MPa以下が好ましく、320MPa以下が特に好ましい。
カバー4の厚みTcは、1.4mm以下が好ましい。このカバー4は、薄い。薄いカバー4により、大きな打ち出し角が達成されうる。大きな打ち出し角により、大きな飛距離が得られる。この観点から、厚みTcは1.3mm以下が特に好ましい。成形容易の観点から、厚みTcは0.3mm以上が好ましく、0.5mm以上が特に好ましい。
成形容易の観点から、カバー4の体積Vcは1.84cm以上が好ましく、5.30cm以上が特に好ましい。打ち出し角の観点から、体積Vcは9.85cm以下が好ましく、7.90cm以下が特に好ましい。カバー4の体積Vcは、ゴルフボール2の体積からコア3の体積が減じられた値である。便宜上、後述される仮想球13の体積がゴルフボール2の体積とされる。
中間層6の厚みTmとカバー4の厚みTcとの合計厚み(Tm+Tc)は、2.4mm以下が好ましい。厚み(Tm+Tc)が2.4mm以下であるゴルフボール2では、高い打ち出し角が達成されうる。この観点から、厚み(Tm+Tc)は2.3mm以下が特に好ましい。耐久性の観点から、厚み(Tm+Tc)は1.8mm以上が好ましい。
本発明では、値Pmは体積Vm(cm)と曲げ剛性Fm(MPa)との積を意味し、値Pcは体積Vc(cm)と曲げ剛性Fc(MPa)との積を意味する。このゴルフボール2では、値(Pm+Pc)は1400よりも大きく、2000よりも小さい。値(Pm+Pc)が1400よりも大きなゴルフボール2は、反発性能に優れる。この観点から、値(Pm+Pc)は1450よりも大きいことがより好ましく、1500よりも大きいことが特に好ましい。値(Pm+Pc)が2000よりも小さなゴルフボール2がショートアイアンで打撃されると、大きなスピン速度が得られる。値(Pm+Pc)が2000よりも小さなゴルフボール2は、コントロール性能に優れる。この観点から、値(Pm+Pc)は1950よりも小さいことが特に好ましい。
このゴルフボール2では、値(Pc/Pm)は5.0よりも大きく、7.6よりも小さい。値(Pc/Pm)が5.0よりも大きなゴルフボール2では、カバー4に起因する反発性能と中間層6に起因する打球感とが両立される。この観点から、値(Pc/Pm)は5.5よりも大きいことがより好ましく、5.8よりも大きいことが特に好ましい。値(Pc/Pm)が7.6よりも小さなゴルフボール2では、カバー4に起因するコントロール性能と中間層6に起因する反発性能とが両立される。この観点から、値(Pc/Pm)は7.5よりも小さいことがより好ましく、7.4よりも小さいことが特に好ましい。
ゴルフボール2の圧縮変形量は、2.1mm以上3.8mm以下が好ましい。圧縮変形量が2.1mm以上であるゴルフボール2は、打球感に優れる。この観点から、圧縮変形量は2.3mm以上がより好ましく、2.4mm以上が特に好ましい。圧縮変形量が3.8mm以下であるゴルフボール2は、反発性能に優れる。この観点から、圧縮変形量は3.5mm以下がより好ましく、3.2mm以下が特に好ましい。
図3は、図1のゴルフボール2が示された拡大正面図である。図3には、符号AからGにより、ディンプル8の種類が示されている。全てのディンプル8の平面形状は、円である。このゴルフボール2は、直径が4.5mmであるディンプルAと、直径が4.4mmであるディンプルBと、直径が4.3mmであるディンプルCと、直径が4.1mmであるディンプルDと、直径が4.0mmであるディンプルEと、直径が3.5mmであるディンプルFと、直径が3.0mmであるディンプルGとを備えている。ディンプルAの個数は60であり、ディンプルBの個数は86であり、ディンプルCの個数は56であり、ディンプルDの個数は10であり、ディンプルEの個数は76であり、ディンプルFの個数は22であり、ディンプルGの個数は18である。ディンプル8の総数は、328個である。直径の平均Daは、4.16mmである。
図4は、図1のゴルフボール2の一部が示された拡大断面図である。この図4には、ディンプル8の中心(最深部)及びゴルフボール2の中心を通過する平面に沿った断面が示されている。図4における上下方向は、ディンプル8の深さ方向である。図4において二点鎖線13で示されているのは、仮想球である。仮想球13は、ディンプル8が存在しないと仮定されたときのゴルフボール2の表面である。ディンプル8は、仮想球13から凹陥している。ランド10は、仮想球13と一致している。
図4において両矢印Diで示されているのは、ディンプル8の直径である。この直径Diは、ディンプル8の両側に共通の接線Tが画かれたときの、一方の接点Edと他方の接点Edとの距離である。接点Edは、ディンプル8のエッジでもある。エッジEdは、ディンプル8の輪郭を画定する。直径Diは、2.00mm以上6.00mm以下が好ましい。直径Diが2.00mm以上に設定されることにより、大きなディンプル効果が得られる。この観点から、直径Diは2.20mm以上がより好ましく、2.40mm以上が特に好ましい。直径Diが6.00mm以下に設定されることにより、実質的に球であるというゴルフボール2の本来的特徴が損なわれない。この観点から、直径Diは5.80mm以下がより好ましく、5.60mm以下が特に好ましい。
