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JP3691269B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば空気調和機をはじめとする圧縮機などに用いられる、電機子巻線のインダクタンス変化および電機子電流に伴って発生するリラクタンストルクと、永久磁石の磁束および電機子電流に伴って発生するフレミングトルクとを併用して利用する種類のブラシレスモータを用いた、モータ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電機子巻線のインダクタンス変化および電機子電流に伴って発生するリラクタンストルクと、永久磁石の磁束および電機子電流に伴って発生するフレミングトルクとを併用して利用する種類のブラシレスモータとしては、永久磁石をロータ内部に埋め込んだ埋込型磁石構造のモータ(以下、IPM(Interior Permanent Magnet) モータと称する)が一般的に用いられている。このIPMモータにおけるトルク発生原理については、例えば、文献「リラクタンストルクを利用した回転機(電気学会論文誌D,114巻9号,'94)」などに詳細に示されている。なお、この文献中においては、永久磁石の磁束および電機子電流に伴って発生するトルクはアクティブトルクと呼称されているが、本明細書中においては、これをフレミングトルクと称する。
【0003】
図13は、IPMモータにおける、電機子のコイル巻線へ電流を流すタイミング、すなわち通電位相と、各種トルク値および端子電圧との関係の一例を示すグラフである。図13に示すように、フレミングトルクTmは、進み通電位相βが0゜の時に最大となり、その波形は、位相0゜の時の値をピークとするsinβで表わされる。また、リラクタンストルクTrは、進み通電位相βが45゜の時に最大となり、その波形は、位相45゜の時の値をピークとするsin2βで表わされる。また、端子電圧Vaは、図13に示すように、進み通電位相βが大きくなるにつれて低くなっており、いわゆる弱め界磁運転の状態となっている。また、総合トルクTはTmとTrの加算値となっており、フレミングトルクのみを用いる通常のモータに比べて大きなトルクを得ることが可能となっている。
【0004】
総合トルクTを式で表わすと下式のようになる。
【0005】
T=P(φa×Ia×cosβ)十P(1/2×(Lq−Ld)×Ia^2×sin2β)
上式で、φaは永久磁石による電機子鎖交磁束、Iaは電機子電流、Lq,Ldは電機子巻線のq軸d軸インダクタンスを表している。また、同式において、第1項はフレミングトルクTmを、第2項はリラクタンストルクTrを表わしている。
【0006】
このようなIPMモータにおいて、回転数やトルクなどの回転条件が変化すると、これに追従するように速度制御が働き、電機子電流が変化する。上式からも明らかなように、電機子電流の増減に応じたフレミングトルクTmおよびリラクタンストルクTrの変化は、同じ割合にはならない。したがって、総合トルクTが最大となる進み通電位相βは回転条件によって変動する。すなわち、最高の効率となる通電位相βは、回転条件によって時々刻々変化している。
【0007】
また、総合トルクTの変動には、図13におけるマイナストルク領域のように、そのトルク値が極端に低くなってしまう通電位相の範囲が存在することになる。このようなマイナストルク領域は、リラクタンストルクTrおよびフレミングトルクTmの割合に応じて変化する。
【0008】
したがって、通電位相によっては、モータが急停止してしまう(以下、このことを脱調と称す)ことや、あるいはモータ効率が極端に悪化することがある。例えば、図13に示すような特性を示すIPMモータの場合、通電位相を遅れ気味にした場合に、上記のような脱調やモータ効率の悪化が生じる。さらに、通電位相が進みすぎても同様に脱調、あるいはモータ効率の悪化が生じる。このような脱調やモータ効率の極端な悪化が発生する通電位相も回転条件によって時々刻々変化する。
【0009】
ここで、回転条件の変動について考察してみる。現在、IPMモータは空気調和機などの圧縮機用として圧縮機内部に組み込まれることが多い。このように、上記のようなIPMモータが圧縮機に用いられる場合、IPMモータの回転条件の1つである負荷トルクの変動は、図10に示すような波形となる。図10は、ローリングピストン型およびスクロール型の圧縮機における、モータ回転角θに対する、各圧縮サイクルによって発生する負荷トルクの変動を示している。このように、圧縮サイクルによって負荷トルクすなわち回転条件は変動している。
【0010】
また、IPMモータ自体においても、ロータ着磁の精度、ステータコイルの精度、軸受け精度などの要因によって、モータ1回転におけるトルク変動が生じたり、モータ1回転毎に、モータ磁極数とモータコイル数との最小公倍数の周期で発生するトルク変動、いわゆるトルクリプルが生じている。このようなトルク変動によっても、回転条件が変動していることになる。
【0011】
一方、回転数は、基本的には制御装置で速度制御されているので、一定に保たれているが、空気調和機などのメインシステムから時々刻々目標となる回転数が変更されて与えられている。すなわち、この目標回転数に応じてモータ回転が制御されていることになる。このように、回転数を見ても回転条件は変動していることになる。
【0012】
また、モータを駆動・制御する際には、基準となるコイル位相を検出する手段、つまり回転位置の検出センサが必要となる。この点に関して、上記のように圧縮機内にモータを搭載する場合、あるいはコストを極力抑えたい場合には、圧縮機内の構成上の問題、あるいはコストアップの問題を解消するために、センサレスでロータ位相を検出する方法が採用されている。このセンサレスでロータ位相を検出する方法は、例えば、文献「ブラシレスモータのセンサレス化技術(機械設計、第34巻、第17号、1990年12月別冊)」にいくつかの方法が示されている。このような方法としては、例えば、各コイルに発生する逆起電圧波形をフィルタリングし、これを位相情報として検出する方法などが一般的に行われている。
【0013】
現在、IPMモータにおいて、その効率を高めるための制御方法としては、テーブル参照方式と呼ばれる方法が一般的に知られている。このテーブル参照方式とは、あらかじめ実験などで求めた回転条件−効率特性結果を制御回路内のROMに記憶し、回転数、トルクなどの回転条件をパラメータとして、該当する通電位相設定値を呼び出すことによって通電位相を設定する、という方法のことである。
【0014】
次に、電流を検出し、それによって通電位相を変更し、電流が最小となるような駆動を行う従来技術として、特開平4−140093号公報に開示されているモータ駆動回路について説明する。
【0015】
このモータ駆動回路は、フレミングトルクのみを使用した通常のブラシレスモータにおいて、ホール素子などの回転位置検出センサからの出力であるコイル位相検出信号に基づく通電タイミングと、実際のモータコイル位相とのずれを補正し、両位相を一致させることを目的としており、結果的にモータ効率を向上させている。これは、回転位置検出センサ出力であるコイル位相検出信号と実際のコイル位置とが一致する位置は、結果的にモータ電流が最小となる位置であるからである。すなわち、モータ電流を検出して、これが最小となるようにコイル位相検出信号の位相を進相あるいは遅相させる制御を行うことによって、コイル位相検出信号と実際のコイル位置とが一致する位相(最適シフト時間)を決定している。この処理はモータ運転開始直後の低速回転検出後に一度だけ行われ、その後は決定された最適シフト時間にしたがって運転が行われる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
