JP4226236B2 - モータ制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はモータ制御装置に関し、特に、電機子巻線のインダクタンス変化および電機子電流に伴なって発生するリラクタンストルクを利用するモータ、あるいはリラクタンストルクと永久磁石の磁束および電機子電流に伴なって発生するマグネットトルクとを併用して利用するモータを用いた、モータ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電機子巻線のインダクタンス変化および電機子電流に伴なって発生するリラクタンストルクと、永久磁石の磁束および電機子電流に伴なって発生するマグネットトルクとを併用して利用する種類のブラシレスモータとしては、永久磁石をロータ内部に埋め込んだ埋め込み型磁石構造のモータ(以下、IPM(Interior Permanent Magnet)モータと称する)が一般的に用いられている。
【0003】
このIPMモータにおけるトルク発生原理については、例えば、文献「リラクタンストルク応用電動機の現状と動向(電気学会論文誌D,119巻10号,平成11年)」などに詳細に示されている。
【0004】
図15は、IPMモータにおける電機子コイルへ電流を流すタイミング、すなわち通電位相と、発生トルクの関係の一例を示す図である。図15に示すように、マグネットトルクTM は、進み通電位相β が0゜の時に最大となり、その波形は位相0゜の時の値をピークとするcosβ で表される。また、リラクタンストルクTR は、進み通電位相β が45゜の時に最大となり、その波形は位相45゜の時の値をピークとするsin2β で表される。ここで、モータの出力トルクTは、マグネットトルクTM とリラクタンストルクTR の加算値となっており、式(1)のように表される。
【数1】
(1)
【0005】
上式において、np は極対数、Λ0は永久磁石による電機子磁束鎖交数、Iは電機子電流、Ld ,Lq は電機子巻線のd軸およびq軸インダクタンスである。また、式(1)において、第一項はマグネットトルクTM を、第二項はリラクタンストルクTR を表している。
【0006】
ここで、式(1)からも明らかなように、電機子電流の増減に伴なうマグネットトルクTM およびリラクタンストルクTR の変化は同じ割合にはならない。そのため、出力トルクTが最大となる進み通電位相β は、モータの回転速度あるいは負荷トルク等の運転条件によって変化する。すなわち、効率が最大となる通電位相β は、運転条件によって動的に変化する。
【0007】
また、図15におけるマイナストルク領域のように、出力トルクが極端に低くなってしまう通電位相の範囲が存在するため、通電位相によってはモータの脱調や極端な効率の低下が生じてしまう。
【0008】
このようなIPMモータにおいて、その効率を高めるための制御方法として、例えば図16に示す特開2000−209886号公報に記載のモータ制御装置が提案されている。図16において、主回路は交流電源161と、交流電力を直流電力に変換するAC−DCコンバータ162と、スイッチング素子を直列に2個接続したものを3組並列に接続してなり、直流電力を交流電力に変換するインバータ2と、インバータ2により変換された交流電力により駆動するIPMモータ163から構成されている。
【0009】
一方、制御回路では、主回路に取り付けられたCTおよび電源電流検出手段164より検出される電源電流と、電源電流の前歴値およびその時の通電位相設定値と、電源電流の現在値およびその時の通電位相設定値との比較が行なわれ、比較結果に基づいて、所定時間毎に、IPMモータ163における効率が最大となるように新たな通電位相設定値を設定する通電位相設定手段165と、モータの回転子位相を検出する回転子位相検出手段11と、通電位相設定手段165で新たに設定された通電位相設定値と回転子位相検出手段11で検出された回転子位相とに基づいて、インバータ2のスイッチング素子に対するゲート信号を出力する通電分配手段15から構成されている。
【0010】
上記の例では、逐次、電源電流が最小となるような最適通電位相を探索して最高効率運転を実現するものであるが、この他の例として、特開平08−803797号公報に記載のモータ制御装置のように、比較演算を行なわずにテーブル参照方式にて電源電流が最小となるような最適通電位相を設定する方法も提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成では、最高効率運転を達成するためには、電源電流の検出が必要不可欠であり、電源電流検出器および電源電流検出手段といった回路構成要素の部品数が増加することによりコストがアップするだけでなく、電源電流の検出による遅延時間の増加あるいは回路部品公差によるバラツキのによる検出誤差等の悪影響を抑制するための別の手段が必要になり、それに伴なって、さらに構成要素の部品数の増加あるいは演算量の増加が生じてしまうという課題を有していた。
【0012】
また、上記従来の構成では、交流電源を前提としているため、例えば電気自動車等のバッテリ駆動のモータ制御装置では実現不可能であるため汎用性に欠けるという課題を有していた。
【0013】
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、回転速度あるいは負荷トルクといった運転条件によって、最適通電位相が動的に変化するリラクタンストルクを活用したモータに対して、どのような運転状況においてもリアルタイムに最適通電位相を探索して最高効率運転あるいは最大トルク運転を低コストで実現するモータ制御装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様によるモータ制御装置は、少なくとも電機子巻線のインダクタンス変化および電機子電流に伴って発生するリラクタンストルクを利用するモータの制御装置であって、回転子の回転位相を検出する回転子位相検出手段と、前記回転子位相検出手段で検出された回転位相より得られる前記モータの回転速度に関する値と、予め設定された回転速度設定基準値とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果に基づいて、制御モードを切り替え設定する制御モード切替手段と、前記制御モード切替手段により切り替え設定された制御モードに基づいて所定時間毎に通電位相値を設定する通電位相設定手段と、前記回転子位相検出手段で検出された回転位相と前記通電位相設定手段で設定された通電位相値から、前記モータにおける各駆動素子毎に通電信号を分配する通電分配手段とを有する。
【0015】
前記比較手段により、前記モータの回転速度が前記回転速度設定基準値以下であると判定された場合は、前記制御モード切替手段は最大効率制御モードを選択して前記通電位相設定手段は前記モータのモータ効率が最大となる通電位相を設定し、前記比較手段により、前記モータの回転速度が前記回転速度設定基準値よりも大きいと判定された場合は、前記制御モード切替手段は最大トルク制御モードを選択して前記通電位相設定手段は前記モータの出力トルクが最大となる通電位相を設定する。
【0017】
上記の構成によって、低速領域ではモータ効率が最大となり、高速領域では出力トルクがそれぞれ最大となる通電位相設定を行なうことが可能であり、それぞれの制御モードで通電位相の最適化を図ることができ、全速度領域で極めて優れた速度制御が実現できる。
【0018】
本発明の第2の態様によるモータ制御装置は、少なくとも電機子巻線のインダクタンス変化および電機子電流に伴って発生するリラクタンストルクを利用するモータの制御装置であって、回転子の回転位相を検出する回転子位相検出手段と、前記回転子位相検出手段で検出された回転位相より得られる前記モータの回転出力に関する値と、予め設定された回転出力に関する基準値とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果に基づいて、制御モードを切り替え設定する制御モード切替手段と、前記制御モード切替手段により切り替え設定された制御モードに基づいて所定時間毎に通電位相値を設定する通電位相設定手段と、前記回転子位相検出手段で検出された回転位相と前記通電位相設定手段で設定された通電位相値から、前記モータにおける各駆動素子毎に通電信号を分配する通電分配手段とを有し、
