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JP3750671B2 - 光伝送路の製造方法 - Google Patents

光伝送路の製造方法 Download PDF

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JP3750671B2
JP3750671B2 JP2003133809A JP2003133809A JP3750671B2 JP 3750671 B2 JP3750671 B2 JP 3750671B2 JP 2003133809 A JP2003133809 A JP 2003133809A JP 2003133809 A JP2003133809 A JP 2003133809A JP 3750671 B2 JP3750671 B2 JP 3750671B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光硬化性樹脂溶液と光を用いて作製される光伝送路の製造方法に関する。特に、光硬化性樹脂溶液を硬化開始波長と屈折率の異なる2種の混合溶液とし、1つの光硬化性樹脂溶液で伝送路のコアを、両光硬化性樹脂溶液でクラッド部を形成する光伝送路の製造方法に関する。
また、光ファイバを上記混合溶液に漬け、光ファイバに連続して繋がる直線平行性の良い光伝送路の製造方法に関する。
本発明は、光通信における安価で低損失な光インタ−コネクション、光分波器あるいは合波器に適用できる。
【0002】
【従来の技術】
近年、光硬化性樹脂溶液を利用して、光ファイバ先端に光伝送路を形成する技術が注目されている。例えば、特開平4−165311号公報に開示された光導波路の製造方法がある。簡単に説明すると、第1工程として、光ファイバの1端を例えばフッ素系モノマーからなる光硬化性樹脂溶液に漬ける。そして、その溶液を硬化させる波長の光をそのファイバ先端から出射させる(第2工程)。
例えば、紫外線領域に近い波長あるいは短波長レーザ光を照射させると、その先端部分にある光硬化性樹脂溶液は光重合反応によって硬化される。そして、出射端には、そのパワ分布に従って所謂コア部が形成される。コア部が形成されると、上記光はさらに先方に伝搬され、次々とコア部を形成し、結果として光伝送路が形成される。
【0003】
そして、第3工程として、上記光硬化性樹脂溶液から取り出し、洗浄等により残存した光硬化性樹脂溶液を取り除く。次に、第4工程として、再び透光性樹脂をコーティングする。これは、コア面を被覆し、塵や傷から保護する目的である。そして最終の第5工程として、形成されたコア部の先端面を研磨し、伝送路の出射面を形成する。
このように、およそ5工程で光ファイバに連続する光伝送路を形成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、結果的に光伝送路が拡大しながら蛇行している。蛇行とは、光軸方向にz軸をとるとき、そのzの値に対して半径が周期的に異なることである。これは、光ファイバのコア部と光硬化性樹脂溶液の屈折率のミスマッチに起因する。その結果、出射広がりが大きくなるとともに屈折率分布型光伝送路が形成される。
【0005】
この屈折率分布型の伝送路内では、光は屈折率に従って蛇行する。即ち、伝送路の長さによって、その焦点距離が変化する。このため、最終工程の端面研磨では、その焦点距離を測定しながら研磨量を決定する必要があり、多大な製造コストを要するという欠点があった。
また、上記従来例によれば、形成されたコア部の伝送路長は8.5mm止まりである。端面処理を施せば、さらに小さくなる。これは、光ファイバ間を接続するコネクタとしては、適用できるが、その伝送路中に分岐ミラー等を挿入し分波器・合波器とするには困難を伴った。
また、他には光ファイバ先端にテーパー状の光伝送路が形成される報告もある。テーパー状の光伝送路の形成も、上記屈折率のミスマッチに起因する。このテーパ状の光伝送路を上記合波器・分波器に適用するとその広がりから損失が大きくなるという欠点が生じる。
更に、上記方法の場合、クラッドをそのまま硬化させると屈折率がコアのそれと同じになる。従って、ステップインデックス型光伝送路とするためには、ファイバクラッドを別の材料に置き換える工程が別途必要となるので、生産性が悪いといった問題があった。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、光硬化性樹脂溶液を用いて、簡単にコア部とクラッド部を作製し、コア部が直線的に延長された光伝送路を提供することである。また、その製造方法を提供することである。
また、他の目的は、用いる光ファイバに応じて、上記光硬化性樹脂溶液の屈折率を調整し、光ファイバの種類によらず出射口から直線状に延長された光伝送路を提供することである。
