[go: up one dir, main page]

JP4253052B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4253052B2
JP4253052B2 JP00598698A JP598698A JP4253052B2 JP 4253052 B2 JP4253052 B2 JP 4253052B2 JP 00598698 A JP00598698 A JP 00598698A JP 598698 A JP598698 A JP 598698A JP 4253052 B2 JP4253052 B2 JP 4253052B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
misfet
type
source
drain
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP00598698A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10340998A (ja
Inventor
充宏 野口
幸人 大脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP00598698A priority Critical patent/JP4253052B2/ja
Priority to US09/056,632 priority patent/US6040610A/en
Priority to TW087105307A priority patent/TW421891B/zh
Priority to KR1019980013407A priority patent/KR100305254B1/ko
Publication of JPH10340998A publication Critical patent/JPH10340998A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4253052B2 publication Critical patent/JP4253052B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03KPULSE TECHNIQUE
    • H03K19/00Logic circuits, i.e. having at least two inputs acting on one output; Inverting circuits
    • H03K19/0021Modifications of threshold
    • H03K19/0027Modifications of threshold in field effect transistor circuits
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10DINORGANIC ELECTRIC SEMICONDUCTOR DEVICES
    • H10D84/00Integrated devices formed in or on semiconductor substrates that comprise only semiconducting layers, e.g. on Si wafers or on GaAs-on-Si wafers
    • H10D84/01Manufacture or treatment
    • H10D84/0123Integrating together multiple components covered by H10D12/00 or H10D30/00, e.g. integrating multiple IGBTs
    • H10D84/0126Integrating together multiple components covered by H10D12/00 or H10D30/00, e.g. integrating multiple IGBTs the components including insulated gates, e.g. IGFETs
    • H10D84/0165Integrating together multiple components covered by H10D12/00 or H10D30/00, e.g. integrating multiple IGBTs the components including insulated gates, e.g. IGFETs the components including complementary IGFETs, e.g. CMOS devices
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10DINORGANIC ELECTRIC SEMICONDUCTOR DEVICES
    • H10D84/00Integrated devices formed in or on semiconductor substrates that comprise only semiconducting layers, e.g. on Si wafers or on GaAs-on-Si wafers
    • H10D84/01Manufacture or treatment
    • H10D84/02Manufacture or treatment characterised by using material-based technologies
    • H10D84/03Manufacture or treatment characterised by using material-based technologies using Group IV technology, e.g. silicon technology or silicon-carbide [SiC] technology
    • H10D84/038Manufacture or treatment characterised by using material-based technologies using Group IV technology, e.g. silicon technology or silicon-carbide [SiC] technology using silicon technology, e.g. SiGe
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10DINORGANIC ELECTRIC SEMICONDUCTOR DEVICES
    • H10D84/00Integrated devices formed in or on semiconductor substrates that comprise only semiconducting layers, e.g. on Si wafers or on GaAs-on-Si wafers
    • H10D84/80Integrated devices formed in or on semiconductor substrates that comprise only semiconducting layers, e.g. on Si wafers or on GaAs-on-Si wafers characterised by the integration of at least one component covered by groups H10D12/00 or H10D30/00, e.g. integration of IGFETs
    • H10D84/82Integrated devices formed in or on semiconductor substrates that comprise only semiconducting layers, e.g. on Si wafers or on GaAs-on-Si wafers characterised by the integration of at least one component covered by groups H10D12/00 or H10D30/00, e.g. integration of IGFETs of only field-effect components
    • H10D84/83Integrated devices formed in or on semiconductor substrates that comprise only semiconducting layers, e.g. on Si wafers or on GaAs-on-Si wafers characterised by the integration of at least one component covered by groups H10D12/00 or H10D30/00, e.g. integration of IGFETs of only field-effect components of only insulated-gate FETs [IGFET]
    • H10D84/85Complementary IGFETs, e.g. CMOS