前記比較手段により、前記モータの回転出力に関する値が前記設定された基準値以下であると判定された場合は、前記制御モード切替手段は最大効率制御モードを選択して前記通電位相設定手段は前記モータのモータ効率が最大となる通電位相を設定し、前記比較手段により、前記モータの回転出力に関する値が前記設定された基準値よりも大きいと判定された場合は、前記制御モード切替手段は最大トルク制御モードを選択して前記通電位相設定手段は前記モータの出力トルクが最大となる通電位相を設定する構成とし、前記モータの回転出力に関する値は、前記モータに供給する印加電圧の通電率と前記モータに供給する印加電圧の最大値により一義的に導かれる補正通電率であり、前記予め設定された基準値は補正通電率設定基準値であって、前記補正通電率をσ、通電率をδとし、 V dc_now および V dc_last はそれぞれ印加電圧の最大値の現在値と前歴値、 K 1 は比例定数、 P は微分演算子、 K P1 、 K I1 はそれぞれ比例ゲインおよび積分ゲインとすると、前記補正通電率σは下記の式
で決定される。
【0019】
上記の構成によって、軽負荷領域ではモータ効率が最大となり、重負荷領域では出力トルクがそれぞれ最大となる通電位相設定を行なうことが可能であり、それぞれの制御モードで通電位相の最適化を図ることができ、全負荷領域で極めて優れたトルク制御が実現できる。
【0022】
また、前記制御モード切替手段は、前記制御モードの切り替えの前後でヒステリシスを具備することにより、制御モードの切替えを安定して行う手段を有することもできる。
【0023】
上記の構成によって、制御モードの切り替えに伴なう制御安定性の確保および騒音・振動の低減が可能であり、より安定したモータ駆動系を実現できる。
【0024】
また、前記最大効率制御モードでは、前記モータに供給する印加電圧の通電幅を基本通電幅に設定し、前記最大トルク制御モードでは、前記モータの回転速度または前記補正通電率の少なくともいずれかひとつに応じて、前記通電幅を変更する通電幅変更手段を有することもできる。
【0025】
上記の構成によって、高速領域あるいは重負荷領域における矩形波通電時の位置センサレス制御の信頼性の向上を図ることが可能であり、基本通電幅で固定する場合に比べてさらに高速領域あるいは重負荷領域まで位置センサレス制御が実現可能である。
【0026】
また、前記通電幅変更手段は、前記通電幅の変更の前後でヒステリシスを具備することにより、通電幅の変更を安定して行う手段を有することもできる。
【0027】
上記の構成によって、通電幅の変更に伴なう制御安定性の確保および騒音・振動の低減が可能であり、より安定したモータ駆動系を実現できる。
【0028】
また、前記通電幅変更手段は、前記モータの回転速度または前記補正通電率の少なくともいずれかひとつに応じて設定される前記通電幅の下限値の範囲内において前記通電幅を変更することもできる。
【0029】
上記の構成によって、通電幅の設定値はモータの回転速度または補正通電率の少なくともいずれかひとつに応じて設定される下限値の範囲内に常時設定されるため、例えば回転速度が大幅に変更した場合でも、モータの脱調や大幅な効率低下を防止することが可能であり、さらに安定したモータ駆動系を実現できる。
【0030】
また、前記通電幅変更手段は、前記モータの回転速度または前記補正通電率の少なくともいずれかひとつに対して、前記モータの通電幅設定値を出力する通電幅保持手段をさらに有し、前記モータの回転速度または前記補正通電率の少なくともいずれかひとつに応じて前記通電幅保持手段から該当する通電幅を読み出すこともできる。
【0031】
上記の構成によって、モータの回転速度または補正通電率の少なくともいずれかひとつに応じて通電幅設定値を出力するデータテーブルを有することにより、通電幅変更に伴なう演算時間を大幅に短縮することが可能であり、通電幅変更に伴なう演算が不必要であるため、演算誤差を減少させることが可能である。
【0032】
さらに、前記通電幅変更手段は、前記モータの回転速度または前記補正通電率の少なくともいずれかひとつに対して、前記モータの通電幅の変化特性を規定する値を保持した通電幅設定値保持手段と、前記通電幅設定値保持手段に保持した値に基づいて通電幅を線形補間する通電幅線形補間手段とをさらに有し、前記モータの回転速度または前記補正通電率の少なくともいずれかひとつに応じて前記通電幅設定値保持手段から該当する値を読み出し、前記通電幅線形補間手段により線形補間することもできる。
【0033】
上記の構成によって、データテーブル上に通電幅設定値が無い場合においても、データテーブル上の値から線形補間をすることにより、より高精度に通電幅の設定を行なうことができ、しかも大幅な演算を伴なわないため、演算装置の負荷増大によるコストアップを防止することが可能である。
【0034】
また、前記通電位相設定手段は、前記最大効率制御モードでは前記補正通電率が最小となるように前記補正通電率の前歴値およびその時の通電位相設定値と、前記補正通電率の現在値およびその時の通電位相設定値とをそれぞれ比較し、比較結果に基づいて、通電位相設定値を所定の通電位相変化量だけ増減させて新たな通電位相設定値を設定し、前記最大トルク制御モードでは前記補正通電率の現在値と前記補正通電率の基準値とを比較し、前記補正通電率の現在値が前記補正通電率の基準値以上ならば前記通電位相設定値を所定の通電位相変化量だけ増加させることもできる。
【0035】
上記の構成によって、最大効率制御モードでは補正通電率が最小となるように補正通電率の前歴値およびその時の通電位相設定値と、補正通電率の現在値およびその時の通電位相設定値とをそれぞれ比較し、比較結果に基づいて、通電位相設定値を所定の通電位相変化量だけ増減させて新たな通電位相設定値を設定しているため、モータの回転速度あるいは負荷トルク等の運転条件が変動する場合にも、逐次、最適な通電位相を探索して設定し、常時モータ効率を最大とすることが可能である。また、最大トルク制御モードでは補正通電率の現在値と補正通電率の基準値とを比較し、補正通電率の現在値が補正通電率の基準値以上ならば通電位相設定値を所定の通電位相変化量だけ増加させるため、常時出力トルクを最大とすることが可能である。よって、どのような運転状況においても常に最適な通電位相設定を行なうことができ、モータ効率または出力トルクが極めて優れたモータ駆動系を実現できる。
【0036】
また、前記通電位相設定手段は、前記補正通電率の前歴値と現在値との差分により、前記通電位相変化量を補償することもできる。
【0037】
上記の構成によって、通電位相設定値を増減させる単位量となる通電位相変化量が、補正通電率の前歴値と現在値の変化の割合に基づいて線形補償されるので、通電位相設定値を、モータの回転速度あるいは負荷トルク等の運転条件によって変動する最適通電位相に高速に設定することが可能であるとともに、通電位相設定値が最適通電位相に収束した後の位相変動も抑制することが可能である。
【0038】
また、前記通電位相設定手段は、前記モータの回転速度の前歴値と現在値との差分がある所定値以下の場合においてのみ前記通電位相を変更し、前記モータの回転速度の前歴値と現在値との差分がある所定値より大きい場合においては、あらかじめ前記モータの回転速度に応じて設定された通電位相を出力することもできる。
【0039】
上記の構成によって、モータの回転速度の前歴値と現在値との差分がある所定値以下の場合においてのみ通電位相を変更し、それ以外の場合においては、あらかじめモータの回転速度に応じて設定された通電位相を出力するため、モータの回転速度が大幅に変更した場合においても、通電位相設定値が、その回転速度においてある程度適した通電位相に設定することが可能であり、モータの脱調や極端な効率の低下を防止することができる。
【0040】
また、前記通電位相設定手段は、前記通電位相の変更の前後でヒステリシスを具備した通電位相変更手段を有することもできる。
【0041】
上記の構成によって、通電位相の変更に伴なう制御安定性の確保および騒音・振動の低減が可能であり、より安定したモータ駆動系を実現できる。
【0042】
また、前記通電位相設定手段は、前記モータの回転速度または前記補正通電率の少なくともいずれかひとつに応じて設定される前記通電位相の上限値と下限値の範囲内において前記通電位相設定値を所定の通電位変化量だけ増減させることもできる。
【0043】
上記の構成によって、通電位相設定値はモータの回転速度または補正通電率の少なくともいずれかひとつに応じて設定される上限値と下限値の範囲内において通電位相設定値を所定の通電位相変化量だけ増減させるため、モータの回転速度が大幅に変更した場合においても、最適通電位相の探索処理において、モータの脱調や極端な効率の低下を防止することが可能であり、位置センサレス制御における信頼性の向上を図ることが可能である。
