JP4244433B2 - ポリオレフィン系積層ストレッチフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層ストレッチフィルムに係り、更に詳細には、プロピレン系樹脂を含み、横カット性と自己粘着性に優れ、特に包装材として有用なポリオレフィン系積層ストレッチフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、包装用フィルム、いわゆるラップとしては、塩化ビニル系樹脂フィルムが広く使用されており、主として機械包装による業務用には、柔軟性が高いポリ塩化ビニル、手包装による家庭用には、柔軟性がほどほどで取り扱い性に優れるポリ塩化ビニリデンが多用されている。
また、近時では、ポリエチレン製のラップも使用されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の包装用フィルムのうち、ポリ塩化ビニル及びポリ塩化ビニリデン製の包装用フィルムにあっては、耐熱性やカット性等の優れた特性を有するものの、近年環境汚染で問題となっている塩化水素の発生原因物質となる可能性がある。
また、ポリエチレン製の包装用フィルムについては、自己粘着性や耐熱性やカット性が十分とは言えないという課題があった。
【0004】
一方、本出願人は、特開平8−27238号公報、WO97/19135号公報及び特願平9−132176号に、透明性、光沢、成形収縮率、剛性及びこれらのバランスに優れた高性能のプロピレン系ブロック共重合体を提案しているが、かかるブロック共重合体であっても、特に包装用フィルムとして用いた場合には、必ずしも十分な特性を有するとは言えず、改良の余地がある。
【0005】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、横カット性と自己粘着性に優れたポリオレフィン系積層フィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の結晶性プロピレン−エチレン共重合体その他の重合体を用い、所定の積層構造を採用することにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明の積層ストレッチフィルムは、結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体(X)を含有する[A]層及び[B]層を備え、この[A]層の少なくとも1層の表面が露出するように積層されて成る積層ストレッチフィルムであって、
結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体(X)が、結晶性ポリプロピレンとエチレン−プロピレンのコポリマー成分を含み、
上記コポリマー成分の極限粘度[η] RC が1.7〜2.8dl/g、上記コポリマー成分と結晶性ポリプロピレンとの極限粘度比[η] RC /[η] PP が0.7〜1.2、且つこの極限粘度比[η] RC /[η] PP と、上記コポリマー成分と結晶性ポリプロピレンとの重量比W PP /W RC との積([η] RC /[η] PP )×(W PP /W RC )が、1.0〜3.0であり、
[A]層が、上記ブロック共重合体(X)を98〜40重量%、エチレン−高級αオレフィン共重合体(Y)を1〜30重量%、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体又はその水素添加誘導体(Z)を1〜30重量%の割合で含有し、
[B]層が、上記ブロック共重合体(X)を90〜20重量%、エチレン−高級αオレフィン共重合体(Y)を5〜40重量%、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体又はその水素添加誘導体(Z)を5〜40重量%の割合で含有し、且つ[B]層のエチレン−高級αオレフィン共重合体(Y)及びビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体又はその水素添加誘導体(Z)の含有割合が[A]層のそれよりも多いことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の積層ストレッチフィルムの他の好適形態は、[A]層、[B]層及び[A]層の順で積層されて成ることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の積層ストレッチフィルムについて詳細に説明する。
上述の如く、本発明の積層ストレッチフィルムは、後述する[A]層と[B]層を備え、この[A]層のうちの少なくとも1つの層の表面が露出するように積層されて成る。
【0012】
ここで、[A]層のうちの少なくとも1つの層の表面が露出するように積層されているとは、[A]層が1層又は複数層存在し、そのうちの少なくとも1つの[A]層が、得られる積層ストレッチフィルムの表面若しくは裏面、又は表面と裏面の双方を構成することを意味する。
具体的には、[A]層−[B]層、[A]層−[B]層−[A]層、及び[A]層−[B]層−[A]層−[B]層−[A]層の順で積層された積層構造を挙げることができるが、[A]層が露出してさえいれば、[A]層及び[B]層以外の他の層を構成層として有する積層構造であってもよい。
【0013】
なお、フィルムの製造コストや一般的なストレッチフィルムの使用方法の観点から、上述の積層構造のうちでは、[A]層−[B]層−[A]層の3層構造を特に好ましく採用することができ、この場合、積層フィルム全体の厚みは8〜30μm、特に8〜20μmとすることが好ましい。
積層フィルム全体の厚みが8μm未満では、フィルムの製造において厚み制御が困難になり、30μmを超えると、自己粘着性は有しているもののストレッチフィルムとしての包装適性が不十分になることがあり、好ましくない。
【0014】
また、上記3層構造においては、[B]層の厚みが積層フィルム全体の厚みの50〜99%、特に50〜80%を占有することが好ましい。
50%未満では、横カット性、柔軟性及び復元性が劣化することがあり、99%を超えると、柔軟になりすぎるため、加工安定性が低下することがあり、好ましくない。
【0015】
次に、[A]層及び[B]層の材質などにつき説明する。
[A]層は主に自己粘着性を担う層で、[B]層は主に横カット性及び柔軟性を担う層であり、これらは、ともに結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体(X)を含む。