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Computing Systems (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Dram (AREA)
  • Logic Circuits (AREA)
  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低電圧電源で高速スイッチングを行う半導体装置に係わり、特に1V以下の電源に対応した半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、論理回路の一つとして、MISFETからなるインバータが広く用いられている。このインバータは、図1に示すように、電源端(VDD)と接地端(0V)との間に、n(チャネル)型MISFET4とp(チャネル)型MISFET5を直列接続し、各々のMISFET4,5のソース・ドレインの共通接続部をインバータ出力端とし、各々のMISFET4,5のゲートを共通接続してインバータ入力端6としている。
【0003】
図1に示すようなMISFETのインバータでは、電源電圧をVDDとすると、消費電力PはVDD 2 に比例する。また、電源電圧VDDを高く保ったままゲート絶縁膜を薄膜化して高速化しようとすると、ゲート絶縁膜に印加される電界が増大し、ゲートの電界破壊,ゲートのリーク電流の増大,耐圧不良等を生じる。よって、ゲート電界を一定以下に保ちながら電源電圧を低下させることは、低消費電力化及び信頼性向上のために有効であることが知られている。
【0004】
一方、図1のようなスタティックインバータの遅延時間τpdは、次段の負荷容量をCL 、p型MISFET及びn型MISFETのしきい値をVthとして、
τpd=kCL DD/(VDD−Vthn (k:比例定数,n=1〜2)
で与えられる。インバータの入力端6の電圧は0からVDDまで変化する。以上から、VDDが例えば1V以下の低電圧の電源では、しきい値Vthと電源電圧VDDとの差が縮小するためにτpdが増大し、従って高速動作が困難となる。
【0005】
また、CMOS回路においては電源電圧を低下させ低電力化を図ることが盛んに研究されており、動作速度を損なわずに低電圧動作させるためには、しきい値Vthを下げることが必要である。しかし、Vthを下げすぎると、トランジスタのソース及びドレイン電極を貫通するサブスレッショルド電流を充分遮断することができなくなる。ここで、Siのpn接合の順方向電圧以下での用途では、例えば図35に示すような回路が、良好なカットオフ特性を得るのに有効であることが知られている(F.Assaderathi,D.Sinitsky,S.Parke,J.Bokor,P.K.Ko,and C.Hu,IEDM Technical Digest,809,(1994))。この図35の回路を簡単に説明する。
【0006】
図35において、トランジスタQ1,Q2のそれぞれのゲートと基板又はボディ電極とは互いに電気的に接続されている。この構造を、本明細書では以後、(GST:Gate-Substrate Tie)トランジスタと呼ぶことにする。また、Q1はpチャネル型MISFET、Q2はnチャネル型MISFETからなり、これらはCMOSインバータを構成している。
【0007】
図35のQ2の構造では、ゲートに正電圧VDDが印加された場合には、基板にも正電圧が印加される。よって、基板バイアス効果によって、基板電圧を0Vと保った場合よりもしきい値が低下し、電流駆動能力がより上昇する。また、ゲート電圧が0Vの場合には、基板電圧も0Vとなるため、基板バイアス電圧を0Vに保った場合と同じリーク電流となり、基板バイアス電圧を一定値に固定した回路よりもON/OFF比が向上する。
【0008】
ところが、本回路では、スタンドバイ時のリーク電流は基板電圧を0Vとした値で決まる。例えば、アクティブ時に基板電圧をVDD、スタンドバイ時に基板電圧を0Vよりも負に印加した回路よりも、スタンドバイ時の基板バイアス電圧がよりアクティブ時の基板バイアス電圧に近いため、基板バイアス効果によるしきい値上昇量が小さく、スタンドバイ時のソースとドレインとの間の貫通電流によるリーク電流が大きくなる。
【0009】
また、図36のように、図35のインバータを縦続接続した回路では、スタンドバイ時のリーク電流の別の問題が生じることがある。図36の回路において、トランジスタQ1,Q2で形成された第1のインバータの出力は、トランジスタQ3,Q4で形成された第2のインバータ入力に縦続接続され、ノード112を形成している。なお、Q1,Q3はpチャネル型MISFETからなり、Q2,Q4はnチャネル型MISFETからなり、それぞれCMOSインバータとなっている。
【0010】
第1のインバータの入力ノード101’の電圧を論理反転電圧より高い電圧、例えばVDDとすると、第2のインバータ入力ノード112はほぼ0Vとなる。この場合、トランジスタQ3はp型MISFETから形成されているため、電源電圧VDDの電圧源に接続されたノード106’と基板電極102との間のQ3のpn接合が順方向にバイアスされ、順方向ダイオード電流が流れる。ここで、Q2のトランジスタは、ゲート及び基板電極ともに正にバイアスされており、しきい値が低いオン状態になっている。このため、Q3の順方向ダイオード電流がQ2を通じて、接地電圧ノード106へ定常電流が流れる。この電流経路を図36では実線矢印で示している。逆に、ノード101’の電圧が反転電圧よりも低い電圧の場合、トランジスタQ4及びQ1を通じて同様に貫通電流が流れる。
【0011】
さらに本回路でも、スタンドバイ時のリーク電流は、基板電圧を0Vとした値で決まり、例えばアクティブ時に基板電圧をVDD、スタンドバイ時に基板電圧を負に印加した回路よりスタンドバイ時のリーク電流が大きくなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来、MISFETのインバータのような論理回路においては、ゲート絶縁膜を薄膜化して高速化しようとすると、ゲート絶縁膜に印加される電界が増大し、ゲートの破壊やリーク電流増大等を招く。また、電源電圧VDDを低電圧化すると遅延時間τpdの増大を招く。つまり、しきい値電圧を固定した論理回路では、電源電圧VDDを低電圧化しつつ遅延時間τpdを減少することは困難であった。また、ゲートと基板を接続したGSTトランジスタのみを用いた論理回路においては、アクティブ時の電流駆動能力を確保したままスタンドバイ時の貫通電流を小さくするのは困難であった。
【0013】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的とするところは、電源電圧の低下に伴う遅延時間τpdの増加を防止することができ、かつゲートに印加される最大電界を一定以下に保つ回路構成を可能にした半導体装置を提供することにある。
【0014】
また本発明の他の目的は、スタンドバイ時の貫通電流を小さくし、かつアクティブ時の電流駆動能力を確保し、かつアクティブ時のリーク電流も小さく保つ回路構成を可能にした半導体装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
(構成)
本発明の骨子は、基板バイアスを変化させ、しきい値Vthをアクティブ(active)時とスタンドバイ(standby )時に変化させるトランジスタを用いることによって、電源電圧が低下してもアクティブ時の電流駆動能力を向上することにある。しきい値を変化させるトランジスタに対して電源電圧と遅延時間との関係を明らかにしたこと、また基板バイアスを特に順方向バイアスに変化させることに対する諸問題を解決する回路構成法を実現したところに本発明の特徴がある。
【0016】
また本発明の別の骨子は、基板バイアスの変化によって、しきい値Vthをアクティブ時とスタンドバイ時に変化させるトランジスタ(以後、基板バイアス変化トランジスタと呼ぶ)とGSTトランジスタとを組み合わせることにある。基板バイアス変化トランジスタの基板バイアスを負に印加することによって、スタンドバイ時に貫通電流をGSTトランジスタと従来トランジスタの組み合わせよりも小さくし、基板バイアスを浅く印加した基板バイアス変化トランジスタとGSTトランジスタを用いてアクティブ時に電流駆動能力を確保し、従来構造では困難だったアクティブ時/スタンドバイ時のリーク電流の低減と電流駆動能力の向上を両立させたところに本発明の特徴がある。そして、本発明は次のような構成を採用している。
【0017】
(1)ソース・ドレインの一方がインピーダンス素子を介してVDDの電圧を有する第1の電流供給ノードに接続され、他方が0Vの第2の電流供給ノードに接続されたn型MISFETと、このn型MISFETのウェル又はボディ電極に接続され、アクティブ時とスタンドバイ時でそれぞれ異なる電圧を発生するバイアス電圧発生回路を切り換えるスイッチ素子とを、同一チップ上に形成してなる半導体装置であって、前記n型MISFETのスタンドバイ状態のしきい値Vths はアクティブ状態のしきい値Vtha よりも高く、前記n型MISFETのゲートに印加される電圧は2つの定常状態をとり、その低い方の電圧を0V、高い方の電圧をVDDとし、
DD(1−Vths /VDD)<Vths −Vtha
なる関係が満たされることを特徴とする。
【0018】
(1-1) インピーダンス素子は、ソース・ドレインの一方とゲートが接続されたMISFET又は抵抗素子であること。
(1-2) インピーダンス素子は、p型MISFETであり、このp型MISFETのゲートはn型MISFETのゲートに接続されていること。
(1-3) n型MISFETのウェル電圧はVDDよりも高くなること。
【0019】
(2)ソース・ドレインの一方が0Vの第2の電流供給ノードに接続され、他方がインピーダンス素子を介してVDDの電圧を有する第2の電流供給ノードに接続されたp型MISFETと、このp型MISFETのウェル又はボディ電極に接続され、アクティブ時とスタンドバイ時でそれぞれ異なる電圧を発生するバイアス電圧発生回路を切り換えるスイッチ素子とを、同一チップ上に形成してなる半導体装置であって、前記p型MISFETのスタンドバイ状態のしきい値Vths はアクティブ状態のしきい値Vtha よりも高く、前記p型MISFETのゲートに印加される電圧は2つの定常状態をとり、その低い方の電圧を0V,高い方の電圧をVDDとし、
DD(1−Vths /VDD)<Vths −Vtha
なる関係が満たされることを特徴とする。
【0020】
(2-1) インピーダンス素子は、ソース・ドレインの一方とゲートが接続されたMISFET又は抵抗素子であること。
(2-2) インピーダンス素子は、n型MISFETであり、このn型MISFETのゲートはp型MISFETのゲートに接続されていること。
(2-3) p型MISFETのウェル電圧は0Vよりも低くなること。
【0021】
(3)同一チップ上にMISFETを含む論理回路,降圧回路,n型MISFET及びp型MISFETからなる基板バイアス制御回路を形成した半導体装置であって、前記基板バイアス制御回路のp型MISFETのソース・ドレインの一方は第1の電流供給ノードに接続され、n型MISFETのソース・ドレインの一方は第2の電流供給ノードに接続され、かつこれらのMISFETのゲートはアクティブ/スタンドバイ制御入力端に共通接続され、これらソース・ドレインの他方は共通接続されて前記論理回路のMISFETの基板又はボディ電極に接続され、前記論理回路の電源端子の一方は前記降圧回路の電流電圧出力部に接続され、他方は第1又は第2の電流供給ノードのいずれかに接続されていることを特徴とする。
【0022】
(3-1) 基板バイアス制御回路は、発振周波数又はデューティ比の異なる2つの発振器と、これらの発振器の出力をアクティブ/スタンドバイ制御入力によって切り替えて、p型MISFET及びn型MISFETからなるインバータの入力に供給する切り替え回路を有すること。
(3-2) 基板バイアス制御回路は、p型MISFET及びn型MISFETからなるインバータに、電源電圧よりも高い電圧を印加するための昇圧回路を有すること。
(3-3) 第1の電流供給ノードはVDDの電圧であり、第2の電流供給ノードは0Vであること。
【0023】
(4)MISFETを含む論理回路と、この論理回路に供給される電源電圧VDDより高い電圧を与える第1の電圧供給ノードと、VDDより低い電圧を与える第2の電圧供給ノードと、アクティブ/スタンドバイの2つの状態入力に対応して、第1の電圧供給ノードと第2の電圧供給ノードの出力のいずれか一方を選択し、前記論理回路のMISFETの基板又はボディ電極に与える選択回路と、前記論理回路のMISFETの基板又はボディ電極にソース・ドレインの一方が接続された充電用MISFETとを、同一チップ上に形成してなる半導体装置であって、前記充電用MISFETは、スタンドバイ状態からアクティブ状態への遷移する時に遮断状態から導通状態となり、該MISFETのソース・ドレインの他方は0V以上VDD以下に保たれていることを特徴とする。
【0024】
(5)アクティブ状態とスタンドバイ状態とで選択的に動作するMISFETを含む論理回路と、スタンドバイ状態に対応する電圧を有する第1の電圧供給ノードと、アクティブ状態に対応する電圧を有する第2の電圧供給ノードと、第1及び第2の電圧供給ノードの出力のいずれか一方を選択し、前記論理回路のMISFETの基板又はボディ電極に与える切り替えスイッチ回路とを、同一チップ上に形成してなる半導体装置であって、前記切り替えスイッチ回路は、p型MISFET及びn型MISFETからなり、第1の電圧供給ノードの出力は該n型MISFETのソース・ドレインの一方と接続され、第2の電圧供給ノードの出力は該p型MISFETのソース・ドレインの一方と接続され、前記p型MISFET及びn型MISFETのソース・ドレインの他方は共通接続されて前記論理回路のMISFETの基板又はボディ電極に接続され、前記p型MISFET及びn型MISFETのゲートは共通接続され、アクティブ/スタンドバイの2つの状態の制御入力端に接続され、該制御入力端の電圧は前記論理回路の接地電位と電源電位との範囲内にあることを特徴とする。
【0025】
(5-1) 第1の電圧供給ノードは、スタンドバイ状態においては負電圧V1を発生し、そのアクティブ状態の電圧V2はスタンドバイ時よりも正の電圧となり、第2の電圧供給ノードの出力は、アクティブ状態において正電圧V3を発生し、そのスタンドバイ状態の電圧はアクティブ状態よりも負の電圧V4となり、選択回路の第1の電圧供給ノードをV1に固定して制御信号を変化させた場合、遮断状態から導通状態に変化する制御入力電圧をVth1 とし、選択回路の第1の電圧供給ノードをV2に固定して制御信号を変化させた場合、遮断状態から導通状態に変化する制御入力電圧をVth2 とし、選択回路の第2の電圧供給ノードをV3に固定して制御信号を変化させた場合、遮断状態から導通状態に変化する制御入力電圧をVth3 とし、選択回路の第2の電圧供給ノードをV4に固定して制御信号を変化させた場合、遮断状態から導通状態に変化する制御入力電圧をVth4 とし、制御信号のスタンドバイ定常時電圧をVs、アクティブ状態電圧をVaとして、Vth1 <Vs かつVth3 >Va であって、(Vth2 >Va かつVth1 <Va )又は(Vth3 >Vs 又はVth4 <Vs )の少なくとも一方が成立すること。
【0026】
(6)p型MISFET,n型MISFET,及び抵抗素子を同一チップ上に形成してなる半導体装置であって、前記p型MISFETのソース・ドレインの一方は第1の電流供給ノードに接続され、前記n型MISFETのソース・ドレインの一方は第2の電流供給ノードに接続され、前記各MISFETのソース・ドレインの他方は共通接続され、前記p型MISFETのウェル又はボディ電極及び前記n型MISFETのウェル又はボディ電極の少なくとも一方は、前記抵抗素子を介して各MISFETのソース・ドレインの共通接続部に接続され、前記各MISFETのゲートは共通接続されてインバータの入力を形成し、前記ウェル又はボディ電極の全静電容量と前記抵抗素子の抵抗の積は、前記インバータのゲート遅延時間よりも長く、入力信号が定常な状態では前記ウェル又はボディ電極の電圧は前記共通接続されたソース・ドレインの電圧と一致することを特徴とする。
【0027】
(6-1) 第1の電流供給ノードは論理回路の電源ノードVDDとなり、第2の電流供給ノードは論理回路の接地ノードとなること。
(6-2) 抵抗素子は、MISFETのソース・ドレイン電極が形成されている半導体領域と同一層のpn構造からなること。
【0028】
(7)第1導電型半導体層上に第1導電型と第2導電型の各ウェルを隣接して設け、第1導電型ウェルに第2導電チャネル型MISFET、第2導電型ウェルに第1導電チャネル型MISFETと共にダイオードを形成し電流供給ノードを有する半導体装置であって、前記MISFETの少なくとも一方は、アクティブ状態とスタンドバイ状態とで選択的に動作し、第1導電チャネル型MISFETのソース・ドレインは前記電流供給ノードと接続され、前記ダイオード素子の一方は前記電流供給ノードと接続され、第2導電型ウェルとダイオード素子の他方が接続され、前記ダイオード素子の順方向は、第1導電チャネル型MISFETのソース・ドレインと第2導電型ウェルのpn接合の順方向と一致するよう形成され、ダイオード素子の順方向電圧は、第1導電チャネル型MISFETのソース・ドレインと第2導電型ウェルで形成されたpn接合の順方向電圧よりも低くなるようにし、第1導電チャネル型MISFETのソース・ドレインと第2導電型ウェル電極には、アクティブ状態には順バイアスが選択的に印加されることを特徴とする。
【0029】
(8)第1導電型半導体層上に第1導電型と第2導電型の各ウェルを隣接して設け、第1導電型ウェルに第2導電チャネル型MISFET、第2導電型ウェルに第1導電チャネル型MISFETと共にダイオードを形成した半導体装置であって、前記MISFETの少なくとも一方は、アクティブ状態とスタンドバイ状態とで選択的に動作し、第1導電型ウェルと前記ダイオード素子の一方が接続され、第2導電型ウェルと前記ダイオード素子の他の一方が接続され、前記各MISFETのソース・ドレインの一方は共通接続され、前記ダイオード素子の順方向は、第1導電型ウェルと第2導電型ウェルのpn接合の順方向と一致するよう形成され、前記ダイオード素子の順方向電圧は、第1導電型ウェルと第2導電型ウェルで形成されたpn接合の順方向電圧よりも低くなるようにし、第1導電型ウェル電極と第2導電型ウェル電極に、アクティブ時には順バイアス、スタンドバイ時には逆バイアスが印加されることを特徴とする。
【0030】
(9)第1導電型半導体層上に第1導電型と第2導電型の各ウェルを隣接して配置し、第1導電型ウェルに第2導電チャネル型MISFET、第2導電型ウェルに第1導電チャネル型MISFETを形成し、さらにスイッチ回路を形成した半導体装置であって、前記MISFETの少なくとも一方は、アクティブ状態とスタンドバイ状態とで選択的に動作し、第2導電型ウェルと前記スイッチ回路の一方が接続され、第1導電型ウェルと前記スイッチ回路の他方が接続され、前記各MISFETのソース・ドレイン一方は共通接続され、前記スイッチ回路はアクティブ状態からスタンドバイ状態に遷移する時に遮断状態から導通状態となり、第2導電型ウェルと第1導電型ウェルに、アクティブ時には順バイアス、スタンドバイ時には逆バイアスが印加されることを特徴とする。
【0031】
(10)第1導電型半導体層上に第1導電型と第2導電型の各ウェルを隣接して配置し、第1導電型ウェルに第2導電チャネル型MISFET、第2導電型ウェルに第1導電チャネル型MISFETを形成し、さらに第1の電圧供給ノード及び第2の電圧供給ノードを形成した半導体装置であって、第1導電チャネル型及び第2導電チャネル型のMISFETの少なくとも一方は、アクティブ状態とスタンドバイ状態とで選択的に動作し、第2導電型ウェルと第1のバイアス電圧発生回路の出力が第1の電圧供給ノードを介して接続され、第1導電型ウェルと第2のバイアス電圧発生回路の出力が第2の電圧供給ノードを介して接続され、第1のバイアス電圧発生回路の電流駆動能力は、第2のバイアス電圧発生回路の出力電圧の値により変化し、第2導電型ウェルと第1導電型ウェルに、アクティブ時には順バイアス、スタンドバイ時には逆バイアスが印加されることを特徴とする。
【0032】
(11)同一チップ上に、第1及び第2のMISFETと電圧供給ノードを形成した半導体装置であって、第1のMISFETのゲートとウェル電極又はゲートとボディ電極が接続され、第1のMISFETのソースと第2のMISFETのドレインが接続され、第2のMISFETのソースは電流供給ノードに接続され、第2のMISFETのウェル又はボディ電極の電圧は、前記電圧供給ノードによりスタンドバイ時とアクティブ時で少なくとも2つの定常状態をとり、第2MISFETのスタンドバイ時のしきい値をVths とし、第1のMISFETのしきい値をVthとするときVth<Vths となるように設定され、第2のMISFETのゲートの電圧は、スタンドバイ時とアクティブ時で少なくとも2つの定常状態をとり、第2のMISFETがスタンドバイ時に遮断状態となり、アクティブ時に導通状態となるように設定されていることを特徴とする。
【0033】
(11-1)第1のMISFETは、ゲートとウェル電極又はゲートボディ電極が接続され、かつソース及びドレインを共有しゲートを独立にして複数個並列接続されていること。
(11-2)第1のMISFETと第2のMISFETの多数キャリアの導電型が同一であること。
(11-3)第2のMISFETのアクティブ時のしきい値をVtha とすると、Vth>Vtha となること。
(11-4)第2のMISFETのウェル又はボディ電極は、第2のMISFETのソース電極に対し、スタンバイ時に逆バイアスを印加されており、アクティブ時に順バイアスを印加されていること。
(11-5)第1のMISFETのソース電極と第2のMISFETのドレイン電極とが接続されたノードに第3のMISFETのソース電極が接続され、第3のMISFETのゲート電極とウェル又はボディ電極とが接続され、第3のMISFETは第1のMISFETと同一チップ上に形成されていること。
(11-6)第2のMISFETのゲート電圧がスタンバイ時にそのソース電極に対し負のバイアスを印加されていること。
【0034】
(12)同一チップ上に形成された第1〜第3のMISFETと電圧供給ノードを形成した半導体装置であって、第1のMISFETのゲートとウェル電極又はゲートとボディ電極が接続され、第1のMISFETのドレインと第2のMISFETのソース電極及び第3のMISFETのゲートが接続され、第2のMISFETのドレインは電流供給ノードに接続され、第1のMISFETと第3のMISFETの多数キャリアの導電型が同一であり、第3のMISFETのウェル又はボディ電極は前記電圧供給ノードに接続され、そのゲートとは独立に電位を与えられ、スタンドバイ時とアクティブ時で少なくとも2つの定常状態を取ることを特徴とする。
【0035】
(12-1)第1のMISFETは、ゲートとウェル又はボディ電極とが接続され、かつソース及びドレインを共有しゲートを独立にして複数個並列接続されていること。
(12-2)第4のMISFETのゲート電極が第3のMISFETのゲート電極に接続され、第4のMISFETのソースドレイン電極の一方が、第3のMISFETのドレイン電極と接続され、第4のMISFETのウェル又はボディ電極は第4のMISFETのゲートと独立に電位を与えられること。
【0036】
(13)第1導電型の半導体基板上に第1導電型の第1の領域と第2の導電型の第2の領域が形成され、第1の領域は半導体基板と第2の領域によって分離して形成され、第1の領域上に第1導電型の第3の領域及び第2導電型の第4の領域が形成され、第2の領域上に第1導電型の第5の領域及び第2導電型の第6の領域が形成されており、第3、第4、第5、第6の領域がそれぞれ素子分離領域により分離されていることを特徴とする半導体装置。
【0037】
(作用)
本発明によれば、前記(1)(2)の構成を採用することにより、電源電圧を低下させてもゲート遅延時間が増加せず、ゲート電界を一定以下に保つことができる。よって、高速で、ゲート耐圧やゲート絶縁膜を流れる電荷量が一定でも、ゲート絶縁膜に対する信頼性の高い回路を形成できる。また、電源電圧を低下させることが可能なため、ドレイン電界によるホットキャリア発生も抑えることができ、よりトランジスタの信頼性を向上できる。さらに、前記(3)〜(5)の構成を採用することにより、電源電圧が低下してもアクティブ・スタンドバイ状態で基板バイアスの変化量を大きく確保でき、スタンドバイ時の低消費電力化が可能となる。
【0038】
また、前記(6)の構成を採用することにより、入力の立ち上がりではしきい値を下げ、立ち下がりではしきい値を上げることができ、これによって入力信号の立ち上がり時間又は立ち下がり時間が遅い場合のゲート遅延時間を短縮することが可能となる。
【0039】
また、前記(7)(8)の構成を採用することにより、基板バイアスコントロールを実現する際に問題となるラッチアップを解消することが可能となる。
【0040】
また、前記(9)(10)の構成を採用することにより、ウェル間の容量結合によるオーバーシュートやアンダーシュートを抑制することでき、これによりラッチアップを解消することが可能となる。
【0041】
また、前記(11)(12)の構成を採用することにより、ゲート遅延時間の増大を抑え、高集積化を実現することができる。さらに、従来例の基板バイアスの変化のないトランジスタを縦続接続した構造よりもスタンドバイ時及びアクティブ時の両方でリーク電流を減少させ、アクティブ時に電流駆動能力を確保することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0043】
(実施形態1)
本発明者らは、しきい値Vthをアクティブ時とスタンドバイ時に変化させるMISFETを用いた論理回路を形成することによって、負荷容量が一定の条件の下で、VDDが低下してもτpdを小さくし、かつゲート絶縁膜にかかる最大電界Emax を一定にする方法を新たに見出した。図3にその回路構成例を示す。
【0044】
図3(a)において、n(チャネル)型MISFET4のゲート電極はp(チャネル)型MISFET5のゲート電極と接続され、インバータの入力電極6(IN)となっている。さらに、n型MISFET4のドレイン電極はp型MISFET5のドレイン電極と接続されており、インバータの出力(OUT)となっている。また、n型MISFET4のソースば電極0V(第2の電流供給ノード)に接続され、p型MISFET5のソース電極はVDD(第1の電流供給ノード)に接続されている。これら構成より、スタティック型のインバータを構成している。
【0045】
図3(a)の構造に特徴的なことは、n型MISFET4の基板電極が可変のバイアス電源Gに接続されていることである。この電源Gは、基板バイアス効果によってトランジスタのしきい値を変化させるのに用いており、アクティブ時とスタンドバイ時に対応して、少なくとも2値の電圧を出力するようになっている。ここで、n型MISFETのスタンドバイ時のしきい値はV1 、アクティブ時のしきい値はV1 −ΔVとなっているとする。
【0046】
次に、本発明の方法を説明する前に、ゲート絶縁膜に加わる最大電界Emax が電源電圧やMISFET構造にどのように依存するかを、図2のn型MISFETのゲート−p型ウェル間バンドダイアグラムを例として説明する。なお、(実施形態1,2)においては、ウェル電極と便宜的に表記した電極は、SOI(silicon-on-insulator)構造上の部分空乏化トランジスタにおけるボディ電極や、チャネル下に形成したバックゲート電極、SOI絶縁膜の下に形成したバックゲート電極を代わりに用いても構わない。
【0047】
図2(a)は、ゲート絶縁膜1と半導体2のMIS界面のバンドダイアグラムである。図2で、Ec は伝導帯下端を、Ev は価電子帯上端を示し、図2中斜線で示した部分は半導体中の空乏層電荷を、QB は該空乏層電荷をゲート絶縁膜1に垂直な方向で積分した面密度を示す。ソースから測ったゲート電圧をVG とし、トラップによる電荷を少ないとして無視すると、ゲート絶縁膜に印加される電界Ei は次のように表される。
【0048】
i =(VG −Ψs −VFB)/ti …(1)
式(1)でti はゲート絶縁膜1の膜厚、VFBはMISキャパシタのフラットバンド電圧、Ψs は半導体2の表面バンド曲がり量とする。
【0049】
ここで、VG ≧V1 の場合、ミッドギャップから測った半導体2のフェルミレベルをφF として、表面に反転層が形成されるため、Ψs 〜2φF と固定され、式(1)は以下のように、
i =(VG −2φF −VFB)/ti …(2)
しきい値V1 に依存しない値となる。
【0050】
一方、VG <V1 の場合には、表面が空乏化し、反転層が形成されていないため、Ψs <2φF となる。ここで、VG を一定とした場合、表面バンド曲がりΨs はしきい値が上昇するほど小さくなるため、しきい値上昇に伴いEi は上昇する。特に、図1のCMOSインバータの場合、VG =VDDとなるから、図2(b)のようにVDD<V1 の場合Ei は上昇し、VDD≧V1 の場合Ei は一定値となる。