さらに、他の目的は、組立コスト、部品コストが大幅に低減された安価な光伝送路の製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の請求項1に記載の光伝送路の製造方法によれば、光硬化性樹脂溶液に光ファイバ先端を漬け、その光ファイバ先端から所定波長の光を出射させて、光軸方向にその光硬化性樹脂溶液を硬化させることより、光ファイバ先端から連続した光伝送路を作製する光伝送路の製造方法であって、その光ファイバは屈折率がコア部とクラッド部の境界でステップ状に変化するステップインデックス型光ファイバであり、そのコア部屈折率をnf1、クラッド部屈折率をnf2、形成される光伝送路の屈折率をnA2、光硬化性樹脂溶液の屈折率をnC1とする時、(3)式の条件を満たすように光硬化性樹脂溶液の屈折率が調整されることを特徴とする。
【数3】
(nf12 −(nf22 ≦(nA22 −(nC12 ・・・(3)
【0008】
また、本発明の請求項2に記載の光伝送路の製造方法によれば、その光ファイバは半径方向に所定の関数で屈折率勾配を有するグレーディッドインデックス型光ファイバであり、その光ファイバのコア部中心の最大屈折率をnf1、コア部直径を2af 、クラッド部屈折率をnf2、形成される光伝送路の屈折率をnA2、光硬化性樹脂溶液の屈折率をnC1、pを整数とする時、作製される光伝送路の直径2aw が(4)式を満たす条件で、その光硬化性樹脂溶液の屈折率が調整されることを特徴とする。
【数4】
2aw =2af [1/(2△)・(nA2 2 −nC1 2 )/nA2 2 1/p
但し、△=(nf1 2 −nf2 2 )/(2nf1 2 ) ・・・(4)
【0009】
【作用および効果】
まず、2種類の光硬化性樹脂溶液が混合された混合溶液を採用した光伝送路の製造方法について説明する。それは、第1の光硬化性樹脂溶液と、その第1の光硬化性樹脂溶液より硬化開始波長が短い性質を有する第2の光硬化性樹脂溶液との混合からなる。また、第1の光硬化性樹脂溶液の硬化時の屈折率は、混合溶液の硬化時の屈折率より大に設定する。この混合溶液は、例えば直方体の透明容器に入れられる。
【0010】
その混合溶液に第1の光硬化性樹脂溶液を硬化させる波長帯λw (λ2 <λw <λ1 )の光をビーム状に入射させる。ここに、波長λ1 は第1の光硬化性樹脂溶液の硬化開始波長であり、波長λ2 は第2の光硬化性樹脂溶液のそれである。また、上記波長帯λw の光は、例えばHe−Cd等の短波長レーザ光である。
これにより、混合溶液中の第1の光硬化性樹脂溶液のみが光重合反応により硬化し、直線状のコア部が形成される。この時、コア部外周には、2種の光硬化性樹脂溶液からなる混合溶液が残存する。
次いで、この混合溶液の周囲より、両光硬化性樹脂溶液を硬化させる波長帯λc (λc <λ2 )の光を、例えば紫外線ランプ等より照射させて、同じく光重合反応により残存溶液を固化させる。この結果、コア部周囲にクラッド部が形成される。
また、上記屈折率の設定により、この時コア部の屈折率はクラッド部の屈折率より大である。即ち、ステップインデックス型の光伝送路が形成される。
このように、コア部とクラッド部を有するステップインデックス型の光伝送路が2工程の光照射で形成される。従って、極めて効率の良い光伝送路の製造方法となる。
【0011】
また、この時上記混合溶液の透明容器は任意形状とすることができる。これにより、上記クラッド部は任意形状となり、例えば製品形状に合わせて作製することができる。即ち、クラッド部を製品に直接固定することができる。従って、極めて利便性の高い光伝送路となる。
また、上記光伝送路は、上記所定の波長帯λw ,λc の光を照射するだけで、一括して成形される。よって、組立コストの安価な製造方法となる。
【0012】
また、特願平10−152157号に記載したように、上記容器内に例えばハーフミラー等の光学素子を挿入し、上記工程を経れば、光伝送路とハーフミラーが密着形成された光分波器を製造することもできる。
【0013】
また、上記光伝送路に歪みを与えれば、光波の位相が変化することが知られている。上記製造方法は、任意のクラッド形状を可能とするので、上記伝送路に様々な物理量、例えば応力、電界、磁界、超音波等を簡単に加えることができる。
これにより様々な形態で応力、即ち位相変化を簡単に与えることができ、例えば位相変調素子等の光学素子が形成できる。
よって、上記製造方法は、光伝送路を有した様々な光学素子の基本構造を形成する基礎技術となる。
【0014】
第1の光硬化性樹脂溶液の硬化時の屈折率は、混合溶液の屈折率より大に調整されていると、第1の光硬化性樹脂溶液は波長帯λ1 の光が照射されると硬化し、混合溶液の屈折率より高くなる。即ち、混合溶液中にステップインデックス型の光伝送路が形成される。
ステップインデックス型であるので、入射された光は全て全反射され、効率よく順次、光伝送路を形成することができる。従って、入射される光は、例えば直進性のよいレーザ光でなくともよい。全反射が生じる角度で入射された、例えば紫外線の使用を可能とする。従って、多様な光源が使用できる光伝送路の製造方法となる。