【0016】
ここで、ブロック共重合体(X)における結晶性ポリプロピレンとしては、プロピレン単独重合体又は90重量%以上のプロピレン重合単位を含有するプロピレン−エチレンランダム共重合体、好ましくはプロピレン単独重合体又は95重量%以上のプロピレン重合単位を含有するプロピレン−エチレンランダム共重合体を好適に用いることができる。
【0017】
一方、エチレン−プロピレンのコポリマー成分としては、コポリマー成分全体を基準として20〜55重量%、好ましくは25〜50重量%のエチレン重合単位を含有するエチレン−プロピレンランダム共重合体を好適に用いることができる。
エチレン重合単位の量は、ブロック共重合体(X)の剛性及び耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性に影響し、多いほど耐衝撃性が良好であるが、55重量%を超えると、コポリマーの結晶性ポリプロピレンへの分散が不均一になり、本積層フィルムの透明性や自己粘着性などが低下することがあるので、上述の範囲に調整することが好ましい。
【0018】
なお、上記コポリマー成分では、135℃のテトラリン中で測定した極限粘度[η]RCが1.7〜2.8dl/gであり、且つ同一条件で測定した結晶性ポリプロピレンの極限粘度[η]PPとの極限粘度比[η]RC/[η]PPが0.7〜1.2である。
この際、コポリマー成分の極限粘度[η]RCは直接測定できないので、直接測定可能な結晶性ポリプロピレンの極限粘度[η]PP及びプロピレンブロック共重合体全体の極限粘度[η]WHOLE、並びにコポリマー含有量WRC(重量%)から、次式(1)に基づいて算出される。
[η]RC={[η]WHOLE−(1−WRC/100)[η]PP}/(WRC/100)…(1)
【0019】
コポリマー成分の極限粘度[η]RCは、特にフィルムの加工特性に影響し、コポリマーと結晶性ポリプロピレンの極限粘度比[η]RC/[η]PPは、コポリマーの結晶性ポリプロピレンへの分散性に影響する。コポリマーの極限粘度[η]RCが大きすぎるとフィルムの製膜性が悪化し、生産上問題となることがある。
一方、結晶性ポリプロピレンとの極限粘度比[η]RC/[η]PPは、小さすぎると低温での耐衝撃性が不足し、また、大きすぎると透明性及び自己粘着性の改善効果が低下し、目的とする特性を達成できないことがある。
【0020】
また、ブロック共重合体(X)において、結晶性ポリプロピレンとコポリマー成分との重量比WPP/WRCは、上述した両成分の極限粘度比との積([η]RC/[η]PP)×(WPP/WRC)が1.0〜3.0を満足するような値を採る。
このポリマー成分比と極限粘度比との積は、本積層フィルムの粘着性を表す指標であり、その値が小さくなると、粘着性は良好となるが、耐熱性や剛性の低下が大きくなる。この一方、大きくなりすぎると、所期の透明性と粘着性が得られないことがある。
【0021】
また、上述したブロック共重合体(X)の具体的な組成は、この共重合体全体に対して、20〜70重量%、好ましくは25〜60重量%のコポリマーと、80〜30重量%、好ましくは75〜40重量%の結晶性ポリプロピレンである。
【0022】
本発明の積層フィルムでは、[A]層は上記ブロック共重合体(X)を必須成分とするが、これに以外にも、エチレン−高級αオレフィン共重合体(Y)と、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体又はその水素添加誘導体(Z)を含有する。
ここで、エチレン−高級αオレフィン共重合体(Y)における高級αオレフィンとしては、炭素数が4以上のオレフィン、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン及び1−デセン挙げることができるが、1−オクテンが好ましく、従って、エチレン−高級αオレフィン共重合体としては、エチレン−オクテン共重合体を好適に用いることができる。
【0023】
なお、かかるエチレン−高級αオレフィン共重合体(Y)としては、エチレン含有量が45重量%以上、特に60〜80重量%で、且つ小角X線散乱で測定される長周期の値が6〜14nm、特に8〜12nmのポリエチレン結晶を有するものを好ましく用いることができる。
エチレン含有量が45重量%未満では、共重合体そのものが満足のいくペレットの形状が得られない可能性がある。また、上記長周期の値が6nm未満では、ポリエチレン結晶を擬似架橋体としてゴムを強化する効果が十分ではなく、また、14nmを超えると、ポリエチレンの結晶が大きすぎてポリプロピレン樹脂との相分離が著しくなり、その樹脂組成物を用いて成形した成形品の引張伸度の低下を招くことになるために好ましくない。
【0024】
一方、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体又はその水素添加誘導体(Z)としては、水添スチレン・ブタジエン・ラバーやスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体又はその水素添加誘導体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体又はその水素添加誘導体を挙げることができるが、水添スチレン・ブタジエン・ラバーを好ましく用いることができる。
【0025】
また、[A]層における上記ブロック共重合体(X)、エチレン−高級αオレフィン共重合体(Y)及びビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体又はその水素添加誘導体(Z)の配合量としては、(X)を98〜40重量%、好ましくは98〜70重量%、(Y)を1〜30重量%、好ましくは1〜15重量%、(Z)を1〜30重量%、好ましくは1〜15重量%とする。
エチレン−高級αオレフィン共重合体(Y)の含有量が1重量%未満では、柔軟性が不足し、トレイにラッピングする際にしわが発生するおそれがあり、30重量%を超えると、しわの発生は解消されるものの、柔軟になりすぎるため加工性が低下することがある。
また、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体又はその水素添加誘導体(Z)の含有量が1重量%未満では、ラッピングされたフィルムを押した際にフィルムの戻りが悪くなり、30重量%を超えると、フィルムの復元性が強くなりすぎるために、ラッピングする際にトレイが変形することがある。
【0026】
一方、[B]層の必須成分には、上述のブロック共重合体(X)以外にも、上記エチレン−高級αオレフィン共重合体(Y)及びビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体又はその水素添加誘導体(Z)が含まれる。
かかる(Y)及び(Z)については、上述の通りであり、その説明を省略するが、これらの成分の[B]層における配合量は、(X)が90〜20重量%、特に90〜40重量%、(Y)が5〜40重量%、特に5〜30重量%、(Z)が5〜40重量%、特に5〜30重量%である。
エチレン−高級αオレフィン共重合体(Y)の含有量が5重量%未満では、柔軟性が不足するために、トレイにラッピングする際にしわが発生する可能性があり、40重量%を超えると、柔軟になりすぎるために、加工性が低下する。
また、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体又はその水素添加誘導体(Z)の含有量が5重量%未満では、復元性が劣るために、ラッピングされたフィルムを指で押した際に指の跡が残り、フィルムの外観が悪化し、40重量%を超えると、フィルムの復元性が強くなりすぎるために、ラッピングする際にトレイが変形することがある。
【0027】
なお、[A]層と[B]層との間において、選択されるブロック共重合体(X)、エチレン−高級αオレフィン共重合体(Y)及びビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体又はその水素添加誘導体(Z)は、それぞれが各成分のカテゴリーに含まれていれば、同一材料であっても異なる材料であってもよく、更には、物性が同一でも異なっていてもよい。
例えば、[A]層及び[B]層の(Y)としてエチレン−オクテン共重合体を選択してもよいが、[A]層の(Y)としてエチレン−オクテン共重合体を選択し、[B]層の(Y)としてエチレン−ブテン共重合体を選択してもよい。また、[A]層及び[B]層の(Z)として水添スチレン・ブタジエン・ラバーを選択してもよいが、[A]層の(Z)として水添スチレン・ブタジエン・ラバーを選択し、[B]層の(Z)としてスチレン−イソプレン−スチレンのトリブロック共重合体を選択してもよい。
更には、[A]層及び[B]層における(X)の極限粘度やメルトフローレート(MFR)などを一致させてもよいが、異ならせることも可能である。
【0028】
本発明のポリオレフィン系積層フィルムは、上述した(X)〜(Z)成分を必須成分とするが、所要に応じて各種添加剤を加えることが可能であり、かかる添加剤としては、酸化防止剤、中和剤及び防曇剤などを挙げることができる。
ここで、酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤を例示でき、中和剤としては、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸塩類を例示でき、防曇剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルを例示できる。
【0029】
以上に説明してきた本発明のポリオレフィン系積層ストレッチフィルムは、ポリ塩化ビニル製フィルムに匹敵する優れた諸特性を有するが、その材質から塩化水素の発生原因物質となることはない。また、特に横カット性と自己粘着性に優れるので、ラップ等の包装材として用いるのに好適である。
ここで、「横カット性」とは、ストレッチフィルムを繰り出して切断する際の方向(繰り出し方向に対して垂直方向)のカット性のことを意味する。
また、「自己粘着性」とは、粘着剤を添加又は塗布していないフィルムが粘着性を有し、ラップ時にフィルム同士が接着することを意味し、本発明の積層フィルムにおいては上述した[A]層がこの機能を担うことになる。よって、表裏面を区別し難いことがある実際の包装時を考慮すると、本発明の積層フィルムの積層構造としては、上述の如く、[A]層−[B]層−[A]層の3層構造、及び[A]層−[B]層−[A]層−[B]層−[A]層の5層構造が好ましいと言える。
【0030】
以下、本発明のポリオレフィン系積層フィルムの製造方法について説明する。まず、結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体(X)は、如何なる方法によって製造してもよいが、上述の極限粘度、粘度比及び粘度比と重量比との積を実現できる方法が望ましく、具体的には、大粒径のチタン含有固体触媒成分(A)と有機アルミニウム化合物(B)を含み、所要に応じて有機ケイ素化合物(C)を含む立体規則性触媒の存在下、気相中で結晶性ポリプロピレンの重合(第1重合工程)を行い、次いで、プロピレン−αオレフィン(好ましくはエチレン)コポリマーの共重合(第2重合工程)を行うことにより、製造するのが好ましい。
【0031】
ここで、立体規則性触媒におけるチタン含有固体触媒成分(A)は、無担体でも使用できるが、マグネシウム化合物、シリカ化合物及びアルミナ等の無機担体やポリスチレン等の有機担体に担持して用いてもよく、更には、エーテル類やエステル類の電子供与性化合物を反応させて付加したものを用いることも可能である。
【0032】
具体例としては、マグネシウム化合物のアルコール溶液を噴霧してマグネシウム化合物のアルコール付加物からなる固体成分とし、該固体成分を部分乾燥し、次いで、乾燥した固体成分をハロゲン化チタン及び電子供与性化合物で処理して成るチタン含有固体触媒(特開平3−119003号公報)、及びマグネシウム化合物をテトラヒドロフラン/アルコール/電子供与体の溶液に溶解し、TiCl4単独又は電子供与体との組み合わせで析出したマグネシウム担体をハロゲン化チタン及び電子供与性化合物で処理して成るチタン含有固体触媒(特開平4−103604号公報)を挙げることができる。
【0033】
また、チタン含有固体触媒成分(A)としては、平均粒径が25〜300μm、好ましくは30〜150μmのものを用いるのがよい。
平均粒径が25μm未満では、得られるブロック共重合体パウダーの流動性が著しく損なわれ、重合器の器壁や撹拌翼等へ付着して重合系内を汚染したり、重合器から排出されたパウダーの搬送が困難になったりして、安定運転の妨げとなることがあるので好ましくない。
【0034】
更に、チタン含有固体触媒成分(A)としては、正規分布における均一度が2.0以下のものが好ましく、均一度が2.0を超えると、得られるブロック共重合体のパウダー流動性が低下して連続的安定運転が困難になることがあり、好ましくない。
【0035】
有機アルミニウム化合物(B)としては、次の一般式
R1 mAlX3−m
(式中のR1は炭素数1〜20の炭化水素基若しくはアルコキシ基の同種又は異種、Xはハロゲン原子、mは3≧m≧1を満足する正数を示す。)で表される化合物を用いることが好ましい。
【0036】
かかる有機アルミニウム化合物(B)の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−i−ブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、メチルアルミニウムセスキクロライド、ジ−n−プロピルアルミニウムモノクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムアイオダイド及びエトキシジエチルアルミニウム等を挙げることができ、トリエチルアルミニウムを好ましく使用することができる。
なお、これら有機アルミニウム化合物は、1種単独又は2種以上を混合して使用することが可能である。
【0037】
有機ケイ素化合物(C)としては、次の一般式
R2 XR3 YSi(OR4)Z
(式中のR2及びR4は炭化水素基、R3は炭化水素基又はヘテロ原子を含む炭化水素基を示し、X、Y及びZは0≦X≦2、1≦Y≦3、1≦Z≦3且つX+Y+Z=4を満足する。)で表される化合物が好ましい。
【0038】
かかる有機ケイ素化合物(C)の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン又はトリメチルエトキシシラン及びこれらの任意の混合物を挙げることができ、ジイソブチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン及びジフェニルジメトキシシランを好ましく使用することができる。
【0039】
ブロック共重合体(X)の製造においては、上述のようなチタン含有固体触媒成分(A)、有機アルミニウム化合物(B)及び所要に応じて有機ケイ素化合物(C)を配合した立体規則性触媒を、第1重合工程の結晶性ポリプロピレンの重合に用いるが、この際、チタン含有固体触媒成分(A)は、予めαオレフィンを反応させて予備活性化した状態で使用することが好ましい。
【0040】
チタン含有固体触媒成分(A)の予備活性処理は、有機アルミニウム化合物(B’)を用いて行うが、この化合物(B’)としては、上述の有機アルミニウム化合物(B)を用いることができる。この場合、化合物(B’)は、その後の本重合の際に使用する有機アルミニウム化合物(B)と同種又は異種のもののいずれであってもよいが、同種のものを使用し、且つ化合物(B’)と(B)をトリエチルアルミニウムとするのが好ましい。
【0041】
かかる予備活性化処理において、有機アルミニウム化合物(B’)の使用量は特に限定されるものではないが、通常、チタン含有固体触媒成分(A)中のチタン原子1モルに対して0.1〜40モル、好ましくは0.3〜20モルの割合で使用するのがよく、このような使用量の下、触媒成分(A)1g当たり0.1〜100g、好ましくは0.5〜50gのαオレフィンを10〜80℃で10分〜48時間反応させて、予備活性化処理を完了する。
【0042】
なお、上述の予備活性化処理においては、所要に応じて、有機ケイ素化合物(C’)を用いることが可能であり、かかる化合物(C’)としては、上述の有機ケイ素化合物(C)を用いることができる。この場合、化合物(C’)は、その後の本重合の際に使用する有機ケイ素化合物(C)と同種又は異種のもののいずれであってもよく、予め有機アルミニウム化合物(B’)1モルに対して0.01〜10モル、好ましくは0.05〜5モルの割合で使用する。
有機ケイ素化合物(C’)としては、ジイソブチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン及びジフェニルジメトキシシランを好適に用いることができる。
【0043】
上記予備活性化処理に用いるαオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテン又は3−メチル−1−ペンテン及びこれらの任意の混合物を例示できる。
また、その重合に際してポリマーの分子量を調節するために水素等の分子量調節剤を併用することも可能である。
【0044】
上記予備活性化処理では不活性溶剤を使用するが、この不活性溶剤としては、重合反応に著しく影響を及ぼすものではない溶剤、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、流動パラフィン等の液状飽和炭化水素又はジメチルポリシロキサンの構造を有するシリコーンオイル等を挙げることができ、これら溶剤は1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
なお、かかる不活性溶剤を使用する際には、重合に悪影響を及ぼす水分や硫黄化合物等の不純物を除去しておくことが望ましい。
【0045】
上述の如く、本発明の積層フィルムにおけるブロック共重合体成分の製造では、上述の立体規則性触媒の存在下に、結晶性ポリプロピレンを気相中で重合する第1重合工程と、プロピレン−αオレフィンコポリマーを共重合する第2重合工程とを連続して実施する。
ここで、第1重合工程は、気相重合法に限定されるものではなく、スラリー重合法や塊状重合法を行ってもよいが、この工程に引き続いて行う第2重合工程は気相重合法とすることが好ましいことから、第1重合工程も気相重合法とすることが好ましい。なお、第2重合工程としてスラリー重合法や塊状重合法を採用すると、コポリマーが溶液中に溶出し、安定運転の継続が困難になることがあるので、好ましくない。
【0046】
第1重合工程におけるホモポリマーの重合条件は、採用する重合形式によっても異なるが、気相重合法の場合、一定量のポリプロピレンパウダーを分散剤として重合器中で混合撹拌しながら、予備活性化されたチタン含有固体触媒成分等を含有する立体規則性触媒の存在下、重合温度を20〜120℃、好ましくは40〜100℃、重合圧力を大気圧〜9.9MPa、好ましくは0.59〜5.0MPaに制御して、プロピレン又はプロピレンと少量のエチレンを供給し、ホモポリマーを重合する。
【0047】
この際、有機アルミニウム化合物(B)とチタン含有固体触媒成分(A)の使用割合は、Al/Ti=1〜500(モル比)、好ましくは10〜30とすることが望ましい。なお、この場合、チタン含有固体触媒成分(A)のモル数は、実質的にチタン含有固体触媒成分(A)中のTiグラム数を示す。
【0048】
有機ケイ素化合物(C)と有機アルミニウム化合物(B)の使用割合は、通常B/C=1〜10(モル比)であり、好ましくは1.5〜8である。
B/Cモル比が10を超えると、ホモポリマーの結晶性が低下して、得られるブロック共重合体成分の剛性が不十分になることがある。一方、B/Cモル比が1未満の場合には、重合活性が著しく低下して生産性が低下することがあるので、好ましくない。
【0049】
結晶性ポリプロピレン成分の分子量調節には、水素のような分子量調節剤を重合時に使用することができ、この場合、結晶性ポリプロピレン成分の極限粘度が上述した本発明所定の範囲を満足するように行えばよい。
ホモポリマーを重合した後、生成したパウダーの一部を抜き出し、極限粘度、MFR及び触媒単位重量当たりの重合体収量の測定を行い、ホモポリマーの性状をチェックしておくことが好ましい。
【0050】
次に、以上のような第1重合工程に引き続いて、プロピレン−αオレフィンコポリマーを生成する第2重合工程を実施するが、この第2重合工程の重合温度は20〜120℃、好ましくは40〜100℃、重合圧力は大気圧〜9.9MPa、好ましくは0.59〜5.0MPaに制御され、かかる条件下でαオレフィン、例えばエチレンとプロピレンの混合モノマーが共重合される。
なお、得られるコポリマー中のエチレン単位含有量は、コモノマー中のエチレンモノマーとプロピレンモノマーとのモル比を制御することにより、調整できるが、22〜55重量%にすることが好ましい。
【0051】
また、ホモポリマーの重量に対するコポリマーの重量は、重合時間を調整したり、一酸化炭素や硫化水素等の触媒の重合活性調節剤を使用することにより、制御することが可能であるが、本発明では、コポリマーの重量が22〜60重量%になるように調整することが好ましい。
更に、コポリマーの極限粘度は、水素の如き分子量調節剤をコポリマー重合時に添加することにより、本発明所定の範囲に調整すればよい。
【0052】
重合方式は、回分式、半連続式又は連続式のいずれであってもよいが、工業的には連続式重合法を採用することが好ましい。
【0053】
以上の第2重合工程の終了後に、重合系からモノマーを除去すれば、プロピレン系ブロック共重合体(X)である粒子状ポリマーが得られる。
かかる粒子状ポリマーは、極限粘度及びエチレン含有量の測定、並びに触媒単位重量当たりの重合体収量の測定に供され、本発明の積層フィルムの品質管理に利用可能である。
【0054】
次に、エチレン−高級αオレフィン共重合体(Y)は、特に限定されず常法に従って製造することができるが、市場からも入手可能であり、例えば、エチレン−オクテン共重合体としては、「エンゲージ」(ダウ・ケミカル(株))、「タフマー」(三井化学(株))、エチレン−ブテン共重合体としては、「タフマー」(三井化学(株))、「EBM」(JSR(株))などを挙げることができる。
【0055】
また、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体又はその水素添加誘導体(Z)も特に限定されず常法に従って製造することができるが、市場からも入手可能であり、例えば、水添スチレン・ブタジエン・ラバーとしては、「ダイナロン」(JSR(株))、スチレン−イソプレン−スチレンのトリブロック共重合体の水素添加誘導体としては、「ハイプラー」((株)クラレ)などを挙げることができる。
【0056】
本発明のポリオレフィン系積層ストレッチフィルムを得るには、まず、原料混合物を得る必要があるが、この原料混合物は、上述の如くして得られたプロピレン系ブロック共重合体(X)と、エチレン−高級αオレフィン共重合体(Y)と、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体又はその水素添加誘導体(Z)と、所要に応じて、酸化防止剤や防曇剤などの各種添加剤とを撹拌混合し、得られた混合物を更に溶融混練して得られる。
この際、代表的に、撹拌混合はヘンシェルミキサーなどの各種撹拌混合機、溶融混練は各種押出機で行うことができ、本積層フィルムの原料混合物は、通常ペレット状で得られる。
【0057】
本発明の積層フィルムは、上述のようにして得られたペレット状の原料混合物に、多層押出成形法、ドライラミネート法、押出ラミネート法を適用して得られる。
本発明の積層フィルムの成形法としては、Tダイ法やインフレーション法等を例示でき、特にTダイでの多層押出法が最も好ましい。
かかるTダイ法によれば、生産効率を大幅に向上することができ、具体的には、幅3mの積層フィルムを120〜250m/minの高速度で得ることができる。
【0058】
なお、上記フィルム成形の際には、上述の原料ペレットに対し、ポリオレフィン成形において従来から公知の酸化防止剤、中和剤、帯電防止剤及び防曇剤等の各種添加剤を所要に応じて添加することが可能であり、また、上述した酸化防止剤や防曇剤をこの工程で添加することも可能である。
【0059】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、各例で得られた積層フィルムにつき下記の性能評価を行った。
【0060】
[ストレッチ包装適正評価]
フィルム幅350mmのストレッチフィルムを作成し、自動包装機((株)寺岡精工社製:AW−3600)を用い、このストレッチフィルムで発泡ポリスチレントレイ(長さ350mm×幅210mm)を包装し、表1に示すように、粘着性、横カット性、柔軟性、復元性及び製膜安定性を評価する。
【0061】
【表1】
【0062】
以下の実施例及び比較例において、プロピレン−エチレンブロック共重合体(後述の表2、表3に示す、PP−1、PP−2、PP−4)は、下記に示す製造方法により得た。
【0063】
1)チタン含有固体触媒成分の調整
a)チタン含有固体触媒成分(A)
窒素置換したSUS製オートクレーブに、無水MgCl2を95.3g、乾燥EtOH352mlを入れ、この混合物を攪拌下に105℃に加熱し溶解させた。1時間攪拌後、この溶液を105℃に加熱した加圧窒素(1.1KPa)で二流体スプレーノズルに挿入した。窒素ガスの流量は38l/minであった。スプレー塔中には冷却用として液体窒素を挿入し、塔内温度を−15℃に保持した。生成物は塔内温度に導入した冷却ヘキサン中に集められ、256gを得た。生成物の分析結果から、この担体の組成は出発溶液と同じMgCl2・6EtOHであった。
担体に用いるために、篩い分けを行い45〜212μmの粒径で球形な担体205gを得た。得られた担体を室温で、181時間、3l/minの流量の窒素を用いて通気乾燥して組成がMgCl2・1.7EtOHの乾燥担体を得た。
ガラスフラスコ中において、乾燥担体20g、四塩化チタン160ml、精製1,2−ジクロロエタン240mlを混合し、攪拌下に100℃に加熱した後、ジイソブチルフタレート6.8mlを加え、更に100℃で2時間加熱した後、デカンテーションにより液相部を除き、再び四塩化チタン160ml、精製1,2−ジクロロエタン320mlを加えた。100℃で加熱保持した後、デカンテーションにより液相部を除き、精製ヘキサンで洗浄した後、乾燥してチタン含有固体触媒成分:A−1を得た。得られたチタン含有固体触媒成分(A)の平均粒径115μmであり、その分析値は、Mg;19.5重量%、Ti;1.6重量%、Cl;59.0重量%、ジイソブチルフタレート;4.5重量%であった。
【0064】
2)チタン含有固体触媒成分(A)の予備活性化処理
内容積15lの傾斜羽根付きSUS製反応器を窒素ガスで置換した後、40℃での動粘度が7.3センチストークスである飽和炭化水素溶剤(CRYSTOL−52、エッソ石油(株)製)8.3l、有機アルミニウム化合物(B’)としてトリエチルアルミニウム525ml、有機ケイ素化合物(C’)としてジイソプロピルジメトキシシラン80mmol、前項で調製したチタン含有固体触媒成分700gを室温で加えた後、40℃まで加温し、プロピレン分圧0.15MPaで7時間反応させ、予備活性化処理を行った。分析の結果、チタン含有固体触媒成分1gあたりプロピレン3.0gが反応していた。
【0065】
3)第1重合工程
添付図1に示すフローシートにおいて、攪拌羽根を有する攪拌機Mを備えた横型重合器1(L/D=6、内容積100l)に上記予備活性化処理したチタン含有固体触媒成分を0.5g/hr、有機アルミニウム化合物(III)としてトリエチルアルミニウム及び有機ケイ素化合物(C)としてジイソプロピルジメトキシシランを連続的に供給した。反応温度70℃、反応圧力2.5MPa、攪拌速度40rpmの条件を維持するように液状プロピレンを原料プロピレン配管3より連続供給し、更に結晶性ポリプロピレンとしてのプロピレン単独重合体の分子量を調節するために水素ガスを循環配管2より連続的に供給し、反応器の気相中の水素濃度にて生成ポリマーの極限粘度を制御した。
反応熱は配管3から供給される原料液状プロピレンの気化熱により除去した。重合器から排出される未反応ガスは配管4を通して反応器系外で冷却、凝縮させて本重合器1に還流した。本重合器で得られたプロピレン単独重合体は、重合体の保有レベルが反応容積の50容積%となるように配管5を通して重合器1から連続的に抜き出し第2重合工程の重合器10に供給した。この時、配管5からプロピレン単独重合体の一部を間欠的に抜き出して、極限粘度及び触媒単位重量当たりの重合体収量を求める試料とした。触媒単位重量当たりの重合体収量は重合体中のMg分を高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(IPC法)により測定し、得られたMg分から算出した。
【0066】
4)第2重合工程
攪拌羽根を有する攪拌機Mを備えた横型重合器10(L/D=6、内容積100l)に第1重合工程からのプロピレン単独重合体及びエチレンガスを活性抑制剤導入配管7より、また液状プロピレンを原料プロピレン配管6よりそれぞれ連続的に供給し、エチレンとプロピレンの共重合を行った。反応条件は攪拌速度40rpm、温度60℃、圧力2.1MPa、気相のエチレン/プロピレンモル比により、コポリマー成分中のエチレン単位含有量を調節した。コポリマー成分の重合量を調節するために重合活性抑制剤として一酸化炭素、またコポリマー成分の分子量を調節するため水素ガスを配管7よりそれぞれ供給した。
反応熱は配管6から供給される原料液状プロピレンの気化熱で除去した。重合器から排出される未反応ガスは、配管8を通して反応器系外で冷却、凝縮させて本共重合工程に還流させた。共重合工程で生成されたプロピレン系ブロック共重合体は、重合体の保有レベルが反応容積の50容積%となるように配管9で重合器10から抜き出した。プロピレン系ブロック共重合体組成物の生産速度は8〜12Kg/hrであった。抜き出されたプロピレン系ブロック共重合体組成物はモノマーを除去し、極限粘度及び赤外によるコポリマー成分中のエチレンの測定に、またコポリマー成分の重合比率を触媒単位重量当たりの重合体収量から求めるため重合体中のMg分をICP法による測定に供した。
【0067】
上述の手順でパウダー状のプロピレン系ブロック共重合体成分である表1記載のPP−1、PP−2及びPP−4を得た。
更に表1に記載した実施例及び比較例において、プロピレン−エチレンブロック共重合体(後述の表3、表4に示す、PP−3)は、下記に示す製造方法により得た。
【0068】
上述のPP−1、PP−2及びPP−4で使用したチタン含有固体触媒成分(A)を用い、同じ予備活性処理を行い、第1重合工程と第2重合工程を経てPP−3のパウダーを得た。以下に第1重合工程と第2重合工程を示した。
【0069】
1)第1重合工程
添付図1に示すフローシートにおいて、攪拌羽根を有する攪拌機Mを備えた横型重合器1(L/D=6、内容積100l)に上記予備活性化処理したチタン含有固体触媒成分を0.5g/hr、有機アルミニウム化合物(B)としてトリエチルアルミニウム及び有機ケイ素化合物(C)としてジイソプロピルジメトキシシランを連続的に供給した。反応温度65℃、反応圧力2.2MPa、攪拌速度40rpmの条件を維持するように液状プロピレンを原料プロピレン配管3より、また少量のエチレンガスを循環配管2よりそれぞれ連続供給し、気相のエチレン/プロピレンモル比により、結晶性ポリプロピレンとしてのプロピレン−エチレンランダム共重合体中のエチレン単位含有量を調節し、エチレンとプロピレンの共重合を行った。更にプロピレン−エチレンランダム共重合体の分子量を調節するために水素ガスを循環配管2より連続的に供給し、反応器の気相中の水素濃度にて生成ポリマーの極限粘度を制御した。
反応熱は配管3から供給される原料液状プロピレンの気化熱により除去した。重合器から排出される未反応ガスは配管4を通して反応器系外で冷却、凝縮させて本重合器1に還流した。本重合器で得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体成分は、重合体の保有レベルが反応容積の50容積%となるように配管5を通して重合器1から連続的に抜き出し第2重合工程の重合器10に供給した。この時、配管5からプロピレン−エチレンランダム共重合体の一部を間欠的に抜き出して、エチレン含有量、極限粘度及び触媒単位重量当たりの重合体収量を求める試料とした。
【0070】
4)第2重合工程
攪拌羽根を有する攪拌機Mを備えた横型重合器10(L/D=6、内容積100l)に第1重合工程からのプロピレン−エチレンランダム共重合体成分及びエチレンガスを活性抑制剤導入配管7より、また液状プロピレンを原料プロピレン配管6よりそれぞれ連続的に供給し、エチレンとプロピレンの共重合を行った。反応条件は攪拌速度40rpm、温度60℃、圧力2.2MPa、気相のエチレン/プロピレンモル比により、コポリマー成分中のエチレン単位含有量を調節した。コポリマー成分の重合量を調節するために重合活性抑制剤として一酸化炭素、またコポリマー成分の分子量を調節するため水素ガスを配管7よりそれぞれ供給した。
反応熱は配管6から供給される原料液状プロピレンの気化熱で除去した。重合器から排出される未反応ガスは、配管8を通して反応器系外で冷却、凝縮させて本共重合工程に還流させた。共重合工程で生成されたプロピレン系ブロック共重合体は、重合体の保有レベルが反応容積の50容積%となるように配管9で重合器10から抜き出した。プロピレン系ブロック共重合体組成物の生産速度は8〜12Kg/hrであった。抜き出されたプロピレン系ブロック共重合体組成物はモノマーを除去し、一部は極限粘度及び赤外によるコポリマー成分中のエチレンの測定に、またコポリマー成分の重合比率を求めるため重合体中のMg分をICP法による測定に供した。
【0071】
上述の手順でパウダー状のプロピレン系ブロック共重合体成分である表2記載のPP−3を得た。
後述の表2に示したRC量はプロピレン系ブロック共重合体中のエチレン−プロピレンのコポリマー成分の量がプロピレン系ブロック共重合体を100重量%とした場合の重量%を意味する。更に表中のRC−C2量はプロピレン系ブロック共重合体におけるエチレン−プロピレンのコポリマー成分中のエチレン重量単位をエチレン−プロピレンのコポリマー成分全体を100重量%とした場合の重量%を、またPP−C2量はプロピレン系ブロック共重合体における結晶性ポリプロピレン中のエチレン重量単位を結晶性ポリプロピレン全体を100重量%とした場合の重量%を意味する。
【0072】
また、後述の表3,4及び5に記載した各実施例及び比較例で用いたエチレン−高級αオレフィン共重合体、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体又はその水素添加誘導体(以下、スチレン系エラストマーと略称する。)は、下記に示したものを使用した。
【0073】
・R−1(「エンゲージEG8200」 ダウ・ケミカル(株))
エチレン含有量が76重量%、メルトインデックス(190℃、21.18N)が5g/10min、長周期が9.2nmであるエチレン−オクテン共重 合体
・R−2(「タフマーA4085」 三井化学(株))
エチレン含有量が80重量%、メルトインデックス(190℃、21.18N)が3.6g/10min、長周期が11.2nmであるエチレン−ブテン共重合体
・R−3(「EBM2041P」 JSR(株))
エチレン含有量が80重量%、メルトインデックス(190℃、21.18N)が3.5g/10min、長周期が10.2nmであるエチレン−ブテン共重合体
・R−4(「ダイナロン1320P」 JSR(株))
スチレン含有量が10重量%、メルトフローレート(230℃、21.18N)が3.5g/10minである水添スチレン・ブタジエン・ラバー
・R−5 (「ハイブラーHVS−3」 クラレ(株))
スチレン含有量が20重量%、メルトフローレート(230℃、21.18N)が6g/10minであるスチレン−イソプレン−スチレンのトリブロック共重合体の水素添加誘導体
・R−6 (「セプトンKL2063」 クラレ(株))
スチレン含有量が13重量%、メルトフローレート(230℃、21.18N)が7g/10minであるスチレン−エチレンプロピレン−スチレンのトリブロック共重合体
【0074】
【表2】
【0075】
(実施例1〜10、比較例1〜6)
後述の表2に示すように、プロピレン−エチレンブロック共重合体(X:PP−1、PP−2、PP−3、PP−4)に、エチレン−高級αオレフィン共重合体(Y:R−1、R−2、R−3)とスチレン系エラストマー(Z:R−4、R−5、R−6)と、酸化防止剤として、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.05重量%と、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト0.10重量%と、中和剤としてのステアリン酸カルシウム0.05重量%を配合し、ヘンシェルミキサー(商品名)で混合した後、2軸押出機を用いて200℃で溶融混練し、各例のポリプロピレン系組成物ペレット(a)及び(b)を得た。
各例における(X)〜(Z)成分の配合量(層別に表示)を表3及び4に示す。
【0076】
次いで、多層Tダイを備えた3種3層押出機(口径55mmφの単軸押出機が1台、同40mmφの単軸押出機が2台)を用い、上述のようにして得られたペレット(a)及び(b)をそれぞれ別の押出機に供給し、250℃で溶融させて共押出し、エアーチャンバー及び表面温度30℃の冷却ロールで固化しペレット(a)から成る[A]層(外層)及び(b)から成る[B]層(内層)が、[A]/[B]/[A](厚みの比=1/4/1、全体の厚み12μm)の積層構造を有する3層無延伸フィルムを得た。
得られた無延伸フィルムを上述の性能評価に供し、その結果を表3及び4に併記した。
【0077】
(実施例11〜13)
実施例1と同様の操作を繰り返して表4に示す配合のペレット(c)を製造し、このペレット(c)、ペレット(a)及びペレット(b)を用い、最内層である[C]層がペレット(c)から成り、[A]/[B]/[C]/[B]/[A](厚みの比=1/2/1/2/1、全体の厚み12μm)の積層構造を有する5層無延伸フィルムを得た。
得られた無延伸フィルムを上述の性能評価に供し、その結果を表4に併記した。
【0078】
(比較例7)
市販のポリ塩化ビニル系ストレッチフィルム(厚み12μm)を用い、これを上記性能評価に供した。得られた結果を表4に示す。
【0079】
【表3】
【0080】
【表4】
【0081】
(実施例14〜16)
プロピレン−エチレンブロック共重合体(X:PP−1)に、エチレン−高級αオレフィン(Y:R−1)をペレット(a)では15重量%、ペレット(b)では40重量%、スチレン系エラストマー(Z:R−4)をペレット(a)では15重量%、ペレット(b)では40重量%と、酸化防止剤として、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.05重量%と、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト0.10重量%と、中和剤としてのステアリン酸カルシウム0.05重量%を配合し、ヘンシェルミキサー(商品名)で混合した後、2軸押出機を用いて200℃で溶融混練し、各例のポリプロピレン系組成物ペレット(a)及び(b)を得た。
【0082】
以上のようにして得られたペレット(a)及び(b)を用い、実施例1と同様の操作を繰り返し、ペレット(a)から成る[A]層(外層)及び(b)から成る[B]層(内層)が[A]層/[B]層/[A]層の積層構造を有し、表5に示すような層構成比を有する2種3層、全体の厚み12μmの無延伸フィルムを得た。
得られた無延伸フィルムを上記性能評価に供し、その結果を表5に併記した。
【0083】
【表5】
【0084】
表3〜5より、コポリマー成分と結晶性ポリプロピレンとの極限粘度比[η]RC/[η]PPが0.7〜1.2で、且つこの極限粘度比[η]RC/[η]PPと、上記コポリマー成分と結晶性ポリプロピレンとの重量比WPP/WRCとの積([η]RC/[η]PP)×(WPP/WRC)が1.0〜3.0の範囲内にあるプロピレン−エチレンブロック共重合体であるPP−1、PP−2、PP−3を用い、エチレン−高級αオレフィン共重合体とビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体又はその水素添加誘導体との混合層が、本発明内の範囲内での組成であれば、自己粘着性、横カット性に優れ、且つ柔軟性、復元性に優れることが分かる。
【0085】
以上、本発明を好適実施例により詳細に説明したが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の開示の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、本発明の積層フィルムでは、[A]層及び[B]層が積層された積層構造を有し、[A]層が当該フィルムの表面及び/又は裏面を構成していれば、他の層を当該積層構造中に配置することが可能である。
よって、上述の[A]/[B]/[C]/[B]/[A]の5層構造において、[C]層を廃プラスチック由来のリサイクル層とすることも可能であり、かかる構成を採用することにより、資源の有効利用を図ることも可能である。
【0086】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、特定の結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体その他の重合体を用い、所定の積層構造を採用することとしたため、横カット性と自己粘着性に優れたポリオレフィン系積層フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体(X)の重合系を示す模式図である。
【符号の説明】
1、10 気相用重合器
2 水素配管
3、6 原料プロピレン配管
4、8 未反応ガス配管
5、9 重合体抜き出し配管
7 活性抑制剤導入配管
M 攪拌機
Claims (4)
- 結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体(X)を含有する[A]層及び[B]層を備え、この[A]層の少なくとも1層の表面が露出するように積層されて成る積層ストレッチフィルムであって、
結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体(X)が、結晶性ポリプロピレンとエチレン−プロピレンのコポリマー成分を含み、
上記コポリマー成分の極限粘度[η] RC が1.7〜2.8dl/g、上記コポリマー成分と結晶性ポリプロピレンとの極限粘度比[η] RC /[η] PP が0.7〜1.2、且つこの極限粘度比[η] RC /[η] PP と、上記コポリマー成分と結晶性ポリプロピレンとの重量比W PP /W RC との積([η] RC /[η] PP )×(W PP /W RC )が、1.0〜3.0であり、
[A]層が、上記ブロック共重合体(X)を98〜40重量%、エチレン−高級αオレフィン共重合体(Y)を1〜30重量%、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体又はその水素添加誘導体(Z)を1〜30重量%の割合で含有し、
[B]層が、上記ブロック共重合体(X)を90〜20重量%、エチレン−高級αオレフィン共重合体(Y)を5〜40重量%、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体又はその水素添加誘導体(Z)を5〜40重量%の割合で含有し、且つ[B]層のエチレン−高級αオレフィン共重合体(Y)及びビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体又はその水素添加誘導体(Z)の含有割合が[A]層のそれよりも多いことを特徴とする積層ストレッチフィルム。 - [A]層、[B]層及び[A]層の順で積層されて成ることを特徴とする請求項1記載の積層ストレッチフィルム。
- 全体の厚みが8〜30μmであり、且つ[B]層の厚みが当該全体の厚みの50〜99%を占めることを特徴とする請求項2記載の積層ストレッチフィルム。
- Tダイス・チルロール冷却法で製造されて成ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の積層ストレッチフィルム。
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