フレミングトルクとリラクタンストルクとを併用したIPMモータにおける従来の効率制御は、上記のテーブル参照方式のように、オープンループで一義的に通電位相を設定するものとなっている。すなわち、実際に効率あるいは効率と同等の情報を検出して制御するものではないので、正確な効率制御を行っているとはいえない。
【0017】
また、上記した、通電位相を変化させる構成の場合、最適な通電位相に収束するまでにはある程度の時間が必要であり、この収束時間中の動作によって、運転期間中全体における効率が低下することになる。
【0018】
詳しく説明すると、通電位相を変更した場合に、速度制御回路の性能によっては、図12に示すように、瞬間的に発生トルクおよび回転速度が大きく変化することになり、目標値に収束するまでに、ある程度の時間Tcnt が必要となる。このTcnt の間は、通電位相の変更前と比べると回転条件が異なっており、正確な電流比較を行うことができないという問題がある。
【0019】
また、特開平4−140093号公報に示されているモータ駆動回路は、回転位置検出センサ出力であるコイル位相検出信号のずれを補正するものであり、また、運転開始直後のみにシフト時間を求める構成となっている。すなわち、このモータ駆動回路は、回転条件によって最適な通電位相が動的に時々刻々変化するようなIPMモータに対して、積極的に逐次最適通電位相を探索し、正確な効率制御を行うような処理を行うことはできない。また検出精度の低いセンサレス位相検出方法においては、最適シフト時間は検出タイミングごとに異なるものとなってしまう。さらに、上記のように、初期時においてのみ最適シフト時間を設定するだけでは、最適シフト時間の変動に対応することができない。
【0020】
また、上記のモータ駆動回路においては、モータ回転初期では回転位置検出センサ出力であるコイル位相検出信号に合わせてモータが運転されるが、通電位相によっては脱調、効率の極端な低下が見られるIPMモータでは、このような運転を適用することはできない。
【0021】
さらに、上記したように、IPMモータでは負荷トルクの周期的な変動が存在するが、例えば電源電流の変動の検出などを行うことによって、この変動に応じた制御を行っていない上記モータ駆動回路では、正確かつ精度の高い制御は困難である。
【0022】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、回転数・トルクといった回転条件によって、電源電流が最小となるような最適通電位相が動的に時々刻々変化するIPMモータに対して、逐次、積極的に最適通電位相を探索して最高効率運転を実現するモータ制御装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明に係るモータ制御装置は、電機子巻線のインダクタンス変化および電機子電流に伴って発生するリラクタンストルクと、永久磁石の磁束および電機子電流に伴って発生するフレミングトルクとを併用して利用するモータを駆動するモータ制御装置において、上記モータにおけるロータの回転位相を検出するロータ位相検出手段と、駆動電源における電源電流の電流値を検出する電源電流検出手段と、所定時間毎に通電位相設定値を設定する通電位相設定手段と、上記ロータ位相検出手段で検出された回転位相と、上記通電位相設定手段で設定された通電位相設定値から、上記モータにおけるモータコイルへの通電タイミングを決定し、上記モータにおける各駆動素子ごとに通電信号を分配する通電分配手段とを備え、上記通電位相設定手段は、前回読み込まれた電流値およびその時の通電位相設定値と、今回読み込まれた電流値およびその時の通電位相設定値とをそれぞれ比較し、比較結果に基づいて、通電位相設定値を所定の通電位相変更量だけ増減し、新たな通電位相設定値を設定するとともに、上記所定時間が、モータのトルク変動に同期するように設定されていることを特徴としている。
【0024】
上記の構成によれば、通電位相設定手段が、所定時間毎に通電位相設定値を設定し、この設定において、前回読み込まれた電流値およびその時の通電位相設定値と、今回読み込まれた電流値およびその時の通電位相設定値とをそれぞれ比較し、比較結果に基づき通電位相設定値を所定の通電位相変更量だけ増減し、新たな通電位相設定値を設定しているので、回転条件が変動する場合にも、逐次、最適な通電位相を探索して設定することができる。よって、常に、電源電流が最小となるような最適通電位相によってモータを駆動することができるので、効率が極めて優れたモータの運転を行うことができる。
【0025】
また、上記の構成によれば、通電位相設定手段が通電位相設定値を設定するタイミングとなる所定時間が、モータのトルク変動に同期するように設定されているので、電流値の比較をより的確に行うことが可能となる。よって、最適通電位相の探索をより正確に行うことができるので、モータの運転をさらに高効率で行うことが可能となる。
【0026】
また、本発明に係るモータ制御装置は、電機子巻線のインダクタンス変化および電機子電流に伴って発生するリラクタンストルクと、永久磁石の磁束および電機子電流に伴って発生するフレミングトルクとを併用して利用するモータを駆動するモータ制御装置において、上記モータにおけるロータの回転位相を検出するロータ位相検出手段と、駆動電源における電源電流の電流値を検出する電源電流検出手段と、所定時間毎に通電位相設定値を設定する通電位相設定手段と、上記ロータ位相検出手段で検出された回転位相と、上記通電位相設定手段で設定された通電位相設定値から、上記モータにおけるモータコイルへの通電タイミングを決定し、上記モータにおける各駆動素子ごとに通電信号を分配する通電分配手段とを備え、上記通電位相設定手段は、前回読み込まれた電流値およびその時の通電位相設定値と、今回読み込まれた電流値およびその時の通電位相設定値とをそれぞれ比較し、比較結果に基づいて、通電位相設定値を所定の通電位相変更量だけ増減し、新たな通電位相設定値を設定するとともに、通電位相が変更された時にモータの回転速度が変動する場合に、上記所定時間が、このモータの回転速度の変動が収まるまでの制御収束時間以上となるように設定されていることを特徴としている。
【0027】
上記の構成によれば、通電位相設定手段が、所定時間毎に通電位相設定値を設定し、この設定において、前回読み込まれた電流値およびその時の通電位相設定値と、今回読み込まれた電流値およびその時の通電位相設定値とをそれぞれ比較し、比較結果に基づき通電位相設定値を所定の通電位相変更量だけ増減し、新たな通電位相設定値を設定しているので、回転条件が変動する場合にも、逐次、最適な通電位相を探索して設定することができる。よって、常に、電源電流が最小となるような最適通電位相によってモータを駆動することができるので、効率が極めて優れたモータの運転を行うことができる。
【0028】