【0044】
また、前記通電位相設定手段は、前記モータに供給する印加電圧の通電幅もしくは前記補正通電率あるいは前記モータの回転速度の少なくともいずれかひとつに対して、モータ効率の最大値あるいはモータトルクの最大値を具現できる位相を保持した通電位相保持手段をさらに有し、前記モータに供給する印加電圧の通電幅もしくは前記補正通電率あるいは前記モータの回転速度の少なくともいずれかひとつに応じて、前記通電位相保持手段から該当する通電位相設定値を前記モータ効率あるいは前記モータトルクをほぼ最大にする位相として読み出すこともできる。
【0045】
上記の構成によって、モータに供給する印加電圧の通電幅もしくは補正通電率あるいはモータの回転速度の少なくともいずれかひとつに応じて通電位相設定値を出力するデータテーブルを有することにより、通電位相の設定に伴なう演算時間を大幅に短縮することが可能であり、通電位相の設定に伴なう演算が不必要であるため、演算誤差を減少させることが可能である。
【0046】
また、前記通電位相設定手段は、前記モータに供給する印加電圧の通電幅もしくは前記補正通電率あるいは前記モータの回転速度の少なくともいずれかひとつに対して、モータ効率の最大値あるいはモータトルクの最大値を得ることができる位相の変化特性を規定する値を保持した通電位相設定値保持手段と、前記通電位相設定値保持手段に保持した値に基づいて通電位相を線形補間する通電位相線形補間手段とをさらに有し、前記モータに供給する印加電圧の通電幅もしくは前記補正通電率あるいは前記モータの回転速度の少なくともいずれかひとつに応じて、前記通電位相設定値保持手段から該当する値を読み出し、前記通電位相線形補間手段により線形補間し、前記モータ効率あるいは前記モータトルクを最大にする位相として設定することもできる。
【0047】
上記の構成によって、データテーブル上に通電位相設定値が無い場合においても、データテーブル上の値から線形補間をすることにより、より高精度に通電位相の設定を行なうことができ、しかも大幅な演算を伴なわないため、演算装置の負荷増大によるコストアップを防止することが可能である。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
本発明に係るモータ制御装置の一実施例のシステム構成を図1に示す。図1において、主回路は直流電源1と、スイッチング素子を直列に2個接続したものを3組並列に接続してなり、直流電力を交流電力に変換するインバータ2と、インバータ2により変換された交流電力により駆動するモータ3から構成されている。
【0049】
一方、制御回路では、回転子位相検出手段11より検出される回転子位相により導出されるモータの回転速度ωと予め設定された回転速度設定値ωRとの速度誤差を演算する速度誤差演算器12と、速度誤差の正負判別に基づいて、最大効率制御モードおよび最大トルク制御モードの二つの制御モードを切り替える制御モード切替手段13と、制御モード切替手段13の出力信号に応じて所定時間毎にモータ効率あるいは出力トルクが最大となるように通電位相設定値を設定する通電位相設定手段14と、通電位相設定手段14により設定される通電位相設定値と回転子位相検出手段11より検出される回転子位相θとに基づいて、インバータ2のスイッチング素子に対するゲート信号を出力する通電分配手段15から構成されている。
【0050】
具体的には、速度誤差Δωは、モータの回転速度ωと回転速度設定値ωRより式(2)のように表される。
【数2】
(2)
【0051】
また、制御モード切替手段13の出力信号ε は、速度誤差Δωより式(3)のように表される。
【数3】
(3)
【0052】
ここで、速度誤差Δωが正のとき、すなわち、モータの回転速度ωが回転速度設定値ωRよりも小さくなる低速領域では、制御モード切替レベルがLowとなり最大効率制御モードに切替わり、逆に速度誤差Δωが負のとき、すなわち、モータの回転速度ω が回転速度設定値ωRよりも大きくなる高速領域では、制御モード切替レベルがHighとなり最大トルク制御モードに切替わる。
【0053】
また、通電位相設定手段14では、制御モード切替手段13の出力信号ε に基づき、モータに供給する印加電圧の通電率によって、次のように通電位相設定値の最適化を図る。
【0054】
まず、制御モード切替レベルがLowの場合(Δωが正)について説明する。この場合、最大効率制御モードに切替わるため、モータ効率が最大となる通電位相の設定を行なう。そこで、通電率の前歴値およびその時の通電位相設定値をそれぞれδlast,βlastとし、通電率の現在値およびその時の通電位相設定値をそれぞれδnow,βnowとすると、通電率誤差Δδと通電位相設定値誤差Δβはそれぞれ式(4)のように表される。
【数4】
(4)
【0055】
また、通電率誤差Δδと通電位相設定値誤差Δβを用いると、通電位相設定値βは式(5)のように設定される。
【数5】
(5)
【0056】
ここで、βδは通電位相変動量である。例えば、通電位相設定値β を通電位相変動量βδだけ増加させた場合について考えると、通電率δ が増加したときは通電位相設定値β が最適な通電位相からはずれてしまうため、次回の通電位相設定値β を減少させるように動作させ、逆に通電率δ が減少したときは通電位相設定値β が最適な通電位相に近づいているため、次回の通電位相設定値β をさらに増加させるように動作させることで、通電位相設定値の最適化を図ることが可能である。
【0057】
次に、制御モード切替レベルがHighの場合(Δω が負)について説明する。この場合、最大トルク制御モードに切替わるため、出力トルクが最大となる通電位相の設定を行なう。そこで、通電率の現在値およびその時の通電位相設定値をそれぞれδnow,βnowとし、通電率設定値をδsとすると、通電率誤差Δδsは 式(6)のように表される。
【数6】
(6)
【0058】
また、通電位相設定値β は式(7)のように表される。
【数7】
(7)
【0059】
ここで、先程と同様にβδは通電位相変動量である。例えば、通電率δ が通電率設定値δsよりも大きくなった場合は、電圧飽和によって出力トルクが限界点に達するのを避けるため、次回の通電位相設定値βδ をさらに増加させるように弱め界磁制御として動作させることで、出力トルクの限界点をより大きくすることが可能である。逆に、通電率δ が通電率設定値δsよりも小さくなった場合は、前回の通電位相の設定を継続すれば良い。
【0060】
以上により、低速領域ではモータ効率が最大となり、高速領域では出力トルクがそれぞれ最大となる通電位相設定をリアルタイムで行なうことが可能であり、それぞれの制御モードで通電位相の最適化を図ることができ、全速度領域で極めて優れた速度制御が実現できる。
【0061】
なお、上記の説明では、回転速度設定値ωRを一つに設定しているが、必ずしも一つである必要はなく、いくつかの回転数設定値を設定し、各領域において最大効率制御モードあるいは最大トルク制御モードを切り替えるようにしても良い。
【0062】
(実施の形態2)
本発明に係るモータ制御装置の第二の実施例のシステム構成を図2に示す。図1に示すモータ制御装置と同じ構成要素は同一符号で示してあり、その説明は重複するので省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0063】
図2において、制御モード切替手段13は、モータに供給する印加電圧の通電率を印加電圧の最大値により補正演算を行なう通電率補正演算部21の出力信号である補正通電率σと予め設定された補正通電率設定値σRとの補正通電率誤差Dsを補正通電率誤差演算器22により演算し、補正通電率誤差の正負判別に基づいて、最大効率制御モードおよび最大トルク制御モードの二つの制御モードを切り替えるものである。
【0064】
具体的には、補正通電率σ は、通電率δ と印加電圧の最大値Vdcより式(8)のように表される。
【数8】
(8)
【0065】
ここで、Vdc_nowおよびVdc_lastはそれぞれ印加電圧の最大値の現在値と前歴値であり、K1は比例定数、Pは微分演算子、KP1、KI1はそれぞれ比例ゲインおよび積分ゲインである。電源電圧が急激に変動する場合に対応するため、式(8)のように、 印加電圧の最大値の現在値と前歴値との差をPI補償している。
【0066】
また、補正通電率誤差Δσは、補正通電率σ と補正通電率設定値σRより式(9)のように表される。
【数9】
(9)
【0067】
また、制御モード切替手段13の出力信号ε は、補正通電率誤差Δσ より式(10)のように表される。
