JP4219137B2 - 光配線接続体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の光配線が接続してなる光配線接続体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光技術を利用した光通信や光情報処理、あるいは電子機器、光学機器等の分野が急速に進展しつつあり、各種光通信用デバイスを接続するための技術の開発が大きな課題となっている。例えば、各種光デバイスの高性能化に伴い、光通信用デバイス間の接続が複雑になってきており、そのため、以下のような問題点が生じている。
【0003】
すなわち、光通信用デバイス間の接続が複雑化するに伴い、光通信用デバイス間を接続する光配線を曲げる必要が生じ、この際、光配線を大きな角度で折り曲げたり、半径の小さい円弧状に曲げたりした場合には、光伝送能が低下することとなる。従って、光配線を曲げる際に、例えば、単純に光導波路を折り曲げる場合には、その放射損失等を考慮して微小角度で折り曲げなければならず、光導波路の占有面積が大きくなってしまうこととなる。また、光配線の光伝送能を低下させることなく曲線状に曲げる場合、例えば、S字状に曲げる場合には、その曲率半径の算出に正弦関数を使用する必要がある等、複雑な設計が必要であり、設計の自由度が低かった(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
また、光配線を曲げる場合に、光配線の曲げられた部分の外周部に反射手段を設けたり(例えば、特許文献1参照)、光配線の一部にレンズ効果を有する高屈折領域を設けたり(例えば、特許文献2参照)することが提案されているが、このような光配線においても、複雑な設計が必要であり、設計の自由度も低かった。また、光配線自体を曲げるのではなく、光路のみを屈曲させるために、光配線の端部等に別部品としてミラー、プリズム等を配設する方法等が提案されているが、ミラー等の付加的な光学部品を用いると、その製造工程が煩雑になり、さらには、製造コストや製品価格が高くなるという点で不利であった。
【0005】
さらに、他の光路を屈曲させる方法としては、斜めに研磨するなどして作製した光配線端に空気など、屈折率の大幅に異なる物質を介在させ、その大きな屈折率差を利用して光を全反射させる方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながらこの方法では、導波路と空気との間での大きな屈折率差による全反射を利用するため、大きな屈曲角(たとえば90度)をなす光配線にしか適用できず、任意の屈曲角を形成するという要求に対する自由度が大幅に低かった。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−167032号公報
【特許文献2】
特開平11−167033号公報
【特許文献3】
特開平11−248951号公報
【非特許文献1】
西原浩、春名正光、栖原敏明共著、「光集積回路」、第一版、オーム社、1985年2月、p.263−264
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者は、上記問題点を解決するために鋭意検討を重ね、その結果、屈折率が異なる光配線を複数接続し、このとき、少なくとも一の光配線の他の光配線と接続する側の端面を所定の形状とすることにより、任意の折れ曲がった形状の屈曲部を有する場合でも、光伝送能に優れる光配線接続体とすることができることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明の光配線接続体は、複数の光配線が、光信号を伝送することができるように接続された光配線接続体であって、
上記光配線接続体は、屈曲部を有しており、
互いに接続された上記光配線は、その屈折率が異なり、
上記光配線のうちの少なくとも一の光配線は、他の光配線と接続された側の端面が、光軸と垂直に交わらないことを特徴とする。
【0009】
本発明の光配線接続体は、少なくとも光配線Aと光配線Bとを有し、
上記光配線Aの端面と上記光配線Bの端面とが接続され、
上記光配線Aと上記光配線Bとの接続部で折れ曲がっていることが望ましい。
【0010】
また、上記光配線接続体は、少なくとも光配線Cと光配線Dとを有し、
上記光配線Cの端部の側面と、上記光配線Dの端面とが接続され、
上記光配線Cと上記光配線Dとの接続部で折れ曲がっていることが望ましい。
【0011】
また、上記光配線接続体は、少なくとも光配線Eと光配線Fと光配線Gとを有し、
上記光配線Eの端部の側面と、上記光配線Fの端面とが接続されるとともに、上記光配線Eの光配線Fが接続された側の端面と、上記光配線Gの端面とが接続され、
上記光配線Eと上記光配線Fとの接続部、および、上記光配線Eと上記光配線Gとの接続部で折れ曲がっていることが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の光配線接続体は、複数の光配線が、光信号を伝送することができるように接続された光配線接続体であって、
上記光配線接続体は、屈曲部を有しており、
互いに接続された上記光配線は、その屈折率が異なり、
上記光配線のうちの少なくとも一の光配線は、他の光配線と接続された側の端面が、光軸と垂直に交わらないことを特徴とする。
【0013】
本発明の光配線接続体は、上述したように屈曲部を有するものであるが、上記光配線接続体では、上記屈曲部が、滑らかな曲線状の屈曲部でなく、折れ曲がった屈曲部であっても、光配線接続体に要求される特性、すなわち、優れた光伝送能を有している。
【0014】
さらに、本発明の光配線接続体として、折れ曲がった屈曲部を有する光配線接続体とする場合には、複雑な設計を必要とせず、光伝送能に優れる光配線接続体を容易に設計することができる。加えて、上記光配線接続体を光導波路部品として使用する場合には、そのサイズをコンパクトにすることができる。
【0015】
また、本発明の光配線接続体を利用すると、ミラー等の付加的な光学部品を使用することなく、任意の角度で光信号の光路を屈曲させることができ、従来の電気配線設計に見られたようなピッチ変換、配線長合わせ、合分岐線などの複雑な配線設計を、光配線設計においても簡単に取り込むことができる。
【0016】
上記光配線接続体は、複数の光配線が、光信号を伝送することができるように接続されたものである。
上記光配線とは、紫外線、可視光、赤外線等の光を通し、それにより情報を伝達するためのものであれば特に限定されず、その具体例としては、例えば、光ファイバ、光導波路等が挙げられる。
また、上記光配線は、コアのみからなるものであってもよいし、コアとクラッドとからなるものであってもよい。
上記光配線の材料としては、紫外線、可視光、赤外線等の光を通す材料であれば特に限定されず、無機材料であってもよいし、有機材料であってもよい。
【0017】
上記無機材料としては、例えば、LiNbO3(ニオブ酸リチウム)、YIG(イットリウム鉄ガーネット)等の絶縁体結晶;Si(シリコン)、GaAs(ガリウム砒素)、InP(インジウムリン)等の半導体化合物;石英ガラスやSiO2−B2O3−Na2O等の多成分系ガラス等が挙げられる。
また、上記無機材料としては、例えば、石英ガラスを主成分とするものや、ソーダ石灰ガラス、ホウ硅ガラス等を主成分とする多成分ガラス等も挙げられる。
さらに、上記無機材料としては、石英にGe、P等をドープした感光性を有する無機組成物等も挙げられる。
【0018】
上記有機材料としては、例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、重水素化PMMA、重水素フッ素化PMMA、フッ素化PMMA等の樹脂成分に、必要に応じて、単量体、光重合開始剤、増感剤、溶剤等が配合された感光性組成物;エポキシ樹脂、フッ素化エポキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン樹脂、重水素化シリコーン樹脂等のシリコーン樹脂、ベンゾシクロブテンからなる樹脂等の樹脂成分に、必要に応じて、各種添加剤が配合された樹脂組成物等が挙げられる。
【0019】
また、上記樹脂組成物は、感光性組成物であってもよく、感光性組成物を用いる場合には、上記エポキシ樹脂やオレフィン系樹脂等に感光性を付与し、これらの樹脂に、必要に応じて、単量体、光重合開始剤、増感剤等を配合したものを感光性組成物として用いることができる。
なお、上記エポキシ樹脂や、ポリオレフィン系樹脂等に感光性を付与する方法としては、これらの樹脂の末端や側鎖にアリル基やアクリロイル基を付与する方法等が挙げられる。
【0020】
また、アリル基やアクリロイル基を分子の末端または側鎖にもつポリエン化合物と、ポリチオール化合物と、光重合開始剤と、必要に応じて、各種添加剤や溶剤等とを含むものも感光性組成物として用いることができる。
【0021】
また、上記感光性組成物としては、光を照射することにより硬化反応が進行するものであればよく、例えば、エポキシ樹脂と、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩等の光を照射することによりルイス酸を発生する光開始剤とを含むものも用いることができる。
さらに、ベンゾインアルキルエーテル、アセトフェノン誘導体類、ベンゾフェノンやその誘導体等の光を照射することによりラジカルを生成する光開始剤と、ラジカル重合機構により重合が進行する樹脂成分とを含むものや、塩素化アセトフェノンやその誘導体等の光を照射することにより強酸が遊離する光開始剤と、酸により重合が進行する樹脂成分とを含むものも感光性組成物として用いることができる。
【0022】
なお、本明細書において、感光性組成物には、光の照射により化学反応を起す高分子のみならず、光の照射により、光重合反応が進行する単量体、例えば、(メタ)アクリル酸メチル等も含むものとし、さらには、2種類以上の樹脂成分および/または単量体が、光の照射により化学反応を起し、樹脂複合体を形成するものも含むものとする。