また、上記の構成によれば、通電位相が変更された時に、モータの回転速度が変動する場合に、通電位相設定手段が通電位相設定値を設定するタイミングとなる所定時間が、制 御収束時間以上となるように設定されているので、モータの回転速度の変動によって、最適通電位相の探索に悪影響を及ぼすことが防止される。よって、最適通電位相の探索をより正確に行うことができるので、モータの運転をさらに高効率で行うことが可能となる。
【0029】
また、本発明に係るモータ制御装置は、上記の構成において、上記通電位相設定手段が、回転条件が変更された際に、通電位相設定値を、回転条件に応じて設定される通電位相設定初期値に設定する構成としてもよい。
【0030】
上記の構成によれば、回転条件が変更された際に、通電位相設定値が、回転条件に応じて設定される通電位相設定初期値に設定されるので、回転条件が大きく変更した場合にも、通電位相設定値が、その回転条件においてある程度適した通電位相に設定されることになる。よって、回転条件が大幅に変更されても、モータの脱調や極端な効率の低下を防止することが可能となり、モータの高効率運転の信頼性を高めることができる。
【0031】
また、本発明に係るモータ制御装置は、上記の構成において、上記通電位相設定手段が、回転条件に応じて設定されるリミッタ値の範囲内において通電位相設定値を設定する構成としてもよい。
【0032】
上記の構成によれば、通電位相設定値は、回転条件に応じて設定されるリミッタ値の範囲内において設定されるので、例えば回転条件が大きく変更した場合にも、最適通電位相の探索処理において、モータの脱調や効率の極端な悪化が生じるような通電位相に通電位相設定値が設定されてしまうことを防止することができる。よって、モータの高効率運転の信頼性を高めることができる。
【0033】
また、本発明に係るモータ制御装置は、上記の構成において、上記通電位相設定手段が、通電位相の変更量に対する電源電流の変化量の割合に基づいて、上記通電位相変更量を決定する構成としてもよい。
【0034】
上記の構成によれば、通電位相設定値を増減させる単位量となる通電位相変更量が、通電位相の変更量に対する電源電流の変化の割合に基づいて決定されるので、通電位相設定値を、回転条件によって変動する最適通電位相に高速に設定することが可能となるとともに、通電位相設定値が最適通電位相に収束した後の位相変動も小さく抑えることが可能となる。よって、高速かつ高精度の通電位相制御が可能になるので、モータの運転をさらに高効率で行うことができる。
【0035】
また、本発明に係るモータ制御装置は、上記の構成において、上記通電位相設定手段が、所定時間毎に、今回読み込んだ電流値と前回読み込んだ電流値との比較結果を電流値比較結果として格納するとともに、今回の通電位相設定値と前回の通電位相設定値との比較結果を通電位相比較結果として格納し、この電流値比較結果と通電位相比較結果とに対して排他的論理和演算を行うことによって通電位相変更量の加減符号を決定し、新たな通電位相設定値を設定する構成としてもよい。
【0036】
上記の構成によれば、電流値比較結果と通電位相比較結果とに対して排他的論理和演算を行うことによって通電位相変更量の加減符号を決定し、新たな通電位相設定値を設定するので、複雑な処理をすることなく、最適通電位相の探索を行うことができる。すなわち、簡単でかつ効率的に、モータの最高効率運転を実現することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図12に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0038】
図1は、本実施形態に係るモータ制御装置の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、このモータ制御装置は、IPMモータ1、交流電源2、A/Dコンバータ3、インバータ回路4、ロータ位相検出手段5、電源電流検出手段6、通電位相設定手段7、および通電分配手段8を備えている。
【0039】
IPMモータ1は、電機子巻線のインダクタンス変化および電機子電流に伴って発生するリラクタンストルクと、永久磁石の磁束および電機子電流に伴って発生するフレミングトルクとを併用して利用する種類のブラシレスモータから構成されている。図2は、このIPMモータ1におけるロータの内部構成を示す断面図である。図2に示すように、IPMモータ1は、4つの永久磁石9…を、ロータを構成する鉄心10の内部に埋め込んだ埋込型磁石構造のモータとなっている。このロータには、各永久磁石9…の両端からロータの外部に向けて貫通するように、エアギャップ11…が形成されている。
【0040】
交流電源2は、IPMモータ1に電源を供給するものであり、例えば一般家庭で使用される場合には、AC100Vの電源が用いられる。
【0041】
A/Dコンバータ3は、交流電源2からの交流を一旦直流に変換し、次のインバータ回路4に直流電源を供給するものである。
【0042】
インバータ回路4は、A/Dコンバータ3から供給された直流電源から、任意の周波数の交流電源をつくり出し、IPMモータ1に所望の周波数を有する交流電源を供給するものである。これにより、IPMモータ1の回転数を任意の値に滑らかに変化させることが可能となる。
【0043】
ロータ位相検出手段5は、IPMモータ1における3相のコイル端子U,V,Wの非通電区間の逆起電圧からロータの回転位相を検出するものである。
【0044】
なお、このロータ位相検出手段5は上記のような構成に限定されるものではなく、例えば、モータ中性点電位から求める構成、あるいはモータ電流から演算して求める構成とすることも可能である。特に180°通電の場合には、非通電区間が存在せず、逆起電圧が発生しないので、本実施形態の構成は使用できず、上記のような他の構成を用いることとなる。なお、180°通電とは、1本のコイル端子への通電を時間的に見た時、非通電期間が存在しない通電方法のことである。本来ならば通電周期は360°であるが、3相モータの場合、180°期間に注目すれば現象を把握できるので、180°が基準となっている。
【0045】
また、強制的に各コイル端子への通電を切り換えて駆動させる、いわゆる強制励磁駆動方式でのロータ位相検出手段5としては、強制的に通電を切り換えている切換信号を検出するものとすればよい。
【0046】
さらに、このロータ位相検出手段5は、IPMモータ1にエンコーダなどの回転検出手段を設けるなどの構成とすることも可能である。このような構成の場合、コストアップの問題や、センサ取り付けに要する空間の処理に関する問題が残るが、IPMモータ1の回転位相を的確に検出することができる。なお、リラクタンストルクを併用したブラシレスモータの場合、最大トルクは前記した式のように回転条件によって異なる通電位相で発生するので、ロータの回転位相を検出する手段のみではなく、後述する最適通電位相の制御が必要となる。
【0047】
なお、このロータ位相検出手段5には、図示していない速度制御回路が接続されている。この速度制御回路は、図示していないシステム制御装置から得られる回転数目標とロータ位相検出手段5から得られる回転情報との差を検出し、これを速度制御信号として出力するものである。この速度制御信号に基づいて、IPMモータ1の回転数が目標値に近づけられる。
【0048】
電源電流検出手段6は、交流電源2に取り付けられたカレントトランスC.T.の出力を受けて波形整形し、電流値を検出するものである。
【0049】
このように、電源電流検出手段6は、カレントトランスC.T.から電源電流の検出を行っているものであるが、これは従来より過電流検出用として設けられているものであり、新たな構成要素の追加となるものではない。また、この電源電流検出手段6の代わりに、A/Dコンバータ3の出力側に電流センサなどを取り付ける構成とすることも可能である。
【0050】
通電位相設定手段7は、所定時間毎に、回転条件を表わす情報によって通電位相を設定するとともに、電源電流検出手段6で検出された電流値に応じて、通電位相を増減させるものである。詳しく説明すると、ある時点において、回転条件に応じて設定される通電位相および電源電流検出手段6からの電流値と、その時点の1回前に行われた処理において設定された通電位相および電流値とをそれぞれ比較し、この比較結果に基づいて、通電位相設定値を所定量増減することによって、新たな通電位相設定値を設定している。
【0051】
この通電位相設定手段7に入力される回転条件情報としては、モータ回転数に比例した情報、例えば上記の速度制御回路から得られるモータ回転速度情報、あるいは、モータトルクに比例した情報、例えばトルクセンサなどの出力、などが用いられるが、どちらか一方の情報でもよいし両方の情報が入力されていてもよい。
【0052】
通電分配手段8は、上記のロータ位相検出手段5で検出された回転位相と、上記の通電位相設定手段7で設定された通電位相設定値とに基づいてモータコイルヘの通電タイミングを決定し、この通電タイミングに従って、インバータ回路4内の各駆動素子ごとに通電信号を分配している。
【0053】
このように、本実施形態に係るモータ制御装置は、(1)ロータ位相検出手段5によってモータの回転位相を検出し、これを通電分配手段8に入力し、(2)通電位相設定手段7によって電流が最小となるように通電位相を設定・変更し(詳細は後述する)、(3)通電分配手段8によって回転位相を基準として通電位相設定値分だけ、通電位相を進ませ、あるいは遅らせて通電タイミングが決定されるとともに、U,V,W各相へ通電信号の分配が行われ、(4)IPMモータ1が所定の回転条件で、最高効率にて回転される構成となっている。
【0054】
次に、上記通電位相設定手段7における動作について詳細に説明する。
【0055】
前記したように、モータとしてIPMモータを用いる場合には、リラクタンストルクおよびフレミングトルクの割合に応じて最適な通電タイミングが存在する。この最適な通電タイミング、すなわち通電位相では効率が最大となり、それ以外の通電位相では効率が悪化することになる。
【0056】
上記の効率を、IPMモータ1、インバータ回路4、およびA/Dコンバータ3を含めた総合効率として考えると、この効率は(出力電力)/(入力電力)で表される。上記の出力電力はモータの回転数およびトルクから求まり、入力電力はコンバータ回路への入力電圧および電流で求まる。なお、一般に入力電圧は、定格の電源電圧として与えられるので、入力電圧はほぼ一定であるとすれば、入力電力は電流を検出するだけで求めることができる。
【0057】
ここで、ある回転条件下での通電位相設定値に対する電源電流の特性をグラフに示すと、図3のようになる。図3の特性1のグラフにおいて、最小の電源電流Imin となっている通電位相β0が最適通電位相であり、通電位相をβ0に設定することで入力電力が最小、つまり効率が最大となる。なお、この図3において、X軸の通電位相設定値は右にいくほど進み位相となっている。本実施形態における通電位相設定手段7は、通電位相を、この最小電流となる通電位相β0に自動的に制御するものである。
【0058】
図4も交えながら、通電位相設定手段7による、通電位相を、最小の電流となる通電位相β0へ設定する通電位相設定方法を説明する。
【0059】
図4は、通電位相設定手段7における処理の流れを示すフローチャートである。
【0060】
まず、ステップ51(以下、S51のように表記する)において、所定時間Twaitが経過しているかが判断される。この所定時間Twaitは一定の時間として設定してもよいが、後述するように設定すればより効果的である。
【0061】
S51の後、S52において、回転条件に変更があったかどうかの判断が行われる。変更がなかった場合には(S52においてNO)、後述するS54以降の処理を行う。変更があった場合には(S52においてYES)、S53において、通電位相設定値βを、その回転条件に対応した脱調、および効率の極端な悪化が起こらない通電位相初期値βini に設定し、後述するS60を実行して一連の処理を終了する。そして、その後の所定時間Twait経過後から、再び最小の電流を探索していくS51からの処理が繰り返して行われる。
【0062】
S54では、電源電流検出手段6で検出された電流値がInow として読み込まれる。
【0063】
S55では、前回読み込まれた電流値Ilastと今回読み込まれた電流値Inow とが比較され、電流の変化の方向、すなわち、前回に比べて電流が増加したか、減少したかが判断される。そして、この比較結果が電流値比較結果としてIresultに格納される。
【0064】
S56では、前回の電流値Ilastが読み込まれた時の通電位相設定値βlastと、今回の電流値Inow が読み込まれた時の通電位相設定値βnow とを比較し、通電位相の変化の方向、すなわち、前回に比べて通電位相が進んでいるか、遅れているかが判断される。そして、この比較結果が通電位相比較結果としてβresultに格納される。なお、このβresultは、S56において比較演算するまでもなく、後述する通電位相設定値βの設定時に分かるものであり、そのときに記憶しておいてもよい。
【0065】
S57では、Iresultとβresultとに対して排他的諭理和が行われ、2つの比較結果が判断される。
【0066】
S58は、S57においてYES、すなわち、Iresult、βresultともに今回の値Inow 、βnow の方が大きい(>,>)、あるいはIresult、βresultともに前回の値Ilast、βlastの方が大きい(<,<)という結果であった時に処理が行われる。この時には、通電位相設定値βとしては、前回設定した通電位相設定値βnow より通電位相変更量Δβだけ減少させた値が設定される。
【0067】
また、S57においてNO、すなわち、上記の結果以外の時にはS59が実行される。この時には、通電位相設定値βとしては、前回設定した通電位相設定値βnow より通電位相変更量Δβだけ増加させた値が設定される。
【0068】
そして、S60では、βlastにはβnow の値、βnow にはβの値、IlastにはInow の値をそれぞれ記憶させて、1回の処理を終了する。そして以上のような処理が所定時間Twait毎に繰り返される。
【0069】
ここで通電位相設定値βは+方向で位相を進ませているものとし、S58は通電位相をより遅れ位相とするもので、S59は通電位相をより進み位相にするものである。したがって通電位相設定値βの+−の方向を逆にした場合には、S57における判定処理を変更すればよい。
【0070】
なお、通電位相の通電位相変更量Δβはある一定値として設定しても構わないが、後述する方法であれば更に効果的である。
【0071】
次に、以上のような処理を、図3における特性1のグラフに基づいて具体的に説明する。まず、初期位相がβs1であった、あるいは回転条件判断でβini1となったする。そして、この初期位相から通電位相変更量Δβだけ通電位相を進めたβs2にしたとする。この時の通電位相の大小関係はβs1<βs2となっており、また電流の大小関係はIs1>Is2となっている。この時、両比較結果Iresult、βresultの大小関係は逆であるため、S59における処理により、通電位相をさらに通電位相変更量Δβだけ進ませ、通電位相をβs3とする。その後、図4で示したように、上記と同様の処理を繰り返すことにより、通電位相はβ0に収束する。
【0072】
なお、図4に示す処理を繰り返すと、通電位相がβ0に収束した後、図3の特性1のグラフにおいて、β0を中心としたβs4〜βs5の間で、通電位相が変動することになる。しかしながら、通電位相変更量Δβを適当な値に設定することによって、この変動による効率ダウン、速度変動などを無視できる程度のものとすることができる。また、βs4〜βs5の間で通電位相が変動していることを検出し、β0の位相となった時に、図4に示す処理をストップさせる構成としてもよい。
【0073】
また、回転数・トルク等の回転条件が変わった場合には、例えば図3の特性2のグラフに示すように、βa0を中心とした特性となる。仮に、特性1から特性2に回転条件が変更されたとすると、まず、通電位相設定初期値βini2が通電位相設定値βに設定され、その後βa0に制御する最小電流化の制御処理が行われる。なお通電位相変更量Δβの設定する方法としては後述する方法が有効である。
【0074】
このような処理により、IPMモータ1は常に最高の効率を得ることができる。すなわち、例えば、極端なトルク低下などが生じたとしても、上記のS52およびS53における処理を行うことによって、新たに通電位相を設定しなおすことになる。つまり、通電位相設定値βが、その回転条件においてある程度適した通電位相に設定されることになる。よって、回転条件が変更した場合にも、IPMモータ1の効率の低下、あるいは脱調を防止することが可能となり、高効率運転の信頼性を高めることができる。
【0075】
また、通電位相設定手段7における処理として、図4に示すような処理とは異なる方法を、図5に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0076】
まず、S71において、所定時間Twaitが経過しているかが判断された後、S72において、回転条件に変更があったかどうかの判断が行われる。変更がなかった場合には(S72においてNO)、後述するS74以降の処理を行う。変更があった場合には(S72においてYES)、S73において、通電位相の遅れ位相、進み位相の制限範囲となるリミッタ値βlower 、βupper を設け、回転条件に応じて、脱調や効率の極端な悪化が起こらない範囲となる、遅れ通電位相リミッタ値βlim1、進み通電位相リミッタ値βlim2をそれぞれβlower 、βupper に格納する。
【0077】
S74では、電源電流検出手段6で検出された電流値がInow として読み込まれる。
【0078】
S75では、前回読み込まれた電流値Ilastと今回読み込まれた電流値Inow とが比較され、電流の変化の方向、すなわち、前回に比べて電流が増加したか、減少したかが判断される。そして、この比較結果がIresultに格納される。
【0079】
S76では、前回の電流値Ilastが読み込まれた時の通電位相設定値βlastと、今回の電流値Inow が読み込まれた時の通電位相設定値βnow とを比較し、通電位相の変化の方向、すなわち、前回に比べて通電位相が進んでいるか、遅れているかが判断される。そして、この比較結果がβresultに格納される。なお、このβresultは、S76において比較演算するまでもなく、後述する通電位相設定値βの設定時に分かるものであり、そのときに記憶しておいてもよい。
【0080】
S77では、Iresultとβresultとに対して排他的諭理和が行われ、2つの比較結果が判断される。
【0081】
S78は、S57においてYES、すなわち、Iresult、βresultともに今回の値Inow 、βnow の方が大きい(>,>)、あるいはIresult、βresultともに前回の値Ilast、βlastの方が大きい(<,<)という結果であった時に処理が行われる。この時には、通電位相設定値βとしては、前回設定した通電位相設定値βnow より通電位相変更量Δβだけ減少させた値が設定される。
【0082】
また、S77においてNO、すなわち、上記の結果以外の時にはS79が実行される。この時には、通電位相設定値βとしては、前回設定した通電位相設定値βnow より通電位相変更量Δβだけ増加させた値が設定される。
【0083】
そして、S80において、通電位相設定値βがリミッタ値βlower からβupper の範囲内にあるかが判断される。S80においてYES、すなわち、通電位相設定値βがリミッタ値βlower からβupper の範囲内にあると判断された場合には、そのままS82に進む。また、S80においてNO、すなわち、通電位相設定値βがリミッタ値βlower からβupper の範囲内にないと判断された場合には、S81において、通電位相設定値βをリミッタ範囲内に修正する処理が行われる。これは、例えば通電位相設定値βがリミッタ値βlower より遅れ位相であった場合には、通電位相設定値βを遅れリミッタ値βlower に修正し、通電位相設定値βがリミッタ値βupper より進み位相であった場合には、通電位相設定値βをリミッタ値βupper に修正する処理が行われる。
【0084】
そして、S82では、βlastにはβnow の値、βnow にはβの値、IlastにはInow の値をそれぞれ記憶させて、1回の処理を終了する。そして以上のような処理が所定時間Twait毎に繰り返される。
【0085】
これにより、極端なトルク低下などによって回転条件が大きく変更した場合にも、最適通電位相の探索処理において、モータの脱調や効率の極端な悪化が生じるような通電位相に通電位相設定値が設定されてしまうことを防止することができる。よって、高効率運転の信頼性を高めることが出来る。
【0086】
さらに、通電位相設定手段7における他の処理として、図6のフローチャートに示すような処理がある。この図6に示す処理は、上記で説明した、図4に示す処理と図5に示す処理を組み合わせた処理となっており、初期値を設けることによる効果、およびリミッタを設けることによる効果の両方ともを得ることが出来る処理となっている。以下にこの処理の概略を示す。
【0087】
まず、S91において、所定時間Twaitが経過しているかが判断された後、S92において、回転条件に変更があったかどうかの判断が行われる。変更がなかった場合には(S92においてNO)、後述するS95以降の処理を行う。変更があった場合には(S92においてYES)、S93において、通電位相設定値βを、その回転条件に対応した脱調、および効率の極端な悪化が起こらない通電位相初期値βini に設定する。そして、S94において、通電位相の遅れ位相、進み位相の制限範囲となるリミッタ値βlower 、βupper を設け、回転条件に応じて、脱調や効率の極端な悪化が起こらない範囲となる、遅れ通電位相リミッタ値βlim1、進み通電位相リミッタ値βlim2をそれぞれβlower 、βupper に格納する。その後、後述するS103を実行して一連の処理を終了する。そして、その後の所定時間Twait経過後から、再び最小の電流を探索していくS91からの処理が繰り返して行われる。
【0088】
その後のS95〜S103においては、図5に示す処理のS74〜S82の処理と同様の処理が行われる。
【0089】
前記したように、通電位相によっては、図13に示すように、極端に総合トルクTが減少する通電位相の範囲が存在している。このような通電位相の範囲内でIPMモータ1を運転すると、最悪の場合にはIPMモータ1が脱調してしまうことがある。このような通電位相は回転条件によって異なっているので、回転条件が変化した場合には最適な通電位相も変化することになる。したがって、回転条件が変化する場合には、脱調、効率低下、あるいは電流が最小となる最適通電位相へ収束するのに要する時間が長くなってしまうといった不具合が生じることが考えられる。
【0090】
この点に関して、図4に示す処理においてはS52・S53の処理、図5に示す処理においてはS72・S73・S80・S81の処理、図6に示す処理においては、S92・S93・S94・S101・S102の処理によって、回転条件の変動に伴う最適通電位相の変化に対応することが可能となる。したがって、時々刻々と回転条件が変化するような使用環境においても、脱調や効率悪化を防止することが可能となり、最高効率となる通電位相の制御を確実に、かつ高い信頼性のもとに行うことができる。
【0091】
なお、上記の処理において、初期値βini 、およびリミッタ値βlim1・βlim2は、例えば図3の特性1のグラフに示すような回転条件においては、図3に示すように、それぞれの値を、上記のような最適通電位相探索が可能となるような範囲内で設定すればよい。このような値は、回転条件毎にROM(Read Only Memory)等に通電位相情報をあらかじめ格納しておき、それを呼び出すようにしてもよいし、あるいは計算などで求めてもよい。
【0092】
また、回転条件は、厳密にみれば常に微少変化しているものであるが、微少な変化であれば初期値βini 、およびリミッタ値βlim1・βlim2を変更する必要はない。これは、初期値βini 、およびリミッタ値βlim1・βlim2を頻繁に変更すると、処理時間の増大を招いたり、最適通電位相を探索する処理に支障をきたすことも考えられるからである。よって、実験などによってどれくらいの実験条件の変化で初期値βini 、およびリミッタ値βlim1・βlim2を変更する必要があるかを判定しておき、これをS52・S72・S92における判断基準にしておくことが望ましい。
【0093】
また、回転条件が変わった場合、一旦電源電流が最小となる方向とは逆方向に通電位相が変更されることがありうるが、これは回転条件変更時の1回のみであるので実質問題は少ないし、回転条件が変更された時には前回の通電位相、電流値などを破棄して、通電位相を任意に変更して新たな通電位相制御処理を始めてもよい。
【0094】
なお、本発明は自動最適位相制御を行うとともに、回転条件によって通電位相設定初期値βini 、あるいはリミッタ値βlim1・βlim2を設定するものであり、これらの要件を満たしていれば図4ないし図6のフローチャートの処理のみに限定されるものではない。
【0095】
次に、通電位相検出手段7の通電位相変更量Δβの設定に関して、図7を参照しながら以下に説明する。図7は、ある回転条件における通電位相とその時の電源電流との関係を示すグラフである。
【0096】
図3を参照しながら説明した処理においては、通電位相変更量Δβを一定として処理を行っていたが、本例では通電位相変更量Δβを通電位相変更量に対する電流の変化量に基づき設定するものである。
【0097】
前述しているように、IPMモータ1では回転条件によって時々刻々と最適な通電位相が変化している。最高効率で運転を行うためには、回転条件の変化に伴って通電位相を求める必要があり、高速な応答が求められる。本例に示す処理によって、制御の高速化を確保し、なおかつ高精度化も実現することができる。
【0098】
図7に示すように、本例による処理は、通電位相に対する電流の変化量の割合が大きい時には通電位相変更量Δβを大きく設定し、逆に割合が小さい時には通電位相変更量Δβを小さく設定するものである。この通電位相変更量Δβは、通電位相に対する電流変化の微分値計算を行って求めてもよいし、変化割合にしたがって予め決めておいた変更量に設定してもよいし、通電位相に関わらず電流の変化量のみに基づいて設定してもよい。また、例えば電流の変化が所定量以下の場合には、通電位相の変更は行わない等、段階的に通電位相変更量Δβを変更するなどの処理が付加されていてもよい。
【0099】
これによって、最適通電位相探索が収束する時間を短縮することができるとともに、収束後の通電位相の変動も小さく抑えることができる。したがって、高速でかつ精度のよい通電位相の制御を行うことが可能となる。
【0100】
次に、通電位相検出手段7における電流読み込みタイミングとなる所定時間Twaitの設定に関して以下に説明する。
【0101】
IPMモータ1は、下記に示すような様々な負荷トルクを受けており、それらは変動が全くないことは少なく、周期的な変動を伴っていることが多い。また通常、トルク変動がある場合には、これに伴って変動する回転数を一定に保とうとするため、電流も同様に変動することになる。
【0102】
図8は、X軸にIPMモータ1における回転位相θをとり、Y軸にモータ軸受けなどによる負荷トルクをとった時の変動特性を示したグラフである。図8に示すように、IPMモータ1が1回転する毎に、1回のトルク変動が発生することが多い。
【0103】
図9は、IPMモータ1におけるモータ磁極数とモータコイル数との最小公倍数の周期で発生するモータトルクリプルの特性を示すグラフである。図9に示すように、4極、6コイルモータの場合には、IPMモータ1が1回転する毎に、12回のトルク変動が生じる。
【0104】
図10は、スクロール型コンプレッサおよびローリングピストン型コンプレッサの圧縮サイクルによるトルク変動を示したグラフである。図10に示すように、比較的トルク変動の少ないとされているスクロール型の圧縮機でも周期的にトルク変動が存在している。
【0105】
図11は、モータが組み込まれている機器のトルク変動の一例を示すグラフである。図11に示すように、機器によって様々な周期のトルク変動が発生していることがわかる。
【0106】
ここで、前記したように、本実施形態における通電位相設定手段7では、前回読み込んだ電流値と今回読み込んだ電流値との比較を行っているが、図8ないし図11に示すように大きなトルク変動が存在する場合には、同一のトルク変動位置での電流同士で比較しなければ、誤動作を起こしてしまう。
【0107】
したがって、各トルク変動に同期した電流読み込みタイミングとなる所定時間Twaitを設定し、この所定時間Twaitを制御のサイクルとして処理を行っている。
【0108】
なお、各変動周期の検出は、以下のように行うことができる。まず、図8に示すような、回転に同期したトルク変動、および図9に示すようなトルクリブルはロータ位相検出手段5によって検出することができる。また、図10に示すようなトルク変動は圧力センサなどを利用すればよく、図11に示すようなトルク変動はトルクセンサなどを利用すればよい。
【0109】
また、トルク周期の同じ位置で電流比較を行えばよいので、例えば1周期中に複数回電流読み込みを行い、同位置同士で比較をしてもよい。
【0110】
以上のように所定時間Twaitを設定すれば、読み込まれる電流タイミングは、例えば図8ないし図11において、Tsに示すように常に同じ変動位置となり、正確な比較が実現でき、精度の高い制御が可能となる。
【0111】
さらに、所定時間Twaitの設定に関して、以下に示すようなことを考慮することが好ましい。図12は、通電位相の変更があった時の、IPMモータ1のモータ回転速度の時間変化を示すグラフである。
【0112】
通常、速度制御回路によるモータ回転速度の制御には、制御遅れ時間が存在している。すなわち、回転条件のうちのなんらかの要素が変化するとモータ回転速度が変化するが、その後所定の回転数に収束するまでには、ある程度の時間がかかってしまう。例えば、通電位相を変更してIPMモータ1を運転すると、前記した弱め磁束の影響、発生トルクの増減の影響などによって、モータ回転速度が変化することになる。そして、速度制御回路による制御によってこの変動を抑制するまでには、図12に示すように制御収束時間Tcnt が必要となる。
【0113】
この制御収束時間Tcnt 内においてはモータ回転速度が変動していることになり、これは回転条件が変化していることと同じ事となる。よって、この制御収束時間Tcnt 内において前回の電流値との比較を行っても精度の高い制御を望むことはできない。なお、このような、外乱によるモータ回転速度の変動は、速度制御回路の制御特性が低い場合に特に顕著に表われる。
【0114】
したがって、電流読み込みタイミングを決定する所定時間Twaitを設定する際に、制御収束時間Tcnt を考慮することが好ましい。
【0115】
なお、制御収束時間Tcnt は通電位相変更量Δβなどによって変わってくるが、この制御収束時間Tcnt をある一定値として定めて、所定時間Twaitを設定する際に考慮してもよいし、通電位相変更量Δβによって所定時間Twaitを設定してもよい。または、実際にモータ回転速度情報からモータ回転速度の変動量(収束度)を検出すればより正確に所定時間Twaitを設定することができる。
【0116】
また、制御収束時間Tcnt は、モータ回転速度の変動が所定の範囲内に入っているか否かによって検出すればよい。また、例えばトルク変動等にも考慮して、負荷トルクの変動が大きい時などは、落ち着くまでの時間、すなわち制御収束時間Tcnt を上記のように検出し、この結果に応じて所定時間Twaitを設定してもよい。
【0117】
以上のように所定時間Twaitを設定することにより、常に同じ回転条件での比較が可能となり精度の高い制御が実現できる。
【0118】
なお、以上の一連の説明において、各処理に使用している変数の初期値には適当な値が格納されているものとする。また、上記のような処理を行う構成を、マイコンなどによってソフトウェア的に構成すれば、回路規模を増大させることはない。
【0119】
【発明の効果】
以上のように、発明に係るモータ制御装置は、電機子巻線のインダクタンス変化および電機子電流に伴って発生するリラクタンストルクと、永久磁石の磁束および電機子電流に伴って発生するフレミンクトルクとを併用して利用するモータを駆動するモータ制御装置において、上記モータにおけるロータの回転位相を検出するロータ位相検出手段と、駆動電源における電源電流の電流値を検出する電源電流検出手段と、所定時間毎に通電位相設定値を設定する通電位相設定手段と、上記ロータ位相検出手段で検出された回転位相と、上記通電位相設定手段で設定された通電位相設定値から、上記モータにおけるモータコイルへの通電タイミングを決定し、上記モータにおける各駆動素子ごとに通電信号を分配する通電分配手段とを備え、上記通電位相設定手段は、前回読み込まれた電流値およびその時の通電位相設定値と、今回読み込まれた電流値およびその時の通電位相設定値とをそれぞれ比較し、比較結果に基づいて、通電位相設定値を所定の通電位相変更量だけ増減し、新たな通電位相設定値を設定するとともに、上記所定時間が、モータのトルク変動に同期するように設定されている構成である。
【0120】
これにより、回転条件が変動する場合にも、逐次、最適な通電位相を探索して設定することができる。よって、常に、電源電流が最小となるような最適通電位相によってモータを駆動することができるので、効率が極めて優れたモータの運転を行うことができるという効果を奏する。
【0121】
また、電流値の比較をより的確に行うことが可能となる。よって、最適通電位相の探索をより正確に行うことができるので、モータの運転をさらに高効率で行うことが可能となるという効果を奏する。
【0122】
また、本発明に係るモータ制御装置は、電機子巻線のインダクタンス変化および電機子電流に伴って発生するリラクタンストルクと、永久磁石の磁束および電機子電流に伴って発生するフレミングトルクとを併用して利用するモータを駆動するモータ制御装置において、上記モータにおけるロータの回転位相を検出するロータ位相検出手段と、駆動電源における電源電流の電流値を検出する電源電流検出手段と、所定時間毎に通電位相設定値を設定する通電位相設定手段と、上記ロータ位相検出手段で検出された回転位相と、上記通電位相設定手段で設定された通電位相設定値から、上記モータにおけるモータコイルへの通電タイミングを決定し、上記モータにおける各駆動素子ごとに通電信号を分配する通電 分配手段とを備え、上記通電位相設定手段は、前回読み込まれた電流値およびその時の通電位相設定値と、今回読み込まれた電流値およびその時の通電位相設定値とをそれぞれ比較し、比較結果に基づいて、通電位相設定値を所定の通電位相変更量だけ増減し、新たな通電位相設定値を設定するとともに、通電位相が変更された時にモータの回転速度が変動する場合に、上記所定時間が、このモータの回転速度の変動が収まるまでの制御収束時間以上となるように設定されている構成である。
【0123】
これにより、回転条件が変動する場合にも、逐次、最適な通電位相を探索して設定することができる。よって、常に、電源電流が最小となるような最適通電位相によってモータを駆動することができるので、効率が極めて優れたモータの運転を行うことができるという効果を奏する。
【0124】
また、モータの回転速度の変動によって、最適通電位相の探索に悪影響を及ぼすことが防止される。よって、最適通電位相の探索をより正確に行うことができるので、モータの運転をさらに高効率で行うことが可能となるという効果を奏する。
【0125】
また、本発明に係るモータ制御装置は、上記通電位相設定手段が、回転条件が変更された際に、通電位相設定値を、回転条件に応じて設定される通電位相設定初期値に設定する構成である。
【0126】
これにより、上記の構成による効果に加えて、回転条件が大きく変更した場合にも、通電位相設定値が、その回転条件においてある程度適した通電位相に設定されることになる。よって、回転条件が大幅に変更されても、モータの脱調や極端な効率の低下を防止することが可能となり、モータの高効率運転の信頼性を高めることができるという効果を奏する。
【0127】
また、本発明に係るモータ制御装置は、上記通電位相設定手段が、回転条件に応じて設定されるリミッタ値の範囲内において通電位相設定値を設定する構成である。
【0128】
これにより、上記の構成による効果に加えて、例えば回転条件が大きく変更した場合にも、最適通電位相の探索処理において、モータの脱調や効率の極端な悪化が生じるような通電位相に通電位相設定値が設定されてしまうことを防止することができる。よって、モータの高効率運転の信頼性を高めることができるという効果を奏する。
【0129】
また、本発明に係るモータ制御装置は、上記通電位相設定手段が、通電位相の変更量に対する電源電流の変化量の割合に基づいて、上記通電位相変更量を決定する構成である。
【0130】
これにより、上記の構成による効果に加えて、通電位相設定値を、回転条件によって変動する最適通電位相に高速に設定することが可能となるとともに、通電位相設定値が最適通電位相に収束した後の位相変動も小さく抑えることが可能となる。よって、高速かつ高精度の通電位相制御が可能になるので、モータの運転をさらに高効率で行うことができるという効果を奏する。
【0131】
また、本発明に係るモータ制御装置は、上記通電位相設定手段が、所定時間毎に、今回読み込んだ電流値と前回読み込んだ電流値との比較結果を電流値比較結果として格納するとともに、今回の通電位相設定値と前回の通電位相設定値との比較結果を通電位相比較結果として格納し、この電流値比較結果と通電位相比較結果とに対して排他的論理和演算を行うことによって通電位相変更量の加減符号を決定し、新たな通電位相設定値を設定する構成である。
【0132】
これにより、上記の構成による効果に加えて、複雑な処理をすることなく、最適通電位相の探索を行うことができる。すなわち、簡単でかつ効率的に、モータの最高効率運転を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態に係るモータ制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】 上記モータ制御装置が備えるIPMモータにおけるロータの内部構成を示す断面図である。
【図3】 上記IPMモータにおいて、ある回転条件下での通電位相設定値に対する電源電流の特性を示すグラフである。
【図4】 上記モータ制御装置が備える通電位相設定手段における処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】 上記通電位相設定手段における、他の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】 上記通電位相設定手段における、さらに他の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】 上記IPMモータにおいて、ある回転条件下での通電位相設定値に対する電源電流の特性および通電位相変更量を示すグラフである。
【図8】 X軸にIPMモータにおける回転位相θをとり、Y軸にモータ軸受けなどによる負荷トルクをとった時の変動特性を示したグラフである。
【図9】 IPMモータにおけるモータ磁極数とモータコイル数との最小公倍数の周期で発生するモータトルクリプルの特性を示すグラフである。
【図10】 スクロール型コンプレッサおよびローリングピストン型コンプレッサの圧縮サイクルによるトルク変動を示すグラフである。
【図11】 モータが組み込まれている機器のトルク変動の一例を示すグラフである。
【図12】 通電位相の変更があった時の、IPMモータのモータ回転速度の時間変化を示すグラフである。
【図13】 IPMモータにおける、電機子のコイル巻線へ電流を流すタイミング、すなわち通電位相と、各種トルク値および端子電圧との関係の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 IPMモータ
2 交流電源
3 A/Dコンバータ
4 インバータ回路
5 ロータ位相検出手段
6 電源電流検出手段
7 通電位相設定手段
8 通電分配手段
9 永久磁石
10 鉄心

Claims (6)

  1. 電機子巻線のインダクタンス変化および電機子電流に伴って発生するリラクタンストルクと、永久磁石の磁束および電機子電流に伴って発生するフレミントルクとを併用して利用するモータを駆動するモータ制御装置において、
    上記モータにおけるロータの回転位相を検出するロータ位相検出手段と、
    駆動電源における電源電流の電流値を検出する電源電流検出手段と、
    所定時間毎に通電位相設定値を設定する通電位相設定手段と、
    上記ロータ位相検出手段で検出された回転位相と、上記通電位相設定手段で設定された通電位相設定値から、上記モータにおけるモータコイルへの通電タイミングを決定し、上記モータにおける各駆動素子ごとに通電信号を分配する通電分配手段とを備え、
    上記通電位相設定手段は、前回読み込まれた電流値およびその時の通電位相設定値と、今回読み込まれた電流値およびその時の通電位相設定値とをそれぞれ比較し、比較結果に基づいて、通電位相設定値を所定の通電位相変更量だけ増減し、新たな通電位相設定値を設定するとともに、上記所定時間が、モータのトルク変動に同期するように設定されていることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 電機子巻線のインダクタンス変化および電機子電流に伴って発生するリラクタンストルクと、永久磁石の磁束および電機子電流に伴って発生するフレミングトルクとを併用して利用するモータを駆動するモータ制御装置において、
    上記モータにおけるロータの回転位相を検出するロータ位相検出手段と、
    駆動電源における電源電流の電流値を検出する電源電流検出手段と、
    所定時間毎に通電位相設定値を設定する通電位相設定手段と、
    上記ロータ位相検出手段で検出された回転位相と、上記通電位相設定手段で設定された通電位相設定値から、上記モータにおけるモータコイルへの通電タイミングを決定し、上記モータにおける各駆動素子ごとに通電信号を分配する通電分配手段とを備え、
    上記通電位相設定手段は、前回読み込まれた電流値およびその時の通電位相設定値と、今回読み込まれた電流値およびその時の通電位相設定値とをそれぞれ比較し、比較結果に基づいて、通電位相設定値を所定の通電位相変更量だけ増減し、新たな通電位相設定値を設定するとともに、通電位相が変更された時にモータの回転速度が変動する場合に、上記所定時間が、このモータの回転速度の変動が収まるまでの制御収束時間以上となるように設定されていることを特徴とするモータ制御装置。
  3. 上記通電位相設定手段が、回転条件が変更された際に、通電位相設定値を、回転条件に応じて設定される通電位相設定初期値に設定することを特徴とする請求項1または2記載のモータ制御装置。
  4. 上記通電位相設定手段が、回転条件に応じて設定されるリミッタ値の範囲内において通電位相設定値を設定することを特徴とする請求項1または2記載のモータ制御装置。
  5. 上記通電位相設定手段が、通電位相の変更量に対する電源電流の変化量の割合に基づいて、上記通電位相変更量を決定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のモータ制御装置。
  6. 上記通電位相設定手段が、所定時間毎に、今回読み込んだ電流値と前回読み込んだ電流値との比較結果を電流値比較結果として格納するとともに、今回の通電位相設定値と前回の通電位相設定値との比較結果を通電位相比較結果として格納し、この電流値比較結果と通電位相比較結果とに対して排他的論理和演算を行うことによって通電位相変更量の加減 符号を決定し、新たな通電位相設定値を設定することを特徴とする請求項1または2記載のモータ制御装置。
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