【数10】
(10)
【0068】
ここで、補正通電率誤差Δσ が正のとき、すなわち、補正通電率σ が補正通電率設定値σRよりも小さくなる軽負荷領域では、制御モード切替レベルがLowとなり最大効率制御モードに切替わり、逆に補正通電率誤差Δσ が負のとき、すなわち、補正通電率σ が補正通電率設定値σRよりも大きくなる重負荷領域では、制御モード切替レベルがHighとなり最大トルク制御モードに切替わる。また、通電位相設定手段14の具体的方法については、実施の形態1の方法を用いれば良い。
【0069】
以上により、軽負荷領域ではモータ効率が最大となり、重負荷領域では出力トルクがそれぞれ最大となる通電位相設定をリアルタイムで行なうことが可能であり、それぞれの制御モードで通電位相の最適化を図ることができ、全負荷領域で極めて優れたトルク制御が実現できる。
【0070】
なお、上記の説明では、補正通電率設定値σRを一つに設定しているが、必ずしも一つである必要はなく、いくつかの補正通電率設定値を設定し、各領域において最大効率制御モードあるいは最大トルク制御モードを切り替えるようにしても良い。
【0071】
なお、式(8)の補正通電率の補正演算ではPI補償を行なっているが、電源電圧が急激に変動しない場合には必ずしもPI補償を行なう必要はない。
【0072】
(実施の形態3)
本発明に係るモータ制御装置の第三の実施例のシステム構成を図3に示す。図1に示すモータ制御装置と同じ構成要素は同一符号で示してあり、その説明は重複するので省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0073】
図3において、モータに供給する印加電圧の通電率を印加電圧の最大値により補正演算を通電率補正演算部21で行ない、補正通電率σとモータの回転速度ωとの積和演算を行なう等価モータ出力演算器31の出力信号である等価モータ出力Poと予め設定された等価モータ出力設定値PoRとの等価モータ出力誤差ΔPoを等価モータ出力誤差演算器32で演算し、制御モード切替手段13は、等価モータ出力誤差ΔPoの正負判別に基づいて、最大効率制御モードおよび最大トルク制御モードの二つの制御モードを切り替えるものである。具体的な方法は以下の通りである。
【0074】
まず、通電率補正演算部21の具体的方法は、実施の形態2の方法を用いれば良い。
【0075】
次に、等価モータ出力Poは、補正通電率σ とモータの回転速度ω より式(11)のように表される。
【数11】
(11)
【0076】
ここで、ωnowおよびωlastはそれぞれモータの回転速度の現在値と前歴値であり、K2は比例定数、Pは微分演算子、KP2、KI2はそれぞれ比例ゲインおよび積分ゲインである。モータの回転速度が急激に変動する場合に対応するため、式(11)のように、 モータの回転速度の現在値と前歴値との差をPI補償している。
また、等価モータ出力誤差ΔPoは、等価モータ出力Po と等価モータ出力設定値PoRより式(12)のように表される。
【数12】
(12)
【0077】
また、制御モード切替手段13の出力信号e は、等価モータ出力誤差ΔPoより式(13)のように表される。
【数13】
(13)
【0078】
ここで、等価モータ出力誤差ΔPo が正のとき、すなわち、等価モータ出力Poが等価モータ出力設定値PoRよりも小さくなる低出力領域では、制御モード切替レベルがLowとなり最大効率制御モードに切替わり、逆に等価モータ出力設定値ΔPo が負のとき、すなわち、等価モータ出力Poが等価モータ出力設定値PoRよりも大きくなる高出力領域では、制御モード切替レベルがHighとなり最大トルク制御モードに切替わる。
【0079】
また、通電位相設定手段14の具体的方法については、実施の形態1の方法を用いれば良い。
【0080】
以上により、低出力領域ではモータ効率が最大となり、高出力領域では出力トルクがそれぞれ最大となる通電位相設定をリアルタイムで行なうことが可能であり、それぞれの制御モードで通電位相の最適化を図ることができ、全負荷領域で極めて優れた速度・トルク制御が実現できるだけでなく、等価モータ出力を演算により導出しているため、電気自動車等で必要とされる高精度な定出力制御が実現可能である。
【0081】
なお、上記の説明では、等価モータ出力設定値PoR を一つに設定しているが、必ずしも一つである必要はなく、いくつかの等価モータ出力設定値を設定し、各領域において最大効率制御モードあるいは最大トルク制御モードを切り替えるようにしても良い。
【0082】
なお、式(11)の等価モータ出力の積和演算ではPI補償を行なっているが、モータの回転速度が急激に変動しない場合には必ずしもPI補償を行なう必要はない。
【0083】
(実施の形態4)
図4は本発明に係る制御モード安定切替手段の一実施例であり、実施の形態1のモータ制御装置において回転速度設定値が一つだけ設定された場合の制御モード安定切替手段である。
【0084】
回転速度設定値ωRを境界にωsの変動幅を持つヒステリシス特性を付与したものであり、回転速度設定値ωR付近の速度変動に対して安定に制御モードの切り替えを行なうことが可能である。
【0085】
ここで、変動幅ωsを適切に選んでやれば、制御モードの切り替えに伴なうモータ効率の低下あるいは出力トルクの低下を最小減に抑えることが可能である。なお、図4のヒステリシス特性において、制御モードの切り替わりが急であるが、これに傾きを付与して制御モードの切り替わりを緩やかにすることで、さらに制御安定性の向上を図ることが可能である。
【0086】
なお、上記の説明では、回転速度設定値ωRを一つに設定しているが、必ずしも一つである必要はなく、いくつかの回転数設定値を設定し、それぞれにヒステリシス特性を付与しても良い。なお、上記の説明では、回転速度設定値に対してヒステリシス特性を付与しているが、前述の補正通電率設定値σRまたは等価モータ出力設定値PoRに対してもそれぞれ変動幅を持たせてヒステリシス特性を付与しても良い。
【0087】
(実施の形態5)
図5は、本発明に係る通電分配手段15の通電幅において、補正通電率設定値σRに対して変動幅を付与して通電幅を変更する方法を示す一実施例であり、実施の形態1のモータ制御装置において、回転速度設定値ωRが一つだけ設定された場合の、制御モードを安定して切替える制御モード切替方法を示す。
【0088】
モータ回転速度が回転速度設定値ωR以下では、通電幅を基本値に設定し、回転速度設定値ωR以上ではモータ速度に反比例するように通電幅の設定を行なうことで、例えば、非通電区間を有する矩形波通電時の位置センサレス運転を行なう際に、高速領域あるいは重負荷領域においてインバータ2における還流ダイオードを流れる電流の還流期間が増加しても、信頼性を損なうことなく位置センサレス運転が可能である。
【0089】
特に、インダクタンス値の大きなモータに対しては、さらに還流期間が増加してしまうため、非常に有効な手段となり得る。また、この際通電幅の下限値に達した場合は、通電幅を固定させ、通電幅が狭くなり過ぎるのを防止することで、モータがトルク不足となって脱調することを防止することが可能である。
【0090】
以上により、高速領域あるいは重負荷領域における矩形波通電時の位置センサレス制御の信頼性の向上を図ることが可能であり、基本通電幅で固定する場合に比べてさらに高速領域あるいは重負荷領域まで位置センサレス制御が実現可能である。
【0091】
なお、上記の説明では、モータ速度に対して反比例するように通電幅の設定を行なっているが、前述の補正通電率に対して反比例するように通電幅の設定を行なっても良い。
【0092】
また、図6は本発明に係る上記通電幅を安定に変更する方法の一実施例を示す図であり、図5に示す通電幅変更方法において、階段状に通電幅の設定を行なうものであり、モータ速度が急変した場合に通電幅が急変するのを防止することで、モータの速度変動あるいは脱調等の不安定要素を取り除くことができ、これにより制御安定性の向上を図ることが可能である。
【0093】
なお、ヒステリシス特性を付与することでも同等の効果を得ることができる。また、図7は本発明に係る通電幅変更方法の他の実施例を示し、図5のモータ速度ωに反比例するように通電幅の設定を行なう通電幅変更方法に対して、さらに補正通電率σ に対して反比例するような通電幅の設定も併せて行なうものである。
【0094】
モータ速度の現在値ωnow および補正通電率の現在値σnowを読み込み、それぞれモータ速度−通電幅特性および補正通電率−通電幅特性から該当する通電幅の設定値WωおよびWσを読み出す。そこで、新たな通電幅の設定値Wn owはWωおよびWσにより式(14)のように表される。
