JP4228797B2 - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料噴射装置によって圧送される燃料の一部を還元剤として還元浄化装置の上流に添加する内燃機関(以下、エンジンと称す)の排気浄化システムに関する。
【0002】
【発明の背景】
例えば、排気通路内に配置された還元浄化装置(NOx還元触媒)によりNOxを還元して排気を浄化する場合、還元浄化装置を機能させるために還元剤となる添加剤を必要とする。
そこで、還元剤として燃料(例えば、軽油、ガソリン等の炭化水素)を還元浄化装置の上流の排気通路内に噴射する還元剤添加装置が知られている。この還元剤添加装置は、還元浄化装置の上流側へ燃料を添加する燃料添加インジェクタ、この燃料添加インジェクタへ燃料を供給する添加燃料供給通路を備える。
【0003】
しかしながら、万が一、何らかの異常により、還元剤添加装置(添加燃料供給通路あるいは燃料添加インジェクタ)から燃料が漏れる可能性がある。
そこで、燃料流入側と流出側の圧力差が所定圧以上になると、その差圧で添加燃料供給通路を閉じるフローリミッタ式の遮断弁を添加燃料供給通路の上流に配置し、万が一、還元剤添加装置から燃料が漏れる事態が生じた場合に、差圧により遮断弁が閉弁することによって、還元剤添加装置へ供給される燃料をカットする技術が提案されている(周知技術ではない、特許文献1参照)。
【0004】
また、万が一、何らかの異常により、還元剤添加装置から排気通路内に燃料が漏れた場合に、その漏れを排気通路内における空燃比の変化によって検出する技術が提案されている(周知技術ではない、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特願2002−053510
【特許文献2】
特願2002−049533
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
燃料噴射装置によって圧送される燃料の一部を還元浄化装置(NOx還元触媒)の上流側へ噴射させる還元剤添加装置では、万が一、何らかの異常により、還元剤添加装置から燃料が漏れる事態が生じると、燃料噴射装置の能力が低下する場合がある。
【0007】
上記の具体的な不具合を、図6を参照して説明する。
この図6は、コモンレール式の燃料噴射装置のサプライポンプJ1 に搭載され、フィードポンプJ2 のレギュレータバルブJ3 の低圧側である所定圧に調圧された燃料を還元剤添加装置J4 (添加燃料供給通路J5 および燃料添加インジェクタJ6 )に供給するものを示す。
エンジンの始動時(スタータ作動時でエンジンの完爆前)は、フィードポンプJ2 の吐出能力が低い。このため、エンジンの始動時に還元剤添加装置J4 (添加燃料供給通路J5 あるいは燃料添加インジェクタJ6 )から燃料が漏れると、コモンレール圧力が始動に足りる圧力を維持できなくなったり、始動できる状態であってもコモンレール圧力の低下により始動性が悪化する始動不良が生じる。
【0008】
このことを、図7も参照して説明する。
フィードポンプJ2 の吐出流量(総量)は、▲1▼高圧ポンプJ7 に送られる「ポンプ吐出流量」+▲2▼還元剤添加装置J4 に送られる「排気添加弁噴射流量」+▲3▼高圧ポンプJ7 のカム室J8 へ送られる「カム室循環流量」+▲4▼フィードポンプJ2 の吐出圧調整用のレギュレータバルブJ3 を循環する「レギュレータバルブJ3 による循環流量」である。
フィードポンプJ2 は、高圧ポンプJ7 とともにエンジンによって駆動されるものであるため、エンジンの回転速度が上昇するにつれて、フィードポンプJ2 の吐出流量(総量)が増加する。即ち、エンジンの始動時は、フィードポンプJ2 が吐出する燃料の総量が少ない。
【0009】
エンジン始動時の回転域(始動回転数)では、図7中の丸Aに示すように、フィードポンプJ2 の吐出流量(総量)が、▲2▼「排気添加弁噴射流量(最大値)」を下回る。
このため万が一、燃料添加インジェクタJ6 から燃料が漏れると、エンジンの始動時の回転域(始動回転数)では▲1▼「ポンプ吐出流量」を確保できなくなり、上述したような始動不良が発生してしまう。
【0010】