図5は、図3のゴルフボール2の一部が示された拡大正面図である。この図5には、ディンプル8a、ディンプル8b、ディンプル8c、ディンプル8d及びディンプル8eが示されている。図5におけるV−V線に沿った平面は、ディンプル8aの中心及びディンプル8bの中心を通過する。
図6は、図5のV−V線に沿った断面図である。図6において、符号Oaで示されているのはディンプル8aの中心であり、符号Obで示されているのはディンプル8bの中心である。符号Caで示されているのは、中心Oaを通過しゴルフボール2の半径方向に延びる線Laと仮想球13との交点である。符号Cbで示されているのは、中心Obを通過しゴルフボール2の半径方向に延びる線Lbと仮想球13との交点である。点Caと点Cbとを結ぶ円弧は、「ジョイントアーク」と称される。ジョイントアークは、仮想球13の表面に存在している。ジョイントアークは、大円の一部である。ジョイントアークは、他のディンプル8と交差していない。本発明では、そのジョイントアークが他のディンプル8と交差しないディンプル対は、「隣接ディンプル対」と称される。ディンプル8aとディンプル8bとは、隣接ディンプル対を構成する。ディンプル8aのエッジEdは、ジョイントアーク(Ca−Cb)の上にある。ディンプル8bのエッジEdも、ジョイントアーク(Ca−Cb)の上にある。円弧(Ed−Ed)は、ジョイントアーク(Ca−Cb)の一部である。円弧(Ed−Ed)の長さは、隣接ディンプル対(8a−8b)のピッチである。ディンプル8aとディンプル8bとが離れているとき、ピッチは正である。ディンプル8aとディンプル8bとが接するとき、ピッチはゼロである。ディンプル8aとディンプル8bとが交差するとき、ピッチはゼロである。
図5から明らかなように、ジョイントアーク(Ca−Cc)は他のディンプル8と交差しない。ディンプル8aとディンプル8cとは、隣接ディンプル対を構成する。ジョイントアーク(Ca−Cd)は、他のディンプル8と交差しない。ディンプル8aとディンプル8dとは、隣接ディンプル対を構成する。ジョイントアーク(Ca−Ce)は、他のディンプル8と交差しない。ディンプル8aとディンプル8eとは、隣接ディンプル対を構成する。ジョイントアーク(Cb−Cc)は、ディンプル8dと交差する。ディンプル8bとディンプル8cとの対は、隣接ディンプル対ではない。
このゴルフボール2は、1382個の隣接ディンプル対を備えている。914個の隣接ディンプル対は、(Da/4)以下のピッチを有する。546個の隣接ディンプル対は、(Da/20)以下のピッチを有する。(Da/20)以下であるピッチは、平均直径Daとの対比において、極めて小さい。このゴルフボール2では、そのピッチが(Da/4)以下である隣接ディンプル対の数N1の、ディンプル8の総数Nに対する比(N1/N)は、2.79である。このゴルフボール2では、そのピッチが(Da/20)以下である隣接ディンプル対の数N2の、数N1に対する比(N2/N1)は、0.60である。
比(N1/N)は2.70以上が好ましく、比(N2/N1)は0.50以上が好ましい。換言すれば、このゴルフボール2が下記数式(I)及び(II)を満たすことが好ましい。
(N1/N) ≧ 2.70 (I)
(N2/N1) ≧ 0.50 (II)
本発明では、数N1及びN2の算出において、ピッチが平均直径Daと対比される。高い密度が達成されるために小さなディンプルが多数配置された従来のゴルフボールでは、(N1/N)及び(N2/N1)が小さい。これに対し、上記数式(I)及び(II)を満たすゴルフボール2では、ディンプル8が極めて密に配置されており、かつ小さなディンプル8の数が少ない。このゴルフボール2では、個々のディンプル8がディンプル効果に寄与しうる。このゴルフボール2は、飛行性能に優れる。
飛行性能の観点から、比(N1/N)は2.75以上がより好ましく、2.90以上が特に好ましい。比(N1/N)は4.00以下が好ましい。飛行性能の観点から、比(N2/N1)は0.54以上がより好ましく、0.60以上がさらに好ましく、0.64以上が特に好ましい。比(N2/N1)は1.00以下である。
個々のディンプル8がディンプル効果を発揮するとの観点から、平均直径Daは4.00mm以上が好ましく、4.10mm以上がより好ましく、4.15mm以上が特に好ましい。平均直径Daは5.50mm以下が好ましい。平均直径Daが5.50mm以下に設定されることにより、実質的に球であるというゴルフボール2の本来的特徴が損なわれない。
ディンプル8の面積sは、無限遠からゴルフボール2の中心を見た場合の、輪郭線に囲まれた領域の面積である。円形ディンプル8の場合、面積sは下記数式によって算出される。
s = (Di / 2) ・ π
図3に示されたゴルフボール2では、ディンプルAの面積は15.90mmであり、ディンプルBの面積は15.20mmであり、ディンプルCの面積は14.52mmであり、ディンプルDの面積は13.20mmであり、ディンプルEの面積は12.57mmであり、ディンプルFの面積は9.62mmであり、ディンプルGの面積は7.07mmである。
本発明では、全てのディンプル8の面積sの合計の、仮想球13の表面積に対する比率は、占有率と称される。十分なディンプル効果が得られるとの観点から、占有率は75%以上が好ましく、78%以上がより好ましく、81%以上が特に好ましい。占有率は、90%以下が好ましい。図3に示されたゴルフボール2では、ディンプル8の合計面積は4500.5mmである。このゴルフボール2の仮想球13の表面積は5728.0mmなので、占有率は78.6%である。