【数14】
(14)
【0095】
すなわち、モータ速度−通電幅特性から得られたWωと補正通電率−通電幅特性から得られたWσとの平均値を新たな通電幅の設定値とするものである。
【0096】
以上により、モータ速度および負荷トルクに応じて最適な通電幅の設定を行なうことが可能である。なお、上記の説明では、WωおよびWσの重みを1対1として平均値を求めているが、必ずしも1対1で平均値を求める必要はなく、運転状況に応じて片方の設定を優先させるため、どちらかに重みをつけて平均値を求めても良い。
【0097】
(実施の形態6)
図8は本発明に係る通電幅を保持する方法の一実施例を示すものであり、あらかじめ実験等によりモータ速度ωおよび補正通電率σに対して、最適な通電幅を測定しておき、この測定結果をテーブルとしてモータ制御装置の記憶部(不図示)に保持するものである。ただし、この場合にはモータ速度および補正通電率に応じて該当する最適な通電幅設定値をテーブルから読み出すことになる。
【0098】
ここで、運転条件によりテーブル上に通電幅設定値が無いような場合、例えば、図8においてモータ速度が600rpmで補正通電率が13%のときには、W11のように最も運転条件が近いときの通電幅設定値を用いる。なお、データテーブルを詳細に保持すれば、モータ効率および出力トルクの低下を防止するが可能となることは言うまでも無い。
【0099】
また、図9は本発明に係る通電幅線形補間手段の一実施例であり、それぞれの点は、図8の通電幅保持手段におけるテーブル上の値をプロットしたものである。ここで、図9のようにモータ速度毎に各点を結ぶことで、テーブル上にモータ速度のデータが存在すれば全ての補正通電率に対して、線形補償を行なうことで通電幅の設定を行なうことが可能である。
【0100】
しかし、図9において(ωnow ,σnow)の点Wnowのようにテーブル上にモータ速度のデータが存在しない場合は、前述の線形補間が不可能となり別の方法が必要である。そこで、前述の(ωnow ,σnow)の点を囲む四つの点から線形補間を行なう方法について図10を用いて説明する。図9の通電幅線形補間方法を示す拡大図を図10に示す。図10において▲1▼〜▲4▼の各点が(ωnow ,σnow)の点を取り囲んでいる。
【0101】
まず、▲1▼−▲2▼を結ぶ直線上でσnowの点(3000rpm, σnow)と、▲3▼−▲4▼を結ぶ直線上でσnowの点(4000rpm, σnow)を線形補間により求める。次に、(3000rpm, σnow)の点の通電幅設定値W1−2と(4000rpm, σnow)の点の通電幅設定値W3−4から(ωnow ,σnow)の点の通電幅設定値Wnowを線形補間により求めるものである。
【0102】
ここで、上述のW1−2,W3−4およびWnowは▲1▼〜▲4▼の各点を用いると以下のように表される。
▲1▼:W3000rpm,40%(ω3000rpm ,σ40%),▲2▼:W3000rpm,50%(ω3000rpm ,σ50%)
▲3▼:W4000rpm,40%(ω3000rpm ,σ40%),▲4▼:W4000rpm,50%(ω4000rpm ,σ50%)
【数15】
(15)
【数16】
(16)
【数17】
(17)
【0103】
一般的には、式(15)〜式(17)において、上述の▲1▼〜▲4▼の各点を次にように置き換えて線形補間を行なえば良い。
▲1▼:Wm,n(ωm ,σn),▲2▼:Wm,n+1(ωm ,σn+1)
▲3▼:Wm+1,n(ωm+1 ,σn),▲4▼:Wm+1,n+1(ωm+1 ,σn+1)
【0104】
また、上述の通電幅線形補間動作において一連の処理の流れを図11のフローチャートを参照して、以下に説明を行なう。
【0105】
まず、ステップS1では、モータ速度および補正通電率の現在値ωnow ,σnowをそれぞれ読み込み、ステップS2においてモータ回転速度の現在値と前歴値との差分演算Δωn=ωnow−ωlastを行なう。ステップS3において速度変動の大きさを判断、即ち、|Δωn|の値が所定値α以内であるか(|Δωn|≦αを満たすか)否かの判断が行なわれる。速度変動が所定値αより大きければ(S3においてNO)、後述するステップS10以降の処理を行なう。速度変動が所定値α以内であれば(S3においてYES)、ステップS4およびS5において前述の(ωnow ,σnow)の点を取り囲む四点▲1▼〜▲4▼が存在するかどうかの判断を行なう。
【0106】
(ωnow ,σnow)の点を取り囲む四点が存在しない場合(S4またはS5においてNO)、後述するステップS9以降の処理を行なう。(ωnow ,σnow)の点を取り囲む四点が存在する場合(S4においてYES、かつS5においてYES)、ステップS6において(ωnow ,σnow)の点を取り囲む四点をテーブルから読み出し、ステップS7において式(15)、(16)に示すW1−2とW3−4を求める演算を行ない、ステップS8においてW1−2とW3−4の値を用いて式(17)に示すように、(ωnow ,σnow)の点の通電幅を線形補間する。
【0107】
ステップS9では、ステップS4またはS5でNO、すなわち(ωnow ,σnow)の点を取り囲む四点が存在しない場合のみ通電幅Wを下限値Wlowerに設定する。また、ステップS10は、ステップS3においてNO、すなわち速度変動が所定値αより大きい場合のみ通電幅を初期値Winiに設定にする。ステップS11では、ωlastにはωnowの値を、WnowにはWの値をそれぞれ記憶させて一回目の処理を終了する。そして、以上のような処理が繰り返される。
【0108】
以上により、テーブル上にデータを保持しない場合においても、全ての運転条件に対して最適な通電幅設定を行なうことが可能である。
【0109】
(実施の形態7)
本発明に係る通電位相設定手段14の実施例を挙げて、具体的な通電位相の設定方法について説明する。
【0110】
図12は、ある運転条件における通電位相設定値β に対する補正通電率σ の特性を示すグラフである。図12の特性1のグラフにおいて、最小の補正通電率σminとなる通電位相βs1が最適通電位相であり、通電位相をβs1に設定することでモータ入力が最小、つまりモータ効率が最大となる。
【0111】
なお、図12において横軸の通電位相設定値は右に行くほど進み位相となっている。本実施形態における通電位相設定手段は、最大効率制御モードにおいては、この補正通電率が最小となる通電位相βs1に自動的に制御するものである。また、最大トルク制御モードにおいては、補正通電率の現在値と予め設定された補正通電率の基準値とを比較し、補正通電率の現在値が補正通電率の基準値以上ならば通電位相設定値を所定の通電位相変化量だけ自動的に増加させるものである。
【0112】
以下、図13を参照して、通電位相設定手段14における通電位相の設定方法について説明する。
【0113】
図13は、本発明に係る通電位相設定手段における一連の処理の流れを示したフローチャートである。まず、ステップS21において所定時間が経過しているかが判断される。所定時間が経過していなければ(S21において、NO)、所定時間が経過するまで後述の処理が停止される。ステップS22においてモータ回転速度の現在値と前歴値との差分演算Δωn=ωnow−ωlastを行なう。ステップS23において速度変動の大きさを判断、即ち、|Δωn|の値が所定値α以内であるか(|Δωn|≦αを満たすか)否かの判断が行なわれる。
【0114】
速度変動が所定値αより大きければ(S23においてNO)、後述するステップS32以降の処理を行なう。速度変動が所定値α以内であれば(S23においてYES)、ステップS24において補正通電率の現在値σnowを読み込み、ステップS25において制御モードの切り替えが行なわれる。制御モード切替レベルがHighならば(S25において、NO)、最大トルク制御モードに切り替わり、ステップS27において式(18)で表される補正通電率の現在値と予め設定された補正通電率の基準値との差分演算が行なわれ、ステップS28において上記補正通電率の差分Δσsの正負判別が行なわれる。
【数18】
(18)
【0115】
ここで、σnowは補正通電率の現在値、σsは予め設定された補正通電率の基準値である。Δσsが負ならば(S28において、NO)、後述するステップS32以降の処理を行ない、Δσsが正ならば(S28において、YES)、後述するステップS31以降の処理を行なう。
【0116】