【0015】
また、光ファイバの先端が混合溶液に漬けられて、その先端から所定波長の光が出射されて光伝送路がその光ファイバの先端から連続して作製されるようにすることもできる。所定波長とは、例えば短波長のレーザ光である。
短波長光は、順次、光軸方向に光硬化性樹脂溶液に対して光重合反応を起こさせる。これにより、光伝送路のコア部が光ファイバのコア部に密着するとともに連続して直線状に形成される。よって、光ファイバと光伝送路の光軸を合わせる必要がない。
また、上記光ファイバの先端は、上記波長λcの光照射によって光伝送路のクラッド内に頑強に固定される。よって、光伝送路の配設の自由度が上がるとともに取り扱いも簡単となる。従って、極めて利便性の高い光伝送路となる。
【0016】
また、光ファイバは、その屈折率がコア部とクラッド部の境界においてステップ状に変化するステップインデックス型光ファイバであり、そのコア部屈折率nf1、クラッド部屈折率nf2、光伝送路のコア部屈折率nA2、および混合溶液の屈折率nC1は、(3)式の条件を満たすようにすることができる。
この条件式は、ステップインデックス型光ファイバ内を全反射条件を満たして伝搬した光が、全てその光ファイバのコア部と光伝送路のコア部の境界面で屈折し、その屈折光が再び伝送路内で同じく全反射条件を満たして伝搬する条件である。
【0017】
混合溶液の屈折率は、(3)式の条件式を満たすように調整される。(3)式の条件式を満たさない場合でも光伝送路の形成は可能であるが、光伝送路の形状が不均一になったり、漏光による伝搬損失の増加が問題となる。(3)式の条件式を満たすことによって、光ファイバを伝搬した全ての光は、上記境界で屈折し、同じく全反射によって光伝送路に伝搬される。
この光伝送路内の全反射は、連続して光伝送路を形成することを意味する。即ち、ステップインデックス型光ファイバのコア部がそのまま直線状に延長された光伝送路が形成される。これにより、ステップインデックス型光ファイバ先端に直接接続された直線状の光伝送路が製造できる。
【0018】
また、光ファイバは、半径方向に所定の関数で屈折率勾配を有する屈折率分布型光ファイバであり、光ファイバのコア部中心の最大屈折率nf1、コア部直径2af 、クラッド部屈折率nf2、光伝送路のコア部屈折率nA2、混合溶液の屈折率nC1、作製される伝送路のコア部直径2aw は、上記(4)式を満たすようにすることができる。但し、pは整数である。
この(4)式は、混合溶液の屈折率nC1によって、光伝送路の直径2aw が制御できることを示している。屈折率nC1は、上記2種の光硬化性樹脂溶液の混合比率によって調整可能である。
【0019】
混合溶液の屈折率は、(4)式を満たすように選択される。よって、屈折によって直進性よく光ファイバの光軸近傍を伝搬した光は、さらに小さい開口によって取り出される。これにより取り出された光は、さらに直進性がよく、混合溶液中に同様にステップインデックス型の光伝送路を形成する。従って、高速通信に使用されるグレーディッドインデックス型光ファイバにも適用可能な光伝送路の製造方法となる。
【0020】
さて、請求項1に記載の光伝送路の製造方法によれば、ステップインデックス型光ファイバの先端が光硬化性樹脂溶液に漬けられ、その光ファイバ先端から所定波長の光が出射される。所定波長とは、例えば短波長のレーザ光である。短波長光は、順次、光軸方向に光硬化性樹脂溶液に対して光重合反応を起こさせる。これにより、光ファイバのコア部に密着せられるとともに連続して形成された軸状の光伝送路(コア部)が得られる。よって、この場合も光ファイバと光伝送路の光軸を合わせる必要がない。
尚、上記説明では、光伝送路のコア部とクラッド部を2工程の光照射で形成することを主旨とし、コア部とクラッド部を光伝送路と呼んだが、本請求項1および請求項2では1種類又は複数種類の光硬化性樹脂溶液で、直線状の光伝送路(コア部のみ)を形成することを主旨としている。従って、本請求項1および請求項2では光伝送路とそのコア部は同一意味である。
【0021】
また、上記製造方法によればステップインデックス型光ファイバのコア部屈折率nf1、クラッド部屈折率nf2、光硬化性樹脂溶液中に形成される光伝送路の屈折率nA2、光硬化性樹脂溶液の屈折率nC1は、上記(3)式の条件を満たす。
この条件式は、ステップインデックス型光ファイバ内を全反射条件を満たして伝搬した光の全てが、その光ファイバのコア部と光伝送路との境界面で屈折し、その屈折光が再び光硬化性樹脂溶液中の光伝送路内で同じく全反射条件を満たして伝搬する条件である。
【0022】
光硬化性樹脂溶液の屈折率は、(3)式の条件式を満たすように調整される。よって、光ファイバを伝搬した光は全て光伝送路に伝搬され、全反射しながら順次光伝送路を形成する。