【0051】
スタンドバイ時においては、サブスレショルドリーク電流を減らすため、更にウェルとpn接合の拡散リーク電流を減らすためには、しきい値V1 を上昇させるのが望ましく、ゲート絶縁膜電界破壊やリーク電流の増大や耐圧不良を生じるのを防ぐために、Ei の絶対値を低く抑え、VDD≧V1 とするのが望ましい。図3の4で示すn型MISFETの場合、これら条件を両方とも満たすには、VDD=V1 とするのが望ましい。
【0052】
ちなみに、ゲート絶縁膜の信頼性保持に必要なVDD≧V1 という条件は、論理回路でスタンドバイ時にデータを保持する場合にも望ましい。例えば、図3(a)のインバータの場合、出力が0Vとなっている状態で、アクティブ状態からスタンドバイ状態に変化させることを考える。ここで、スタンドバイ状態において、p型MISFET5の負荷CL へ流れ込むリーク電流をI0 とする。電源電圧VDDよりもV1 が低い場合には、n型MISFET4は導通状態なので電流駆動能力は維持されるが、電源電圧VDDよりもV1 が高くなると、n型MISFET4は遮断状態、即ちサブスレショルドリーク領域になって、電流駆動能力が激減し、その流れる電流値の制御は非常に困難になる。このため、p型MISFET5の負荷CL へ流れ込むリーク電流によって出力電圧が上昇し、次段の論理回路の入力しきい値を越えてしまうとデータが破壊されやすくなる。
【0053】
ここで、VDDは、例えば外部電源電圧の変動や並列して接続された論理回路の電流消費によって、例えば5〜10%程度変動する。またさらに、電池駆動されるデバイスは、電源電圧の変動幅が10%以上と大きいため、Ei の絶対値は電源電圧変動に対する余裕を確保することが望ましい。また、しきい値も、例えば図2の基板2の不純物の数の統計揺らぎによって、一般的にV1 =βVDDとするように定数β(≦1)を定めるのが良いことが判る。
【0054】
次に、VDDを低下させてもτpdを小さくし、かつゲート絶縁膜にかかる最大電界Emax を一定にする条件を示す。
【0055】
まず、V1 =βVDDとするようにスタンドバイ時のしきい値を定めた後、アクティブ時で、図3でソース・ドレインとウェルとの接合が順バイアス方向になるように基板バイアスをスタンドバイ時よりも印加した場合を考える。この、アクティブ時とスタンドバイ時に基板バイアスを変化させる方法自体については、例えば特開平6−216346号公報や特開平6−89574号公報などで公知であるが、本発明者らは、VDDを一定として基板バイアスを順バイアス方向に印加してもゲート絶縁膜電界が増加しないことを新たに見出した。
【0056】
つまり、基板バイアスを順方向に印加した場合、反転層が形成されている場合には式(2)よりEi は一定となる。
【0057】
次に、アクティブ時、基板バイアス印加により、n型MISFETのしきい値が(V1 −ΔV)となるとして、入力6が0VからVDDまで変化する場合、出力の遅延時間τpdは、次のように表される。
【0058】
Figure 0004253052
ここで、γはVDDや基板バイアス電圧に依存しない定数で、eは1より大きく2以下のパラメータであり、特に長チャネルトランジスタではeは2となり、キャリア速度が速度飽和するに従い1に近づき、一般には1.3〜1.5の値をとる。ΔVは、しきい値のスタンドバイ時とアクティブ時の差に相当し、基板バイアスに依存するがVDDには殆ど依存しない。
【0059】
図4にΔVが0、即ち基板バイアスを変化させない従来の場合と、ΔVが有限の正の定数の場合のτpdのVDD依存性を示す。従来例では、VDDが減少するとτpdはVDD (1-e) に依存して増加するのに対し、本発明者らは、
DD<ΔV/{(e−1)(1−β)} …(4)
の範囲で、ΔVが有限の正の定数の場合には、負荷容量CL が一定の条件でもVDDが減少するとτpdは減少することを初めて見出した。なお、この式(4)において、スタンドバイ時のしきい値をVths 、アクティブ時のしきい値をVtha とし、e=2とすると、
DD(1−Vths /VDD)<Vths −Vtha …(5)
となる。
【0060】
上記の発見は、図3(b)で示すp型MISFETでも、入力6がVDDから0Vまで変化する場合の出力の遅延時間τpdを考えれば、全く同様に成り立つ。図3(b)は図3(a)で基板バイアスをアクティブとスタンドバイ状態で変化する端子を、n型MISFETではなくp型MISFETに形成した例である。この電源は基板バイアス効果によってトランジスタのしきい値を変化させるのに用いており、少なくとも2値の電圧を出力するようになっている。ここで、p型MISFETのスタンドバイ時のしきい値Vths はV1 、アクティブ時のしきい値Vtha はV1 −ΔVとなっているとする。
【0061】
ここで、τpdを減少させるには、ΔVが電源電圧に依存せず、一定の値を得られる回路が望ましい。よって、望ましい基板電圧を変化させる回路構成としては、図5(a)に示すように、n型MISFET4及びp型MISFET5に各々第1,第2の基板バイアス電圧発生回路7,8をそれぞれ接続し、基板バイアス電圧発生回路7,8にはアクティブ/スタンドバイの選択入力を設けるようにすればよい。また、図5(b)に示すように、基板バイアス発生回路7のみにアクティブ/スタンドバイの選択入力を設けてもよい。さらに、図5(c)に示すように、n型MISFET4のみに基板バイアス発生回路7を設け、この基板バイアス発生回路7にアクティブ/スタンドバイの選択入力を設けてもよい。
【0062】
また、上記ではCMOSインバータについての回路を示したが、式(3)は、いわゆるnMOS回路でも成立する。よって、図6(a)のようなデプレッション型のMOS負荷9を用いたnMOSインバータでも良いし、図6(b)のような抵抗負荷10を用いたインバータでも良い。また、図5(a)〜(c)において、n型MISFET側の基板バイアスコントロールではなく、図3(b)と同様にp型MISFET側の基板バイアスコントロールを行っても良い。
【0063】
また、τpdを減少させるには、図7に示すように、降圧回路15を設けて論理回路14に印加する電圧を下げるようにしても良い。図7(a)は降圧回路及び制御回路の構成を示し、(b)は論理回路部を示している。図7において、11は基準電圧発生回路を、12は電圧出力と基準電圧とを比較する比較器を、13は比較出力を増幅するトランジスタを、18は内部電源電圧ノードを示す。11の基準電圧発生回路の出力は12の比較器の入力に接続されている。これらは、点線の15で示すブロックで降圧回路として機能し、内部電源電圧ノード18が論理回路14に接続されている。図では比較出力を増幅するトランジスタ13としてp型MISFETを示したが、pnpバイポーラトランジスタをその代わりに用い、エミッタを外部VDD端子へ、ベースを12の出力へ、コレクタを内部電源ノード18に接続してもよい。
【0064】
また、図7において、16はp型MISFET、17はn型MISFETであり、これらはインバータを構成するように外部電源VDDと接地端との間に接続されている。このインバータにはアクティブ/スタンドバイ制御信号が入力され、インバータの出力は論理回路回路14に基板バイアスを与えるノード19に接続される。そして、アクティブ/スタンドバイ制御入力によって、ノード19は外部VDDから0Vまで変化することができるようになっている。
【0065】
論理回路14に供給される内部電源電圧は0Vより大きく外部VDDよりも小さい電圧を取るので、このような構成によって、基板バイアス電圧を内部電源電圧よりも高い電圧から0Vまで変化することができ、電源電圧よりも広い範囲の基板バイアス電圧を印加する制御回路20を形成することができる。このようにすることにより、しきい値変化量ΔVを、電源電圧範囲で基板バイアスを印加した場合より増大することができる。
【0066】
ここで、本発明者らは、図7(a)に示すような降圧回路を用いた場合に、降圧回路を用いない場合よりもインバータの負荷容量の充放電電力に対して低消費電力化が実現できることを見出した。これを図15を参照して説明する。
【0067】
図15(a)及び(b)では、p型MISFET5とn型MISFET4とが接続されてインバータが形成されており、その入力は周波数fの矩形波発振器22に接続されているとする。なお、図15(a)において発振器22の電圧は0VとVDLの2値をとり、図15(b)においては0VとVDDの2値をとるとする。また、図15(a)では、pMOSFETの一方は、降圧回路15の出力(OUT)に接続され、VDDよりも低いVDLの電位となっているとする。また、降圧回路15には電流平滑化するための容量が並列接続され、条件として、前記インバータのゲート遅延に比較して十分長い時定数で降圧回路15が応答し、ほぼ一定の直流電流Iが降圧回路15を通じて供給されているとする。
【0068】
このとき、図15(a)のインバータの負荷容量CL の充放電電流によって消費される電力は、fCL DL 2 となる。また、インバータを通過する電荷は単位時間当りfCL DLとなるから、これが降圧回路を流れる電流Iと等しくなり、降圧回路によって消費される電流はfCL DL(VDD−VDL)となる。よって、図15(a)の回路で負荷容量の充放電電流によって消費される全電力は、前記2つの成分の和、即ちfCL DLDDとなる。一方、降圧回路を用いない図15(b)の回路の場合、回路で負荷容量の充放電電流によって消費される全電力はfCL DD 2 となる。ここで、一般にVDL<VDDだから、降圧回路を用いた方が、負荷容量の充放電電流によって消費される電力を小さくすることができる。
【0069】
ここで、従来単に外部電源電圧VDDを低下させる場合には、τpdが増大する問題があった。しかし、本発明の動作条件、即ちVDL<ΔV/{(e−1)(1−β)}の範囲を満たすようにし、かつ本実施形態の図15(a)の回路構成を用いれば、外部電源電圧VDDを一定にした場合においても、τpdを小さくし、かつ負荷容量の充放電電流によって消費される全電力を小さくすることができる。また、このような構成にすることによって、配線を流れる電流Iも減少するため、配線のエレクトロンマイグレーションや信頼性の問題も緩和することができる。
【0070】
さらに、図7(a)の構成では、基板バイアス端子19の電圧は外部電圧から昇圧の必要なく形成できる。よって、発振器やチャージポンプを必要とする昇圧回路を形成するよりも簡単で、低インピーダンスな電源線を用いることができ、結果として高速低消費電力で基板電圧を変化できる。
【0071】
論理回路14の構成としては、例えば、図5(a)(b)(c)のような構造の他に、図7(b)のようなインバータのp型MISFET5の基板端子を基板バイアス変化端子19に接続する構造が挙げられる。図7(a)及び(b)の構造を組み合わせることによって、基板バイアスを、p型MISFET5のソース・ドレインと基板とのpn接合が順方向にバイアスされる電圧から、逆方向の電圧まで変化させることができる。
【0072】
また、基板バイアス制御回路としては、図8(a)及び(b)に示すような基板バイアス制御回路20も考えられる。図8(a)では、発振周波数、又はデューティ比の異なる発振器23と発振器24をアクティブ/スタンドバイ制御入力によって切り替え、基板バイアス電圧ドライブ用のトランジスタ16及び17の入力に接続することによって、外部VDDから0Vまでの間の中間の電圧を基板バイアス電圧として与えることができる。また、これらの基板バイアス電圧出力19を発振器のフィードバック入力に用いることによって、安定した電圧を供給することができる。
【0073】
また、図8(b)では、前述の発振器23,24のいずれか一方をアクティブ/スタンドバイ制御入力によって選択的に動作させて、基板バイアス電圧をアクティブ/スタンドバイに適した出力を切り替える。この場合、一方の発振器23,24を停止することができるので、より低消費電力をはかることができる。
【0074】
また、図7(a)では、VDD側に降圧回路を挿入した例を示したが、これとは逆に図9のように、接地側に降圧回路を挿入してもよい。このような構成をとることによって、p型トランジスタよりも電流駆動能力の高いn型トランジスタを降圧回路出力段13に用いることができ、より応答時間が短く素子面積の小さい回路を実現することができる。また、図9では比較出力を増幅するトランジスタ13としてn型MISFETを示したが、npnバイポーラトランジスタで代替してエミッタを外部接地端子へ、ベースを12の出力へ、コレクタを内部電源ノード18に接続してもよい。
【0075】
さらに、図9で示すように、例えば基板バイアス発生回路ブロック20のp型MISFET17のMISFET16と接続されていないソース・ドレイン端子は、例えば昇圧回路21の出力と接続してもよい。ここで、昇圧回路21はスタンドバイ状態の基板バイアス電圧を生成する方が、アクティブ状態の基板バイアス電圧を生成するよりも電流駆動能力が小さくて済むので望ましい。
【0076】
これら構成をとることによって、論理回路14の電源電圧範囲を越える基板バイアス電圧を印加することができ、より大きなΔVを確保することができ、かつ高速でスタンドバイからアクティブ状態に遷移することができる。
【0077】
更に、外部電圧VDDが低い場合には、ΔVを大きく確保するために、図10(a)のようにVDDよりも高い電圧VB2を昇圧回路21で発生し、論理回路のn型MISFET4のウェル電圧としてアクティブ時に加えてもよい。図10(a)において、昇圧回路21はVDDを入力とし昇圧電圧をVB2を発生させる。また、出力電圧をVB1とした他の基板バイアス発生回路7と昇圧回路21は切り替えスイッチを介してn型MISFET4のウェル端子19に接続されている。また、この切り替えスイッチは、アクティブとスタンドバイの制御入力によって、n型MISFET4のウェル電圧をそれぞれ、VB2及びVB1に切り替えるようになっている。
【0078】
電源電圧範囲を越えるスタンドバイ電圧とアクティブ電圧に切り替える切り替えスイッチについては、後に図14を説明する時に詳細に述べる。
【0079】
図10から図13に対応する実施形態の特長は、昇圧回路の出力と基板端子19との間ではなく、電源VDDと基板端子19との間にスイッチング素子が形成されている点である。このように素子を形成することによって、電流供給能力が低く出力インピーダンスの高い昇圧回路よりも低インピーダンスの電源線VDDによってp型ウェル4を充電することができ、スタンドバイ状態からアクティブ状態の切り替えを高速化することができる。また、昇圧回路の電流駆動能力が小さくても済むので、キャパシタを利用したチャージポンプ回路による昇圧法では、より小さな面積のキャパシタで昇圧回路を形成でき、高集積化及び低消費電力化が図れる。
【0080】
ここで、昇圧回路の出力にMISFETを形成した場合は、MISFETの一方のソース・ドレイン電極電圧がVB2で、MISFETの他の一方のソース・ドレイン電圧がVsub である場合でも遮断状態が確保できなければならないが、図10(a)の構成では、一方のソース・ドレイン電極電圧をVB2からVDDまで下げることができ、ソース・ドレイン間パンチスルーや基板バイアス効果によるしきい値の変化量の減少、ゲート絶縁膜信頼性の向上が期待できる。
【0081】
図10(a)では、VDDとn型MISFET4のウェル端子19にトランジスタ(スイッチング素子)5' を形成し、そのゲート電極をアクティブ/スタンドバイ制御入力に対してワンショットパルスを発生する回路に接続することによって、スタンドバイ時からアクティブ時への遷移時間を短くでき、電源電圧の変動にも遷移時間の増大を抑えることができる。ここで、ワンショットパルスの発生は、図10(b)のタイミングチャートで示すように、スタンドバイ時からアクティブ時に変化することで生じ、そのパルス継続時間は、ウェル端子19の電位がVB1からVDDまでの範囲内となるように決める。一般的に消費電力を小さくした昇圧回路の出力インピーダンスに対し、外部電源VDD線のインピーダンスが小さいため、VDDの電圧まではより速く充電することができる。
【0082】
ここで、簡単のために論理回路の代表として、図10(a)ではインバータで示したが、勿論NANDやNOR、パスゲート回路などのロジックでも構わず、ウェルの極性が一致した複数の論理回路で用いることができる。なお、ワンショットパルスの発生回路については、例えば特開平8−204140号公報等で公知であり、ここではその詳細は省略する。
【0083】
さらに、昇圧回路21を用いた実施形態の変形例としては、図11(a)で与えられる回路が考えられる。図11(b)にはそのタイミングチャートを示す。これは、ノード19のVsub の電圧によって、パルス発生回路の動作を制御している。ここで、p型MISFETのしきい値をVtbp として前記パルス発生回路のパルスがVDDから0Vになるのは、スタンドバイ時からアクティブ時に変化することで生じ、パルスが0VからVDDになるのは、Vsub があるしきい値(VDD−Vtbp )以上になった時となる。このような構成とすれば、トランジスタ5がonからoffとなる基板電圧Vsub を(VDD−Vthp )に保つことができ、Vsub は電源電圧VDDが変化しても常にVthp だけの電圧余裕があり、昇圧回路21から基板端子19を通じてVDD電源線に流れる漏洩電流を防ぐことができ、消費電力を小さくできる。
【0084】
さらに、図11(a)の回路変形例を図12(a)に示す。図12(a)はVDD線にp型MISFET5''のソース・ドレイン電極の一方が接続され、他のソース・ドレイン電極の一方とゲート電極が接続され、トランジスタのしきい値Vthp を有する整流性ダイオードとなっている。図12(b)にタイミングチャートを示す。このダイオード5''とトランジスタスイッチ5"'が直列接続され、ウェル端子19に接続されている。このような構成にすることにより、ここで、このトランジスタ5''と5''' が両方とも導通状態となるのは、アクティブの時で、かつ、Vsub 端子が(VDD−Vthp )以下の場合である。よって、この構成でも、図11(a)で示したのと同様、スタンドバイからアクティブに変化するときに高速に充電することができる。
【0085】
勿論、図12(a)のMOSダイオード5''を、図13のようにpn接合ダイオードやショットキーバリアダイオードとしても良いし、p型MISFETではなく、n型MISFETで形成したMOSダイオードでもよい。
【0086】
また、図12(a)では、アクティブ/スタンドバイ制御入力を、昇圧回路21及び基板バイアス回路7に入力している。本発明者らは、この切り替えスイッチと電源の構成についても新たな構成を考案した。このアクティブ/スタンドバイ制御入力は、昇圧回路21に対しては、アクティブの場合に電流駆動能力を向上し、スタンドバイ時には電流駆動能力を低下、又は昇圧を停止するようにし、この出力電圧をVa1とする。一方、スタンドバイ基板バイアス回路7に対しては、スタンドバイの場合に電流駆動能力を向上し、アクティブの時には電流駆動能力を低下、又はバイアス電圧発生を停止するようにし、この出力電圧をVa2とする。このように両回路21及び7の出力電圧を制御することにより、切り替えスイッチのVsub とVa1及びVa2間にかかる電圧を、両回路21及び7が常に動作している場合に比べ、低下させることができる。
【0087】
例えば、両バイアス回路の電流駆動能力が変化せず動作する従来例では、アクティブ時には、Vsub 及びVa2にVB2が、Va1にVB1が印加され、電流切り替えスイッチはVa1を遮断しなければならない。よって、n型MISFETのパスゲート回路を用いた図14のようなスイッチでは、アクティブ時の前記n型MISFETのゲート電圧をVGA、トランジスタのしきい値をVthn として、VGA−Vthn <VB1を満たすように設定する必要がある。ここで、VGAとして、基板バイアスを印加する論理回路と共通として0VからVDDであると考えると、VB1>−Vthn の範囲にVB1は限定される。このVB1の限定を外すには、VGAに0V以下を印加する必要がある。
【0088】
ところが、図12(a)の回路を用い、アクティブ時にスタンドバイ基板バイアス回路7のバイアス電圧発生を停止した場合には、図12(b)のように、Va1はVB1よりも0Vに近づく(この電圧をVB3とする)ので、電流切り替えスイッチの遮断能力は低くてもよい。逆に、スタンドバイ時に昇圧回路21のバイアス電圧発生を停止した場合には、図12(b)のように、Va2はVB2よりも0Vに近づく(この電圧をVB4とする)ので、Vsub 電圧VB1とVa2との差が小さくなり、両回路が動作している場合に比べ、電流切り替えスイッチの遮断能力は低くてもよい。
【0089】
よって、スイッチ用MISFETのゲート電圧の昇圧又は負電圧を印加をしなくても、例えば図14のような単純なスイッチ回路でスイッチングをすることができる。この場合、例えば切り替えスイッチのゲートに入力されるアクティブ/スタンドバイ状態制御入力(負論理)の論理電圧振幅を0VとVDDとし、p型MISFET5のしきい値Vthp をVB4−VDD<Vthp <VB2を満たすようにし、さらにn型MISFET4のしきい値Vthn を−VB3<Vthn <VDD−VB1とするように設定すれば良い。
【0090】
このように設定することによって、論理回路のMISFETを同じしきい値で切り替え信号入力を0VとVDDの範囲のトランジスタを、切り替えスイッチのトランジスタとして用いることができ、切り替えスイッチ用の昇圧電源や負電圧発生、及び電圧コンバータも必要なくなる。さらに、スイッチ回路内のMISFETのゲート電圧の昇圧も必要ないため、ゲート絶縁膜に対する信頼性も確保できる。
【0091】
図14ではnウェルに関して順方向バイアスを加える切り替えスイッチにp型MISFETを用い、逆方向バイアスを加える切り替えスイッチにn型MISFETを用いたが、相補的に、pウェルに関しては、順方向バイアスを加える切り替えスイッチにn型MISFETを用い、逆方向バイアスを加える切り替えスイッチにp型MISFETを用いればよい。
【0092】
また、典型的な均一濃度のウェルのMOSFETにおいては、基板濃度をNA と、半導体の誘電率をεs 、ソース電極から測ったスタンドバイ時の基板電圧をVBSS 、アクティブ時の基板電圧をVBSa 、電気素量をqとして、ΔVは次のように表わされる。
【0093】
Figure 0004253052
例えば1×1018cm-3の基板濃度でti =6nmのシリコンMOSFETでは、VBSS =−1VでVBSa =0Vとすると、ΔVは0.43V程度となる。ここで、β=0.8、即ちV1 =0.8VDDを満たすn型MOSFETを考えると、e≦2の条件から、VDD<ΔV/{(e−1)(1−β)}≦2.15V以下でVDD低下に従いτpdも低下する。さらに、例えばΔV=0.2[V]、V1 =0.8VDD,e=2の条件では、VDD=0.5VとVDD=0.4Vを比較すると、VDD=0.4Vの方がγCL DD/{(1−β)VDD+ΔV}e は小さくなり、MISFETをデプレッション型にしなくてもエンハンスメント型MISFETでも電源電圧を低下させると高速化することができる領域が存在する。
【0094】
なお、通常のMOSFETの基板定数(2εs qNA 0.5 (ti /εi )は、0.1〜1[V0.5 ]だから、基板バイアス電圧の変化量が電源電圧VDDよりも大きくなり、前記バイアス電圧発生回路は昇圧回路、又は外部電圧から降圧する図7のような回路が望ましい。また、一般に、e≦2の条件より、VDD<ΔV/(1−β)の範囲では、本実施形態の条件を満たし、VDD低下に従いτpdも低下する。
【0095】
ここで、シリコンMOSFETで、基板濃度を1×1019cm-3以下にするのがソース・ドレイン電極と基板電極間のトンネルリークを防ぐのに望ましい。この基板濃度条件においても、基板バイアスを0.6〜−3Vの範囲で変化させると、ΔVとしては、ti =6nmでは、0Vから6V程度まで変化させることができ、本実施形態の条件、つまりVDD<ΔV/(1−β)を満たす電源電圧は6V以下で容易に実現することができる。
【0096】
なお、本実施形態は、速度飽和が起こる短チャネル領域で、速度飽和が起きない領域よりもより高いVDDでτpdが減少する効果が生じる。これは、短チャネル領域でeが2から1に近づくために、VDDの上限のΔV/{(e−1)(1−β)}が上昇するためである。
【0097】
(実施形態2)
本実施形態では、入力信号が傾きを持っているときのCMOS論理回路のゲート遅延時間τpdを減らす回路構成について述べる。τpdを減らすには、論理回路の電流駆動能力を向上させることの他に、論理反転しきい値Vinv を下げることが必要なことは公知である(MOS集積回路の基礎(武石喜幸・原央監修),p.44)。以下、これについてCMOSインバータを例にして簡単に説明する。
【0098】
図16(a)は、図1の構造で示されるCMOSインバータ(図中に挿入図で示す)の入出力特性を示している。ここで、入力反転電圧Vinv の定義として、入力電圧がVinv の時入力電圧が出力電圧と等しくなる電圧とする。一般的に、図1のn型MISFET4ととp型MISFET5の電流駆動能力やしきい値に差がある場合には、図16(a)に示すようにVinv は必ずしもVDD/2とはならない。
【0099】
図16(b)は、前記インバータに対する入力波形及び出力波形を模式的に示す図である。ここで、入力波形の傾きをαi 、出力波形の傾きをαo とし、入出力は0VからVDDまで変化するとする。入力がVinv 以下だと、n型MISFETの電流駆動能力がp型MISFETの電流駆動能力より低いので、出力はほぼVDDに固定され、負荷容量の放電は行われない。入力がVinv 以上になると急激にn型MISFETの電流駆動能力が増すので、負荷容量の放電が開始される。よって、この時のインバータ遅延τpdを入力波形がVDD/2となった時間から、出力波形がVDD/2となった時間とすると、τpdは以下の式で表わされる。
【0100】
τpd=(2Vinv −VDD)/2αi +VDD/2αo …(7)
式(7)より、入力が0VからVDDの方向、即ち立ち上がりの方向に変化する場合、Vinv を0Vの近くまで下げることによって高速化できることが明らかである。また、逆に入力がVDDから0Vの方向、即ち立ち下がりの方向に変化する場合、Vinv をVDDの近くまで上昇させることによって高速化できる。
【0101】
以上の特性を実現する実施形態として、図17(a)の回路が挙げられる。図17(a)において、n型MISFET4のゲート電極はp型MISFET5のゲート電極と接続され、インバータの入力電極6となっている。さらに、n型MISFET4のソース・ドレイン電極の一方は、p型MISFET5のソース・ドレイン電極の一方と接続されており、インバータの出力となっている。また、n型MISFET4のソース・ドレイン電極のもう一方は0Vに接続され、p型MISFET5のソース・ドレイン電極のもう一方はVDDに接続されている。これらの構成より、スタティック型のインバータを構成している。
【0102】
図17(a)の構造に特徴的なことは、n型MISFET4のウェル電極又はp型MISFET5のウェル電極が、前記インバータの出力と抵抗素子10を介して接続され、出力電圧を基板バイアス電圧にフィードバックしていることである。また、この抵抗素子10の抵抗Rと、抵抗素子10が接続された各ウェルの全容量Cw の積RCw は、急峻な0VからVDDまでのステップ入力を与えた場合のインバータ遅延時間に比較し長くなるようになっており、かつ入力が定常な状態では、前記ウェル電極又はボディ電極の電圧はインバータの出力電圧に等しくなっている。
【0103】
また、本実施形態で説明する図17(a)(b)、図19(a)、図20(a)(b)の例では、ソース・ドレイン接合と基板との接合を順方向にバイアスするようになるため、順方向バイアスによるリーク電流を減らすためには、Siを半導体として用いた場合には、電源電圧VDDを0.6V以下で用いるのが望ましい。さらに、現在の高速スイッチング回路でゲート遅延τpdが典型的に10〜100ps程度であることや、次段のウェル容量Cw がMISFETのチャネル幅1μm当たり1〜100fFであることを考えると、抵抗素子10の大きさとして、MISFETのチャネル幅1μm当たり100Ω以上が望ましい。
【0104】
次に、本回路の動作を説明する。図18は、図17(a)に対応するインバータ入力電圧Vin、n型MISFET4のウェル電圧Vsub 、インバータ出力電圧Vout の時間変化の関係を示した図である。まず、入力が0Vの時、出力はVDDになっているので、ウェル電圧の初期値も定常状態としてVDDになっている。次に、入力が傾きαi で0VからVDDまで上昇すると、n型MISFET4のゲート容量をCg 、n型MISFET4のp型ウェルに関する全容量をCtot として、n型MISFET4のしきい値電圧Vthにゲート電圧が達するまで、容量結合により、Cg / Ctot αi の傾きでウェル電圧も上昇する。この結果、n型MISFET4のp型ウェルがより正にバイアスされることになり、基板バイアス効果によってしきい値が低下し、基板バイアスをVDDに固定した場合よりも電流駆動能力が増す。
【0105】
一方、p型MISFET5は、ゲート電圧の上昇分だけ電流駆動能力が減少する。これらにより、インバータ反転電圧Vinv が0Vに近づき、負荷容量に蓄えられた電荷を放電する遅延時間が、基板バイアスをVDDに固定した場合に比較して短くなる。さらに、インバータ入力VinがVinv より大きくなると、抵抗10を通じて前記ウェルに蓄えられた電荷がRCw の時定数で出力端子へ放電されるので最終的にはVsub はVout と同じ電位である0Vとなる。Vsub =0Vの場合、Vsub =VDDの場合よりも反転電圧Vinv は上昇するので、今度は入力がVDDから0Vに変化する場合のスイッチング速度は向上する。
【0106】
なお、図17(a)の変形例としては、抵抗素子10をn型MISFET4とp型MISFET5で共通化して、両ウェルを短絡する図17(b)の回路が挙げられる。この回路では、抵抗素子10の数を減らすことができ、インバータ面積を縮小することができる。図17(b)の回路構成では、入力が傾きαi で0VからVDDまで上昇する場合、スイッチング初期においては、p型MISFET5のチャネル反転層が既に形成されているため、n型MISFET4の基板バイアス電圧はVDDに固定され、容量結合によるn型MISFET4のしきい値低下の効果はない。しかし、反転電圧Vinv は、Vsub の定常状態の変化に従って、入力電圧が0Vの時低く、VDDの場合に高く変化し、高速スイッチング動作できる特徴は保持される。
【0107】
なお、従来より、インバータを形成するMISFETのウェル電極にインバータの入力を接続する例は公知である(特開平6−085262号公報)。本実施形態では、インバータの入力をウェル電極に接続する公知例に比較して、入力はウェル電極とは接続されていないため、ウェルとドレイン間の帰還容量、即ちミラー容量成分の増大がない。このため、より高速にスイッチング動作を行うことができる。
【0108】
また、本実施形態の変形例としては、図19(a)で示す例が挙げられる。図19(a)では、p型MISFET5のウェル電極を抵抗10を介してインバータの出力と接続され、n型MISFET4のウェル電極は他の基板バイアス回路7と接続されている。このように片方のウェルのみを論理出力端子に接続したものでもよい。勿論、n型MISFET4のウェル電極を抵抗10を介してインバータの出力と接続し、p型MISFET5は他の基板バイアス回路7と接続している構成や、第1のバイアス回路7を電源線、つまり0VやVDDの電源で代用した構成でもよい。
【0109】
図19(b)は、さらに、インバータの出力を抵抗10' ,10''による分割によって電圧を降圧し、抵抗10を介してn型MISFET4のウェル電極に接続した例である。このようにすることにより、抵抗分割によってp型MISFET5のウェルに印加される電圧をVDDよりも低下させることができ、VDDを、p型MISFET5のソース・ドレイン接合とウェル電極のpn接合の順方向電圧よりも上昇させることができる。
【0110】
また、抵抗の代わりに、図19(c)のように第3,第4のMISFET26,28を用いることもできる。この場合、n型MISFET4のウェル電極は、第3のMISFET26のソース・ドレイン電極の一方と接続され、MISFET26のソース・ドレイン電極の他の一方は、インバータの出力と接続されている。また、MISFET26のしきい値をVthとして、MISFET26のゲート端子27には前記しきい値よりも高い電圧V1 が印加されている。ここで、MISFET26のドレイン−ソース間抵抗Rと、MISFET26が接続されたウェルの全容量Cw の積RCw は、急峻な0VからVDDまでのステップ入力を与えた場合の4及び5で形成されたインバータのゲート遅延時間に比較し長くなるようになっている。
【0111】
同様に第4のMISFET28のソース・ドレイン電極の一方とp型MISFET5のウェル電極が接続され、MISFET28のソース・ドレイン電極の他の一方はインバータの出力と接続されている。また、MISFET28のゲート端子29にはMISFET28のしきい値よりも低い電圧が印加されている。
【0112】
ここで、MISFET26は、出力電圧Vout が(V1 −Vth)よりも低い時に導通し、高いときに遮断されるので、Vsub は電源電圧VDDに関わらず(V1 −Vth)に上限が固定される。よって、電源電圧VDDが変動しても一定の基板バイアス電圧を得ることができる。図19(c)のp型MISFET5、及び電圧リミッタp型MISFET28についても同様に動作することは明らかであろう。
【0113】
さらに、本実施形態の応用として、インバータのみならずNANDゲート及びNORゲートなどの多入力論理ゲート構造でも用いることができる。例えば、図20(a)に2入力NANDゲートを、図20(b)に2入力NORゲートを示す。動作は図19(a)と同様なので省略するが、図20(a)では抵抗10をそれぞれのウェルに形成した場合、図20(b)は同種のウェルで抵抗10を共通化した場合を示している。
【0114】
また、本実施形態では、例えば図17(a)の回路構成を実現するには、図21に示す素子構造が挙げられる。図21では、例えばSiからなる半導体基板上に形成されたp型ウェル31及びn型ウェル32の上部に、例えばシリコン酸化膜又は窒化膜からなるゲート絶縁膜40を介して、例えばB又はP不純物を添加したポリシリコンからなるゲート電極41が形成されている。
【0115】
ゲート電極の両側には、例えばAs又はBをイオン注入して形成した前記ウェルと逆の導電性を有するソース・ドレイン層33,36が形成されており、ソース・ドレイン層33,36の上部には、例えばCoSiやTiSiからなるシリサイド層37が形成されている。さらに、n型MISFETのソース・ドレイン層の一方の33は、例えばW,Ti,TiN,Alを含む金属で形成された配線39を介してp型MISFETのソース・ドレイン層の一方の36に接続されている。p型ウェル31とn型ウェル32との間には、例えばシリサイド酸化膜からなる素子分離絶縁体層38が形成されている。
【0116】
本実施形態で特徴的なことは、前記配線層の接続されたソース・ドレイン電極33又は36の空乏層が及ぶ範囲内に、ウェルと同じ導電性を有する、例えばAs又はBを添加した高濃度不純物添加層34又は35のいずれかが形成されており、ソース・ドレイン電極と高濃度不純物添加層との間にトンネル電流が流れること、及び配線39は高濃度不純物添加層34,35に対して直接接続されておらず、シリサイド層37は前記高濃度不純物添加層34とソース・ドレイン層33を接続していない点、及びシリサイド層37は前記高濃度不純物添加層35とソース・ドレイン層36を接続していない点にある。
【0117】
このような構造にすることによって、前記高濃度不純物添加層35とソース・ドレイン層36との間の抵抗は、シリサイド37によって決定される抵抗よりも高く、35と36との間のpn接合のトンネルリークで決まる抵抗を得ることができる。
【0118】
次に、図22(a)(b)(c)を用いて、この実施形態の半導体構造の製造工程を説明する。
【0119】
まず、例えばボロン濃度1015cm-3のp型層を形成した半導体を準備する。次いで、p型ウェル領域31にボロンを1012〜1015cm-2程度イオン注入、n型ウェル領域32にリンを1012〜1015cm-2程度イオン注入してウェル拡散し、ウェル領域の濃度を最適化する。イオン注入のエネルギーは、例えば100eVから1000eVとの間とする。これらウェル領域の濃度は1015cm-3〜1019cm-3とすればよい。次いで、半導体層の表面を酸化し、例えば0.01〜0.05μmの厚さのSi酸化膜を作成する。さらに、トレンチのマスク材となるシリコン窒化膜又はシリコン膜を例えば0.03〜0.5μm堆積する。
【0120】
次いで、例えばトレンチ分離からなる素子分離38を形成する。トレンチ分離の深さは例えば0.1〜2μmの間とし、素子分離のトレンチを形成後、例えばシリコン酸化膜からなる絶縁膜を0.1〜4μm堆積する。この後、領域38の高さに比べ±0.3μmの高さの範囲に入るようにエッチバック又はポリッシングによって素子分離トレンチ以外を取り除く。次いで、トレンチのマスク材を、例えば反応性エッチングによって取り除く。次いで、p型ウェル領域31にボロンやインジウムをイオン注入、n型ウェル領域32にリンや砒素,アンチモンをイオン注入してウェル拡散し、チャネル領域及びウェル領域の濃度を最適化してもよい。
【0121】
次いで、半導体層の表面を、例えば1〜20nm酸化又は窒化してゲート絶縁膜40を形成する。ゲート絶縁膜としては、堆積法によって形成してもよい。次いで、ゲート電極41となる多結晶シリコン膜を全面に堆積し、リン又はボロンをイオン注入してこれを低抵抗化する。さらに、リソグラフィーと反応性イオンエッチングにより加工して、ゲート電極を形成し、これにより図22(a)の形状を得る。
【0122】
次いで、図22(b)に示すように、レジスト42を全面に塗布後、リソグラフィを行い、例えばn型不純物である砒素,アンチモン,又はリンを、例えば加速電圧1〜100eVで1013〜1016cm-2イオン注入してn型ソース・ドレイン層33及びn型領域35を作成する。このように33と35を同時形成することによって、33及び35を独立に作成した場合よりも工程数を減らすことができる。さらに、レジスト42を全面に塗布後、リソグラフィを行い、例えばp型不純物であるボロン又はBF2 、インジウムを加速電圧1〜100eV、1013〜1016cm-2イオン注入してp型ソース・ドレイン層36及びp型領域34を作成する。ここで、35と36の距離及び33と34との距離はトンネルリーク電流が流れる程度、0nm〜0.3μm程度とする。
【0123】
さらに、シリサイドを33及び36上のソース・ドレイン上に選択的に形成するために、例えば全面にシリコン酸化膜からなる絶縁膜43を0.01〜1μmの厚さで堆積後、リソグラフィとエッチングによって、層34及び層35上に膜43が残るようパターニングする。その後、例えばCoかTiを0.01〜0.3μm全面堆積し、400度以上の熱工程を経ることによって選択的にソース・ドレイン上にCoSi又はTiSiを形成し、残った金属をエッチングによって取り除き図22(c)の形状を得る。
【0124】
この後は図示しないが、層間絶縁膜を堆積した後、リソグラフィーと反応性イオンエッチングにより配線コンタクト44を形成、さらに例えばAlやWからなる金属を堆積し、上部の配線層を形成して完成する。
【0125】
図21の構成の変形例としては、例えばシリサイド層37を設けない図23(a)の構成が挙げられる。この構成では、コンタクト44を基板と異なる導電タイプのソース・ドレイン層33又は36に接続し、基板と同じ導電タイプのソース・ドレイン層34又は35には接続しないことが必要である。図23(a)の変形例では、従来のCMOSプロセスから工程増加なしに構造を作成でき、シリサイド金属原子混入による応力の増大や、欠陥形成又は接合リークの悪化もない。
【0126】
さらに、他の変形例としては、絶縁体層42上に形成した半導体薄膜をトランジスタ活性領域とした図23(b)で示す変形例がある。この変形例で、半導体薄膜の厚さは、例えば、0.05μmから1μm程度の厚さで、ソース・ドレイン層33,36の拡散容量低減のために、ソース・ドレイン層が形成する空乏層が達する程度の深さであることが望ましい。この構成では、個々のトランジスタ領域は素子分離領域38で完全に分離されるため、個々のトランジスタのボディ電位を制御しやすい構造と言える。
【0127】
(実施形態3)
表面チャネルn型トランジスタのしきい値Vthは、εi をゲート絶縁膜の誘電率として、Vth=2φF +VFB−QB i /εi で与えられる。ここで、しきい値を低下させて、アクティブ時の電流駆動能力を向上するには、p型ウェルの空乏層中のアクセプタ面密度(−QB )を減少させればよい。この方法としては、例えばn型ソース・ドレイン電極とp型ウェル間で順バイアスになる方向に基板バイアス電圧を印加すればよい。ところが、アクティブ時に異なる導電型の接触した複数ウェルが形成された構造で順バイアス印加を行うと、ラッチアップやウェル電圧が不安定になる問題が生じ、特に順バイアス印加時に問題となる。これを以下に説明する。
【0128】
図24(a)は接触したウェルに形成された相補型MIS回路の素子構造断面を示している。前述した実施形態と同一部分には同一の符号を付して、その詳しい説明は省略する。図24(a)において、電極45はpウェル31に形成されたn型MISFETのソース・ドレイン電極の一方であり、0Vに接続されている。電極46' はnウェル32に形成されたp型MISFETのソース・ドレイン電極の一方であり、p型半導体からなり、VDDに接続されている。また、p型ウェル31とn型ウェル32は、p層47を介してpn接合が形成されている。ここで、p型ウェル31とn型ウェル32は直接接触していてもよいし、接触していなくてもよい。また、n型ウェル32はn型ウェル電極35を介してVss発生回路8に、pウェル31はp型ウェル電極34を介してVBB発生回路7に接続されている。
【0129】
ここで、p型電極46' ,n型ウェル32,及びp層47はpnp縦型トランジスタQ1を形成している。また、n型ウェル32,p層47,及びn型電極45はnpn横型トランジスタQ2を形成している。これらは互いにベース及びコレクタが接続され寄生サイリスタ構造を形成し、図24(b)のような等価回路を描くことができる。ここでαFP,αPNをそれぞれ、Q1,Q2の順方向ベース接地直流電流増幅率、Icoを両トランジスタの逆方向飽和電流の和、Iw1をn型ウェル32からVss発生回路8に流れる電流、Is1をVBB発生回路7からp型ウェル31へ流れる電流、さらに電源VDDから流れ込む電流、即ちラッチアップを維持するために必要な電流、いわゆる保持電流をIH とすると、次の式が成り立つ。
【0130】
H =(Ico−αFP・Iw1−αFN・Is1)/(αFP+αFN−1) …(8)
ここまでは公知であり、例えば文献(小柳光正著「サブミクロンデバイスI」(丸善、1987年)p.182-183 )にも述べられている。また、一般にウェル深さよりも素子分離間隔が広い構成では、縦型トランジスタQ1の方がベース領域が横方向に形成されたQ2よりもベース幅が短いため、電流増幅率がより大きくなり、αFP>αFN>0が成立する。
【0131】
式(8)において、保持電流IH は大きい方がラッチアップが起こりにくくなる。本発明者らは、縦型トランジスタのベースとなる層32を順方向にバイアスすると、横方向バイポーラトランジスタのベース、つまりp層47に同じ電流量を注入した場合よりもラッチアップが生じやすいことを見出した。これは、式(8)及びαFP>αFNの関係から、Is1=0かつIw1=I0 (>0)の条件の方が、Iw1=0かつIs1=I0 (>0)の条件よりもIH は小さくなることによる。よって、ラッチアップを防止するには、縦型トランジスタのベースとなる層を順バイアス条件にしないことが重要となる。
【0132】
そこで、基板を順方向にバイアスする場合に、ラッチアップ耐性を持たせる1つの実施形態を図25に示す。図25(b)で示すように、縦方向に寄生pnpトランジスタQ1のベース端子とショットキーバリアダイオード49のカソード端子が接続され、ショットキーバリアダイオード49のアノード端子が電源VDD端子と接続されており、このダイオード49は縦方向に寄生トランジスタが形成されるウェルに選択的に形成されている。
【0133】
例えば、n型半導体に対するSiのショットキーバリアダイオードの順方向電圧VSFは0.3〜0.4Vと、Siのpn接合の順方向電圧(〜0.6V)よりも低い。そこで、n型ウェル32はVDDに比べ(VDD−VSF)以下にはならないため、p型MISFETのソース・ドレイン層46,46' からの注入される電流を抑えることができ、ラッチアップが起こりにくくなる。また、ショットキーバリアダイオードは多数キャリアデバイスでpn接合ダイオードのように空間電荷層の電荷蓄積を伴わないので、電源電圧の変動にも高速に追従し動作する。さらに、ショットキー接合では、n型ウェルに対する多数キャリアである電子が電流に寄与するので、pn接合で注入される正孔よりもラッチアップが起こりにくい。
【0134】
図25(a)に図25(b)で示した回路の素子構造断面の例を示す。この図は、基本的には図24(a)と同じであるが、n型ウェル32に形成されたp型MISFETのVDDに接続されるp型半導体からなるソース・ドレイン電極の一方46' の上に金属又は導電性金属−半導体化合物膜48がオーミック接触となるように形成されている。さらに、金属又は導電性金属−半導体化合物膜48はn型ウェル32上にも形成され、n型ウェル32とショットキー接合を形成している。導電性膜48のn型ウェル上の部分は、ソース・ドレイン電極の一方46' に接して形成されてもよいし、分離した領域として、ソース・ドレイン電極と同じ導電性を持つ電極を新たに形成し、該電極とn型ウェル間とでショットキーバリア接合を形成してもよい。
【0135】
導電性膜48の材料としては、例えばW,TiSi,TiN,Ti,WSi,CoSi,Alを用い、n型ウェル32の基板表面濃度を1018cm-3以下にすれば形成することができる。例えば、TiSiやCoSiでソース・ドレイン電極の上にシリサイド形成する場合には、そのシリサイドプロセスでショットキーバリアダイオード49を形成することができ、シリサイドプロセスを用いた論理回路形成工程に対して製造工程の増加なく本実施形態を実現できる。
【0136】
この実施形態の変形例としては、図26(b)のように、ショットキーバリアダイオードを、例えばpn接合のビルトインポテンシャル(built-in potential)が前記ウェルとソース・ドレイン接合よりも小さいpn接合ダイオードで置き換えてもよい。この例としては、例えばGeを注入したシリコン上に形成したpn接合ダイオードや、ドーパント不純物添加量を、例えば1018cm-3より多くし、バンドギャップナローイングを生じさせたpn接合ダイオードが挙げられる。
【0137】
図26(a)に図26(b)で示した回路の素子構造断面の例を示す。この図は、基本的には図24(a)と同じであるが、nウェル32に形成されたp型MISFETのVDDに接続されるp型半導体からなる電極46' とnウェル32の両方の領域に渡って、例えばGeが1018〜1022cm-3程度添加されSiGe層51が形成されている(図中の破線部分)。なお、電極46' は、ソース・ドレイン層と共用してもよいし、分離して形成されてもよい。ここで、p型電極46,46' に対するnウェル32のビルトインポテンシャルは、層51が形成されていない場合よりも、層51が形成されている場合に低くなるようにする。
【0138】
このような条件において、例えばn型半導体に対する51層を介した順方向電圧VSFは、SiGeのバンドギャップがSiより狭いため、Siのpn接合の順方向電圧(〜0.6V)よりも低くなる。そこで、Nウェル32はVDDに比べ(VDD−VSF)以下にはならないため、p型MISFETのソース・ドレイン層46からの注入される電流を抑えることができ、ラッチアップが起こりにくくなる。
【0139】
基板を順方向にバイアスする場合に、ラッチアップ耐性を持たせる他の実施形態を図27に示す。図27(b)で示すように、縦方向に寄生pnpトランジスタQ1のベース端子にp型MISFET50のソース・ドレイン端子の一方とゲート電極が接続され、MISFET50の他のソース・ドレイン端子の一方が電源VDD端子と接続されている。このMISFET50のしきい値をVthp とし、|Vthp |はpn接合の順方向電圧よりも低くしておく。すると、VDD−Vthp 以下でトランジスタ50が導通状態になり、n型ウェル32はVDDに比べ(VDD−Vthp )以下にはならないため、p型MISFETのソース・ドレイン層46,46' からの注入される電流を抑えることができ、ラッチアップが起こりにくくなる。
【0140】
図27(a)に図27(b)で示した回路の素子構造断面の例を示す。この図では、nウェル32に形成されたp型MISFETのVSS発生回路に、MISFET50のゲート電極41とソース・ドレイン電極46が接続され、MISFET50のソース・ドレイン電極の他の一方である46' にVDDが形成されている。この構造では、他のp型MISFET5と同じプロセスで電圧クランプトランジスタ50を形成でき、製造工程を増加させずに回路を形成できる。
【0141】
(実施形態4)
異なる導電型の接触した複数ウェルが形成された構造で、アクティブ状態とスタンドバイ状態との遷移で、実施形態3の問題以外にも、独立した基板バイアス回路を複数ウェルに接続した場合、ラッチアップやウェル電圧が不安定になる問題が生じることを本発明者らは見出した。このことを以下に説明する。
【0142】
図28(a)は異なる2つのウェルが接したMISFETの素子構造断面で、図24(a)と同一の構造なので、詳細は省略する。この構造において、p型層47とn型ウェル32とが大きな拡散容量C1 を有している。ここで、n型ウェル32はn型ウェル電極35を介してVss発生回路8に、pウェル31はp型ウェル電極34を介してVBB発生回路7に接続されている。
【0143】
ここで、図28(b)で示すように、VBB発生回路の電圧はアクティブ状態からスタンドバイ状態に変化するにつれ、Vactive1 からVstandby1に下降するとし、Vss発生回路の電圧はVactive2 からVstandby2に上昇するとする。図28(b)では、これらは両ウェルに容量性結合がないものとしての出力を示している。ここで、VBB発生回路の電圧の単位時間当たりの減少量をΔV/Δtとし、n型ウェル32の全容量をCtot とすると、Vss発生回路8の電流供給能力がVBB発生回路7の電流供給能力よりも非常に小さい場合、n型ウェル32はp型層47とn型ウェル32の容量結合によって、(ΔV/Δt)・(C1 /Ctot )だけ電位減少する。このため、n型ウェル32の電位がVactive2 よりも下がるため、よりn型ウェル32が順方向にバイアスされラッチアップが生じる。
【0144】
逆に、スタンドバイ状態からアクティブ状態に変化する場合には、VBB発生回路7の電流供給能力よりも非常に小さい場合、n型ウェル32の電位がVstandby2よりも逆方向にバイアスされ、ゲートに印加される電界が増大し、ゲート絶縁膜の耐圧劣化や、スイッチング時間の増大、n型MISFETのソース・ドレイン電流46,46’とn型ウェル32とのブレークダウン現象を引き起こす。
【0145】
以上の問題点、特にラッチアップの問題点を解決する実施形態の回路を図29に示す。図29(a)で示すように、n型ウェル32とショットキーバリアダイオード49のカソード端子が接続され、このショットキーバリアダイオード49のアノード端子がp型ウェル31又はp型層47に接続されている。このダイオード49は縦方向に寄生トランジスタが形成されるウェルに選択的に形成されている。例えば、n型半導体に対するSiのショットキーバリアダイオードの順方向電圧VSFは0.3〜0.4Vと、Siのpn接合の順方向電圧(〜0.6V)よりも低い。
【0146】
そこで、p型ウェル31のn型ウェル32に対する順方向電圧はVSF以上にはならないため、図29(b)のタイミングチャートで示すように、アクティブ状態からスタンドバイ状態に変化する場合にラッチアップが起こりにくくなる。また、ショットキーバリアダイオードは多数キャリアデバイスでpn接合ダイオードのように空間電荷層の電荷蓄積を伴わないので、電源電圧の変動にも高速に追従し動作する。さらに、ショットキー接合では、n型ウェルに対する多数キャリアである電子が電流に寄与するので、pn接合で注入される正孔よりもラッチアップが起こりにくい。
【0147】
図30に図29(a)で示した回路の素子構造断面の例を示す。この図は、基本的には図24(a)と同じであるが、n型ウェル32の上に金属又は導電性金属−半導体化合物膜48がオーミック接触となるように形成され、n型ウェル32とショットキーバリア接合を形成している。導電性膜48はさらに、VBB発生回路7と接続されている。導電性膜48の材料としては、例えばW,TiSi,TiN,Ti,WSi,CoSi,Alを用い、n型ウェル32の基板表面濃度を1018cm-3以下にすれば形成することができる。例えば、TiSiやCoSiでソース・ドレイン電極の上にシリサイド形成する場合には、そのシリサイドプロセスでショットキーバリアダイオード49を形成することができ、シリサイドプロセスを用いた論理回路形成工程に対して製造工程の増加なく本実施形態を実現できる。
【0148】
この実施形態の変形例としては、ショットキーバリアダイオードを、例えば前記図26(b)で説明したのと同様に、pn接合のビルトインポテンシャルが前記ウェルとソース・ドレイン接合よりも小さいpn接合ダイオードで置き換えてもよい。
【0149】
基板を順方向にバイアスする場合に、ラッチアップ耐性を持たせる他の実施形態を図31に示す。図31(b)で示すように、n型ウェル32にp型MISFET5”のソース・ドレイン端子の一方とゲート電極が接続され、MISFET5”の他のソース・ドレイン端子の一方がp型ウェル31と接続されている。このMISFET5”のしきい値をVthp とし、|Vthp |はpn接合の順方向電圧よりも低くしておく。すると、VDD−Vthp 以下でトランジスタ5”が導通状態になり、n型ウェル32とp型ウェル31との間の順方向電圧はVthp 以上にはならないため、図29の実施形態と同様にラッチアップを抑えることができる。
【0150】
図31(a)では、p型ウェル31にn型MISFET4”のソース・ドレイン端子の一方とゲート電極が接続され、MISFET4”の他のソース・ドレイン端子の一方がn型ウェル32と接続されている。このMISFET4”のしきい値をVthn とし、Vthn はpn接合の順方向電圧よりも低くしておく。すると、Vthn 以上でトランジスタ4”が導通状態になり、n型ウェル32とp型ウェル31との間の順方向電圧はVthn 以上にはならないため、図29の実施形態と同様にラッチアップを抑えることができる。
【0151】
これら図31(a)(b)の構造では、他のMOSFET45と同じプロセスで電圧クランプトランジスタ4”,5”を形成でき、製造工程を増加させずに回路を形成できる。
【0152】
さらに、図32に、両ウェルの電位差を固定するために、前記2つのウェルを短絡するスイッチ回路52を設けた例を示す。図32では、アクティブ/スタンドバイ制御入力からアクティブからスタンドバイ、又はスタンドバイからアクティブへ変化するエッジを検出回路54が接続され、さらにその出力からパルス発生回路53が接続され、さらに、その出力がスイッチ回路52の入力に接続されている。
【0153】
このスイッチ回路52は図33のタイミングチャートように、アクティブからスタンドバイ、又はスタンドバイからアクティブへ変化する時に、前記2つのウェルの電位を短絡するよう動作し、n型ウェル32とp型ウェル31との電位を等しくする方向に働く。例えばn型ウェル32については、スタンドバイ時にp型ウェル31の方がより負にバイアスされているので、結果として、活性状態に変化した場合、両ウェルを接続しない場合に比べてn型ウェル32の電位は低下し、ウェル間容量結合によるオーバーシュート及びアンダーシュートを抑えることができる。
【0154】
勿論、パルス発生回路については、一定パルス幅を発生するワンショットパルス発生回路の他に、出力電圧を制御入力としてパルス幅を変調する回路を使ってもよい。
【0155】
上記までの実施形態4では、両ウェル間に形成されたコンデンサを短絡しているので、電源線に放出する電荷量がバイアス回路を単独に形成した場合よりも少なく、より電源線を微細化・エレクトロマイグレーションに対する高信頼性化を保つことができる。
【0156】
また、外部電源供給する電荷量を減らすことができるので、より低消費電力化が可能になる。さらに、電源ノイズを小さくできるので、より低ノイズの回路を実現できる。
【0157】
また、別の変形例としては、図34のように、例えば第2のバイアス発生回路8の出力のウェル電圧を制御入力として、もう一方のバイアス発生回路7の出力を制御に用い、第1のバイアス発生回路7の駆動力を制御してもよい。第2のバイアス回路8の回路構成については、例えばバイアス回路をチャージポンプ回路で構成し、その発振器の周波数やデューティ比を電圧制御入力として制御すればよい。
【0158】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。実施形態では、主にp型層47に形成されたp型ウェル31及びn型ウェル32について示したが、n型層47形成されたp型ウェル31及びn型ウェル32についてもCMOS回路については、全く相補的に同様に成立する。
【0159】
実施形態では、絶縁膜38,40,43の形成法としては、熱酸化による酸化膜形成法、30keV程度の低加速エネルギーで酸素を注入した酸化膜を形成してもよいし、絶縁膜を堆積する方法で形成してもよいし、シリコン窒化膜を堆積する方法、これらを組み合わせてもよい。また、素子分離膜や絶縁膜形成法自身は、シリコンをシリコン酸化膜やシリコン窒化膜に変換するこれら以外の方法、例えば酸素イオンを堆積したシリコンに注入する方法や、堆積したシリコンを酸化する方法を用いてもかまわない。また、勿論、この絶縁膜にシリコン窒化膜その他タンタル酸化膜、チタン酸化膜、チタン酸ストロンチウムやチタン酸バリウム、チタン酸ジルコニウム鉛などの強誘電体膜、常誘電体膜の単層膜またはそれらの複合膜を用いることもできる。
【0160】
実施形態としては、素子分離絶縁膜38としてトレンチ分離の素子分離を用いた例を示したが、LOCOS素子分離膜や、リセスド(Recessed)LOCOSや改良LOCOS法、トレンチ分離の素子分離やフィールドシールド分離を用いてもよいし、これらを組み合わせてもよい。
【0161】
実施形態では、p型Si基板上に半導体構造を形成したが、代わりにn型Si基板やGaAs基板、InP基板を用いてもよい。
【0162】
さらに、配線39及びゲート電極41は、多結晶シリコン以外の単結晶シリコン、ポーラスシリコン、アモルファスシリコン、SiGe混晶、GaAs,W,Ta,Ti,Hf,Co,Pt,Pdの金属あるいはシリサイドを用いることもできる。また、これらの積層構造にしてもよい。
【0163】
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、様々に変形して実施することができる。
【0164】
(実施形態5)
図37は、本発明の第5の実施形態に係わるインバータの回路構成例を示す図である。図37において、n型MISFET(Q2)は、ゲート電極と基板電極が接続され、GSTトランジスタとなっている。なお、以下の実施形態においては、基板電極と便宜的に表記した電極は、SOI(silicon-On-Insulator)構造上の部分空乏化トランジスタにおけるボディ電極や、チャネル下に形成したバックゲート電極を代わりに用いても構わない。
【0165】
ここで図37において、Q2のソース電極は、リーク電流を低減させるn型MISFETトランジスタ(Q3)のドレイン電極と接続されている。Q3のソース電極は、電流供給ノード106と接続されている。さらに、Q3の基板電極は、基板電圧供給ノード107と接続されている。このノード107の電圧は、アクティブとスタンドバイ時に2つの電圧の定常値を持ち、例えば電圧源104と接続されている。また、この電圧源104はアクティブとスタンドバイ時を制御するための制御入力ノード105と接続されている。
【0166】
制御入力ノード105は遅延回路113を介してノード103と接続され、ノード103はQ3のゲート電極と接続されている。このノード103は、基板電圧がアクティブ時の電圧範囲に入る場合にVactiveとなっており、基板電圧がより負になり、前記範囲から外れしきい値上昇のため高速動作ができない場合にはVstandby となるように形成されている。そこで、このノード103を、例えば高速動作が必要な回路のアクティブ動作を保証するアクティブ/スタンドバイ制御信号として用いることができる。
【0167】
トランジスタQ3は、トランジスタQ2のソース電圧の切り替え回路となっており、Q3のスタンバイ時のしきい値電圧をQ2のしきい値電圧よりも高くすることによって、スタンバイ時のリーク電流を小さくすることができる。また、電流駆動能力を向上させるためには、アクティブ時のQ3のしきい値電圧をQ2のしきい値電圧よりも低くすることが望ましい。
【0168】
なお、Q2のドレイン電極は、Q1のソース又はドレイン電極と接続されている。また、Q1のゲート電極とQ2のゲート電極が接続され、Q1はQ2と異なる伝導性のキャリアを用いたMISFET、即ちp型MISFETとなっており、Q1とQ2でCMOSインバータを構成している。
【0169】
次に、図39を用いて本回路の動作を説明する。まず、制御ノード105がスタンバイ状態の電圧からアクティブ時の電圧に変化するとする。制御ノード105のスタンバイ時の電圧及びアクティブ時の電圧は、0VからVDDの間にあることが、他の論理回路との電圧の整合性から電圧レベルの変換が不要で望ましく、例えばスタンバイ時の電圧Vstandby としては0Vとし、アクティブ時の電圧VactiveとしてはVDDとする。このため、電圧源104の出力電圧、即ちノード107の電圧は、アクティブのVactive2 からスタンバイの値Vstandby2へ基板電極とソース電極がより逆方向にバイアスされる方向に変化する。
【0170】
ここで、ノード107のVactive2 とVstandby2との電圧差は、VDDよりも大きくなることが高い駆動力を維持し、リーク電流を小さくするのに望ましく、基板バイアスをスタンドバイ時に例えば−3VDDから0V、アクティブ時に0Vから0.25V程度の正の電圧を印加することが望ましい。
【0171】
図40にQ2とQ3の基板バイアスを固定した従来例を示す。ここで、Q2,Q3のしきい値をVth1 ,Vth2 とし、チャネル幅W1 ,W2 とする。従来例では、サブスレッショルドリーク電流を減少させ、W2 を小さく保ちチップ面積を小さくするのは困難であることをまず説明する。図40では、n型MISFET(Q2)のソース電極は、スタンバイリーク電流を低減させるn型MISFET(Q3)のドレイン電極とつながっている。また、Q3のソース電極は電流供給ノード106と接続されている。さらに、Q3の基板電極は基板電圧供給ノード107と接続されている。このノード107の電圧は、アクティブとスタンドバイ時に変化しない電源、例えば電圧源104と接続されている。また、ノード103は、アクティブ/スタンドバイ制御入力と接続されており、アクティブ時にはVDDとなり、スタンドバイ時には0Vとなるとする。
【0172】
この従来の構造は、例えば文献(S.Mutoh te al."1-V Power Supply High-Speed Digital Circuit Technology with Multi-Threshold Voltage CMOS",IEEE J.Solid-State Circuits,vol.30,no.8,pp.847-854,Aug.1995)で公知である。この従来構造では、Q3の基板電圧ノード107の電圧が電圧源104に接続され固定されており、Q3のしきい値Vth2 が固定されていること、及びQ2の基板電圧も固定され、しきい値Vth1 も固定されていることが本発明と異なる。
【0173】
図41に、Vth1 =0.2VDDとし、Q2,Q3のサブスレッショルドスイング係数を共に100mV/decadeとし、Q2のソース電圧上昇による基板バイアス効果を無視した必要なチャネル幅比W2 /W1 のシミュレーション結果を示す。ここで、アクティブ時のサブスレッショルドリーク電流による消費電力を、Q1,Q2によるCMOSインバータの負荷容量のスイッチング電流による消費電力より十分小さく、例えば10%程度に抑制する条件から、かつインバータの遅延時間を短くする条件から、Vth1 は従来典型的には0.1〜0.3VDDと選ばれる。そこでここでは、0.2VDDとした。
【0174】
図41の横軸は、電源電圧VDDで正規化したQ3のしきい値Vth2 を、縦軸はQ2に比較したQ3のチャネル相対幅を示す。Q3を挿入すると、Q2のソース側の直列抵抗が増大し、Q2の飽和電流が減少しゲート遅延時間が増大する。このゲート遅延時間増大をQ3挿入がない場合の95%に保つための条件を、図41の実線で示す。また、図41の点線は、スタンバイ時のリーク電流を、Q3を挿入しない場合に比較して1/1000に減少させるのに必要な条件である。
【0175】
これらの両条件を満たすには、チャネル幅の比W2 /W1 が45以上が必要とされる。よって、Q2に比較しQ3が大面積を有することとなり、高集積化は困難となる。さらに、図41の破線は、スタンバイ時のリーク電流を、Q3を挿入しない場合に比較して1/10000に減少させるのに必要な条件である。これらの両条件を満たすには、チャネル幅の比W2 /W1 が70以上が必要とされ、従来例では、サブスレッショルドリーク電流を小さく保ち、高集積化を行うのは困難となる。
【0176】
一方、図37に示す本実施形態では、Q2としてGSTトランジスタを用いている。このためこの構造では、ゲートに正電圧VDDが印加された場合には、基板にも正電圧が印加される。よって、基板バイアス効果によって、この時基板電圧を0Vと保った場合よりもしきい値が低下し、アクティブ時の電流駆動能力がより上昇する。また、ゲート電圧が0Vの場合には、基板電圧も0Vとなるため、基板バイアス電圧を0Vと保った場合のリーク電流となる。よって、Q2の基板バイアス電圧を一定値に固定した従来例よりもON/OFF比が向上し、アクティブ時のサブスレッショルドリーク電流を小さく、かつアクティブ時の電流駆動能力を大きくするようにしきい値を設定することができる。
【0177】
また、図40の従来例のQ3の基板バイアスを変化させない場合と比較すると、本実施形態ではアクティブ時にQ3の基板バイアスを制御し、スタンバイ時よりも基板バイアス電圧を、基板とソース電極との間の電圧方向がより順方向となるように印加している。よって、基板バイアス効果によって、アクティブ時にはQ3のしきい値を低く、スタンバイ時にはQ3のしきい値を高くすることができる。よって、アクティブ時にはQ3のしきい値を低くし、チャネル幅の比W2 /W1 が小さくても、Q2のソース側の直列抵抗が増大を防ぎ、ゲート遅延時間の増大を抑え、かつQ3の面積を抑えて高集積化を実現することができる。
【0178】
さらに、スタンバイ時にはQ3のしきい値を高くし、サブスレッショルドリーク電流を小さく保つことができる。例えば、W2 /W1 =20とし、スタンバイ時のQ3のしきい値を0.8VDDとし、アクティブ時のQ3のしきい値を0.1VDDとすれば、スタンバイ時のリーク電流をQ3を挿入しない場合に比較して1/10000以下にし、かつアクティブ時の駆動電流をQ3を挿入しない場合の95%以上に保つことができることが、図41から読み取れる。このスタンドバイ時の低リーク電流とアクティブ時の高駆動電流の特性は、基板バイアス電圧を固定し、リーク電流遮断トランジスタQ3のゲート電圧入力が0VからVDDの間で変化するトランジスタでは得ることが非常に困難である。
【0179】
以上から、本実施形態の構造を用いることにより、リーク電流による消費電力が小さくかつ高速に動作する回路を実現できる。よって、本発明のGSTトランジスタと基板バイアス変化トランジスタを縦続接続した構造では、従来例の基板バイアスの変化のないトランジスタを縦続接続した構造よりもスタンドバイ時及びアクティブ時の両方で貫通電流を減少させ、アクティブ時に電流駆動能力を確保できる。さらに、後述する実施形態6と比較して、Q3のゲート電極に接続されたノード103の電圧が0VからVDDであり、論理回路に用いられる電圧範囲に限られているため、ゲート電極に電圧を印加するためのバイアス発生回路が必要なく、容易にかつ素子数を少なく回路を構成することができる。
【0180】
さらに、後述する実施形態6と比較して、ゲート電圧範囲が0VからVDDに限られ、ドレイン電圧範囲が0VからVDDに限られるので、Q3のゲート絶縁膜に印加される電圧が、ドレイン端において絶対値がVDD以下に限られるため、ゲート絶縁膜のトンネルリーク電流増大や耐圧破壊などの問題を起こすことも少ない。
【0181】
なお、本実施形態において、通常、基板電極ノード107はゲート電極ノード103に比較して大きな容量を持ち、電圧源104の電流供給能力は、0VやVDD電源の供給ノード106,106’に比較して小さいので、アクティブ状態の定常状態となるまで容量充電のための時間遅れt2を生ずる。図37の遅延回路113は、基板電極ノード107が十分アクティブ電圧の定常状態になってからゲート電極をアクティブ状態の電圧にすることによって、アクティブ電圧で動作する回路の基板バイアスが十分印加されていないことによる遅延時間の増大を防ぐための回路である。この回路の遅延時間t1はt2よりも大きいことが動作安定のため望ましく、遅延回路113を挿入することが望ましい。
【0182】
さらに、負の電圧Vstandby2を発生させる場合、Vactive2 を発生させる場合よりも電圧源104の電流供給能力は一般的に小さいため、アクティブ状態からスタンドバイ状態となるまでの時間t3はスタンドバイからアクティブ状態になるまでの時間t2にくらべ十分長くなる。例えば、文献(日経エレクトロニクス1997年7月28日号、125ページ)に、基板バイアスを変化させる回路の遅延時間が実測されており、例えばt2は1μS以下、t3は100μS以上と報告されている。そこで、図37の遅延回路113のアクティブからスタンドバイへの遷移時間t4をt3よりも短くすることによって、アクティブ状態からスタンドバイ状態への遷移時間内でQ3を流れる貫通電流を減少させることができる。
【0183】
ここで、遅延回路113の実現方法の例を図38(a)(b)(c)に示す。例えば、図38(a)に示すように、インバータを2個若しくは偶数個直列にしてゲート遅延によって時間遅れt1を生成してもよいし、図38(b)に示すように、図38(a)のインバータの間に、例えばRC(抵抗108,キャパシタ109)からなる遅延回路を挿入してもよい。また、図38(c)に示すように、入力ノード105との積をとることによって、ノード103がVactiveからVstandby になる時間t4をVstandby からVactiveになる時間t1よりも短縮してもよい。
【0184】
次に、図42に本施形態の変形例1を示す。この変形例1は、Q1の回路構成が本実施形態とは異なっており、Q1のゲート電極と基板電極102が接続されGSTトランジスタとなっており、入力はプリチャージ反転入力と接続されている。ここで、Q1とQ2の点線で囲まれた部分はダイナミックインバータを構成しており、ダイナミックインバータについては、例えば文献(S.Thompson et al.,1997 Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papers,p.69 )で公知である。
【0185】
この回路では、まずプリチャージ反転入力の電圧を低下させ、Q1のトランジスタを導通状態にした後に、プリチャージ反転入力の電圧を上昇させ、Q1のトランジスタを遮断状態にし、Q1とQ2との接続ノードに電荷を蓄積する。その後に、Q2の入力に論理信号を与えることにより、前記接続ノードの電荷を論理信号に応じてQ2でディスチャージすることによって、入力の反転信号となる出力信号を得る。変形例1でも、本実施形態のスタティックインバータと同様に、スタンドバイ時及びアクティブ時の両方で貫通電流を減少させ、アクティブ時に電流駆動能力を確保できる。また、ダイナミックインバータの特徴、即ち入力がQ2のゲートの容量を駆動するだけでよく、Q1のゲート容量を駆動する必要がなく高速動作可能な特徴がある。
【0186】
次に、図43に本実施形態の変形例2を示す。この変形例2は変形例1と同様のダイナミック回路である。ここで、Q2のソース電極とQ2’,Q2”のソース電極とが接続されるよう、またQ2のドレイン電極がQ2’,Q2”とのドレイン電極が接続されるようにGSTトランジスタを並列に接続することによって、IN1,IN2,IN3を入力とした3入力NORを実現している。さらに、本変形例では変形例1と異なり、Q1としてGSTトランジスタではなく基板バイアス変化トランジスタを用いている。このようにすることによって、Q1が導通状態になった場合に、Q1とQ2の接続ノードからQ1のドレイン電極から基板電極を通じて流れるpn接合順方向リーク電流を低減することができる。
【0187】
さらに、図44に変形例2と特性比較する従来例のスタティック3入力NOR回路を示す。従来例の多入力(ここではn入力とする)NOR回路では、1入力のインバータと比較して、立ち上がり及び立ち下がりの遅延時間を等しく、Q2のチャネル幅をインバータと同じと設計すると、p型MISFET(Q1)のゲート幅を約n倍に大きく確保する必要がある。
【0188】
これは、例えば図44では、Q1,Q1’,Q1”が直列に接続されているので、単位チャネル幅当たりのチャネル抵抗がQ1単独の場合の約3倍となるためである。さらに、p型MISFETの単位チャネル幅当たりの電流駆動能力はn型MISFETのものに比較して小さいので、例えば1.3倍から2倍の幅のp型MISFETを用意する必要がある。そこで、図44の多入力スタティックNOR回路の入力容量は、p型MISFETのゲート容量の増加のため図43の変形例2よりも大きくなる。
【0189】
図45に、図43と図44との回路をファンアウト1のインバータで駆動し、電源電圧VDDを変化させて入力に対するゲート遅延時間を比較した結果を示す。図45において、実線が図43のダイナミック回路の遅延時間であり、破線が図44のスタティック回路の遅延時間であり、ダイナミック回路Q2のしきい値を0.3V、スタティック回路Q2のしきい値は0.2VDD以下を仮定しており、ダイナミック回路の方がしきい値が高くQ2を通じて流れるアクティブ時のサブスレッショルド電流も小さい。この条件でも図45に示すように、図43のダイナミック回路の方が0.5Vから0.7Vの範囲で遅延時間が小さくなり、低消費電力かつ高速動作が可能となるのが分る。
【0190】
次に、図46に本実施形態の変形例3を示す。この例では、実施形態に加え、p型MISFET(Q1)のソース電極にp型MISFET(Q4)のドレイン電極を接続し、Q4のソース電極を電流供給ノード106’に接続している。さらに、Q4の基板電極は基板電圧供給ノード107’と接続されている。このノード107’の電圧は、アクティブとスタンドバイ時に2つの電圧の定常値を持ち、例えば電圧源104’と接続されている。また、この電圧源104’はアクティブとスタンドバイ時を制御するための制御入力ノード105と接続されている。また、Q3のゲート電極はインバータ114を介してノード103と接続されている。
【0191】
ノード103は、基板電圧がアクティブ時の電圧範囲に入る場合にVactiveとなっており、基板電圧がより負になり、前記範囲から外れしきい値上昇のため高速動作ができない場合にはVstandby となるように形成されている。そこで、このノード103を、例えば高速動作が必要な回路のアクティブ動作を保証するアクティブ/スタンドバイ制御信号として用いることができる。
【0192】
トランジスタQ4は、トランジスタQ1のソース電圧の切り替え回路となっており、Q4のスタンバイ時のしきい値電圧をQ1のしきい値電圧よりも高くすることによって、スタンバイ時のリーク電流を小さくすることができる。
【0193】
この変形例3では、Q1とQ2の両方のソース端子にリーク電流カット用トランジスタQ3及びQ4を挿入しているので、入力がスタンバイ時に確定しないランダムな論理回路に適用できる。もちろん、p型MISFETQ1のみリーク電流遮断トランジスタQ4を挿入しても、Q1に対するリーク電流の低減効果は得られる。
【0194】
図47は、本実施形態の構造を、1枚の半導体p型基板133上に実現した断面例である。図47において、130はn型MISFETで形成された基板バイアス変化トランジスタを示し、131はn型MISFETで形成されたGSTトランジスタを、132はp型MISFETで形成されたGSTトランジスタを示し、これらは1枚の半導体p型基板133上に形成されている。
【0195】
ここで、図47において、120は例えばSiO2 やSiNで形成された素子分離領域を示し、この素子分離領域120は、121で示すp型ウェル領域及び122で示すn型ウェル領域を分離する程度深く形成されており、その深さは、例えば0.01〜2μm程度とする。また、領域121及び領域122のウェハ内部には、さらに深いp型ウェル領域123と深いn型ウェル領域124が形成されている。これらの領域123及び124は、GSTトランジスタ131間、132間、及び131と132との間のウェル間分離を実現するためのものである。
【0196】
GSTトランジスタの領域では、p型ウェル領域121の下部にはn型ウェル領域124が接するように形成されており、n型ウェル領域122の下部にはp型ウェル領域123が接するように形成されている。また、GSTトランジスタの領域では、p型ウェル領域121とp型ウェル領域123とが分離して形成され、n型ウェル領域122とn型ウェル領域124とが分離して形成されている。これら構造によってGSTトランジスタの領域では、それぞれのp型ウェル領域121及びn型ウェル領域122に独立に基板バイアスが与えられるようになっている。
【0197】
また、n型MISFET130の領域では、p型ウェル領域121の下部にはp型ウェル領域123が接するように形成されおり、隣接するMISFET130でp型ウェル領域が連続して形成され、2つのMISFET共通に基板バイアスを与えることが可能になっている。また、図示はしないが、n型ウェル領域122の下部にはp型ウェル領域124が接するように形成されており、隣接するp型MISFET基板バイアス変化トランジスタでn型ウェル領域が連続して形成され、複数のMISFET共通に基板バイアスを与えることが可能になっている。
【0198】
また、基板表面上には、MISFETを構成するために、ゲート絶縁膜128及びゲート電極127、さらにゲート電極とソース・ドレイン電極を電気的に絶縁を保ち寄生容量を小さくするための絶縁体領域129がそれぞれ形成されている。さらに、n型MISFET130,131を構成する部分には、ソース・ドレイン電極となるn型層125がゲート電極127の両側に形成され、p型MISFET132を形成する部分には、ソース・ドレイン電極となるp型層126がゲート電極127の両側に形成されている。また、深いp型ウェル領域123への電気的バイアスを加えるために、浅いp型ウェル領域121とp型層126’が形成されており、これらは図の右端に示されている。また、深いn型ウェル領域124への電気的バイアスを加えるために、浅いn型ウェル領域122とn型層125’が形成されており、これらは図の左端に示されている。
【0199】
本実施形態では、GSTトランジスタの深いn型ウェル領域124が、基板バイアス変化トランジスタの深いn型ウェル領域124と接続して描かれているが、勿論これらは互いに分離していてもよく、分離した場合には深いn型ウェル領域124のそれぞれに独立に電位を加えることができる。
【0200】
また、本実施形態構造の従来にない特徴として、p型ウェル領域123とp型基板133との間にはn型ウェル領域124が形成されており、領域123がp型基板133に対して独立に電圧印加ができるようになっている。ここで、上記構造では、GSTトランジスタ131が形成されているp型ウェル領域121よりもn型ウェル領域124の電圧を例えば0.1〜1V高くし、それらに逆バイアスを加え、領域121と領域124とのpn接合容量を小さく保ち、寄生容量を小さく保つことで高速化できる。
【0201】
さらに、GSTトランジスタ132が形成されているn型ウェル領域122よりもp型ウェル領域123の電圧を例えば0.1〜1V低くし、逆バイアスを加え、領域122と領域123とのpn接合容量を小さく保ち、寄生容量を小さく保つことでトランジスタ動作を高速化できる。
【0202】
これらは、基板133と独立に電圧を設定することができ、各p型ウェル領域123と各n型ウェル領域124を電気的に分離することができる。このため、同一チップ上に形成された他のp型ウェル領域123やn型ウェル領域124から発生する少数キャリアが分離された他のウェルに及ぶことなくラッチアップやソフトエラーの誤動作を防ぐことができる。また基板と、回路や配線の容量的結合によって、電源投入時に基板電圧が電源電圧方向に変動し、各ウェルがラッチアップする問題を防ぐことができる。
【0203】
勿論、本構造では、p型ウェル領域とn型ウェル領域、及びp型基板の極性を全て逆にした構造でもよい。
【0204】
次に、図48〜図51を用いて、この半導体構造の製造工程を説明する。まず、例えばボロン濃度1015cm-3のp型層133を形成した半導体を準備する。次いで、半導体領域の表面を酸化し、例えば0.01〜0.05μmの厚さのSi酸化膜を作成する。さらに、トレンチのマスク材となるシリコン窒化膜又はシリコン膜を、例えば0.03〜0.5μm堆積する。
【0205】
次いで、例えばトレンチ分離からなる素子分離120を形成する。トレンチ分離の深さは、例えば0.1〜2μmの間とし、素子分離のトレンチを形成後、例えばシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜からなる絶縁膜を0.1〜4μm堆積する。この後、半導体基板133とシリコン酸化膜界面に比べ±0.3μmの高さの範囲に入るようにエッチバック又はポリッシングによって素子分離トレンチ以外の部分を取り除く。次いで、トレンチのマスク材を、例えば反応性エッチングによって取り除く。
【0206】
次いで、半導体領域の表面を酸化し、例えば0.01〜0.05μmの厚さのSi酸化膜又は窒化膜134を作成する。次いで、レジスト135を全面に塗布後にリソグラフィを行い、続いてボロンやインジウムを、例えば加速電圧30〜2000eV、1013〜1016cm-2イオン注入してp型ウェル領域123を形成する。打ち込み深さは、少なくとも素子分離120の底面より下にp型層が達する深さにし、複数の素子分離120の下にp型ウェル領域が連続して形成されるようにする。
【0207】
さらに、例えばリン又は砒素を、例えば加速電圧50〜2000eV、1013〜1016cm-2イオン注入してp型層より基板内部にあるn型ウェル領域124を形成する。打ち込み深さは、p型ウェル領域123よりも基板内に形成されるようにする。リン又は砒素は一価の正イオンではなく、二価の正イオンとして注入し、加速電圧を下げてもよい。このようにして、図48に示す断面構造が形成される。
【0208】
次いで、図49に示すように、再びレジスト135を全面に塗布後にリソグラフィを行い、続いてリン,砒素又はアンチモンを、例えば加速電圧30〜2000eV、1013〜1016cm-2イオン注入してn型ウェル領域124’を形成する。打ち込み深さは、少なくとも素子分離120の底面より下にn型層が達する深さにする。また、p型ウェル領域123がn型ウェル領域124及び124’に囲まれてp型基板133と電気的に分離されるようにする。この後に、イオン注入欠陥回復のための700〜1100℃、10秒〜60分程度の熱工程を加えてもよい。
【0209】
次いで、レジスト135を灰化して取り除いた後、図50に示すように、再びレジスト135を全面に塗布後にリソグラフィを行い、続いてボロンやインジウムを、例えば加速電圧30〜500eV、1013〜1016cm-2イオン注入してp型ウェル領域121を形成する。ここで、p型ウェル領域121とn型ウェル領域124との境界は、素子分離120の底面より表面に近く形成されるようにする。このようにすることによって、GSTトランジスタの個々のウェル分離が実現できる。p型ウェル領域121とp型ウェル領域123とは、間にn型層が挿入されることなく接触するよう形成されるようにする。
【0210】
このように形成することで、n型MISFETのGSTトランジスタ131の個々のウェルとウェル分離、n型MISFET基板バイアス変化トランジスタ130のウェル、及び図の右端に示されているp型ウェル領域123に対して電気的バイアスを加えるための浅いp型ウェル領域121が同時に形成できる。
【0211】
次いで、レジスト135を灰化して取り除いた後、図51に示すように、再びレジスト135を全面に塗布後にリソグラフィを行い、続いてリン,砒素又はアンチモンを、例えば加速電圧30〜500eV、1013〜1016cm-2イオン注入してn型ウェル領域122を形成する。ここで、n型ウェル領域122とp型ウェル領域123との境界は、素子分離120の底面より表面に近く形成されるようにする。このようにすることによって、GSTトランジスタの個々のウェル分離が実現できる。n型ウェル領域122とn型ウェル領域124とは、間にp型層123が挿入されることなく接触するよう形成されるようにする。
【0212】
このように形成することで、p型MISFETのGSTトランジスタ132の個々のウェルとウェル分離、p型MISFETのウェル、及び図の左端に示されているn型ウェル領域124に対して電気的バイアスを加えるための浅いn型ウェル領域122が同時に形成できる。ここで、図47の左端の浅いn型ウェル領域122では、勿論、p型MISFETで形成された基板バイアス変化トランジスタを作ることが可能であり、このn型ウェル領域122は基板133の電位とは独立に電圧印加できることは明らかである。
【0213】
本実施形態における製造工程上の新たな点は、以上述べたように、僅か4つのリソグラフィマスクを用いることで、p型及びn型両方のGSTトランジスタのウェルを形成するのと同時に、p型及びn型両方の基板バイアス変化トランジスタのウェルを形成でき、さらにこれらがp型基板133と独立にバイアス電圧を印加でき、さらにその電圧印加を行う端子を表面から取り出せることにある。また、マスク数が少ないため、従来に比較して工程短縮が可能になり、さらにGSTトランジスタと基板バイアス変化トランジスタの間の合わせずれ精度を、本実施形態よりも多くのリソグラフィステップを用いた場合よりも向上させることができ、よりチップ面積を縮小することができる。