また、ステップS25において制御モード切替レベルがLowならば(S25において、YES)、最大効率制御モードに切り替わり、ステップS26において式(19)で表される補正通電率の現在値と前歴値との差分演算および通電位相設定値の現在値と前歴値との差分演算が行なわれ、ステップS29においてΔσ およびΔβ の正負判別が行なわれる。
【数19】
(19)
【0117】
ここで、σnowおよびσlastはそれぞれ補正通電率の現在値および前歴値であり、βnowおよびβlastはそれぞれ通電位相設定値の現在値および前歴値である。Δσn×Δβnが負ならば(S29において、NO)、後述するステップS31以降の処理を行ない、Δσn×Δβnが正ならば(S29において、YES)、ステップS30において通電位相設定値の現在値から通電位相変化量βδだけ減少させる。
【0118】
一方、ステップS29でNO、即ち最大効率制御モードにおいてΔσn×Δβnが負、またはステップS28でYES、即ち最大トルク制御モードにおいてΔσsが正の場合にのみ、ステップS31では、通電位相設定値の現在値から通電位相変化量βδだけ増加させる。また、ステップS32では、ステップS23またはS28においてNO、即ち速度変動が所定値αより大きい場合または最大トルク制御モードにおいてΔσsが負の場合のみ、通電位相設定値を初期値βiniに設定する。ステップS33では、ωlastにはωnowの値を、σlastにはσnowの値を、βlastにはβnowの値を、βnowにはβの値をそれぞれ記憶させて一回目の処理を終了する。そして、以上のような処理が所定時間毎に繰り返される。
【0119】
次に、以上のような最大効率制御モードにおける処理を、図12における特性1のグラフに基づいて具体的に説明する。
【0120】
まず、初期位相がβ1であった場合、あるいは速度変動が所定値αより大きい場合にβiniになった場合について考える。そして、この初期位相から通電位相変化量βδだけ通電位相を進めてβ2にしたとする。また、通電位相設定値の大小関係は、β1<β2であり、補正通電率の大小関係はσ2<σ1である。このとき、Δσn×Δβnは負であるため、ステップS29およびS31の処理により、通電位相をさらにβδだけ進めてβ3とする。その後、図13で説明したように、上記と同様の処理を繰り返すことにより、通電位相はβs1に収束する。
【0121】
なお、図13で説明した処理を繰り返すと、通電位相はβs1が収束した後、図12の特性1のグラフにおいて、通電位相はβs1を中心としたβ3〜β4の間で変動することになるが、βδを適切な値に選ぶことで変動に伴なうモータ効率および出力トルクの低下を最小限にすることが可能である。
【0122】
また、図12において、モータの回転速度あるいは出力トルクの運転条件が変更し、モータの動作特性が特性1のグラフから特性2のグラフに変更された場合には、まず通電位相設定値を初期値βini2に設定し、上述の処理を繰り返すことにより最適位相βs2へと自動的に制御することが可能である。
【0123】
以上により、どのような運転状況においても常に最適な通電位相設定を行なうことができ、モータ効率または出力トルクが極めて優れたモータ駆動系を実現できる。
【0124】
また、図14は本発明に係る通電位相設定手段14における一連の処理の流れを示す第2のフローチャートである。まず、ステップS41において所定時間が経過しているかが判断される。所定時間が経過していなければ(S41において、NO)、所定時間が経過するまで後述の処理が停止される。ステップS42においてモータ速度の現在値と前歴値との差分演算を行なう。
【0125】
ステップS43において速度変動の大きさの判断、即ち、|Δωn|の値が所定値α以内であるか(|Δωn|≦αを満たすか)否かの判断が行なわれる。速度変動が所定値αより大きければ(S43においてNO)、後述するステップS53以降の処理を行なう。速度変動が所定値α以内であれば(S43においてYES)、ステップS44において補正通電率の現在値を読み込み、ステップS45において式(20)で表される通電位相変化量の補正演算を行なう。
【数20】
(20)
【0126】
ここで、βδおよびβδ0は通電位相変化量の現在値および前歴値であり、σnowおよびβlastは補正通電率の現在値および前歴値である。また、δ はゼロ割を防止するための微小量である。次に、ステップS46において制御モードの切り替えが行なわれる。
【0127】
制御モード切替レベルがHighならば(S46において、NO)、最大トルク制御モードに切り替わり、ステップS47において補正通電率の現在値と予め設定された補正通電率の基準値との差分演算が行なわれ、ステップS49において補正通電率の差分Δσsの正負判別が行なわれる。Δσsが負ならば(S49において、NO)、後述するステップS53以降の処理を行ない、Δσsが正ならば(S49において、YES)、後述するステップS52以降の処理を行なう。
【0128】
また、ステップS46において制御モード切替レベルがLowならば(S46において、YES)、最大効率制御モードに切り替わり、ステップS48において補正通電率の現在値と前歴値との差分演算および通電位相設定値の現在値と前歴値との差分演算が行なわれ、ステップS50においてΔσn×Δβnの正負判別が行なわれる。Δσn×Δβnが負ならば(S50において、NO)、後述するステップS52以降の処理を行ない、Δσn×Δβnが正ならば(S50において、YES)、ステップS51において通電位相設定値の現在値から通電位相変動量βδだけ減少させ、後述するS55の処理を行なう。
【0129】
ステップS52では、ステップS50でNOまたはステップS49でYES、即ち、最大効率制御モードにおいてΔσn×Δβnが負または最大トルク制御モードにおいてΔσsが正の場合にのみ、通電位相設定値の現在値から通電位相変動量βδだけ増加させ、後述するステップS55の処理を行なう。また、ステップS53は、ステップS43またはS49においてNO、即ち、速度変動が所定値αより大きい場合または最大トルク制御モードにおいてΔσsが負の場合のみ、通電位相設定値を初期値βiniに設定し、ステップS54において新たに通電位相設定値の上限値βupperおよび下限値βlowerを読み込んだ後、後述するステップS57の処理を行なう。
【0130】
次に、ステップS55では通電位相設定値が上限値βupperおよび下限値βlowerの範囲内にあるかが判断される。ステップS55において通電位相設定値が上限値βupperおよび下限値βlowerの範囲内にあるならば(S55において、YES)、後述するステップS57以降の処理を行ない、通電位相設定値が上限値βupperおよび下限値βlowerの範囲内にないならば(S55において、NO)、ステップS56において通電位相設定値を上限値βupperまたは下限値βlowerに設定する。ステップS57では、ωlastにはωnowの値を、σlastにはσnowの値を、βlastにはβnowの値を、βnowにはβの値を、βδ0にはβδの値をそれぞれ記憶させて一回目の処理を終了する。そして、以上のような処理が所定時間毎に繰り返される。
【0131】
以上により、通電位相設定値を増減させる単位量となる通電位相変化量が、補正通電率の前歴値と現在値の変化の割合に基づいて線形補償されるので、図13の通電位相設定手段に比べて、通電位相設定値を、モータの回転速度あるいは負荷トルク等の運転条件によって変動する最適通電位相に高速に設定することが可能である。
【0132】
【発明の効果】
上記から明らかなように、請求項1及び2に記載の発明によれば、低速領域ではモータ効率が最大となり、高速領域では出力トルクがそれぞれ最大となる通電位相設定を行なうことが可能であり、それぞれの制御モードで通電位相の最適化を図ることができ、全速度領域で極めて優れた速度制御が実現可能であり、さらに、低速領域では常時モータ効率が最大となるため、消費電力量の削減が図れることができ、省エネ化が実現可能であるという効果を奏する。
【0133】
請求項3に記載の発明によれば、軽負荷領域ではモータ効率が最大となり、重負荷領域では出力トルクがそれぞれ最大となる通電位相設定を行なうことが可能であり、それぞれの制御モードで通電位相の最適化を図ることができ、全負荷領域で極めて優れたトルク制御が実現可能であり、さらに、軽負荷領域では常時モータ効率が最大となるため、消費電力量の削減が図れることができ、省エネ化が実現可能であるという効果を奏する。
【0134】
請求項4に記載の発明によれば、低出力領域ではモータ効率が最大となり、高出力領域では出力トルクがそれぞれ最大となる通電位相設定を行なうことが可能であり、それぞれの制御モードで通電位相の最適化を図ることができ、全負荷領域で極めて優れた速度・トルク制御が実現できるだけでなく、等価モータ出力を演算により導出しているため、電気自動車等で必要とされる高精度な定出力制御が実現可能であるという効果を奏する。
【0135】
請求項5に記載の発明によれば、制御モードの切り替えに伴なう制御安定性の確保および騒音・振動の低減が可能であり、より安定したモータ駆動系を実現でき、さらに高精度な速度・トルク制御が可能であるという効果を奏する。
【0136】
請求項6記載の発明によれば、高速領域あるいは重負荷領域における矩形波通電時の位置センサレス制御の信頼性の向上を図ることが可能であり、基本通電幅で固定する場合に比べてさらに高速領域あるいは重負荷領域まで位置センサレス制御が実現可能であるという効果を奏する。
【0137】
請求項7記載の発明によれば、通電幅の変更に伴なう制御安定性の確保および騒音・振動の低減が可能であり、より安定したモータ駆動系を実現でき、位置センサレス制御における信頼性をさらに向上させることが可能であるという効果を奏する。
【0138】
請求項8記載の発明によれば、通電幅の設定値はモータの回転速度または補正通電率の少なくともいずれかひとつに応じて設定される下限値の範囲内に常時設定されるため、例えば回転速度が大幅に変更した場合でも、モータの脱調や大幅な効率低下を防止することが可能であり、さらに安定したモータ駆動系を実現できるという効果を奏する。
【0139】
請求項9記載の発明によれば、モータの回転速度または補正通電率の少なくともいずれかひとつに応じて通電幅設定値を出力するデータテーブルを有することにより、通電幅変更に伴なう演算時間を大幅に短縮することが可能であり、通電幅変更に伴なう演算が不必要であるため、演算誤差を減少させることができ、さらに演算の増加に伴う回路構成の複雑化または演算装置の容量増大によるコストアップを防止することが可能であるという効果を奏する。
【0140】
請求項10記載の発明によれば、データテーブル上に通電幅設定値が無い場合においても、データテーブル上の値から線形補間をすることにより、より高精度に通電幅の設定を行なうことができ、しかも大幅な演算を伴なわないため、演算装置の負荷増大によるコストアップを防止し、同等のコストを維持することができるという効果を奏する。
【0141】
請求項11記載の発明によれば、最大効率制御モードでは補正通電率が最小となるように補正通電率の前歴値およびその時の通電位相設定値と、補正通電率の現在値およびその時の通電位相設定値とをそれぞれ比較し、比較結果に基づいて、通電位相設定値を所定の通電位相変化量だけ増減させて新たな通電位相設定値を設定しているため、モータの回転速度あるいは負荷トルク等の運転条件が変動する場合にも、逐次、最適な通電位相を探索して設定し、常時モータ効率を最大とすることが可能である。また、最大トルク制御モードでは補正通電率の現在値と補正通電率の基準値とを比較し、補正通電率の現在値が補正通電率の基準値以上ならば通電位相設定値を所定の通電位相変化量だけ増加させるため、常時出力トルクを最大とすることが可能である。よって、どのような運転状況においても常に最適な通電位相設定を行なうことができ、モータ効率または出力トルクが極めて優れたモータ駆動系を実現できるという効果を奏する。
【0142】
請求項12記載の発明によれば、通電位相設定値を増減させる単位量となる通電位相変化量が、補正通電率の前歴値と現在値の変化の割合に基づいて線形補償されるので、通電位相設定値を、モータの回転速度あるいは負荷トルク等の運転条件によって変動する最適通電位相に高速に設定することが可能であり、通電位相設定に伴なう演算時間の短縮を図ることができ、さらに通電位相設定値が最適通電位相に収束した後の位相変動も抑制することが可能であるという効果を奏する。
【0143】
請求項13記載の発明によれば、モータの回転速度の前歴値と現在値との差分がある所定値以下の場合においてのみ通電位相を変更し、モータの回転速度の前歴値と現在値との差分がある所定値より大きい場合においては、あらかじめモータの回転速度に応じて設定された通電位相を出力するため、モータの回転速度が大幅に変更した場合においても、通電位相設定値が、その回転速度においてある程度適した通電位相に設定することが可能であり、モータの脱調や極端な効率の低下を防止することができ、モータ駆動系における信頼性の向上を図ることが可能であるという効果を奏する。
【0144】
請求項14記載の発明によれば、通電位相の変更に伴なう制御安定性の確保および騒音・振動の低減が可能であり、より安定したモータ駆動系を実現でき、電源電圧・電流の変動を抑制することが可能であるという効果を奏する。
【0145】
請求項15記載の発明によれば、通電位相設定値はモータの回転速度または補正通電率の少なくともいずれかひとつに応じて設定される上限値と下限値の範囲内において通電位相設定値を所定の通電位相変化量だけ増減させるため、モータの回転速度が大幅に変更した場合においても、最適通電位相の探索処理において、モータの脱調や極端な効率の低下を防止することが可能であり、位置センサレス制御における信頼性の向上を図り、安定したモータ駆動系の実現が可能であるという効果を奏する。
【0146】
請求項16記載の発明によれば、モータに供給する印加電圧の通電幅もしくは補正通電率あるいはモータの回転速度の少なくともいずれかひとつに応じて通電位相設定値を出力するデータテーブルを有することにより、通電位相の設定に伴なう演算時間を大幅に短縮することが可能であり、通電位相の設定に伴なう演算が不必要であるため、演算誤差を減少させることができ、さらに演算の増加に伴う回路構成の複雑化または演算装置の容量増大によるコストアップを防止することが可能であるという効果を奏する。
【0147】
請求項17記載の発明によれば、データテーブル上に通電位相設定値が無い場合においても、データテーブル上の値から線形補間をすることにより、より高精度に通電位相の設定を行なうことができ、しかも大幅な演算を伴なわないため、演算装置の負荷増大によるコストアップを防止し、同等のコストを維持することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示すモータ制御装置のブロック図
【図2】 本発明の他の実施例を示すモータ制御装置のブロック図
【図3】 本発明の他の実施例を示すモータ制御装置のブロック図
【図4】 本発明に係る制御モード安定切替方法の一実施例を示す図
【図5】 本発明に係る通電幅変更方法の一実施例を示す図
【図6】 本発明に係る通電幅安定変更方法の一実施例を示す図
【図7】 本発明に係る通電幅変更方法の他の実施例を示す図
【図8】 本発明に係る通電幅保持手段の一実施例を示す表
【図9】 本発明に係る通電幅線形補間方法の一実施例を示す図
【図10】 同一実施例における通電幅線形補間方法の拡大図
【図11】 本発明に係る通電幅変更動作を示すフローチャート
【図12】 ある運転条件における通電位相設定値に対する補正通電率の特性を示すグラフ
【図13】 本発明に係る通電位相設定動作の一実施例を示すフローチャート
【図14】 本発明に係る通電位相設定動作の他の実施例を示すフローチャート
【図15】 従来のIPMモータにおける通電位相と発生トルクの関係の一例を示す図
【図16】 従来例のモータ制御装置を示すブロック図
【符号の説明】
1 直流電源
2 インバータ
3 モータ
11 回転子位置検出回路
12 速度誤差演算器
13 制御モード切替手段
14 通電位相設定手段
15 通電分配手段
21 通電率補正演算部
22 補正通電率誤差演算器
31 等価モータ出力演算器
32 等価モータ出力誤差演算器
161 交流電源
162 AC−DCコンバータ
163 IPMモータ
164 電源電流検出手段
165 通電位相設定手段
Claims (15)
- 少なくとも電機子巻線のインダクタンス変化および電機子電流に伴って発生するリラクタンストルクを利用するモータの制御装置であって、
回転子の回転位相を検出する回転子位相検出手段と、
前記回転子位相検出手段で検出された回転位相より得られる前記モータの回転速度に関する値と、予め設定された回転速度設定基準値とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づいて、制御モードを切り替え設定する制御モード切替手段と、
前記制御モード切替手段により切り替え設定された制御モードに基づいて所定時間毎に通電位相値を設定する通電位相設定手段と、