即ち、本発明の製造方法によれば、ステップインデックス型光ファイバのコア部がそのまま直線状に延長された直線平行性の良い光伝送路が形成される。
【0023】
尚、光硬化性樹脂溶液の屈折率は硬化することで溶液の屈折率よりも高くなり、(3)式の条件を満たす溶液が選択できるならば、1種類の光硬化性溶液でも実施可能である。又、複数種類の溶液で光伝送路のコア部を形成する時に選択的に光硬化する1種類の溶液を光硬化させない他の種類の溶液の屈折率よりも高くすることで、光硬化後のコア部の屈折率と混合溶液の屈折率との差を大きくすることが可能となり、容易に(3)式の条件を満たすように溶液を選択することが可能となる。よって、溶液は単一種類でも複数種類の混合であっても良い。又、この時上記光伝送路の周囲は未硬化の光硬化性樹脂溶液(液体)であるが、実使用時には上記光伝送路の周囲は特に限定はしない。他の媒体、例えば気体、他の液体、固体の何れであってもよい。それらの屈折率が上記光伝送路の屈折率より小であればよい。
例えば、実使用時には上記光硬化性樹脂溶液から取り出され、洗浄されて使用される。この時、光伝送路の周囲は空気となり、その屈折率は周囲より大となる。従って、全反射条件が保たれ、伝送損失の少ないステップインデックス型の光伝送路となる。また、周囲が液体であれば液体をクラッドとした、固体であれば固体をクラッドとした光伝送路となる。
【0024】
また、上記光伝送路は柔軟性に富んだ軸状の光伝送路となる。これは、例えば半導体基板上に形成された半導体レーザ素子の出射口あるいは開口の小さい受光素子に直接配設することができる。よって、光の入出力にも利便性の高い光伝送路の製造方法となる。
【0025】
また、請求項2に記載の光伝送路の製造方法によれば、光硬化性樹脂溶液に漬けられる光ファイバは、半径方向に所定の関数で屈折率勾配を有する屈折率分布型光ファイバであり、光ファイバのコア部中心の最大屈折率nf1、コア部直径2af 、クラッド部屈折率nf2、形成される光伝送路の屈折率nA2、光硬化性樹脂溶液の屈折率nC1、形成される光伝送路の直径2aw は、上記(4)式を満たす。但し、pは整数である。
この(2)式は、混合溶液の屈折率nC1によって光伝送路の直径2aw が制御できることを示している。屈折率nC1は、上記2種の光硬化性樹脂溶液の混合比率によって調整可能である。
【0026】
光硬化性樹脂溶液の屈折率は、(4)式の条件式を満たすように選択される。よって、屈折によって直進性よく光ファイバの光軸近傍を伝搬した光は、さらに小さい開口によって取り出される。これにより取り出された光は、さらに直進性がよく、光硬化性樹脂溶液中に同様にステップインデックス型の光伝送路を形成する。従って、高速通信に使用されるグレーディッドインデックス型光ファイバにも適用可能な光伝送路の製造方法となる。
この場合にも、上記したように1種類の溶液で複数種類の混合溶液でも実施可能である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。尚、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(第1実施例)
図1を用いて、本発明の光伝送路の製造方法を説明する。製造方法は、液状モノマーである光硬化性樹脂とその樹脂を硬化させる短波長レーザを用いた所謂可動部のない光造形法である。また、図は、製造装置の概略図である。
本発明の製造方法は、硬化開始波長と硬化後の屈折率が異なる2種類の光硬化性樹脂溶液を混合させた混合液100、その混合溶液を保持する透明容器110、および混合溶液の1つの成分を直線状に硬化させる短波長レーザー120、および混合溶液100全体を硬化させる例えば紫外線ランプ130から構成される。
光伝送路は、上記直線状に形成されたコア部105と、混合溶液100全体を硬化させてコア部105周囲に形成されたクラッド部から構成される。
【0028】
本発明の特徴は、硬化開始波長と硬化後の屈折率が異なる2種の光硬化性樹脂溶液を混合し、その混合溶液を光造形法の光硬化性樹脂溶液としたことである。そして、波長帯の異なる光を2工程で照射することにより、コアの屈折率が周囲より高い所謂ステップインデックス型の光伝送路を作製したことである。従って、最初に上記混合溶液の作製方法を、次にそれを用いた光伝送路の作製方法を説明する。
【0029】
上記混合溶液は、例えば屈折率1.49であるエポキシ系の高屈折率光硬化性樹脂溶液と屈折率1.34のアクリル系の低屈折率光硬化性樹脂溶液で構成される。この両者の分光感度特性を図2に示す。横軸が波長、縦軸が相対感度である。曲線Aがエポキシ系の高屈折率光硬化性樹脂溶液の分光感度特性、曲線Bがアクリル系の低屈折率光硬化性樹脂溶液の分光感度特性である。
図示するように、上記光硬化性樹脂溶液は、それぞれの硬化開始波長が硬化に使用する短波長レーザ120の波長λ1 を挟むように選択される。以降、この屈折率の高い光硬化性樹脂溶液を溶液A、屈折率の低いそれを溶液Bと記す。
【0030】
