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JP4249492B2 - シート搬送装置、画像読取装置及び画像形成装置 - Google Patents

シート搬送装置、画像読取装置及び画像形成装置 Download PDF

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JP4249492B2 JP2003001469A JP2003001469A JP4249492B2 JP 4249492 B2 JP4249492 B2 JP 4249492B2 JP 2003001469 A JP2003001469 A JP 2003001469A JP 2003001469 A JP2003001469 A JP 2003001469A JP 4249492 B2 JP4249492 B2 JP 4249492B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像の読取りや画像形成などの処理を行うために、シート状の原稿を搬送するシート搬送機構、そのシート搬送機構を備えた画像読取装置及びその画像読取装置を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、シート状の原稿を読取装置に自動的に搬送して、該原稿の画像を順次読取る画像読取装置が画像形成装置などにセットされ、効率的な画像読取りや画像形成が行なわれるようになった。そして、さらに、デジタル技術が進歩し、原稿の読取り動作や、電子データへの変換及び電子データからの画像形成の速度が速くなり、より多くの枚数の原稿処理をより高速で行えるようになった。
【0003】
ところが、そのような画像読取技術の進歩に伴い、搬送速度も高速化し、また、高画質化したために、シートが斜めに搬送(スキュー)される場合の問題が大きくクローズアップされるようになった。このようなスキューに対しては、レジスト手段において、シートの先端を一旦停止させて、後方からの搬送力を付加することによってシートを撓ませることで矯正するような対応が従来から採られている。
【0004】
しかし、スキューの量が大きくなり、例えば、1.5mm〜2mmを超えるほどにスキューしてしまうと、前記レジスト手段による矯正では対処できなくなり、たとえ、スキューそのものが矯正され、シートの先端位置が揃えられて搬送タイミングが適切に制御されても、搬送位置が横にシフト(横位置ズレ)してしまうという問題が発生する。
【0005】
このような問題は、記録紙を搬送しつつ、画像形成を行う画像形成装置でも、同様に発生する。また、シート収容トレイ(給紙トレイ)とシート排出トレイ(排紙トレイ)とが相対的に上下に配設され、それらの間を湾曲搬送路で接続するようにしたコンパクト型のシート搬送装置では、搬送過程において、シートと該搬送経路を構成する部材との接触抵抗が大きくなるため、前記問題が特に顕著となる。
【0006】
そこで、このような問題を解決するために、前記搬送経路に配設される駆動ローラ及び従動ローラの対において、駆動軸に径の異なる複数種類の駆動ローラを軸真方向に移動自在に取り付け、発生するスキューの程度に応じて、前記駆動ローラの位置を調整することで、スキューを矯正するように構成した斜行矯正機構が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
実開平1−121041号公報(第1図、第2図、明細書11頁10行〜15頁1行)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような(特許文献1に記載の)従来技術では、駆動ローラの周長を、段階的にしか調整できず、微量調整ができないという問題があった。また、調整を行うのに、両端に固定されている駆動ローラの組み合わせを逆にしなければならないために、駆動軸からそれぞれの駆動ローラを取り外して逆の組み合わせとなるように取り付け直さなければならず調整作業が非常に面倒であった。
【0009】
本発明は、このような実情に鑑みてなされ、面倒な駆動ローラの取り外し作業を要することなく、容易にスキューを微調整できるシート搬送装置、画像読取装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。
【0011】
(1)駆動軸の軸線方向に分離して配設された複数の駆動ローラと、前記各駆動ローラと対をなして被動回転する複数の従動ローラと、によってシートを挟圧搬送するようにしたシート搬送装置において、
前記駆動ローラ及び従動ローラの下流側に配設され、シートに撓みを与えることでシートの斜め搬送及びタイミングを矯正するレジスト手段を備え、
前記駆動ローラの中、少なくとも1つの前記駆動ローラは、前記軸線方向に変位可能に前記駆動軸に軸支されその外周面がテーパ状を呈する調整スリーブと、前記スリーブが嵌入する逆テーパ状の内周面を有し前記軸線方向に延びる溝によって分断された筒状のローラ本体と、前記ローラ本体の外周面に嵌め込まれ周方向に伸縮可能な弾性部材からなり従動ローラとの間にシートを挟み込むリング状部材と、前記ローラ本体及び前記調整スリーブの前記軸線方向の位置決めを行う位置決め部材とを有し、
前記調整スリーブの内周面には、前記軸線方向に平行を成す第1係合溝が設けられ、前記第1係合溝は前記駆動軸に設けられた突起部と離合可能に係合し、
前記調整スリーブの外周面には、その径方向に突き出す突出部が設けられ、前記突出部は前記ローラ本体の内周面に前記軸線方向を長手方向として設けられた第2係合溝に変位可能に係合されていることを特徴とする。
【0012】
この構成においては、調整部材により、駆動ローラの外周部分の周長を調整することにより、その駆動ローラによるシート搬送速度を調整できるため、シートの斜め搬送を矯正することができる。
【0013】
具体的には、例えば、駆動ローラが2つある場合に、片方の駆動ローラの周長を調整するのみで、斜め搬送を効果的に調整することができるため、その構成を簡易なものとして、安価に提供することができる。
この構成においては、シートの斜め搬送を矯正するにあたって、駆動軸に一体的に取付けられ、該駆動軸の軸線方向に分離された複数の駆動ローラの少なくとも1つの外径を変化させることで対応する。具体的には、駆動軸と一体で回転し、該駆動軸の軸線方向に摺動変位可能な調整スリーブを駆動軸に嵌込み、さらにそれにローラ本体を嵌込むようにする。
ローラ本体の軸線方向の位置は、位置決め部材によって従動ローラに対向するように規定されており、調整スリーブをローラ本体に押込むことで、そのテーパ状の外周面がローラ本体の逆テーパ状の内周面を押拡げ、これによって軸線方向に延びる溝によって分断された筒状のローラ本体の外径が拡大する。これに対して、調整スリーブをローラ本体から引抜く方向に移動させることで、ローラ本体の外径は縮小する。
従って、所望とする外径が得られる位置で、位置決め部材によって調整スリーブの軸線方向の位置決めを行えば、斜め搬送を矯正することができる。その際に、従来(例えば、特許文献1の場合)のように、径の異なる駆動ローラを切換えて使用する構成では、段階的な調整しか行えないが、この構成では、1つの駆動ローラで、任意の周長となるように(無段階連続的に)微調整することができるため、高精度な斜め搬送の矯正が可能となる。
さらに、その周長を変化させる駆動ローラの配設位置を変化させる必要はなく、調整スリーブの移動のみで対処できるため、従来のように、駆動ローラを駆動軸から取り外すような面倒な作業は必要とせず、斜め搬送の矯正時の作業性が著しく向上する。
レジスト手段は搬送されるシートに対する処理タイミングを定めたり、シートの斜め搬送を矯正する機能を有しているが、レジスト手段への到達前に大きな斜め搬送が発生すると、該レジスト手段では矯正し切れなかったり、矯正できても搬送位置がシフト(横位置ズレ)してしまうことが多い。
この構成においては、レジスト手段よりも上流側に、斜め搬送を調整するための駆動ローラ及び従動ローラの対を備えることで、レジスト手段への斜め搬送矯正の負担を軽減することができる。従って、レジスト手段による斜め搬送矯正が容易となり、斜め搬送を精度よく矯正できると共に、シート搬送位置のシフトを防止できる。
【0021】
)前記駆動ローラは2つ設けられ、いずれか一方の側の前記外周部分の周長が調整可能に構成されることを特徴とする。
【0022】
この構成においては、2つ設けられている駆動ローラの中の一方のみ、周長を変化させればよく、最少限の構成及び最少限の調整で、斜め搬送の調整が可能となる。
【0023】
)前記シートの搬送方向は、操作者が装置前面に向かう場合に、前記操作者の左右方向であり、かつ、前記周長の調整が可能な側の駆動ローラ及び従動ローラが、前記操作者に近接した側に配置されることを特徴とする。
【0024】
この構成においては、シート搬送装置を搭載する装置は、操作者が装置前面に臨んだ状態で、シートが操作者の左右方向に搬送されるようになっており、その操作者に対して、前記周長調整可能な側の駆動ローラ及び従動ローラは操作者に近接した手前側に配設される一方、調整の必要がない側の駆動ローラ及び従動ローラが後方側となるように配設されている。従って、斜め搬送の調整の際に、装置の前面側から、作業を容易に行うことができる。
【0028】
)相対的に上方に配置され、処理前の前記シートを収容するシート収容トレイと、相対的に下方に配置され、処理後の前記シートを収容するシート排出トレイと、の間を結ぶ湾曲搬送路で前記シートを搬送するようにしたシート搬送装置にあって、
前記周長の調整が可能な側の駆動ローラ及び従動ローラが、前記湾曲搬送路の上流側に設けられ、上部外装を開放することで前記周長が調整可能となるように構成したことを特徴とする。
【0029】
シート収容トレイとシート排出トレイとが相対的に上下に配置され、それらの間を湾曲搬送路で接続するようにしたコンパクトな構成のシート搬送装置において、周長調整可能な側の駆動ローラ及び従動ローラ対を、レジスト手段の上流側であれば、シート収容トレイの直後からレジスト手段の直前までの間の何れの位置に設けられても、前記斜め搬送の矯正を行うことができる。
【0030】
この構成のように、湾曲搬送路の上流側(前記シート収容トレイに近い位置)に設ければ、ジャム処理などのために開放可能となっている上部外装を開放することで、前記駆動ローラ及び従動ローラ対を外部に露出させることができる。従って、該シート搬送装置を本体装置に装着したままの状態で、前記上部外装を開放するだけで調整作業が可能となり、調整作業の効率が顕著に向上する。
(5)前記調整スリーブの外周面には、前記調整スリーブを前記ローラ本体に嵌入するときに前記リング状部材の外周が予め設定された周長となる嵌入位置に目印が設けられていることを特徴とする
【0031】
)前記(1)乃至()項のいずれかに記載のシート搬送装置を備えた原稿読取装置にあって、搬送される原稿の画像を読取るための原稿読取部を備えたことを特徴とする。
【0032】
この構成においては、斜め搬送のない正常な状態で原稿読取部に搬入された原稿から良好な読取りを行うことができる。
【0033】
)前記()項に記載の前記原稿読取部を備えた画像形成装置にあって、前記シート搬送装置によって搬送されるシートに、前記原稿読取装置によって読み取られた画像を形成するための画像形成部を備えたことを特徴とする。
【0034】
この構成においては、斜め搬送のない正常な状態で原稿読取部に搬入された原稿から読み取った画像データに基づいて画像形成部で良好な画像形成を行うことができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態に係るシート搬送装置、画像読取装置及び画像形成装置について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0036】
《画像読取装置》
図1は、画像読取装置1の全体構成を示す断面構成図である。この画像読取装置1は、大きく分けて、光学系2と、その上方に配置されるシート搬送装置としてのADF(Automatic Document Feeder)3とにより構成され、複写機やファクシミリ装置のスキャナ装置として用いられ、原稿の両面を読取り可能に構成されている。
【0037】
前記光学系2は、第1の読取り手段であるCCD(Charge Coupled Device)読取りユニット(本発明でいう原稿読取部)11を備え、原稿台12上に載置されて平面支持された原稿の画像を、光源ユニット13及びミラーユニット14によって、固定位置に設けられたCCD読取りユニット11に結像させて読取りを行う。そのCCD読取りユニット11は、結像レンズ11a及びCCDイメージセンサ11bなどを備えている。
【0038】
光源ユニット13は、光源13aと、その光源13aから照射される読取り用の照明光を原稿台12上の所定の読取り位置に集光するレフレクタ13bと、原稿からの反射光のみを通過させるスリット13cと、スリット13cを通過した光の光路を90°変更するミラー13dとを備えており、ミラーユニット14は、光源ユニット13からの光の光路を180°変更する一対のミラー14a,14bを備えている。
【0039】
そして、光源ユニット13の速度をVとすると、ミラーユニット14はV/2の速度で、参照符13e,13f等で示すように矢符15方向(副走査方向)に移動することによって、原稿画像を読取ることができる。あるいは、前記CCD読取りユニット11は、図示は省略するが、少なくともCCDイメージセンサ11b、結像レンズ11a及び光源13aを一つのユニットに構成した縮小読取光学系又は等倍読取光学系等のユニットをVの速度で走査させる構造であってもよい。
【0040】
また、この光学系2には、前記原稿台12から副走査方向に離間して、別の原稿台16が設けられており、光源ユニット13は、この原稿台16の下方まで変位して静止した状態で、原稿台16上を搬送されてゆく原稿の一方の面(以下、こちらを表面とする)の画像を読取ることができる。その搬送された原稿の出口付近には、排紙トレイ(本発明でいうシート排出トレイ)17が設けられている。
【0041】
《シート搬送装置》
シート搬送装置としてのADF3は、第2の読取り手段であるCIS(本発明でいう原稿読取部)21を備え、原稿トレイ(本発明でいうシート収容トレイ))22上に積層状態で載置された原稿を1枚ずつ取り込んでゆき、該CIS21で、その原稿の他方の面(以下、こちらを裏面とする)の画像を読取る。そのため、大きく分けて、各種のローラR1〜R11、検出器S1〜S7、湾曲搬送経路23及びレジスト・斜行補正領域24をさらに備えている。
【0042】
CIS21は、たとえばアレイ状のイメージセンサと、アレイ状の導光手段(セルフォックレンズ等のレンズアレイ)と、光源(LEDアレイ光源又は蛍光灯)となどから成る密着イメージセンサ(CIS:Contact Image Senser)である。
【0043】
原稿トレイ22は、電動式であり、アクチュエータS1a及びセンサ本体S1bから成る光学式の原稿検出器S1によって前記原稿トレイ22に原稿がセットされたことを検知すると、所定のタイミングで該原稿トレイ22の上昇が開始され、積載された原稿束の最上面原稿が、アーム25によって昇降変位自在に支持されている呼込ローラR1を押し上げ、その押し上げ動作が、呼込ローラ位置検出器S2によって検知されると、前記上昇が一旦停止し、この状態で待機状態となる。
【0044】
なお、原稿トレイ22に原稿がセットされて上述のように原稿トレイ22が上昇して待機状態となった後、読取りを開始する信号が入力されずに所定時間放置された場合は、そのままの状態で待機状態を継続させてもよいが、好ましくは呼込みローラの変形を防止するために、所定のレベルまで原稿トレイ22を降下して待機させるようにすればよい。
【0045】
そして、原稿の給紙開始信号が入力されると、呼込ローラR1が回転駆動され、前記原稿束の最上面原稿から順次取込まれる。呼込ローラR1の下流側には、分離ローラR2,R2aが配置されており、前記呼込ローラR1はアーム25に支持され、アーム25は分離ローラR2の回転軸に回動可能に支持されている。そして自重により呼込ローラR1が原稿に接触するようになっている。
【0046】
また、呼込ローラR1は後述のストッパにより必要以上に下降しないようになっている。後述するように、アーム25には凸部が形成されており、光センサ等で構成される呼込ローラ位置検出器S2によって、呼込ローラR1の高さをアーム25の揺動角から検出できるようになっている。
【0047】
本実施の形態では、アーム25に凸部を設け、直接に呼込ローラ位置検出器S2で検出しているが、呼込ローラ位置検出器S2をアーム25から離れた位置に設けることもでき、その場合には、可動連結手段を用いてアーム25の高さを検出できるようにすればよい。
【0048】
分離ローラR2にはトルクリミッタを備えたローラR2a(代わりに摩擦パットであってもよい)が対向して設けられ、原稿が重送されることなく、1枚の原稿が確実に分離されて搬送されるようになっている。従って、呼込ローラR1によって複数枚の原稿が取込まれても、分離ローラR2,R2aによって、呼込ローラR1に密着していた最上面の原稿のみが取込まれ、湾曲搬送経路23へと搬送される。原稿が前記分離ローラR2,R2aで確実に分離供給されたか否かは、アクチュエータS3a及びセンサ本体S3bから成る給紙検出器S3によって検知される。そして、所定のタイミングで、下流側の湾曲搬送経路23へと導かれる。
【0049】
湾曲搬送経路23では、原稿は搬送ローラR3〜R7によって搬送され、無理なく導かれてきているか否かは、給紙検出器S4によって検知される。その給紙検出器S4は、アクチュエータS4a及びセンサ本体S4bから成り、該湾曲搬送経路23からの原稿の排出を検知することができるようになっている。この湾曲搬送経路23は、あらゆる種類の原稿の安定供給をメーカーが保証できる曲率に設計されており、読取り可能な原稿の内、最も厚い、すなわち最も腰のある原稿を円滑に搬送できる曲率となっている。
【0050】
湾曲搬送経路23から排出された原稿は、レジスト・斜行補正領域24に搬送され、その先端が該レジスト・斜行補正領域24の出口付近にあるレジストローラ(本発明でいうレジスト手段)R8,R9の手前に配置された給紙検出器S5によって検知されると、レジストローラR8,R9を停止させた状態で、所定時間、上流側からの搬送力でもって衝突させ、レジスト及び斜行の補正が行われる。その給紙検出器S5は、アクチュエータS5a及びセンサ本体S5bから成る。
【0051】
前記レジスト・斜行補正領域24は、湾曲搬送経路23の最終の搬送ローラR6,R7の対から前記レジストローラR8,R9の対までのレジスト・斜行補正領域24において、上述のようなレジスト及び斜行の補正を行えるように、これらのローラR6,R7;R8,R9間で原稿の状態がほぼ直線となり、搬送経路のガイド面からできるだけフリーとなるように考慮されている。
【0052】
なお、前記ローラR6,R7;R8,R9間の距離は、原稿送り装置として処理することが可能な原稿の中で、最も小さな原稿の搬送方向の長さが必要最低限の長さに設定されていればよい。すなわち、湾曲搬送経路23に残っている原稿の後端部分が少ない程、原稿のレジスト及び斜行の補正がスムーズに行えることとなる。
【0053】
次に、ここでレジスト及び斜行の補正が行われた原稿は、所定のタイミングで搬送が再開され、原稿の表面を露光走査するための第1の読取り位置Pos1へと導かれる。さらに、引続き原稿の裏面を露光走査するための第2の読取り位置Pos2を通過する。前記第1の読取り位置Pos1へは前記光源ユニット13が臨み、前記第2の読取り位置Pos2へは前記CIS21が臨んでいる。
【0054】
そして、表面又は表裏両面の画像を読取られた原稿は、排出ローラR10,R11(排出ローラR11は光学系2側に設けられている)によって原稿排出点よりも低い位置にある該原稿読取り装置1の側面に支持された前記排紙トレイ17上へと排出される。この原稿の排出動作の確認は、アクチュエータS6a及びセンサ本体S6bから成る排紙検出器S6によって検知される。以上の動作が、原稿トレイ22上にセットされた原稿がなくなるまで繰返され、読取りが完了した原稿はすべて排紙トレイ17上に順次排出される。
【0055】
また、前記原稿トレイ22は、原稿が順次給紙される毎に原稿束の高さが下がってくるので、前記呼込ローラR1の位置が下がった分だけ上昇して、常に原稿束の最上面と該呼込ローラR1とが所定の状態を保てるように監視されている。このため、原稿トレイ22は、支点22aを中心に揺動可能になっており、その支点22aとは反対側の端部に設けられたリブ22bが、昇降プレート31によって押し上げられることで昇降可能となっている。
【0056】
前記昇降プレート31は、前記リブ22bとは反対側の端部がプレート支持軸32に固着されており、この昇降プレート支持軸32が、伝達部材(歯車)列から成る昇降機構部34を介して昇降モータ33によって回転駆動される。
【0057】
この原稿トレイ22の待機時の位置は、呼込ローラ位置検出器S2の動作信号を基準に、後述の制御部が昇降機構部34の昇降モータ33を動作制御することで維持される。この位置はセットされる頻度の高い原稿の枚数に合わせて、後述の操作部から任意に設定できるようになっており、サービスマンや使用者が予め設定を行う。
【0058】
さらに、前記原稿トレイ22は、上述したように安定した原稿の搬送を保証できるように設定された湾曲搬送経路23によって必然的に形成される該湾曲搬送経路23の入口側と出口側との高さの範囲内で上下できるようになっており、この上下方向に変位することによって、大量の原稿の載置が可能になると共に、該原稿トレイ22上に載置された大量の原稿の最上面を前記湾曲搬送経路23の入口へと給紙可能な状態まで上昇させ、順次給紙するようになっている。
【0059】
また、前記原稿トレイ22には、原稿の側部を揃えるための原稿規制板30が設けられており、この原稿規制板30の位置は、原稿サイズ検出器S0によって検出され、画像形成時のシート選択等に使用されるとともに、原稿トレイ22の高さ制御にも使用される。
【0060】
一方、原稿台12上の原稿を読取る際には、光源ユニット13は、図1中のPos3の位置からPos4の位置の方向に、図1に図示しない原稿サイズ検出器S9等で検出されたサイズに応じて所定距離だけ移動するようになっている。これに対して、搬送されている原稿を読取る際には、前記Pos1の位置に停止して行う。また、Pos3,Pos4又はPos3の位置とPos1の位置との中間の位置のいずれかを、該光源ユニット13の位置検出器を基準に、ホームポジションとし、使用されていない待機中には、このホームポジションで停止している。
【0061】
この原稿台12上の原稿を読取るために、ADF3は、画像読取装置1の奥側(紙面奥側)にて、光学系2との間に設けられたヒンジ(図示せず)を回動支点として、上方に回動するようになっている。これにより、該画像読取装置1では、紙面手前側から、原稿台12の上面を開放できるようになっており、搬送できないブック物の原稿等を原稿台12にセットできるようになっている。そして、ADF3側には、原稿台12に対向して、原稿マット35が設けられている。
【0062】
上述のように構成される画像読取装置1は、静止読取モード、走行読取モード、両面読取モードの3つのモードで原稿の読取りが可能である。前記静止読取モードは、ブック物等の前記原稿台12上に載置された原稿を、前記光源ユニット13及びミラーユニット14を走査しつつ、CCD読取りユニット11によって読取るモードである。
【0063】
また、走行読取モード及び両面読取モードは、共に前記原稿トレイ22にセットされた原稿を、ADF3で自動的に1枚ずつ給送しながら読取るモードであり、走行読取モードでは前記CCD読取りユニット11によって、両面読取モードでは、前記CCD読取りユニット11及びCIS21を共に使用して読取りを行う。前記原稿載置トレイ22にセット可能な原稿の最大枚数は、たとえば200枚である。
【0064】
上述のように構成される画像読取装置1に設けたシート搬送装置としてのADF3において、上述のようにレジストローラR8,R9によってレジスト及び斜行の補正が行われるけれども、注目すべきは、本実施の形態では、以下に詳述するように、搬送ローラ(本発明でいう駆動ローラ)R3の周長を変化させることによって、斜め搬送を強力に矯正するように構成していることである。
【0065】
〈斜行調整のための構成〉
(その1 )
図2は、駆動ローラとしての搬送ローラR3近傍の平面図であり、図3はその軸線方向の断面図であり、図4はその分解斜視図である。これらの図に示すように、搬送ローラR3は、装置本体の前後方向に配設される駆動軸101の2箇所に分離して取り付けられた2つの搬送ローラR31,R32からなり、この搬送ローラR3が、従動ローラとしての搬送ローラR4と、の間に原稿を挟圧して搬送する。
【0066】
その従動ローラとなる搬送ローラR4と、装置本体後方側の搬送ローラR31の周長は変化しないが、装置本体前方側(操作者側)に配置される搬送ローラR32は、後述するように、斜め搬送を調整するために、シートと接触する外周部分の周長が変化するように構成されており、その両搬送ローラR31,R32は、駆動軸101を介して、上部外装102に支持されている。
【0067】
その上部外装102は、ジャム処理時やメンテナンス時等に便なるように、図1における符号102で示す閉じた状態から符号102aで示す破線の開放状態との間で開閉自在となるように、装置本体の支持部(ヒンジ)hによって回動自在に枢支されている。そして、駆動軸101の両端部は、上部外装102の前後に設けられたフレーム103a,103bに固定された軸受け104,105に回転自在に枢支され、その後端に固定された被駆動ギア106を介して、図示しない駆動源と伝動連結された駆動ギヤから駆動力の伝達を受けて回転駆動される。
【0068】
その上部外装102を開放すると、両搬送ローラR31,R32(搬送ローラR3)は、駆動軸101と共に、上部外装102と一体に開放され、被駆動ギア106は、駆動ギヤとの噛み合いが解除され、上部外装102を閉じると、噛み合い状態が形成されるようになっている。
【0069】
なお、本例では駆動ローラとしての搬送ローラR3と、従動ローラとしての搬送ローラR4との配置を、開放可能な上部外装102側に搬送ローラR3を設けているが、逆に搬送ローラR4を開放可能な上部外装側に設ける構造でもよく、後者の構造の方が駆動力を伝達する機構部分を簡素化することができる。
【0070】
図3及び図4に示すように、周長が変化する搬送ローラR32は、駆動軸101に対して回転不能、かつ、駆動軸101の軸線方向に摺動変位可能に取り付けられており、調整スリーブ(本発明でいう調整部材)111と、筒状のローラハウジング(本発明でいうローラ本体)113と、ゴムローラリング114と、ローラハウジング113及び調整スリーブ111の軸線方向の位置決めを行うための位置決め部材F(F1,F2)と、で構成されている。
【0071】
上述の調整スリーブ111は、テーパ状の外周面を有し、ローラハウジング113は、調整スリーブ111が嵌入する逆テーパ状の内周面を有して、軸線方向に延びる溝112によって分断されており、ゴムローラリング114は、ウレタン,NBR,EPDMなどのゴム材料から成りリング状に成型されている。
【0072】
位置決め部材Fは、後側位置決め部材F1と前側位置決め部材F2とで構成され、後側位置決め部材F1は、止め輪116と座金117からなり、前側位置決め部材F2は、調整カラー部材118とネジ119からなる。その止め輪116は、駆動軸101の後方側における該搬送ローラR32の位置決めを行うために、駆動軸101に刻設された溝115に嵌め込まれ、座金117は、止め輪116と、駆動軸101に対して遊転状態に被嵌されて、止め輪116とローラハウジング113との間に介在する。調整カラー部材118は、前記駆動軸101の前方側における該搬送ローラR32の位置決めを行うために、調整スリーブ111の前端側を位置決めし、ネジ119は、調整カラー部材118と、その調整カラー部材118を駆動軸101に固定する。
【0073】
また、周長が変化する搬送ローラR32の周方向の回転(滑り)を阻止し、駆動軸101と一体で回転させるために、駆動軸101にはピン121が立設されており、そのピン121が調整スリーブ111に形成されたキー溝122に嵌り込むことで、前記駆動軸101に対する調整スリーブ111の回転が阻止され、同様に調整スリーブ111に形成された凸部123がローラローラハウジング113に形成された凹部124に嵌り込むことで、調整スリーブ111に対するローラハウジング113の回転が阻止されるようになっている。
【0074】
この例では、調整スリーブ111を樹脂や金属などの剛体で形成しており、駆動軸101と該調整スリーブ111との滑り止めや、該調整スリーブ111とローラハウジング113との滑り止めを行うための手段(前記ピン121や凹凸123、124等)を用いているが、調整スリーブ111をウレタン等のように弾性及び摩擦係数が高い材質で形成すれば、そのような滑り止めを行うための手段を用いなくともよい。また、ローラハウジング113は、POMやABS等の樹脂材料を用い、金型による成型により製作される。
【0075】
また、調整スリーブ111の大径側の端部付近には、目印125が刻設されている。この目印125は、搬送ローラR32の外周部分の周長を、搬送ローラR31の周長と等しくする場合の調整スリーブ111のローラハウジング113への挿入位置(対応位置)を示すものであり、金型等による成型時に形成してもよいが、寸法を測定後に刻印や彫りこみなどでマーキングして、表面から突出しないように形成すればよい。
【0076】
従って、搬送ローラR32の組み立て順序としては、まず、止め輪116を駆動軸101に挿入して、駆動軸101に形成された溝115に止め輪116を嵌め込む。次いで、装置本体前方側(図3の右側)から座金117を駆動軸101に挿入した後、ローラハウジング113を駆動軸101に挿入する。この時点で、止め輪116により、ローラハウジング113の駆動軸101の後方側の位置決めがなされる。
【0077】
次に、調整スリーブ111を、装置本体前方側(図3の右側)から駆動軸101に挿入して、そのキー溝122を、駆動軸101に突設されたピン121に嵌め込むと共に、調整スリーブ111を回転させつつ、その凸部123をローラハウジング113の凹部124に嵌め込ませた状態にて、調整スリーブ111をローラハウジング113に押し込む(図示左方向へ)。
【0078】
本説明では、調整スリーブ111とゴムローラリング114が嵌め込まれたローラハウジング113とを別々に駆動軸101に組み付ける方法にて説明しているが、前もって、ゴムローラリング114が嵌め込まれたローラハウジング113に調整スリーブ111を嵌め込んだ後に、駆動軸101に組み付ける方法でもよい。
【0079】
そして、目印125がローラハウジング113の前端面と一致した時点で、調整カラー部材118を駆動軸101に挿入し、ネジ119で固定する。これにより、ローラハウジング113の駆動軸101の前方側の位置決めがなされる。その後、ゴムローラリング114をローラハウジング113に嵌め込む。なお、このゴムローラリング114をローラハウジング113に嵌め込んだ状態で、該ローラハウジング113を駆動軸101に挿入してもよい。
【0080】
このようにして搬送ローラR32の組み立てが完了した後、駆動軸101を装置本体に組み付けて、実際に原稿の搬送を行い、図2において、参照符D0で示すようにシートに斜行がない場合には調整を終了し、参照符D1で示すように後方側へ、又は参照符D2で示すように前方側へ斜行している場合には、それぞれ調整カラー部材118を引抜き、又は押込むことによって、搬送ローラR32の外周部分の周長を短く、又は長く調整することで、前記参照符D0で示すように斜行のない状態となるように矯正することができる。
【0081】
このように、搬送ローラR32の周長を変化させることで、斜め搬送を精度よく矯正することができる。その調整に際しては、単一の搬送ローラR32について、調整スリーブ111の押し込み量を調整することで、無段階連続的に周長を微調整できるため、調整作業が容易で、調整のための構成も必要最小限で済み、かつ、高精度な斜め搬送矯正が可能となり、シート搬送性を顕著に向上させることがでる。また、従来のように、搬送ローラの組み換えを行う必要がなく、矯正のための作業が容易となり、短い時間で調整作業を済ませることができる。
【0082】
さらに、シートの搬送方向は操作者の左右方向であるのに対して、周長調整可能な搬送ローラR32が操作者に近接した手前側に配置され、調整不能な側の搬送ローラR31が後方側となるように配置されるので、メーカー等で調整を行う際に、調整作業を容易に行うことができる。
【0083】
また、図1に示すように、相対的に上方に配置され、読取前の前記原稿を収容する原稿トレイ22と、相対的に下方に配置され、読取後の原稿を収容する排紙トレイ17との間を湾曲搬送路23で搬送するようにしたコンパクトに構成されるシート搬送装置において、周長調整可能な搬送ローラR32は、レジストローラR8,R9の上流側であれば、原稿トレイ22の直後からレジストローラR8,R9の直前までの間の何れの位置に設けられても、前記斜め搬送の矯正を行うことができる。
【0084】
より好ましくは、図1のように、湾曲搬送路23の上流側(前記原稿トレイ22に近い位置)に設けることで、ジャム処理などのために開放可能となっている上部外装102を開放すれば、搬送ローラR32を外部に露出させることができる。これによって、該シート搬送装置を本体装置に装着した状態で、前記上部外装102を開放するだけで斜め搬送矯正のための調整作業が可能になり、わざわざシート搬送装置を本体装置から取り外さなくてもよいので、調整時の作業性がきわめて良好なものとなる。
【0085】
なお、本実施の形態では、搬送路に湾曲部(湾曲搬送路23)を有する画像読取装置に適用した例について説明しているが、図示を省略するが、湾曲部の無い搬送路を有する画像読取装置にも適用可能であるのは言うまでもない。
【0086】
(その2)
図5は、の実施の形態における搬送ローラR32の軸線方向の断面図である。この場合、前述の図3の構成に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。注目すべきは、本実施の形態では、前記調整スリーブ111の位置決め部材Fとしての後側位置決め部材F1は前実施の形態のままとして、前側位置決め部材F2を、調整カラー部材118及びネジ119に代えて、止め輪131にした点である。
【0087】
そのため、駆動軸101には、止め輪131を段階的に係止させるための溝132,133,134を刻設している。このような構成では、前実施の形態における調整カラー部材118及びネジ119に比べて、調整の精度は低下するものの、構成がより簡易になる利点がある。なお、本実施の形態においても、湾曲部(湾曲搬送路23)を有する画像読取装置にも、また、湾曲部の無い搬送路を有する画像読取装置にも、適用可能であるのは言うまでもない。
【0088】
(その3)
図6は、の実施の形態における搬送ローラR3とその近傍部分の平面図、図7は、搬送ローラR3と対をなす搬送ローラR4とその付属部分の斜視図である。この場合、図6の構成において、前述の図2の構成に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。注目すべきは、本実施の形態では、駆動側の搬送ローラR31,R32の内、前記搬送ローラR32の外周面が固定状態のテーパ状に形成され、それと対をなす従動側の片方の搬送ローラR42の搬送ローラR32に対する接触位置を軸心方向に変位させることによって、シートの搬送に寄与する(従動ローラと挟圧搬送する)部分の搬送ローラR32の周長を調整するようにしたことである。
【0089】
具体的には、図7で示すように、搬送ローラR42は、駆動側の搬送ローラR32のテーパ面に沿うように、板バネ部材141に回転自在に支持され、その板バネ部材141の保持部材107への取付け位置を、取付穴143と取付ネジ144とによって調整できるようにしている。なお、板バネ部材141の後端には、保持部材107に形成した係止凹部145に係止させるための係止部(図示省略)を形成している。
【0090】
また、同様に搬送ローラR3(R31,R32)と、搬送ローラR4(R41,R42)とを逆の配置となる構造にしてもよく、この場合は保持部材107の機能を上部外装102に備えさせることができる。
【0091】
このような構成により、上部外装102を開放して、従動側の搬送ローラR42の取付け位置を切換えるだけで容易に斜め搬送の調整を行うことができる。なお、本実施の形態においても、湾曲部(湾曲搬送路23)を有する画像読取装置にも、また、湾曲部の無い搬送路を有する画像読取装置にも、適用可能であるのは言うまでもない。
【0092】
なお、本発明は、原稿読取装置1を、図1に示す構成に限定するものではなく、少なくとも、駆動軸に一体的に取り付けられ、該駆動軸の軸線方向に分割された複数の駆動ローラと、前記各駆動ローラと対をなし被動回転する複数の従動ローラと、によってシートを挟圧搬送するようにしたシート搬送装置を具備して、搬送される原稿を読み取るための原稿読取部を備えておれば、その構成や形式の如何を問わず、本発明を適用することができる。
【0093】
《画像形成装置》
図8は、本発明の画像読取装置1が搭載される画像形成装置としてのデジタル複合機100の概略構成を示す図である。このデジタル複合機100では、読取り部(画像読取装置)110にて読取られた原稿画像は、画像データとして図示しない画像データ入力部へと送られ、画像データに対して所定の画像処理が施された後、画像処理部のメモリに一旦記憶され、出力指示に応じてメモリ内の画像を読出して画像形成部210の光書込み装置であるレーザ書込みユニット227に転送される。
【0094】
レーザ書込みユニット227は、メモリから読出した画像データ、又は外部の装置から転送されてきた画像データに応じてレーザ光を出射する半導体レーザ光源、レーザ光を等角速度偏向するポリゴンミラー、等角速度で偏向されたレーザ光が感光体ドラム222上において等角速度で偏向されるように補正するf−θレンズなどから構成されている。なお、本実施例では、書込み装置としてレーザ書込みユニットを用いているが、LEDやEL等の発光素子アレイを用いた固体走査型の光書込みヘッドユニットを用いてもよい。
【0095】
画像形成部210には、その他、装置全体を制御するための制御部と、感光体ドラム222の周囲に、感光体ドラム222を所定の電位に帯電させる帯電器223、感光体ドラム222上に形成された静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像器224、感光体ドラム222表面に形成されたトナー像をシートに転写する転写器(転写チャージャ等)225、余分なトナーを回収するクリーニング器226、除電器(除電チャージャ等)229を備えている。この画像形成部210で画像が転写されたシートは、その後、定着ユニット217に送られ、画像がシートに定着される。
【0096】
前記画像形成部210の排出側には、上記定着ユニット217の他に、シートの裏面に再度画像を形成するためにシートの前後を反転させるスイッチバック路221、画像が形成されたシートに対してステープル処理等を行うとともに昇降トレイ261を有する後処理装置260を備えている。定着ユニット217にてトナー像が定着されたシートは、必要に応じてスイッチバック路221を経て排紙ローラ219にて後処理装置260へと導かれ、ここで所定の後処理が施された後、排出される。
【0097】
給紙部は、上記画像形成部210の下方に配設されており、本体に備えられた手差トレイ254,両面ユニット255,用紙トレイ251と多段給紙部270に備えられた給紙トレイ252,253で構成されている。また、これらのトレイ251,252,253,254から給紙したシートを画像形成部210における転写器が配置された転写位置へと搬送する搬送手段250,270を備えている。
【0098】
両面ユニット255は、シートを反転させるスイッチバック路221に通じており、シートの両面に画像形成を行う時に用いられる。なお両面ユニット255は通常の用紙カセットと交換可能な構成となっており、両面ユニット255を通常の用紙カセットに置き換えた構成とすることも可能となっている。
【0099】
このような画像形成装置100では、画像読取装置1における原稿の斜め搬送矯正だけでなく、記録紙としてのシートの搬送過程での斜め搬送を調整するために、図2ないし図7で説明したような斜行調整のための構成を採用することができる。すなわち、具体的には、例えば、搬送手段250,270を構成する搬送ローラ対250a,270a,270bに、前述したような斜め搬送矯正のための構成を適用することができる。その場合、用紙トレイ251と給紙トレイ252,253が本発明でいうシート収容トレイに相当し、昇降トレイ261が本発明でいうシート排出トレイに相当する。
【0100】
なお、本発明は、画像形成装置100を、図8に示す構成に限定するものではなく、少なくとも、原稿読取装置で読み取った原稿の画像をシートに再現するための画像形成部(アナログ方式の画像形成部も含む)を、あるいは原稿読取装置を備えていないで外部から転送される画像データを基に画像形成を行う画像形成部を備えておれば、その構成や形式の如何を問わず、本発明を適用することができる。
【0101】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、以下の効果を奏する。
【0102】
(1)調整部材により、駆動ローラの外周部分の周長を調整するので、その駆動ローラによるシート搬送速度を調整できるため、シートの斜め搬送を効果的に矯正することができる。
【0103】
(2)少なくとも2箇所に配設される駆動ローラの少なくとも1個の駆動ローラをテーパ形状に形成し、その駆動ローラと対をなす従動ローラを駆動軸に沿う方向に変位させるので、シートと接触する外周部分の周長を変化させ、搬送方向に対して左右の搬送速度のバランスを調整して、斜め搬送を防止することができる。なお、複数(又は全て)の駆動ローラに調整機能を持たせてもよく、その場合にも同様の効果を得ることができる。
【0104】
(3)調整部材をローラ本体に押込むことで、そのテーパ状の外周面がローラ本体の逆テーパ状の内周面を押拡げ、これによって軸線方向に延びる溝によって分断された筒状のローラ本体の外径を拡大することができ、調整部材をローラ本体から引抜く方向に移動させることで、ローラ本体の外径は縮小するので、斜め搬送を適切に調整できる位置にて、位置決め部材により、調整部材の軸線方向の位置決めを行えば、斜め搬送を矯正することができる。
【0105】
その際に、位置決め部材により、駆動ローラを、任意の周長となるように(無段階連続的に)微調整することができるため、高精度な斜め搬送の矯正が可能となる。また、その周長を変化させる駆動ローラの配設位置を変化させる必要はなく、調整部材の移動のみで対処できるため、矯正時の作業性が著しく向上する。
【0106】
(4)2つ設けられている駆動ローラの中の一方のみ、周長を変化させればよいので、最少限の構成及び最少限の調整で、斜め搬送の調整が可能となる。
【0107】
(5)操作者に対して、周長調整可能な側の駆動ローラ及び従動ローラは操作者に近接した手前側に配設される一方、調整の必要がない側の駆動ローラ及び従動ローラが後方側となるように配設されるので、斜め搬送調整の際に、装置の前面側から、作業を容易に行うことができる。
【0108】
(6)レジスト手段よりも上流側で斜め搬送を調整するので、レジスト手段への斜め搬送矯正の負担を軽減することができ、レジスト手段による斜め搬送矯正が容易となり、斜め搬送を精度よく矯正できると共に、シート搬送位置のシフトを防止できる。
【0109】
(7)周長の調整が可能な側の駆動ローラ及び従動ローラを湾曲搬送路の上流側に設けるので、ジャム処理などのために開放可能となっている上部外装を開放すれば、前記駆動ローラ及び従動ローラ対を外部に露出させることができるため、シート搬送装置を本体装置に装着したままの状態で、前記上部外装を開放すれば、斜め搬送を矯正するための調整作業が可能となり、調整作業の効率が顕著に向上する。
【0110】
(8)前記(1)乃至(7)項のいずれかに記載のシート搬送装置を備えた原稿読取装置では、斜め搬送のない正常な状態で原稿読取部に搬入された原稿から良好な読取りを行うことができる。
【0111】
(9)前記(8)項に記載の前記原稿読取部を備えた画像形成装置では、斜め搬送のない正常な状態で原稿読取部に搬入された原稿から読み取った画像データに基づいて画像形成部で良好な画像形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像読取装置の構成図である。
【図2】同シート搬送装置の要部構成の説明図である。
【図3】同要部断面図である。
【図4】同要部分解斜視図である。
【図5】他の実施の形態の要部断面図である。
【図6】実施の形態におけるシート搬送装置の要部構成図である。
【図7】搬送ローラ周辺の構成を示す斜視図である。
【図8】画像形成装置の構成説明図である。
【符号の説明】
11,21−原稿読取部
17,261−シート排出トレイ
22,251,252,253−シート収容トレイ
101−駆動軸
111−調整スリーブ
113−ローラ本体
210−画像形成部
F(F1,F2)−位置決め部材
R3−駆動ローラ
R4−従動ローラ
R8,R9−レジスト手段

Claims (7)

  1. 駆動軸の軸線方向に分離して配設された複数の駆動ローラと、前記各駆動ローラと対をなして被動回転する複数の従動ローラと、によってシートを挟圧搬送するようにしたシート搬送装置において、
    前記駆動ローラ及び従動ローラの下流側に配設され、シートに撓みを与えることでシートの斜め搬送及びタイミングを矯正するレジスト手段を備え、
    前記駆動ローラの中、少なくとも1つの前記駆動ローラは、前記軸線方向に変位可能に前記駆動軸に軸支されその外周面がテーパ状を呈する調整スリーブと、前記スリーブが嵌入する逆テーパ状の内周面を有し前記軸線方向に延びる溝によって分断された筒状のローラ本体と、前記ローラ本体の外周面に嵌め込まれ周方向に伸縮可能な弾性部材からなり従動ローラとの間にシートを挟み込むリング状部材と、前記ローラ本体及び前記調整スリーブの前記軸線方向の位置決めを行う位置決め部材とを有し、
    前記調整スリーブの内周面には、前記軸線方向に平行を成す第1係合溝が設けられ、前記第1係合溝は前記駆動軸に設けられた突起部と離合可能に係合し、
    前記調整スリーブの外周面には、その径方向に突き出す突出部が設けられ、前記突出部は前記ローラ本体の内周面に前記軸線方向を長手方向として設けられた第2係合溝に変位可能に係合されていることを特徴とするシート搬送装置。
  2. 前記駆動ローラは2つ設けられ、いずれか一方の側の前記外周部分の周長が調整可能に構成されることを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
  3. 前記シートの搬送方向は、操作者が装置前面に向かう場合に、前記操作者の左右方向であり、かつ、前記周長の調整が可能な側の駆動ローラ及び従動ローラが、前記操作者に近接した側に配置されることを特徴とする請求項2に記載のシート搬送装置。
  4. 相対的に上方に配置され、処理前の前記シートを収容するシート収容トレイと、相対的に下方に配置され、処理後の前記シートを収容するシート排出トレイと、の間を結ぶ湾曲搬送路で前記シートを搬送するようにしたシート搬送装置であって、
    前記周長の調整が可能な側の駆動ローラ及び従動ローラが、前記湾曲搬送路の上流側に設けられ、上部外装を開放することで前記周長が調整可能となるように構成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のシート搬送装置。
  5. 前記調整スリーブの外周面には、前記調整スリーブを前記ローラ本体に嵌入するときに前記リング状部材の外周が予め設定された周長となる嵌入位置に目印が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のシート搬送装置。
  6. 請求項1乃至5に記載のシート搬送装置を備え、かつ、搬送される原稿の画像を読取るための原稿読取部を備えたことを特徴とする画像読取装置
  7. 請求項6に記載の前記原稿読取部を備え、かつ、前記シート搬送装置によって搬送されるシートに、前記原稿読取装置によって読み取られた画像を形成するための画像形成部を備えたことを特徴とする画像形成装置
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