このような不具合に対し、上述した特許文献1の技術は、還元剤添加装置への燃料供給をフローリミッタ式の遮断弁にて遮断する技術であるため、エンジンの始動時のように還元剤添加装置へ送られる燃料の供給圧が低い時には、フローリミッタ式の遮断弁を流れる流量が少なく、還元剤添加装置に漏れが発生しても遮断弁の遮断機能が作動せずに、始動不良が発生してしまう。
【0011】
一方、上述した特許文献2の技術は、排気通路内における空燃比の変化によって、還元剤添加装置による燃料の漏れを検出する技術である。しかし、始動時においては燃焼が十分に行われず、空燃比の変化が不安定で、しかも酸素濃度が高レベルである。このため、始動時には、空燃比から還元剤添加装置による燃料の漏れを検出するのは困難である。
【0012】
【発明の目的】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、万が一、何らかの異常により、還元剤添加装置から燃料が漏れる事態が生じても、還元剤添加装置の燃料漏れを防いで、エンジンを始動させることのできるエンジンの排気浄化システムの提供にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1の手段〕
請求項1の手段を採用する排気浄化システムは、エンジンの始動不良を検出すると、添加燃料供給通路の上流に設けた燃料遮断弁を電気的に強制閉弁させるものである。
このように設けることにより、万が一、何らかの異常により、還元剤添加装置(添加燃料供給通路あるいは燃料添加インジェクタ)から燃料が漏れる事態が生じても、燃料遮断弁の強制閉弁によって還元剤添加装置への燃料供給が停止されるため、燃料噴射装置内における燃料の送圧低下を防ぐことができ、結果的に始動不良を回避できる。
【0014】
〔請求項2の手段〕
請求項2の手段を採用する排気浄化システムは、スタータスイッチのオン時間が所定時間に達してもエンジンが完爆しない場合に、始動不良を検出するものである。
このように、スタータスイッチのオン時間によって始動不良を検出するものであるため、排気通路における空燃比が不安定で、且つ酸素濃度が高レベルの状態であっても、確実に始動不良を検出できる。
【0015】
〔請求項3の手段〕
請求項3の手段を採用する排気浄化システムは、スタータスイッチのオン回数が所定回数に達してもエンジンが完爆しない場合に、始動不良を検出するものである。
このように、スタータスイッチがオンされる回数によって始動不良を検出するものであるため、排気通路における空燃比が不安定で、且つ酸素濃度が高レベルの状態であっても、確実に始動不良を検出できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、第1実施例と変形例を用いて説明する。
【0018】
[第1実施例]
第1実施例を図1〜図5を参照して説明する。
排気浄化システムは、エンジンに燃料を噴射させる燃料噴射装置と、排気を還元浄化するNOx還元触媒(還元浄化装置に相当する)を含む排気浄化装置と、NOx還元触媒の上流側の排気通路内に還元剤として燃料を添加する還元剤添加装置とを備える。
なお、本発明にかかる燃料遮断弁、およびこの燃料遮断弁を制御する制御装置(この実施例ではECU)については後述する。
上記の各構成要素を以下において順次説明する。
【0019】
(燃料噴射装置の説明)
まず、本実施例の燃料噴射装置を図2を参照して説明する。なお、本実施例に示す燃料噴射装置は、コモンレール式の燃料噴射装置の概略図である。
コモンレール式の燃料噴射装置は、エンジン(例えばディーゼルエンジン)1の各気筒に燃料噴射を行う装置であり、コモンレール2、インジェクタ3、サプライポンプ4、ECU5(エンジン制御ユニット)等から構成される。なお、この実施例に示すECU5は、各電気部品を駆動するEDU(駆動ユニット)を内蔵する例であるが、ECU5の外部にEDUを配置したものであっても良い。
【0020】
コモンレール2は、インジェクタ3に供給する高圧燃料を蓄圧する蓄圧本体であり、燃料噴射圧に相当するコモンレール圧力が蓄圧されるように高圧ポンプ配管6を介して高圧燃料を圧送するサプライポンプ4の吐出口と接続されるとともに、各インジェクタ3へ高圧燃料を供給する複数のインジェクタ配管7が接続されている。なお、インジェクタ3からのリーク燃料およびサプライポンプ4からのリーク燃料は、リーク配管8を経て燃料タンク9へ戻される。