一般に、異なる屈折率の溶液A,Bを混合させると、その混合液の屈折率nc1は、(5)式で表される(山口、「屈折率」共立出版(1981))。
【数5】
C1=[(2M(CA )+1)/(1−M(CA ))]1/2 M(CA )=CA (ρ/ρA )(nA1 2 −1)/(nA1 2 +2) +(1−CA )(ρ/ρB )(nB1 2 −1)/(nB1 2 +2)・・・(5)ここに、
ρ:混合溶液の密度、
ρA :溶液Aの密度、
ρB :溶液Bの密度、
A1:溶液Aの屈折率
B1:溶液Bの屈折率、
A :溶液Aの重量%である。
即ち、高屈折率nA1の光硬化性樹脂溶液と低屈折率nB1のそれをある比率で混合すれば、nB1<nC1<nA1である屈折率nC1の混合溶液100が得られる。そして、上記ρ〜CA のパラメータを選択すれば、その混合液の屈折率nC1は一義的に決定される。また、硬化後の屈折率nC2はnB2<nC2<nA2となる。ここに、nA2,nB2はそれぞれ硬化後の溶液A,Bの屈折率である。
【0031】
この様な混合溶液100を用いて、光伝送路は作製される。その作製工程を次に説明する。先ず、この混合溶液100を透明容器110に満たす。次に、上記短波長レーザ120からレーザ光125を入射させる。この短波長レーザ120は、例えば波長λ1 =325nmのHe−Cd(ヘリウムカドミウム)レーザである。
この波長は、上述の様に溶液Aの硬化開始波長より短く、溶液Bのそれより長い。従って、溶液Aのみ硬化させる。また、レーザ光線であるので光線125はほぼ直進する。よって、混合溶液100中に直線状のコア部105が形成される。また、この時、光軸上にあった溶液Bは周囲に押しやられる。
【0032】
上記コア部105の形成後、紫外線ランプ130によって、波長λ2 の紫外線135が周囲より一様に照射される。図2に示すように、この波長は溶液A,Bの両溶液の硬化開始波長より短い。よって、両溶液とも硬化させる。これにより、コア部105の周囲、即ち混合溶液100全体が硬化されクラッド部が形成される。
この時、クラッド部の硬化前の屈折率をnC1、硬化後のそれをnC2とする時、コア部105の屈折率nA2は次の関係を有する。
【数6】
A2>nC2>nC1 ・・・(6)
これは、コア部屈折率nA2が周囲クラッド部屈折率nC2より高いステップインデックス型の光伝送路となることを意味する。従って、この伝送路に導入された他のレーザ光あるいは後述する全反射条件を満たす角度で導入された他の光は、光伝送路のコア部105中を全反射しながら伝搬する。
【0033】
この様に、硬化開始波長と硬化後の屈折率が異なる2種の光硬化性樹脂溶液を混合し、波長の異なる光を2工程で照射すれば、簡単にステップインデックス型の光伝送路が形成できる。
また、上記容器、即ちクラッド部は例えば搭載する製品に応じて任意にその形状を決定することができる。従って、極めて利便性の高い光伝送路の製造方法となる。
また、応力を発生させる圧電素子等の様々なアクチュエータに合わせて、上記クラッド部形状を形成することもできる。これにより、位相差で様々な物理量を測定する基本的な光学素子、あるいは光の吸収量で化学量を測定する基本的な光学素子とすることができる。
よって、上記製造方法は、光伝送路を有した有益な光学素子を作製する基礎技術となる。
【0034】
(第2実施例)
図3にステップインデックス型光ファイバを利用して形成する第2実施例を示す。図は、製造工程図である。光照射を2工程に分け、コア部とクラッド部を形成する方法は同じである。
異なる所は、ステップインデックス型の光ファイバの先端を上記混合溶液中に漬け、光ファイバ一体型の光伝送路を形成したことである。
また、光ファイバに密着した直線状の光伝送路を形成するため、混合溶液の屈折率を光ファイバの屈折率に応じて調整したことである。
【0035】
図3の第1工程(a)では、ステップインデックス型光ファイバ200の先端を混合溶液100に漬ける。この時、混合溶液の屈折率nC1は、後述するように挿入した光ファイバの屈折率に応じて、ある条件で調整されている。
第2工程(b)では、ステップインデックス型光ファイバ200に波長λ1 の短波長光を導入し、出射口に第1実施例と同じメカニズムでコア部105を形成する。
第3工程(c)では、上記波長λ1 の光照射を続け、上記コア部105を透明容器110の底部に到達させる。
第4工程(d)では、上記波長λ1 の光照射を停止し、それに換えて図示しない紫外線ランプより波長λ2 の紫外線を照射する。これにより、コア部105の周囲にクラッド部106を形成する。
この時、光ファイバ200の先端はクラッド106内に固定される。従って、光軸合わせの必要のない、光ファイバ一体型の光伝送路が形成される。
【0036】
また、図4に形成された光伝送路の水平断面図を示す。コア部105を中心にして、透明容器110の形状に応じたクラッド106が形成される。また、横軸に距離、縦軸に屈折率をとったAA’間の屈折率分布を示す。コア部105の屈折率は一定のnA2(〜1.5)であり、クラッド部106のそれも一定のnC2(〜1.4)である。上述したようにnA2>nC2であるので、挿入された光ファイバ200と同型のステップインデックス型の光伝送路となる。
【0037】
また、工程(a)における混合溶液100の屈折率は、厳密に調整されている。それは、屈折率によっては、光ファイバ200のコア部から出射された光が拡散し、伝搬損失の大きいテーパ上の光伝送路が形成されるからである。
そのため、図5に示すように、コア部205と伝送路のコア部105との界面で光が拡散しないように、後述する条件で混合溶液100の屈折率nC1が調整される。
【0038】
混合溶液100中に挿入された光ファイバのコア部205の屈折率をnf1、クラッド部206の屈折率をnf2、形成される光伝送路のコア部105の屈折率をnA2、その混合溶液100の屈折率をnC1とする時、調整条件は(7)式となる。
【数7】
C1≦[ nA2 2 −nf1 2 +nf2 2 1/2 ・・・(7)
【0039】
これは、光ファイバ200内を伝搬した光全てが、同じく光伝送路のコア部105と混合溶液100との界面で再び全反射する条件から導かれる。
具体的には、図5のA点における全反射条件((8)式)、B点における屈折条件((9)式)、そしてC点における全反射条件((10)式)から導かれる。
【数8】
sin-1(nf2/nf1)=θ ・・・(8)
【数9】
f1・sin(π/2−θ)=nA2・sinθp ・・・(9)
【数10】
sin-1(nC1/nA2)≦π/2−θp ・・・(10)
ここで、θは伝搬角、θp はθに対応した屈折角である(図5)。
上の(8)、(9)、(10)式からθ,θp を消去すれば、上記混合溶液の屈折率nC1と挿入された光ファイバ屈折率nf1,nf2および形成される光伝送路のコア部屈折率nA2の関係式(7)が導かれる。
【0040】
尚、混合溶液100の屈折率nC1が上式(7)を満たさず、(11)式を満たす場合、即ち光伝送路のコア部105とクラッド部106が全反射条件を満たさない場合がある。このような場合は、コア部105からクラッド部106へ高次モード成分が漏れ出すが、光ファイバから数cmの距離ならば、ほぼ直線状のコア部105が得られる。
【数11】
[ nA2 2 −nf1 2 +nf2 2 1/2 < nC1<nA2 ・・・(11)
【0041】
このように本実施例では、混合溶液100に挿入された光ファイバ200の屈折率を考慮して、混合溶液の屈折率を決定している。これにより、光ファイバより出射された光は直進し、形成される光伝送路のコア部105は従来例のようにテーパとならない。
従って、本実施例の光伝送路の製造方法によれば、光ファイバの出射口から光軸に沿って直線状に十分延長されたステップインデックス型光伝送路が得られる。従って、他の光学素子とも結合可能な利便性の高い光伝送路が製造できる。
【0042】
(第3実施例)
第2実施例では、ステップインデックス型光ファイバ200の先端に同型の光伝送路を形成した。第3実施例では、上記光ファイバに換えて、屈折率が半径方向に分布したグレーディッドインデックス型光ファイバを採用したことが特徴である。製造工程は、第2実施例と同等である。
異なる所は、混合溶液の屈折率をグレーディッドインデックス型光ファイバの屈折率に応じて調整したことである。これによれば、グレーディッドインデックス型光ファイバ先端にも光伝送路が形成できる。
【0043】
製造工程は、第2実施例と同じであるので省略し、ここでは混合溶液の屈折率の決定方法について説明する。図6に光軸に沿って切り出したグレーディッドインデックス型光ファイバ300の断面図とその半径方向の屈折率分布を示す。横軸が半径方向の距離、縦軸が屈折率である。
グレーディッドインデックス型光ファイバ300は、屈折率に勾配を有するコア部305とそれを保護するクラッド部306から構成される。そのコア部305の屈折率nf (r)は、コア部305の中心からの距離をrとすれば(12)式で表せられる。この(12)式は、例えば、光ファイバ通信入門(末松安晴、伊賀健一共著、オーム社出版、昭和51年出版)の第117頁〜第123頁における(7・1)、(7.12)式として広く知られている。
【数12】
f 2 (r)=nf1 2 [1−2(r/af p ・△]
△=(nf1 2 −nf2 2 )/(2nf1 2 ) ・・・(12)
ここに、af はグレーディッドインデックス型光ファイバ300のコア部305の半径、nf1はコア部305中心の最大屈折率、nf2はクラッド部306の屈折率、pは分布型を表す整数である。例えば、p=2が使用される。△は、比屈折差と呼ばれるものである。(12)式は、r=0の場合には、nf (0)=nf1、r=af の場合には、nf (af )=nf2を満たしている。
【0044】
(12)式より逆に半径rを屈折率nf の関数として求めると(13)式となる。