【0023】
また、上記光配線には、樹脂粒子、無機粒子、金属粒子等の粒子が含まれていてもよい。
粒子を配合することにより、光配線同士の間で熱膨張係数の整合をはかることができる。
【0024】
上記樹脂粒子としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部が感光性化された樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との樹脂複合体、感光性樹脂と熱可塑性樹脂との複合体等からなるものが挙げられる。
【0025】
具体的には、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等の熱硬化性樹脂;これらの熱硬化性樹脂の熱硬化基(例えば、エポキシ樹脂におけるエポキシ基)にメタクリル酸やアクリル酸等を反応させ、アクリル基を付与した樹脂;フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルホン(PPS)、ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリフェニルエーテル(PPE)、ポリエーテルイミド(PI)等の熱可塑性樹脂;アクリル樹脂等の感光性樹脂等からなるものが挙げられる。
また、上記熱硬化性樹脂と上記熱可塑性樹脂との樹脂複合体や、上記アクリル基を付与した樹脂や上記感光性樹脂と上記熱可塑性樹脂との樹脂複合体からなるものを用いることもできる。
また、上記樹脂粒子としては、ゴムからなる樹脂粒子を用いることもできる。
【0026】
また、上記無機粒子としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等のカルシウム化合物、炭酸カリウム等のカリウム化合物、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム等のマグネシウム化合物、シリカ、ゼオライト等のケイ素化合物等からなるものが挙げられる。
また、上記無機粒子として、リンやリン化合物からなるものを用いることもできる。
【0027】
上記金属粒子としては、例えば、金、銀、銅、パラジウム、ニッケル、白金、鉄、亜鉛、鉛、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム等からなるものが挙げられる。
これらの樹脂粒子、無機粒子および金属粒子は、単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
【0028】
また、上記粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、楕円球状、破砕状、多面体状等が挙げられる。これらのなかでは、球状、または、楕円球状が望ましい。球状や楕円球状の粒子には角がないため、光配線にクラック等が発生しにくいからである。
【0029】
また、上記粒子の粒径は、通信波長より短いことが望ましい。粒径が通信波長より長いと光信号の伝送を阻害することがあるからである。
なお、本明細書において、粒子の粒径とは、粒子の一番長い部分の長さをいう。
【0030】
上記光配線に粒子が含まれる場合、その配合量の下限は、硬化後の配合量で10重量%であることが望ましく、20重量%であることがより望ましい。また、上記配合量の上限は、80重量%であることが望ましく、70重量%であることがより望ましい。粒子の配合量が10重量%未満であると、粒子を配合させる効果があまり得られないことがあり、一方、粒子の配合量が80重量%を超えると、光信号の伝送が阻害されることがあるからである。
【0031】
また、上記光配線の他の光配線と結合する部分の形状は特に限定されず、平坦化処理が施されていてもよいし、特に平坦化処理が施されていなくてもよい。また、JIS B 0601に基づく面粗度Raが、0.1μm以上であってもよい。
また、上記光配線の形状は特に限定されず、直線状であってもよいし、曲線状であってもよい。
また、上記光配線の形状は、円柱状、四角柱状等、光軸に垂直な方向に、任意の位置で切断した断面形状が全て同一の形状であってもよいし、テーパー型、紡錘型等、光軸に垂直な方向に、任意の位置で切断した断面形状のそれぞれが異なる形状であってもよい。
【0032】
以下、本発明の光配線接続体の具体的な実施形態について説明する。
上記光配線接続体の実施形態の一例としては、例えば、少なくとも光配線Aと光配線Bとを有し、上記光配線Aの端面と上記光配線Bの端面とが接続され、上記光配線Aと上記光配線Bとの接続部で折れ曲がった形態(以下、第一の実施形態ともいう)が挙げられる。
図1は、本発明の光配線接続体の一例を模式的に示す断面図である。なお、通常、光配線とはコアとクラッドとからなるものであるが、図1においては、光配線のコアのみを図示している。
【0033】
図1に示す光配線接続体100は、光配線101と光配線102とからなるものであり、光配線101の端面101aと、光配線102の端面102aとが接続されている。
ここでは、光配線101が上記光配線Aに該当し、光配線102が上記光配線Bに該当することとなる。
【0034】
また、光配線接続体100では、光配線101の屈折率(n11)と光配線102の屈折率(n12)とが異なり、光配線101の光配線102と接続した側の端面101aは、光軸(図中、太線矢印で示す)とのなす角α1が90°ではない。なお、図1に示すα2も光軸と端面とのなす角と考えることができるが、本明細書において光軸と端面とのなす角とは、90°よりも小さい角、すなわち、図1に示すα1のみをいうこととする。
また、光配線接続体100は、光配線101と光配線102とのなす角θ1が、下記式(1)の関係を満足している。
なお、本明細書において、2本の光配線のなす角とは、一の光配線の光軸と他の光配線の光軸とのなす角をいう。
【0035】
sin(90−α1)=(n12/n11)×sin(90−α1−θ1)・・・(1)
【0036】
上記式(1)は、スネルの法則に基づいて算出することができるものであり、通常、屈折率の異なる2本の光配線が、一直線上に接続されている場合には、光配線同士の界面での屈折に起因して、光信号を伝送した際に、大きな伝送損失が発生することとなるのであるが、屈折率の異なる2本の光配線が、上記式(1)を満足するように接続されている場合には、接続部での屈折に起因した光伝送能の低下が発生しない。従って、第一の実施形態の光配線接続体では、上記式(1)を満足していることが望ましい。また、光配線A、Bの屈折率の大小によっては、後述する式(1′)を満足していることも望ましい。
【0037】
このような光配線接続体100は、光配線101と光配線102との接続部で折れ曲がった形態を有しているにもかかわらず、確実に光信号を伝送することができる。
また、図1に示した光配線接続体100では、n11<n12、すなわち、「光配線Aの屈折率」<「光配線Bの屈折率」であるが、第一の実施形態の光配線接続体における光配線Aおよび光配線Bの屈折率の大小関係は、「光配線Aの屈折率」>「光配線Bの屈折率」であってもよく、このとき、光配線Bは図1に示した方向とは逆側に折れ曲がることとなる。すなわち、図1に示す光配線接続体100では、光配線102が光配線101の光軸を基準に図中下側に折れ曲がっているのに対し、「光配線Aの屈折率」>「光配線Bの屈折率」の場合には、光配線Bが、光配線Aの光軸を基準に逆側に折れ曲がることとなる。
この場合、光配線接続体は下記式(1′)の関係を満たすことにより光配線Aと光配線Bとの間で確実に光信号を伝送することができる。
【0038】
sin(90−α1)=(n12/n11)×sin(90−α1−(−θ1))=(n12/n11)×sin(90−α1+θ1)・・・(1′)
【0039】
なお、上記式(1′)を満足する場合、すなわち、光配線Bが光配線Aの光軸を基準に、図1に示した方向とは逆側に折れ曲がる場合には、光配線Aと光配線Bとのなす角は負の値をとることとなり、これを上記式(1′)では、(−θ1)と示すこととする。
【0040】
このように、第一の実施形態の光配線接続体が上記式(1)や式(1′)を満足する場合には、光配線101の屈折率(n11)、光配線102の屈折率(n12)、および、光配線101の端面101aが光軸となす角α1の組み合わせによって、光配線101と光配線102とのなす角θ1(以下、折れ曲がり角θ1ともいう)を任意に選択することができる。
以下、その具体例について、図9、および、図10に示したグラフを参照しながら説明する。
図9は、光配線102の屈折率(n12)と、光配線101と光配線102とのなす角θ1との関係を示すグラフである。図9に示すグラフでは、光配線101の屈折率(n11)を、n11=1.48に固定し、光配線101の端面101aが光軸となす角α1を40°、45°、50°とした場合における、上記光配線102の屈折率(n12)と上記折れ曲がり角θ1とをそれぞれ、横軸と縦軸とにプロットしている。
【0041】
図9に示すグラフより明らかなように、光配線101の屈折率(n11)を1.48に固定し、光配線101の端面101aが光軸となす角α1を40°とした場合には、光配線102の屈折率(n12)を1.4〜1.6の間で選択することにより、折れ曲がり角θ1を−4.08°〜4.88°の間で選択することができる。また、上記角α1を45°とした場合には、光配線102の屈折率(n12)を1.4〜1.6の間で選択することにより、折れ曲がり角θ1を−3.38°〜4.15°の間で選択することができ、上記角α1を50°とした場合には、光配線102の屈折率(n12)を1.4〜1.6の間で選択することにより、折れ曲がり角θ1を−2.81°〜3.52°の間で選択することができる。
【0042】