前記回転子位相検出手段で検出された回転位相と前記通電位相設定手段で設定された通電位相値から、前記モータにおける各駆動素子毎に通電信号を分配する通電分配手段とを有し、
前記比較手段により、前記モータの回転速度が前記回転速度設定基準値以下であると判定された場合は、前記制御モード切替手段は最大効率制御モードを選択して前記通電位相設定手段は前記モータのモータ効率が最大となる通電位相を設定し、前記比較手段により、前記モータの回転速度が前記回転速度設定基準値よりも大きいと判定された場合は、前記制御モード切替手段は最大トルク制御モードを選択して前記通電位相設定手段は前記モータの出力トルクが最大となる通電位相を設定することを特徴とするモータ制御装置。 - 少なくとも電機子巻線のインダクタンス変化および電機子電流に伴って発生するリラクタンストルクを利用するモータの制御装置であって、
回転子の回転位相を検出する回転子位相検出手段と、
前記回転子位相検出手段で検出された回転位相より得られる前記モータの回転出力に関する値と、予め設定された回転出力に関する基準値とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づいて、制御モードを切り替え設定する制御モード切替手段と、
前記制御モード切替手段により切り替え設定された制御モードに基づいて所定時間毎に通電位相値を設定する通電位相設定手段と、
前記回転子位相検出手段で検出された回転位相と前記通電位相設定手段で設定された通電位相値から、前記モータにおける各駆動素子毎に通電信号を分配する通電分配手段とを有し、
前記比較手段により、前記モータの回転出力に関する値が前記設定された基準値以下であると判定された場合は、前記制御モード切替手段は最大効率制御モードを選択して前記通電位相設定手段は前記モータのモータ効率が最大となる通電位相を設定し、前記比較手段により、前記モータの回転出力に関する値が前記設定された基準値よりも大きいと判定された場合は、前記制御モード切替手段は最大トルク制御モードを選択して前記通電位相設定手段は前記モータの出力トルクが最大となる通電位相を設定する構成とし、前記モータの回転出力に関する値は、前記モータに供給する印加電圧の通電率と前記モータに供給する印加電圧の最大値により一義的に導かれる補正通電率であり、前記予め設定された基準値は補正通電率設定基準値であって、前記補正通電率をσ、通電率をδとし、 V dc_now および V dc_last はそれぞれ印加電圧の最大値の現在値と前歴値、 K 1 は比例定数、 P は微分演算子、 K P1 、 K I1 はそれぞれ比例ゲインおよび積分ゲインとすると、前記補正通電率σは下記の式
で決定されるモータ制御装置。 - 前記制御モード切替手段は、前記制御モードの切り替えの前後でヒステリシスを具備することにより、制御モードの切替えを安定して行う手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載のモータ制御装置。
- 前記最大効率制御モードでは、前記モータに供給する印加電圧の通電幅を基本通電幅に設定し、前記最大トルク制御モードでは、前記モータの回転速度または前記補正通電率の少なくともいずれかひとつに応じて、前記通電幅を変更する通電幅変更手段を有することを特徴とする請求項1〜3いずれか一項記載のモータ制御装置。
- 前記通電幅変更手段は、前記通電幅の変更の前後でヒステリシスを具備することにより、通電幅の変更を安定して行う手段を有することを特徴とする請求項4記載のモータ制御装置。
- 前記通電幅変更手段は、前記モータの回転速度または前記補正通電率の少なくともいずれかひとつに応じて設定される前記通電幅の下限値の範囲内において前記通電幅を変更することを特徴とする請求項4または5に記載のモータ制御装置。
- 前記通電幅変更手段は、前記モータの回転速度または前記補正通電率の少なくともいずれかひとつに対して、前記モータの通電幅設定値を出力する通電幅保持手段をさらに有し、前記モータの回転速度または前記補正通電率の少なくともいずれかひとつに応じて前記通電幅保持手段から該当する通電幅を読み出すことを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項記載のモータ制御装置。
- 前記通電幅変更手段は、前記モータの回転速度または前記補正通電率の少なくともいずれかひとつに対して、前記モータの通電幅の変化特性を規定する値を保持した通電幅設定値保持手段と、前記通電幅設定値保持手段に保持した値に基づいて通電幅を線形補間する通電幅線形補間手段とをさらに有し、前記モータの回転速度または前記補正通電率の少なくともいずれかひとつに応じて前記通電幅設定値保持手段から該当する値を読み出し、前記通電幅線形補間手段により線形補間することを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項記載のモータ制御装置。
- 前記通電位相設定手段は、前記最大効率制御モードでは前記補正通電率が最小となるように前記補正通電率の前歴値およびその時の通電位相設定値と、前記補正通電率の現在値およびその時の通電位相設定値とをそれぞれ比較し、比較結果に基づいて、通電位相設定値を所定の通電位相変化量だけ増減させて新たな通電位相設定値を設定し、前記最大トルク制御モードでは前記補正通電率の現在値と前記補正通電率の基準値とを比較し、前記補正通電率の現在値が前記補正通電率の基準値以上ならば前記通電位相設定値を所定の通電位相変化量だけ増加させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載のモータ制御装置。
- 前記通電位相設定手段は、前記補正通電率の前歴値と現在値との差分により、前記通電位相変化量を補償することを特徴とする請求項9記載のモータ制御装置。
- 前記通電位相設定手段は、前記モータの回転速度の前歴値と現在値との差分がある所定値以下の場合においてのみ前記通電位相を変更し、前記モータの回転速度の前歴値と現在値との差分がある所定値より大きい場合においては、あらかじめ前記モータの回転速度に応じて設定された通電位相を出力することを特徴とする請求項9または10記載のモータ制御装置。
- 前記通電位相設定手段は、前記通電位相の変更の前後でヒステリシスを具備した通電位相変更手段を有することを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項記載のモータ制御装置。
- 前記通電位相設定手段は、前記モータの回転速度または前記補正通電率の少なくともいずれかひとつに応じて設定される前記通電位相の上限値と下限値の範囲内において前記通電位相設定値を所定の通電位相変化量だけ増減させることを特徴とする請求項9〜12のいずれか一項記載のモータ制御装置。
- 前記通電位相設定手段は、前記モータに供給する印加電圧の通電幅もしくは前記補正通電率あるいは前記モータの回転速度の少なくともいずれかひとつに対して、モータ効率の最大値あるいはモータトルクの最大値を具現できる位相を保持した通電位相保持手段をさらに有し、前記モータに供給する印加電圧の通電幅もしくは前記補正通電率あるいは前記モータの回転速度の少なくともいずれかひとつに応じて、前記通電位相保持手段から該当する通電位相設定値を前記モータ効率あるいは前記モータトルクをほぼ最大にする位相として読み出すことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載のモータ制御装置。
- 前記通電位相設定手段は、前記モータに供給する印加電圧の通電幅もしくは前記補正通電率あるいは前記モータの回転速度の少なくともいずれかひとつに対して、モータ効率の最大値あるいはモータトルクの最大値を得ることができる位相の変化特性を規定する値を保持した通電位相設定値保持手段と、前記通電位相設定値保持手段に保持した値に基づいて通電位相を線形補間する通電位相線形補間手段とをさらに有し、前記モータに供給する印加電圧の通電幅もしくは前記補正通電率あるいは前記モータの回転速度の少なくともいずれかひとつに応じて、前記通電位相設定値保持手段から該当する値を読み出し、前記通電位相線形補間手段により線形補間し、前記モータ効率あるいは前記モータトルクを最大にする位相として設定することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載のモータ制御装置。
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