ディンプル8の直径Diが大きく設定されると、ディンプル8同士が交差することがある。多数の交差を有するゴルフボール2では、ディンプル8の見かけ上の占有率は大きいが、ディンプル8の実効面積は小さい。飛行性能の観点から、見かけ上の占有率との対比において、実効面積が大きい方が好ましい。換言すれば、ディンプル8同士の交差の数は少ない方が好ましい。交差する隣接ディンプル対の数N3の数N1に対する比(N3/N1)は0.10以下が好ましく、0.08以下がより好ましく、0.06以下が特に好ましい。理想的には、比(N3/N1)はゼロである。図3に示されたゴルフボール2では、数N3は12であり、比(N3/N1)は0.013である。
ディンプル効果の観点から、直径が3.50mm以下であるディンプル8の数N4の総数Nに対する比(N4/N)は0.20以下が好ましく、0.15以下がより好ましく、0.10以下が特に好ましい。理想的には、比(N4/N)はゼロである。
十分な占有率が達成されうるとの観点から、ディンプル8の総数は200個以上が好ましく、252個以上が特に好ましい。個々のディンプル8が十分な直径を備えうるとの観点から、総数は362個以下、さらには360個以下、さらには332個以下、さらには328個以下が好ましい。
互いに直径の異なる複数種のディンプル8が配置されることが、好ましい。複数種のディンプル8が配置されることにより、比(N1/N)が大きく、比(N2/N1)が大きく、平均直径Daが大きく、かつ比(N3/N1)が小さなゴルフボール2が達成されうる。この観点から、ディンプル8の種類数は3以上がより好ましく、4以上が特に好ましい。モールドの製造容易の観点から、種類数は15以下が好ましい。
本発明において「ディンプルの容積」とは、ディンプル8の輪郭を含む平面とディンプル8の表面とに囲まれた部分の容積を意味する。ゴルフボール2のホップが抑制されるとの観点から、ディンプル8の総容積は250mm以上が好ましく、260mm以上がより好ましく、270mm以上が特に好ましい。ゴルフボール2のドロップが抑制されるとの観点から、総容積は400mm以下が好ましく、390mm以下がより好ましく、380mm以下が特に好ましい。
ゴルフボール2のホップが抑制されるとの観点から、ディンプル8の深さは0.05mm以上が好ましく、0.08mm以上がより好ましく、0.10mm以上が特に好ましい。ゴルフボール2のドロップが抑制されるとの観点から、深さは0.60mm以下が好ましく、0.45mm以下がより好ましく、0.40mm以下が特に好ましい。深さは、接線Tとディンプル8の最深部との距離である。
本発明では、仮想球13の上にありディンプル8と交差しない大円は、「大円帯」と称される。バックスピンの回転軸が大円帯を含む平面と直交するとき、この大円帯においてバックスピンの周速が最も速い。バックスピンの回転軸が大円帯を含む平面と直交するとき、十分なディンプル効果が得られない。大円帯は、飛行性能を阻害する。大円帯はさらに、空力的対称性を阻害する。ゴルフボール2が大円帯を備えないことが好ましい。
図3には、2つの極点P、2つの第一緯線14、2つの第二緯線16及び赤道18が画かれている。極点Pの緯度は90°であり、赤道18の緯度は0°である。第一緯線14の緯度は、第二緯線16の緯度よりも大きい。
このゴルフボール2は、赤道18よりも上の北半球Nと、赤道18よりも下の南半球Sとからなる。北半球N及び南半球Sのそれぞれは、極近傍領域20、赤道近傍領域22及び調整領域24を備えている。第一緯線14は、極近傍領域20と調整領域24との境界線である。第二緯線16は、赤道近傍領域22と調整領域24との境界線である。極近傍領域20は、極点Pと第一緯線14との間に位置する。赤道近傍領域22は、第二緯線16と赤道18との間に位置する。調整領域24は、第一緯線14と第二緯線16との間に位置する。換言すれば、調整領域24は、極近傍領域20と赤道近傍領域22との間に位置する。
第一緯線14又は第二緯線16と交差するディンプル8では、その中心位置に基づき、所属する領域が決定される。第一緯線14と交差しその中心が極近傍領域20に位置するディンプル8は、極近傍領域20に所属する。第一緯線14と交差しその中心が調整領域24に位置するディンプル8は、調整領域24に所属する。第二緯線16と交差しその中心が赤道近傍領域22に位置するディンプル8は、赤道近傍領域22に所属する。第二緯線16と交差しその中心が調整領域24に位置するディンプル8は、調整領域24に所属する。
図7、8及び9のそれぞれは、図3のゴルフボール2が示された平面図である。図7には、第一緯線14及び第二緯線16と共に、5つの第一経線26が示されている。この図7において第一緯線14に囲まれているのが、極近傍領域20である。極近傍領域20は、5つのユニットUpに区画されうる。ユニットUpは、球面三角形である。ユニットUpの輪郭は、第一緯線14の一部と2つの第一経線26とからなる。図7では、1つのユニットUpに関し、符号A、B、D、E及びGによりディンプル8の種類が示されている。
5つのユニットUpのディンプルパターンは、72°回転対称である。換言すれば、あるユニットUpのディンプルパターンが極点Pを中心として経度方向に72°回転すると、隣のユニットUpのディンプルパターンと実質的に重なる。ここで「実質的に重なる」状態には、一方のディンプル8が他方のディンプル8と完全に一致する状態のみならず、一方のディンプル8が他方のディンプル8と多少ずれる状態も含まれる。ここで「多少ずれる状態」には、一方のディンプル8の中心が他方のディンプル8の中心から多少離れた状態が含まれる。一方のディンプル8の中心と他方のディンプル8の中心との距離は、1.0mm以下が好ましく、0.5mm以下が特に好ましい。ここで「多少ずれる状態」には、一方のディンプル8の寸法が他方のディンプル8の寸法とは多少異なる状態が含まれる。寸法差は0.5mm以下が好ましく、0.3mm以下が特に好ましい。寸法とは、ディンプル8の輪郭に画かれうる最長線分の長さを意味する。円形ディンプル8の場合は、その寸法は直径と一致する。
図8には、第一緯線14及び第二緯線16と共に、6つの第二経線28が示されている。この図8において第二緯線16の外側が、赤道近傍領域22である。赤道近傍領域22は、6つのユニットUeに区画されうる。ユニットUeは、球面台形である。ユニットUeの輪郭は、第二緯線16の一部、2つの第二経線28及び赤道18(図3参照)の一部からなる。図8では、1つのユニットUeに関し、符号B、C及びEによりディンプル8の種類が示されている。
6つのユニットUeのディンプルパターンは、60°回転対称である。換言すれば、あるユニットUeのディンプルパターンが極点Pを中心として経度方向に60°回転すると、隣のユニットUeのディンプルパターンと実質的に重なる。赤道近傍領域22のディンプルパターンは、3つのユニットにも区画されうる。この場合、各ユニットのディンプルパターンは、120°回転対称である。赤道近傍領域22のディンプルパターンは、2つのユニットにも区画されうる。この場合、各ユニットのディンプルパターンは、180°回転対称である。赤道近傍領域22のディンプルパターンは、3つの回転対称角度(すなわち60°、120°及び180°)を有する。回転対称角度を複数有する領域では、最も小さい回転対称角度(この例では60°)に基づき、ユニットUeが決定される。
図9には、第一緯線14及び第二緯線16が示されている。この図9において第一緯線14と第二緯線16とに囲まれているのが、調整領域24である。図9には、調整領域24が備えるディンプル8に関し、符号C、E、F及びGによりその種類が示されている。
調整領域24のディンプルパターンは、平面視において、X−X線に対して線対称である。このディンプルパターンは、X−X線以外に対称軸を有さない。極点Pを中心とした0°以上360°未満の回転では、ディンプルパターン同士の重なりは生じない。換言すれば、調整領域24のディンプルパターンは、互いに回転対称である複数のユニットに区画されえない。
調整領域24のディンプルパターンが、回転対称である複数のユニットに区画されうるものでもよい。この場合、調整領域24のユニットの数は、極近傍領域20のユニットUpの数と異なる必要があり、さらに、赤道近傍領域22のユニットUeの数とも異なる必要がある。
このゴルフボール2では、極近傍領域20のユニットUpの数Npが5であり、赤道近傍領域22のユニットUeの数Neが6である。両者は、異なっている。数Npと数Neとが異なっているディンプルパターンは、変化に富んでいる。このゴルフボール2では、飛行中の空気の流れがよく乱される。このゴルフボール2は、飛行性能に優れる。数Npと数Neとの組み合わせ(Np,Ne)は、(5,6)には限られない。他の組み合わせとしては、(2,3)、(2,4)、(2,5)、(2,6)、(3,2)、(3,4)、(3,5)、(3,6)、(4,2)、(4,3)、(4,5)、(4,6)、(5,2)、(5,3)、(5,4)、(6,2)、(6,3)、(6,4)及び(6,5)が例示される。
理由の詳細は不明であるが、本発明者の得た知見によれば、数Np及び数Neの一方が奇数であり、他方が偶数である場合に、大きなディンプル効果が得られる。さらに、数Npと数Neとの差が1であるとき、特に大きなディンプル効果が得られる。この差が1である組み合わせとしては、(2,3)、(3,2)、(3,4)、(4,3)、(4,5)、(5,4)、(5,6)及び(6,5)が例示される。
ディンプル効果の観点から、極近傍領域20が十分な面積を有し、かつ赤道近傍領域22が十分な面積を有することが好ましい。赤道近傍領域22の面積の観点から、第一緯線14及び第二緯線16の緯度は15°以上が好ましく、20°以上が特に好ましい。極近傍領域20の面積の観点から、第一緯線14及び第二緯線16の緯度は45°以下が好ましく、40°以下が特に好ましい。第一緯線14は、無数の緯線から任意に選択されうる。第二緯線16も、無数の緯線から任意に選択されうる。図3及び7から9に示されたゴルフボール2では、第一緯線14の緯度は42°であり、第二緯線16の緯度は30°である。
ディンプル効果への極近傍領域20の寄与の観点から、ディンプル8の総数Nに対する極近傍領域20に存在するディンプル8の数の比率は20%以上が好ましく、25%以上が特に好ましい。この比率は、45%以下が好ましい。
ディンプル効果への赤道近傍領域22の寄与の観点から、ディンプル8の総数Nに対する赤道近傍領域22に存在するディンプル8の数の比率は30%以上が好ましく、35%以上が特に好ましい。この比率は、65%以下が好ましい。