なお、上記折れ曲がり角θ1が正の値をとるのは、n11<n12で、上記式(1)を満足する場合であり、上記折れ曲がり角θ1が負の値をとるのは、n11>n12で、上記式(1′)を満足する場合である。
【0043】
ここでは、光配線102の屈折率(n12)を選択することにより、光配線101と光配線102とのなす角θ1(折れ曲がり角θ1)を選択することができることを明らかとしたが、上述したように、光配線101の端面101aが光軸となす角α1を選択することによっても、光配線101と光配線102とのなす角θ1(折れ曲がり角θ1)を選択することができる。
【0044】
図10は、光配線101の端面101aが光軸となす角α1と、光配線101と光配線102とのなす角θ1との関係を示すグラフである。なお、図10に示すグラフでは、光配線101の屈折率(n11)を、n11=1.48に固定し、光配線102の屈折率(n12)をn12=1.4、1.5、1.6とした場合における、上記角α1と上記折れ曲がり角θ1とをそれぞれ、横軸と縦軸とにプロットしている。
【0045】
図10に示すグラフより明らかなように、光配線101の屈折率(n11)を1.48に固定し、光配線102の屈折率(n12)をn12=1.4とした場合には、光配線101の端面101aが光軸となす角α1を18.9°〜45°の間で選択することにより、折れ曲がり角θ1を−18.5°〜−3.4°の間で選択することができる。なお、この場合において、上記角α1が18.9°より小さい場合には、光配線101の光軸と光配線101の端面101aの法線とのなす角が、この端面101aの臨界角よりも大きくなるため、光配線101と光配線102とを介した光信号の伝送が困難となる。
【0046】
また、上記n12=1.5とした場合には、光配線101の端面101aが光軸となす角α1を15°〜45°の間で選択することにより、折れ曲がり角θ1を0.76°〜2.63°の間で選択することができ、上記n12=1.6とした場合には、光配線101の端面101aが光軸となす角α1を15°〜45°の間で選択することにより、折れ曲がり角θ1を4.15°〜11.7°の間で選択することができる。
このように、光配線101の端面101aが光軸となす角α1を選択することによっても、光配線101と光配線102とのなす角θ1(折れ曲がり角θ1)を選択することができる。
【0047】
この図10に示した場合も、図9に示した場合と同様、上記折れ曲がり角θ1が正の値をとるのは、n11<n12で、上記式(1)を満足する場合であり、上記折れ曲がり角θ1が負の値をとるのは、n11>n12で、上記式(1′)を満足する場合である。
【0048】
図9、10のグラフに示した例では、光配線101の屈折率(n11)を固定していたが、光配線101の屈折率(n11)を選択した場合にも、同様に、光配線101と光配線102とのなす角θ1(折れ曲がり角θ1)を選択することができる。
【0049】
なお、「光配線Aの屈折率」>「光配線Bの屈折率」で、光配線Aの光軸と光配線Aの端面の法線とのなす角が、該端面の臨界角よりも大きい場合には、光配線Aと光配線Bとの間で光信号の伝送を行うことができなくなるため、(90−α1)の値は、光配線Aの端面の臨界角よりも小さいことが必要である。
【0050】
このように、第一の実施形態の光配線接続体では、光配線101および光配線102の屈折率、光配線101の端面101aが光軸となす角、ならびに、光配線101と光配線102とのなす角等を適宜選択することにより、所望の折れ曲がり角度を有する光配線接続体とすることができる。
【0051】
第一の実施形態の光配線接続体において、光配線101と光配線102とのなす角θ1の大きさの絶対値は特に限定されないが、その下限は、0.1°が望ましく、0.5°がより望ましい。一方、上記角θ1の上限は、10°が望ましく、7°がより望ましい。上記角θ1が、0.1°未満では、屈折率の異なる光配線同士を接続する効果をほとんど得ることができず、上記角θ1が、10°を超えると、光配線101と光配線102との界面での光信号の反射量が大きくなりすぎることがあるからである。
なお、第一の実施形態の光配線接続体の設計において、上記角θ1が上記範囲を満足するように設計するには、上述したように、光配線101の屈折率(n11)、光配線102の屈折率(n12)、および、光配線101の端面が光軸となす角α1のうちの少なくとも一つを調節すればよい。
【0052】
なお、上記光配線接続体において、光配線Aと光配線Bとの接続部で折れ曲がっているとは、光配線Aの光軸と光配線Bの光軸とが平行でないことをいう。
【0053】
上記光配線接続体の実施形態の別の一例としては、例えば、少なくとも光配線Cと光配線Dとを有し、上記光配線Cの端部の側面と上記光配線Dの端面とが接続され、上記光配線Cと上記光配線Dとの接続部で折れ曲がっている形態(以下、第二の実施形態ともいう)が挙げられる。
図2は、本発明の光配線接続体の一例を模式的に示す断面図である。なお、通常、光配線とはコアとクラッドとからなるものであるが、図2においては、光配線のコアのみを図示している。
【0054】
図2に示す光配線接続体200は、光配線201と光配線202とからなるものであり、光配線201の端部201aの側面201bと、光配線202の端面202aとが接続されている。
ここでは、光配線201が上記光配線Cに該当し、光配線202が上記光配線Dに該当することとなる。
なお、本明細書において、光配線の端部の側面とは、光配線の端部の近傍の側面を意味する。また、必ずしもコア自身の側面には限定されず、特定の材料よりなるクラッド、被覆等がコア周囲に存在する場合は、クラッド、被覆等を介した部分であってもよい。
【0055】
また、光配線接続体200では、光配線201の屈折率(n21)と光配線202の屈折率(n22)とが異なり、光配線201の光配線202と接続した側の端面は光軸(図中、太線矢印で示す)とのなす角α21が90°ではない。
【0056】
また、光配線接続体200では、光信号は、光配線201の端面201aでの反射を介して、光配線201と光配線202との間で伝送されることとなる。
従って、光配線201の屈折率(n21)と光配線201の端面201aと接する媒体の屈折率(n23)との大小関係は、n21>n23であることが望ましく、さらには、光配線201の端面201aの法線と、光配線201の光軸とのなす角(90−α21)は、臨界角に近いことが望ましい。臨界角に近いと、光配線201と光配線202との間でより確実に光信号が伝送されることとなるからである。
なお、上記臨界角は、光配線201の屈折率n21と、光配線201の端面201aと接する媒体の屈折率n23とから、下記式(2)を用いることにより容易に算出することができる。なお、下記式(2)中、θが臨界角である。
【0057】
sinθ=(n23/n21)・・・(2)
【0058】
また、光配線接続体200では、屈折率の異なる光配線201と光配線202とが接続されているため、光配線201の端面201aで反射して光配線202に伝送される光信号は、光配線201と光配線202との界面で屈折することとなる。従って、第二の実施形態の光配線接続体では、光配線201側から伝送され、光配線201の端面で反射した光(以下、第二の実施形態の光配線接続体の説明においては、単に反射光という)の光軸と光配線202の光軸とは一直線上にないことが望ましい。
具体的には、「光配線201の屈折率n21」>「光配線202の屈折率n22」の場合には、図2に示した光配線接続体200のように反射光の光軸と光配線202の光軸とのなす角θ2が、下記式(3)の関係を満足することが望ましい。
【0059】
sin(90−α22)=(n21/n22)×sin(90−α22−θ2)・・・(3)
【0060】
なお、式中α22は、光配線202の端面202aと光軸とのなす角である。
また、屈折率n21<屈折率n22の場合には、光配線202は図2に示した方向とは逆側に折れ曲がることとなる。すなわち、図2に示す光配線接続体200では、光配線202が光配線201の反射光の光軸を基準に、図中右側に折れ曲がっているのに対し、「光配線Cの屈折率」<「光配線Dの屈折率」の場合には、光配線Dは、光配線Cの反射光の光軸を基準に逆側に折れ曲がることとなる。この場合、反射光の光軸と光配線202の光軸とのなす角θ2が、下記式(3′)の関係を満足することが望ましい。
【0061】
sin(90−α22)=(n21/n22)×sin(90−α22−(−θ2))=(n21/n22)×sin(90−α22+θ2)・・・(3′)
【0062】
なお、上記式(3′)を満足する場合、すなわち、光配線Dが光配線Cの光軸を基準に、図1に示した方向とは逆側に折れ曲がる場合には、光配線Cと光配線Dとのなす角は負の値をとることとなり、これを上記式(3′)では、(−θ2)と示すこととする。
【0063】
このような光配線接続体200は、光配線201および光配線202の接続部で折れ曲がった形態を有しているにもかかわらず、確実に光信号を伝送することができる。
【0064】
第二の実施形態の光配線接続体では、光配線201および光配線202の屈折率、光配線201の端面201aが光軸となす角、光配線202の端面202aが光軸となす角等を適宜選択することにより所望の折れ曲がり角度を有する光配線接続体とすることができる。
【0065】
また、第二の実施形態の光配線接続体においては、光配線201の端面で光信号が反射することとなるため、光配線接続体200における光配線201の端面201aの法線と光配線201の光軸とのなす角(90−α21)の大きさは、光配線201の端面における臨界角と同じか、これよりも大きいことが望ましく、上記臨界角よりも2〜3°程度大きいことがより望ましい。上記角(90−α21)の大きさが、臨界角よりも2〜3°程度大きい場合には、製造時に設計から若干のバラツキが生じたとしても、得られた光配線接続体では、光配線201の端面201aにおいて、光信号がより確実に反射されることとなるからである。
【0066】
なお、上記光配線接続体において、光配線Cと光配線Dとの接続部で折れ曲がっているとは、光配線Cの光軸と光配線Dの光軸とが平行でないことをいう。
【0067】
上記光配線接続体の実施形態のさらに別の一例としては、例えば、少なくとも光配線Eと光配線Fと光配線Gとを有し、上記光配線Eの端部の側面と上記光配線Fの端面とが接続されるとともに、上記光配線Eの光配線Fが接続された側の端面と、上記光配線Gの端面とが接続され、上記光配線Eと上記Fとの接続部、および、上記光配線Eと上記光配線Gとの接続部で折れ曲がっている形態(以下、第三の実施形態ともいう)が挙げられる。
図3は、本発明の光配線接続体の一例を模式的に示す断面図である。なお、通常、光配線とはコアとクラッドとからなるものであるが、図3においては、光配線のコアのみを図示している。
【0068】
図3に示す光配線接続体300は、光配線301と光配線302と光配線303とからなるものであり、光配線301の端部301aの側面301bと、光配線302の端面302aとが接続されるとともに、光配線301の光配線302が接続された側の端面301aと、光配線303の端面303aとが接続されている。
ここでは、光配線301が上記光配線Eに該当し、光配線302が上記光配線Fに該当し、光配線303が上記光配線Gに該当することとなる。
【0069】
また、光配線接続体300では、光配線301の屈折率(n31)と光配線302の屈折率(n32)とが異なり、光配線301の光配線302と接続した側の端面301aは光軸(図中、太線矢印で示す)とのなす角α31が90°ではなく、さらに、光配線301の屈折率と光配線303の屈折率(n33)とが異なる。
【0070】
また、光配線接続体300では、光配線301と光配線303とのなす角θ31が所定の関係を満足している。具体的には、第一の実施形態の光配線接続体100の光配線101と光配線102とのなす角θ1が満足している上記式(1′)で表される関係と同様の関係を満足している。
なお、図3に示した光配線接続体300では、「光配線301の屈折率n31」>「光配線303の屈折率n33」である。
この理由は以下の通りである。
【0071】
既に、第二の実施形態の光配線接続体を説明する際にも同様の趣旨を述べたように、光配線301の端面301aでの光の反射を介して光配線301と光導波路302との間で光信号の伝送を行う場合には、光配線301の屈折率(n31)と光配線301の端面301aと接する媒体(光配線303)の屈折率(n33)との大小関係は、n31>n33であることが望ましく、さらには、光配線301の端面301aの法線と、光配線301の光軸とのなす角(90−α31)は、臨界角に近いことが望ましいからである。なお、上記(90−α31)の角度が、臨界角に近い程、光配線301と光配線302との間でより確実に光信号が伝送されることとなる。
【0072】
なお、光配線接続体300では、光配線301と光配線302との間で光信号の伝送を行うとともに、光配線301と光配線303との間でも光信号の伝送を行うため、必ずしも光配線301の端面301aの法線と、光配線301の光軸とのなす角(90−α31)は、臨界角に近ければ近い程望ましいというわけではなく、上記(90−α31)の角度は、光配線301と光配線302との間で光伝送能、および、光配線301と光配線303との間で光伝送能を考慮して適宜選択すればよい。
【0073】
また、光配線接続体300では、屈折率の異なる光配線301と光配線302とが接続されているため、光配線301の端面301aで反射して光配線302に伝送される光信号は、光配線301と光配線302との界面で屈折することとなる。従って、第三の実施形態の光配線接続体では、光配線301側から伝送され、光配線301の端面で反射した光(以下、第三の実施形態の光配線接続体の説明においては、単に反射光という)の光軸と光配線302の光軸とは一直線上にないことが望ましく、反射光の光軸と光配線302の光軸とのなす角θ32が、所定の関係を満足していることが望ましい。
具体的には、第二の実施形態の光配線接続体200において、反射光の光軸と光配線202の光軸とのなす角θ2が満足している上記式(3)または(3′)で表される関係と同様の関係を満足していることが望ましい。
【0074】
このような光配線接続体300は、光配線301と光配線302との接続部、および、光配線301と光配線303との接続部で折れ曲がった形態を有しているにもかかわらず、光配線301と光配線302との間で光信号の伝送を行うことができるとともに、光配線301と光配線303との間で光信号の伝送を行うことができる。従って、第三の実施形態の光配線接続体は、光カップラ(光分岐結合器)として機能することができる。
【0075】
第三の実施形態の光配線接続体では、光配線301、光配線302および光配線303の屈折率、光配線301の端面301aが軸となす角、光配線302の端面302aが光軸となす角等を適宜選択することにより所望の折れ曲がり角度を有する光配線接続体とすることができる。
【0076】
また、第三の実施形態の光配線接続体において、光配線301と光配線303とのなす角θ31の大きさの絶対値は特に限定されないが、その下限は、7°が望ましく、10°がより望ましい。一方、上記角θ31の上限は、光配線301の端面301aにおける臨界角より7°小さいことが望ましく、上記臨界角より10°小さいことがより望ましい。上記角θ31が、7°未満では、光配線301の端面301aにおいて、光信号があまり反射せず、光配線301と光配線302との間で光信号を充分に伝送することができないことがあり、一方、上記角θ31が、上記臨界角より7°小さい角度より大きい場合には、光配線301の端面301aにおいて、光信号のほとんどが反射してしまい、光配線301と光配線303との間で光信号を充分に伝送することができないことがあるからである。
なお、第三の実施形態の光配線接続体の設計において、上記角θ31が上記範囲を満足するように設計するには、光配線301の屈折率(n31)、光配線302の屈折率(n32)、光配線303の屈折率(n33)、および、光配線301の端面が光軸となす角α31のうちの少なくとも一つを調節すればよい。
【0077】
なお、上記光配線接続体において、光配線Eと光配線Fとの接続部で折れ曲がっているとは、光配線Eの光軸と光配線Fの光軸とが平行でないことをいい、上記光配線接続体において、光配線Eと光配線Gとの接続部で折れ曲がっているとは、光配線Eの光軸と光配線Gの光軸とが平行でないことをいう。
【0078】
なお、第一〜第三の実施形態の光配線接続体は、2本または3本の光配線が接続されたものであるが、本発明の光配線接続体の実施形態は、このような形態に限定されるわけではなく、3本以上の光配線が接続されたものであってもよいし、実施形態の光配線接続体に光配線以外の個別な部品、すなわち。レンズ、ミラー、プリズム、フィルター、発光素子、受光素子などに代表される光学部品が接続されていてもよい。
また、本発明の光配線接続体は、第一〜第三の実施形態の光配線接続体を任意に組み合わせたものであってもよい。
【0079】
また、光カップラとして用いることができる本発明の光配線接続体の実施形態は、図3に示した実施形態に限定されるわけではなく、図7、8に示すような実施形態であってもよい。
図7および図8は、それぞれ本発明の光配線接続体の実施形態を模式的に示す断面図である。なお、通常、光配線とは、コアとクラッドとからなるものであるが、図7、8においては、光配線のコアのみを図示している。
【0080】
図7に示す光配線接続体400は、光配線401と光配線402と光配線403とからなるものであり、光配線401の端面の一部401aと、光配線402の端面402aとが接続されるとともに、光配線401の端面の別の一部401bと、光配線403の端面403aとが接続されている。また、この光配線接続体400は、図7に示すとおり、光配線401と光配線402との接続部および光配線401と光配線403との接続部で折れ曲がった形態を有している。
なお、光配線400において、光配線401と光配線402との接続部で折れ曲がっているとは、光配線401の光軸と光配線402の光軸とが平行でないことをいい、光配線401と光配線403との接続部で折れ曲がっているとは、光配線401の光軸と光配線403の光軸とが平行でないことをいう。
【0081】
また、光配線接続体400では、光配線401の屈折率と光配線402の屈折率とが異なり、光配線401の光配線402と接続する端面は、光軸(図中、太線矢印で示す)とのなす角が垂直でなく、さらに、光配線401の屈折率と光配線403の屈折率とが異なり、光配線401の光配線403と接続する端面は、光軸(図中、太線矢印で示す)とのなす角も垂直でない。
なお、光配線接続体400を構成するそれぞれの光配線の屈折率は、光配線401の屈折率<光配線402の屈折率、かつ、光配線401の屈折率<光配線403の屈折率の関係を有している。ここで、光配線402と光配線403は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0082】
図8に示す光配線接続体500は、光配線501と光配線502と光配線503とからなるものであり、光配線501の端面の一部501aと、光配線502の端面502aとが接続されるとともに、光配線501の端面の別の一部501bと、光配線503の端面503aとが接続されている。また、この光配線接続体500は、図8に示すとおり、光配線501との光配線502との接続部および光配線501と光配線503との接続部で折れ曲がった形態を有している。
なお、光配線500において、光配線501と光配線502との接続部で折れ曲がっているとは、光配線501の光軸と光配線502の光軸とが平行でないことをいい、光配線501と光配線503との接続部で折れ曲がっているとは、光配線501の光軸と光配線503の光軸とが平行でないことをいう。
【0083】
また、光配線接続体500では、光配線501の屈折率と光配線502の屈折率とが異なり、光配線501の光配線502と接続する端面は、光軸(図中、太線矢印で示す)とのなす角が垂直でなく、さらに、光配線501の屈折率と光配線503の屈折率とが異なり、光配線501の光配線503と接続する端面は、光軸(図中、太線矢印で示す)とのなす角も垂直でない。
なお、光配線接続体500を構成するそれぞれの光配線の屈折率は、光配線501の屈折率>光配線502の屈折率、かつ、光配線501の屈折率>光配線503の屈折率の関係を有している。ここで、光配線502と光配線503は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0084】
なお、光配線接続体400と光配線接続体500との実施形態の違いは、図7および図8から明らかなように、光配線401と光配線501とのそれぞれの端面の形状にある。
すなわち、光配線接続体400では、光配線401側と反対側に突出するような形状の端面(401a、401b)が形成されているのに対し、光配線接続体500では、光配線501側に凹むような形状の端面(501a、501b)が形成されている。
【0085】
このような光配線接続体400、500は、上述したように光カップラとして用いることができる。
なお、光配線接続体400において、光配線402の屈折率と光配線403の屈折率とが同一であり、さらに、端面401aが光軸となす角度と端面401bが光軸となす角度とが同一である場合には、光配線接続体400は、光信号をその強度が1:1になるように分岐することができる。さらに、光配線接続体500においても同様に、光配線502の屈折率と光配線503の屈折率とが同一であり、さらに、端面501aが光軸となす角度と端面501bが光軸となす角度とが同一である場合には、光配線接続体500は、光信号をその強度が1:1になるように分岐することができる。
【0086】
また、ここまで、図面を参照しながら説明した光配線接続体は、光配線同士の接続部で折れ曲がった形状の屈曲部を有するものであったが、本発明の光配線接続体は、場合によっては、滑らかな曲線状の屈曲部を有するものであってもよい。具体例としては、例えば、屈折率nhの光配線Hと、屈折率niの光配線Iとが曲線状の光配線Jを介して接続され、光配線Jの屈折率が、光配線H側から光配線Iに向かってnhからniへと傾斜的に変化する形態の光配線接続体等が挙げられる。
このような形態の光配線接続体もまた、屈折率の異なる光配線が接続されたものであるが、光信号を確実に伝送することができる。
なお、上述した曲線状の屈曲部を有する光配線接続体では、光配線Hおよび/または光配線Iの光配線Jと接続された側の端面が、光軸と垂直に交わらない。
【0087】
次に、本発明の光配線接続体の製造方法について説明する。
本発明の光配線接続体の製造方法は特に限定されず、例えば、光導波路の自己形成方法を利用する方法を用いることができる。
以下、この方法について図面を参照しながら説明する。なお、ここでは、第一の実施形態の光配線接続体を製造する方法を例に説明する。
【0088】
図4(a)〜(c)は、本発明の光配線接続体を製造する方法の一例を説明するための模式図である。なお、通常、光配線とは、コアとクラッドとからなるものであるが、図4においては、光配線のコアのみを示している。
この製造方法では、まず、光配線接続体を構成する光配線のうちの一の光配線(光配線A)を出発材料とする。
上記光配線Aの具体例としては、上述したように、例えば、光ファイバや光導波路等が挙げられ、この光配線Aは、光配線Bと接続されることとなる端面の形状が光軸と垂直に交わらない形状となるように処理を施しておく。
また、ここで用いる光配線Aは、図4に示すように、コアのみからなるものであってもよいし、コアとクラッドとからなるものであってもよい。また、コアまたはクラッドの外周部に被覆などが存在していてもよい。
【0089】
上記光配線が光ファイバである場合、その端面を上記した形状にする方法としては、例えば、研磨処理等を用いることができる。
また、上記光配線が光導波路である場合、その端面を上記した形状にする方法としては、例えば、研磨処理や、レーザやダイシングブレード等による切削加工等を用いることができる。また、光導波路を作製する際に、上記した形状の端面を有するように光導波路を作製してもよい。
【0090】
次に、上述した感光性組成物中に、少なくとも光配線Aの処理した端面が浸漬されるように、上記光配線を配置し、上記光配線を介して上記感光性組成物中に光を照射することにより、光の経路に応じたコア層を形成し、光配線Aに接続された他の光配線(光配線B)とする。
【0091】
具体的には、まず、感光性組成物1を光配線Aの処理した端面を包み込むように塗り付けたり(図4(a)参照)、感光性組成物を容器に入れ、ここに、光配線Aの処理した端面側を浸漬したりする。なお、図4中、2が光配線Aであり、2aが光配線Aの端面である。
【0092】
また、本発明の光配線接続体は、屈折率の異なる光配線が接続されたものであり、上述したように、接続される光配線の屈折率と、一の光配線の端面の光軸とのなす角と、光配線同士のなす角とが、所定の関係を満足するものであることが望ましい。
従って、この光導波路の自己形成方法を利用した製造方法により光配線接続体を製造する場合には、硬化後に所望の屈折率となる感光性組成物を選択して使用すればよいが、これ以外の感光性組成物であっても、その屈折率を調整することにより使用することができる。
なお、感光性組成物の屈折率を調整する場合、硬化後の屈折率が所望の値になるとともに、硬化前の屈折率が所望の値になるように調整することが望ましい。
【0093】
一般に、高分子の屈折率は、分子屈折と分子容との比(以下、(分子屈折)/(分子容)と示す)が大きければ大きくなるため、分子屈折および/または分子容を調整することにより、高分子の屈折率を調整することができる。
【0094】
具体的には、分子屈折(高分子の折り返し単位を構成する個々の基の原子屈折の総和)を調整する場合には、例えば、塩素、イオウ等の分極率の大きな基を導入すると原子屈折が上がるため、分子屈折を大きくすることができる。
また、二重結合基や芳香族環基を導入し、分子の対称性を下げた場合にも分極率が大きくなり、原子屈折が上がるため、分子屈折を大きくすることができる。
【0095】
また、密度を調整する場合には、例えば、架橋点間分子量を小さくすることにより密度を大きくすることができる。
また、例えば、フッ素は分極率に比してその体積が大きいため、フッ素を含む基を導入することによっても密度を大きくすることができる。
【0096】
また、上記光配線Aの処理が施された端面は、上述したように、平坦化処理が施されていてもよいし、特に平坦化処理が施されていなくてもよく、その端面の面粗度Raは、0.1μm以上であってもよい。
従って、上記端面は、任意の切断方法(例えば、ニッパ等の切断器具で切断する等)で所定の角度に切断しただけであってもよい。
【0097】
この製造方法では、上述したように、光配線Aの一端を包み込むように感光性組成物を塗布したり等した後、光配線Aを介して感光性組成物1中に光を照射する(図4(b)参照)
このように光配線Aを介して光を照射することにより、感光性組成物1が、光の経路に応じて、光配線A側から硬化しはじめ、光配線Aと結合した光導波路(光配線B)が形成されることとなる(図4(c)参照)。なお、図4中、4が光配線Bである。
また、図4(c)に示す光配線Bは、コアのみからなるものであり、この状態では、コアからなる光配線Bの周囲の未硬化の感光性組成物がクラッドとしての役割を果たすことができるため、光信号を伝送することができる。
なお、後述するように、コアからなる光配線Bの周囲の未硬化の感光性組成物を硬化してコアとクラッドとからなる光配線Bとしてもよい。
【0098】
このような光配線接続体の製造方法では、照射した光の経路に応じて、光配線A側から序々に光配線Bが形成されていくこととなる。
従って、この製造方法で用いる感光性組成物は、硬化後に、その屈折率が硬化前よりも高くなるものであることが望ましい。硬化後に屈折率が高くなることにより、光配線Aを介して照射した光が形成された光配線Bに閉じ込められつつ、該光配線Bの先端から集中的に照射されることとなり、光の経路に応じた光導波路(光配線B)をより確実に形成することができるからである。
【0099】
また、この製造方法において、感光性組成物を硬化させる際に照射する光としては特に限定されず、感光性組成物の組成を考慮して適宜選択すればよく、例えば、波長200〜500nmの紫外線等を用いることができる。
また、このような波長の光を照射する光源としては、例えば、高圧水銀ランプ等を用いることができる。また、メタルハライドランプやキセノンランプ、レーザ等も使用することができる。
また、この製造方法において、光配線Aを介して光を照射する際には、通常、光配線Aの感光性組成物に浸漬した側と反対側の端部から光を導入することとなるが、場合によっては、光配線Aの側面から光を導入してもよい。光配線Aの形状等によっては、光配線Aの側面から光を導入したほうが、効率よく光を導入することができる場合があるからである。
【0100】
このような工程を経ることにより、光配線Aと光配線B(光導波路)とが結合した光配線接続体を製造することができる。
また、この光配線接続体の製造方法では、光配線Aと接続され、コアからなる光配線Bを形成した後、上述したように、コアの周囲に硬化したクラッドを形成し、コアとクラッドとからなる光配線Bとしてもよい。光配線としてより安定することとなるからである。
【0101】
以下、光配線Bをコアとクラッドとからなる光配線とする方法について説明する。
具体的には、例えば、上記コアを形成した後、その周囲の未硬化のクラッドに硬化処理を施すことにより、固体のクラッドを形成することができる。そこで、上記コアを形成した後、未硬化のクラッドに光を照射することにより、系全体を固体化することが可能である。しかしながら、上記感光性組成物として1種類の感光性樹脂のみを含むものを使用する場合には、硬化処理を施してクラッドを形成することにより、コアとクラッドとがほぼ同一の屈折率を有することとなり、コアに光を閉じ込めることができなくなるため、光配線Bとして機能しなくなってしまう。
そのため、以下のような方法を用いて固体化したクラッドを形成することにより、系全体が固体化した安定な光導波路(光配線B)とすることが望ましい。
【0102】
すなわち、例えば、上記コアを形成した後、その周囲の未硬化の感光性組成物を除去し、続いて、上記コアを別の樹脂や樹脂組成物に浸漬した後、硬化処理を施すことによりクラッドを形成する方法を用いることができる。しかしながら、上述したように、コアのみが硬化した状態では、該コアは非常に不安定なことがあり、この状態で未硬化の感光性組成物を除去することは、取り扱いを極めて慎重に行わなければない。
従って、例えば、下記のような方法を用いてクラッドを形成することが望ましい。
【0103】
すなわち、上記感光性組成物中に、コアを形成するための感光性組成物(以下、コア形成用樹脂ともいう)とは別に、クラッドを形成するための樹脂(以下、クラッド形成用樹脂ともいう)を混合しておく。
ここで、クラッド形成用樹脂としては、上記コア形成用樹脂よりも強い強度の光を受けて初めて重合する感光性組成物であって、硬化前後の屈折率がともにコアの屈折率よりも小さいものを選択しておく。上記クラッド形成用樹脂としては、上記した特性を有するものであれば、上述した感光性組成物を適宜選択して使用することができる。
【0104】
そして、上述したように、光配線を介して光を照射する。その際、照射する光としては弱い光、すなわち、コア形成用樹脂の重合は可能であるが、クラッド形成用樹脂の重合は実質的にほぼ不可能な強度の光を照射する。
すると、感光性組成物のうち感光性がより高いコア形成用樹脂だけが選択的に重合を開始する。コア形成用樹脂およびクラッド形成用樹脂を含む感光性組成物のうち、コア形成用樹脂だけが重合を始めると、未硬化のクラッド形成用樹脂は、流動性を保っているため、硬化していくコア形成用樹脂から排除されていく。また、コア層の屈折率は未硬化のクラッド形成用樹脂の屈折率よりも大きいため、光配線を介して照射した光は形成されたコア層に閉じ込められつつ、先端に集中的に照射される。その結果、光配線の一端から照射された光によって、光の経路に応じてコア形成用樹脂が優先的に硬化し、その光の経路に応じたコア層が形成され、その周囲を未硬化の感光性組成物が包囲した状態となる。
【0105】
この後、例えば、光源からの光を未硬化の感光性組成物全体に照射することができるようにし、光源の出力を上げてクラッド形成用樹脂を重合させることが可能な強度の光を照射する。すると、クラッド形成用樹脂および未硬化のコア形成用樹脂が硬化してコア層を包囲するクラッド層を形成することができる。
【0106】
このように、重合反応が進行する光の強度が異なる2種類の感光性組成物を混合しておき、コアとクラッドとを形成する場合、コア形成用樹脂およびクラッド形成用樹脂としては、例えば、互いに異なる重合反応機構を経て重合反応が進行する樹脂を選択することができる。
すなわち、アクリル系樹脂に代表されるようなラジカルによる逐次重合反応によって重合が進むラジカル重合系の感光性組成物と、エポキシ系樹脂に代表されるようなイオン対を介して重合が進むカチオン重合系の感光性組成物とを選択することができる。これらを選択した場合、ラジカル重合系の感光性組成物の方が、カチオン重合系の感光性組成物よりも重合反応が急速に進行するため、弱い光によっては、アクリル系樹脂だけが選択的に重合することになる。
【0107】
また、弱い光の照射によって、より確実に一方の感光性組成物の重合が進行するように、上述の2種類の感光性組成物の重合の進み具合いにさらに差をつけてもよい。
これは、例えば、ラジカル重合系の感光性組成物の重合反応速度を速くすることにより行うことができる。具体的には、アクリル系樹脂を例にとると、アクリル系樹脂の単位質量あたりに含まれるアクリル基の数を多く(すなわち、アクリル当量を少なく)したり、単量体の濃度を高めることにより、重合に関与する反応基の濃度を高くして重合反応速度を速くすることができる。また、光重合開始剤の量子収率(光子量あたりのラジカル生成量)や濃度を高くして重合反応速度を速くすることもできる。
【0108】
また、2種類の感光性組成物の重合の進み具合いに差をつけることは、カチオン重合系の感光性組成物の重合反応速度を遅くすることによっても行うことができる。具体的には、エポキシ系樹脂を例にとると、エポキシ系樹脂の単位質量あたりに含まれるエポキシ基の数を少なく(すなわち、エポキシ当量を多く)したり、単量体の濃度を低くすることにより、重合に関与する反応基の濃度を低くして重合反応速度を遅くすることができる。また、重合に関与するイオン対の非求核性を低くしたり、または、光重合開始剤の量子収率(光子量あたりのカチオン生成量)を低くして重合反応速度を遅くすることもできる。
【0109】
また、同一の機構を経て重合反応が進行する感光性組成物同士を混合しても、どちらか一方の感光性組成物のみを選択的に重合させることができる。この場合、同一の機構で反応が進行するため、光重合開始剤や増感剤の異なる樹脂同士を混合しても選択的に重合させることは困難であるが、マトリクスであるオリゴマ分子に反応基の濃度差をつけることにより一方の感光性組成物のみを選択的に重合させることができる。例えば、ラジカル重合系のアクリル樹脂であれば、反応基であるアクリル当量に差をつければ、ある照射光にて反応基の多い(すなわち、アクリル当量の少ない)方が選択的に重合する。
【0110】
このようなコア形成用樹脂およびクラッド形成用樹脂を用いて光導波路を形成する場合、1種類の光源で両者の重合反応を行うことができるため、設備コストや工程数を少なくすることができる。
なお、コア形成用樹脂とクラッド形成用樹脂とを選択する際に、両者の硬化波長が全く同一でない場合でも、増感剤等を添加することにより、1種類の光源で両者の重合反応を行うことができる。これは、照射する光の波長域に吸収を持たないか、または、少量しか持たない感光性組成物であっても、その波長域に吸収を持つ適当な増感剤を添加し、その増感剤が吸収したエネルギーを利用することにより、重合反応を進行させることができるからである。すなわち、増感剤を添加すると照射光の波長域内に大きな吸収を持たせ、結果として感度を増大させることができる。一般にこのような増感された吸収波長域はラジカル発生剤本来の持つ吸収波長域よりもより長波長側に拡大され、光源の発する光子を効率よく利用することができるので、感度が上昇する。
【0111】
また、上記クラッド形成用樹脂として、上記した特性を有する感光性組成物に代えて、加熱処理を行うことにより始めて重合が進行する樹脂を選択し、さらに、コアを形成した後、強度の強い光を未硬化の感光性組成物全体に照射する方法に代えて、未硬化の樹脂を加熱硬化させる方法を用いてクラッドを形成し、光導波路としてもよい。
【0112】
さらには、クラッド形成用樹脂として、上記コア形成用樹脂とは異なる波長の光を照射することにより初めて重合し、硬化後の屈折率が硬化後のコア形成用樹脂の屈折率よりも小さいものを選択しておき、コアを形成した後、未硬化の感光性組成物全体にクラッド形成用樹脂が重合する波長の光を照射する方法を用いてクラッドを形成し、光導波路としてもよい。
【0113】
このような製造方法を用いることにより、第一の実施形態の光配線接続体を製造することができる。
なお、2種類以上の感光性組成物(例えば、コア形成用樹脂とクラッド形成用樹脂)を含むものを用いる場合、その混合比は特に限定されない。
【0114】
また、上述した光導波路の自己形成方法を利用して、第二の実施形態の光配線接続体を製造する場合には、光配線Aに代えて、光配線Cを用い、少なくとも光配線Cの光配線Dと接続されることとなる部分が、感光性組成物中に浸漬されることとなるように光配線Cを配置する以外は、上述した第一の実施形態の光配線接続体を製造する方法と同様の方法を用いて製造することができる。このとき、光配線Cの端面には、光軸とのなす角が所望の角度となるように研磨処理や切削加工を施しておく。
また、光配線Cの端面とのなす角は、光配線Cの屈折率や形成する光配線Dの屈折率、光配線Cの端面が光配線Dを形成する際に接することとなる部分の媒体(例えば、感光性組成物)の屈折率、光配線Cと光配線Dとの折れ曲がり具合等を考慮して適宜決定すればよい。
【0115】
さらに、上述した光導波路の自己形成方法を利用して、第三の実施形態の光配線接続体を製造する場合には、光配線Aに代えて、光配線Eを用い、少なくとも光配線Eの端面および光配線Eの光配線Fと接続されることとなる部分が、感光性組成物中に浸漬されることとなるように光配線Eを配置する以外は、上述した第一の実施形態の光配線接続体を製造する方法と同様の方法を用いて製造することができる。このとき、光配線Eの端面には、光軸とのなす角が所望の角度となるように研磨処理や切削加工を施しておく。
また、光配線Eの端面とのなす角は、光配線Eの屈折率や、形成する光配線Fおよび光配線Gの屈折率、感光性組成物の屈折率、光配線Eと光配線Fとの折れ曲がり具合、光配線Eと光配線Gとの折れ曲がり具合、第三の実施形態の光配線接続体を光カップラとする場合の該光カップラの特性等を考慮して適宜決定すればよい。
【0116】
また、本発明の光配線接続体の製造方法としては、例えば、反応性イオンエッチングを用いた方法、露光現像法、金型形成法、レジスト形成法、これらを組み合わせた方法等の従来公知の光導波路の形成方法を利用する方法等も用いることができる。
ここでは、上述したそれぞれの方法を用いて、第一の実施形態の光配線接続体を製造する方法について説明する。
【0117】
上記反応性イオンエッチングを用いた方法を利用する製造方法では、
(i)まず、基板や離型フィルム、クラッド用樹脂層上に、光配線Aを形成するためのコア形成用樹脂を塗布し、さらに、必要に応じて、硬化処理を施すことによりコア形成用樹脂層とする。
(ii)次に、上記コア形成用樹脂層上に、マスク形成用の樹脂層を形成し、次いで、このマスク形成用の樹脂層に露光現像処理を施すことにより、コア形成用樹脂層上にマスク(エッチングレジスト)を形成する。
(iii)コア形成用樹脂層に反応性イオンエッチングを施すことにより、マスク非形成部分のコア形成用樹脂層を除去し、光配線Aのコアを形成する
【0118】
(iv)その後、上記(i)〜(iii)の工程を、光配線Bを形成するためのコア形成用樹脂を用いて行い、光配線Aのコアと接続された光配線Bのコアを形成する。このような工程を経ることにより、第一の実施形態の光配線接続体を製造することができる。
また、クラッド用樹脂層上に光配線Aおよび光配線Bのコアを形成した場合には、このコアを覆うように、さらにクラッド用樹脂層を形成してもよい。
また、場合によっては、上述した反応性イオンエッチングを用いる方法により、光配線Aと光配線Bとを別々に形成した後、両者を接続してもよい。
【0119】
また、上記露光現像法を利用する製造方法では、
(i)まず、基板や離型フィルム、クラッド用樹脂層上に、光配線Aを形成するためのコア形成用樹脂を塗布し、さらに、必要に応じて、半硬化処理を施すことによりコア形成用樹脂層を形成する。
(ii)次に、上記コア形成用樹脂層上に、光配線Aのコア形成部分に対応したパターンが描画されたマスクを載置し、その後、露光現像処理を施すことにより、光配線Aのコアを形成する。
【0120】
(iii)その後、上記(i)および(ii)の工程を、光配線Bを形成するためのコア形成用樹脂を用いて行い、光配線Aのコアと接続された光配線Bのコアを形成する。このような工程を経ることにより、第一の実施形態の光配線接続体を製造することができる。
また、クラッド用樹脂層上に光配線Aおよび光配線Bのコアを形成した場合には、このコアを覆うように、さらにクラッド用樹脂層を形成してもよい。
また、場合によっては、上述した露光現像法により、光配線Aと光配線Bとを別々に形成した後、両者を接続してもよい。
【0121】
また、上記金型形成法を利用する方法では、
(i)まず、基板や離型フィルム、クラッド用樹脂層上に金型形成により光配線Aのコアを形成するための溝を形成する。
(ii)次に、上記溝内に光配線Aを形成するためのコア形成用樹脂を印刷により充填し、その後、硬化処理を施すことにより光配線Aのコアを形成する。
【0122】
(iii)その後、上記(i)および(ii)と同様の工程を、光配線Bを形成するために行い、光配線Aのコアと接続された光配線Bのコアを形成する。このような工程を経ることにより、第一の実施形態の光配線接続体を製造することができる。
また、クラッド用樹脂層上に光配線Aおよび光配線Bのコアを形成した場合には、このコアを覆うように、さらにクラッド用樹脂層を形成してもよい。
また、場合によっては、上述した金型成形法により、光配線Aと光配線Bとを別々に形成した後、両者を接続してもよい。
【0123】
また、上記レジスト形成法を利用する製造方法では、
(i)まず、基板や離型フィルム、クラッド用樹脂層上にレジスト用樹脂組成物を塗布した後、露光現像処理を施すことにより、上記クラッド用樹脂層等上のコア非形成部分に、コア形成用レジストを形成する。
(ii)次に、上記レジスト非形成部分に光配線Aを形成するためのコア形成用樹脂の塗布し、さらに、コア形成用樹脂を硬化した後、上記コア形成用レジストを剥離することにより、光配線Aのコアを形成する。
【0124】
(iii)その後、上記(i)および(ii)と同様の工程を、光配線Bを形成するために行い、光配線Aのコアと接続された光配線Bのコアを形成する。このような工程を経ることにより、第一の実施形態の光配線接続体を製造することができる。
また、クラッド用樹脂層上に光配線Aおよび光配線Bのコアを形成した場合には、このコアを覆うように、さらにクラッド用樹脂層を形成してもよい。
また、場合によっては、上述したレジスト成形法により、光配線Aと光配線Bとを別々に形成した後、両者を接続してもよい。
【0125】
なお、上述した反応性イオンエッチング等を用いた方法等を利用する製造方法では、同一の材料からなるクラッドを形成しているが、例えば、光配線Aと光配線Bとを別々に形成した後、両者を接続する場合には、光配線Aに形成するクラッドと光配線Bに形成するクラッドとは、異なる材料からなるものであってもよい。
【0126】
また、ここでは、反応性イオンエッチングを用いた方法、露光現像法、金型形成法、レジスト形成法等により第一の実施形態の光配線接続体を製造する方法について説明したが、第二または第三の実施形態の光配線接続体も略同様の方法を用いて製造することができる。
すなわち、第二の実施形態の光配線接続体を製造する場合には、光配線Aを形成する方法と同様の方法を用いて、光配線Cを形成し、光配線Bを形成する方法と同様の方法を用いて光配線Dを形成すればよい。
また、第三の実施形態の光配線接続体を製造する場合には、光配線Aを形成する方法と同様の方法を用いて、光配線Eを形成し、光配線Bを形成する方法と同様の方法を2回繰り返すことにより、光配線Fおよび光配線Gを形成すればよい。
【0127】
また、本発明の光配線接続体は、上述したように、3本以上の光配線が接続されたものであってもよい。そこで、以下に、3本の光配線が接続された光配線接続体であって、接続する光配線同士の屈折率が異なるの光配線接続体を製造する方法を簡単に説明しておく。
図5(a)〜(c)は、本発明の光配線接続体を製造する方法の一例を説明するための模式図である。なお、通常、光配線とは、コアとクラッドとからなるものであるが、図5においては、光配線のコアのみを示している。
【0128】
具体的には、まず、2本の光配線12、12′を対向配置し、この光ファイバ12、12′の端部間を包囲するように感光性組成物を塗布する等により、光配線12、12′の端部12a、12a′をともに、感光性組成物11に浸漬する(図5(a)参照)。
【0129】
光配線12、12′の具体例としては、上述したように、例えば、光ファイバや光導波路等が挙げられ、両者の屈折率は同一でも異なっていてもよい。また、この光配線12、12′のそれぞれの端面12a、12a′には、光軸と端面とが垂直に交わらないように処理を施しておく。
なお、光配線の端面を処理する方法としては、上述した研磨処理や切削加工等が挙げられる。また、光導波路を作製する際に、上記した形状の端面を有するように光導波路を作製してもよい。
【0130】
次に、上述した感光性組成物11を硬化させるための光を、一方の光配線12から対向する他方の光配線12′に向けて照射する(図5(b)参照)。
このように、一方の光配線12から他方の光配線12′に向かって光を照射することにより、感光性組成物11が、光の経路に応じて、光配線12側から序々に硬化し、光配線12と光配線12′とを接続する光配線14が形成されることとなる(図5(c)参照)。
この後、必要に応じて、上記した方法と同様の方法を用いて光配線14の周囲に硬化したクラッドを形成することにより、3本の光配線が接続され、それぞれの接続部で折れ曲がった光配線接続体とすることができる。
【0131】
また、上述した2本の光配線間を接続する光配線接続体の製造方法では、1本の光配線のみを介して光を照射しているが、この方法に代えて、2本の光配線のそれぞれから他方の光配線に向かって光を照射してもよい。この場合、2本の光配線を介して同時に光を照射してもよいし、それぞれの光配線から交互に光を照射してもよい。
なお、このような製造方法で製造された光配線接続体では、光配線14の屈折率は、光配線12、12′の屈折率と異なる。
【0132】
【実施例】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0133】
(実施例1:第一の実施形態の光配線接続体の作製)
【0134】
A.光配線Aの作製(図6参照)
(1)GI型石英製マルチモードファイバ(フジクラ社製、コア/クラッド=50μm/125μm)を1m程度用意した。
(2)次に、ファイバの一端に、感光性組成物(Loctite社製、LoctiteNo.358;波長589nmにおける硬化後の屈折率:1.51)を塗り付け、250Wの高圧水銀ランプを光源とした紫外線照射装置25(松下マシンアンドビジョン社製、5252L)より200〜500nmの波長範囲に分光分布を持つ紫外線を入射して、ファイバ22の他端から出射される紫外線照度を紫外線照度計(ウシオ電機社製、UIT−150)を用いて0.3mW/cm2になるように調整した。
【0135】
(3)次に、出射側のファイバ22の端部を光ファイバ用V溝基板26(モリテックス社製、石英V溝)に位置させ、その後、照射光の光路上に石英ガラスからなるあて板(図示せず)を、ファイバ22の光軸とのなす角が45°となるように配置し、さらに、そのファイバ22の端部全体に、上記(2)で用いた感光性組成物21を隙間なく埋まるように塗布した。その後、V溝押さえ板にてファイバ22の端部および感光性組成物21を動かないように挟み込んだ。
【0136】
(4)次に、上記(3)の状態にファイバ22を保持したまま、上記(2)にて照度を調整した紫外線をファイバ2の出射端より感光性組成物21中に照射し、ファイバ22と接続された側と反対側に、光軸とのなす角が45°の端面が形成された光導波路を形成した。
本実施例では、このファイバと光導波路との接続体を光配線Aとして用いる。
【0137】
B.光配線接続体の作製
上記Aの(4)の工程が終了した後、光導波路の周囲の未硬化の樹脂組成物とあて板とを除去し、その後、光導波路の光軸とのなす角が45°の端面全体に、感光性組成物(ダイキン社製、オプトダイン;波長589nmにおける硬化後の屈折率:1.48)を隙間なく埋まるように塗布した。
次に、250Wの高圧水銀ランプを光源とした紫外線照射装置(松下マシンアンドビジョン社製、5252L)を用い、光配線Aを介して、200〜500nmの波長範囲に分光分布を持つ紫外線を感光性組成物に照射することにより、光配線Aと接続された光導波路(光配線B)を形成し、光配線接続体を完成した。
なお、本工程で照射した紫外線の照度は、0.3mW/cm2である。
【0138】
上記Bを経て形成した光配線接続体を顕微鏡(キーエンス社製、VH−7000)を用いて観察したところ、光配線Aと光配線Bとが接続されており、両者のなす角は、1°であった(なお、図1に示すθ1では、θ1=−1°となる。これは、樹脂Aの屈折率>樹脂Bの屈折率のためである。)。
さらに、可視光を光配線Aを構成するファイバの光導波路と接続された側と反対側の端部より入射し、光配線Aを介して光配線Bに向かって照射したところ、光配線Aおよび光配線Bからの漏光が、両光配線の接続部において、光配線に沿って屈曲していることが観察され、光配線接続体として機能していることが確認された。
【0139】
さらに、波長850nmの赤外線を、光配線Aを構成するファイバの光導波路と接続された側と反対側の端部より入射し、光配線Aを介して光配線Bに向かって導波させ、光配線Bの光配線Aと接続された側と反対側から出射される赤外線強度を測定し、光損失を算出した。本実施例で製造した光配線接続体の光損失は、1.0dBであった。
【0140】
(実施例2:第二の実施形態の光配線接続体の作製)
実施例1のAの(3)の工程において、照射光の光路上に配置するあて板の角度を、ファイバの光軸とのなす角(図2に示すα21)が9°となるように配置した以外は、実施例1と同様にして光配線接続体を形成した。
なお、実施例で作製した光配線接続体では、実施例1のAの工程と略同様の工程を経て作製したファイバと光導波路との接続体が光配線Cに該当し、実施例1のBの工程と同様の工程を経て形成した光導波路が光配線Dに該当することとなる。
【0141】
本実施例で形成した光配線接続体を顕微鏡(キーエンス社製、VH−7000)を用いて観察したところ、光配線Cの端部の側面に光配線Dが接続されていた。さらに、可視光を光配線Cを構成するファイバの光導波路と接続された側と反対側の端部より入射し、光配線Cを介して光配線Dに向かって照射したところ、光配線Cおよび光配線Dからの漏光が、両光配線の接続部において、光配線に沿って屈曲していることが観察され、光配線接続体として機能していることが確認された。
【0142】
(実施例3:第三の実施形態の光配線接続体の作製)
実施例1のAの(3)の工程において、照射光の光路上に配置するあて板の角度を、ファイバの光軸とのなす角(図3に示すα31)が13°となるように配置した以外は、実施例1と同様にして光配線接続体を形成した。
なお、実施例で作製した光配線接続体では、実施例1のAの工程と略同様の工程を経て作製したファイバと光導波路との接続体が光配線Eに該当し、実施例1のBの工程と同様の工程を経て形成した光導波路が光配線Fおよび光配線Gに該当することとなる。
【0143】
本実施例で形成した光配線接続体を顕微鏡(キーエンス社製、VH−7000)を用いて観察したところ、光配線Eの端部の側面に光配線Fが接続されるとともに、光配線Eの端面に光配線Gが接続されていた。
さらに、可視光を光配線Eを構成するファイバの光導波路と接続された側と反対側の端部より入射し、光配線Eを介して光配線Fおよび光配線Gに向かって照射したところ、光配線E、光配線Fおよび光配線Gからの漏光が、光配線Eと、光配線Fおよび光配線Gとの接続部において、光配線に沿って屈曲しているとともに、分岐していることが観察され、光配線接続体として機能していることが確認された。
また、光配線Fおよび光配線Gのそれぞれの0端部からの漏光の強度を比較したところ、おおよそ光配線F:光配線G=1:10であり、本実施例で作製した光配線接続体は、分配比の異なる光カップラとして機能することが明らかとなった。
【0144】
(比較例1)
(1)平坦な石英のガラス板(波長589nmにおける屈折率:1.46)上に、実施例1で使用した感光性組成物(LoctiteNo.358)をスピンコートで、硬化後の膜厚が40μmとなるように塗布し、コア形成用樹脂層を形成した。
【0145】
(2)次に、コアパターン(幅40μm)が描画されたマスクを、コア形成用樹脂層上に載置し、その後、露光処理を施してコアを形成した。なお、ここでは、折れ曲がったコアを形成し、その折れ曲がり角度は1°とした。さらに形成したコアの上に感光性組成物を適量塗布した。
【0146】
このような工程を経ることにより、コアが感光性組成物の硬化物からなり、クラッドが石英ガラスと未硬化の感光性組成物とからなる光導波路を形成した。
本比較例で形成した光導波路は、折れ曲がり角度1°で折れ曲がった形状を有しており、その全長は、実施例1で形成した光配線Aと光配線Bとの合計長と同一である。また、本比較例で形成したコアの屈折率は、全て一様である。
【0147】
また、本比較例で形成した光導波路の一の端部より、可視光をコア内に導入し、その漏光を観察したところ、光導波路の形状に沿った漏光が観察されたものの、これと同時に、屈曲部付近において、一部の光がコアから放射しており(放射損失が生じており)、作製した光導波路が設計どおりに機能していないことが明らかとなった。
【0148】
さらに、本比較例で作製した光導波路の一端より、波長850nmの赤外線をコア内に導入し、他端より出射される赤外線強度を測定し、光損失を算出した。本比較例で作製した光導波路の光損失は、1.8dBであった。
この結果から明らかなように、本比較例で作製した光導波路の光損失は、実施例1の光配線接続体の光損失よりも、0.8dB大きかった。このように、本比較例において、光損失が大きくなったのは、上述したように、光導波路の屈曲部付近において生じた放射損失に起因するものと考えられ、このことからも、本比較例で作製した光導波路が設計どおりに機能していないことが明らかとなった。
【0149】
一様な屈折率を有する光導波路を曲げる場合において、屈曲部での放射損失をなくそうとすると、その折れ曲がり角度を小さくしなければならず、実施例1〜3の光配線接続体のような、屈折率が異なる光配線が接続された光配線接続体に比べてそのサイズが大きくなる。
【0150】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光配線接続体は、屈曲部が、滑らかな曲線状の屈曲部でなく、折れ曲がった屈曲部であっても優れた光伝送能を有している。
さらに、上記光配線接続体として、折れ曲がった屈曲部を有する光配線接続体とする場合には、複雑な設計を必要とせず、光伝送能に優れる光配線接続体を容易に設計することができる。加えて、上記光配線接続体を光導波路部品として使用する場合には、そのサイズをコンパクトにすることができる。
【0151】
また、本発明の光配線接続体を利用すると、ミラー等の付加的な光学部品を使用することなく、任意の角度で光信号の光路を屈曲させることができ、従来の電気配線設計に見られたようなピッチ変換、配線長合わせ、合分岐線などの複雑な配線設計を、光配線設計においても簡単に取り込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光配線接続体の一例を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の光配線接続体の一例を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の光配線接続体の一例を模式的に示す断面図である。
【図4】(a)〜(c)は、本発明の光配線接続体を製造する方法の一例を説明するための模式図である。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の光配線接続体を製造する方法の一例を説明するための模式図である。
【図6】実施例で行った光伝送構造体の製造方法を説明するための概略図である。
【図7】本発明の光配線接続体の一例を模式的に示す断面図である。
【図8】本発明の光配線接続体の一例を模式的に示す断面図である。
【図9】第一の実施形態の光配線接続体100における、光配線102の屈折率(n12)と、光配線101と光配線102とのなす角θ1との関係を示すグラフである。
【図10】第一の実施形態の光配線接続体100における、光配線101の端面101aが光軸となす角α1と、光配線101と光配線102とのなす角θ1との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1、11 感光性組成物
100、200、300、400、500 光配線接続体
101、102、201、202、301、302、303、401、402、403、501、502、503 光配線
Claims (4)
- 複数の光配線が、光信号を伝送することができるように接続された光配線接続体であって、
前記光配線接続体は、屈曲部を有しており、
互いに接続された前記光配線は、その屈折率が異なり、
前記光配線のうちの少なくとも一の光配線は、他の光配線と接続された側の端面が、光軸と垂直に交わらないことを特徴とする光配線接続体。 - 少なくとも光配線Aと光配線Bとを有し、
前記光配線Aの端面と前記光配線Bの端面とが接続され、
前記光配線Aと前記光配線Bとの接続部で折れ曲がっている請求項1に記載の光配線接続体。 - 少なくとも光配線Cと光配線Dとを有し、
前記光配線Cの端部の側面と、前記光配線Dの端面とが接続され、
前記光配線Cと前記光配線Dとの接続部で折れ曲がっている請求項1に記載の光配線接続体。 - 少なくとも光配線Eと光配線Fと光配線Gとを有し、
前記光配線Eの端部の側面と、前記光配線Fの端面とが接続されるとともに、前記光配線Eの光配線Fが接続された側の端面と、前記光配線Gの端面とが接続され、
前記光配線Eと前記光配線Fとの接続部、および、前記光配線Eと前記光配線Gとの接続部で折れ曲がっている請求項1に記載の光配線接続体。
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