【0021】
コモンレール2から燃料タンク9へ燃料を戻すリリーフ配管10には、プレッシャリミッタ11が取り付けられている。このプレッシャリミッタ11は圧力安全弁であり、コモンレール2内の燃料圧が限界設定圧を超えた際に開弁して、コモンレール2の燃料圧を限界設定圧以下に抑える。
また、コモンレール2には、減圧弁(図示しない)が取り付けられている。この減圧弁は、ECU5から与えられる開弁指示信号によって開弁してリーク配管8を介してコモンレール2内の高圧燃料を溢流させることでコモンレール圧力を急速に減圧するものである。このように、コモンレール2に減圧弁を搭載することによって、ECU5はコモンレール圧力を車両走行状態に応じた圧力へ素早く低減制御できる。
【0022】
インジェクタ3は、エンジン1の各気筒毎に搭載されて燃料を各気筒内に噴射供給するものであり、コモンレール2より分岐する複数のインジェクタ配管7の下流端に接続されて、コモンレール2に蓄圧された高圧燃料を各気筒内に噴射供給する燃料噴射ノズル、およびこの燃料噴射ノズル内に収容されたニードルのリフト制御を行う電磁弁等を搭載している。
【0023】
サプライポンプ4の構成を図4を参照して説明する。
サプライポンプ4は、コモンレール2に高圧に圧縮した燃料を送るものであり、フィードポンプ12(図4中では90°展開した状態で開示される)、レギュレータバルブ13、燃料調量弁(以下、SCV)14、高圧ポンプ15によって構成される。
【0024】
フィードポンプ12は、カムシャフト16によって回転駆動されるトロコイドポンプであり、このトロコイドポンプが駆動されると燃料入口17から吸引した燃料をSCV14を介して高圧ポンプ15に供給する。
なお、カムシャフト16は、図2に示されるように、エンジン1のクランク軸18によって回転駆動されるものである。
【0025】
レギュレータバルブ13は、フィードポンプ12の吐出側(高圧側)と供給側(低圧側)とを連通する燃料通路に配置され、フィードポンプ12の吐出圧が所定圧に上昇すると開弁して、フィードポンプ12の吐出圧が所定圧を超えないようにするものである。
【0026】
SCV14は、ECU5からのポンプ駆動信号によって制御されることにより、高圧ポンプ15に吸入される燃料の吸入量を調整することで、コモンレール2へ圧送される燃料の吐出量を調整するバルブであり、コモンレール2へ圧送する燃料の吐出量を調整することにより、コモンレール圧力を調整するものである。即ち、ECU5はSCV14を制御することにより、コモンレール圧力を車両走行状態に応じた圧力に制御できる。
【0027】
本実施例の高圧ポンプ15は、カムシャフト16によって往復駆動される1つまたは複数(この実施例では2つ)のプランジャポンプ19によって構成されるものであり、このプランジャポンプ19の加圧室21に燃料を供給する吸入弁22、加圧室21で圧縮された燃料をコモンレール2へ向けて吐出する吐出弁23が設けられている。
【0028】
なお、プランジャポンプ19は、カムシャフト16の回転によって偏心回転するエキセンカム24、このエキセンカム24の周囲に滑り軸受(ブッシュ)25を介して回転自在に装着されたカムリング26、このカムリング26に押し付けられて往復動するプランジャ27、このプランジャ27をカムリング26に押し付けるスプリング28で構成される。これらが配置されるカム室29は、フィードポンプ12から絞り31が形成された燃料通路32を介して燃料の供給を受けており、カム室29に燃料が満たされるようになっている。そして、カム室29の余剰の燃料は燃料出口33から排出されて燃料タンク9へ戻される。
【0029】
ECU5は、CPU、RAM、ROM等(図示しない)を搭載しており、ROMに記憶されたプログラムと、RAMに読み込まれたセンサ類の信号(車両の運転状態)とに基づいて各種の演算処理を行う。
具体的な演算の一例を示すと、ECU5は、燃料の噴射毎に、ROMに記憶されたプログラムと、RAMに読み込まれたセンサ類の信号(車両の運転状態)とに基づいて、各気筒毎の目標噴射量、噴射形態、インジェクタ3の開弁閉弁時期を決定するように設けられている。
【0030】
なお、ECU5には、車両の運転状態等を検出する手段として、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ41、エンジン1の回転数を検出する回転速度センサ42、エンジン冷却水温を検出する冷却水温センサ43、コモンレール圧力を検出するコモンレール圧力センサ44、およびその他のセンサ類45が接続されている。
【0031】
(排気浄化装置の説明)
排気浄化装置を図1を参照して説明する。
エンジン1には、図1に示されるように、排気管51が接続されており、排気管51内に形成される排気通路の途中には、排気浄化装置が配置されている。
排気浄化装置は、NOx還元触媒52(還元浄化装置に相当する)と、その下流に配置されたディーゼルパティキュレートフィルタ53とを備える。
【0032】
NOx還元触媒52は、アルミナなどの担体にカリウム、ナトリウムもしくはリチウムなどのアルカリ金属、バリウムもしくはカルシウムなどのアルカリ土類金属、またはセシウムなどの希土類から選ばれた1つの成分と、プラチナなどの貴金属を担持したものである。
このNOx還元触媒52は、流入する排気の空燃比がリーン(希薄)の時にNOxを吸蔵し、流入する排気の酸素濃度が低下するとNOxを還元するものである。
一方、ディーゼルパティキュレートフィルタ53は、例えば、金属セラミックスあるいはセラミックス多孔質などのフィルタからなり、排気に含まれる粒子状物質を捕集するものである。
【0033】
(還元剤添加装置の説明)
還元剤添加装置を図1を参照して説明する。
還元剤添加装置は、NOx還元触媒52の上流側の排気通路内に還元剤として燃料を添加する燃料添加インジェクタ55と、燃料噴射装置によって圧送される燃料の一部を燃料添加インジェクタ55へ供給する添加燃料供給通路56とを有する。
【0034】
燃料添加インジェクタ55は、添加燃料供給通路56の下流端に接続されて、添加燃料供給通路56によって供給される燃料をNOx還元触媒52の上流側の排気通路内に噴射する燃料噴射ノズル、およびこの燃料噴射ノズルのリフト制御を行うソレノイド等を搭載している。この燃料添加インジェクタ55は、ECU5からの制御信号により噴射が断続される。
ECU5は、エンジン1の回転数信号、ならびにインジェクタ3から各気筒へ噴射される燃料の噴射量等に基づいて、燃料添加インジェクタ55を駆動する駆動タイミングを算出する。そして、算出された駆動タイミングにしたがって、燃料添加インジェクタ55のソレノイドを駆動し、燃料添加インジェクタ55を制御する。
【0035】
添加燃料供給通路56は、レギュレータバルブ13の低圧側であって所定圧に調圧された側と燃料添加インジェクタ55を連通させる燃料通路であり、図1、図3に示されるように、サプライポンプ4のハウジングに形成された添加燃料上流通路56aと、この添加燃料上流通路56aの出口に設けられた流出ポート57と燃料添加インジェクタ55を接続する添加燃料供給配管56bとによって構成される。
【0036】
〔第1実施例の特徴〕
上記の構成では、「発明が解決しようとする課題」の項でも説明したように、万が一、何らかの異常により、還元剤添加装置(燃料添加インジェクタ55あるいは添加燃料供給通路56)から燃料漏れが生じると、コモンレール圧力が始動に足りる圧力を維持できなくなったり、始動できる状態であってもコモンレール圧力の低下により始動性が悪化する始動不良が生じる。
【0037】
そこで、この実施例の排気浄化システムは、添加燃料供給通路56の上流に電気的に強制閉弁可能な燃料遮断弁(以下、FCV)58を配置し、ECU5が始動不良を検出した際にFCV58を強制閉弁させるように設けている。なお、ECU5は、本発明の制御装置に相当するものである。
【0038】
本実施例のFCV58は、図3に示すように、サプライポンプ4のハウジングに形成された添加燃料上流通路56aを開閉可能なものであり、サプライポンプ4に組付けられるものである。
このFCV58は、添加燃料上流通路56aを開閉するバルブと、このバルブを駆動するソレノイドとからなる。
【0039】
FCV58は、フィードポンプ12の吐出圧にかかわらず強制閉弁可能なものである。しかし、本実施例のFCV58は、エンジン1が運転を開始してフィードポンプ12の吐出圧が上昇した状態では、閉弁状態から開弁することができないものであり、エンジン1の運転が開始する前にFCV58のソレノイドをONさせることで開弁するものである。
【0040】
ECU5は、エンジン1の始動時に始動不良を検出する手段を有し、始動不良を検出した際にFCV58を強制閉弁させるように設けられている。
この実施例のECU5は、エンジン1の始動時に始動不良を検出する手段として、(1)スタータスイッチのON時間が所定時間に達してもエンジン1が完爆しない場合に始動不良を検出する、(2)スタータスイッチのON回数が所定回数に達してもエンジン1が完爆しない場合に始動不良を検出するように設けられており、上記(1)、(2)の少なくても一方によって始動不良が検出されると、FCV58をOFF して添加燃料供給通路56の上流を強制閉弁するものである。
【0041】
次に、ECU5によるFCV58の制御例を、図5のフローチャートを参照して説明する。
イグニッションキーがONされると(スタート)、スタータスイッチがONか否かの判断を行う(ステップS1 )。このステップS1 の判断結果がYES の場合は、ECU5の記憶装置に異常履歴があるか否かの判断を行う(ステップS2 )。この判断結果がNOの場合は、FCV58をONする(ステップS3 )。なお、ECU5は、FCV58を一旦ONすると、OFF させる判断が行われるまで、FCV58をONし続けるものである。
【0042】
次に、スタータスイッチのON時間が所定時間(例えば20秒)以上経ったか否かの判断を行う(ステップS4 )。なお、このスタータスイッチのON時間は、前回エンジン1の運転を停止した後、最初にスタータスイッチをONした時にカウントを開始し、スタータスイッチのON時間を積算するものであり、後述するステップS9 によってエンジン1が完爆して運転されるとリセットされるものである。このステップS4 の判断結果がYES の場合は、始動不良が発生したと判断し、FCV58をOFF する(ステップS5 )。続いて、異常履歴をECU5に記憶させ(ステップS6 )、その後リターンする。なお、ECU5は、FCV58を一旦OFF すると、ONさせる判断が行われるまで、FCV58をOFF し続けるものである。
【0043】
ステップS4 の判断結果がNOの場合は、スタータスイッチのON回数が所定回数(例えば5回)に達したか否かの判断を行う(ステップS7 )。なお、このスタータスイッチのON回数は、前回エンジン1の運転を停止した後、最初にスタータスイッチをONした時にカウントを開始するものであり、後述するステップS9 によってエンジン1が完爆して運転されるとリセットされるものである。この判断結果がYES の場合は、始動不良が発生したと判断し、ステップS4 でYES の場合と同様、ステップS5 でFCV58をOFF し、ステップS6 で異常履歴をECU5に記憶させ、その後リターンする。
【0044】
ステップS7 の判断結果がNOの場合は、作動不良が発生していないと判断して、リターンする。
一方、ステップS1 の判断結果がNOの場合は、エンジン1が運転中であるか否かの判断を行う(ステップS8 )。その判断結果がYES の場合は、エンジン1が始動したと判断し、スタータスイッチのON時間、およびスタータスイッチのON回数をリセットし(ステップS9 )、その後リターンする。
また、ステップS2 の判断結果がYES の場合、ステップS8 の判断結果がNOの場合は、FCV58をOFF し(ステップS10)、その後リターンする。
【0045】
〔第1実施例の効果〕
万が一、何らかの異常により、還元剤添加装置(添加燃料供給通路56あるいは燃料添加インジェクタ55)から燃料が漏れる事態が生じると、エンジン1の始動不良が発生するが、本実施例の排気浄化システムでは、ECU5が始動不良を検出すると、添加燃料供給通路56の上流に設けたFCV58を電気的に強制閉弁させる。このため、コモンレール圧力が始動に足りる圧力を維持できなくなる始動不良を回避でき、エンジン1を正常運転させることができる。
【0046】
また、この実施例の排気浄化システムのECU5は、スタータスイッチのON時間が所定時間に達してもエンジン1が完爆しない場合に、始動不良を検出する。このため、排気通路における空燃比が不安定で、且つ酸素濃度が高レベルの状態であっても、確実に始動不良を検出することができる。
さらに、この実施例の排気浄化システムのECU5は、スタータスイッチのON回数が所定回数に達してもエンジン1が完爆しない場合に、始動不良を検出する。このため、排気通路における空燃比が不安定で、且つ酸素濃度が高レベルの状態であっても、確実に始動不良を検出することができる。
【0051】
[変形例]
上記の実施例では、燃料噴射装置の一例としてコモンレール式の燃料噴射装置を例に示したが、コモンレール式以外の蓄圧式の燃料噴射装置はもちろん、分配型の燃料噴射装置など、他の形式の燃料噴射装置に適用しても良い。
上記の実施例では、レギュレータバルブ13の低圧側の燃料を還元剤添加装置に導く例を示したが、燃料噴射装置によって圧送される燃料の一部を還元剤添加装置に導くものであれば良く、レギュレータバルブ13の低圧側とは異なった部位の燃料を還元剤添加装置に導くように設けても良い。
【0052】
上記の実施例では、エンジン1の始動時にFCV58を強制閉弁させる例を示したが、空燃比センサ等によって燃料添加インジェクタ55から燃料の漏れが検出された場合にFCV58を強制閉弁させても良い。このように設けることにより、燃料添加インジェクタ55とFCV58の2つの弁によって燃料の漏れが防げるため、この二重保証によって信頼性を高めることができる。
上記の実施例では、ディーゼルエンジンに本発明を適用する例を示したが、ガソリンエンジンなど、他のエンジンにも本発明を適用することができる。また、還元剤として使用される燃料は、軽油に限らずガソリン、LPG、DMEなど、そのエンジンの燃料が用いられるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】排気浄化システムの概略図である。
【図2】燃料噴射装置の概略図である。
【図3】燃料噴射ポンプの断面図である。
【図4】燃料噴射ポンプの構成を示す断面図である。
【図5】FCVの開閉制御を示すフローチャートである。
【図6】排気浄化システムの要部説明図である。
【図7】サプライポンプの回転数とフィードポンプの吐出流量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
5 ECU(制御装置)
51 排気管(排気通路を形成する管)
52 NOx還元触媒(還元浄化装置)
55 燃料添加インジェクタ
56 添加燃料供給通路
58 FCV(燃料遮断弁)
Claims (3)
- 内燃機関に燃料を噴射させる燃料噴射装置と、
前記内燃機関の排気通路に設置され、排気を還元浄化する還元浄化装置と、
前記還元浄化装置の上流側の前記排気通路内に還元剤として燃料を添加する燃料添加インジェクタ、および前記燃料噴射装置によって圧送される燃料の一部を前記燃料添加インジェクタへ供給する添加燃料供給通路を有する還元剤添加装置と、
前記添加燃料供給通路の上流に設けられ、この添加燃料供給通路を電気的に閉弁可能な燃料遮断弁と、
前記内燃機関の始動時に始動不良を検出する手段を有し、始動不良を検出した際に前記燃料遮断弁を強制閉弁させる制御装置と、
を備える内燃機関の排気浄化システム。 - 請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システムにおいて、
前記制御装置は、スタータスイッチのオン時間が所定時間に達しても前記内燃機関が完爆しない場合に、始動不良を検出することを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。 - 請求項1または請求項2に記載の内燃機関の排気浄化システムにおいて、
前記制御装置は、スタータスイッチのオン回数が所定回数に達しても前記内燃機関が完爆しない場合に、始動不良を検出することを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
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2003
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