もし極近傍領域20が境界線を挟んで赤道近傍領域22と隣接すると、ユニットの数の相違に起因して、この境界線の近傍においてディンプル8が密に配置され得ない。この場合、境界線の近傍に広いランド10が存在する。広いランド10は、ディンプル効果を阻害する。本発明に係るゴルフボール2では、極近傍領域20と赤道近傍領域22との間に調整領域24が存在する。この調整領域24では、ユニットの数に拘泥されることなくディンプル8が配置されうるので、ランド10の面積が抑制されうる。この調整領域24により、高い占有率が達成される。
占有率の観点から、調整領域24が十分な面積を有することが好ましい。この観点から、第一緯線14の緯度と第二緯線16の緯度との差は、4°以上が好ましい 。調整領域24が広すぎると、数Npと数Neとの差によるディンプル効果が損なわれる。ディンプル効果の観点から、第一緯線14の緯度と第二緯線16の緯度との差は、20°以下が好ましく、15°以下が特に好ましい。
占有率の観点から、ディンプル8の総数に対する調整領域24に存在するディンプル8の数の比率は5%以上が好ましく、8%以上が特に好ましい。数Npと数Neとの差によるディンプル効果の観点から、この比率は24%以下が好ましく、22%以下がより好ましく、20%以下が特に好ましい。
極近傍領域20がユニットUpに区画され、さらに赤道近傍領域22がユニットUeに区画されたゴルフボール2では、回転によりパターンの周期が生じる。ユニットUpの数Np及びユニットUeの数Neが多いほど、周期は短い。数Np及び数Neが少ないほど、周期は長い。適切な周期は、ディンプル効果を高める。適切な周期の観点から、数Np及び数Neは4以上6以下が好ましく、5以上6以下が特に好ましい。数Np及び数Neの最も好ましい組み合わせ(NP,Ne)は、(5,6)及び(6,5)である。図3及び6から8に示されたゴルフボール2では、(Np,Ne)は(5,6)である。
空力的対称性の観点から、北半球Nのディンプルパターンと南半球Sのディンプルパターンとが等価であることが好ましい。赤道18を含む平面に対して北半球Nのディンプルパターンと対称であるパターンが、南半球Sのディンプルパターンと実質的に重なるとき、両パターンは等価である。赤道18を含む平面に対して北半球Nのディンプルパターンと対称であるパターンが、極点Pを中心として回転させられたときに南半球Sのディンプルパターンと実質的に重なるときも、両パターンは等価である。
本発明では、塗装層を備えたゴルフボール2において、ディンプル8の各部位のサイズが測定される。
図10は、本発明の他の実施形態に係るゴルフボール30が示された正面図である。図10には、符号AからGにより、ディンプル32の種類が示されている。全てのディンプル32の平面形状は、円である。このゴルフボール30は、直径が4.60mmであるディンプルAと、直径が4.45mmであるディンプルBと、直径が4.30mmであるディンプルCと、直径が4.10mmであるディンプルDと、直径が3.90mmであるディンプルEと、直径が3.40mmであるディンプルFと、直径が3.00mmであるディンプルGとを備えている。ディンプルAの個数は80であり、ディンプルBの個数は60であり、ディンプルCの個数は62であり、ディンプルDの個数は58であり、ディンプルEの個数は38であり、ディンプルFの個数は18であり、ディンプルGの個数は14である。ディンプル32の総数は、330個である。
このゴルフボール30は、1476個の隣接ディンプル対を備えている。964個の隣接ディンプル対は、(Da/4)以下のピッチを有する。614個の隣接ディンプル対は、(Da/20)以下のピッチを有する。そのピッチが(Da/4)以下である隣接ディンプル対の数N1の、ディンプル8の総数Nに対する比(N1/N)は、2.92である。そのピッチが(Da/20)以下である隣接ディンプル対の数N2の、数N1に対する比(N2/N1)は、0.64である。このゴルフボール30では、ディンプル32が極めて密に配置されており、かつ小さなディンプル32の数が少ない。このゴルフボール30では、個々のディンプル32がディンプル効果に寄与しうる。このゴルフボール30は、飛行性能に優れる。
このゴルフボール30は、4.21mmの平均直径Daと、81.1%の占有率とを備えている。このゴルフボール30は、7種類のディンプル32を備えている。このゴルフボール30では、交差する隣接ディンプル対の数N3は58であり、比(N3/N1)は0.060である。このゴルフボール30では、直径が3.50mm以下であるディンプル32の数N4の総数Nに対する比(N4/N)は、0.10である。このゴルフボール30では、比(N1/N)が大きく、比(N2/N1)が大きく、平均直径Daが大きく、比(N3/N1)が小さく、かつ比(N4/N)が小さい。このゴルフボール30は、飛行性能に優れる。
図10に示されるように、このゴルフボール30は赤道33、北半球N及び南半球Sを備えている。赤道33は、大円帯である。北半球N及び南半球Sのそれぞれは、極近傍領域34、赤道近傍領域36及び調整領域38を備えている。
図11、12及び13のそれぞれは、図10のゴルフボール30が示された平面図である。図11において第一緯線40に囲まれているのが、極近傍領域34である。極近傍領域34は、5つのユニットUpに区画されうる。ユニットUpは、球面三角形である。ユニットUpの輪郭は、第一緯線40の一部と2つの第一経線42とからなる。図11では、1つのユニットUpに関し、符号A、B、C、E及びGによりディンプル32の種類が示されている。5つのユニットUpのディンプルパターンは、72°回転対称である。
図12において第二緯線44の外側が、赤道近傍領域36である。赤道近傍領域36は、6つのユニットUeに区画されうる。ユニットUeは、球面台形である。ユニットUeの輪郭は、第二緯線44の一部、2つの第二経線46及び赤道33(図10参照)の一部からなる。図12では、1つのユニットUeに関し、符号B、C、D、E及びGによりディンプル32の種類が示されている。6つのユニットUeのディンプルパターンは、60°回転対称である。
図13において第一緯線40と第二緯線44とに囲まれているのが、調整領域38である。図13には、調整領域38が備えるディンプル32に関し、符号A、B、C、D、E及びFによりその種類が示されている。調整領域38のディンプルパターンは、平面視において、Y−Y線に対して線対称である。このディンプルパターンは、Y−Y線以外に対称軸を有さない。極点Pを中心とした0°以上360°未満の回転では、ディンプルパターン同士の重なりは生じない。換言すれば、調整領域38のディンプルパターンは、互いに回転対称である複数のユニットに区画されえない。
図10から13に示されたゴルフボール30では、第一緯線40の緯度は35°であり、第二緯線44の緯度は21°である。
このゴルフボール30では、極近傍領域34のユニットUpの数Npが5であり、赤道近傍領域36のユニットUeの数Neが6である。このディンプルパターンは、変化に富んでいる。このゴルフボール30では、調整領域38が大きな占有率に寄与する。このゴルフボール30は、飛行性能に優れる。
図14は本発明のさらに他の実施形態に係るゴルフボール48が示された正面図であり、図15はその平面図である。図14に示されるように、このゴルフボール48は赤道50、北半球N及び南半球Sを備えている。図15に示されるように、北半球N及び南半球Sのそれぞれは、5つのユニットUに区画されうる。ユニットUは、球面三角形である。ユニットUの輪郭は、2つの経線52と赤道50(図14参照)の一部とからなる。図15では、1つのユニットUに関し、符号Aによりディンプル54の種類が示されている。ディンプルAの直径は、4.318mmである。ディンプル54の総数Nは332個である。5つのユニットUのディンプルパターンは、72°回転対称である。
このゴルフボール48は、1450個の隣接ディンプル対を備えている。990個の隣接ディンプル対は、(Da/4)以下のピッチを有する。540個の隣接ディンプル対は、(Da/20)以下のピッチを有する。そのピッチが(Da/4)以下である隣接ディンプル対の数N1の、ディンプル54の総数Nに対する比(N1/N)は、2.98である。そのピッチが(Da/20)以下である隣接ディンプル対の数N2の、数N1に対する比(N2/N1)は、0.55である。このゴルフボール48では、ディンプル54が極めて密に配置されており、かつ小さなディンプル54の数が少ない。このゴルフボール48では、個々のディンプル54がディンプル効果に寄与しうる。このゴルフボール48は、飛行性能に優れる。
このゴルフボール48は、4.318mmの平均直径Daと、84.9%の占有率とを備えている。このゴルフボール48では、直径が3.50mm以下であるディンプル54の数N4の総数Nに対する比(N4/N)は、ゼロである。このゴルフボール48では、比(N1/N)が大きく、比(N2/N1)が大きく、平均直径Daが大きく、かつ比(N4/N)が小さい。
このゴルフボール48では、交差する隣接ディンプル対の数N3は260であり、比(N3/N1)は0.263である。この比(N3/N1)は、大きい。このゴルフボール48では、見かけ上の占有率との対比において、実効面積が小さい。小さな実効面積は、ディンプル効果の観点では不利である。図14から明らかなように、赤道50はディンプル54と交差しない。この赤道54は、大円帯である。このゴルフボール48は、1本の大円帯を有する。大円帯の存在は、ディンプル効果の観点では不利である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
希土類元素系触媒が用いられて合成された100質量部のポリブタジエン(ジェイエスアール社の商品名「BR−730」)、33質量部のアクリル酸亜鉛、10質量部の酸化亜鉛、適量の硫酸バリウム、0.5質量部のジフェニルジスルフィド(住友精化)及び0.8質量部のジクミルパーオキサイド(日本油脂社)を混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物を共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなる金型に投入し、170℃で20分間加熱して、センターを得た。センターの直径は、38.2mmであった。
26質量部のアイオノマー樹脂(前述の「サーリン8945」)、26質量部の他のアイオノマー樹脂(前述の「サーリン9945」)、48質量部のスチレンブロック含有熱可塑性エラストマー(前述の「ラバロンT3221C」)、1質量部の金属酸化物(松下電器産業社の商品名「パナテトラWZ−0501」、針状部の平均長さ:10μm)、3質量部の二酸化チタン及び0.1質量部のウルトラマリンブルーを混練し、樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を射出成形法にてセンターの周りに被覆し、中間層を成形した。中間層の厚みTmは、1.0mmであった。
57質量部のアイオノマー樹脂(前述の「サーリン8945」)、40質量部の他のアイオノマー樹脂(前述の「サーリン9945」)、3質量部のスチレンブロック含有熱可塑性エラストマー(前述の「ラバロンT3221C」)、1質量部の金属酸化物(前述の「パナテトラWZ−0501」)、3質量部の二酸化チタン及び0.1質量部のウルトラマリンブルーを混練し、樹脂組成物を得た。センター及び中間層からなるコアを、内周面に多数のピンプルを備えたファイナル金型に投入し、球体の周囲に上記樹脂組成物を射出成形法により注入して、カバーを成形した。カバーの厚みTcは、1.25mmであった。カバーには、ピンプルの形状が反転した形状のディンプルが多数形成された。このカバーに、二液硬化型ポリウレタンを基材とするクリアー塗料を塗装し、直径が42.7mmであり質量が約45.4gである実施例1のゴルフボールを得た。このゴルフボールは、図3及び7から9に示されたディンプルパターンを有する。ディンプルの仕様の詳細が、下記表3に示されている。
[実施例2から4及び比較例1から2]
ファイナル金型を変更し、そのタイプが下記表4び6に示されるディンプルパターンを形成した他は実施例1と同様にして、実施例2から4及び比較例1から2のゴルフボールを得た。ディンプルの仕様の詳細が、下記表3に示されている。
[実施例5から7及び比較例3から8]
センター、中間層及びカバーの仕様を下記表5から7に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例5から7及び比較例3から8のゴルフボールを得た。センター、中間層及びカバーの組成の詳細が、下記表1及び2に示されている。
[打球感の評価]
上級ゴルファーに、ドライバーでゴルフボールを打撃させた。このゴルファーに、下記の基準に基づき打球感を格付けさせた。
A:極めて良好
B:良好
C:不良
この結果が、下記の表4から7に示されている。
[コントロール性能の評価]
上級ゴルファーに、ピッチングウエッジでゴルフボールを打撃させた。このゴルファーに、下記の基準に基づきコントロール性能を格付けさせた。
A:スピンがかかりやすい。コントロール性能が良好。
B:普通
C:スピンがかかりにくい。コントロール性能が不良。
この結果が、下記の表4から7に示されている。
[飛距離の測定]
ツルテンパー社のスイングマシンに、メタルヘッドを備えたドライバーを装着した。ヘッド速度が45m/secである条件でゴルフボールを打撃し、発射地点から静止地点までの距離を測定した。10回の測定の平均値が、下記の表4から7に示されている。
Figure 0004261560
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表4から7に示されるように、実施例のゴルフボールは打球感、コントロール性能及び飛行性能に優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係るゴルフボールは、ゴルフ場でのプレーやドライビングレンジでの練習に適している。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボールが示された模式的断面図である。 図2は、図1のゴルフボールに配合される金属酸化物が示された斜視図である。 図3は、図1のゴルフボールが示された拡大正面図である。 図4は、図1のゴルフボールの一部が示された拡大断面図である。 図5は、図3のゴルフボールの一部が示された拡大正面図である。 図6は、図5のV−V線に沿った断面図である。 図7は、図3のゴルフボールが示された平面図である。 図8は、図3のゴルフボールが示された平面図である。 図9は、図3のゴルフボールが示された平面図である。 図10は、本発明の他の実施形態に係るゴルフボールが示された正面図である。 図11は、図10のゴルフボールが示された平面図である。 図12は、図10のゴルフボールが示された平面図である。 図13は、図10のゴルフボールが示された平面図である。 図14は、本発明のさらに他の実施形態に係るゴルフボールが示された正面図である。 図15は、図14のゴルフボールが示された平面図である。 図16は、比較例1に係るゴルフボールが示された平面図である。 図17は、比較例2に係るゴルフボールが示された平面図である。
符号の説明
2、30、48・・・ゴルフボール
3・・・コア
4・・・カバー
5・・・センター
6・・・中間層
8、32、54・・・ディンプル
10・・・ランド
11・・・金属酸化物
12・・・針状部
13・・・仮想球
14、40・・・第一緯線
16、44・・・第二緯線
18、33、50・・・赤道
20、34・・・極近傍領域
22、36・・・赤道近傍領域
24、38・・・調整領域
26、42・・・第一経線
28、46・・・第二経線
30・・・仮想球
A−G・・・ディンプル
N・・・北半球
P・・・極点
S・・・南半球
U、Up、Us・・・ユニット

Claims (9)

  1. センター、このセンターの外側に位置する中間層、この中間層の外側に位置するカバー及びこのカバーの表面に形成された多数のディンプルを備えており、
    中間層の基材ポリマーとして、アイオノマー樹脂とスチレンブロック含有熱可塑性エラストマーとが併用されており、
    カバーの基材ポリマーの主成分がアイオノマー樹脂であり、
    この中間層における、体積Vm(cm)と曲げ剛性Fm(MPa)との積Pmと、カバーにおける、体積Vc(cm)と曲げ剛性Fc(MPa)との積Pcとが、下記数式(I)及び(II)を満たしており、
    この体積Vmが2.85cm 以上7.35cm 以下であり、曲げ剛性Fmが25MPa以上100MPa以下であり、体積Vcが1.84cm 以上9.85cm 以下であり、曲げ剛性Fcが160MPa以上360MPa以下であり、
    全てのディンプルの平均直径がDaとされたとき、
    そのピッチが(Da/4)以下である隣接ディンプル対の数N1の、ディンプル総数Nに対する比(N1/N)が2.70以上であり、
    そのピッチが(Da/20)以下である隣接ディンプル対の数N2の、数N1に対する比(N2/N1)が0.50以上であり、
    互いに交差する隣接ディンプル対の数N3の数N1に対する比(N3/N1)が0.06以下であるゴルフボール。
    1400 < (Pm + Pc) < 2000 (I)
    5.0 < (Pc / Pm) < 7.6 (II)
  2. 上記中間層の厚みTmが1.2mm以下であり、カバーの厚みTcが1.4mm以下であり、合計厚み(Tm+Tc)が2.4mm以下である請求項1に記載のゴルフボール。
  3. 上記中間層の硬度(ショアD)が32以上39以下である請求項1又は2に記載のゴルフボール。
  4. 上記比(N2/N1)が0.60以上である請求項1から3のいずれかに記載のゴルフボール。
  5. 上記平均直径Daが4.00mm以上であり、
    ディンプルの総数Nが362個以下であり、
    全てのディンプルの面積の合計の、仮想球の表面積に対する比率が75%以上である請求項1から4のいずれかに記載のゴルフボール。
  6. 上記ディンプルと交差しない大円がその表面に存在しない請求項1から5のいずれかに記載のゴルフボール。
  7. 上記中間層における、全基材ポリマーに対するアイオノマー樹脂の比率が30質量%以上80質量%以下であり、全基材ポリマーに対するスチレンブロック含有熱可塑性エラストマーの比率が20質量%以上70質量%以下であり、
    上記カバーにおける、全基材ポリマーに対するアイオノマー樹脂の比率が80質量%以上である請求項1から6のいずれかに記載のゴルフボール。
  8. センター、このセンターの外側に位置する中間層、この中間層の外側に位置するカバー及びこのカバーの表面に形成された多数のディンプルを備えており、
    中間層の基材ポリマーとして、アイオノマー樹脂とスチレンブロック含有熱可塑性エラストマーとが併用されており、
    カバーの基材ポリマーの主成分がアイオノマー樹脂であり、
    この中間層における、体積Vm(cm)と曲げ剛性Fm(MPa)との積Pmと、カバーにおける、体積Vc(cm)と曲げ剛性Fc(MPa)との積Pcとが、下記数式(I)及び(II)を満たしており、
    全てのディンプルの平均直径がDaとされたとき、
    そのピッチが(Da/4)以下である隣接ディンプル対の数N1の、ディンプル総数Nに対する比(N1/N)が2.70以上であり、
    そのピッチが(Da/20)以下である隣接ディンプル対の数N2の、数N1に対する比(N2/N1)が0.50以上であり、
    その表面の北半球及び南半球のそれぞれが、極近傍領域と、赤道近傍領域と、この極近傍領域及び赤道近傍領域の間に位置する調整領域とを備えており、
    極近傍領域のディンプルパターンが、極点を中心として互いに回転対称である複数のユニットからなり、
    赤道近傍領域のディンプルパターンが、極点を中心として互いに回転対称である複数のユニットからなり、
    極近傍領域のユニットの数が赤道近傍領域のユニットの数と異なっており、
    調整領域のディンプルパターンが、極点を中心として互いに回転対称である複数のユニットに区画不可能なものであるか、又は極点を中心として互いに回転対称である複数のユニットからなりかつこのユニットの数が極近傍領域のユニットの数及び赤道近傍領域のユニットの数とは異なるものであるゴルフボール。
    1400 < (Pm + Pc) < 2000 (I)
    5.0 < (Pc / Pm) < 7.6 (II)
  9. 上記中間層における、全基材ポリマーに対するアイオノマー樹脂の比率が30質量%以上80質量%以下であり、全基材ポリマーに対するスチレンブロック含有熱可塑性エラストマーの比率が20質量%以上70質量%以下であり、
    上記カバーにおける、全基材ポリマーに対するアイオノマー樹脂の比率が80質量%以上である請求項8に記載のゴルフボール。
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