【数13】
r(nf )=af [1/(2△)・(nf1 2 −nf 2 )/nf1 2 1/p
△=(nf1 2 −nf2 2 )/(2nf1 2 ) ・・・ (13)
上記式は、グレーディッドインデックス型光ファイバ300と混合溶液100の界面でも成立する。図7は、界面近傍の拡大図である。
この界面において、図7に示すように形成されるコア部105の半径をaW とする時、その点での屈折率はnC1となる(半径r方向の境界条件)。よって、r(nC1)=aw である。従って、(13)式は、比屈折差△の光ファイバとこの光ファイバ中の任意屈折差(即ち、nf1とnf とで与えられる比屈折差)の比として与えられているので、光伝送路の比屈折差に置換することにより(14)式に示すように、光ファイバと接続する光伝送路の半径aw が得られる。
【数14】
w =af [1/(2△)・(nA2 2 −nC1 2 )/nA2 2 1/p
△=(nf1 2 −nf2 2 )/(2nf1 2 ) ・・・(14)
但し、nA2は形成されたコア部105の屈折率である。
【0045】
この境界条件より、コア部105の半径aW を決定すれば、混合溶液100の屈折率nC1を決定することができる。
例えば、nf1=1.46,nf2=1.44,aW =24.9μm,af =50μm,nA2=1.49,p=2の時、混合溶液の屈折率はnC1=1.485となる。これは、溶液A,Bの屈折率nA1,nB1およびその重量%を調整して作製する。 このように調整すれば、上記グレーディッドインデックス型光ファイバ300のコア部305の光軸近傍を直進した光をさらに開口を小さくして取り出すことができる。従って、そのコア部305を出射した光はよりよく直進し、混合溶液100中にステップインデックス型光ファイバのコア部105を形成する。
【0046】
図8に、上記条件式に従って調整した混合溶液100を用いて作製した光伝送路のコア部105の外径とその長さを示す。横軸に伝送路長、縦軸にその直径を表す。伝送路長は、約40mmにも達した。また、伝送路長が0mm〜10mm間はほぼ一定の直径が維持されている。
【0047】
このように、本実施例では、用いるグレーディッドインデックス型光ファイバの屈折率を考慮して、混合溶液の屈折率を決定している。これにより、光伝送路のコア部はテーパ状とはならずコア部305から直進性よく延長される。
従って、高速通信に使用されるグレーディッドインデックス型光ファイバにも適用できる有益な光伝送路の製造方法となる。
また、他の光学素子とも、より損失なく結合可能な光伝送路となる。
【0048】
(第4実施例)
第2実施例および第3実施例においては、2種類の光硬化性樹脂溶液が混合された混合溶液を使用して直線状に延長された光伝送路のコア部を作製したが、1種類の光硬化性樹脂溶液と1種類の光で上記直線状のコア部を形成し、クラッド部は他の手段で形成することもできる。あるいは長寿命化のため不活性ガスをコア部の周囲媒体とするならば、クラッド部の形成を省略することもできる。よって、ここではコア部と光伝送路を同一意味で使用する。
【0049】
例えば、光ファイバにステップインデックス型光ファイバを使用する場合は、屈折率nC1が上記(7)式を満たす1種類の光硬化性樹脂溶液を用いる。製造工程は、図3(d)の最終工程を除いて上記第2実施例と同じである。(7)式を満たすよう光硬化性樹脂溶液の屈折率nC1が調整されているので、第2実施例で説明したメカニズムが作用する。その結果、光硬化性樹脂溶液中にステップインデックス型光ファイバのコア部とほぼ等しい径を有する直線状の光伝送路が形成される。
【0050】
また、光ファイバにグレーディッドインデックス型光ファイバを使用する場合は、屈折率nC1が上記(14)式を満たす1種類の光硬化性樹脂溶液を用いる。製造工程は、同じく図3(d)の最終工程を除いて上記第2実施例と同じである。(14)式を満たすよう光硬化性樹脂溶液の屈折率nC1が調整されているので、第3実施例で説明したメカニズムが作用する。その結果、光硬化性樹脂溶液中にグレーディッドインデックス型光ファイバのコア径より小さい径を有する直線状の光伝送路単体が形成される。
これらの光伝送路は、径が小さく柔軟性を有することから半導体基板上に形成されたLED素子、半導体レーザ素子の発光部に直接配設することができる。
従って、他の光学素子に柔軟な配設を可能とする光伝送路の製造方法となる。
【0051】
尚、光硬化後の屈折率が溶液の屈折率よりも高くなり、(7)式、又は、(14)式を満たすような溶液を選択すれば、上記のように1種類の光硬化性溶液を用いることも可能である。しかし、ある波長の光で硬化する光硬化性溶液と、その溶液よりも屈折率が小さくその波長の光では硬化しない他の光硬化性溶液との混合液でも良い。この場合には、コア部の硬化後の屈折率と混合溶液との屈折率の差を大きくすることができ、混合さた光硬化性溶液の屈折率nC1が(7)式、(14)式を容易に満たすように設定することが可能である。これにより、テーパ状に広がらない直線平行性の高いコア部を容易に形成することができる。
上記光伝送路はクラッド部を形成しない場合を想定したが、用途に応じて光伝送路の周囲にクラッド部を形成してもよい。それは、次の手順で形成される。
例えば、使用する光ファイバに応じて、上記(7)式あるいは(14)式を満たす屈折率nC1の光硬化性樹脂溶液を選択する。そして、それを第1の光硬化性樹脂溶液とし、硬化させて光ファイバ先端に上記直線状の光伝送路を形成する。その後、第1の光硬化性樹脂溶液を洗浄し、第2の光硬化性樹脂溶液に漬ける。そして、この第2の光硬化性樹脂溶液を硬化させてもよい。このようにすれば、第2実施例および第3実施例と同等のブロック化したクラッド部が形成される。また、第2の光硬化性樹脂溶液を硬化させず、第2の光硬化性樹脂溶液から取り出した後、洗浄せずに表面に残存したそれを硬化させてよい。このようにすれば、クラッド径も小さく柔軟な光伝送路が形成できる。
また、上記クラッド部は完全に硬化させなくともよい。即ち、ゲル状態でもよいし、また液体のままでもよい。さらには、空気等の気体でもよい。光伝送路の屈折率が、周囲媒体のそれより大であれば、様々な用途に対してクラッド部は様々な態様を採ることができる。
【0052】
(変形例)
以上、本発明を表す実施例を示したが、他に様々な変形例が考えられる。
例えば、第1実施例において、短波長レーザにヘリウムカドミウムレーザ(λ=325nm)を用いたが、光硬化性樹脂溶液によってはアルゴンイオンレーザ(λ=488nm)あるいは超高圧水銀ランプ(λ=380nm)等も適用可能である。
【0053】
また、第1実施例〜第3実施例では、混合溶液を屈折率1.49であるエポキシ系の高屈折率光硬化性樹脂溶液と屈折率1.34のアクリル系の低屈折率光硬化性樹脂溶液で構成したが、硬化開始波長と硬化後の屈折率が異なれば、他の材料系でもよい。例えば、フッ素系モノマー、あるいはシリコン系に光反応開始剤を混入させたものでもよい。上述の分光感度特性と屈折率条件を満たせばよい。
【0054】
また、上記実施例では、ステップインデックス型光ファイバとグレーディッドインデックス型光ファイバを用いたが、他のファイバでもよい。偏波面保存ファイバー、シングルモードファイバ等でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る光伝送路の製造方法の構成図。
【図2】第1実施例に係る混合溶液の分光感度特性図。
【図3】第2実施例に係る光伝送路の製造方法の構成図。
【図4】第2実施例に係る光伝送路の断面図。
【図5】第2実施例の光伝送路における伝搬条件説明図。
【図6】第3実施例の光ファイバに係る屈折率分布の説明図。
【図7】第3実施例に係る光ファイバと光伝送路のコア径に関する関係図。
【図8】第3実施例に係る光伝送路のコア径とコア長さの関係図。
【符号の説明】
100 混合溶液
105,205,
305 コア部
106,206,
306 クラッド部
110 透明容器
120 短波長レーザ
125 短波長レーザ光
130 紫外線ランプ
135 紫外線
200 ステップインデックス型光ファイバ
300 グレーディッドインデックス型光ファイバ

Claims (2)

  1. 光硬化性樹脂溶液に光ファイバ先端を漬け、該光ファイバ先端から所定波長の光を出射させて、光軸方向に該光硬化性樹脂溶液を硬化させることにより、該光ファイバ先端から連続した光伝送路を作製する光伝送路の製造方法において、
    前記光ファイバは、屈折率がコア部とクラッド部の境界でステップ状に変化するステップインデックス型光ファイバであり、該コア部屈折率をnf1、クラッド部屈折率をnf2、前記光伝送路の屈折率をnA2、前記光硬化性樹脂溶液の屈折率をnC1とする時、(1)式の条件を満たすように、前記光硬化性樹脂溶液の屈折率が調整される光伝送路の製造方法。
    Figure 0003750671
  2. 光硬化性樹脂溶液に光ファイバ先端を漬け、該光ファイバ先端から所定波長の光を出射させて、光軸方向に該光硬化性樹脂溶液を硬化させることにより、該光ファイバ先端から連続した光伝送路を作製する光伝送路の製造方法において、
    前記光ファイバは、半径方向に所定の関数で屈折率勾配を有するグレーディッドインデックス型光ファイバであり、該光ファイバのコア部中心の最大屈折率をnf1、コア部直径を2af 、クラッド部屈折率をnf2、前記光伝送路の屈折率をnA2、前記光硬化性樹脂溶液の屈折率をnC1、pを整数とする時、
    作製される光伝送路の直径2aw が(2)式を満たす条件で、前記光硬化性樹脂溶液の屈折率が調整されることを特徴とする光伝送路の製造方法。
    Figure 0003750671
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