【0214】
このため、本実施形態で説明した、基板バイアス変化トランジスタとGSTトランジスタのCMOS回路を単一チップ上に集積可能となり、よりチップ面積を小さくし高速化することができる。
【0215】
次いで、上記したウェル形成後に、イオン注入欠陥回復のための700〜1100℃、10秒〜60分程度の熱工程を加えてもよい。さらに、レジスト135を灰化して取り除き、例えば弗化アンモニウム溶液で絶縁膜134を剥離した後、半導体層の表面を、例えば3〜100nm酸化又は窒化してゲート絶縁膜128を形成し、ゲート電極127となる多結晶シリコン膜を全面に堆積し、リン又はボロンをイオン注入してこれを低抵抗化する。この上に、例えばシリコン酸化膜やシリコン窒化膜からなる絶縁膜129を10〜300nm全面堆積してもよい。
【0216】
さらに、リソグラフィーと反応性イオンエッチングにより加工して、ゲート電極を形成する。例えば、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜からなる絶縁膜129を、例えば1〜300nm全面堆積し、異方性イオンエッチングによってゲート電極の側壁に選択的に残すようにする。この絶縁膜129は、ゲート上面と側面を囲む形となり、ゲートとソース・ドレイン電極との短絡を防ぎ容量性結合を弱くする働きがあり、より信頼性が高く高速な論理回路が実現できる。
【0217】
次いで、レジストを全面に塗布後にリソグラフィを行い、例えばn型不純物である砒素,リン,又はアンチモンを、例えば加速電圧1〜30eV、1013〜1016cm-2イオン注入してn型ソース・ドレイン層125及びn型ウェルコンタクト層125’を作成する。さらに、レジストを全面に塗布後、リソグラフィを行い、例えばp型不純物であるボロン又はBF2 、インジウムを加速電圧1〜30eV、1013〜1016cm-2イオン注入してp形ソース・ドレイン層126及びp型ウェルコンタクト層126’を作成することにより、前記図47の形状を得る。
【0218】
この後は図示しないが、例えばCoかTiを0.01〜0.3μm全面堆積し、600℃以上の熱工程を経ることによってソース・ドレイン上に選択的にCoSi又はTiSiを形成し、残った金属をエッチングによって取り除き、ソース・ドレインにシリサイドを形成して低抵抗化してもよい。そして、層間絶縁膜を堆積した後、リソグラフィーと反応性イオンエッチングにより配線コンタクトを形成、さらに例えばAlやWからなる金属を堆積し、上部の配線層を形成して完成する。
【0219】
本断面構造例として、例えば素子分離幅を0.1μm、素子分離深さを0.2μmとし、基板133のボロン濃度を1×1015cm-3とし、p型領域より基板側に形成されたn型ウェル領域124として、ピーク深さ0.5μm、ピーク濃度が2×1017cm-3、ピーク濃度の半分となる半値幅を0.1μmとなるように、例えばリンをイオン注入して形成する。さらに、p型ウェル領域123として、ピーク深さ0.25μm、ピーク濃度が5×1017cm-3、ピーク濃度の半分となる半値幅を0.07μmとなるように例えばボロンをイオン注入して形成する。加えて、n型ウェル領域124’として、ピーク深さ0.25μm、ピーク濃度が5×1017cm-3、ピーク濃度の半分となる半値幅を0.09μmとなるように、例えばリンをイオン注入して形成する。
【0220】
また、浅いp型ウェル領域121として、ピーク深さ0.13μm、ピーク濃度が1×1018cm-3、ピーク濃度の半分となる半値幅を0.05μmとなるように例えばボロンをイオン注入して形成する。さらに、浅いn型ウェル領域122として、ピーク深さ0.13μm、ピーク濃度が1×1018cm-3、ピーク濃度の半分となる半値幅を0.05μmとなるように例えばリンをイオン注入して形成する。
【0221】
また、n型ソース・ドレイン層125、及びn型ウェル領域122に対するn型コンタクト層125’として、例えば砒素又はリンをピーク深さ0.01μm、ピーク濃度が2×1020cm-3、濃度が1×1018cm-3となるまでのピーク深さから測った幅が0.05μmとなるようにイオン注入する。さらに、p型ソース・ドレイン層126、及びn型ウェル領域121に対するp型コンタクト層126’として、例えばボロン又はBF2 をピーク深さ0.01μm、ピーク濃度が2×1020cm-3、濃度が1×1018cm-3となるまでのピーク深さから測った幅が0.05μmとなるようにイオン注入する。
【0222】
このような構造で、n型ソース・ドレイン層125に0V、p型ウェル領域121に0.6V、n型ウェル領域124に0.6V、p型ウェル領域123に0V、n型ウェル領域122に0V、p型ソース・ドレイン層126に0.6V加えても、n型ソース・ドレイン層125からのリーク電流を10-7A/μm2 以下、p型ソース・ドレイン層126からのリーク電流を10-7A/μm2 以下に抑えることができ、電源電圧VDDが0.6Vではラッチアップが生じない。
【0223】
また、このリーク電流はnpn及びpnpバイポーラトランジスタ動作による電流であるため、n型ソース・ドレイン層125に0Vより高く0.6Vよりも低い電圧を加え、p型ソース・ドレイン層0Vより高く0.6Vよりも低い電圧を加えると、n型ソース・ドレイン層125に0V、p型ソース・ドレイン層126に0.6V加えた場合に比較してリーク電流を大きく低減できる。よって、例えば前記図46のQ3,Q4で示したリークカットトランジスタを挿入することによって、GSTトランジスタのソース・ドレイン電圧を0Vより高く0.6Vよりも低い電圧にすることができ、GSTトランジスタのソース・ドレイン電極からウェルへ流れるリーク電流をGSTトランジスタ単独よりも大きく低減できる。
【0224】
(実施形態6)
図52は、本発明の第6の実施形態に係わる論理回路の構成を示す図である。本実施形態は実施形態5の図46と、リーク電流遮断トランジスタQ3,Q4のゲート電圧の印加方法が異なっている。なお、実施形態5と同一部分には、同一符号をつけて詳しい説明は省略する。
【0225】
図52において、Q3のゲート電極143は、スイッチ回路を介して、負バイアス電源140、及びそれよりも正の電圧を与えるノード142と二者択一で接続される。ここで、ノード142としては、図52では、例えば電源VDDの電圧を与えるノードとしている。ここで、前記スイッチ回路は、遅延回路103の出力141を制御入力としており、アクティブ時には、ノード142と143が接続されるよう、スタンバイ時にはノード140と143が接続されるよう制御している。
【0226】
さらに、図52において、Q4のゲート電極143’は、スイッチ回路を介して電源電圧VDDよりも正のバイアス電源140’、及びそれよりも負の電圧を与えるノード142’と二者択一で接続される。ここで、ノード142’として図52では、例えば0Vの電圧を与えるノードとしている。前記スイッチ回路は、遅延回路103の出力141をインバータ114で反転した出力141’を制御入力としており、アクティブ時にはノード142’と143’が接続されるように、スタンバイ時にはノード140’と143’が接続されるように制御している。
【0227】
Q3,Q4のゲート電圧印加回路は、独立に形成してもよく、Q3又はQ4の片側のみ本実施形態の構造をとり、もう一方を前記図46の構造のQ3又はQ4のようにしてもよい。
【0228】
本実施形態のアクティブ時の動作は、実施形態5と同じであるので省略する。スタンバイ時には、Q3のゲート電圧が実施形態5の0Vよりも負バイアスとなるため、よりQ3のサブスレッショルドリーク電流を減らすことができる。さらに、スタンバイ時には、Q4のゲート電圧が実施形態5のVDDよりも正バイアスとなるため、よりQ4のサブスレッショルドリーク電流を減らすことができる。また、ゲート容量が基板の容量よりも小さい場合には、ゲート電圧を負にする方がリーク電流を減少させるための充放電電荷量を減らすことができ、スタンドバイ/アクティブ動作切替え時の消費電力を小さく高速動作させることができる。また、基板バイアス発生回路104,104’の電流供給能力が小さくても十分カットオフでき、その面積を小さくできる。
【0229】
本実施形態においても、Q3,Q4には基板バイアスを変化するトランジスタを用い、ドレインリーク電流を削減している。これは、微細MISFETでは、基板バイアスを変化させる方法が、ゲート電圧を負に印加する方法よりも信頼性を損なわずそれらのトランジスタのドレインリークを減少させるのに有効な手段だからである。これを、図53を用いて説明する。
【0230】
図53(a)は、基板バイアスによってリーク電流を低減する実施形態5及び実施形態6のQ3の回路を模式的に示す。ここで、Q3のドレイン電極は正の電圧、例えば0.1〜5VのVDDに接続されているとし、トランジスタのしきい値を正とし、ゲート電圧を0Vとして、トランジスタを遮断状態にしているとする。そして、基板バイアスVsub を負に印加することによって、ドレインリーク電流を減少させる。これに対し、図53(b)では、基板バイアスは固定、例えば0Vとし、ゲート電圧VG を負に印加し、ドレイン電流を減少させている。この両者での、ドレイン電流ID とゲート電圧VG の関係を図53(c)に示す。
【0231】
n型MISFETにおいては、ゲート電圧を負に印加することによって、サブスレッショルドリーク電流はより低減できる。このサブスレッショルドリーク電流は、図53(c)において、ゲート電圧に対し正の傾きで示されている。しかし、微細トランジスタにおいては、ドレイン電圧を印加した状態でゲート電圧を負に印加すると、ドレイン電極の表面がゲート電圧で強く反転した層を通じてドレイン電極と基板電極との間にトンネルリーク電流、いわゆるGIDL(Gate-Induced Drain Leakage current)が流れる。このGIDLは、ゲート電圧がより負になると、より大きくなり、図53(c)において、ゲート電圧に対し負の傾きで示されている。GIDLについては、例えば文献(J.Chen,T.Y.Chan,I.C.Chen,P.K.Ko and C.Hu,"Subbreakdown Drain Leakeage Current in MOSFET",IEEE Electron Device Letters,vol.EDL-8.No.11,November,pp.515-517,1987)で公知である。
【0232】
GIDLは、ゲート電圧がより負に印加され、ゲート電圧とドレイン電圧との差が大きくなると大きくなるため、図53(c)の実線で示すように、図53(b)の基板電圧を0Vに固定のトランジスタでは、ドレインリーク電流は、ドレイン電圧とゲート電圧で決まる極小値ID2までしか減少できない。これに対し、基板電圧を負に印加しドレインリーク電流を削減する回路では、ゲート電圧とドレイン電圧との差は変化しないため、基板バイアス印加によるGIDLの増大は殆ど生じない。よって、図53(c)の点線で示すように、しきい値が正にシフトする基板バイアス効果によって、ゲート電圧が0Vでもサブスレッショルドリーク電流を低減できる。よって、ゲート電圧を負に印加する場合よりも、ゲート電圧を0V印加した場合にはGIDLを減少させることができ、全体として、ドレインのリーク電流をID2よりも減少したID1まで小さくすることができる。
【0233】
(実施形態7)
図54に本発明の第7の実施形態を示す。本実施形態は、実施形態5の図43の回路をドミノ回路に適用した例である。なお、実施形態5及び実施形態6と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0234】
図54において、Q2とQ1の接続ノード147は、p型MISFET(Q5)のゲート電極及びn型MISFET(Q6)のゲート電極と接続されている。ここで、Q5のドレイン電極はQ6のドレイン電極と接続され、これらはスタティックインバータとなっている。さらに、Q5の基板電極は基板電極供給ノード146と接続されている。このノード146の電圧は、アクティブとスタンドバイ時に2つの電圧の定常値を持ち、例えば電圧源104''と接続されている。また、この電圧源104''はアクティブとスタンドバイ時を制御するための制御入力ノード105と接続されている。
【0235】
また、Q6の基板電極は、基板電圧供給ノード145と接続されている。このノード145の電圧は、アクティブとスタンドバイ時に2つの電圧の定常値を持ち、例えば電圧源104''' と接続されている。また、この電圧源104''' はアクティブとスタンドバイ時を制御するための制御入力ノード105と接続されている。即ち、Q5とQ6は基板バイアス変化トランジスタとなっている。
【0236】
このスタティックインバータは、次段の論理回路の駆動能力増大及び論理振幅増大、又は前段ダイナミックNOR回路の遅い立ち上がり波形を整形し速い立ち下がり波形を得るためのものである。図の147ノードより左側は、図43と同じであり、ダイナミック回路の動作は実施形態5で説明したものと同じなので省略する。よって、図の147ノードより左側は、実施形態5及び実施形態6で説明した他の構成を用いてもよい。
【0237】
本実施形態で特徴となる点は、Q2はGSTトランジスタで形成され、Q5,Q6はゲート電極と基板電極が電気的に接続されていないトランジスタで形成されている点である。このようにすることにより、GSTトランジスタのみでインバータを構成した場合の貫通電流経路を経つことができる。これを図54を用いて説明する。
【0238】
まず、図54において、IN1からIN3のいずれかが“H”レベル、例えばVDDとなっているとする。この時、Q2,Q2’又はQ2”のいずれかは導通状態となっており、ノード147の電位はVDDより減少し、Q2のドレインとQ1のドレインとが接続されているノード147からQ3を通じてグランドレベルに電流が流れる。ここで本実施形態では、Q5のトランジスタがGSTトランジスタではなく、基板バイアス可変トランジスタで形成されているので、前記図36で示したような、Q5を通じたVDDとゲート電極間に流れる貫通電流は生じない。よって、貫通電流によってノード147の電位が上昇し、論理的に誤動作をするのを防ぐことができ、かつ貫通電流によるリークを防止できる。
【0239】
また次に、IN1からIN3の全てが“L”レベル、例えば0Vとなっているとする。この時、Q2,Q2’又はQ2”の全てが遮断状態となっており、ノード147の電位はほぼVDDとなっている。ここで本実施形態では、Q6のトランジスタがGSTトランジスタではなく、基板バイアス可変トランジスタで形成されているので、Q6のゲート電極から基板電極を通じてソース電極へ流れる貫通電流は生じない。よって、貫通電流によってノード147の電位が下降し論理的に誤動作をするのを防ぐことができ、かつ貫通電流によるリークを防止できる。
【0240】
図55に、本実施形態の変形例を示す。この変形例では、図54に示した3入力ORを一般化したものである。図55において、148はGSTトランジスタで形成された直列又は並列接続回路を示している。これらは、図中INx(x=1,2…n)で示されたゲート及び基板電極が接続された入力を持つn型MISFETトランジスタのソース・ドレイン電極を縦続接続又は並列接続して論理回路を形成する。この148の回路ブロックの例としては、例えば図56で示す回路が挙げられる。
【0241】
この回路は、n型MISFETトランジスタQ2のドレイン電極とn型MISFETトランジスタQ2”のソース電極とが直列接続されており、さらにそれらにn型MISFETトランジスタQ2’のソース・ドレイン電極が並列接続されている。この回路では、IN1とIN3との両方がVDD、又はIN2がVDDの時に147ノードと106ノードが導通する。よって、このような回路でAND,OR回路が実現でき、任意の非反転論理回路を合成することができる。
【0242】
図55において、回路ブロック148の出力ノード147は、例えばCMOSインバータからなる回路ブロック149の入力に接続されている。ここで、重要なことは、149の回路ブロックはGSTトランジスタではなく、ゲートと基板端子とに別の電圧を印加できるトランジスタによってゲート入力が形成されていることである。このようにすることにより、本実施形態で説明したように、回路ブロック149の電源ノードからノード147への貫通電流によってノード147の電位が変化し論理的に誤動作をするのを防ぐことができ、かつ貫通電流によるリークを防止できる。
【0243】
もちろん、回路ブロック149としては、インバータではなく他の論理回路、例えばNORやNANDなどで形成しても、回路ブロック149のノード147に対する入力が、ゲート電極と基板端子と別の電圧を印加できるトランジスタによって形成されていればよい。
【0244】
図57は、本実施形態の別の変形例であり、Q3と回路ブロック148との間に、GSTトランジスタ(Q5)が挿入されている点が先の変形例と異なっている。すなわち、Q5のソース電極はQ3のドレイン電極と接続され、Q5のドレイン電極は回路ブロック148と接続されている。また、Q5のゲートと基板電極は互いに接続され、Q1のゲートと基板電極と接続されプリチャージ反転入力となっている。
【0245】
この回路は、いわゆるドミノ論理回路となっており、回路ブロック148に直列接続されたQ5がQ1と同期して駆動されているため、プリチャージ反転入力が0V又はVDDの定常状態で、電源VDDから0Vへ貫通する電流が流れず、より低消費電力を図ることができる。また、Q1として、GSTトランジスタを用いることにより、アクティブ時に、基板バイアス変化トランジスタよりも、より高いON/OFF比が実現できる。
【0246】
以上説明したようにまた、本発明の実施形態5及び実施形態6の構造を用いれば、サブスレッショルドリークを減少させるために縦続接続するリーク減少トランジスタQ3のチャネル幅が小さくても、ゲート遅延時間の増大を抑え、かつQ3の面積を抑えて高集積化を実現することができる。さらに、スタンバイ時にはQ3のしきい値を高くし、サブスレッショルドリーク電流を小さく保つことができる。また、GSTトランジスタと基板バイアス変化トランジスタを縦続接続した構造では、従来例の基板バイアスの変化のないトランジスタを縦続接続した構造よりもスタンドバイ時およびアクティブ時の両方でリーク電流を減少させ、アクティブ時に電流駆動能力を確保できる。
【0247】
さらに、実施形態5の変形例2の構造を用いれば、従来のスタティックNOR回路よりも高速かつ低消費電力なダイナミックNOR回路が実現できる。
【0248】
加えて、実施形態5を実現するウェル構造を用いれば、半導体基板上に、GSTトランジスタと基板バイアス変化トランジスタをCMOSで4つのリソグラフィマスクでウェル領域を形成でき、別々に形成した場合よりも工程数を削減でき、工程数を短縮できる。さらに、GSTトランジスタと基板バイアス変化トランジスタの間のウェルの合わせ精度を、実施形態よりも多くのリソグラフィステップを用いた場合よりも向上させることができ、よりチップ面積を縮小することができる。このため、基板バイアス変化トランジスタとGSTトランジスタのCMOS回路を単一チップ上に集積可能となり、よりチップ面積を小さくしソース・ドレイン部の拡散容量による遅延、配線遅延を小さくし、高速化することができる。
【0249】
また、これらウェルは半導体基板と独立に電圧を設定することでき、各p型領域と各n型領域を電気的に分離することができる。このため、同一チップ上に形成された他のp型領域やn型領域から発生する少数キャリアの電気的に分離したウェルへの注入を防ぐことができ、ラッチアップやソフトエラーの誤動作を防ぐことができる。また基板と、回路や配線の容量的結合によって、電源投入時に基板電圧が電源電圧方向に変動し、ラッチアップする問題を防ぐことができる。
【0250】
また、実施形態7の構造を用いれば、GSTトランジスタを縦続接続した場合に問題となる貫通電流の問題がなくより、低消費電力化を図ることができる。
【0251】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。実施形態5〜7では、絶縁膜129,120,128,134の形成法としては、熱酸化による酸化膜形成法、30keV程度の低加速エネルギーで酸素を注入した酸化膜を形成してもよいし、絶縁膜を堆積する方法で形成してもよいし、シリコン窒化膜を堆積する方法、これらを組み合わせてもよい。さらに、素子分離膜や絶縁膜形成法自身は、シリコンをシリコン酸化膜やシリコン窒化膜に変換するこれら以外の方法、例えば酸素イオンを堆積したシリコンに注入する方法や、堆積したシリコンを酸化する方法を用いてもかまわない。また、勿論この絶縁膜にシリコン窒化膜その他、タンタル酸化膜,チタン酸化膜,チタン酸化膜,チタン酸ストロンチウムやチタン酸バリウム,チタン酸ジルコニウム鉛などの強誘電体膜、常誘電体膜の単層膜又はそれらの複合膜を用いることもできる。
【0252】
実施形態としては、素子分離としてトレンチ分離の素子分離を用いた例を示したが、LOCOS分離法やリセスドLOCOSや改良LOCOS法、メサ分離、トレンチ分離の素子分離やフィールドシールド分離を用いてもよいし、これらを組み合わせてもよい。
【0253】
実施形態では、半導体層133としてp型Si基板を用いたが、代わりにn型Si基板やSOI基板,GaAs基板,InP基板,SiGe混晶基板,SiGeC混晶基板を用いてもよい。また、n型MISFETの代わりにp型MISFETに適用してもよく、その場合、上述の実施形態のn型をp型、p型をn型と読み替え、さらに、ドーピング不純物種のAs,P,SbをIn,Bのいずれかと読み替え、イオン注入の場合にはAs,P,SbをIn,B,BF2 のいずれかと読み替えればよい。
【0254】
また、各層125,126,125’,126’,及びゲート電極127は、単結晶シリコン,多結晶シリコン,ポーラスシリコン,アモルファスシリコン,SiGe混晶,SiGeC混晶,GaAs,W,Ta,Ti,Hf,Co,Pt,Pdの金属或いはそのシリサイドを用いることもできる。また、これらの積層構造にしてもよい。
【0255】
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、様々に変形して実施することができる。
【0256】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、電源電圧を低下させてもゲート遅延時間τpdが増加せず、ゲート電界を一定以下に保つことができる。よって、高速でゲート耐圧やゲートを流れる電流量に関する信頼性の高い回路を形成できる。また、電源電圧を低下させることが可能なため、ドレイン電界によるホットキャリア発生も抑えることができ、よりトランジスタの信頼性を向上できる。さらに本発明によれば、基板バイアスコントロールを実現する際に問題となるラッチアップの問題を解消することができる。
【0257】
また本発明によれば、ゲート遅延時間の増大を抑え、高集積化を実現することができ、さらに従来例の基板バイアスの変化のないトランジスタを縦続接続した構造よりもスタンドバイ時及びアクティブ時の両方でリーク電流を減少させ、アクティブ時に電流駆動能力を確保することができる。従って、スタンドバイ時の貫通電流を小さくし、かつアクティブ時の電流駆動能力を確保し、かつアクティブ時のリーク電流も小さく保つ回路構成を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のMISFETインバータの回路構成を示す図。
【図2】n型MIS構造におけるバンドダイアグラムと絶縁膜電界のしきい値依存性を示す図。
【図3】第1の実施形態に係わるインバータの回路構成例を示す図。
【図4】第1の実施形態において、インバータ遅延の基板バイアスを変化させる効果を説明するための図。
【図5】第1の実施形態に係わるインバータの回路構成例を示す図。
【図6】第1の実施形態に係わるインバータの回路構成例を示す図。
【図7】第1の実施形態における基板バイアスを制御する回路ブロックと論理回路の構成例を示す図。
【図8】第1の実施形態における基板バイアスを制御する回路ブロックの構成例を示す図。
【図9】第1の実施形態における基板バイアスを制御する回路ブロックの構成例を示す図。
【図10】第1の実施形態における基板バイアスを変化させる回路構成例とタイミングチャートを示す図。
【図11】第1の実施形態における基板バイアスを変化させる回路構成例とタイミングチャートを示す図。
【図12】第1の実施形態における基板バイアスを変化させる回路構成例とタイミングチャートを示す図。
【図13】第1の実施形態における基板バイアスを変化させる回路構成例を示す図。
【図14】第1の実施形態における切り替えスイッチの回路構成例を示す図。
【図15】第1の実施形態において、降圧回路を用いることによる低消費電力化を説明するための図。
【図16】インバータの入出力特性と入力が一定の傾きを有する場合の回路遅延を説明するための図。
【図17】第2の実施形態における高速スイッチング回路の構成例を示す図。
【図18】図17のインバータの入力が一定の傾きを有する場合の基板バイアスと回路遅延を示す図。
【図19】第2の実施形態における高速スイッチング回路の構成例を示す図。
【図20】第2の実施形態における高速スイッチング回路の構成例を示す図。
【図21】第2の実施形態における素子構造断面を示す図。
【図22】図21の素子の製造工程を示す図。
【図23】第2の実施形態における高速スイッチング回路の構成例を示す図。
【図24】ウェルが接する構造でラッチアップが生じることを説明するための図。
【図25】第3の実施形態における素子構造断面と寄生サイリスタ構造の等価回路を示す図。
【図26】第3の実施形態における素子構造断面と寄生サイリスタ構造の等価回路を示す図。
【図27】第3の実施形態における半導体装置の素子構造断面と寄生サイリスタ構造の等価回路を示す図。
【図28】従来の問題を説明するための素子構造断面とタイミングチャートを示す図。
【図29】第4の実施形態における半導体装置の回路構成とタイミングチャートを示す図。
【図30】第4の実施形態における半導体装置の素子構造断面を示す図。
【図31】第4の実施形態における半導体装置の回路構成を示す図。
【図32】第4の実施形態における半導体装置の回路構成を示す図。
【図33】第4の実施形態における半導体装置のタイミングチャートを示す図。
【図34】第4の実施形態における半導体装置の回路構成を示す図。
【図35】GSTトランジスタで構成されたスタティックインバータの従来例を示す図。
【図36】GSTトランジスタで構成されたスタティックインバータの問題点を説明するための図。
【図37】第5の実施形態に係わるインバータの回路構成例を示す図。
【図38】第5の実施形態における遅延回路の例を示す図。
【図39】第5の実施形態における動作タイミングを示す図。
【図40】従来の多しきい値CMOS回路を示す図。
【図41】リークカットオフトランジスタ沿う乳児のしきい値に対するチャネル相対相対依存性を示す図。
【図42】第5の実施形態の変形例1を示す図。
【図43】第5の実施形態の変形例2を示す図。
【図44】図43の変形例2と比較したスタティック3入力NOR回路を示す図。
【図45】図42及び図43のNOR回路の遅延時間の電源電圧依存性を示す図。
【図46】第5の実施形態の変形例3を示す図。
【図47】第5の実施形態を実現するウェル構造の断面図。
【図48】第5の実施形態を実現するウェル構造の製造工程を示す断面図。
【図49】第5の実施形態を実現するウェル構造の製造工程を示す断面図。
【図50】第5の実施形態を実現するウェル構造の製造工程を示す断面図。
【図51】第5の実施形態を実現するウェル構造の製造工程を示す断面図。
【図52】第6の実施形態に係わる論理回路の構成を示す図。
【図53】第6の実施形態の動作を説明するための図。
【図54】第7の実施形態に係わる論理回路の構成を示す図。
【図55】第7の実施形態の変形例を示す図。
【図56】図55の機能ブロックの例を示す図。
【図57】第7の実施形態の別の変形例を示す図。
【符号の説明】
1…ゲート絶縁膜
2…半導体
3…ゲート電極
4…n型MISFET
5…p型MISFET
6…インバータ入力端
7…第1の基板バイアス発生回路
8…第2の基板バイアス発生回路
9…MOS負荷
10…抵抗
11…基準電圧発生回路
12…比較器
13…増幅トランジスタ
14…論理回路
15…降圧回路
16…p型MISFET(バイアス電圧ドライブ用)
17…n型MISFET(バイアス電圧ドライブ用)
18…内部電源電圧ノード
19…ノード
20…基板バイアス制御回路
21…昇圧回路
22,23,24…矩形波発振器
101…制御入力ノード
102…基板電極
103…ゲート電極ノード
104…電圧源
105…制御入力ノード
106…電流供給ノード
107…基板電圧供給ノード
113…遅延回路
114…インバータ

Claims (16)

  1. ソース・ドレインを有し、前記ソース・ドレインの一方が第2の電流供給ノードに接続されたMISFETと、前記ソース・ドレインの他方が接続された第1端と第1の電流供給ノードに接続された第2端を有するインピーダンス素子と、前記MISFETのウェル又はボディ電極に接続されたスイッチング回路と、が形成されたチップを備え、
    前記MISFETのウェル又はボディ電極は、アクティブ時とスタンドバイ時の少なくとも2つの状態をとり、それぞれ異なる電圧を出力するバイアス電圧発生回路に前記スイッチング回路を介して接続され、
    前記MISFETのスタンドバイ状態のしきい値Vths はアクティブ状態のしきい値Vtha よりも高く、
    前記MISFETのゲート電極に印加される電圧は2つの定常状態をとり、その高い方の電圧をVDDとし、
    DD(1−Vths /VDD)<Vths −Vtha
    なる関係が満たされることを特徴とする半導体装置。
  2. ソース・ドレインを有し、前記ソース・ドレインの一方が第2の電流供給ノードに接続されたMISFETと、前記ソース・ドレインの他方が接続された第1端と第1の電流供給ノードに接続された第2端を有するインピーダンス素子と、前記MISFETのウェル又はボディ電極に接続されたスイッチング回路とが形成されたチップを備え、
    前記MISFETのウェル又はボディ電極は、アクティブ時とスタンドバイ時の少なくとも2つの状態をとり、それぞれ異なる電圧を出力するバイアス電圧発生回路に前記スイッチング回路を介して接続され、
    前記MISFETのスタンドバイ状態のしきい値Vths はアクティブ状態のしきい値Vtha よりも高く、
    前記MISFETのゲート電極に印加される電圧は2つの定常状態をとり、その高い方の電圧をVDDとし、
    前記MISFETは速度飽和が生じる領域で動作し、
    DD(1−Vths /VDD)/2<Vths −Vtha
    なる関係が満たされることを特徴とする半導体装置。
  3. 前記MISFETがn型MISFETであり、第1の電流供給ノードの電圧はVDDであり、第2の電流供給ノードの電圧は0Vであることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
  4. 前記MISFETがp型MISFETであり、第1の電流供給ノードの電圧は0Vであり、第2の電流供給ノードの電圧はVDDであることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
  5. 前記インピーダンス素子は、ソース・ドレインの一方とゲートが接続されたMISFETであることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
  6. 前記MISFETがn型MISFETであり、n型MISFETのウェル又はボディ電圧は、VDDよりも高くなることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
  7. 前記MISFETがp型MISFETであり、p型MISFETのウェル又はボディ電圧は、0Vよりも低くなることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
  8. ソース・ドレインを有し、前記ソース・ドレインの一方が第2の電流供給ノードに接続された第1のMISFETと、前記ソース・ドレインの他方が接続された第1端と第1の電流供給ノードに接続された第2端を有するインピーダンス素子と、が形成され、前記第1のMISFETのウェルは、アクティブ時とスタンドバイ時の少なくとも2つの状態をとり、スタンドバイ状態のしきい値はアクティブ状態のしきい値よりも高く設定され、且つ前記第1の電流供給ノードと第2の電流供給ノードで、高い方の電圧をVDD,低い方の電圧を0Vとした論理回路と、
    この論理回路に供給される電源電圧VDDより高い電圧を与える第1の電圧供給ノードとVDDより低い電圧を与える第2の電圧供給ノードに接続され、アクティブ/スタンドバイの2つの状態入力に対応して、第1の電圧供給ノードと第2の電圧供給ノードのいずれか一方を選択し、前記第1のMISFETのウェルに与えるスイッチング回路と、
    前記第1のMISFETのウェルにソース・ドレインの一方が電気的に接続された第2のMISFETとを具備してなり、
    前記第2のMISFETは、スタンドバイ状態からアクティブ状態への遷移をする時に遮断状態から導通状態となり、該MISFETのソース・ドレインの他方は0V以上VDD以下に保たれていることを特徴とする半導体装置。
  9. 前記第2のMISFETのソース・ドレインの他方は、VDDに保たれていることを特徴とする請求項に記載の半導体装置。
  10. ソース・ドレインを有し、前記ソース・ドレインの一方が第2の電流供給ノードに接続された複数のMISFETと、前記ソース・ドレインの他方が接続された第1端と第1の電流供給ノードに接続された第2端を有するインピーダンス素子と、前記MISFETのウェルに接続されたスイッチング回路と、が形成されたチップを備え、
    前記複数のMISFETのウェルは複数の互いに異なる電圧を出力するバイアス電圧発生回路に前記スイッチング回路を介して接続され、下面が半導体基板と電気的に接する第1の導電型の半導体領域からなり、
    前記バイアス電圧発生回路の出力電圧は、前記ソース電極とウェルとが順方向にバイアスされる方向の電圧と、逆方向にバイアスされる方向の電圧の2つを含み、
    前記複数のMISFETの間にはトレンチ分離からなる素子分離が形成され、
    前記複数のMISFETのウェルは前記トレンチ分離下部に形成された半導体領域を通じて共有されていることを特徴とする半導体装置。
  11. 前記複数のMISFETのウェルは、第2の導電の半導体基板上に接して形成されていることを特徴とする請求項10記載の半導体装置。
  12. 前記複数のMISFETのウェルは、第2の導電の半導体領域を介して第1の導電の半導体基板上に形成されていることを特徴とする請求項10記載の半導体装置。
  13. 前記少なくとも1つのMISFETのソース電極及びドレイン電極上にTiSiかCoSiからなるシリサイドが形成されていることを特徴とする請求項10記載の半導体装置。
  14. 前記少なくとも1つのMISFETのソース電極又はドレイン電極は、Geを1×1018cm-3以上添加した半導体層が含まれることを特徴とする請求項10記載の半導体装置。
  15. 第1導電型の半導体層と、前記第1導電型半導体層の上面と接して設けられた第1導電型と第2導電型のウェルと、
    前記第1導電型ウェル内に形成された第2導電チャネル型MISFETと、
    前記第2導電型ウェル内に形成された第1導電チャネル型MISFETと、
    第1及び第2の電圧供給ノードを備え、
    第2導電型ウェルと第1のバイアス電圧発生回路の出力が第1の電圧供給ノードを介して接続され、
    第1導電型ウェルと第2のバイアス電圧発生回路の出力が第2の電圧供給ノードを介して接続され、
    前記第1導電チャネル型MISFETのドレイン電極と前記第2導電チャネル型MISFETのドレイン電極が電気的に接続され、
    前記第2導電チャネル型MISFETのソース電極と前記第1の導電型ウェル電極とがアクティブ時に順方向にバイアスされ、
    第1のバイアス発生回路の出力は、第2のバイアス電圧発生回路の出力に依存して制御される半導体装置。
  16. 前記第2導電チャネル型MISFETのソース電極と前記第1の導電型ウェル電極とが、スタンドバイ時に逆方向にバイアスされることを特徴とする請求項15記載の半導体装置。
JP00598698A 1997-04-08 1998-01-14 半導体装置 Expired - Fee Related JP4253052B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00598698A JP4253052B2 (ja) 1997-04-08 1998-01-14 半導体装置
US09/056,632 US6040610A (en) 1997-04-08 1998-04-08 Semiconductor device
TW087105307A TW421891B (en) 1997-04-08 1998-04-08 Semiconductor apparatus
KR1019980013407A KR100305254B1 (ko) 1997-04-08 1998-04-08 반도체장치

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-89538 1997-04-08
JP8953897 1997-04-08
JP00598698A JP4253052B2 (ja) 1997-04-08 1998-01-14 半導体装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10340998A JPH10340998A (ja) 1998-12-22
JP4253052B2 true JP4253052B2 (ja) 2009-04-08

Family

ID=26340036

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00598698A Expired - Fee Related JP4253052B2 (ja) 1997-04-08 1998-01-14 半導体装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6040610A (ja)
JP (1) JP4253052B2 (ja)
KR (1) KR100305254B1 (ja)
TW (1) TW421891B (ja)

Families Citing this family (124)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW400650B (en) * 1996-11-26 2000-08-01 Hitachi Ltd Semiconductor integrated circuit device
US6768165B1 (en) 1997-08-01 2004-07-27 Saifun Semiconductors Ltd. Two bit non-volatile electrically erasable and programmable semiconductor memory cell utilizing asymmetrical charge trapping
JP2000133725A (ja) * 1998-10-26 2000-05-12 Mitsubishi Electric Corp 半導体記憶装置
US6587994B1 (en) * 1999-03-09 2003-07-01 Fujitsu Limited Hot-carrier degradation simulation of a semiconductor device
DE19911463C1 (de) * 1999-03-15 2001-02-08 Siemens Ag Leseverstärkeranordnung mit Feldeffekttransistor mit kurzer Kanallänge und einstellbarer Einsatzspannung
JP4439031B2 (ja) * 1999-04-15 2010-03-24 株式会社ルネサステクノロジ 半導体装置
US6239649B1 (en) * 1999-04-20 2001-05-29 International Business Machines Corporation Switched body SOI (silicon on insulator) circuits and fabrication method therefor
US6171910B1 (en) * 1999-07-21 2001-01-09 Motorola Inc. Method for forming a semiconductor device
US6225852B1 (en) * 1999-10-01 2001-05-01 Advanced Micro Devices, Inc. Use of biased high threshold voltage transistor to eliminate standby current in low voltage integrated circuits
JP4963144B2 (ja) 2000-06-22 2012-06-27 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体集積回路
US6552397B1 (en) * 2000-06-23 2003-04-22 Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd. Charge pump device formed on silicon-on-insulator and operation method
JP2002359247A (ja) * 2000-07-10 2002-12-13 Canon Inc 半導体部材、半導体装置およびそれらの製造方法
US6720596B2 (en) * 2000-10-17 2004-04-13 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Semiconductor device and method for driving the same
JP2002134627A (ja) * 2000-10-23 2002-05-10 Sharp Corp 半導体装置及びその製造方法
JP3950294B2 (ja) 2000-11-16 2007-07-25 シャープ株式会社 半導体装置
EP1217662A1 (en) * 2000-12-21 2002-06-26 Universite Catholique De Louvain Ultra-low power basic blocks and their uses
JP2002198439A (ja) * 2000-12-26 2002-07-12 Sharp Corp 半導体装置および携帯電子機器
US6537901B2 (en) * 2000-12-29 2003-03-25 Hynix Semiconductor Inc. Method of manufacturing a transistor in a semiconductor device
US6552879B2 (en) 2001-01-23 2003-04-22 International Business Machines Corporation Variable voltage threshold ESD protection
US6703670B1 (en) 2001-04-03 2004-03-09 National Semiconductor Corporation Depletion-mode transistor that eliminates the need to separately set the threshold voltage of the depletion-mode transistor
US6584017B2 (en) 2001-04-05 2003-06-24 Saifun Semiconductors Ltd. Method for programming a reference cell
JP2003051548A (ja) * 2001-08-06 2003-02-21 Sharp Corp 半導体集積回路装置およびそれを用いた携帯端末
US6791396B2 (en) * 2001-10-24 2004-09-14 Saifun Semiconductors Ltd. Stack element circuit
JP4097417B2 (ja) * 2001-10-26 2008-06-11 株式会社ルネサステクノロジ 半導体装置
US20030098489A1 (en) * 2001-11-29 2003-05-29 International Business Machines Corporation High temperature processing compatible metal gate electrode for pFETS and methods for fabrication
EP1435664A1 (en) * 2002-01-21 2004-07-07 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Semiconductor device
US6700818B2 (en) 2002-01-31 2004-03-02 Saifun Semiconductors Ltd. Method for operating a memory device
US6933744B2 (en) * 2002-06-11 2005-08-23 The Regents Of The University Of Michigan Low-leakage integrated circuits and dynamic logic circuits
US6917544B2 (en) 2002-07-10 2005-07-12 Saifun Semiconductors Ltd. Multiple use memory chip
US8089129B2 (en) * 2002-08-14 2012-01-03 Advanced Analogic Technologies, Inc. Isolated CMOS transistors
US20040036131A1 (en) * 2002-08-23 2004-02-26 Micron Technology, Inc. Electrostatic discharge protection devices having transistors with textured surfaces
US7136304B2 (en) 2002-10-29 2006-11-14 Saifun Semiconductor Ltd Method, system and circuit for programming a non-volatile memory array
US20040151032A1 (en) * 2003-01-30 2004-08-05 Yan Polansky High speed and low noise output buffer
US7178004B2 (en) 2003-01-31 2007-02-13 Yan Polansky Memory array programming circuit and a method for using the circuit
US6885244B2 (en) 2003-03-24 2005-04-26 Saifun Semiconductors Ltd. Operational amplifier with fast rise time
JP4046634B2 (ja) * 2003-04-08 2008-02-13 Necエレクトロニクス株式会社 電圧制御型容量素子及び半導体集積回路
US7142464B2 (en) 2003-04-29 2006-11-28 Saifun Semiconductors Ltd. Apparatus and methods for multi-level sensing in a memory array
US6906966B2 (en) 2003-06-16 2005-06-14 Saifun Semiconductors Ltd. Fast discharge for program and verification
US7123532B2 (en) 2003-09-16 2006-10-17 Saifun Semiconductors Ltd. Operating array cells with matched reference cells
US7050319B2 (en) * 2003-12-03 2006-05-23 Micron Technology, Inc. Memory architecture and method of manufacture and operation thereof
JP4065242B2 (ja) * 2004-01-06 2008-03-19 松下電器産業株式会社 電源ノイズを抑えた半導体集積回路の設計方法
JP4744807B2 (ja) * 2004-01-06 2011-08-10 パナソニック株式会社 半導体集積回路装置
US7216310B2 (en) * 2004-01-07 2007-05-08 Texas Instruments Incorporated Design method and system for optimum performance in integrated circuits that use power management
US7176728B2 (en) * 2004-02-10 2007-02-13 Saifun Semiconductors Ltd High voltage low power driver
US8339102B2 (en) * 2004-02-10 2012-12-25 Spansion Israel Ltd System and method for regulating loading on an integrated circuit power supply
WO2005094178A2 (en) * 2004-04-01 2005-10-13 Saifun Semiconductors Ltd. Method, circuit and systems for erasing one or more non-volatile memory cells
US7190212B2 (en) * 2004-06-08 2007-03-13 Saifun Semiconductors Ltd Power-up and BGREF circuitry
US7187595B2 (en) * 2004-06-08 2007-03-06 Saifun Semiconductors Ltd. Replenishment for internal voltage
US7256438B2 (en) * 2004-06-08 2007-08-14 Saifun Semiconductors Ltd MOS capacitor with reduced parasitic capacitance
US7317633B2 (en) 2004-07-06 2008-01-08 Saifun Semiconductors Ltd Protection of NROM devices from charge damage
US7095655B2 (en) * 2004-08-12 2006-08-22 Saifun Semiconductors Ltd. Dynamic matching of signal path and reference path for sensing
US20060068551A1 (en) * 2004-09-27 2006-03-30 Saifun Semiconductors, Ltd. Method for embedding NROM
US7638850B2 (en) 2004-10-14 2009-12-29 Saifun Semiconductors Ltd. Non-volatile memory structure and method of fabrication
US20060091490A1 (en) * 2004-11-03 2006-05-04 Hung-Wei Chen Self-aligned gated p-i-n diode for ultra-fast switching
US7535765B2 (en) 2004-12-09 2009-05-19 Saifun Semiconductors Ltd. Non-volatile memory device and method for reading cells
EP1686592A3 (en) 2005-01-19 2007-04-25 Saifun Semiconductors Ltd. Partial erase verify
US8466505B2 (en) * 2005-03-10 2013-06-18 Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd. Multi-level flash memory cell capable of fast programming
US8053812B2 (en) 2005-03-17 2011-11-08 Spansion Israel Ltd Contact in planar NROM technology
US20070141788A1 (en) * 2005-05-25 2007-06-21 Ilan Bloom Method for embedding non-volatile memory with logic circuitry
JP2007005763A (ja) 2005-05-26 2007-01-11 Fujitsu Ltd 半導体装置及びその製造方法及びに半導体装置の設計方法
JP4888390B2 (ja) 2005-06-10 2012-02-29 富士通セミコンダクター株式会社 半導体装置、半導体システム、および半導体装置の製造方法
US8400841B2 (en) * 2005-06-15 2013-03-19 Spansion Israel Ltd. Device to program adjacent storage cells of different NROM cells
US7486098B2 (en) * 2005-06-16 2009-02-03 International Business Machines Corporation Integrated circuit testing method using well bias modification
US7184313B2 (en) * 2005-06-17 2007-02-27 Saifun Semiconductors Ltd. Method circuit and system for compensating for temperature induced margin loss in non-volatile memory cells
US7274618B2 (en) * 2005-06-24 2007-09-25 Monolithic System Technology, Inc. Word line driver for DRAM embedded in a logic process
EP1746645A3 (en) 2005-07-18 2009-01-21 Saifun Semiconductors Ltd. Memory array with sub-minimum feature size word line spacing and method of fabrication
EP1917715A2 (en) * 2005-07-22 2008-05-07 Nanopower Technologies, Inc. High sensitivity rfid tag integrated circuits
JP4800700B2 (ja) 2005-08-01 2011-10-26 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体装置およびそれを用いた半導体集積回路
US20070036007A1 (en) * 2005-08-09 2007-02-15 Saifun Semiconductors, Ltd. Sticky bit buffer
US7668017B2 (en) 2005-08-17 2010-02-23 Saifun Semiconductors Ltd. Method of erasing non-volatile memory cells
US7221138B2 (en) 2005-09-27 2007-05-22 Saifun Semiconductors Ltd Method and apparatus for measuring charge pump output current
US7545203B2 (en) * 2005-09-29 2009-06-09 Hynix Semiconductor, Inc. Internal voltage generation circuit
US7250666B2 (en) * 2005-11-15 2007-07-31 International Business Machines Corporation Schottky barrier diode and method of forming a Schottky barrier diode
US7352627B2 (en) * 2006-01-03 2008-04-01 Saifon Semiconductors Ltd. Method, system, and circuit for operating a non-volatile memory array
US7808818B2 (en) 2006-01-12 2010-10-05 Saifun Semiconductors Ltd. Secondary injection for NROM
US20070173017A1 (en) * 2006-01-20 2007-07-26 Saifun Semiconductors, Ltd. Advanced non-volatile memory array and method of fabrication thereof
US7692961B2 (en) 2006-02-21 2010-04-06 Saifun Semiconductors Ltd. Method, circuit and device for disturb-control of programming nonvolatile memory cells by hot-hole injection (HHI) and by channel hot-electron (CHE) injection
US8253452B2 (en) 2006-02-21 2012-08-28 Spansion Israel Ltd Circuit and method for powering up an integrated circuit and an integrated circuit utilizing same
US7760554B2 (en) 2006-02-21 2010-07-20 Saifun Semiconductors Ltd. NROM non-volatile memory and mode of operation
US7638835B2 (en) 2006-02-28 2009-12-29 Saifun Semiconductors Ltd. Double density NROM with nitride strips (DDNS)
US7701779B2 (en) 2006-04-27 2010-04-20 Sajfun Semiconductors Ltd. Method for programming a reference cell
US7605579B2 (en) 2006-09-18 2009-10-20 Saifun Semiconductors Ltd. Measuring and controlling current consumption and output current of charge pumps
TWI612509B (zh) * 2006-09-29 2018-01-21 半導體能源研究所股份有限公司 顯示裝置和電子裝置
US20080116528A1 (en) * 2006-11-22 2008-05-22 Tsuneichiro Sano Semiconductor device and method of manufacturing the same
WO2008114379A1 (ja) * 2007-03-19 2008-09-25 Fujitsu Limited インバータ回路および平衡入力型インバータ回路
JP2009032962A (ja) * 2007-07-27 2009-02-12 Panasonic Corp 半導体装置及びその製造方法
JP2009049859A (ja) * 2007-08-22 2009-03-05 Seiko Epson Corp 電気回路、電気回路の駆動方法、表示装置および電子機器。
JP5061793B2 (ja) * 2007-08-22 2012-10-31 セイコーエプソン株式会社 電気回路、電気回路の駆動方法、表示装置および電子機器。
JP2009100502A (ja) * 2007-10-15 2009-05-07 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 電源切替装置およびこれを用いた電源システム
JP2009099815A (ja) * 2007-10-18 2009-05-07 Toshiba Corp 半導体装置の製造方法
KR100897303B1 (ko) * 2008-04-10 2009-05-14 주식회사 하이닉스반도체 반도체 메모리 장치의 파워-업 신호 발생장치
JP5233604B2 (ja) * 2008-11-13 2013-07-10 富士通株式会社 半導体装置
JP5372578B2 (ja) 2009-04-09 2013-12-18 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体装置
US8273617B2 (en) 2009-09-30 2012-09-25 Suvolta, Inc. Electronic devices and systems, and methods for making and using the same
WO2011041109A1 (en) * 2009-09-30 2011-04-07 Suvolta, Inc. Electronic devices and systems, and methods for making and using the same
US8421162B2 (en) 2009-09-30 2013-04-16 Suvolta, Inc. Advanced transistors with punch through suppression
JP2013511163A (ja) * 2009-11-17 2013-03-28 スボルタ,インコーポレーテッド 電子デバイス及びシステム、並びにその製造方法及び使用方法
JP5531848B2 (ja) * 2010-08-06 2014-06-25 富士通セミコンダクター株式会社 半導体装置、半導体集積回路装置、SRAM、Dt−MOSトランジスタの製造方法
JP2012195326A (ja) * 2011-03-14 2012-10-11 Ricoh Co Ltd 半導体装置
US8891266B2 (en) * 2012-03-13 2014-11-18 International Business Machines Corporation Monolithic high voltage multiplier having high voltage semiconductor diodes and high-k capacitors
US9110486B2 (en) * 2012-09-06 2015-08-18 Freescale Semiconductor, Inc. Bandgap reference circuit with startup circuit and method of operation
JP2014116792A (ja) * 2012-12-10 2014-06-26 Fujitsu Semiconductor Ltd 半導体集積回路及び論理回路
CN108141215B9 (zh) 2015-07-29 2020-11-06 电路种子有限责任公司 互补电流场效应晶体管装置及放大器
US10514716B2 (en) * 2015-07-30 2019-12-24 Circuit Seed, Llc Reference generator and current source transistor based on complementary current field-effect transistor devices
WO2017019973A1 (en) 2015-07-30 2017-02-02 Circuit Seed, Llc Multi-stage and feed forward compensated complementary current field effect transistor amplifiers
CN108141180A (zh) 2015-07-30 2018-06-08 电路种子有限责任公司 基于互补电流场效应晶体管装置的低噪声跨阻抗放大器
US10161994B2 (en) * 2016-06-14 2018-12-25 Formfactor Beaverton, Inc. Systems and methods for electrically testing electromigration in an electromigration test structure
JP6767225B2 (ja) * 2016-09-29 2020-10-14 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体装置
US10564213B2 (en) * 2017-02-27 2020-02-18 International Business Machines Corporation Dielectric breakdown monitor
US10050612B1 (en) * 2017-04-06 2018-08-14 Texas Instruments Incorporated Resistor-capacitor (RC) delay circuit with a precharge mode
US10659045B2 (en) * 2017-06-27 2020-05-19 Silicon Laboratories Inc. Apparatus with electronic circuitry having reduced leakage current and associated methods
TWI640012B (zh) * 2017-11-16 2018-11-01 華邦電子股份有限公司 非揮發性記憶體的區塊解碼器與位準移位器
KR102044629B1 (ko) * 2018-05-09 2019-11-13 광운대학교 산학협력단 낮은 온-저항을 갖는 cmos 스위치
US10446236B1 (en) 2018-06-28 2019-10-15 Micron Technology, Inc. Memory device and method of operation
CN118763088A (zh) * 2019-05-22 2024-10-11 群创光电股份有限公司 放射线感测装置
JP7222847B2 (ja) * 2019-08-26 2023-02-15 株式会社東芝 半導体装置
CN112510040B (zh) * 2019-09-13 2023-03-24 杭州士兰集昕微电子有限公司 半导体器件及其制造方法
CN112509981B (zh) * 2019-09-13 2024-05-31 杭州士兰集昕微电子有限公司 半导体器件及其制造方法
CN112509982B (zh) * 2019-09-13 2025-01-14 杭州士兰集昕微电子有限公司 半导体器件及其制造方法
EP4033312B1 (en) 2020-11-25 2024-08-21 Changxin Memory Technologies, Inc. Control circuit and delay circuit
US11681313B2 (en) 2020-11-25 2023-06-20 Changxin Memory Technologies, Inc. Voltage generating circuit, inverter, delay circuit, and logic gate circuit
EP4033664B1 (en) * 2020-11-25 2024-01-10 Changxin Memory Technologies, Inc. Potential generation circuit, inverter, delay circuit, and logic gate circuit
CN114553216B (zh) * 2020-11-25 2025-02-07 长鑫存储技术有限公司 电位产生电路、反相器、延时电路和逻辑门电路
EP4033661B1 (en) 2020-11-25 2024-01-24 Changxin Memory Technologies, Inc. Control circuit and delay circuit

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4092548A (en) * 1977-03-15 1978-05-30 International Business Machines Corporation Substrate bias modulation to improve mosfet circuit performance
US4460835A (en) * 1980-05-13 1984-07-17 Tokyo Shibaura Denki Kabushiki Kaisha Semiconductor integrated circuit device with low power consumption in a standby mode using an on-chip substrate bias generator
US4660835A (en) * 1984-09-13 1987-04-28 Locurto Anthony F Tethered ball golf practice device
JPH06216346A (ja) * 1992-11-30 1994-08-05 Sony Corp 半導体装置
JP3175521B2 (ja) * 1995-01-27 2001-06-11 日本電気株式会社 シリコン・オン・インシュレータ半導体装置及びバイアス電圧発生回路

Also Published As

Publication number Publication date
TW421891B (en) 2001-02-11
US6040610A (en) 2000-03-21
KR100305254B1 (ko) 2001-11-02
JPH10340998A (ja) 1998-12-22
KR19980081420A (ko) 1998-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4253052B2 (ja) 半導体装置
US7030446B2 (en) Semiconductor switching devices
US4300152A (en) Complementary field-effect transistor integrated circuit device
KR100350648B1 (ko) 모스 트랜지스터 및 그 제조 방법
JP2000022160A (ja) 半導体集積回路及びその製造方法
JP2000058842A (ja) 半導体装置
US9577063B2 (en) Bipolar transistor, band-gap reference circuit and virtual ground reference circuit and methods of fabricating thereof
JP3257842B2 (ja) ダイナミック絶縁回路を設けた半導体電子デバイス
US4072868A (en) FET inverter with isolated substrate load
US20160071882A1 (en) Semiconductor Device, Method for Manufacturing Same, and Nonvolatile Semiconductor Memory Device
JPS62115765A (ja) 半導体装置
JPH0654797B2 (ja) Cmos半導体装置
JPH03190426A (ja) 集積BiCMOS回路
JP4691624B2 (ja) ラティラルバイポーラcmos集積回路
US4138782A (en) Inverter with improved load line characteristic
EP0616725A4 (en) ELECTRICAL INSULATION FOR INTEGRATED CIRCUITS.
US4951114A (en) Complementary metal electrode semiconductor device
US5002897A (en) Method of making a complementary metal electrode semiconductor device
JP4542736B2 (ja) 半導体装置
Vandana A theoretical study of low power soi technology
JP2842188B2 (ja) Mosトランジスタ
JPH05268058A (ja) ゲート回路及びそれを含む半導体装置
JPH07307443A (ja) 半導体装置
JPH0570941B2 (ja)
JPS63244671A (ja) 半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040917

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080715

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080829

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090120

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090123

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120130

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees