JP4236215B2 - 非型性のヘモフイルス インフルエンザ(Haemophilus influenzae)株用のワクチンとしての精製非型性ヘモフイルス インフルエンザP5蛋白質 - Google Patents
非型性のヘモフイルス インフルエンザ(Haemophilus influenzae)株用のワクチンとしての精製非型性ヘモフイルス インフルエンザP5蛋白質 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4236215B2 JP4236215B2 JP13295495A JP13295495A JP4236215B2 JP 4236215 B2 JP4236215 B2 JP 4236215B2 JP 13295495 A JP13295495 A JP 13295495A JP 13295495 A JP13295495 A JP 13295495A JP 4236215 B2 JP4236215 B2 JP 4236215B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- protein
- haemophilus
- vaccine
- outer membrane
- influenza
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K39/00—Medicinal preparations containing antigens or antibodies
- A61K39/12—Viral antigens
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/195—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria
- C07K14/285—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria from Pasteurellaceae (F), e.g. Haemophilus influenza
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P11/00—Drugs for disorders of the respiratory system
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P27/00—Drugs for disorders of the senses
- A61P27/16—Otologicals
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P31/00—Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
- A61P31/04—Antibacterial agents
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P31/00—Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
- A61P31/12—Antivirals
- A61P31/14—Antivirals for RNA viruses
- A61P31/16—Antivirals for RNA viruses for influenza or rhinoviruses
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K38/00—Medicinal preparations containing peptides
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K39/00—Medicinal preparations containing antigens or antibodies
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10S424/00—Drug, bio-affecting and body treating compositions
- Y10S424/831—Drug, bio-affecting and body treating compositions involving capsular polysaccharide of bacterium, e.g. polyribosyl ribitol phosphate
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10S530/00—Chemistry: natural resins or derivatives; peptides or proteins; lignins or reaction products thereof
- Y10S530/807—Hapten conjugated with peptide or protein
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Virology (AREA)
- Communicable Diseases (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Oncology (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Pulmonology (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Gastroenterology & Hepatology (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Mycology (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Immunology (AREA)
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ヘモフィルス インフルエンザ細菌株のP5外膜蛋白質およびP5蛋白質に対する抗体に関する。本発明はまた、P5蛋白質を単離する方法およびヘモフィルス インフルエンザ感染の治療に用いるためのワクチン組成物にも関する。
【0002】
【発明の背景】
ヘモフィルス インフルエンザ株は一定の型に属するものと非型性のものとの2つの群に分類される。既知の莢膜を保持する株は莢膜と対照抗血清との血清学的反応によりその型が決定される。現在ではa−f型が一定の型に属するものとして同定されている。莢膜を保持しておらず、そして対照抗血清のいずれのものとも反応しない株が非型性のものである。
【0003】
非型性のヘモフィルス インフルエンザ(NTHi)感染は、中耳炎、副鼻腔炎、および慢性の肺閉塞性疾患を初めとする数々の疾患状態に関連している。ヘモフィルス インフルエンザb型(Hib)は、髄膜炎および4歳の年齢以下の小児の侵襲性感染の主原因である。生物体の莢膜多糖に対する抗体は、殺菌性、インビトロにおけるオプソニン作用、ならびに実験動物およびヒトにおける防御作用を示す。本明細書において用いる際には、オプソニンは、食作用による微生物の取り込みをより簡便に行うことを可能にする微生物表面の構成物であるとして特定される。ヘモフィルス インフルエンザB型の疾患の予防のための安全かつ有効なワクチンが作製されている一方で、これらのワクチンは全て細菌の細胞壁外部に存在する多糖莢膜に対する抗体産生に基づいている。定義によれば、ヘモフィルス インフルエンザ株の内のNTHi株は莢膜を有さない。従って、莢膜に対する抗体はNTHi感染の予防には有効ではないであろう。
【0004】
ヘモフィルス インフルエンザ細菌の外膜蛋白質の特性決定を行い、そしてそれらのワクチンとしての可能性を評価することが本発明の目的である。Munson et al.、(J.Clin.Invest.、72:677−684(1983))は、ヘモフィルス インフルエンザ株の主要外膜蛋白質の内の一つであるP2の精製および特性決定を報告した。この研究者達は、P2蛋白質が高濃度で存在し、精製が容易であり、そしてウサギにおいて防御抗体を誘導することを見いだした。P5蛋白質は外膜蛋白質層に結合していると考えられ、そして既にドデシル硫酸ナトリウム(SDS)での可溶化および有機溶媒分留により抽出されている。(Coulton et al.、Can.J.Microbiology.20:280−287(1983))。しかしながら、SDSの利用により特定の環境下では蛋白質が変性する可能性があることが示唆されている。
【0005】
MunsonおよびGranoff(American Society of Microbiology(p.544、(1985))は、P5およびP6蛋白質の部分的な特性決定を報告している。これらの結果により、P6細胞壁複合体はラット幼児モデルで防御活性を示す抗体をウサギで誘導する一方で、P5はラット幼児において防御作用を示す抗血清を産生させる訳でもなく、またP5はインビトロでの免疫蛍光活性を示す蛍光抗体法によると細菌表面と一緒に用いても抗血清復帰を誘導する訳でもないことが示された。これらの所見に基づき、当業者は、P5はヘモフィルス インフルエンザb型により引き起こされる疾患の防御のためのワクチン候補物ではないと結論付けた。
【0006】
【発明の構成】
発明の要約
従って、ヘモフィルス インフルエンザ細菌の本質的に純粋なP5外膜蛋白質、P5蛋白質に対する抗体、およびヘモフィルス インフルエンザの感染株の治療における利用のためのワクチン組成物を提供することが本発明の目的である。
【0007】
さらに、ヘモフィルス インフルエンザ細菌の外膜からP5蛋白質を精製し、そして活性抗体を産生するのに用いることが可能な蛋白質を産生する方法を提供することが、本発明の目的である。従って、P5を用いてNTHiおよびヘモフィルス インフルエンザのb型株のためのワクチンを産生することが可能である。本発明は以下に示す図面および詳細な既述を参照することにより一層完全に理解されるであろう。
【0008】
好ましい態様の詳細な記述
本発明は、非型性のヘモフィルス インフルエンザ細菌の精製済みP5外膜蛋白質に関する。このP5蛋白質は、不変および可変領域の両方を有する28−35kDaの熱変性性外膜蛋白質である。
【0009】
P5蛋白質は数々の特性を有しており、これらの特性をもつためにP5(ならびにP5蛋白質のエピトープを有するペプチドおよび蛋白質)は非型性のヘモフィルス インフルエンザに対するワクチン接種にとって特に価値あるものとなっている。本明細書において用いる際には、エピトープは、抗体の可変領域が結合する抗原の領域として特定される。大半の抗原は多数のエピトープを有しており、そしてそのためにその抗原に対する多価抗血清は大多数の異なる抗体を含むと思われ、そしてその各々の抗体は抗原上の異なるエピトープに結合することが可能である。従来の技術で発表されている報告とは異なり、P5蛋白質は細菌表面と反応し、かつ殺菌性を示す抗体を誘導することが可能である。この蛋白質は既に精製されており、そして非型性のヘモフィルス インフルエンザの様々な株に対する免疫反応を誘導することが示されている。
【0010】
本発明のペプチドもしくは蛋白質はP5蛋白質と共通なエピトープを保持しており、そしてそのためP5との免疫学的交差反応性を示す。これらはP5蛋白質のエピトープを含む断片もしくはオリゴペプチドを含むことができる。本明細書において用いる際には、オリゴペプチドは幾つかの単量体反復単位のポリマー鎖として特定される。P5蛋白質のN−末端アミノ酸配列が決定されており、これを図5に示す。本発明のペプチドおよび蛋白質は図2において示されるアミノ酸配列の少なくとも一部分を有するいずれかのペプチドもしくは蛋白質、あるいはいずれかの生物学的等価配列を含む。変化させた配列には、機能的に等価なアミノ酸残基でこの配列内の残基を置換してサイレント変化を生じている配列がある。例えば、この配列内の一つもしくは複数のアミノ酸残基を、機能的等価物として作用してサイレント変化をもたらす類似極性の他のアミノ酸と置換することができる。この配列内のアミノ酸についての置換物は、そのアミノ酸が属する種類の複数の他の一員から選択することができる。例えば、非極性(疎水性)アミノ酸には、グリシン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、およびメチオニンがある。極性の中性アミノ酸には、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、およびグルタミンがある。荷電している(塩基性)アミノ酸には、アルギニン、リシン、およびヒスチジンがある。負に荷電している(酸性)アミノ酸には、アスパラギン酸およびグルタミン酸がある。
【0011】
本発明のペプチドおよび蛋白質は、P5蛋白質のエピトープがその配列内に存在している断片もしくはオリゴヌクレオチド、あるいはそのような断片もしくはエピトープのいずれのアナログをも含む。その上、いずれのペプチドおよび蛋白質も、例えばアミノ酸のシステインおよびリシンのような結合性の基もしくは他の連結基を結合させることにより、他の分子へ複合体形成させるための改変を加えることが可能である。
【0012】
以下に詳細を示すように、P5蛋白質ならびに本発明のペプチドおよび蛋白質は多くの異なる形態(例えば、単一物もしくは混合物)でワクチンに有用である。これらの目的のためには、これらのペプチドおよび蛋白質をヘモフィルス インフルエンザからの単離により、もしくは化学合成により、もしくは恐らく種々の宿主細胞内での組換え発現のような生物工学的方法により産生する。
【0013】
天然のP5蛋白質は分画的界面活性抽出の方法によりヘモフィルス インフルエンザから精製する。この方法は、各々、この蛋白質の重要な抗原性エピトープを破壊する可能性がある、そしてヒトへの投与について安全であるとして広く許可されている訳ではない、ドデシル硫酸ナトリウムおよび2−メルカプトエタノールのような変性剤および還元剤の使用を必要としない。
【0014】
この方法はまず第一にヘモフィルス インフルエンザ細胞の外膜構成成分を取得することを必要とする。外膜構成成分は全細胞膜分画から調製することができる。全膜分画は、典型的には超音波破砕、粉砕、もしくはフレンチプレスでの圧壊、あるいは他の均質化装置のような方法によるヘモフィルス インフルエンザ細胞の破砕後の分画的沈降法により調製する。その後、全膜分画を密度勾配沈降法により、あるいはポリオキシエチレンオクチルフェノール(Triton X−100(商標))もしくはN−ラウロイルサルコシンのナトリウム塩(サルコシル)のような特定の界面活性剤での内膜構成成分の分画的可溶化により内膜と外膜とへ分画化する。好ましい態様においては、細胞の外膜構成成分を、100mMのHEPES−NaOH、1mMのMgCl2、pH7.4中の0.1−2%(w/v)のTriton X−100中での内膜の分画的可溶化により調製する。
【0015】
ヘモフィルス インフルエンザ細胞の培養培地は外膜構成成分の別の源として有用である。この培地は細菌の外膜の脱落してきた構成成分(「ブレッブ(小さな粒の意味)」と称する)を含む。Loeb、M.R.(1987)Infection and Immunity 55(11):2612−2618、を参照せよ。
【0016】
その後、外膜−細胞壁複合体からのP5蛋白質の可溶化を3段階の分画的可溶化により達成する。第一段階においては、0.1−10%、典型的には0.1−2%(w/v)のドデシルスルホベタイン(Zwittergent(商標)3−14)の水溶液を用いて外膜蛋白質を除去する。1%溶液を用いることが好ましく、そして通常はこの抽出を2−3回実施する。Zwittergent(商標)3−14および0.5MのNaClでの抽出後、P5蛋白質を50mMのトリス−HCl、pH8、5mMのNa2EDTA中の1%のサルコシルで可溶化する。この抽出物を同一緩衝液中で1%のZwittergent(商標)3−14に調整し、そして50mMのトリス−HCl、pH8、5mMのNa2EDTA(3×)中の10倍過剰の1%Zwittergent(商標)3−14に対して24時間以上透析する。その後透析済み抽出物を直列に接続してある陰イオン交換(DEAE)カラムと陽イオン交換(S)カラムに通す。これらのカラムを切り離し、そしてSカラムについて同一のZwittergent含有性緩衝液中の増加塩濃度勾配液での溶出を行う。精製P5蛋白質はSDS−PAGEにより分析したところ一本のシングルピークとして溶出される(図1)。
【0017】
この方法により精製したP5蛋白質は細菌性内毒素を実質的に含まず、そしてヒトへの投与に適する。その後P5蛋白質の精製調製物を、ヘモフィルス インフルエンザ用のワクチンを例とする薬剤学的組成物として単独で、あるいはアジュバンドおよび/または中耳炎もしくは他の疾患に関連する他の生物体の抗原との混合物の状態で調剤する。所望であらばこの蛋白質を、標準的な化学的もしくは酵素的技術により断片化させて抗原性セグメントを作製する。
【0018】
本発明のペプチドおよび蛋白質を、既述されるように、図2に示されるアミノ酸配列もしくはその配列の変異物に従って化学的に合成することができる。ペプチドおよび蛋白質の固相もしくは液相合成のための標準的な化学的手法が有用である。化学合成は、P5蛋白質のエピトープを含むオリゴヌクレオチドの産生に特に適するであろう。
【0019】
ヘモフィルス インフルエンザの莢膜多糖に対する抗体を用いた実験により、インビトロアッセイにおいて細菌を殺す抗体の能力がヒトの乳児における防御的免疫反応を誘導する能力と密接に関連していることが示されている(Fedeaet al.、J.Infect.Dis.、160、999−1004(1989))。
【0020】
本発明のペプチドおよび蛋白質に反応して誘導される抗−P5蛋白質抗体を類似のインビトロアッセイ系において検査してヘモフィルス インフルエンザ細胞を殺す能力を証明する。これらの結果により、P5蛋白質の、防御的免疫反応を誘導する可能性と、ヒトの乳児、小児、および成人のためのワクチンに役立つ可能性とに類似の関連性が示される。
【0021】
インビトロでの補体介在性殺菌性アッセイ系(Musher et al.、1983、Infect.Immun. 39:297−304;Anderson et al.、1972、J.Clin.Invest. 51:31−38)は、PRPおよびリポ多糖(LPS)に対する抗体のヘモフィルス インフルエンザに対する殺菌活性を測定するのに従来用いられており、この系は特定のペプチド蛋白質もしくはその断片に対する抗体が非型性のヘモフィルス インフルエンザに対する殺菌活性を有するか否かを決定するのに役立つ。
【0022】
本発明のペプチドおよび蛋白質は、非型性のヘモフィルス インフルエンザに対するワクチン接種用のサブユニットワクチン中の免疫原として有用である。これらのワクチンは、その生物体の非型性株により引き起こされる急性中耳炎および他の疾患を予防するもしくはそれらの疾患への感受性を低下させるのに有用であり、一般的には小児および成人に中耳炎に対するワクチン接種を施す、あるいは中耳炎もしくは他の疾患に罹患する危険のある小児(例えば、耳の感染歴のある小児)にワクチン接種を施すのに役立つ。
【0023】
本発明のペプチドおよび蛋白質は、一価および多価ワクチンとして製剤する。本明細書において用いる際には、一価ワクチンは単一構成成分として特定され、そして多価ワクチンは複数の構成成分として特定される。
【0024】
P5蛋白質自体を、既述の方法により作製されるもしくは単離される、あるいは他の抗原との混合物として使用する。
【0025】
本発明のペプチドもしくは蛋白質を、ヘモフィルス インフルエンザの他の抗原と組み合わせてある多価サブユニットワクチンとして投与する。
【0026】
既述されるように、P5蛋白質のエピトープを有するペプチドおよび蛋白質は、ヘモフィルス インフルエンザを殺すのにヘモフィルス インフルエンザの他の外膜蛋白質に対する抗体と相乗的に作用する殺菌性抗体を誘導する。従って本発明のある態様においては、P5蛋白質(あるいは共通エピトープを有するペプチドもしくは蛋白質)を、相乗的殺菌活性を達成するためにヘモフィルス インフルエンザの他の外膜蛋白質(あるいはそのエピトープを有するペプチドもしくは蛋白質)と組み合わせて投与する。ヘモフィルス インフルエンザの特に好ましい外膜蛋白質は、ペプチドグリカンに結合している外膜リポ蛋白質(PAL)、およびDeich、P.A.et al.(1988)J.Bacteriol. 170(2):489−498、(この教示は引用することにより本明細書に取り込まれる)により記載されるヘモフィルスのリポ蛋白質PCPである。他の外膜蛋白質のエピトープとの組み合わせ投与のためには、P5蛋白質ペプチドを、別々に、混合物として、あるいは複合体もしくは遺伝子融合ペプチドまたは蛋白質として、のいずれかで投与する。例えば、PALおよびPCP、あるいはそれらから得られるいずれかの蛋白質、ペプチド、もしくはエピトープを、P5蛋白質、あるいはP5蛋白質から得られるペプチドもしくは蛋白質との混合物として、あるいは複合体もしくは融合体として投与する。複合体は蛋白質性物質を結合させるための標準的な技術により形成する。P5蛋白質、あるいはそれから得られるいずれかのペプチドもしくは蛋白質を、他の生物体(例えば、莢膜を保持するもしくは莢膜を保持しない細菌、ウイルス、真菌類、および寄生虫)の抗原と組み合わせて使用することができる。例えば、P5蛋白質は、中耳炎もしくは他の疾患に関連する他の微生物の抗原と組み合わせるのに役立つ。これらの微生物には、ストレプトコックス ニューモニア(Streptococcuspneumonia)、ストレプトコックス ピヨゲネス(Streptococcus pyogenes)のグループA、スタフィロコックス アウレウス(Staphylococus aureus)、呼吸器のシンシチウムウイルス、およびブランヘメラ カタルハリス(Branhemella catarrhalis)がある。
【0027】
ペプチドもしくは蛋白質を単独で、もしくは既述される様々な組み合わせ物中に含むワクチン組成物の製剤にあたっては、免疫原を適切な濃度に調節し、そしていずれかの適切なワクチン用アジュバンドと共に製剤する。免疫原をリポソーム内に取り込ませるか、あるいは多糖類および/またはワクチン製剤の利用のための他のポリマーに対して複合体形成させることもできる。
【0028】
本発明のワクチンは様々な方法でヒトもしくは動物に投与する。これらの方法には、皮内、筋肉内、腹膜内、静脈内、皮下、経口、および経鼻経路の投与がある。
【0029】
本発明のペプチドおよび蛋白質は、生ワクチンとしても投与する。この目的のためには、そのペプチドもしくは蛋白質を発現する組換え微生物を調製する。ワクチン被接種者に、その被接種者内で増殖し、P5蛋白質のペプチドもしくは蛋白質を発現し、そしてヘモフィルス インフルエンザの免疫反応を誘導する組換え微生物を接種する。好ましい生ワクチンベクターは、ワクシニアのようなポックスウイルス(PaoletteiおよびPanicali、米国特許第4,603,112号)および弱毒化したサルモネラ(Salmonella)株(Stocker、米国特許第4,550,081号)である。
【0030】
生ワクチンは特に有利であり、それはそれらが実質的に長期継続的な免疫を付与することが可能である持続性刺激を誘導するためである。免疫反応が後に生じるヘモフィルス インフルエンザ感染に対して防御作用を示す場合には、生ワクチン自体をヘモフィルス インフルエンザに対する予防的ワクチンに用いることができる。
【0031】
多価生ワクチンは、ヘモフィルス インフルエンザの異なるエピトープ(例えば、PALおよびPCPのような他の外膜蛋白質、もしくはそれらのエピトープ)を発現する単一もしくは幾つかの組換え微生物から調製する。その上、他の病原性微生物のエピトープをワクチン内に取り込ませることができる。例えば、ワクシニアウイルスをヘモフィルス インフルエンザのもの以外にも他のエピトープのコーディング配列を含むように作製することができる。このような組換えウイルス自体を多価ワクチンの免疫原として用いることができる。別法として、ヘモフィルス インフルエンザの外膜蛋白質の様々なエピトープおよび/または他の疾患の原因となる生物体のエピトープをコード化する異なる遺伝子を各々のウイルスが発現するワクシニアウイルスもしくは他のウイルスの混合物を多価ワクチンとして製剤することができる。
【0032】
本発明の他のワクチンは、不活化ウイルスワクチンである。不活化ワクチンは、それらの感染性が通常は化学的処理(例えば、ホルムアルデヒド処理)により破壊されているという意味において「死んだ」ものである。ウイルスの感染性が、そのウイルスの免疫原性を保持する蛋白質に影響を及ぼすことなく破壊されるのが理想である。不活化ワクチンを調製する目的では、所望のエピトープを発現する大量の組換えウイルスを培養物中で増殖させて必要量の適切な抗原を提供する。異なるエピトープを発現する不活化ウイルスの混合物は「多価」ワクチンの製剤に有用である。特定の事例においてはこれらの不活化「多価」ワクチンは生ワクチンの製剤より好ましく、それは複数の生ワクチンを一緒に投与すると互いに妨害しあうことにより生じる障害が存在する可能性があるためである。いずれの場合においても不活化ウイルスもしくはウイルスの混合物を、抗原に対する免疫学的反応を亢進させる目的で適切なアジュバンド中で製剤する。適切なアジュバンドには、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミノ酸エステル、オクタデシルアミン、リゾレシチン、臭化ジメチルジオクタデシルアンモニウム、N,N−ジオクタデシル−N’,N’−ビス(2−ヒドロキシエチルプロパンジアミン)、メトキシヘキサデシルグリセロール、およびプルロニックポリオール類を例とする界面活性物質類、ピラン、硫酸デキストラン、ポリIC、カルボポールを例とするポリアミン類、ムラミルジペプチド、ジメチルグリシン、ツフトシンを例とするペプチド類、油性乳化物類、ならびに水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどを例とする鉱物ゲルがある。
【0033】
本発明のペプチドおよび蛋白質は、ヘモフィルス インフルエンザに対する受動性免疫療法での利用のためのポリクローナル抗体を産生するのに有用である。ヒトの免疫グロブリンが好ましく、それは異種の免疫グロブリンは外来性免疫原構成成分に対する有害な免疫反応を引き起こす可能性があるためである。ポリクローナル抗血清は既述のいずれかの形態のペプチドもしくは蛋白質で免疫化した個体から取得する。その後に免疫グロブリン分画を濃縮する。例えば、P5蛋白質のエピトープに特異的な免疫グロブリンを、本発明のペプチドもしくは蛋白質を利用する免疫親和性技術により濃縮する。抗体を、抗血清からP5蛋白質のエピトープを含む免疫吸着体上に特異的に吸着させ、そしてその後に免疫グロブリンの濃縮分画としてその免疫吸着体から溶出する。
【0034】
その上、それらの抗体とハイブリダイズするP5蛋白質もしくはいずれかのヌクレオチド配列をコード化する遺伝子のヌクレオチド配列を有する核酸を、患者の様々な組織もしくは体液でのヘモフィルス インフルエンザの検出のための核酸ハイブリッド形成アッセイでのプローブとして使用することができる。これらのプローブを、サザンブロット(Southern、1975、J.Mol.B iol. 98:508)、ノザンブロット(Thomas et al.、1989 Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 77:5201−05)、コロニーブロット(Grunstein et al.、1975、Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 72:3961−65)などを初めとする、いかなる種類の核酸のハイブリッド形成アッセイにも使用することができる。ハイブリッド形成の緊縮度はアッセイの必要事項によって変化させることができる。
【0035】
本発明は以下に示す実施例により更に詳しく説明される。
【0036】
【実施例】
実施例1
P5の精製
P5の蛋白質抽出物は、外膜の分画的界面活性剤抽出によりNTHiおよびHib体の両方から取得する。Zwittergent(商標)オクチルグルコシド3−14およびZwittergent(商標)3−14および0.5MのNaCl抽出の後に、P5蛋白質を50mMのトリス−HCl、pH8、5mMのNa2EDTA中の1%サルコシルで可溶化する。この抽出物を同じ緩衝液中で1%のZwittergent(商標)3−14に調節し、そして50mMのトリス−HCl、pH8、5mMのNa2EDTA中の10倍過剰の1%Zwittergent(商標)3−14に対して24時間以上透析する。その後、透析済み抽出物を直列に接続してある陰イオン交換(DEAE)カラムと陽イオン交換(S)カラムに通す。これらのカラムを切り離し、そしてSカラムについて同一のZwittergent(商標)含有性緩衝液中の増加塩濃度勾配液での溶出を行う。精製済みP5蛋白質はSDS−PAGEにより分析したところ一本のシングルピークとして溶出される(図1)。
【0037】
実施例2
プロテアーゼ消化、ペプチド単離、および蛋白質の配列決定
精製したNTHi P5とHib P5とを直接使用してN−末端アミノ酸配列を決定する(図5)。NTHi蛋白質の全配列を、エンドペプチダーゼ類、Lys−C、Arg−C、Glu−C、パパイン、トリプシン、およびキモトリプシンを初めとする数々のプロテアーゼでのプロテアーゼ消化により重複ペプチドを取得することにより決定する。また臭化シアノゲンを使用してメチオニン残基で蛋白質を開裂させて大きな断片を作成する。これらのペプチドを微小孔付き(microbore)高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて単離し、そして配列を蛋白質配列決定機で決定する。ペプチドのアラインメント決定には、重複ペプチドおよび大腸菌(E. coli)のOmpA蛋白質に対する相同性を利用する。
【0038】
実施例3
全細胞のELISAアッセイ
数々の異なる株から取得したホルマリン固定化済み全ヘモフィルス インフルエンザ細胞は、BHI−XV培地中でOD490=1.0になるまで増殖させた中間対数期の細胞から調製する。細胞をリン酸緩衝化食塩水(PBS)(7mMのNaHPO4−7H2O、2mMのKH2PO4、2mMのKCl、137mMのNaCl、pH7.4)中で2度洗浄し、そしてその後0.3%のホルマリンを含むPBS中に再懸濁させ、そして室温において1−2時間インキュベートする。ホルマリンは、PBS中で細胞を洗浄することにより除去し、そして最終濃度OD620=0.2になるようにPBS中に細胞を再懸濁する。その後75マイクロリットルの細胞をマイクロタイタープレートの各ウエルに添加し、そして37℃において一晩乾燥させる。プレートをPBS−0.1%のTween−20で1時間遮断し、そしてマイクトプレート洗浄機中で洗浄する。0.15mMのCaCl2、0.5mMのMgCl2、1%のゼラチン、および0.3%のTween−20(PCM−GT)を含むリン酸緩衝化食塩水で希釈してある抗血清100マイクロリットルを各ウエルに添加し、そしてプレートを37℃で2時間インキュベートする。洗浄後に結合抗体を、PBS、0.05%のTween−20、0.1%のゼラチンで希釈したアルカリ性ホスファターゼ(TAGO)に複合体形成させてあるヤギの抗マウス(IgG+IgM)で検出した。細胞を再度洗浄し、そしてプレートをジエタノールアミン中のp−ニトロフェニルリン酸(SIGMA社)の1mg/ml溶液で発色させた。この反応を3NのNaOHの添加後に中断させる。OD620を対照にとった上で、プレートの計測をOD450において行う。ウサギおよびマウスの抗−P5血清についての全細胞のELISAデータを図3および4にそれぞれ示す。
【0039】
実施例4
殺菌性のアッセイ
数々の異なるヘモフィルス インフルエンザ株からの細胞を一晩BHI−XV培地中で増殖させる。その次の日に新鮮な培養物を一晩保存した培養物の1:10希釈物から調製し、そしてOD490=1.0になるまで増殖させる。細胞増殖中に補体源である初乳を出す以前のウシの血清をP860295細胞に一時間予備吸着させる。その後細胞をペレット形成させて補体から除去し、そして予備吸着させた補体を0.2μmのフェルター装置を通してフルター滅菌し、そして使用するまで氷上で保存する。このアッセイでスクリーニングしたすべての抗血清は、56℃の熱による不活化を15分間施して補体活性を除去し、そしてPCMで1:5に希釈し、その後に2倍希釈を行うが、この2倍希釈液は滅菌済みの96ウエルマイクロタイタープレート中で調製する。OD410=1.0になるまで増殖させた細菌細胞を、1:5の希釈率で補体源を含むPCMで1:100,000に希釈する。この混合物15マイクロリットルを抗血清の各連続希釈物に添加し、そしてプレートを37℃で45分間インキュベートさせた。その後、各反応物10マイクロリットルをBHI−XVでプレート培養する。37℃で一晩インキュベートした後にコロニーを計測して殺菌性力価を決定する(予備免疫血清対照と比較して50%を上回る細菌を殺すことが可能な抗血清の最高希釈率の逆数)。P5に関する殺菌性のデータを図6に示す。
【0040】
本発明の主な特徴または態様は以下のとうりである。
【0041】
1.殺菌性抗体を誘導する、ヘモフィルス インフルエンザ(Haemophilus influenzae)細菌株の実質的に純粋なP5外膜蛋白質、あるいはその一つのエピトープもしくは複数のエピトープを有するそのペプチド。
【0042】
2.エピトープが非型性のヘモフィルス インフルエンザの本質的に全ての株の外膜に存在する、前記1のペプチドもしくは蛋白質。
【0043】
3.アミノ酸配列が図2に示されているものであるか、あるいはその蛋白質の殺菌性もしくはオプソニン作用特性あるいはその両方を弱めることなくアミノ酸残基が付加、挿入、置換、もしくは欠損しており、その蛋白質が宿主内でヘモフィルス インフルエンザに対する殺菌性抗体を誘導するいずれかのその改変配列である、前記1のP5蛋白質。
【0044】
4.アミノ酸配列が前記3の蛋白質の一つのエピトープもしくは複数のエピトープ、あるいは複数のエピトープの組み合わせ物に相当するオリゴヌクレオチドであって、遊離もしくは複合体のいずれかの形態のオリゴヌクレオチドが非型性のヘモフィルス インフルエンザに対する一つ抗体もしくは複数の抗体を誘導することが可能であるオリゴヌクレオチド。
【0045】
5.N−ラウロイルサルコシンのナトリウム塩の水溶液で外膜構成化合物を抽出した後にヘモフィルス インフルエンザの外膜からP5蛋白質を単離および精製する方法であって、
(a)スルホベタインの水溶液でP5蛋白質を含む不溶性残渣を抽出する段階、
(b)N−ラウロイルサルコシネートで段階(a)の不溶性残渣を可溶化する段階、
(c)スルホベタインで段階(b)の残渣を透析する段階、
(d)適切な陽イオン交換カラムからP5蛋白質を溶出する段階、ならびに(e)溶出後に陽イオン交換カラムから本質的に純粋なP5蛋白質を回収する段階を含む方法。
【0046】
6.薬剤学的に許容される賦形剤および場合によって存在するアジュバンド中に、ヘモフィルス インフルエンザのP5蛋白質あるいはその一つのエピトープもしくは複数のエピトープを有するペプチドの免疫原的な量を含んでなるワクチン組成物。
【0047】
7.少なくとも一つの追加抗原、あるいは一つもしくは複数の生物体を更に含む、前記6のワクチン組成物。
【0048】
8.生物体が、細菌、ウイルス、寄生虫、もしくは真菌類である、前記7のワクチン組成物。
【0049】
9.薬剤学的に許容される賦形剤および場合によって存在するアジュバンド中に、ある生物体の抗原あるいはその一つのエピトープもしくは複数のエピトープと複合体を形成しているP5蛋白質あるいはその一つのエピトープもしくは複数のエピトープを有するペプチドからなる抗原複合体を含んでなるワクチン組成物。
【0050】
10.生物体がヘモフィルス インフルエンザである、前記9のワクチン組成物。
【0051】
11.ヘモフィルス インフルエンザのP5蛋白質、あるいはその一つのエピトープもしくは複数のエピトープを有するペプチドの免疫原的な量をある個体に投与することを含む、ヘモフィルス インフルエンザに対する免疫化の方法。
【0052】
12.P5蛋白質が図2に示されるアミノ酸配列、もしくはそのいずれかの改変配列を有し、その蛋白質の殺菌性もしくはオプソニン作用特性を本質的に弱めることなくアミノ酸残基に添加、挿入、置換、もしくは欠損が生じている、前記11の方法。
【0053】
13.P5蛋白質、あるいはその一つのエピトープもしくは複数のエピトープを有するペプチドを、ヘモフィルス インフルエンザの少なくとも一つの他の抗原と共に投与する、前記12の方法。
【0054】
14.ヘモフィルス インフルエンザのP5蛋白質、あるいはその一つのエピトープもしくは複数のエピトープを有するペプチドの免疫原的な量をある個体に投与することを含む、中耳炎、副鼻腔炎、もしくは慢性的肺閉塞性疾患の原因因子により生じる急性中耳炎、副鼻腔炎、もしくは慢性の肺閉塞性疾患を予防するもしくはそれらの疾患に対する感受性を減少させる方法。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】精製した非型性およびB型のP5蛋白質のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ゲルを示す図である。レーン1の二本線は、P5蛋白質の熱変性形態および熱変成していない形態を表す。
【図2】殺菌性抗体を誘導することが可能な精製済みP5蛋白質のアミノ酸配列を示す図である。
【図3】NTHi P5に対するウサギ抗血清から得られた全細胞のELISA終点力価を示す図である。
【図4】NTHi P5に対するマウス抗血清から得られた全細胞のELISA終点力価を示す図である。
【図5】P860295からのP5抗血清の、数々の異なる非型性なヘモフィルス インフルエンザに対する殺菌性活性を示す図である。
Claims (1)
- N−ラウロイルサルコシンのナトリウム塩の水溶液でヘモフィルス インフルエンザ(Haemophilus influenze)の外膜構成化合物を抽出した後に該外膜からP5蛋白質を単離し精製する方法であって、
(a)スルホベタインの水溶液でP5蛋白質を含む不溶性残渣を抽出する段階、
(b)N−ラウロイルサルコシネートで段階(a)の不溶性残渣を可溶化する段階、
(c)スルホベタインで段階(b)の残渣を透析する段階、
(d)適切な陽イオン交換カラムからP5蛋白質を溶出する段階、ならびに
(e)溶出後に陽イオン交換カラムから本質的に純粋なP5蛋白質を回収する段階、
を含む上記の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US210394 | 1994-05-05 | ||
US08/210,394 US5770213A (en) | 1994-05-05 | 1994-05-05 | Purified nontypable haemophilus influenzae P5 protein as a vaccine for nontypable haemophilus influenzae infection |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008274435A Division JP2009051859A (ja) | 1994-05-05 | 2008-10-24 | 非型性のヘモフィルスインフルエンザ(Haemophilusinfluenzae)株用のワクチンとしての精製非型性ヘモフイルスインフルエンザP5蛋白質 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08337598A JPH08337598A (ja) | 1996-12-24 |
JP4236215B2 true JP4236215B2 (ja) | 2009-03-11 |
Family
ID=22782738
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13295495A Expired - Fee Related JP4236215B2 (ja) | 1994-05-05 | 1995-05-02 | 非型性のヘモフイルス インフルエンザ(Haemophilus influenzae)株用のワクチンとしての精製非型性ヘモフイルス インフルエンザP5蛋白質 |
JP2008274435A Pending JP2009051859A (ja) | 1994-05-05 | 2008-10-24 | 非型性のヘモフィルスインフルエンザ(Haemophilusinfluenzae)株用のワクチンとしての精製非型性ヘモフイルスインフルエンザP5蛋白質 |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008274435A Pending JP2009051859A (ja) | 1994-05-05 | 2008-10-24 | 非型性のヘモフィルスインフルエンザ(Haemophilusinfluenzae)株用のワクチンとしての精製非型性ヘモフイルスインフルエンザP5蛋白質 |
Country Status (14)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US5770213A (ja) |
EP (1) | EP0680765B1 (ja) |
JP (2) | JP4236215B2 (ja) |
KR (1) | KR100366482B1 (ja) |
AT (1) | ATE356633T1 (ja) |
AU (1) | AU704882B2 (ja) |
CA (1) | CA2148563C (ja) |
DE (1) | DE69535422T2 (ja) |
DK (1) | DK0680765T3 (ja) |
ES (1) | ES2282992T3 (ja) |
FI (1) | FI120149B (ja) |
IL (1) | IL113595A (ja) |
NO (1) | NO951750L (ja) |
PT (1) | PT680765E (ja) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20040126381A1 (en) * | 1996-04-23 | 2004-07-01 | Xin-Xing Gu | Intranasal immunization with detoxified lipooligosaccharide from nontypeable haemophilus influenzae or moraxella |
WO2002089839A1 (en) * | 2001-05-03 | 2002-11-14 | The Government Of The United States Of America, As Represented By The Secretary, Department Of Health And Human Services | Intranasal immunization with detoxified lipooligosaccharide from nontypeable haemophilus influenzae or moraxella catarrhalis |
GB9812613D0 (en) * | 1998-06-11 | 1998-08-12 | Smithkline Beecham Biolog | Vaccine |
US6974581B1 (en) * | 1998-12-15 | 2005-12-13 | Aventis Pasteur Limited | Multi-component vaccine comprising at least two antigens from haemophilus influenzae to protect against disease |
GB9904183D0 (en) * | 1999-02-24 | 1999-04-14 | Smithkline Beecham Biolog | Novel compounds |
US7101989B1 (en) | 1999-07-09 | 2006-09-05 | University Of North Carolina At Chapel Hill | DsrA protein and polynucleotides encoding the same |
GB0025486D0 (en) * | 2000-10-17 | 2000-11-29 | Smithkline Beecham Biolog | Novel compounds |
AU2003250673A1 (en) * | 2002-07-24 | 2004-02-09 | Id Biomedical Corporation | Polypeptides of nontypeable haemophilus influenzae |
CN113198013B (zh) | 2005-04-08 | 2024-02-20 | 惠氏有限责任公司 | 多价肺炎球菌多糖-蛋白质缀合物组合物 |
US7709001B2 (en) | 2005-04-08 | 2010-05-04 | Wyeth Llc | Multivalent pneumococcal polysaccharide-protein conjugate composition |
AU2009294321B2 (en) | 2008-09-17 | 2014-02-13 | Hunter Immunology Pty Ltd | Non-typeable Haemophilus influenzae vaccines and their uses |
KR102409709B1 (ko) | 2021-11-30 | 2022-06-16 | 박정민 | 케이블 접속장치 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5300632A (en) * | 1986-11-18 | 1994-04-05 | Research Foundation Of State University Of New York | Method for purifying an outer membrane protein of Haemophilus influenzae |
US5098997A (en) * | 1987-12-11 | 1992-03-24 | Praxis Biologics, Inc. | Vaccines for Haemophilus influenzae |
US5098987A (en) * | 1989-07-13 | 1992-03-24 | The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Air Force | Crosslinkable rigid-rod benzobisazole polymer |
PT699076E (pt) | 1993-05-18 | 2003-03-31 | Univ Ohio State Res Found | Vacina contra a otite media |
-
1994
- 1994-05-05 US US08/210,394 patent/US5770213A/en not_active Ceased
-
1995
- 1995-05-02 DK DK95302996T patent/DK0680765T3/da active
- 1995-05-02 AT AT95302996T patent/ATE356633T1/de not_active IP Right Cessation
- 1995-05-02 EP EP95302996A patent/EP0680765B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1995-05-02 DE DE69535422T patent/DE69535422T2/de not_active Expired - Lifetime
- 1995-05-02 PT PT95302996T patent/PT680765E/pt unknown
- 1995-05-02 ES ES95302996T patent/ES2282992T3/es not_active Expired - Lifetime
- 1995-05-02 JP JP13295495A patent/JP4236215B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1995-05-03 AU AU17814/95A patent/AU704882B2/en not_active Ceased
- 1995-05-03 IL IL11359595A patent/IL113595A/en not_active IP Right Cessation
- 1995-05-03 CA CA002148563A patent/CA2148563C/en not_active Expired - Fee Related
- 1995-05-04 KR KR1019950011163A patent/KR100366482B1/ko not_active IP Right Cessation
- 1995-05-04 NO NO951750A patent/NO951750L/no unknown
- 1995-05-04 FI FI952144A patent/FI120149B/fi active IP Right Grant
-
2000
- 2000-06-21 US US09/599,652 patent/USRE37741E1/en not_active Expired - Lifetime
-
2008
- 2008-10-24 JP JP2008274435A patent/JP2009051859A/ja active Pending
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0680765A1 (en) | 1995-11-08 |
ES2282992T3 (es) | 2007-10-16 |
DE69535422T2 (de) | 2007-12-13 |
KR950031108A (ko) | 1995-12-18 |
CA2148563A1 (en) | 1995-11-06 |
DE69535422D1 (de) | 2007-04-26 |
FI952144A0 (fi) | 1995-05-04 |
DK0680765T3 (da) | 2007-07-02 |
ATE356633T1 (de) | 2007-04-15 |
JPH08337598A (ja) | 1996-12-24 |
IL113595A (en) | 2001-05-20 |
JP2009051859A (ja) | 2009-03-12 |
NO951750D0 (no) | 1995-05-04 |
USRE37741E1 (en) | 2002-06-11 |
KR100366482B1 (ko) | 2003-08-02 |
FI952144L (fi) | 1995-11-06 |
EP0680765B1 (en) | 2007-03-14 |
AU1781495A (en) | 1995-11-16 |
AU704882B2 (en) | 1999-05-06 |
NO951750L (no) | 1995-11-06 |
IL113595A0 (en) | 1995-08-31 |
FI120149B (fi) | 2009-07-15 |
US5770213A (en) | 1998-06-23 |
CA2148563C (en) | 2008-10-07 |
PT680765E (pt) | 2007-05-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2009051859A (ja) | 非型性のヘモフィルスインフルエンザ(Haemophilusinfluenzae)株用のワクチンとしての精製非型性ヘモフイルスインフルエンザP5蛋白質 | |
US11572391B2 (en) | Antibodies for prevention, treatment and diagnosis of P. gingivalis infection | |
JP2955014B2 (ja) | 分類できないヘモフイルス・インフルエンザエに対するワクチン | |
JP4005634B2 (ja) | モラクセラ属菌由来トランスフェリン受容体タンパク質 | |
US6558677B2 (en) | Vaccine against gram negative bacteria | |
JP2012000112A (ja) | 型分類不能なHaemophilusinfluenzae由来のポリペプチド | |
ES2446984T3 (es) | Vacuna contra Escherichia coli enterohemorrágica | |
JP2010172332A (ja) | Haemophilusinfluenzae誘発性疾患のためのキメラワクチン | |
JP2009500037A5 (ja) | ||
US20100280229A1 (en) | Polypeptide | |
JPH04225924A (ja) | ブタ肺疫アクチノバチルス菌のサブユニットワクチン | |
CN108135992A (zh) | 免疫原性融合蛋白 | |
JP2003520765A (ja) | ポルフィロモナス・ジンジヴァリスによる歯周炎の治療及び予防のための保護エピトープを含有する合成ペプチド | |
US9597387B2 (en) | Targets of Acinetobacter baumannii | |
JPH01502190A (ja) | インフルエンザ菌用ワクチンおよび診断法 | |
US12239696B2 (en) | Chimeric vaccine antigens for anaplasmosis | |
RU2186582C2 (ru) | Способ выделения и очистки белка внешней мембраны moraxella catarrhalis, штамм м.catarrhalis для получения белка cd, изолированный и очищенный неденатурированный белок cd внешней мембраны м.catarrhalis и иммуногенная композиция, содержащая белок cd внешней мембраны м.сatarrhalis | |
CA2719041C (en) | A method for identifying polypeptides which comprise a cross-reactive antigenic determinant | |
CA2516661C (en) | M. haemolytica outer membrane protein plpe as a vaccine or vaccine component against shipping fever | |
AU758555B2 (en) | Peptides | |
US11357845B2 (en) | Protein antigens for vaccinating against nontypeable Haemophilus influenzae | |
KR101991577B1 (ko) | 다수의 에피토프로 구성된 재조합 항원 단백질 및 이의 제조방법 | |
RU2196176C2 (ru) | АНАЛОГ HIN47 Haemophilus С РЕДУЦИРОВАННОЙ ПРОТЕАЗНОЙ АКТИВНОСТЬЮ | |
Choi et al. | Study on the Antigens for Cell Free Vaccine and Retrospective Diagnosis of Anthrax: Production of Protective Antigen of |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040706 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20041006 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20041026 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050215 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050516 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20050530 |
|
A912 | Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20050715 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070129 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20070912 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20070925 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20080509 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20081001 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20081003 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20081016 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081024 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20081215 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111226 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |